説明

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】プロセスカートリッジを複数の筐体から構成しても、像保持体と、現像剤供給部材との位置関係を良好に保つことができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、画像形成装置本体12と、開閉カバー39と、プロセスカートリッジ200と、不適切なプロセスカートリッジ200が画像形成装置本体12内に装着され、開閉カバー39が閉じられると、プロセスカートリッジ200と干渉する位置に設けられた凸部40と有する。プロセスカートリッジ200は、感光体55が装着された第1の筐体220と、現像ロール92が装着された第2の筐体222とを有する。凸部40は、不適切なプロセスカートリッジ200が装着され、開閉カバー39が閉じられると、第2の筐体222を感光体55と現像ロール92とが近接する方向に押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された潜像を現像するための現像手段と、前記電子写真感光体を支持する第1枠体と、前記現像手段を支持し、前記第1枠体と相対的に回動可能に結合する第2枠体と、前記第1枠体に設けられ、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体に装着した際に、前記プロセスカートリッジを前記電子写真画像形成装置本体に位置決めするための位置決め手段と、プロセスカートリッジが電子写真画像形成装置に装着されたことを検出するための検出手段に作用する被検出部材と、を有し、前記被検出部材を前記第1枠体の上面に、前記第1枠体から第2枠体にまたがるように設けたプロセスカートリッジが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特許公報 3295581号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、プロセスカートリッジを複数の筐体から構成しても、像保持体と、現像剤供給部材との位置関係を良好に保つことができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の特徴とするところは、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に開閉可能に設けられた開閉部と、前記開閉部が開かれることにより前記画像形成装置本体内に着脱されるプロセスカートリッジと、前記開閉部を閉じる動作時に前記画像形成装置本体内に適切なプロセスカートリッジが装着された場合は該プロセスカートリッジと干渉せず、不適切なプロセスカートリッジが装着された場合は該プロセスカートリッジと干渉する位置に設けられた干渉部と、を有し、前記プロセスカートリッジは、第1の筐体と、前記第1の筐体に装着された像保持体と、前記第1の筐体に回転可能に連結された第2の筐体と、前記第2の筐体に装着され、前記像保持体に接触又は近接する位置で、前記像保持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、を有し、前記干渉部は、不適切なプロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の少なくともいずれか一方を、前記開閉部が閉じられることに連係して、前記像保持体と前記現像剤供給部材とが互いに近接する方向に押圧する画像形成装置にある。
【0006】
好適には、電源部と、電源部から給電がなされ、画像形成及び用紙搬送の少なくともいずれか一方を行う被給電部と、前記開閉部が閉じられた状態では、前記電源から前記被給電部への通電を許容し、前記開閉部が開かれた状態では、前記電源部から前記被給電部への通電を遮断するインターロック部とを有する。
【0007】
また、本発明の第2の特徴とするところは、画像形成装置本体に開閉可能に設けられた開閉部が開かれることにより前記画像形成装置本体内に着脱され、第1の筐体と、前記第1の筐体に装着された像保持体と、前記第1の筐体に移動可能に連結された第2の筐体と、前記第2の筐体に装着され、前記像保持体に接触又は近接する位置で、前記像保持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、適正な画像形成装置の画像形成装置本体に装着された際には前記開閉部の開閉と干渉しない位置であって、不適切な画像形成装置の画像形成装置本体に装着された際には前記開閉部の開閉と干渉する位置に設けられた干渉部と、を有し、前記干渉部は、不適切な前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の少なくともいずれか一方が、前記開閉部が閉じられることに連係して、前記像保持体と前記現像剤供給部材とが近接する方向に押圧されるプロセスカートリッジにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プロセスカートリッジを複数の筐体から構成しても、像保持体と、現像剤供給部材との位置関係を良好に保つことができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の一例を示す側面図である。
