説明

画像形成装置の開閉機構、現像剤の収容容器、画像形成装置

【課題】開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止する。
【解決手段】開閉部材350の端部400に傾斜面420が形成され、シール部材354の端部470に円弧面470ABが形成されている、よって、開閉部材350がシール部材354(下面311)に沿って移動した際、鈍角の傾斜面420と円弧面470ABとが接触する。言い換えると、90°以下となるエッジ部470Eとエッジ部400Eとが離れているので接触することがない。したがって、シール部材354の剥がれや千切れの発生が抑制又は防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の開閉機構、現像剤の収容容器、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、排出孔及び充填孔が形成された容器本体と、排出孔を開閉する開閉部と、充填孔を封止する蓋部材と、充填孔に対向する対向部を有し、更に開閉部を操作する操作部材を有し、操作部材は、排出孔を開いた状態とする第1の位置と、排出孔を閉じた状態とし重力方向において対向部が容器本体と重なる位置に配置された状態となる第2の位置と、排出孔を閉じた状態とし重力方向において対向部が容器本体と重ならない第3の位置と、の間で移動する収容容器が記載さている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−27823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、現像剤が通る開口が形成された本体部と、現像剤が通る開口が形成された本体部と、前記本体部における前記開口の周囲に貼られたシール部材と、前記シール部材に接触し且つ前記シール部材に沿って前記本体部に対して相対移動すると共に相対移動方向の端部が前記開口の少なくとも一の縁部を通過して前記開口を開閉する開閉部材と、前記開閉部材の相対移動方向側の端部及び前記シール部材の前記開口側の端部の少なくも一方の端部における他方側の部材と接触する側に形成され、前記他方側の部材における前記一方の端部と接触する接触面に対して鈍角に接触する傾斜面、又は前記接触面に対して円弧状に接触する円弧面と、を備える。
【0006】
請求項2の発明は、前記本体部の前記開口の縁部は、前記開閉部材と反対側に傾斜又は湾曲され、前記シール部材の端部は、前記縁部に沿って貼り付けられることで、前記開閉部材と接触する側に前記傾斜面又は前記円弧面が形成される。
【0007】
請求項3の発明は、前記開閉部材の端部における前記シール部材と接触する角部に、前記傾斜面又は前記円弧面が形成されている。
【0008】
請求項4の発明は、前記本体部は円弧形状とされ、前記開閉部材は、前記本体部の円弧形状に沿って湾曲すると共に、円弧形状に沿って相対移動する。
【0009】
請求項5の発明は、画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着され、現像剤が収容され、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置の開閉機構を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の現像剤の収容容器と、前記現像剤の収容容器が着脱可能に装着される装置本体と、前記装置本体に設けられ、前記現像剤の収容容器が装着されると共に、装着された前記現像剤の収容容器に設けられた前記開口と対向し、前記開口を通るトナーが通過する通過口が形成された受部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、開閉部材の相対移動方向側の端部及びシール部材の開口側の端部のいずれの端部にも傾斜面又は円弧面が設けられていない構造と比較し、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、シール部材の端部に傾斜面又は円弧面が形成されていない構造と比較し、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、開閉部材の端部に傾斜面又は円弧面が形成されていない構造と比較し、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、開閉部材が本体部の円弧形状に沿って湾曲し、円弧形状に沿って相対移動する構造であっても、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置の開閉機構を有しない構造と比較し、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の現像剤の収容容器以外の収容容器が着脱可能に装着される構成と比較し、開閉部材がシール部材に沿って本体部に対して相対移動した際におけるシール部材の剥がれや千切れの発生を抑制又は防止することができる
