説明

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】 本発明の目的は、クリーニングブレード長手に渡って、発生するの微小な摩擦ムラに起因するゴム先端部のビビリの発生を防止することである。
【解決手段】 像担持体表面上に当接して、クリーニングするブレード状ゴム材を有するクリーニング装置とを備える画像形成装置において、
トナーは、現像剤となるトナー粒子と外添剤と、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有するトナーであって、
前記脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下であり、前記クリーニング装置において、ブレード状ゴム材の一面に、可撓性のあるブレード支持部材として、板バネ状部材設けたクリーニング部材を備えることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写方式の電子写真プロセスや静電記録プロセス等によって画像形成を行う複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置に関する。また,プロセスカートリッジ及び、前記プロセスカートリッジを着脱可能な画像形成装置に関する。詳しくは、弾性ブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリの受信装置などに用いられる電子写真技術は、装置の発展とともに利用者からの要求も年々厳しくなっている。近年の動向では、高画質であることはもちろんのこと、多数枚印刷が可能であること、また、市場の拡大により使用される環境条件や転写材が多様化している為、これらに適応しながらも安定した画像が得られることが強く求められるようになっている。
【0003】
上記要求を満足させるためには、高耐久且つ高画質を達成する事が可能なトナーや感光ドラムが、従来以上に必要とされ、前記課題を解決すべく数多く改良が行われている。
以下に、画像形成装置における、トナー/クリーニング手段の技術状況を述べる。
【0004】
●トナー
画像形成装置のコンパクト化を図る為に、廃トナー(転写残トナーをクリーニング機構にて回収したトナー)量の低減を目指して、転写効率の高い円形度の高いトナーへの移行が進んでいる。例えば、粉砕トナーの熱処理による球形化や、重合トナーへの移行が挙げられる。
【0005】
また、トナー中に脂肪酸金属塩を含有させることで、クリーニング助剤や静電潜像担持体へのフィルミング防止剤として用いることが知られている。しかし、一方で脂肪酸金属塩がカブリや画像濃度の低下を引き起こす原因となり高画質化が得られずにいた。そこで、脂肪酸金属塩とチタン酸化合物を併用することによって、転写効率を高めてクリーニング性能を向上させ、また、静電潜像担持体へのフィルミングおよび中抜けを良化させつつカブリを改善することが開示されている。(特許文献1)
また、ある貯蔵弾性率をもったトナー粒子の粒径或いは、トナー粒子の粒度分布と脂肪酸金属塩の粒径及び分布の関係を規定することで画質、カブリ及び静電潜像担持体へのフィルミング、クリーニング性能を改善することが開示されている。(特許文献2,3)
確かにこのような方策により、クリーニング性能の悪化や、静電潜像担持体へのトナーのフィルミングの抑制をしつつ、カブリやトナー飛散、トナー漏れの低減が行えるようになり、高耐久性と高画質安定性が得られるようになった。
【0006】
◎クリーニング手段
電子複写機、ファクシミリ、プリンタ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来から周知である。この形式の画像形成装置においては、クリーニング装置のクリーニングブレードによって像担持体表面に付着する転写残トナーを効率よく除去でき、高品質なトナー像を形成することが可能である。
【0007】
また近年、高度情報化が進展する中で、紙へ印刷するハードコピー量もますます増加する傾向にあり、より高画質・高速で印字できる画像形成装置への要求が高まっている。高画質を実現するために、従来から使用されている粉砕系トナーに代わって小粒径で形状及び粒径が均一な重合トナーが採用されるようになった。
【0008】
重合トナーは粉砕系トナーと比較して小径で球形に近い形状をしているため、クリーニングが難しい。そのような重合トナーを使用した場合であっても高いクリーニング性を確保するため、ブレードは高い反発弾性を有した材質で作られ、像担持体に対して高荷重、高当接角度になるように配置する必要がある。
【0009】
しかし、クリーニング部材としてクリーニングブレードを用いると、被帯電体としての像坦持体表面に当接したクリーニングブレード部分が、回転する像坦持体表面から受ける外振力によってゴム部分がビビリを引き起こす。そして、前述したようにゴムブレードが共振するブレード鳴きや、ゴムブレードのエッジ部分が像担持体に追従して反転してしまうブレードめくれ、さらにはゴム先端部のビビリ/欠けといった不具合が発生しやすくなってしまう。これらの不具合が発生するとクリーニング不良画像が発生し、正常に画像形成されなくなる。そのまま使用しつづけると、クリーニング装置、像担持体及び像担持体を駆動させる駆動部等の破損を招く恐れがある。
【0010】
そこで、従来ではドラム状に構成された像坦持体の内部に制振材や重量物を内包させ、その像担持体の固有振動数を調整することによって像坦持体の振動を抑制し、鳴きの発生を防止する画像形成装置が提案されている。
【0011】
また、支持部材に保持されて像担持体表面に当接されるとともに適切な当接圧をクリーニングブレードと、固形状の潤滑剤と、潤滑剤と像担持体とに接するように配置された潤滑剤塗布ローラを用いた装置が提案されている。像担持体表面に潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレードニップ部での摩擦が小さく抑えられ、ブレード鳴きを防止する。(特許文献4)
ところが、これらの構成によると、像坦持体に制振材や重量物,又は固形の潤滑剤や潤滑剤塗布ローラ等を付加することになる。そのため、そのコストが増大するだけでなく、その全体の重量や形状が大きくなり、像坦持体を画像形成装置本体に対して着脱するときの作業性が低下してしまう可能性がある。
【0012】
また、前述したように高画質化と高耐久性を満足させる為に、トナーの小径化/球形化を採用しようとすると、高いクリーニング性能が確保する必要が生じる。
【0013】
しかし、ゴム部材の反発弾性等は、温度依存性を示す為、環境依存性が高く、特に低温環境下では、クリーニング性と確保することが、困難であった。
【0014】
さらに、ブレード鳴きは環境依存が非常に大きく、クリーニングブレードのゴム性が弱くなり、クリーニングブレードとドラムとの摩擦係数が高くなる高温高湿環境、帯電電流量が多く流れる高湿環境等で発生することが多い傾向があった。
【0015】
そこで、クリーニングブレードの形態としては、クリーニング装置の性能・信頼性向上の為、ゴム部材の環境温度依存性による影響を少なくするために、板状バネ部材を設けたクリーニングブレード装置の提案をしている。
【0016】
板状バネ部材として、ゴム部材の反発弾性等は、温度依存性を示す為、温度変化に対するバネ特性がほとんど変化しないSUS鋼板等の金属板状バネ部材を用いることによって、クリーニングブレードとして必要な当接圧、バネ特性を確保している。