画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12内に画像形成部14、給紙ユニット18a、18b、搬送路32、電源ユニット17、及びインターロック装置15が設けられている。
また、画像形成装置本体12には、用紙を排出するために用いられる排出口34が形成されている。
【0010】
画像形成装置本体12の上部には、開閉カバー39がヒンジ42を用いて画像形成装置本体12に対して開閉することができるように取り付けられている。開閉カバー39は、開閉部として用いられていて、開閉カバー39を開くことより画像形成装置本体12に開放部35(図8参照)が形成される。そして、開放部35を介して、画像形成装置本体12内に、後述するプロセスカートリッジ200の着脱がなされる。
【0011】
開閉カバー39の開閉カバー39が閉じられた状態で下向きとなる面には、後述するプロセスカートリッジ200の方向へ伸びるように、干渉部として用いられる凸部40が、例えば1つ形成されている。また、開閉カバー39の開閉カバー39が閉じられた状態で下向きとなる面の例えば左右両端部近傍には、押圧突起47がそれぞれ形成されている。押圧突起47は、インターロック装置15の一部をなす。
【0012】
画像形成装置本体12の右内側面、及び左内側面には、それぞれ案内部として用いられる案内溝19が形成されている。案内溝19は、画像形成装置本体12の後側(図1における左側)に位置し、第1の案内部として用いられる第1の案内溝20と、画像形成装置本体12の前側に位置し、第2の案内部として用いられる第2の案内溝21とを有している。尚、図1においては、画像形成装置本体12の左内側面に形成された案内溝19、第1の案内溝20、及び第2の案内溝21は図示されているものの、図1において裏側にあたる画像形成装置本体12の右内側面に形成された案内溝19、第1の案内溝20、及び第2の案内溝21は図示されていない。
【0013】
開閉カバー39の上向きの面は、排出口34を介して画像形成装置本体12外に排出された用紙が積層するように載置される排出部16として用いられている。
【0014】
給紙ユニット18aは、用紙が収納される収納容器22aを有し、収納容器22aは、例えば画像形成装置本体12の前側(図1における右側)から、画像形成装置本体12外に引き出したり、取り外したりすることができるようになっている。収納容器22aの後側の端部近傍にはピックアップロール24aが配置され、ピックアップロール24aの用紙搬送方向下流側に、ピックアップロール24aがピックアップした用紙をさらに下流に向けて搬送する搬送ロール26aが配置されている。また、搬送ロール26aには、用紙を捌き、用紙の重送を防止するために用いられるリタードロール28aが接触している。
【0015】
給紙ユニット18bは、用紙が収納される収納容器22bを有し、収納容器22bは、画像形成装置本体12の前側から、画像形成装置本体12外に取り外すことができるようになっている。収納容器22bの後側の端部近傍にはピックアップロール24bが配置され、ピックアップロール24bの用紙搬送方向下流側に、ピックアップロール24bがピックアップした用紙をさらに下流にむけて搬送する搬送ロール26bが配置されている。
ピックアップロール24bは、用紙をピックアップする機能とあわせて、用紙を捌き、用紙の重送を防止する機能を有している。
【0016】
収納容器22bの例えば前側の端部には、ヒンジ44を用いて前カバー43が設けられている。前カバー43を開放することで、前カバー43を閉じた状態と比較して、収納容器22bに、より大きなサイズの用紙を収納することができる状態となる。
【0017】
搬送路32は、給紙ユニット18a、18bから排出口34まで用紙が搬送される用紙の通路であり、画像形成装置本体12の後面近傍にあって、給紙ユニット18aの搬送ロール26a、給紙ユニット18bの搬送ロール26bから、後述する定着装置36まで略鉛直に形成されている部分を有する。搬送路32の定着装置36の上流側には、後述する転写装置45と感光体55とが配置され、転写装置45と感光体55との上流側にレジストロール38が配置されている。また、搬送路32の排出口34近傍には排出ロール41が配置されている。
【0018】
以上の構成において、給紙ユニット18a、18bの収納容器22a、22bからピックアップロール24a、24bによって、それぞれに送り出された用紙は、搬送路32に導かれ、その先端部がレジストロール38により一時的に停止され、タイミングをとって後述する転写装置45と感光体55との間に搬送され、転写装置45と感光体55との間位置で現像剤像が転写され、この転写された現像剤像が定着装置36により定着され、排出ロール41により排出口34から排出部16へ排出される。
【0019】