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を側面から示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る収容容器の一部分を分解して示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る収容容器を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る収容容器の回転軸と直交する断面を示す断面斜視図である。
【図6】(A)は、本発明の実施形態に係る収容容器を構成する容器本体の回転軸と直交する断面を示す断面斜視図であり、(B)は開閉部材を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る収容容器における開閉部材の移動による排出孔の開閉を説明し、図7(a)は操作部材が第1の位置にある開放状態を示す側面図であり、図7(b)は操作部材が第2の位置にある閉鎖状態を示す側面図であり、図7(c)は操作部材が第3の位置にある閉鎖状態を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る収容容器における開閉部材の移動による排出孔の開閉を説明し、図8(a)は操作部材が第1の位置にある閉鎖状態を示す図7(a)に対応する断面図であり、図8(b)は操作部材が第2の位置にある閉鎖状態を示す図7(b)に対応する断面図であり、図8(c)は操作部材が第3の位置にある閉鎖状態を示す図7(c)に対応する断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る収容容器の排出孔が形成された下面部分を拡大した拡大断面図である。
【図10】(A)は図9の要部を示す拡大断面図であり、(B)は(A)のB部を拡大し模式的に図示した模式図である。
【図11】(A)〜(D)は、シール部材の端部の変形例を示す模式図である。
【図12】(A)〜(D)は、開閉部材の端部の変形例を示す模式図である
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を説明する。
<全体構成>
まず、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成について説明する。
【0019】
図1に示されるように、画像形成装置10は、画像形成装置本体20を有し、画像形成装置本体20の上部が、画像が形成された用紙が排出される排出部22として用いられている。また、画像形成装置本体20には、前側に操作手段として用いられる操作パネル12が装着されている。
【0020】
また、画像形成装置本体20には、装着用開閉部24と、給紙用開閉部26とが、それぞれ開閉することができるように装着されている。装着用開閉部24は、画像形成装置本体20内に、像形成剤収容容器として用いられる収容容器300Y、300M、300C、300Kを装着する場合と、画像形成装置本体20内から収容容器300Y、300M、300C、300Kを取り外す場合とに開かれ、画像形成を行う場合に閉じられる。給紙用開閉部26は、画像形成装置本体20の前側から、画像形成をする用紙を供給する場合に開かれる。尚、装着用開閉部24の開閉は、図1では画像形成装置本体20の後方を支点として回転させる形態(装着用開閉部24の短辺側に支点を形成させる形態)であるが、図1の形態に限らず、画像形成装置本体20の側方を支点として回転させる形態(装着用開閉部24の長辺側に支点を形成させる形態)であっても良い。
【0021】
図2には、画像形成装置10の断面が示されている。図2に示されるように、画像形成装置本体20内には、像形成部100と、像形成部100に用紙を供給する給紙装置200とが装着されている。また、画像形成装置本体20内には、用紙の搬送に用いられる搬送路250が形成されている。
【0022】
像形成部100は、像保持体として用いられる感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kと、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kをそれぞれ帯電する帯電装置104Y、104M、104C、104Kと、帯電装置104Y、104M、104C、104Kによって帯電された感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kに光を照射して静電潜像を形成する潜像形成装置106と、潜像形成装置106によって感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kの表面に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像して、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像をそれぞれが形成する現像装置110Y、110M、110C、110Kを有する。
【0023】
現像装置110Y、110M、110C、110Kには、収容容器300Y、300M、300C、300Kから、イエローのトナー、マゼンタのトナー、シアンのトナー、黒のトナーが、それぞれに供給される。
