説明

画像形成装置及び制御方法

【課題】 ユーザーが好みで線幅を調整した場合に、バーコードなどの読み取り精度が必要な文字に対して処理を切り替える場合に、画像形成装置の状態により、バーコードの読み取り精度が保証できない場合に補正することができない。
【解決手段】 テストチャートを出力し、読み込むことで画像形成装置の状態情報を取得し、状態情報とユーザーが指定した設定からバーコードに対して補正しても読み取り精度を保証できるか判断して補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機能を有する画像形成装置(複写機)において、特に、バーコード(1次元バーコード及び2次元バーコード)や図面等を読み取ることで用紙に画像を形成する場合、次の問題が発生する。画像を構成する線の幅(線幅)が所定の幅でないと、バーコード等の画像の埋め込み情報を正確に読み取ることができない、複写前の画像と複写後の画像とで太さが異なり、精度が劣化する問題が発生する。そのため、画像形成装置においては、複写対象を忠実に再現(複写)することが要望されている。
【0003】
また、電子写真方式の画像形成装置においては、画像形成装置の構造的な要因等により、形成した画像の縦線と横線の線幅に違いが生じることが知られている。ここで、横線とは、感光ドラムの回転軸の方向に平行な方向(主走査方向)の直線であり、縦線とは、感光ドラムの回転軸に対して直交する方向(副走査方向)の直線である。
【0004】
写真原稿等の中間調を再現(複写)する場合は、原稿の読み取りに伴う光信号を電気信号に光電変換し、電気信号を画像処理することでレーザ光に変換して感光体を露光し、感光体に形成した潜像を現像して可視情報化するデジタル複写機が適している。
【0005】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成部を装備したデジタル複写機において、CCD等の読取素子の感度特性や、画像形成部の濃度特性がリニアでは無いため、通常、濃度補正が施された後に用紙に画像が形成される。また、画像形成部の濃度特性は、ばらつきが大きく、環境や経時の変動も発生する。更に、読取素子を含む読取系の個々のばらつきも発生するため、デジタル複写機全体でも濃度変動、即ち線幅変動が発生し易い。
【0006】
上記の点から、従来、画像形成装置(複写機・プリンタ)における画質制御が広く行われている。特に複数の工程を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置に関しては、各工程毎に様々な制御方法が提案されている。
【0007】
バーコードが原稿に存在するかしないかを判断し、バーコード以外の表や罫線には、輪郭線を縁取る輪郭線補正を行い、バーコードに対しては、輪郭線補正を行わない方法が提案されている(特許文献1)。これは、バーコード印刷とバーコード以外の印刷が混在した場合でも、バーコードの読み取り精度を低下させることなく、かつバーコード以外の表や罫線の印刷も良好に行うことを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−3994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記従来のバーコード印刷方法においては、次の課題がある。
【0010】
従来方法では、画像形成装置の状態により、バーコードの読み取り精度が保証できない場合に補正することができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
画像を読み取る画像読み取り手段と、第一の画像データを記録材に画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
第一の画像データとテストチャートである第二の画像データとユーザーが設定した第二の補正値を記憶する記憶手段と、
前記第二の画像データと前記第二の画像データを前記画像形成手段によって記録材に形成された第三の画像データと比較して算出される第一の補正値と、
第一の補正値と第二の補正値を合計した値が第一の閾値と第二の閾値の間に存在する場合は、第二の補正値を使って補正を行い、存在しない場合には、第一の補正値を使って補正することを制御する制御手段と、
管理コード以外は、第二の補正値を使って補正を行い、管理コードは、上記制御手段に従って補正を行う補正手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
プリンタエンジンの変動などによる細線や文字のかすれやにじみをユーザーの好みに合わせつつ、バーコード文字などの読み取り精度を保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示す構成図である。