但し、用紙の両面に画像形成を行う場合は、反転路に戻される。即ち、搬送路32の排出ロール41の手前は2股に分かれ、その分かれた部分に切換爪46が設けられていると共に、分かれた部分からレジストロール38まで戻る反転路48が形成されている。反転路48には搬送ロール50a、50b、50cが設けられており、両面に画像形成を行う場合には、切換爪46が反転路48を開く側に切り換えられ、排出ロール41に用紙の後端手前がかかる時点で排出ロール41が反転し、用紙は、反転路48に導かれ、再びレジストロール38、転写装置45と感光体55及び定着装置36を通り、排出口34から排出部16へ排出される。
【0020】
画像形成部14は、電子写真方式のもので、プロセスカートリッジ200と、転写装置45と、光書き込み装置58とを有する。
【0021】
プロセスカートリッジ200は、開閉カバー39を開くことで、画像形成装置本体12に形成される開放部35(図8参照)を介して、画像形成装置本体12内に着脱可能である。図1においては、プロセスカートリッジ200が画像形成装置本体12内における画像形成時に配置される位置である画像形成位置に装着された状態が示されている。
【0022】
プロセスカートリッジ200は、プロセスカートリッジ本体202を有し、プロセスカートリッジ本体202内に、像保持体として用いられる感光体55が装着されている。プロセスカートリッジ本体202の両側面には、第1の被案内部として用いられる第1の突起204と、第2の被案内部として用いられる第2の突起206とが、それぞれに設けられている。なお、図1においては、プロセスカートリッジ本体202の左側面に設けられた第1の突起204、及び第2の突起206は図示されているものの、図1において裏側にあたるプロセスカートリッジ本体202の右側面に設けられた第1の突起204、及び第2の突起206は図示されていない。
【0023】
また、プロセスカートリッジ本体202には、プロセスカートリッジ200を画像形成装置本体12内に着脱する場合などに、操作者がプロセスカートリッジ200を握るための位置である把手208が形成されている。把手208は面210を有している。尚、プロセスカートリッジ200の詳細については後述する。
【0024】
光書込み装置58は、例えば走査型のレーザ露光装置からなり、感光体55を露光して、感光体55に潜像を形成するために用いられる。尚、この実施形態においては、光書込み装置58として走査型のレーザ露光装置を用いたが、他の実施形態としてLED( Light Emitting Diode:発光ダイオード)や面発光レーザ等を用いることができる。例えば光書込み装置58をLEDから構成した場合は、後述するプロセスカートリッジ200と一体化することもできる。
【0025】
転写装置45は、感光体55の表面に形成された現像剤像を、用紙に転写するために用いられる。
【0026】
電源ユニット17は、画像形成及び用紙搬送の少なくともいずれか一方を行う被給電部に給電をする電源部として用いられている。ここで、画像形成及び用紙搬送の少なくともいずれか一方を行う被給電部としては、例えば画像形成部14、給紙ユニット18a、18b等を挙げることができる。図1においては、図示の便宜上、電源ユニット17が画像形成装置本体12の外側に示されているが、電源ユニット17は画像形成装置本体12内に設けられている。
【0027】
インターロック装置15は、インターロック部として用いられ、先述の開閉部15に形成された押圧突起47と、画像形成装置本体12側に設けられ、押圧突起47に押圧される押圧スイッチ49とを有する。尚、インターロック装置15の詳細についは後述する。
【0028】
図2には、プロセスカートリッジ200が示されている。
図2(a)に示されるように、プロセスカートリッジ本体202は、2つの筐体から構成されている。すなわち、プロセスカートリッジ本体202は、第1の筐体220と第2の筐体222とからなる。そして、図2(b)に示されるように第1筐体220と第2の筐体222とが連結された状態で画像形成装置本体12内に装着されて、画像形成に用いられる。第2の筐体222には、先述の把手208が形成されている。
【0029】
また、第2の筐体には、例えば把手208の右側の位置に凹部224が形成されている。凹部224は、プロセスカートリッジ200の種類ごとに異なる位置に形成されている。ここで、プロセスカートリッジ200の種類としては、例えば、プロセスカートリッジ200内に収容された現像剤の特性が異なるものを挙げることができる。画像形成装置は、例えば画像形成速度等により用いられる現像剤が最適化されることにより、画像形成速度の異なる機種においては異なる特性の現像剤が収納されたプロセスカートリッジを用いられる。そして、異なる特性の現像剤が収納されるプロセスカーリッジであっても、例えばコスト低減のために同じ形状のプロセスカートリッジ本体が用いられることがある。このような場合、本実施形態に係るプロセスカートリッジ200では、プロセスカートリッジ本体202に、収納された現像剤の特性に応じて、それぞれに異なる位置に凹部224を形成している。
【0030】
第2の筐体222の、凹部224が形成された面222aは、凸部40と干渉することがあり、凸部40に押圧されることがある干渉部として用いられている。
【0031】
図3には、第2の筐体222の左側面が示されている。