【0017】
その先端部に小さなサイズのゴム形状の部材を採用する場合には、異音の発生が起こりやすくなるが、防振シート等を貼り付けることで、異音の発生を防止している。
この時の画像形成装置においては、所定のプロセススピード(周速度)10から60mm/sec程度であることを提案している。(特許文献5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平8−272132号公報
【特許文献2】特開平9−311499号公報
【特許文献3】特開2002−296829号公報
【特許文献4】特開平11−288194号公報
【特許文献5】特開平4−172486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上述のように従来例では、配設する部材の増加や取り付けの複雑さや構成装置のコストアップ、大型化につながるため、パーソナル、スモールオフィス向けの画像形成装置には、好ましくない。さらに、市場の拡大により使用される環境条件や転写材が多様化している為、これらに適応しながらも安定した画像が得られることが強く求められるようになっている。
【0020】
特に、高画質化と高耐久性を満足させる為に、トナーの小径化/球形化を採用しようとすると、高いクリーニング性能が確保する必要が生じる。その為に、金属板状バネ部材を用いたクリーニングブレードが提案されている。
【0021】
しかし、使用環境や構成条件の違い及び画像形成装置等のスピードアップによる像担持体の周速度アップに伴い、クリーニングブレードの構成や設定によっては、ゴム先端部にビビリを引き起こして、ブレード鳴きが発生することがあった。
【0022】
この問題は、以下に具体的に説明する通り、像担持体とクリーニングブレードの当接部に要因を有している。
【0023】
まず、トナーに関して、小径化/球形化を進めると、廃トナーが感光ドラムとクリーニング部材の規制部をすり抜け易くなり、クリーニング性能を維持する事が難しくなっていく事が予測される。
【0024】
また、板状バネ部材を設けたクリーニングブレード等のクリーニング装置を用いることで、クリーニング性能を確保している。
【0025】
しかし、像担持体表面に当接したクリーニングブレード部分が、回転する像坦持体表面から受ける外振力によってゴム部分がビビリを引き起こして、振動を発生する。さらに、この振動が板状バネ部材等のゴム支持部材と像担持体とが共振することによって、ブレード鳴きが起こり、異音が発生してしまうことがあった。
【0026】
そこで、クリーニング助剤や滑材としての効果が知られている脂肪酸金属塩を含有させたトナーに関して、本発明者らが鋭意検討した結果、以下が解った。
【0027】
特許文献1及び2に記載されているトナーにおいては、使用される脂肪酸金属塩の粒径が大き過ぎる。そのため、脂肪酸金属塩は転写材に転写された後に像担持体上に残る残トナーと共にクリーニングブレードにて、ほとんどクリーニングされ回収される。一部、像担持体と接触する転写残トナーと共にゴム先端部に存在する為、一定の効果があるものの、多数枚印字を行うとクリーニングブレード長手にわたって脂肪酸金属塩が存在する場所と存在しない場所が発生する。
【0028】
すると、像担持体と像担持体上で当接するクリーニングブレードの当接部において、摩擦係数が変化し、長手にわたってゴム先端部に摩擦ムラが発生する。この摩擦ムラの変化が大きくなっていくと、ゴム先端部のビビリが助長され、ゴム支持部材も振動することで、像担持体と共振する。その共振によって、ブレード鳴き等の異音を発生してしまうという課題を有していることが解った。
【0029】
特許文献3に記載されているトナーにおいては、低温低湿、高温高湿という厳しい環境では印字枚数が多くなると帯電性の低下によるカブリの発生といった現像側の課題を有していることが解った。
【0030】
そこで、本発明は上記従来技術にする問題を解決する為、つまり、像担持体とクリーニングブレード当接部において、ゴム部のビビリを抑制し、板状バネ部材等のゴム支持部材と像担持体とが共振することによる、ブレード鳴きを防止する為になされたものである。
【0031】
それ故に、その目的とするところは、クリーニングブレード長手に渡って、発生するの微小な摩擦ムラに起因するゴム先端部のビビリの発生を防止することである。
【0032】
そして、それに伴って発生するブレード鳴き等による異音の発生を防止することのできる画像形成装置を提供し、長期に渡って多様な環境条件に対応させて画像形成装置による高品位な画像形成を行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。すなわち、上記目的を達成する為の本発明に係る請求項1の画像形成装置の代表な構成は、像担持体表面を帯電し、帯電後の前記像担持体表面を露光して静電潜像を形成し、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像し、前記トナー像を前記像担持体から転写材の上に転写し、像担持体の表面に当接して、クリーニングするブレード状ゴム材を有するクリーニング装置とを備える画像形成装置において、前記トナーは、現像剤となるトナー粒子と外添剤を備え、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有するトナーであって、前記脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下であり、前記クリーニング装置において、ブレード状ゴム材の一面に、可撓性のあるブレード支持部材として、板バネ状部材設けたクリーニング部材を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、
クリーニングブレードのゴム先端当接部での長手領域において、微小な摩擦ムラによるゴム先端部のビビリを抑制し、ビビリによる振動が板状バネ部材等のゴム支持部材と像担持体とが共振することによって発生するブレード鳴きを防止することが可能となる。故に、クリーニング装置に起因する不具合や画像形成装置からの異音の発生を防止することが可能になる。
【0035】
すなわち、長期印字においても環境に依存せず、より安価な構成で、高画質な画像を安定して得ることの出来る画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態における概略構成を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるゴム先端部と像担持体の当接状態断面図。
【図3】本発明の脂肪酸金属塩と従来の脂肪酸金属塩におけるトナーへの付着状態の模式図。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるゴム先端近傍のトナーと脂肪酸金属塩の長手分布状態図。
【図5】ゴムブレード先端部に働く力を示す図。
【図6】従来の画像形成装置における概略構成を示す断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるとクリーニング装置図。
【図8】本発明の第1の実施形態におけるゴム先端部の構成と形状断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるプロセスカートリッジの側断面図。