【図2】画像形成装置の制御を司るコントローラを中心とした構成例を示すブロック図である。
【図3】コントローラの画像処理部の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の線幅補正部の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置のプリンタ状態情報算出の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るテストチャートの例を示す図である。
【図7】プリンタ200で出力したテストチャートの例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の線幅補正制御の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るテストチャートの例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置のプリンタ状態情報算出の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の線幅補正制御の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示す構成図である。
【0016】
図1において、画像形成装置は、リーダスキャナ100(画像読取手段)、画像形成装置本体200(画像形成手段)から構成されている。画像形成装置は、複数色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))に各々対応した複数の画像形成部によりカラー画像を形成し、中間転写方式で記録材に転写を行うタンデム型の電子写真方式の画像形成装置として構成されている。尚、タンデム型はほぼ中間転写ベルトの1回転で1画像を形成できるため高速化に適するが、タンデム型の画像形成装置に限定されず、1ドラム型のカラー画像形成装置または白黒画像形成装置を用いてもよい。
【0017】
リーダスキャナ100は、原稿照明ランプ及びミラーを有するミラーユニット21、CCDアレイ等からなる撮像素子22、原稿装填部を備えている。原稿装填部にセットされた原稿Gから画像を読み取る際は、ミラーユニット21により原稿Gを走査することで稿Gの光学像を撮像素子22に結像する。撮像素子22により原稿Gの光学像を光電変換して得た輝度画像信号を、A/D変換部(不図示)によりデジタル画像信号に変換した後、コントローラ30(図2参照)によりガンマ(γ)補正等の画像処理を行う。
【0018】
画像形成装置本体(以下プリンタと表記)200は、ブラック(K)画像形成部、シアン(C)画像形成部、マゼンタ(M)画像形成部、イエロー(Y)画像形成部、中間転写ベルト10、2次転写ローラ14、定着部16等を備えている。プリンタ200は、コントローラ30から出力される画像データに基づいて記録材P(用紙や透明フィルム)に画像を形成して出力する。尚、プリンタ200は、後述するように画像データを記憶する記憶部(不図示)を備えている。
【0019】
ブラック画像形成部は、感光ドラム1K、帯電ローラ2K、露光部3K、現像部4K、1次転写ローラ5K、クリーニング部6Kを備えている。シアン画像形成部は、感光ドラム1C、帯電ローラ2C、露光部3C、現像部4C、1次転写ローラ5C、クリーニング部6Cを備えている。マゼンタ画像形成部は、感光ドラム1M、帯電ローラ2M、露光部3M、現像部4M、1次転写ローラ5M、クリーニング部6Mを備えている。イエロー画像形成部は、感光ドラム1Y、帯電ローラ2Y、露光部3Y、現像部4Y、1次転写ローラ5Y、クリーニング部6Yを備えている。
【0020】
上記複数色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部のうちイエロー画像形成部による画像形成動作を例に挙げて説明する。感光ドラム1Yが矢印A方向に回転し、帯電ローラ2Yにより感光ドラム1Yの表面を均一に帯電する。露光部3Yによりコントローラ30からの画像情報に応じたレーザ光を感光ドラム1Yの表面に照射することで、感光ドラム1Y上に静電潜像を形成する。
【0021】
現像部4Yにより感光ドラム1Y上の静電潜像をイエロートナーで現像することで、感光ドラム1Y上にイエロートナー画像を形成する。1次転写ローラ5Yにより感光ドラム1Y上のイエロートナー画像を、ローラ8、12、13を介して矢印B方向に回転する中間転写ベルト10上に1次転写する。1次転写を終了した感光ドラム1Y上の1次転写残トナーをクリーニング部6Yにより除去した後、次の画像形成に備える。
【0022】