【0024】
また、像形成部100は、現像装置110Y、110M、110C、110Kによってそれぞれ形成されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を用紙に転写する転写装置140と、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kの表面をクリーニングするクリーニング装置114Y、114M、114C、114Kと、転写装置140によって転写されたトナー像を用紙に定着する定着装置116とを有する。
【0025】
転写装置140は、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kに形成されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、黒トナー像が重ねられるように転写され、転写媒体として用いられるベルト状の中間転写体142を有する。中間転写体142は、支持部材として用いられる支持ロール146、148、150、152によって、回転することができるように支持されている。
【0026】
また、転写装置140は、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kにそれぞれが形成されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を、中間転写体に転写する1次転写装置として用いられる1次転写ロール156Y、156M、156C、156Kと、中間転写体142に転写されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を、用紙に転写する2次転写装置として用いられる2次転写ロール158を有する。また、転写装置150は、中間転写体142の表面をクリーニングするクリーニング装置160を有する。
【0027】
給紙装置200は、例えばカセットが用いられる用紙収納部202と、用紙収納部202に収納された最上位に位置する用紙を抽出する抽出ロール204と、抽出ロール204で抽出された用紙を像形成部100に向けて搬送する搬送ロール206と、搬送ロール206に接触し、搬送ロール206との間で用紙を分離する分離ロール208とを有する。用紙収納部202は、例えば画像形成装置本体20の前側(図2における左側)に引き出すことができるようになっていて、画像形成装置本体20から引き出された状態で、用紙収納部202内に用紙が補充される。
【0028】
搬送路250は、主搬送路252と、反転搬送路254と、補助搬送路256とを有する。
【0029】
主搬送路252は、給紙装置200から供給された用紙を排出部22に向けて搬送する搬送路であって、主搬送路252に沿って用紙の搬送方向上流側から順に、レジストロール260と、先述の2次転写ロール158と、先述の定着装置116と、排出ロール262とが装着されている。レジストロール260は、停止した状態から所定のタイミングで回転を開始し、中間転写体142にトナー像が転写されるタイミングに合致するように、中間転写体142と2次転写ロール158との接触部に用紙を供給する。
【0030】
排出ロール126は、定着装置116によって、トナー像が定着された用紙を排出部22に排出する。また、排出ロール126は、用紙の両面に画像を形成する場合に、排出部22に用紙を排出する場合と反対方向に回転して、一方の面に用紙に画像が形成された用紙を、後端側から反転搬送路254へと供給する。
【0031】
反転搬送路254は、一方の面に画像が形成された用紙を、反転させつつ、レジストロール260の上流側に再び供給する場合に用いられる。反転搬送路254に沿って、例えば2つの反転搬送ロール264、264が装着されている。
【0032】
補助搬送路256は、給紙用開閉部26が画像形成装置本体20に対して開いた状態で、画像形成装置本体20の前側から用紙を供給する場合に用いられる搬送路である。補助搬送路256に沿って、レジストロール260に向けて用紙を搬送する補助搬送ロール266と、補助搬送ロール266に接触し、用紙を分離するために用いられる分離ロール268とが装着されている。
【0033】
図1に示すように、また、画像形成装置本体20内には、収容容器300Y、300M、300C、300Kが装着される装着装置30が設けられている。
【0034】
収容容器300Y、300M、300C、300Kには、現像剤(像形成剤)として用いられるイエローのトナー、マゼンタのトナー、シアンのトナー、黒のトナーが、それぞれ収容されている。収容容器300Y、300M、300Cは、形状及び大きさがそれぞれ同じであり、同じ容積のトナーを収容することができるようになっている。収容容器300Kは、収容容器300Y、300M、300Cよりも縦長に構成され、収容容器300Y、300M、300Cよりも体積が大きく、収容容器300Y、300M、300Cよりも収容することができるトナーの容積が大きい(図2を参照)。
【0035】