【図10】本発明の第2のカートリッジを装着した画像形成装置の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。画像形成装置の実施形態として、レーザービームプリンタについて説明する。
【実施例1】
【0038】
(1)画像形成装置
本実施の形態においては、
前記トナーは、現像剤となるトナー粒子と外添剤からなり、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有するトナーであって、
トナー粒子100質量部あたり0.05質量部以上0.50質量部以下含有し、
前記脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下であり、
前記トナーに含有している前記脂肪酸金属塩の遊離率が、1.0質量%以上25.0質量%以下であり、
前記クリーニング装置において、ブレード状ゴム材の一面に、可撓性のあるブレード支持部材として、板バネ状部材設けたクリーニング部材を備えることを特徴としている。
【0039】
前述の如く、ゴム先端部のビビリによるブレード鳴きは、
1).トナー及び外添剤がクリーニングブレードと像担持体との当接部で圧縮され、回転する像坦持体表面から受ける外振力によってゴム部分がビビリを引き起こす。
2).駆動時、クリーニングブレードのビビリが、板バネ状部材であるゴム支持部材へ振動が伝わり、像担持体とクリーニングブレードが共振する。
3).共振した像担持体とクリーニングブレードが異音を発生させ、ブレード鳴きが発生する。さらには、ゴムブレードの先端エッジ部分が像担持体に追従して反転してしまうブレードめくれ、ゴム部材の欠けといった不具合が発生しやすくしてしまう。
【0040】
これらメカニズムを基に本発明者らが鋭意検討したところ、特定の粒径の脂肪酸金属塩を含有し、その含有量及びトナーに含有している脂肪酸金属塩の遊離率を調整する事でゴム先端部のビビリを抑制し、異音を起こさずブレード鳴きも改善出来る事を見出した。
【0041】
[画像形成装置の全体構成]
以下、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。なお、図6に示す画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置であり、同図は、その概略構成を示す縦断面図である。
【0042】
画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)のほぼ中央には、像担持体(被帯電体)としてのドラム型の像担持体1が配設されている。像担持体1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体の外周面にOPC(有機光半導体)感光層を形成したものであり、軸心qを中心にして、矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)200mm/secをもって回転駆動される。
【0043】
上述の像担持体1の表面(周面)は、後述する帯電手段としての帯電ローラ2により所定の極性・電位に均一(一様)に帯電処理される。帯電後の像担持体1表面は、露光手段としてのレーザビームスキャナ3から出力されたレーザビームであって、目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームの走査露光を受けて、画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。この形成潜像は、現像手段としての現像装置5によって現像剤中のトナー4が付着されてトナー像として現像される。
【0044】
一方、記録材6は給紙ローラによって給紙され、像担持体1上に書き込まれたトナー像と同期をとるように像担持体1と転写ローラ8との間の転写ニップ部に送られて表面にトナー像が転写される。転写ローラ8には転写時に転写バイアス印加電源から転写用の転写バイアスが印加される。
【0045】
トナー像の転写を受けた記録材6(転写材)は、像担持体ドラム1表面から分離されて定着手段としての定着器9に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材6に転写されないで表面に残ったトナーがクリーニング手段としてのクリーニング装置7によって除去され、次の画像形成に供される。
【0046】
前記クリーニング装置は、図6に示すように、クリーニング部材と、スクイシートと、クリーニング容器を備える。クリーニング部材は、像担持体ドラム1の表面に当接し、残留したトナーを掻き落とす。スクイシートは、前記掻き落としたトナーを掬い取るために前記クリーニング部材の下方に位置し、且つ前記像担持体ドラム1の表面に接触している。クリーニング容器は、前記掬い取った廃トナーを溜めるためのものである。
【0047】
次に、本発明に係る画像形成装置の実施形態に関して、使用されるトナーの詳細を説明する。
【0048】
本発明のトナーは、前記トナーは、現像剤となるトナー粒子と外添剤からなり、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有するトナーであって、
トナー粒子100質量部あたり0.05質量部以上0.50質量部以下含有し、
前記脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下であり、
前記トナーに含有している前記脂肪酸金属塩の遊離率が、1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とするトナーである。
【0049】
本実施例におけるトナーは、結着樹脂、磁性体を少なくとも含有する磁性トナー粒子と、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有する磁性トナーである。トナーは、懸濁重合法で製造される。
【0050】
上記の脂肪酸金属塩とトナー粒子に関して、各々、以下に説明する
◎脂肪酸金属塩
本発明に用いられる脂肪酸金属塩としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、リチウムから選ばれる金属の塩が好ましい。この中でも脂肪酸亜鉛または脂肪酸カルシウムが特に好ましく、これらを用いた場合には本発明の効果がより顕著となる。
【0051】
また、脂肪族金属塩の脂肪酸としては、炭素数12以上22以下の高級脂肪酸が好ましい。炭素数12以上の脂肪酸を用いると遊離脂肪酸の発生を抑えやすい。
【0052】
さらに、脂肪酸の炭素数が22以下であれば、脂肪酸金属塩の融点が高くなりすぎず、良好な定着性が得られやすい。脂肪酸としては、ステアリン酸が特に好ましい。
【0053】
脂肪酸金属塩であるが、本発明のトナーは体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下の脂肪酸金属塩を含有する。従来の脂肪酸金属塩は粒径が大きく、トナーと一緒に挙動する事が難しかった。
【0054】
しかし、本発明では脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)を0.15μm以上0.65μm以下とする事で、トナーは脂肪酸金属塩と一緒に挙動する事が出来る。これは、トナーに対して脂肪酸金属塩の粒径が充分に小さいために均一にトナーに付着する事が可能となり、像担持体への現像時及び、転写時にトナーから脱離しないためである。
【0055】
