画像形成装置及び印刷物の作成方法
【課題】以前に作成された機能設定用印刷物を有効に利用して、所望の機能設定用印刷物を容易に作成する。
【解決手段】電子ペンと通信可能な画像形成装置であって、電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する印刷部と、以前に作成された各々の機能設定用印刷物の、各機能と各機能の用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、ユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶部と、ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する制御部と、を少なくとも備え、制御部は、ログインユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を印刷部に作成させる。
【解決手段】電子ペンと通信可能な画像形成装置であって、電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する印刷部と、以前に作成された各々の機能設定用印刷物の、各機能と各機能の用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、ユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶部と、ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する制御部と、を少なくとも備え、制御部は、ログインユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を印刷部に作成させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、画像形成装置及び当該画像形成装置の機能を設定するための印刷物の作成方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
プリンタ機能やスキャナ機能などを備える複合機（ＭＦＰ：Multi Function Peripheral）が普及しており、ＭＦＰの多機能化に伴って、各種機能を設定するための操作が複雑化している。その問題に対して、表示画面を大きくし、一度に多くの情報を表示できるようにする方法が考えられるが、設置スペースや部品コストの都合上、大画面化は容易ではない。また、画面の構成や階層構造を工夫することによって操作性を改善する方法も考えられるが、ユーザや設定環境によって頻繁に使用する機能が異なるため、全ての機能の設定を容易にすることはできず、それぞれの機能を複数階層に跨って設定するようにすると、操作が膨大になり煩わしくなってしまう。
【０００３】
このような背景から、ＭＦＰの操作性を改善する新しい手法が求められており、例えば、下記特許文献１には、位置情報記録媒体を任意の領域を分割し、分割された任意の領域に相当する位置に、特定の機能（ＯＣＲ、アプリケーションと連携、筆跡照合、暗号化、計算、データベース関連付け等）を領域ごとに割り当て、これを基にプリンタにおいて定型用紙を作成する。そして、位置情報記録媒体の定型用紙に対してデータを記入し、位置情報取得装置（デジタルペン）により分割された任意の領域内の位置情報を実行用コンピュータに転送して、位置情報を元に各領域に割り当てられた機能を実行する機能割当実行方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００４−２８０５１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記特許文献１の技術により、領域ごとに予め割り当てられた特定の機能を実行するための定型用紙を作成することができるが、ＭＦＰは多数の機能を備えており、ユーザによって使用する機能は様々であるため、定型用紙では使い勝手が悪い。そこで、ユーザがパネル等を操作して、上記多数の機能の中から必要とする機能を選択し、選択した機能を割り当てた用紙（機能設定用印刷物と呼ぶ。）を作成することも可能である。
【０００６】
しかしながら、あるユーザが自分用の機能設定用印刷物を作成して印刷した後、再度、同じものを印刷したり、機能を編集して印刷したり、他のユーザが作成した機能設定用印刷物を参考にして自分用の機能設定用印刷物を作成して印刷したりする場合、用紙上に割り当てる機能をパネル等で選択し直さなければならず、簡便に機能設定用印刷物を作成することができない。特に、機能設定画面が階層構造になっており、複数の画面を遷移して機能を選択しなければならない場合は、機能の選択に時間を要し、簡便に機能設定用印刷物を作成することができない。
【０００７】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、以前に作成された機能設定用印刷物を有効に利用して、所望の機能設定用印刷物を容易に作成することができる画像形成装置及び印刷物の作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するため、本発明は、電子ペンと通信可能な画像形成装置であって、前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する印刷部と、以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶部と、ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する制御部と、を少なくとも備え、前記制御部は、ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を前記印刷部に作成させるものである。
【０００９】
また、本発明は、電子ペンと通信可能な画像形成装置の機能を設定するための印刷物の作成方法であって、前記画像形成装置は、前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する第１の印刷ステップと、以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶ステップと、ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する表示ステップと、ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を作成する第２の印刷ステップと、を少なくとも実行するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の画像形成装置及び印刷物の作成方法によれば、以前に作成された機能設定用印刷物を有効に利用して、所望の機能設定用印刷物を容易に作成することができる。
【００１１】
その理由は、予め作成された機能設定用印刷物のレイアウト情報がユーザＩＤに関連付けて記憶されており、画像形成装置にログインするユーザがユーザＩＤを入力すると、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報が選択可能に表示され、その中から選択されたレイアウト情報に基づいて、ログインユーザ用の新たな機能設定用印刷物が印刷されるからである。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一実施例に係る画像形成装置のコントローラの構成を示すブロック図である。
【図２】本発明の一実施例に係る画像形成装置の表示・操作部の外観構成例を示す図である。