第2の筐体222の両側部には、第1の筐体220との連結のための連結部として用いられる連結用孔230が、それぞれ形成されている。なお、図3においては、左側面側に形成された連結用孔230は示されているものの、図3において裏側に位置する右側面側に形成された連結用孔230は示されていない。
【0032】
また、第2の筐体222の左側面の後側には、第1の付勢手段として用いられ、例えばコイルスプリングからなる弾性体226を装着するため用いられる装着部232が設けられている。また、第2の筐体222内には、感光体55に近接する位置で、感光体55に現像剤を供給する現像剤供給部材として用いられる現像ロール92が、その一部が第2の筐体222から露出するように装着されている。
現像ロール92の軸方向における両端部近傍であって、現像に用いられる現像領域よりも外側に位置する非現像領域には、感光体55と現像ロール92との間隔を規制する間隔規制部材として用いられるトラッキングロール(不図示)が設けられている。トラッキングロールは、現像ロール92に例えば回転可能に取り付けられていて、その外径が現像ロールよりも大きく、感光体55の表面に接触することができるようになっている。
【0033】
図4には、第1の筐体220の左側面が示されている。
第1の筐体220の両側面には、第2の筐体220との連結のための連結部として用いられる連結用孔234が、それぞれ形成されている。なお、図4においては、左側面側に形成された連結用孔234は示されているものの、図4において裏側に位置する右側面側に形成された連結用孔234は示されていない。
【0034】
また、第1の筐体220の左側面の後側には、先述の弾性体226(図3参照)の、第2の筐体222に装着された側の端部と逆側の端部が装着される装着部232が設けられている。また、第1の筐体220が有する縦壁部238の、右端部側(図4における奥側)には、第2の付勢手段として用いられ、例えばコイルスプリングからなる弾性体240の一端部側が装着されている。また、先述の感光体55は、第1の筐体220内に装着されている。
【0035】
図5には、互いに連結された第1の筐体220と第2の筐体222とが左側から示されている。
第1の筐体220と第2の筐体222とを連結するには、第1の筐体220に形成された連結用孔234の内側に、第2の筐体222に形成された連結用孔230が配置された状態となるように第1の筐体220と第2の筐体222とを組み合わせ、第2の筐体220の左右両側における外側から、連結部材として用いられる連結ピン242をそれぞれ挿入する。ここで、連結ピン242は、第1の筐体220の外側から第2の筐体に形成された連結用孔230に到達する十分な長さを持っているため、左右両側に配置された2つの連結ピン242によって、第1の筐体220と第2の筐体222とが2つの連結ピン242を中心に互いに回転することができるように連結される。
【0036】
連結ピン242で連結された後、第1の筐体220の装着部235と、第2の筐体222の装着部232とに、それぞれ弾性体226が装着される。弾性体226により、第1の筐体220と第2の筐体222とは、図5に矢印で示すように、連結ピン242を中心に回転するように、感光体55と現像ロール92とが互いに近接する方向に付勢される。
【0037】
また、第1の筐体220と第2の筐体222とが連結されると、弾性体240の第1の筐体220に装着された側の端部と逆側の端部が、第2筐体222に接触する。このため、弾性体240によって第2の筐体222が押圧され、図5に矢印で示すように、連結ピン242を中心に回転するように、感光体55と現像ロール92とが互いに近接する方向に付勢される。
このため、先述の現像ロール92の両端部近傍に取り付けられたトラキングロールが感光体55に押し付けられて、現像ロール92と感光体55との間隔が、予め定められた間隔(現像ギャップ)に保たれる。
【0038】
図6には、プロセスカートリッジ200の断面が示されている。
図6に示す様に、プロセスカートリッジ200は、先述の感光体55と、感光体55を一様に帯電させる例えば帯電ロールからなる帯電装置56と、帯電装置56により帯電され、光書込み装置58により感光体55の表面に形成された潜像を現像剤により現像し、感光体55の表面に現像剤像を形成する現像装置60と、感光体55に残存する現像剤をクリーニングする例えばブレードからなるクリーニング装置62とを有する。これらの装置等のうち、感光体55、帯電装置56、及びクリーニング装置62は、第1の筐体220内に装着されている。一方、現像装置60は、第2の筐体222内に設けられている。
【0039】
現像装置60は、現像室86と、現像剤を収容する容器として用いられる第1の現像剤収納室88と、第1の現像剤収納室88に供給される現像剤が収納される第2の現像剤収納室89とを有する。現像室86と第1の現像剤収納室88とは、開口部からなる接続部90を介して繋がっている。また、第1の現像剤収納室88と第2の現像剤収納室89とは、プロセスカートリッジ200の両端付近に設けられた通路にて連通されているが、図6には図示されていない。現像室86には、先述の現像ロール92が配置されている。