同様に、ブラック画像形成部、シアン画像形成部、マゼンタ画像形成部において、それぞれ、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、ブラックトナー画像を順次、中間転写ベルト10上のイエロートナー画像に重ねて1次転写する。
【0023】
1次転写で形成された中間転写ベルト10上の4色の重ね合わせトナー画像を、2次転写ローラ14により記録材P上に一括して2次転写した後、定着部16に搬送する。定着部16により記録材P上のカラー画像を定着した後、画像形成装置に装備された排出トレイ(不図示)に排出する。2次転写を終了した中間転写ベルト10上の2次転写残トナーをクリーニング部15により除去した後、次の画像形成に備える。
【0024】
図2は、画像形成装置の制御を司るコントローラ30を中心とした構成例を示すブロック図である。
【0025】
図2において、コントローラ30は、制御部300、ネットワークインタフェース(I/F)301、PDL処理部303、操作部304、画像処理部305を備えている。制御部300は、各部を制御するものであり、ユーザーから操作部304により原稿の読み取りを指示されると、リーダスキャナ100により原稿の読み取りを行うと共に、原稿から読み取った画像に対応する画像データを画像処理部305に出力するよう制御する。また、制御部300は、プログラムに基づき、図6(第1の実施の形態)、図8(第2の実施の形態)の各フローチャートに示す処理を実行する。
【0026】
画像処理部305は、リーダスキャナ100から出力された画像データに画像処理を施す。例えば、複写(コピー)の場合は、リーダスキャナ100から出力された画像データに、コピー出力に適した画像処理を施し、画像処理後の画像データをプリンタ200に出力する。これにより、記録材にコピー画像が形成される。制御部300は、リーダスキャナ100及びプリンタ200と所定のインタフェースを介して各々接続されている。制御部300は、リーダスキャナ100及びプリンタ200の各々の動作状態を示すステータス情報を取得し、ステータス情報に基づきリーダスキャナ100及びプリンタ200の動作を制御する。
【0027】
ネットワークインタフェース(I/F)301は、ローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワーク302に接続し、ネットワーク302に接続されたパーソナルコンピュータ(以下PC)等と通信し、様々なコマンドやデータをやり取りする。例えば、画像形成装置がPCから記述言語(例えばPDL)で記述された画像データ(PDLデータ)を含む印刷信号を受信した場合、制御部300は、PDLデータをPDL処理部303に供給する。
【0028】
PDL処理部303は、PDLデータを処理して得た画像データを画像処理部305に出力する。画像処理部305は、PDL処理部303から出力された画像データにプリント出力に適した画像処理を施し、画像処理後の画像データをプリンタ200に出力する。これにより、プリンタ200はプリント画像を記録材に形成する。操作部304は、ユーザから入力された指示を制御部300に伝えると共に、画像形成装置の状態等を表示する。
【0029】
また、制御部300は、ユーザーから操作部304により原稿の読み取りが指示された場合、リーダスキャナ100に原稿を読み取らせる。更に、制御部300は、リーダスキャナ100により原稿から読み取った画像に対応する画像データを画像処理部305に生成させ、その画像データをファイル等の形式としてネットワーク302を介してPC等に送信する。尚、コントローラ30内部には、ファクシミリの送受信部、電話回線とのインタフェース等を備えているが、ここでは説明を省略する。
【0030】
図3は、コントローラ30の画像処理部305の機能構成例を示すブロック図である。
【0031】
図3において、画像処理部305は、シェーディング補正部3051、入力色処理部3052、空間フィルタ部3053、LOG処理部3054、出力色処理部3055、ガンマ(γ)補正部3056、スムージング処理部3057を備えている。
【0032】
リーダスキャナ100から出力される画像データは、一般的にRGB画像データである。リーダスキャナ100において撮像素子22により原稿の光学像を光電変換して得た輝度画像信号をA/D変換部によりデジタル画像信号(RGB画像データ)に変換し、画像処理部305に出力する。画像処理部305は、リーダスキャナ100から出力されたRGB画像データに、シェーディング補正部3051により白基準の補正を施し、入力色処理部3052により入力マスキング処理を施す。これにより、撮像素子22のCCD分光特性に起因する色の濁り等が取り除かれる。
【0033】