【図３】本発明の一実施例に係る電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図４】アノト（登録商標）パターンの一例を示す図である。
【図５（ａ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の一例である。
【図５（ｂ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｃ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｄ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｅ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｆ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｇ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｈ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｉ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図６】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物の初回作成手順を示す図である。
【図７】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物における各選択肢の位置情報を示す図である。
【図８】機能の種別と用紙上の位置情報とを関連付けるレイアウト情報の一例である。
【図９】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物による機能設定動作を示す図である。
【図１０】本発明の一実施例に係る画像形成装置の動作（機能設定手順）を示すフローチャート図である。
【図１１】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物の作成手順を示す図である。
【図１２】ユーザＩＤと機能設定用印刷物のシートＩＤとを関連付けるテーブルの一例である。
【図１３】ユーザＩＤとアクセス範囲とを関連付けるテーブルの一例である。
【図１４】機能設定用印刷物のシートＩＤとアクセス種別とを関連付けるテーブルの一例である。
【図１５】機能設定用印刷物のシートＩＤとレイアウト情報とを関連付けるテーブルの一例である。
【図１６】本発明の一実施例に係る画像形成装置の動作（機能設定用印刷物の作成手順）を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
背景技術で示したように、ＭＦＰの多機能化に伴って機能の設定操作が難しくなっていることから、機能毎に領域を分割した用紙を用いて機能を実行可能にする方法が提案されており、ユーザが選択した機能が用紙に印刷されたユーザ毎の機能設定用印刷物を作成することも可能である。しかしながら、あるユーザが、自身が以前に作成した機能設定用印刷物を再度印刷したり、機能を編集して印刷したり、他のユーザが作成した機能設定用印刷物を参照して自分用の機能設定用印刷物を印刷したりする場合、再度、機能を選択し直さなければならず、簡便に機能設定用印刷物を作成することができない。
【００１４】
そこで、本発明の一実施の形態では、予め作成された機能設定用印刷物のレイアウト情報（選択された機能及び各機能の用紙上の位置情報）をユーザのＩＤに関連付けて記憶し、所定のユーザが画像形成装置にログインすると、そのユーザのＩＤやそのユーザが属する部門内のユーザのＩＤなどに関連付けて記憶されたレイアウト情報が選択可能に表示され、選択されたレイアウト情報に基づいて、所定のユーザ用の新たな機能設定用印刷物が印刷されるようにする。このように、以前に作成された機能設定用印刷物を利用できるようにすることにより、機能を選択し直す必要が無くなり、簡便に機能設定用印刷物を作成することができる。
【実施例】
【００１５】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る画像形成装置及び印刷物の作成方法について、図１乃至図１６を参照して説明する。図１は、本実施例の画像形成装置のコントローラの構成を示すブロック図であり、図２は、表示・操作部の外観構成例を示す図、図３は、電子ペンの構成を示すブロック図である。また、図４は、アノト（登録商標）パターンの一例を示す図であり、図５は、本実施例の画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の一例を示す図である。また、図６は、機能設定用印刷物の初回作成手順を示す図であり、図７は、機能設定用印刷物における各選択肢の画像エリアの位置情報を示す図、図８は、レイアウト情報の一例である。また、図９は、機能設定用印刷物による機能設定手順を示す図であり、図１０は、機能設定手順の詳細を示すフローチャート図である。また、図１１は、機能設定用印刷物の作成手順を示す図であり、図１２乃至図１５は、関連付けテーブルの一例、図１６は、印刷物の作成手順の詳細を示すフローチャート図である。
【００１６】
本実施例のシステムは、ＭＦＰなどの画像形成装置と、画像形成装置で印刷された用紙上の位置を特定して位置情報を送信する電子ペンと、で構成される。なお、本明細書において、機能とは、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリント機能、コピー機能など（大分類の機能）のみならず、各機能に対して設定可能な機能（例えば、コピー機能の中のカラー機能などの小分類の機能）を含む。また、選択肢とは、小分類の機能を設定するために設けられた項目（例えば、カラー機能の中のフルカラーなど）を意味する。以下、図面を参照して詳細に説明する。
【００１７】
［画像形成装置］
図１は、本実施例の画像形成装置１０のコントローラの構成を示すブロック図であり、コントローラは、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１、ＲＯＭ（Read Only Memory）１２、ＲＡＭ（Random Access Memory）１３ａ、不揮発ＲＡＭ１３ｂ、モータードライバ１４、ＩＲ（Image Reader）／ＡＤＦ（Auto Document Feeder）モーター１５、表示・操作部１６、電子ペン用通信モジュール１７、ＣＣＤ（Charge Coupled Devices）１８、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）インターフェース１９、ＮＩＣ（Network Interface Card）２０、画像処理チップ２１、画像処理用ＲＡＭ２２、プリントエンジン２３、ＴＥＬ応答モジュール２４、モデム２５、公衆回線インターフェースモジュール２６などで構成される。
【００１８】