収容容器300Y、300M、300Cと収容容器300Kとは、収容できるトナーの容積が異なるものの有する部材と機能とが同じである。以下、特定の収容容器を示す場合を除き、収容容器300Y、300M、300C、400Kを、収容容器300と総称する。
【0036】
図7(A)に示すように、収容容器300には、画像形成装置本体20(図1参照)に装着された状態において、重力方向下側となる位置に、排出孔312が形成されている(図5、図6も参照)。そして、排出孔312から排出されたトナーは、画像形成装置本体20(図1参照)に設けられたトナー供給部820に形成され、排出孔312に対向する供給口802に供給される。そして、図示が省略されておるトナー供給路を介して、現像装置110(図2参照)に供給され、像形成に用いられる。
【0037】
<収容容器>
つぎに、収容容器300について説明する。
【0038】
図3及び図4に示すように、収容容器300は、容器本体306と、開閉部材350と、操作部として用いられる操作部材380と、駆動伝達部として用いられるギア370と、を有する。
【0039】
図5及び図6に示すように、前述したように、収容容器300には、画像形成装置本体20(図1参照)に装着された状態において重力方向下側となる位置に、排出孔312が形成されている。
【0040】
図3に示すように、容器本体306の、画像形成装置本体20に装着された状態において重力方向上側の位置には、トナーを容器本体306内に充填するために用いられる充填孔314が形成されている。充填孔314は、容器本体306の上側の面に形成されていて、充填孔314を介して、重力方向上方から落下させるようにして、容器本体306内にトナーが充填される。充填孔314は、重力方向上方から視た形状は略円形となっている。
【0041】
図3と図4とに示すように、収容容器300は、充填孔314を封止する封止部として用いられる蓋部材340を有する。蓋部材340は、充填孔314を介して容器本体306内にトナーを充填した後、充填孔314に嵌め込まれるようにして容器本体306に装着される。蓋部材340が装着されると、充填孔314が封止され、容器本体306の向きにかかわらず、充填孔314からトナーがこぼれることが防止される。
【0042】
また、収容容器300は、覆い部材342を有する。覆い部材342は、容器本体306に装着された蓋部材340を外側から覆うように、容器本体306に取り付けられる。覆い部材342が取り付けられると、例え蓋部材340が充填孔314から外れそうになったとしても、蓋部材340が充填孔314から完全に脱落してしまうことを防いで、充填孔314を介して容器本体306からこぼれたトナーが周囲に拡散することが、覆い部材342によって抑制される。
【0043】
図5及び図6に示すように、容器本体306の内部には、容器本体306内に収容されたトナーを攪拌するための攪拌部として用いられる攪拌装置330が装着されている。攪拌装置330は、容器本体306に回転軸332を中心に回転することができるように取り付けられた軸322と、軸322に取り付けられ、軸322に略平行な平行部334と、軸322に取り付けられた攪拌板336と、を有する。攪拌板336は、弾性を有するフィルム状のシートからなり、先端部が容器本体306の内側の面に接触するようになっている。
【0044】
図3及び図4に示すように、ギア370は、容器本体306の前側の面に装着されていて、収容容器300が画像形成装置本体20内に装着された際に、画像形成装置本体20側に設けられたギア(不図示)と連結して、このギアから駆動伝達を受けるようになっている。また、ギア370は、軸322の容器本体306内から突出した部分に連結されている。このため、駆動が伝達されてギア370が回転をすると、容器本体306内で攪拌装置330が回転し、容器本体306内に収容されたトナーが攪拌される。
【0045】
図4に示すように、容器本体306の後ろ側の面には、操作部材380を回転可能に支持するために用いられる円柱形状の支持用突起324が形成されている。また、容器本体306の前側の面には、支持用突起324と同様に、操作部材380を回転可能に支持するために用いられる支持用突起(不図示)が形成されている。
【0046】
図3と図4とに示すように、操作部材380は、充填孔314に対向する位置に配置された対向部382と、対向部382の前側の端部から延びる前側腕部384と、対向部382の後側の端部から延びる後側腕部386と、を有する。前側腕部384には、容器本体306の前側に形成された支持用突起(不図示)が嵌り込むように形成された貫通孔(不図示)が形成されている。また、後側腕部386には、容器本体306の後側の面に形成された支持用突起324が嵌り込むように形成された貫通孔408が形成されている。
【0047】
そして、前側腕部384に形成された貫通孔に、容器本体306の前側の面に形成された支持用突起を挿入し、貫通孔408に支持用突起324を挿入するようにして、操作部材380は、回転軸332を中心に回転することができるように支持され、後述する第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間で移動することができるようになっている。