更に、空間フィルタ3053によりRGB画像データの周波数特性を修正し、LOG処理部3054により輝度信号であるRGB画像データ(RGB信号)を反転して濃度信号に変換することにより、YMC信号を得る。更に、出力色処理部3055により公知の出力マスキング法や3次元ルックアップテーブル(LUT)補間演算を用いて、YMC信号からYMCK信号に変換し、ガンマ補正部3056に入力する。
【0034】
画像処理部305は、上記の処理で得たRGB画像データ(コピー出力画像データ)、またはPDL処理部303が生成したRGB画像データ(プリント出力画像データ)を、4色に分解する場合は、出力色処理部3055によりYMCK信号に色分解する。PDL処理部303はYMCK画像データを出力する場合があるが、この場合は、YMCK画像データを、出力色処理部3055によりYMCK信号に色処理する。
【0035】
次に、画像処理部305において、色分解した信号をガンマ(γ)補正部3056に入力する。ガンマ補正部3056により各色独立のルックアップテーブル(LUT)を用いて階調補正を行い、色分解信号に出力特性の補正(ガンマ補正)を施す。最後に、ガンマ補正を施した信号をスムージング処理部3057に入力する。スムージング処理部3057により信号にスムージング処理を施し、プリンタ200に出力する。これにより、プリンタ200により記録材に画像が形成される。
【0036】
次に、上記構成を有する本実施の形態の画像形成装置の動作について図5〜図9を参照しながら説明する。
【0037】
横線(感光ドラムの回転軸の方向に平行な主走査方向の線)と、縦線(感光ドラムの回転軸に対して直交する副走査方向の線)で画像データの補正量を異ならせると、より好適である。画像形成装置の構成によって異なるが、感光ドラムと現像スリーブが非接触のジャンピング現像方式の場合は、「掃き寄せ」と称する現象のため、画像後端エッジのトナー付着量が多くなるために、横線が太く縦線が細くなる画像形成装置もある。
【0038】
図5は、プリンタ状態情報を取得するためのフローチャートである。
【0039】
コントローラ30は、プリンタ200から出力されたテストチャートをプリンタ200に出力する(ステップS501)。
【0040】
図9は、本実施の形態で使用されるテストチャートの例である。チャート1000は、主走査方向のプリンタ状態情報を測定するためのチャートである。チャート1001は、副走査方向のプンリタ状態情報を測定するためのチャートである。
【0041】
コントローラ30は、プリンタ200から出力されたテストチャートをリーダスキャナ100で読み込み、画像データをデータ記憶部401に格納する(ステップS502)。
【0042】
プリンタ状態情報演算部402は、チャート1000とデータ記憶部401に格納されているテストチャートの元データから主走査方向のプリンタ状態情報を演算する(ステップS503)。
【0043】
ここで、図6は、テストチャートの例を示したものである。4画素の間隔を持った二つの4画素の幅を持った線である。図7は、プリンタ200から出力し、リーダスキャナ100で読み込んだ画像の例を示したものである。この二つの画像をプリンタ状態情報402は、比較を行って、プリンタ状態情報を算出する。算出例としては、
プリンタ状態情報= 読込画像データ − テストチャート
すなわち、4画素が6画素に太っているので、プリンタ状態情報は+2となる。
【0044】
プリンタ状態情報の算出方法は、これに限定するものではなく、例えば、MTFの値や濃度値の差から算出しても良いものとする。
【0045】
プリンタ状態情報演算部402は、チャート1001とデータ記憶部401に格納されているテストチャートの元データから副走査方向のプリンタ状態情報を演算する(ステップS504)。
【0046】
コントローラ30は、取得したプリンタ状態情報をデータ記憶部401に格納する(ステップS505)。
【0047】
図8は、本実施の形態の画像データの線幅補正の制御のフローチャートである。
【0048】
コントローラ30は、PDLデータをネットワーク302を介して受信する。PDL処理部303は、受信したPDLデータを解析し、画像データをデータ記憶部401へ出力する。さらに、PDLデータにバーコードフォントがある場合は、画像データのバーコードフォントの属性情報をデータ記憶部401に格納する。
【0049】
コントローラ30は、データ記憶部401を参照し、ユーザーから線幅の調整値があるか確認する(ステップS801)。ユーザーからの線幅の調整値がある場合は、ステップS802に移行する。ない場合は、コントローラ30は画像データを補正せずに(ステップS812)、画像処理部305を介し、プリンタ200へ出力する。
【0050】