ＣＰＵ１１と、ＲＯＭ１２やＲＡＭ１３ａ、不揮発ＲＡＭ１３ｂなどのメモリと、で制御部が構成される。ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２に保存されている制御プログラムをＲＡＭ１３ａにコピーした後、ＲＡＭ１３ａ上の制御プログラムに従って、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリント機能及びコピー機能などの各機能についての全体制御を行う。本実施例では、特に、機能選択画面（図５（ａ）〜（ｉ））でユーザが選択した１又は複数の機能やその選択肢を、電子ペン３０がペン先の位置を検出するためのパターンが印刷される用紙に配置（好ましくは用紙の１ページに集約して配置）して、自装置の機能を設定するための用紙（機能設定用印刷物と呼ぶ。）を作成する処理や、作成した機能設定用印刷物の各機能と当該機能の用紙上の位置情報とを対応付けた情報（レイアウト情報と呼ぶ。）をユーザＩＤに関連付けてメモリなどに記憶する処理、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定して選択可能に表示し、選択されたレイアウト情報に基づいて新たな機能設定用印刷物を作成する処理、電子ペン３０から送信される用紙上の位置情報（座標）に対応する選択肢を特定して機能を設定する処理などを実行する。ＲＯＭ１２は、上記制御プログラムの他に、上記パターン（例えば、アノト（登録商標）パターンなどの位置検出用符号）のデータなども保存する。ＲＡＭ１３ａは、制御プログラムの他に、表示・操作部１６に表示する画面データ、レイアウト情報、各種情報を関連付けるテーブル（図１２〜図１５のテーブル）、各種計算値などの一時保存場所として使用される。また、これらのデータを画像形成装置１０の電源が切断されても記憶しておく必要がある場合、不揮発ＲＡＭ１３ｂに記憶する。
【００１９】
ＩＲ／ＡＤＦモーター１５は、読取装置や自動原稿送り装置を駆動するモーターである。モータードライバ１４は、ＩＲ／ＡＤＦモーター１５を駆動制御する。
【００２０】
表示・操作部１６は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）や有機ＥＬ（electroluminescence）ディスプレイ上に、透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルと、ハードキーとで構成される。図２は、表示・操作部１６の具体例である。タッチパネル１６ａ、モード切り替えキー１６ｂ、テンキー１６ｃにより機能の設定を可能とする。また、リセットキー１６ｄで設定を初期設定値に戻す。また、スタートキー１６ｅによりコピーや印刷、送信などの動作をスタートさせ、ストップキー１６ｆにより、動作状態を停止させる。また、ユーティリティキー１６ｇにより、画像形成装置１０本体のシステム設定や調整機能を行う。
【００２１】
電子ペン用通信モジュール１７は、Bluetooth（登録商標）通信方式に代表される短距離無線通信や有線通信により電子ペン３０の通信モジュール３４と通信を行い、電子ペン３０からの用紙上の位置情報を受信し、ＲＡＭ１３ａに保持する。
【００２２】
ＣＣＤ１８は、画像形成装置１０の読取装置や自動原稿送り装置に設置され、原稿をスキャンして原稿の反射光を検出し、この反射光を光電変換し更にアナログ−デジタル変換して画像データを生成する。ＵＳＢインターフェース１９は、ＵＳＢ対応機器と接続するためのインターフェースである。ＮＩＣ２０は、ユーザのコンピュータ装置などとＬＡＮ（Local Area Network）を経由して接続するための拡張カードであって、ユーザのコンピュータ装置等から送信される印刷データを入力したり、スキャンして得た画像信号に基づいて生成された画像データをユーザのコンピュータ装置等に送信したりする。
【００２３】
画像処理チップ２１は、変倍、画像回転、濃度調整、エッジ強調、スムージング、２値化等の画像処理を行う。本実施例では、特に、後述する機能選択画面でユーザが選択した機能の選択肢を用紙の１ページに集約して配置した画像に、電子ペン３０が用紙上の位置を検出するためのパターンを合成する処理を行う。画像処理用ＲＡＭ２２は、画像処理チップ２１が画像処理の過程で出力する画像データや各種計算値などを一時的に記憶する。プリントエンジン２３は、画像処理用ＲＡＭ２２に蓄えられた画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。
【００２４】
電話応答モジュール２４は、着信時の応答を行う。モデム２５は、デジタル信号を電話回線のアナログ信号に変調すると共に、その逆に変換して復調する。公衆回線インターフェースモジュール２６は、公衆回線網と接続するためのインターフェースである。
【００２５】
上記構成のコントローラの一般的な動作を概説すると、ＣＰＵ１１は、表示・操作部１６から指示を受けると、モータードライバ１４に対し、ＩＲ／ＡＤＦモーター１５の制御を行うと共に、画像処理チップ２１へ画像処理要求を行う。
【００２６】
画像処理チップ２１は、ＣＰＵ１１より画像処理要求を受けると、ＣＣＤ１８からスキャンデータを受け取り、表示・操作部１６で指示された画像に変換するための画像処理を施す。その際、各種計算値などは画像処理用ＲＡＭ２２に一時保存される。
【００２７】
画像処理チップ２１から出力された処理済み画像データは、ＲＡＭ１３ａへ一時保存された後、表示・操作部１６からの指示がスキャンの場合、画像処理チップ２１を経由してＵＳＢインターフェース１９又はＮＩＣ２０へ転送される。表示・操作部１６からの指示がＦａｘの場合、モデム２５を経由して公衆回線インターフェースモジュール２６に転送される。表示・操作部１６からの指示がコピーの場合、画像処理チップ２１を経由してプリントエンジン２３へ転送される。
【００２８】
プリントデータを外部より受信した場合は、ＵＳＢインターフェース１９又はＮＩＣ２０よりプリントデータを受け付け、画像処理チップ２１にて伸張した後、ＲＡＭ１３ａへ一時保存し、プリントエンジン２３へ転送する。
【００２９】
なお、図２では、各機能の選択肢を配置した画像にパターンを合成する処理を画像処理チップ２１で実行する構成とするが、機能選択画面でユーザが選択した機能や選択肢を配置（好ましくは１ページに集約して配置）した画像、若しくは、以前に作成した機能設定用印刷物のレイアウト情報に基づいて機能や選択肢を配置した画像を生成し、その画像にパターンを合成し、合成した画像を元にプリントエンジン２３に印刷させる一連の処理を、制御部で実行する構成としてもよい。
【００３０】
［電子ペン］
図３は、電子ペン３０の構成を示すブロック図であり、電子ペン３０は、ＣＰＵ３１、ＲＯＭ３２、ＲＡＭ３３、通信モジュール３４、バッテリーモジュール３５、イメージセンサ３６、ペン圧力検知センサ３７、筆記モジュール３８、時計モジュール３９などで構成される。
【００３１】
ＣＰＵ３１は、プログラムに従って演算するデータ処理装置である。ＲＯＭ３２は、プログラムを格納する情報記憶部である。ＲＡＭ３３は、データを格納する情報記憶部である。通信モジュール３４は、Bluetooth（登録商標）に代表される短距離無線通信や有線通信により画像形成装置１０の電子ペン用通信モジュール１７と通信を行う。バッテリーモジュール３５は、電子ペン３０の電源である一次電池または二次電池である。イメージセンサ３６は、パターンを読み取るための小型のＣＣＤまたはＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）ビデオカメラである。ペン圧力感知センサ３７は、電子ペン３０の筆圧を検知する圧電素子などである。筆記モジュール３８は、イメージセンサ３６で読み取ったパターンに基づいて電子ペン３０の用紙上の位置を特定し、通信モジュール３４を用いて位置情報を出力する装置である。時計モジュール３９は、時刻情報を保持する装置である。
【００３２】