【0040】
第1の現像剤収納室88には、収納された現像剤を現像室86に搬送するための現像剤搬送装置96が配置されている。現像剤搬送装置96は、軸98と、この軸98に固定された、例えば、PETフィルム等の薄状の樹脂のような弾性変形可能な部材からなる搬送部材100とから構成されている。また、現像剤収納室88内には、搬送部材100と接触しないように、現像剤搬送量規制部材102が設けられている。現像剤搬送量規制部材102は、例えばプラスチック又は金属からロール状に形成され、第2の現像剤収納室89から搬送されてくる現像剤の量を規制するとともに、搬送されてきた現像剤を軸方向に送る作用を有する。現像剤搬送量規制部材102の外周面には、例えば2つの搬送溝104が、例えば180度の角度を隔てて形成されている。
【0041】
プロセスカートリッジ200が新品である場合、プロセスカートリッジ200を水平な場所においた状態で、現像剤搬送量規制部材102の下半分程度が埋まる程度の量の現像剤Tが、第1の現像剤収納室88には収納されており、第1の現像剤収納室88に収納された現像剤Tの上面は、略水平となる。また、プロセスカートリッジ200が新品である場合、プロセスカートリッジ200を水平な場所においた状態で、把手208が形成された位置よりも若干下側まで到達する程度の現像剤Tが第2の現像剤収納室89には、収納されている。第2の現像剤収納室89に収納された現像剤Tの上面は、略水平となる。
【0042】
図7には、操作者により把手208を用いて支持された状態のプロセスカートリッジ200が示されている。把手208を用いて支持された状態においては、面210は略水平となり、重力方向下向きとなる。また、把手208を用いて支持された状態においては、第1の現像剤収納室88内の現像剤Tと、第2の現像剤収納室89内に収納された現像剤Tとが重力の作用を受けて、図6に示される位置から、図7に示されるように、それぞれ第1の現像剤収納室88内と第2の現像剤収納室89内との下方へ、移動した状態となる。
【0043】
現像剤が移動することで、収納された現像剤を含めたプロセスカートリッジ200の重心の位置は、図7に示される点Gの位置となる。点Gは、把手208を用いて支持された状態のプロセスカートリッジ200の重心を示しており、矢印lは、把手208を用いて支持された状態で、把手208から点G(重心G)へと向かう重心方向を示している。
【0044】
図8には、画像形成装置本体12内に、プロセスカートリッジ200が装着される様子が示されている。
図8に示されるように、把手208を用いて支持された状態で、把手208から重心Gへと向かう矢印lの方向と、画像形成装置本体12内にプロセスカートリッジ200を挿入される挿入方向とが略同方向となっている。このため、プロセスカートリッジ200を画像形成装置本体12に装着するために、例えばプロセスカートリッジ200を画像形成装置本体12の後側に向けて押し込む等、重力方向とは異なる方向にプロセスカートリッジ200を動かすための操作をすることなく、プロセスカートリッジ200の装着がなされる。
【0045】
プロセスカートリッジ200の画像形成装置本体12への装着が開始されると、図8に示されるように、第1の突起204が第1の案内溝20に接触し、プロセスカートリッジ200の第1の突起204が設けられた位置が、第1の案内溝20によって案内される。そして、案内溝20によって突起204が案内されるようにしてプロセスカートリッジ200が画像形成装置本体12内に装着される途中で、第2の突起206が第2の案内溝21に接触し、プロセスカートリッジ200の突起206が形成された部分の移動が第2の案内溝により案内される。
【0046】
以上のように、第1の案内溝20と第2の案内溝21とからなる案内溝19によって、プロセスカートリッジ200は、プロセスカートリッジ200が画像形成装置本体12内に挿入される挿入方向とは異なる方向に案内され、最終的に図1に示される位置であり、画像形成がなされる位置である画像形成位置へと案内される。
【0047】
図9は、インターロック装置15の構成と動作とを説明し、図1におけるA−A線断面を示す断面を示す断面図である。
インターロック装置15は、先述のように画像形成装置本体12の左右にそれぞれ設けられていて、それぞれが開閉カバー39に形成された押圧突起47と、押圧突起47に押圧される押圧スイッチ49とを有している。押圧スイッチ49は、画像形成装置本体12に固定された押圧スイッチ本体110と、押圧スイッチ本体110に対して図9における上下方向に移動可能な可動片112とを有している。
【0048】
可動片112は、例えばコイルスプリング等からなる弾性体(不図示)により図9における上方向に付勢されていて、押圧されない限り図9(b)に示されるように押圧スイッチ本体から大部分が突出した状態にあり、上部から押圧されると、図9(a)に示されるように、スイッチ本体110に対して押し込まれた状態となる。押圧スイッチ49は、図9(a)に示される可動片112が押し込まれた状態でONとなり、図9(b)に示される可動片112が突出した状態でOFFとなる。
【0049】