このような脂肪酸金属塩をトナー粒子100質量部あたり0.05質量部以上0.50質量部以下含有する事により、クリーニングブレードのビビリを高度に抑制できる。
【0056】
この理由についてであるが、像担持体上にある転写残トナーにも充分な量の脂肪酸金属塩が均一に付着しており、クリーニング部において脂肪酸金属塩を像担持体に塗りつけることが可能となるためである。
【0057】
また、脂肪酸金属塩がトナーに対し均一に付着している事から、耐久を通じ安定してクリーニングブレードのビビリを高度に抑制できる。
【0058】
さらに、トナーに含有している前記脂肪酸金属塩の遊離率が、1.0質量%以上25.0質量%以下となるようにすることで、トナー粒子から脂肪酸金属塩が脱離しないようにしている。
【0059】
これが、トナーと一緒に挙動し、トナーに均一に付着することを助け、クリーニング装置に充分な量の脂肪酸金属塩を安定して供給することができる。
【0060】
図3は、本発明の脂肪酸金属塩と従来の脂肪酸金属塩におけるトナーへの付着状態の模式図である。現像剤となるトナー粒子41と小粒径脂肪酸金属塩42及び従来の脂肪酸金属塩の付着城砦を示している。
【0061】
(a)は、本発明に用いる小粒径の脂肪酸金属塩42をトナー粒子41に外添している状態であり、(b)は、従来の大粒径の脂肪酸金属塩43をトナー粒子41へ付着状態を模式化したものである。
【0062】
従来よりも小粒径である為、少なくともトナー粒子1個当たりに対して、脂肪酸金属塩を確実に付着することができる。従来の脂肪酸金属塩では、トナー粒子数個の割合に一つ付着している程度であることがわかる。
【0063】
次に、従来の脂肪酸金属塩との違いを詳細に述べる。
【0064】
[1]従来の大粒径脂肪酸金属塩
従来例(特開平09−311499)にて使用されている脂肪酸金属塩は、トナー粒径12μmに対してステアリン酸亜鉛は7μmの粒径である。また、添加量がトナー100部に対してステアリン酸亜鉛を0.3部である為、トナー1個当りの付着数は〜1個程度であり、非常に少ない。
【0065】
更に、脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.65μmよりも大きいと、脂肪酸金属塩はトナーに均一に付着し難く、遊離して挙動するようになる。
【0066】
このような状態では、像担持体とクリーニング部材の当接部に対して、脂肪酸金属塩が確実に付着している転写残トナーを安定して供給する事が難しい。すなわち、図3の(b)に示す様に、トナー1個あたりの付着数が少ないだけでなく、滑剤として効果のある脂肪酸金属塩が脱離してしまった状態のトナーが数多く存在するのである。
【0067】
以上のように、従来の大粒径脂肪酸金属塩を用いた場合、像担持体とクリーニング部材の当接部において、長手領域に渡って、脂肪酸金属塩が十分に付着していないトナーと付着しているトナーが存在する状態になる。故に、像担持体表面に対して、クリーニングブレードのゴム当接部において、脂肪酸金属塩が存在する箇所と少ない箇所が存在する。
【0068】
この状態では、長手領域に渡り、部分的に摩擦ムラが発生する。この摩擦ムラによって、ゴム当接部において、ビビリが発生し、長手に不均一に振動が発生する。
【0069】
この状態が助長されるとクリーニング部材である板状バネ部材等のゴム支持部材と像担持体とが共振することによって、異音が発生し、ブレード鳴きに至るのである。
【0070】
[2]本発明に用いる小粒径脂肪酸金属塩
一方、本発明に用いている脂肪酸金属塩は、磁性トナー粒子100質量部あたり0.05質量部以上0.50質量部以下含有し、脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下である。また、トナー粒子に含有している前記脂肪酸金属塩の遊離率が、1.0質量%以上25.0質量%以下である。
【0071】
そうすることで、転写残トナーにも充分な量の脂肪酸金属塩が均一に付着している為、像担持体とクリーニング部材の当接における摩擦ムラを抑制する事が可能である。
【0072】
脂肪酸金属塩の量が0.05質量部未満であると上記効果が得られないため好ましくない。一方、脂肪酸金属塩の量が0.50質量部よりも多いと、トナーの現像性が低下する(すなわち、濃度低下が生じる)と共に、カブリが増加するために好ましくない。
【0073】
脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.65μmよりも大きいと、前述したように脂肪酸金属塩はトナーに均一に付着し難く、遊離して挙動するようになる。
【0074】
このような状態ではクリーニングブレードエッジ部に安定して脂肪酸金属塩を供給する事が難しく、クリーニングブレード当接部のビビリを高度に抑制する事が困難であり、好ましくない。
【0075】
また、脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μmよりも小さい場合、トナーを均一に覆い易くなる反面、トナーの帯電性を阻害し現像し難くなる。このため、画像濃度の低下やカブリの増大が生じるので好ましくない。
【0076】
また、本発明のトナーは、脂肪酸金属塩の遊離率が1.0質量%以上25.0質量%以下である事が好ましい。脂肪酸金属塩の遊離率が1.0質量%以上25.0質量%以下と言う事は、多くの脂肪酸金属塩粒子がトナーと一緒に挙動する事を意味し、より像担持体とクリーニングブレードの当接部における長手の摩擦ムラを抑制する事が可能となり、非常に好ましい。
【0077】
以上のように、本発明において脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)は0.15μm以上0.65μm以下である事が重要であり、より好ましくは0.30μm以上0.60μm以下である。また、脂肪酸金属塩の添加量はトナー粒子100質量部あたり0.05質量部以上0.50質量部以下であり、トナー粒子に含有している前記脂肪酸金属塩の遊離率が、1.0質量%以上25.0質量%以下である。このような、脂肪酸金属塩の添加量及び遊離率が像担持体とクリーニングブレードの当接部のビビリを高度に抑制するために重要である。
【0078】
次に、本発明のトナーは圧縮率が30%以下である。圧縮率が30%以下と言う事は圧がかかってもトナーは圧縮され難い事を意味し、クリーニングブレードと静電潜像担持体との当接部においてもトナーは圧縮され難く、融着物が生じ難いと考えられる。
【0079】
このため、像担持体の融着物の発生を阻害できれば、像担持体とクリーニングブレードとの当接部における摩擦ムラやビビリも抑制することができる。
【0080】
一方、圧縮率が30%よりも大きいと、当接部に存在するトナーが高密度に圧縮される事になり、融着物を生じ易いために好ましくない。像担持体上に融着物ができても、クリーニングブレードの長手に渡って、部分的に摩擦ムラが生じやすくなる為、好ましくない。
【0081】
なお、圧縮率はトナーの表面性、形状、流動性等により任意に制御する事が出来る。
【0082】
本発明のトナーは表面自由エネルギーが40.0mJ/m以下である。一般的に、表面自由エネルギーが低いと言う事は他の物質との離型性が良好である事を意味する。本発明において、トナーの表面自由エネルギーは40.0mJ/m以下であるため、たとえクリーニングブレードと像担持体との当接部において、融着物が生じにくくなると考えられる。これは、本発明のトナーと静電潜像担持体との付着力が低いためである。