なお、電子ペン３０は、機能設定用印刷物上の位置を特定し、位置情報（座標）を画像形成装置１０に送信する機能を備えていればよく、その構成や形状、通信方法などは特に限定されない。例えば、電子ペン３０は、アノト（登録商標）パターンを識別して位置を特定する構成としてもよいし、パターンの構成や密度、濃度などを識別して位置を特定する構成としてもよい。また、バーコードなどのパターンを読み取って位置を特定する構成としてもよいし、機能設定用印刷物近傍に設置された機器と連動して（例えば、当該機器に対する角度や距離に基づいて）位置を特定する構成としてもよい。本実施例では、アノト（登録商標）パターンを利用する場合について説明する。
【００３３】
図４は、アノト（登録商標）パターンの一例である。このアノト（登録商標）パターンは、格子状に配置されたドットパターンであり、各ドットは０．３ｍｍ間隔で直交する格子から上下左右いずれかの方向へ僅かにずれていて、イメージセンサ３６によって、１度に縦６×横６ドット、計３６ドットのマトリクス単位で読み込まれる。このアノト（登録商標）パターンはどの点をとっても一意な値であることから、機能設定用印刷物と機能設定用印刷物に合成するアノト（登録商標）パターンの配置を決めておけば（すなわち、パターン空間のどの位置から切り出したアノト（登録商標）パターンを機能設定用印刷物に合成するかを決めておけば）、電子ペン３０は機能設定用印刷物上の任意の位置を認識することができる。このアノト（登録商標）パターンのデータは、予めＲＯＭ１２に保持する構成とするが、ネットワーク上のサーバに格納しておき、その都度ネットワークを介して取得して利用する構成とすることもできる。
【００３４】
図５は、機能を設定する際に、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａ上に表示される機能設定画面の一例である。例えば、画像形成装置１０で実行可能な機能の一例としてコピー機能を使用する場合、図５（ａ）に示すように、カラーや用紙、倍率、コピー方法などの機能を設定する画面が表示される。そして、コピー方法を設定するボタンを押下すると、図５（ｂ）に示すように、片面／両面やページ集約などの機能を設定する画面が表示される。また、仕上がりのタブを選択すると、図５（ｃ）に示すように、ソート／グループやステープル、パンチなどの機能を設定する画面が表示される。また、原稿指定のタブを選択すると、図５（ｄ）に示すように、原稿のとじしろや原稿のセット方向などの機能を設定する画面が表示される。また、画質のタブを選択すると、図５（ｅ）に示すように、原稿画質や濃度、出力画質などの機能を設定する画面が表示される。そして、出力画質を設定するボタンを押下すると、図５（ｆ）に示すように、明度やコントラスト、彩度などの機能を設定する画面が表示される。また、応用のタブを選択すると、図５（ｇ）に示すように、用紙とじしろやイメージリピート、小冊子、ページ編集、スタンプ／ページ印字などの機能を設定する画面が表示される。そして、ページ編集を設定するボタンを押下すると、図５（ｈ）に示すように、ＯＨＰ合紙やカバーシート、インターシートなどの機能を設定する画面が表示され、スタンプ／ページ印字を設定するボタンを押下すると、図５（ｉ）に示すように、日付／時刻やページ印字、スタンプなどの機能を設定する画面が表示される。
【００３５】
このように、機能設定画面は幾つかの階層に分かれた画面構成になりがちであり、機能を設定する際には、複数の画面を遷移してそれぞれの機能の選択肢を選択する必要がある。そのために、操作が複雑になったり、必要な機能を組み合わせて設定する場合に膨大な操作が必要になったりする。
【００３６】
そこで、本実施例では、機能設定時の操作性を向上させるために、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａ上に、機能を選択するための画面を表示し、その画面でユーザが選択した１又は複数の機能の選択肢を配置（好ましくは用紙の１ページに集約して配置）し、各選択肢を配置した画像に電子ペン３０で位置を特定可能なパターンを合成して用紙に印刷し、その用紙上で選択肢を選択して機能を設定できるようにする。この方法の概略動作について、図６乃至図９を参照して説明する。
【００３７】
表示・操作部１６のユーティリティキー１６ｇなどを押下したときに表示される画像形成装置１０本体のシステム設定や調整機能の１つとして、機能設定用印刷機能を含めておき、それを選択することにより、機能設定用印刷に使用する機能を選択する画面が表示・操作部１６のタッチパネル１６ａに表示されるようにする。図６（ａ）は、機能選択画面４０の一例であり、コピーに関する様々な機能が一覧表示される。なお、図６は、図５で示した画面におけるコピーに関する機能の選択を可能にする例であるが、Ｆａｘやスキャンなど、他の機能においても同様である。
【００３８】
そして、ユーザは機能選択画面４０上で所望の機能を選択する。図６（ｂ）は、「カラー」と「原稿→コピー」、「ソート／グループ」、「原稿画質」の４つの機能を選択した状態を示しており、この状態で、表示・操作部１６のスタートキー１６ｅなどを押下すると、制御部（画像処理チップ２１）は、選択された機能やその選択肢を用紙に配置（好ましくは、用紙の１ページに集約して配置）した画像を作成し、その画像とパターンとを合成し、合成した画像をプリンタエンジン２３に印字させ、図６（ｃ）に示すような機能設定用印刷物４１を出力する。なお、図６（ｃ）では、４つの機能及びその選択肢が印刷された場合を示しているが、機能の数や種類、配置、印字形態などは図の構成に限定されない。
【００３９】
また、制御部は、選択された機能と各機能の選択肢と各選択肢の機能設定用印刷物４１上の位置情報とを関連付けて、不揮発ＲＡＭ１３ｂに記憶する。図７は、選択された機能の各選択肢の用紙上の位置情報（座標）を示しており、図８は、機能及び選択肢とその位置情報（座標）とを関連付けるレイアウト情報の一例を示している。
【００４０】
そして、ユーザは機能設定用印刷物４１に対して電子ペン３０を用いて各機能の選択肢を選択する。図９は、この動作を模式的に示す図であり、例えば、図９（ａ）に示すように、「カラー」の機能に関して「フルカラー」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、電子ペン３０はその画像エリアに印刷されたパターンから座標（Ｘ，Ｙ）を特定して送信し、画像形成装置１０は、この座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が不揮発ＲＡＭ１３ｂに記憶されたテーブル（図８のテーブル）の「フルカラー」の画像エリア（ＸＡ２−１、ＹＡ２−１）〜（ＸＡ２−２、ＹＡ２−２）であることから、「フルカラー」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ａ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４１】
次に、図９（ｂ）に示すように、「原稿→コピー」の機能に関して「片面→両面」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、同様に、画像形成装置１０は座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が図８のテーブルの「片面→両面」のエリア（ＸＢ２−１、ＹＢ２−１）〜（ＸＢ２−２、ＹＢ２−２）であることから、「片面→両面」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ｂ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４２】