2つの押圧スイッチ49、49は、電源ユニット17から画像形成部14に電力を供給する回路(不図示)にそれぞれが組み込まれていて、2つの押圧スイッチ49、49の両方がONとされると電源ユニット17から画像形成部14等への通電を許容し、2つの押圧スイッチ49、49の少なくともいずれか一方がOFFであると、電源ユニット17から画像形成部14等への通電が遮断されるようになっている。
【0050】
図9(a)は、画像形成装置本体12内に、適切なプロセスカートリッジ200が装着された状態を示している。適切なプロセスカートリッジ200が装着された状態では、開閉カバー39を閉じても、開閉カバー39に形成された凸部40はプロセスカートリッジ200と干渉をしない。すなわち、適切なプロセスカートリッジ200の凹部224は、凸部40の位置に相当する位置に、凸部40が入り込むために十分な大きさに形成されている。このため、開閉カバー39は、プロセスカートリッジ本体202と干渉することなく、画像形成装置本体12に対して良好に閉じられる。
【0051】
そして、開閉カバー39が画像形成装置本体12に対して良好に閉じられることにより、押圧突起47が、可動片112が押圧スイッチ本体110の中に押し込むように、可動片112を付勢に抗して押圧する。そして、可動片112が押圧されることにより、2つの押圧スイッチ49が共にONとなり、電源ユニット17から画像形成部14等への通電が許容される。
【0052】
図9(b)には、画像形成装置本体12内に、不適切なプロセスカートリッジ200が装着された状態を示している。不適切なプロセスカートリッジ200が装着された状態では、開閉カバー39を閉じる動作時に、凸部40がプロセスカートリッジ200と干渉をする。すなわち、不適切なプロセスカートリッジ200の凹部224は、凸部40の位置に相当する位置とは異なる位置に設けられている。このため、開閉カバー39は、プロセスカートリッジ本体202と干渉し、画像形成装置本体12に対して良好に閉じることができない。
【0053】
そして、開閉カバー39が画像形成装置本体12に対して閉じられることができない状態では、押圧突起47が、可動片112の位置まで到達することがなく、押圧スイッチ49はOFFのままであり、電源ユニット17から画像形成部14等への通電が遮断されたままとなる。
【0054】
図10には、画像形成装置本体12に不適切なプロセスカートリッジ200が装着され、操作者により開閉カバー39が閉じられた状態が示されている。
この状態では、プロセスカートリッジ200の第1の筐体220は、第1の突起204が第1の案内溝20(図1参照)の端部に支持され、第2の突起206が第2の案内溝21(図1参照)の端部に支持されることで、画像形成装置本体12に対して容易に動くことなく装着されている。そして、画像形成装置本体12に容易に動くことなく装着された状態にある第1の筐体220に対して、先述のように、第2の筐体222が連結ピン242を用いて回転することができるように連結されている。
【0055】
開閉カバー39が閉じられると、凸部40が第2の筐体222に干渉し、接触して、凸部40が第2の筐体222を図10に示す矢印C方向に押圧する。そして、凸部40に押圧されることで、第2の筐体222は、連結ピン242が設けられた位置を中心として、第1の筐体220に対して図10に矢印Dで示す方向に回転するように移動する。
【0056】
ここで、第2の筐体222が第1の筐体220に対して移動する方向は、弾性体226と弾性体240とによって付勢される方向と同方向であり、第1の筐体220に装着された感光体55と、第2の筐体222に装着された現像ロール92とが互いに近接する方向となっている。
このため、画像形成装置本体12内に不適切なプロセスカートリッジ200が装着され、このプロセスカートリッジ200が開閉カバー39に押圧されても、弾性体226と弾性体240とによって付勢される方向と逆方向(弾性体226、弾性体240が伸びる方向)に押圧される場合のように、弾性体226と弾性体240とが伸びてしまい、感光体55と現像ロール92とが離間したり、感光体55と現像ロール92との距離(現像ギャップ)が当初の距離よりも大きくなったりすることがない。また、感光体55と現像ロール02とが離間することで、現像剤が噴出するおそれが少ない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上述べたように、本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置と、これらの画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジとに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジを示し、図2(a)は、プロセスカートリッジが有する第1の筐体と第2の筐体と分解された状態を示す斜視図であり、図3(b)は、プロセスカートリッジが有する第1の筐体と第2の筐体とが互いに連結された状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが有する第1の筐体を示す左側