【0083】
このため、静電潜像担持体の回転阻害が生じ難い。一方、トナーの表面自由エネルギーが40.0mJ/mよりも大きい場合、融着物と静電潜像担持体との離型性が劣るため、融着物はクリーニングブレードでかきとられ難く、静電潜像担持体の回転阻害を起こしてしまう。そして、クリーニングブレードの長手に渡って、部分的に摩擦ムラが生じやすくなる為、好ましくない。
【0084】
なお、トナーの表面自由エネルギーはトナー表面の組成、外添剤の付着状態等により任意に制御する事が出来る。
【0085】
これまで述べてきたように、像担持体とクリーニングブレードとの当接部での部分的な摩擦ムラによるビビリ発生のプロセスに対し、
1).トナーの圧縮率を30%以下とする事で像担持体に融着を生じ難くする。
2).トナーに特定の粒径の脂肪酸金属塩を特定量含有する事により、像担持体とクリーニングブレードの当接部において、部分的に発生する摩擦ムラを抑制する。
3).トナーの表面自由エネルギーを40.0mJ/m以下にする事で、融着物と静電潜像担持体との付着力を低減し、クリーニングブレードの部分的に発生する摩擦ムラを起こさない。
と言う、各段階での対策を行うことでゴム当接部のビビリを高度に抑制することができる。
【0086】
また、本発明のトナーはクリーニング性も大幅に改善できる。これは、上述のようにクリーニングブレードのビビリを高度に抑制できる事に加え、以下の2点が効果的に作用している為である。
【0087】
まず、本発明のトナーは表面自由エネルギーが40.0mJ/m以下と低いため、転写残トナーと静電潜像担持体との付着力が十分に低い。このため、転写残トナーをクリーニングブレードがかきとり易くなる。
【0088】
また、本発明のトナーは圧縮率が30%以下と低いため、クリーニングブレードと静電潜像担持体とのクサビ状部分にトナーが入り込み難いため、トナーがすり抜け難い。これら2点の相乗効果により多様な環境において、耐久を通じ安定したクリーニングが可能となる。
【0089】
ところで、本発明のトナーはトナー粒子と脂肪酸金属塩を混合して得られるが、脂肪酸金属塩の遊離率を上記のようにするために、混合条件を制御する事が好ましい。具体的には、トナー粒子と脂肪酸金属塩を混合する混合工程において休止工程を設けると効果がある。
【0090】
休止工程を設けて、混合工程を数回に分けることで、通常の混合工程を行ったときに比べて、トナー粒子と脂肪酸金属塩の運動速度差が生じている時間をより長くすることができ、トナー粒子表面の脂肪酸金属塩の均一化がより進んだ状態となる。
【0091】
さらに、このように休止工程と混合工程とを繰り返すことにより、トナー粒子表面への脂肪酸金属塩の付着も効率よく行うことができ、過剰なストレスによる脂肪酸金属塩の欠損を抑制しつつ、遊離率を上記の範囲にコントロールすることができる。
【0092】
混合工程の撹拌翼最先端の周速は32.0m/sec以上78.0m/sec以下の範囲とすることが好ましい。この範囲であると撹拌翼から受けるエネルギーを急激な発熱を伴わない程度のものとすることができる。撹拌翼最先端の周速が上記の範囲内である場合には、トナー粒子や脂肪酸金属塩を劣化させることなく、脂肪酸金属塩の遊離を抑制できる。
【0093】
混合工程中の槽内温度は、上述してきたように、脂肪酸金属塩、トナー粒子、及びトナーの劣化を抑えるために温度42℃以下にすることが好ましい。
【0094】
本発明に用いる脂肪酸金属塩は、下記(1)式で定義されるスパン値Bが1.75以下であることが好ましく、より好ましくは1.35以下である。
スパン値B=(D95s−D5s)/D50s (1)式
D5s:脂肪酸金属塩の体積基準における5%積算径
D50s:脂肪酸金属塩の体積基準における50%積算径
D95s:脂肪酸金属塩の体積基準における95%積算径
スパン値Bとは脂肪酸金属塩の粒度分布を示す指標であり、スパン値Bが1.75以下であると言う事は、脂肪酸金属塩の粒径のばらつきが小さい事を意味する。
【0095】
上述の如く、本発明において脂肪酸金属塩はトナーに均一に付着している方が好ましいが、脂肪酸金属塩の粒径が均一な方がその効果は大きくなりより効果的である。
【0096】
このため、スパン値Bが1.75以下であると像担持体とクリーニングブレードの当接部における長手の摩擦ムラを抑制し、ゴム部のビビリが改善されると共に、カブリも良化するために好ましい。
【0097】
◎トナー粒子
本発明のトナーはコアシェル構造を有しており、該シェル層はポリエステル樹脂を含有する事が好ましい。シェル層にポリエステル樹脂を含有させる事により、耐久を通じて濃度が安定化すると共に、耐久後半でも良好なクリーニング性を維持できる。
【0098】
この理由についてであるが、コアシェル構造を有す事によりコアの着色剤の露出を抑制できると共に、離型剤等の染み出しを抑制できる。これにより耐久後半でも高い現像効率を維持できる。
【0099】
また、シェル層にポリエステル樹脂を含有させる事により、本発明の必須要件である脂肪酸金属塩とのなじみ性が向上し、耐久後半でも安定して均一な付着状態を維持できる。これにより、耐久後半でも良好なクリーニング性を維持できる。
【0100】
本発明において、上記シェル層に含まれるポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は75℃以上90℃以下である事が好ましい。ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が75℃以上であると、トナー劣化を抑制できるために耐久性が向上する。また、ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が90℃よりも低いと、脂肪酸金属塩の遊離率や他の外添剤の遊離率を制御し易くなり、好ましい。
【0101】
本発明のトナーに使用されるポリエステル樹脂は、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはその両者を適宜選択して使用することが可能である。
【0102】
◎測定方法
次に、本発明のトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
【0103】
(1)トナーの平均粒径
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、精密粒度分布測定装置と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフトを用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を実行して、算出した。
【0104】
精密粒度分布測定装置は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いた。付属の専用ソフトは、「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いた。
【0105】
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
【0106】
尚、測定、解析をする前に、以下のように専用ソフトの設定を実行した。
【0107】
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。
【0108】
閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
【0109】
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
【0110】
具体的な測定法は以下の通りである。
【0111】
1−1).Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて実行する。
そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
【0112】
1−2).ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。「コンタミノンN」は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。
【0113】
1−3).発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。超音波分散器は、「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を用いた。
【0114】
1−4).前記1−2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液に対して、液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
【0115】
1−5).前記1−4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
【0116】
1−6).サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記1−5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定をする。
【0117】
1−7).測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析をして、重量平均粒径(D4を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【0118】
(2)表面自由エネルギー
磁性トナー表面及びトナー担持体表面の表面自由エネルギーは、下記装置を用い、該装置の操作マニュアルに従い、表面自由エネルギー3成分が既知のプローブ液体(水、ジヨードメタン、エチレングリコール)を使用して、下記条件にて測定した。
具体的には、協和界面科学(株)製の接触角計CA−X ROLL型を使用し、磁性トナー及びトナー担持体の表面における上記各プローブ液体の接触角θを測定し、北崎・畑の理論の式を用い、表面自由エネルギーを求めた。
【0119】
(i) 接触角θの詳細な測定条件は以下のとおりである。
測定 :液滴法(真円フィッティング)
液量 :1μl
着滴認識 :自動
画像処理 :アルゴリズム−無反射
イメージモード :フレーム
スレッシホールドレベル :自動
【0120】
また、接触角θに関しては、各プローブ液体を用いそれぞれ5回測定を行い、5回の平均値をもって該プローブ液体の接触角θとした。なお、データ解析にはFAMAS(協和界面科学(株)製)を用いた。
【0121】
(3)脂肪酸金属塩のメジアン径とスパン値Bの測定
本発明で用いられる脂肪酸金属塩における体積基準のメジアン径の測定は、JIS Z8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標) WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。
また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
【0122】
測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「110A000I」(相対屈折率1.10)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)ガラス製の100ml平底ビーカーに約60mlのイオン交換水を入れる。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液において、液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)前記(9)のビーカー内の水溶液に超音波を照射した状態で、約1mgの脂肪酸金属塩を少量ずつ前記ビーカー内の水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、この際に脂肪酸金属塩が固まりとなって液面に浮く場合があるが、その場合はビーカーを揺り動かすことで固まりを水中に沈めてから60秒間の超音波分散を行う。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製した脂肪酸金属塩が分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、5%積算径、50%積算径及び95%積算径を算出する。得られた各値をD5s、D50s、D95sとし、これらよりスパン値Bを求める。
【0123】
(4)ガラス転移点(Tg)
トナー及びシェル層に用いられるポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)はDSCにてASTM D 3418−99に準じて行う。
吸熱ピークのピークトップの測定はASTM D 3417−99に準じて行う。これらの測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7、TAインストルメント社製DSC2920、TA−インストルメント社製Q1000を用いることができる。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし測定する。
【0124】
(5)圧縮率
本発明において、圧縮率は下記式で得られる値である。
圧縮率={1−(見掛け密度/タップ密度)}×100
本発明の見掛け密度、タップ密度は、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて以下の方法で測定する。
直径5.03cm,高さ5.03cm,容積100cm^3の円筒容器へ目開き608μm(24メッシュ)の篩いを通して上方から均一に30秒間供給し、ただちに上面をすり切って秤量することにより見掛け密度(g/cm^3)を得る。
見掛け密度測定後円筒状のキャップをはめ、この上縁まで粉体を加えてタップ高さ1.8cmのタッピングを180回行う。終了後、キャップを外して容器の上面で粉体をすり切って秤量し、この状態の密度をタップ密度(g/cm^3)とする。
【0125】
次に、本発明に係る画像形成装置のクリーニング装置における第1の実施形態について説明する。尚、本実施形態において、参考例に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0126】
図1は、実施例1である電子写真技術を用いた画像形成装置であるレーザービームプリンタの概略構成を示す断面図である。
【0127】
なお、図1において、前述の図6と同じ構成・作用の部材等については、同じ符号を付して、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。