次に、図９（ｃ）に示すように、「ソート／グループ」の機能に関して「ソート」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、同様に、画像形成装置１０は座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が図８のテーブルの「ソート」のエリア（ＸＣ２−１、ＹＣ２−１）〜（ＸＣ２−２、ＹＣ２−２）であることから、「ソート」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ｃ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４３】
更に、図９（ｄ）に示すように、「原稿画質」の機能に関して「地図」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、同様に、画像形成装置１０は座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が図８のテーブルの「地図」のエリア（ＸＤ４−１、ＹＤ４−１）〜（ＸＤ４−２、ＹＤ４−２）であることから、「地図」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ｄ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４４】
この一連の機能設定動作について、図１０のフローチャート図を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、ユーザは機能選択画面４０で予め機能を選択しており、ユーザが選択した各機能の各選択肢を用紙の１ページに集約して配置した機能設定用印刷物４１が予め印刷され、機能設定用印刷物４１のレイアウト情報が予め記憶されているものとする。
【００４５】
まず、ユーザは、画像形成装置１０から機能設定用印刷物４１を取り出し、画像形成装置１０の電子ペン用通信モジュール１７と電子ペン３０の通信モジュール３４とが通信可能な場所で、機能設定用印刷物４１の各機能の選択肢を電子ペン３０でタッチする（Ｓ１００）。
【００４６】
電子ペン３０は、ペン圧力検知センサ３７がタッチを検出すると、ＣＰＵ３１は、イメージセンサ３６が読み取ったパターンを認識し、そのパターンから機能設定用印刷物４１上の位置を特定し、通信モジュール３４を用いてその位置情報を送信し（Ｓ１１０）、画像形成装置１０の電子ペン用通信モジュール１７は、この位置情報を受信する（Ｓ１２０）。
【００４７】
次に、画像形成装置１０の制御部は、その位置情報に関連付けられた機能（選択肢）を照合する（Ｓ１３０）。このステップを図１０（ｂ）のフローチャート図を参照して詳細に説明する。
【００４８】
まず、受信した位置情報のＸ座標がＸＡ１−１〜ＸＡ１−２の範囲内であるかを判断し（Ｓ１３１）、範囲内の場合は、受信した位置情報のＹ座標がＹＡ１−１〜ＹＡ１−２の範囲内であるかを判断する（Ｓ１３２）。Ｓ１３１及びＳ１３２が共にＹｅｓの場合は、図８のテーブルを参照して、その位置情報に関連付けられた機能が「カラー」、選択肢が「オートカラー」であると判断する（Ｓ１３３）。
【００４９】
Ｓ１３１又はＳ１３２がＮｏの場合は、受信した位置情報のＸ座標がＸＡ２−１〜ＸＡ２−２の範囲内であるかを判断し（Ｓ１３４）、範囲内の場合は、受信した位置情報のＹ座標がＹＡ２−１〜ＹＡ２−２の範囲内であるかを判断する（Ｓ１３５）。Ｓ１３４及びＳ１３５が共にＹｅｓの場合は、図８のテーブルを参照して、その位置情報に関連付けられた機能が「カラー」、選択肢が「フルカラー」であると判断する（Ｓ１３６）。
【００５０】
同様の処理を繰り返し、受信した位置情報のＸ座標がＸＤ４−１〜ＸＤ４−２の範囲内であるかを判断し（Ｓ１３７）、範囲内の場合は、受信した位置情報のＹ座標がＹＤ４−１〜ＹＤ４−２の範囲内であるかを判断する（Ｓ１３８）。Ｓ１３７及びＳ１３８が共にＹｅｓの場合は、図８のテーブルを参照して、その位置情報に関連付けられた機能が「原稿画質」、選択肢が「地図」であると判断する（Ｓ１３９）。
【００５１】
図１０（ａ）に戻って、制御部は、照合の結果、位置情報に関連付けられた機能（選択肢）があったかを判断し（Ｓ１４０）、関連付けられた機能（選択肢）がない場合は処理を終了し、関連付けられた機能（選択肢）があった場合は、その機能を選択された選択肢に基づいて設定し（Ｓ１５０）、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａに、例えば図９の右側に示す画面を表示する（Ｓ１６０）。
【００５２】
上記手順により、機能設定用印刷物４１を作成することができ、この機能設定用印刷物４１と電子ペン３０とを用いて画像形成装置１０の機能を設定することができるが、上記機能設定用印刷物４１を作成したユーザが、再度、同じ機能設定用印刷物４１を印刷したり、機能設定用印刷物４１のレイアウトを編集して印刷したり、他のユーザが上記機能設定用印刷物４１を参照して新たな機能設定用印刷物４１を作成して印刷したりする場合、機能選択画面４０で機能を選択し直すのは煩雑である。特に、機能選択画面４０が階層構造になっており、複数の画面を遷移して機能を選択しなければならない場合には、機能の選択に時間がかかってしまう。
【００５３】
そこで、本実施例では、上述した手順で作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報（選択された機能及び各機能の用紙上の位置情報）を、上記機能設定用印刷物４１の作成を指示したユーザに関連付けてメモリなどに記憶しておき、新たな機能設定用印刷物４１を作成する際に、以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報を参照できるようにする。
【００５４】
例えば、図１２乃至図１５に示すようなテーブルをメモリなどに記憶し、所望のレイアウト情報を特定できるようにする。図１２は、機能設定用印刷物４１を作成したユーザを識別するユーザＩＤと、機能設定用印刷物４１を識別するシートＩＤと、機能設定用印刷物４１のレイアウトパターンを識別するパターンＩＤと、を関連付けたテーブルである。図１３は、ユーザＩＤと、そのユーザの氏名と、そのユーザが属する部門を識別する部門ＩＤと、を関連付けたテーブルである。図１４は、シートＩＤと、その機能設定用印刷物４１を公開するか非公開とするかを規定するアクセス種別と、アクセス種別のデフォルト属性と、を関連付けたテーブルである。図１５は、シートＩＤと、その機能設定用印刷物４１のレイアウト情報と、を関連付けたテーブルである。
【００５５】
そして、画像形成装置１０の制御部は、画像形成装置１０にログインするユーザがユーザＩＤを入力し、機能設定用印刷物４１の作成を指示した場合に、図１２のテーブルを用いて、ユーザＩＤに関連付けられた１又は複数のシートＩＤ（例えば、ユーザＩＤが”0001”であればシートＩＤ”0001”）を特定し、図１５のテーブルを用いて、特定したシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定する。
【００５６】
その際、同じ業務を行うユーザは画像形成装置１０の同じ機能を使用する場合が多いと考えられることから、ログインユーザと同じ部門に属する各ユーザが作成した機能設定用印刷物４１を利用することができれば便利である。そこで、そのような場合は、制御部は、図１３のテーブルを用いて、入力されたユーザＩＤと同じ部門ＩＤに属する１又は複数ユーザＩＤ（例えば、ユーザＩＤが”0001”であればユーザＩＤ”0001”、”0002”、”0003”）を特定し、図１２のテーブルを用いて、そのユーザＩＤに関連付けられたシートＩＤ（上記の場合はシートＩＤ”0001”、”0002”、”0003”）を特定し、図１５のテーブルを用いて、特定したシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定する。