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが有する第2の筐体を示す左側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが有する第1の筐体と第2の筐体とが連結された状態を示す左側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジを示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが、操作者により把手を用いて支持された状態を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが、画像形成装置本体に装着される様子を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置が有するインターロック機構の構成と動作とを示し、図1におけるA−A線断面図を示す断面図であり、図9(a)は、画像形成装置本体内に、適切なプロセスカートリッジが装着された状態を示す断面図であり、図9(b)は、画像形成装置本体内に、不適切なプロセスカートリッジが装着された状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成装置本体に不適切なプロセスカートリッジが装着され、操作者により開閉カバー39が閉じられた状態を示す左側面図である。
【符号の説明】
【0059】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
14 画像形成部
15 インターロック装置
15 開閉部
17 電源ユニット
35 開放部
39 開閉カバー
40 凸部
47 押圧突起
49 押圧スイッチ
55 感光体
92 現像ロール
110 押圧スイッチ本体
112 可動片
200 プロセスカートリッジ
202 プロセスカートリッジ本体
220 第1の筐体
222a 面
222 第2の筐体
224 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に開閉可能に設けられた開閉部と、
前記開閉部が開かれることにより前記画像形成装置本体内に着脱されるプロセスカートリッジと、
前記開閉部を閉じる動作時に前記画像形成装置本体内に適切なプロセスカートリッジが装着された場合は該プロセスカートリッジと干渉せず、不適切なプロセスカートリッジが装着された場合は該プロセスカートリッジと干渉する位置に設けられた干渉部と、
を有し、
前記プロセスカートリッジは、
第1の筐体と、
前記第1の筐体に装着された像保持体と、
前記第1の筐体に回動可能に連結された第2の筐体と、
前記第2の筐体に装着され、前記像保持体に接触又は近接する位置で、前記像保持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
を有し、
前記干渉部は、不適切なプロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の少なくともいずれか一方を、前記開閉部が閉じられることに連係して、前記像保持体と前記現像剤供給部材とが互いに近接する方向に押圧する画像形成装置。
【請求項2】
電源部と、
前記電源部から給電がなされ、画像形成及び用紙搬送の少なくともいずれか一方を行う被給電部と、
前記開閉部が閉じられた状態では、前記電源部から前記被給電部への通電を許容し、前記開閉部が開かれた状態では、前記電源部から前記被給電部への通電を遮断するインターロック部と、
を有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置本体に開閉可能に設けられた開閉部が開かれることにより前記画像形成装置本体内に着脱され、
第1の筐体と、
前記第1の筐体に装着された像保持体と、
前記第1の筐体に移動可能に連結された第2の筐体と、
前記第2の筐体に装着され、前記像保持体に接触又は近接する位置で、前記像保持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
適正な画像形成装置の画像形成装置本体に装着された際には前記開閉部の開閉と干渉しない位置であって、不適切な画像形成装置の画像形成装置本体に装着された際には前記開閉部の開閉と干渉する位置に設けられた干渉部と、
を有し、
前記干渉部は、不適切な前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の少なくともいずれか一方が、前記開閉部が閉じられることに連係して、前記像保持体と前記現像剤供給部材とが互いに近接する方向に押圧されるプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−122166(P2009−122166A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292937(P2007−292937)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】