【0128】
本実施例の画像形成装置であるレーザービームプリンタにおいては、所定のプロセススピード(周速度)200mm/sec程度とした。
【0129】
図8に本発明に係るクリーニングブレードの構成として、板状バネ部材等のゴム支持部材を備えるクリーニング装置図を示す。
【0130】
像担持体に当接している先端部にブレード状ゴム部材71が成型してあり、ブレード支持部材72である金属薄板をクリーニング容器7に固定している。
【0131】
本発明において、板状バネ性部材としては、例えば、リン青銅板やその他のバネ特性を有する部材が使用できる。今回は、板状バネ性部材のブレード支持部材としてはSUS鋼板を用いて、板厚は0.2mmを使用した。固定部からブレード状ゴム部先端までの長さは21.5mmとした。更に、先端のブレード状ゴム材として、JIS−A硬度70度のウレタンゴムを使用した。
【0132】
図7に本発明に係るクリーニングブレードの構成として、ゴム先端部の構成と形状断面図を示す。
【0133】
ブレード形状としては、図7に示すとおりであり、先端の変形影響を小さくするためにk=3.0mm、l=2.0mm、m=1.0mm、n=1.0mm程度で評価を行った。
【0134】
ブレード支持部材である板状バネ性部材72とブレード状ゴム部材71を接着する方法としては、型による成型以外に、両面テープあるいはホットメルト接着剤等によるブレード状ゴム部材を貼り付け方法によって、作成されたものも使用される。
【0135】
クリーニング容器7への固定方法としては板状バネ性部材72の一端を、保持部材等によって、着脱自在に挿入して挟持させ、その保持部材を取り付けネジによってクリーニング容器に固定し、像担持体1と当接させる。
【0136】
なお、保持部材は、クリーニング容器と一体的に形成されたものであっても、二分割式の構造を有していても問題ない。
【0137】
図5は本発明の第1の実施形態におけるクリーニング装置において、像担持体1にブレードゴム先端部分で像担持体に当接している様子である。ゴムブレードの先端部を像担持体に侵入させた時に働く力を示す図となっている。
【0138】
このとき設定角は30度で、ゴム先端部材を像担持体の表面から1.2mm侵入させたところで、当接圧は像担持体回転軸方向1cmあたり60gf程度であった。
【0139】
効果の確認として、本発明の第1の実施形態において、検証実験として、間欠耐久を行った。本実施例の画像形成装置であるレーザービームプリンタにおいては、所定のプロセススピード(周速度)200mm/secで実施した。
【0140】
本実施例の現像装置を用いて、本発明の効果を立証すべく、以下の条件下のもとで検証実験を行った。
・プロセススピード(感光ドラム周速)=200.0mm/sec
・耐久枚数:4000枚
・画像印字率:2%
上記の条件で、高温高湿環境(32.5°,80%Rh)で間欠耐久実験を行い、逐次通紙時に画像形成装置の異音と画像の確認を行った。
【0141】
本例では、ジャンピング現像方式を用いた。この方式では、不図示の現像バイアス電源から現像スリーブに対して交流と直流を重畳した現像バイアス電圧を印加する。そして、現像剤層厚規制部材と現像スリーブの接触箇所で摩擦帯電により負極性に帯電されたトナーを感光ドラム表面の静電潜像に適用して静電潜像を反転現像する。
【0142】
使用する現像材トナー4として、前記小粒径脂肪酸金属塩を0.30質量部程度含有した磁性トナーを用いた。今回使用した脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸を採用した。
【0143】
比較例として、従来の脂肪酸金属塩と小径の無機微粒子を各々磁性トナーに外添して、耐久を実施した。小径の無機微粒子としては、よく現像材トナーの外添剤として知られているシリカや、研磨剤として効果が知られているチタン酸ストロンチウム等を採用した。
【0144】
クリーニング装置及びゴムブレードは、前述した構成を用いた。
A:本発明に係る小粒径脂肪酸金属塩を含有したトナー
B:従来の脂肪酸金属塩を含有したトナー
C:従来の小径の無機微粒子を含有したトナー
という条件において、上記の条件で実験検証を行った検討結果を示す。
A:ゴム先端当接部にビビリなし、ブレード鳴き発生なし。
B:ゴム先端当接部に摩擦ムラ確認、僅かにブレード鳴き発生。
C:ゴム先端当接部に摩擦ムラ確認、ブレード鳴き発生。
【0145】
検証後のクリーニングブレードの観察より、感光体ドラムとの当接部に以下のような違いが確認された。
【0146】
図4に本発明の第1の実施形態におけるゴム先端当接部のトナーと脂肪酸金属塩の長手分布状態図を示す。
【0147】
図4を用いて、本発明による効果のメカニズムを説明する。
【0148】
Aにおいては、上述のように本発明に記されるように、従来よりも小径な脂肪酸金属塩をトナーに含有して、現像剤として用いている。これにより、転写後のトナーにおいても充分な量の脂肪酸金属塩が均一にトナー個々に脂肪酸金属塩が付着しており、トナーと一緒に挙動することで、クリーニングブレードのゴム先端当接部に供給される。
【0149】
図4Aにブレ−ドゴム部材71とゴム当接部のトナーと脂肪酸金属塩の長手分布状態を示している。これより、長手に均一に脂肪酸金属塩が供給され、感光ドラムとクリーニングブレードにおける摩擦係数μの長手ムラを抑制することができる。
【0150】
さらに、図2に本発明の第1の実施形態におけるゴム先端部と像担持体の当接状態断面図を示す。これは、図4Aの状態を感光ドラムとクリーニングブレードの当接状態断面方向から観察した図である。
【0151】
転写残トナーと共に長手に均一に脂肪酸金属塩が供給されている。そして、感光ドラムとのゴム当接部において、転写残トナーがクリーニングされたのち、小径で微粒子である脂肪酸金属塩がクリーニングブレード当接部に介在する。
【0152】
転写残トナーが、クリーニング装置に回収され、脂肪酸金属塩が遊離し、ブレード当接部に介在したとしても、脂肪酸金属塩は壁解性の高い物質であるので、クリーニングブレードの当接圧により、感光体ドラムに均一に塗りつけることが可能となる。
【0153】
よって、脂肪酸金属塩がトナーに対し均一に付着していて、一緒に挙動する事から、耐久を通じ安定してクリーニングブレード先端部のビビリを高度に抑制できる。
【0154】
図4Bは、従来の脂肪酸金属塩のクリーニングブレードの長手分布状態を示している。
【0155】
従来の脂肪酸金属塩は、粒径が大きく、トナー個々にも充分に付着することができない為、長手において、脂肪酸金属塩が供給されている場所と充分に供給されていない場所が、できる。そのため、感光ドラムとクリーニングブレードにおける摩擦係数μの長手ムラが発生する。すると、長手で摩擦ムラが発生し、それが助長することで、ムラは更に大きくなり、ゴムブレード先端部がビビリ、板状バネ部材等のゴム支持部材が振動する。するとゴム支持部材と像担持体とが共振することによって、異音が発生し、ブレード鳴きに至ってしまう。
【0156】
図4Cは、従来の無機微粒子のクリーニングブレードの長手分布状態を示している。
粒径は、本発明に係る脂肪酸金属塩と同様に充分に小さい。しかし、転写残トナーと共にクリーニングブレード当接部に供給されたとしても、その粒径小ささ、及び無機微粒子であるため、感光体ドラムの表層硬度より硬い。
【0157】
すると、感光体ドラムとクリーニングブレードの先端当接部内をころがりながら、すり抜けてしまう為、長手に分布ムラが生じる。