コントローラ30は、画像データにバーコードフォントが存在するか、データ記憶部401に格納されている画像データの属性情報を基に判断する(ステップS802)。バーコードフォントがある場合は、バーコードと文字やラインなどを分けて調整する必要があるので、ステップS803へ移行する。ない場合は、文字やラインに対し、ユーザーが指定した調整値で画像データを補正し(ステップS811)、コントローラ30は、補正データをデータ記憶部401に格納する。
【0051】
コントローラ30は、予め定められた第一の閾値と第二の閾値の間に主走査方向のプリンタ状態情報とユーザーが指定した調整値を足したものが範囲内であるかを判断する(ステップS803)。
【0052】
範囲内である場合は、バーコードフォントに対して主走査方向の補正を許可する(ステップS804)。範囲外である場合は、バーコードフォントに対して主走査方向の補正を許可しない(ステップS805)。
【0053】
コントローラ30は、予め定められた第一の閾値と第二の閾値の間に副走査方向のプリンタ状態情報とユーザーが指定した調整値を足したものが範囲内であるかを判断する(ステップS806)。
【0054】
範囲内である場合は、バーコードフォントに対して副走査方向の補正を許可する(ステップS807)。範囲外である場合は、バーコードフォントに対して副走査方向の補正を許可しない(ステップS808)。
【0055】
データ補正部403は、記憶部401に格納されている属性情報を参照しながら文字やラインとバーコードフォントの補正を分けて行う。文字やラインに対しては、ユーザーが設定した調整値で補正をおこなう。バーコードフォントに対しては、フローチャートのステップS803とステップS806の判断結果を反映して補正を行う(ステップS809)。補正した画像データは、記憶部401に格納される。
【0056】
コントローラ30は、補正した画像データを画像処理部305を介して、プリンタ200へ出力する(ステップS810)。
【0057】
その後、プリンタ200により画像形成を行い、画像を出力する。
【0058】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、テストチャートからプリンタ状態情報を取得し、プリンタ状態情報とユーザーが設定した線幅の調整値からバーコードフォントに対して線幅補正を行うか判断する。これによって、ユーザーは好みの線幅で印字を行いながら、バーコードフォントは、読み取り精度を保証することが可能となる。
【0059】
[実施形態2]
第二の実施の形態は、上記第一の実施の形態に対して、下記の点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第一の実施の形態の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0060】
線幅補正制御において、バーコードフォントに対して、より高い読み取り精度となるように補正を行う。
【0061】
図10は、補正値を取得するためのフローチャートである。
【0062】
コントローラ30は、プリンタ200から出力されたテストチャートをプリンタ200に出力する(ステップS1001)。
【0063】
コントローラ30は、プリンタ200から出力されたテストチャートをリーダスキャナ100で読み込み、画像データをデータ記憶部401に格納する(ステップS1002)。
【0064】
プリンタ状態情報演算部402は、チャート1000とデータ記憶部401に格納されているテストチャートの元データを比較して補正値Aを演算する(ステップS1003)。
【0065】
プリンタ状態情報演算部402は、チャート1001とデータ記憶部401に格納されているテストチャートの元データを比較して補正値Bを演算する(ステップS1004)。
【0066】
コントローラ30は、取得したプリンタ状態情報をデータ記憶部401に格納する(ステップS1005)。
【0067】
図11は、本実施の形態の画像データの線幅補正の制御のフローチャートである。
【0068】
コントローラ30は、PDLデータをネットワーク302を介して受信する。PDL処理部303は、受信したPDLデータを解析し、画像データをデータ記憶部401へ出力する。さらに、PDLデータにバーコードフォントがある場合は、画像データのバーコードフォントの属性情報をデータ記憶部401に格納する。
【0069】
コントローラ30は、データ記憶部401を参照し、ユーザーから線幅の調整値か補正値A、Bがあるか確認する(ステップS1101)。ユーザーからの線幅の調整値がある場合は、ステップS1102に移行する。ない場合は、コントローラ30は画像データを補正せずに(ステップS1112)、画像処理部305を介し、プリンタ200へ出力する。
【0070】