【００５７】
また、機能設定用印刷物４１の構成からそのユーザの業務内容が類推できることから、ユーザによっては、自身が作成した機能設定用印刷物４１の公開を望まない場合もある。そこで、そのような場合は、機能設定用印刷物４１をユーザＩＤに関連付けて登録する際に、その機能設定用印刷物４１を公開するか非公開とするかを設定して図１４のようなテーブルに記述しておき、制御部は、上記手法で特定されたシートＩＤの中から公開可（public）に設定されているシートＩＤを特定し、図１５のテーブルを用いて、特定したシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定する。
【００５８】
そして、制御部は、特定したレイアウト情報をタッチパネル１６ａなどに表示し、以前に作成された機能設定用印刷物４１を参照して、新たな機能設定用印刷物４１を作成できるようにする。
【００５９】
例えば、図１１に示すように、ユーザが画像形成装置１０にログインして、表示・操作部１６のユーティリティキー１６ｇなどを押下することによって機能設定用印刷物４１の作成を指示すると、制御部は、上述したテーブルを参照してログインユーザのユーザＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定し、表示・操作部１６に図の左側に示すような画面を表示させる。この画面には、ユーザ毎にレイアウト情報で規定された機能が一覧表示されており、ログインユーザは、設定したい機能が選択されているレイアウトに対応するユーザを選択する。
【００６０】
ユーザを選択すると、制御部は、選択したユーザのユーザＩＤに関連付けて記憶されたシートＩＤを特定し、そのシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定し、必要に応じて、そのレイアウト情報に基づいて、機能設定用印刷物４１の出力イメージを作成し、タッチパネル１６ａに図の右側に示すようなプレビューを表示する。
【００６１】
そして、ログインユーザがプレビューを確認し、表示・操作部１６のスタートキー１６ｅなどを押下すると、制御部は、選択されたレイアウト情報に基づいて、図の下側に示すような、新たな機能設定用印刷物４１（以前に作成された機能設定用印刷物４１の複製、若しくは、以前に作成された機能設定用印刷物４１のレイアウトを編集した機能設定用印刷物４１）を印刷する。
【００６２】
この一連の動作（以前に作成した機能設定用印刷物４１を参照して新たな機能設定用印刷物４１を作成する手順）について、図１６のフローチャート図を参照して詳細に説明する。なお、図１２乃至図１５に示す関連付けテーブルが予め作成されてメモリなどに登録されているものとする。
【００６３】
まず、画像形成装置１０は、ユーザが表示・操作部１６を操作して入力したユーザＩＤに基づいてユーザ認証を行い、ユーザ認証の結果がＯＫの場合はログインを許可する（Ｓ２００）。
【００６４】
次に、ユーザが表示・操作部１６のユーティリティキー１６ｇなどを押下して、機能設定用印刷物４１の作成を指示すると、制御部は、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶された１又は複数のレイアウト情報を特定する（Ｓ２１０）。このとき、前述したように、入力されたユーザＩＤと同じ部門ＩＤのユーザＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定してもよいし、更に、その中から、アクセス種別が公開可（public）に設定されているレイアウト情報を特定してもよい。また、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報がない場合（例えば、そのユーザが初めて機能設定用印刷物４１を作成する場合）は、デフォルトとして予め所定の機能が設定されたレイアウト情報を特定してもよい。
【００６５】
次に、制御部は、特定したレイアウト情報で規定された機能を一覧表示する画面や、その中から選択したレイアウト情報に基づいて作成される機能設定用印刷物４１のプレビュー画面をタッチパネル１６ａなどに表示し、ユーザに所望のレイアウト情報を選択させる（Ｓ２２０）。
【００６６】
次に、制御部は、必要に応じて、ユーザに選択されたレイアウト情報の構成を編集するための画面をタッチパネル１６ａなどに表示し、ユーザは、表示・操作部１６を操作して機能の追加、削除などの編集を行う（Ｓ２３０）。
【００６７】
そして、機能の編集が終了したら、制御部は、編集内容に従ってレイアウトを決定し、各機能の用紙上の位置を特定する（Ｓ２４０）。
【００６８】
次に、制御部は、編集したレイアウト情報にシートＩＤ、パターンＩＤを付与し（Ｓ２５０）、必要に応じて、機能設定用印刷物４１を他のユーザに公開するか非公開にするかを規定するアクセス種別を設定する（Ｓ２６０）。
【００６９】
そして、制御部は、編集したレイアウト情報を、ユーザＩＤ、シートＩＤ、パターンＩＤ、アクセス種別などに関連付けてメモリなどに登録する（Ｓ２７０）。なお、Ｓ２３０で機能の編集を行わなかった場合は、Ｓ２３０〜Ｓ２７０のステップを省略することができる。
【００７０】
次に、制御部は、ユーザによって選択／編集されたレイアウト情報に基づいて、当該レイアウト情報で規定された機能を用紙上の規定された位置に配置（好ましくは、用紙の１ページに集約して配置）した画像を作成し、その画像とパターンとを合成し（Ｓ２８０）、合成した画像をプリンタエンジン２３に印字させて、新たな機能設定用印刷物４１を出力する（Ｓ２９０）。
【００７１】
また、以前に作成した機能設定用印刷物４１を参照せずに、新たな機能設定用印刷物４１を作成する場合は、ユーザは、表示・操作部１６を操作して、タッチパネル１６ａなどに表示される機能選択画面４０の中から所望の機能を選択し（Ｓ３００）、上述したＳ２４０〜Ｓ２９０の処理を行う。
【００７２】
このように、本実施例では、以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報をユーザＩＤなどに関連付けて記憶しておき、ユーザＩＤが入力されたら、そのユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を選択可能に表示し、その中から選択されたレイアウト情報に基づいて新たな機能設定用印刷物４１を印刷するため、機能を設定し直す手間を省略することができ、新たな機能設定用印刷物４１を簡便に作成することができる。
【００７３】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各装置の構成や制御は適宜変更可能である。
【００７４】
例えば、上記実施例では、機能設定用印刷物４１を印刷する構成としたが、例えば、機能を配置した画像にパターンを合成した合成画像のデータを電子ペーパーなどの表示機能を備えた機器に出力し、当該機器の表示画面に合成画像を表示し、この表示画面上で画像形成装置１０の機能を設定できるようにしてもよい。
【００７５】
また、上記実施例では、自装置の機能を設定するための機能設定用印刷物４１を作成する場合について説明したが、例えば、複数の画像形成装置１０を備えるシステムにおいて、その中の所定の画像形成装置１０が他の画像形成装置１０の機能を設定するための機能設定用印刷物４１を作成するなど、任意の装置の機能を設定するための機能設定用印刷物４１を作成する場合に対して同様に適用することができる。