【0158】
そして、感光ドラムとクリーニングブレードにおける摩擦係数μの長手ムラが発生する。
【0159】
さらに、それが助長することで、ムラは更に大きくなり、ゴムブレード先端部がビビリ、板状バネ部材等のゴム支持部材が振動する。そうして、ゴム支持部材と像担持体とが共振することによって、異音が発生し、ブレード鳴きに至ってしまう。
【0160】
以上のように、クリーニングブレード状ゴム材の一面に、可撓性のあるブレード支持部材として、金属板バネ状のブレード支持部材を用いたクリーニング装置において、従来よりも粒径の小さな脂肪酸金属塩を含有したトナー粒子を用いる。
【0161】
それが、クリーニングブレードの長手に渡って均一に脂肪酸金属塩を像担持体とクリーニングブレード当接部に付着させることができる。
【0162】
そうすることで、環境の変化にかかわらず、温度湿度等の環境変動においても、ブレード長手に渡り、摩擦ムラのない安定したクリーニング状態にすることができる。その為、ゴム先端部のビビリを抑制し、異音によるブレード鳴きの発生を防止し、良好な画像を記録材上に形成する画像形成装置を提供することができる。
【実施例2】
【0163】
(2)着脱可能なプロセスカートリッジ
本実施の形態においては、画像形成装置本体に対して着脱自在に装着されるように構成したプロセスカートリッジであることを特徴としている。プロセスカートリッジは、少なくとも、前記像担持体と前記クリーニング装置及びトナーを収容し、現像する現像装置をカートリッジ容器枠体内に一体化されている。また、プロセスカートリッジには、前記カートリッジ容器枠体に内蔵され、初期状態を記憶した記憶手段を備えている。
【0164】
図9に実施例2におけるプロセスカートリッジの側断面図を示す。実施例1と異なる点は、像担持体1とクリーニング装置7及びトナーを収容し、現像する現像装置5をカートリッジ容器枠体内に一体化し、メモリとなる記憶装置110を備え、画像形成装置に対して、着脱可能なプロセスカートリッジであることである。
【0165】
図10に本発明の第2のプロセスカートリッジを装着した画像形成装置の側断面図を示す。
【0166】
本実施の形態に係る画像形成装置では、像担持体1、帯電ローラ2、現像装置5、クリーニング装置9の4つのプロセス機器がカートリッジ容器に一体的に組み込まれて、プロセスカートリッジ(プロセスユニット)100を構成している。プロセスカートリッジは、装置本体Mに対して着脱交換自在となっている。
【0167】
トナー量や感光ドラムの膜厚や感度は、プロセスカートリッジごとに多少の誤差を持っている。
【0168】
そこで、本実施例においては、プロセスカートリッジ内に記憶装置110を設け、この記憶装置110にトナー量や感光ドラムの膜厚や感度,プロセスカートリッジ100の像担持体1の回転数と、総通紙枚数を記憶するようにしている。
【0169】
以上のように、クリーニングブレード状ゴム材の一面に、可撓性のあるブレード支持部材として、金属板バネ状のブレード支持部材を用いたクリーニング装置において、従来よりも粒径の小さな脂肪酸金属塩を含有したトナー粒子を用いる。それが、クリーニングブレードの長手に渡って均一に脂肪酸金属塩を像担持体とクリーニングブレード当接部に付着させることができる。
【0170】
そうすることで、環境の変化にかかわらず、温度湿度等の環境変動においても、ブレード長手に渡り、摩擦ムラのない安定したクリーニング状態にすることができる。その為、ゴム先端部のビビリを抑制し、異音によるブレード鳴きの発生を防止し、良好な画像を記録材上に形成する画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0171】
M 画像形成装置
1 像担持体
2 帯電部材
3 レーザスキャナ
4 現像剤(トナー)
41 トナー粒子
42 本発明の脂肪酸金属塩
43 従来の脂肪酸金属塩
5 現像装置
6 転写紙
7 クリーニング装置
71 ブレード状ゴム部材
72 板状バネ性部材
8 転写部材
9 定着装置
100 プロセスカートリッジ
110 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体表面を帯電し、帯電後の前記像担持体表面を露光して静電潜像を形成し、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像し、前記トナー像を前記像担持体から転写材の上に転写し、像担持体の表面に当接して、クリーニングするブレード状ゴム材を有するクリーニング装置とを備える画像形成装置において、
前記トナーは、現像剤となるトナー粒子と外添剤を備え、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有するトナーであって、
前記脂肪酸金属塩の体積基準におけるメジアン径(D50)が0.15μm以上0.65μm以下であり、
前記クリーニング装置において、ブレード状ゴム材の一面に、可撓性のあるブレード支持部材として、板バネ状部材設けたクリーニング部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナーは、前記脂肪酸金属塩を、トナー粒子100質量部あたり0.05質量部以上0.50質量部以下含有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナーは、トナー粒子に含有している前記脂肪酸金属塩の遊離率が、1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナーは、結着樹脂、磁性体を少なくとも含有する磁性トナー粒子と、少なくとも脂肪酸金属塩とを含有する磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナーの圧縮率が30%以下であり、
前記トナーの表面自由エネルギーが40.0mJ/m^2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナーはコアシェル構造を有しており、シェル層は少なくともポリエステル樹脂を含有する事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナーを備えた画像形成装置。
【請求項7】
前記トナー粒子が、懸濁重合法で製造されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
少なくとも、前記像担持体と前記クリーニング装置、及びトナーを収容し現像する現像装置をカートリッジ容器枠体内に一体化され、前記カートリッジ容器枠体に内蔵され、初期状態を記憶した記憶手段を備え、画像形成装置本体に対して着脱自在に装着されるように構成したプロセスカートリッジであり、
前記トナー、及び前記クリーニング装置は請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナー及びクリーニング装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−242732(P2011−242732A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117461(P2010−117461)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】