【0048】
前側腕部384には、貫通孔390が形成されている。貫通孔390は、操作部材380が後述する第3の位置に配置された状態において固定用突起316が嵌り込む位置に形成されている。このため、操作部材380は、貫通孔390及び固定用突起316によって、容器本体306に対して第3の位置に固定される。
【0049】
容器本体306の下側には、開閉部材350が相対移動可能に取り付けられている。そして、開閉部材350が容器本体306に対して相対移動することで排出孔312が開閉する(図7と図8も参照)。容器本体306の排出孔312に周囲には、排出孔312をシーリングするシール部材354が貼り付けられている。つまり、シール部材354は、開閉部材350と排出孔312周囲の下面311との隙間を埋めてシールする。また、シール部材354は、開閉部材350と下面311との間で圧縮された状態となっている。
【0050】
また、開閉部材350が容器本体306に対して相対移動するために、容器本体306には、開閉部材350を案内させる案内部を為す開閉部案内溝351が設けられている。
【0051】
前述した操作部材380と開閉部材350とは連結されている。すなわち、前側腕部384の下端部側の部分が、開閉部材350の前側の部分に連結されているとともに、後側腕部386の下端側の部分が、開閉部材350の後側の部分に連結されている。このため、操作部材380の移動に連動して、開閉部材350が移動する。
【0052】
<開閉動作>
つぎに、操作部材380による開閉部材350の開閉動作について、図7と図8とを用いて説明する。
【0053】
操作部材380は、図7(a)及び図8(a)に示す第1の位置と、図7(b)及び図8(b)に示す第2の位置と、図7(c)及び図8(c)に示す第3の位置との間で、移動することができるようになっている。
【0054】
図7(a)及び図8(a)に示される第1の位置は、容器本体306に形成された排出孔312を開いた状態とする位置である。すなわち、操作部材380が第1の位置にあると、操作部材380に連結された開閉部材350は、排出孔312から離れた位置に配置された状態となる。画像形成装置本体20内に装着されて、現像装置110にトナーを供給する際には、操作部材380は、第1の位置に配置された状態となるように操作される。
【0055】
図7(b)及び図8(b)に示される第2の位置は、排出孔312を閉じた状態とし、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)において、操作部材380の対向部が容器本体306と重なる位置に配置された状態である。操作部材380が第2の位置にあると、操作部材380に連結された開閉部材350は排出孔312を覆う位置に配置された状態となり、排出孔312が塞がれた状態となる。
【0056】
図7(c)及び図8(c)に示される第3の位置は、排出孔312を閉じた状態とし、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)において、操作部材380の対向部が容器本体306と重ならない位置に配置された状態である。操作部材380が第3の位置にあると、操作部材380に連結された開閉部材350は排出孔312を覆う位置に配置された状態となり、排出孔312が塞がれた状態となる。操作部材380と開閉部材350とは連結されているので、操作部材380を第2の位置から第3の位置へ移動させると、開閉部材350も操作部材380の移動に伴って移動するが、排出孔312の大きさに対して開閉部材350の大きさを大きく形成させているので、排出孔312が塞がれた状態のままである
【0057】
また、操作部材380が第3の位置にあると、対向部382は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向である上下方向において、容器本体306と重ならない状態となる。
【0058】
なお、図7(a)及び図8(a)に示されている容器本体306に形成された排出孔312を開いた状態において、排出孔312からトナーが排出されると共に排出されたトナーは、画像形成装置本体20(図1参照)に設けられたトナー供給部820に形成された供給口802に供給される。
【0059】
<開閉構造>
つぎに、開閉部材350による排出孔312の開閉構造について説明する。
【0060】
図9に示すように、収容容器300の容器本体306の排出孔312が形成された下面311は、円弧状に湾曲した形状とされている(図5と図6も参照)。
【0061】
下面311における排出孔312の周囲には、シール部材354が貼られている。シール部材354は弾性変形する材料で構成され、本実施形態では、ウレタン製の硬質スポンジで構成されている。そして、シール部材354には、排出孔312に対応する部位に開口355が形成されている。
【0062】
シール部材354の下側(外側)には、平面視略四角形状の板状の開閉部材350が移動可能(スライド可能)に設けられている。開閉部材350は、下面311の円弧形状に沿って湾曲した形状とされている。
【0063】