【００７６】
また、上記実施例では、画像形成装置１０と電子ペン３０とで構成されるシステムについて説明したが、ユーザのコンピュータ装置や管理装置を含む構成とし、コンピュータ装置や管理装置が、画像形成装置１０で以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報に基づいて新たな機能設定用印刷物４１を作成する指示を行うこともできる。その場合は、以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報をコンピュータ装置や管理装置が参照可能な記憶部に記憶すればよい。
【産業上の利用可能性】
【００７７】
本発明は、機能設定用印刷物が出力可能な画像形成装置及び当該機能設定用印刷物の作成方法に利用可能である。
【符号の説明】
【００７８】
１０ 画像形成装置
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＯＭ
１３ａ ＲＡＭ
１３ｂ 不揮発ＲＡＭ
１４ モータードライバ
１５ ＩＲ／ＡＤＦモーター
１６ 表示・操作部
１６ａ タッチパネル
１６ｂ モード切り替えキー
１６ｃ テンキー
１６ｄ リセットキー
１６ｅ スタートキー
１６ｆ ストップキー
１６ｇ ユーティリティキー
１７ 電子ペン用通信モジュール
１８ ＣＣＤ
１９ ＵＳＢインターフェース
２０ ＮＩＣインターフェース
２１ 画像処理チップ
２２ 画像処理用ＲＡＭ
２３ プリントエンジン
２４ ＴＥＬ応答モジュール
２５ モデム
２６ 公衆回線インターフェースモジュール
３０ 電子ペン
３１ ＣＰＵ
３２ ＲＯＭ
３３ ＲＡＭ
３４ 通信モジュール
３５ バッテリーモジュール
３６ イメージセンサ
３７ ペン圧力検知センサ
３８ 筆記モジュール
３９ 時計モジュール
４０ 機能選択画面
４１ 機能設定用印刷物
【技術分野】
【０００１】
本発明は、画像形成装置及び当該画像形成装置の機能を設定するための印刷物の作成方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
プリンタ機能やスキャナ機能などを備える複合機（ＭＦＰ：Multi Function Peripheral）が普及しており、ＭＦＰの多機能化に伴って、各種機能を設定するための操作が複雑化している。その問題に対して、表示画面を大きくし、一度に多くの情報を表示できるようにする方法が考えられるが、設置スペースや部品コストの都合上、大画面化は容易ではない。また、画面の構成や階層構造を工夫することによって操作性を改善する方法も考えられるが、ユーザや設定環境によって頻繁に使用する機能が異なるため、全ての機能の設定を容易にすることはできず、それぞれの機能を複数階層に跨って設定するようにすると、操作が膨大になり煩わしくなってしまう。
【０００３】
このような背景から、ＭＦＰの操作性を改善する新しい手法が求められており、例えば、下記特許文献１には、位置情報記録媒体を任意の領域を分割し、分割された任意の領域に相当する位置に、特定の機能（ＯＣＲ、アプリケーションと連携、筆跡照合、暗号化、計算、データベース関連付け等）を領域ごとに割り当て、これを基にプリンタにおいて定型用紙を作成する。そして、位置情報記録媒体の定型用紙に対してデータを記入し、位置情報取得装置（デジタルペン）により分割された任意の領域内の位置情報を実行用コンピュータに転送して、位置情報を元に各領域に割り当てられた機能を実行する機能割当実行方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００４−２８０５１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記特許文献１の技術により、領域ごとに予め割り当てられた特定の機能を実行するための定型用紙を作成することができるが、ＭＦＰは多数の機能を備えており、ユーザによって使用する機能は様々であるため、定型用紙では使い勝手が悪い。そこで、ユーザがパネル等を操作して、上記多数の機能の中から必要とする機能を選択し、選択した機能を割り当てた用紙（機能設定用印刷物と呼ぶ。）を作成することも可能である。
【０００６】
しかしながら、あるユーザが自分用の機能設定用印刷物を作成して印刷した後、再度、同じものを印刷したり、機能を編集して印刷したり、他のユーザが作成した機能設定用印刷物を参考にして自分用の機能設定用印刷物を作成して印刷したりする場合、用紙上に割り当てる機能をパネル等で選択し直さなければならず、簡便に機能設定用印刷物を作成することができない。特に、機能設定画面が階層構造になっており、複数の画面を遷移して機能を選択しなければならない場合は、機能の選択に時間を要し、簡便に機能設定用印刷物を作成することができない。
【０００７】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、以前に作成された機能設定用印刷物を有効に利用して、所望の機能設定用印刷物を容易に作成することができる画像形成装置及び印刷物の作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するため、本発明は、電子ペンと通信可能な画像形成装置であって、前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する印刷部と、以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶部と、ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する制御部と、を少なくとも備え、前記制御部は、ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を前記印刷部に作成させるものである。
【０００９】
また、本発明は、電子ペンと通信可能な画像形成装置の機能を設定するための印刷物の作成方法であって、前記画像形成装置は、前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する第１の印刷ステップと、以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶ステップと、ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する表示ステップと、ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を作成する第２の印刷ステップと、を少なくとも実行するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の画像形成装置及び印刷物の作成方法によれば、以前に作成された機能設定用印刷物を有効に利用して、所望の機能設定用印刷物を容易に作成することができる。
【００１１】
その理由は、予め作成された機能設定用印刷物のレイアウト情報がユーザＩＤに関連付けて記憶されており、画像形成装置にログインするユーザがユーザＩＤを入力すると、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報が選択可能に表示され、その中から選択されたレイアウト情報に基づいて、ログインユーザ用の新たな機能設定用印刷物が印刷されるからである。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一実施例に係る画像形成装置のコントローラの構成を示すブロック図である。
【図２】本発明の一実施例に係る画像形成装置の表示・操作部の外観構成例を示す図である。