コントローラ30は、画像データにバーコードフォントが存在するか、データ記憶部401に格納されている画像データの属性情報を基に判断する(ステップS1102)。バーコードフォントがある場合は、バーコードと文字やラインなどを分けて調整する必要があるので、ステップS1103へ移行する。ない場合は、文字やラインに対し、ユーザーが指定した調整値で画像データを補正し(ステップS1111)、コントローラ30は、補正データをデータ記憶部401に格納する。
【0071】
コントローラ30は、予め定められた第一の閾値と第二の閾値の間に補正値Aとユーザーが指定した主走査方向の調整値を足したものが範囲内であるかを判断する(ステップS1103)。
【0072】
範囲内である場合は、バーコードフォントに対して主走査方向の調整値で補正を行う(ステップS1104)。範囲外である場合は、バーコードフォントに対して補正値Aで補正を行う(ステップS1105)。
【0073】
コントローラ30は、予め定められた第一の閾値と第二の閾値の間に補正値Bとユーザーが指定した副走査方向の調整値を足したものが範囲内であるかを判断する(ステップS1106)。
【0074】
範囲内である場合は、バーコードフォントに対して副走査方向の調整値で補正を行う(ステップS1107)。範囲外である場合は、バーコードフォントに対して補正値Bで補正を行う(ステップS1108)。
【0075】
データ補正部403は、記憶部401に格納されている属性情報を参照しながら文字やラインとバーコードフォントの補正を分けて行う。文字やラインに対しては、ユーザーが設定した調整値で補正をおこなう。バーコードフォントに対しては、フローチャートのステップS1103とステップS1106の判断結果を反映して補正を行う(ステップS809)。補正した画像データは、記憶部401に格納される。
【0076】
コントローラ30は、補正した画像データを画像処理部305を介して、プリンタ200へ出力する(ステップS1110)。
【0077】
その後、プリンタ200により画像形成を行い、画像を出力する。
【0078】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、テストチャートから主走査方向と副走査方向の補正値を取得し、補正値とユーザーが設定した線幅の調整値からバーコードフォントに対して補正量を判断する。これによって、ユーザーは好みの線幅で印字を行いながら、バーコードフォントは、読み取り精度を保証することが可能となる。第一の実施の形態との差分は、ユーザーの調整がなくてもバーコードフォントの読み取り精度を保証することが可能であることである。
【符号の説明】
【0079】
1Y、1M、1C、1K 感光ドラム
30 コントローラ
40 線幅補正部
50 光学センサ
100 リーダスキャナ
200 画像形成装置本体
300 制御部
303 PDL処理部
305 画像処理部
400 制御部
401 データ記憶部
402 データ比較部
403 補正値算出部
404 補正値補間部
405 線幅補正用基準画像記憶部
406 線幅補正処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を読み取る画像読み取り手段と、第一の画像データを記録材に画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
第一の画像データとテストチャートである第二の画像データとユーザーが設定した第二の補正値を記憶する記憶手段と、
前記第二の画像データと前記第二の画像データを前記画像形成手段によって記録材に形成された第三の画像データと比較して算出される第一の補正値と、
第一の補正値と第二の補正値を合計した値が第一の閾値と第二の閾値の間に存在する場合は、第二の補正値を使って補正を行い、存在しない場合には、第一の補正値を使って補正することを制御する制御手段と、
管理コード以外は、第二の補正値を使って補正を行い、管理コードは、上記制御手段に従って補正を行う補正手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、管理コードが読み取り精度を保証できるように補正方法を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第一の補正値は、主走査方向と副走査方向にそれぞれ測定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−106179(P2013−106179A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248635(P2011−248635)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】