開閉部材350は、シール部材354に沿って収容容器300の容器本体306の下面311に対して円弧方向に相対移動し、相対移動方向Sの端部400が排出孔312の縁部450,460(シール部材354の端部470、480)を通過し、排出孔312を開閉する(図7と図8も参照)。
【0064】
下面311に形成された排出孔312の相対移動方向Sの縁部450及び縁部460は、開閉部材350側と反対側(内側)に傾斜した傾斜面450A、460Aが形成されている。そして、シール部材354の開口355の端部470,480は、縁部450、460の傾斜面450A,460Aに沿って貼り付けられることで、開閉部材350と接触する側に傾斜面470A,480Aが形成される(図10も参照)。
【0065】
図10(B)に示すように、シール部材354は、スポンジ等の弾性変形する材料で構成されているので、シール部材354の端部470における屈曲部位は円弧面470ABとなる。そして、この円弧面470ABが開閉部材350に接触する。
【0066】
なお、本実施形態においては、図10(B)には図示されていないが、シール部材354の端部480における屈曲部位も同様に円弧面480AB(図9参照)とされている。
【0067】
図6(B)、図9、図10に示すように、開閉部材350の端部400には、シール部材354(下面311)に対して鋭角となる傾斜面410が形成されている。しかし、端部400におけるシール部材354の端部470と接触する領域(部位)には、シール部材354(下面311)に対して鈍角となる傾斜面420とされている。
【0068】
別の観点から説明すると、図10(A)に示すように、シール部材354の端部470における開閉部材350に対して鋭角となるエッジ部470Eを開閉部材350から距離L1離すと共に、開閉部材350の端部400におけるシール部材354に対して鋭角となるエッジ部400Eをシール部材354から距離L2離している。
【0069】
<作用及び効果>
図9と図10とに示すように、開閉部材350の端部400に傾斜面420が形成され、シール部材354の端部470に円弧面470ABが形成されている、よって、図7と図8とに示すように、開閉部材350がシール部材354(下面311)に沿って移動した際、鈍角の傾斜面420と円弧面470ABとが接触する。
【0070】
したがって、傾斜面420と円弧面470ABとが形成されていない構成と比較し、シール部材354の剥がれや千切れの発生が抑制又は防止される。
【0071】
なお、シール性を高めるため、シール部材354は、開閉部材350が押圧して密着している。また、このためシール部材354は厚み方向に圧縮され潰れていている。よって、傾斜面470Aは、シール部材354が潰れた状態であっても形成されるように設計されている。言い換えるとシール部材が圧縮された状態であっても、エッジ部470Eが開閉部材350に接触しないように構成されている。
【0072】
また、排出孔312の縁部450に傾斜面450Aを形成し、この傾斜面450Aにシール部材354の端部470に沿って貼り付けられることで、開閉部材350と接触する側に傾斜面470A(円弧面470AB)が形成される。つまり、シール部材354を加工することなく、開閉部材350と接触する側に傾斜面470A(円弧面470AB)が形成される。
【0073】
<シール部材の変形例>
上記実施形態では、容器本体306の下面311に形成された排出孔312の縁部450に傾斜した傾斜面450Aが形成され、これに沿ってシール部材354を貼ることで端部470に傾斜面470A及び円弧面470ABを形成したが、シール部材354の端部470に傾斜面や円弧面を形成してもよい。よって、次に、シール部材354の端部470に傾斜面や円弧面を形成した例を変形例として図11を用いて説明する。
【0074】
図11(A)には、シール部材354の端部470に傾斜面510を形成した例が示されている。
【0075】
図11(B)には、シール部材354の端部470に円弧面512を形成した例を示されている。
【0076】
図11(C)には、シール部材354の端部470の角部をC面取りして傾斜面513を形成した例が示されている。
【0077】
図11(D)には、シール部材354の端部470の角部をR面取りして円弧面514を形成した例が示されている。
【0078】
なお、傾斜面は開閉部材350に対して鈍角となるように形成されている。更に、円弧面の曲率半径は大きい方がよい。
【0079】
<開閉部材の変形例>
次に、開閉部材350の端部400の変形例を、図12を用いて説明する。
【0080】
図12(A)には、開閉部材350の端部400に円弧面422を形成した例が示されている。
【0081】
図12(B)には、開閉部材350の端部400の角部をC面取りして傾斜面424を形成した例が示されている。
【0082】
図12(C)には、開閉部材350の端部400に角部をR面取りして円弧面426を形成した例が示されている。
【0083】
図12(D)には、開閉部材350の端部400に湾曲させて傾斜面428を形成した例が示されている。
【0084】
なお、傾斜面はシール部材354に対して鈍角となるように形成されている。更に、円弧面の曲率半径は大きい方がよい。
【0085】
<その他>
尚、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0086】
例えば、上記実施形態では、シール部材354の端部470、480の両方に開閉部材50の端部400が通過したが、これに限定されない。開閉部材350の端部400が、少なくともシール部材354の端部470を通過すればよい。つまり、排出孔312の一部を開閉部材350が覆っていても開放状態とする。
【0087】
また、例えば、上記実施形態では、開閉部材の端部とシール部材の端部と両方に傾斜面又は円弧面が形成されていたが、これに限定されない。開閉部材の端部とシール部材の端部との少なくとも一方に傾斜面又は円弧面が形成されていればよい。
【0088】
言い換えると、90°以下となるエッジ部470Eとエッジ部400Eとのすくなくとも一方が、開閉部材又はシール部材から離れていればよい。
【0089】
また、例えば、上記実施形態では、容器本体306が画像形成装置本体20に固定された状態で開閉部材350が移動したが、これに限定されない。例えば、開閉部材が画像形成装置本体20に固定された状態で容器本体側が移動や回転することで排出孔が開閉する構成であってもよい。
【0090】
また、例えば、上記実施形態では、トナーを収容して供給する着脱可能な収容容器300に本発明を適用したが、これに限定されない。着脱されない収容容器に本発明を適用することもできる。更に、現像機に供給するトナーを収容する収容容器以外にも本発明を適用することができる。例えば、廃トナーを回収して収容する収容容器にも本発明を適用することができる。要は、現像剤を供給する開口及び現像剤を排出する開口を開閉する開口部材がある部位全般に本発明を適用することができる。
【0091】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
10 画像形成装置
20 現像装置本体(装置本体の一例)
300 収容容器。
306 容器本体(本体部の一例)
312 排出孔(開口の一例)
350 開閉部材
354 シール部材
400 端部
410 傾斜面
420 傾斜面
422 円弧面
424 傾斜面
426 円弧面
428 傾斜面
450 縁部
470 端部
470A 傾斜面
470AB 円弧面
510 傾斜面
512 円弧面
513 傾斜面
514 円弧面
802 供給口(通過口の一例)
820 トナー供給部(受部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤が通る開口が形成された本体部と、
前記本体部における前記開口の周囲に貼られたシール部材と、
前記シール部材に接触し且つ前記シール部材に沿って前記本体部に対して相対移動すると共に相対移動方向の端部が前記開口の少なくとも一の縁部を通過して前記開口を開閉する開閉部材と、
前記開閉部材の相対移動方向側の端部及び前記シール部材の前記開口側の端部の少なくも一方の端部における他方側の部材と接触する側に形成され、前記他方側の部材における前記一方の端部と接触する接触面に対して鈍角に接触する傾斜面、又は前記接触面に対して円弧状に接触する円弧面と、
を備える画像形成装置の開閉機構。
【請求項2】
前記本体部の前記開口の縁部は、前記開閉部材と反対側に傾斜又は湾曲され、
前記シール部材の端部は、前記縁部に沿って貼り付けられることで、前記開閉部材と接触する側に前記傾斜面又は前記円弧面が形成される請求項1に記載の画像形成装置の開閉機構。
【請求項3】
前記開閉部材の端部における前記シール部材と接触する角部に、前記傾斜面又は前記円弧面が形成されている請求項1又は請求項2の画像形成装置の開閉機構。
【請求項4】
前記本体部における前記開口が形成された面は円弧形状とされ、
前記開閉部材は、前記本体部の円弧形状に沿って湾曲した形状とされている共に、円弧形状に沿って相対移動する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置の開閉機構。
【請求項5】
画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着され、現像剤が収容され、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置の開閉機構を有する現像剤の収容容器。
【請求項6】
請求項5に記載の現像剤の収容容器と、
前記現像剤の収容容器が着脱可能に装着される装置本体と、
前記装置本体に設けられ、前記現像剤の収容容器が装着されると共に、装着された前記現像剤の収容容器に設けられた前記開口と対向し、前記開口を通るトナーが通過する通過口が形成された受部と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−203241(P2012−203241A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68564(P2011−68564)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】