【図３】本発明の一実施例に係る電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図４】アノト（登録商標）パターンの一例を示す図である。
【図５（ａ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の一例である。
【図５（ｂ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｃ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｄ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｅ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｆ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｇ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｈ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図５（ｉ）】画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の他の例である。
【図６】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物の初回作成手順を示す図である。
【図７】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物における各選択肢の位置情報を示す図である。
【図８】機能の種別と用紙上の位置情報とを関連付けるレイアウト情報の一例である。
【図９】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物による機能設定動作を示す図である。
【図１０】本発明の一実施例に係る画像形成装置の動作（機能設定手順）を示すフローチャート図である。
【図１１】本発明の一実施例に係る機能設定用印刷物の作成手順を示す図である。
【図１２】ユーザＩＤと機能設定用印刷物のシートＩＤとを関連付けるテーブルの一例である。
【図１３】ユーザＩＤとアクセス範囲とを関連付けるテーブルの一例である。
【図１４】機能設定用印刷物のシートＩＤとアクセス種別とを関連付けるテーブルの一例である。
【図１５】機能設定用印刷物のシートＩＤとレイアウト情報とを関連付けるテーブルの一例である。
【図１６】本発明の一実施例に係る画像形成装置の動作（機能設定用印刷物の作成手順）を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
背景技術で示したように、ＭＦＰの多機能化に伴って機能の設定操作が難しくなっていることから、機能毎に領域を分割した用紙を用いて機能を実行可能にする方法が提案されており、ユーザが選択した機能が用紙に印刷されたユーザ毎の機能設定用印刷物を作成することも可能である。しかしながら、あるユーザが、自身が以前に作成した機能設定用印刷物を再度印刷したり、機能を編集して印刷したり、他のユーザが作成した機能設定用印刷物を参照して自分用の機能設定用印刷物を印刷したりする場合、再度、機能を選択し直さなければならず、簡便に機能設定用印刷物を作成することができない。
【００１４】
そこで、本発明の一実施の形態では、予め作成された機能設定用印刷物のレイアウト情報（選択された機能及び各機能の用紙上の位置情報）をユーザのＩＤに関連付けて記憶し、所定のユーザが画像形成装置にログインすると、そのユーザのＩＤやそのユーザが属する部門内のユーザのＩＤなどに関連付けて記憶されたレイアウト情報が選択可能に表示され、選択されたレイアウト情報に基づいて、所定のユーザ用の新たな機能設定用印刷物が印刷されるようにする。このように、以前に作成された機能設定用印刷物を利用できるようにすることにより、機能を選択し直す必要が無くなり、簡便に機能設定用印刷物を作成することができる。
【実施例】
【００１５】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る画像形成装置及び印刷物の作成方法について、図１乃至図１６を参照して説明する。図１は、本実施例の画像形成装置のコントローラの構成を示すブロック図であり、図２は、表示・操作部の外観構成例を示す図、図３は、電子ペンの構成を示すブロック図である。また、図４は、アノト（登録商標）パターンの一例を示す図であり、図５は、本実施例の画像形成装置の表示・操作部に表示される画面の一例を示す図である。また、図６は、機能設定用印刷物の初回作成手順を示す図であり、図７は、機能設定用印刷物における各選択肢の画像エリアの位置情報を示す図、図８は、レイアウト情報の一例である。また、図９は、機能設定用印刷物による機能設定手順を示す図であり、図１０は、機能設定手順の詳細を示すフローチャート図である。また、図１１は、機能設定用印刷物の作成手順を示す図であり、図１２乃至図１５は、関連付けテーブルの一例、図１６は、印刷物の作成手順の詳細を示すフローチャート図である。
【００１６】
本実施例のシステムは、ＭＦＰなどの画像形成装置と、画像形成装置で印刷された用紙上の位置を特定して位置情報を送信する電子ペンと、で構成される。なお、本明細書において、機能とは、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリント機能、コピー機能など（大分類の機能）のみならず、各機能に対して設定可能な機能（例えば、コピー機能の中のカラー機能などの小分類の機能）を含む。また、選択肢とは、小分類の機能を設定するために設けられた項目（例えば、カラー機能の中のフルカラーなど）を意味する。以下、図面を参照して詳細に説明する。
【００１７】
［画像形成装置］
図１は、本実施例の画像形成装置１０のコントローラの構成を示すブロック図であり、コントローラは、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１、ＲＯＭ（Read Only Memory）１２、ＲＡＭ（Random Access Memory）１３ａ、不揮発ＲＡＭ１３ｂ、モータードライバ１４、ＩＲ（Image Reader）／ＡＤＦ（Auto Document Feeder）モーター１５、表示・操作部１６、電子ペン用通信モジュール１７、ＣＣＤ（Charge Coupled Devices）１８、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）インターフェース１９、ＮＩＣ（Network Interface Card）２０、画像処理チップ２１、画像処理用ＲＡＭ２２、プリントエンジン２３、ＴＥＬ応答モジュール２４、モデム２５、公衆回線インターフェースモジュール２６などで構成される。
【００１８】
ＣＰＵ１１と、ＲＯＭ１２やＲＡＭ１３ａ、不揮発ＲＡＭ１３ｂなどのメモリと、で制御部が構成される。ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２に保存されている制御プログラムをＲＡＭ１３ａにコピーした後、ＲＡＭ１３ａ上の制御プログラムに従って、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリント機能及びコピー機能などの各機能についての全体制御を行う。本実施例では、特に、機能選択画面（図５（ａ）〜（ｉ））でユーザが選択した１又は複数の機能やその選択肢を、電子ペン３０がペン先の位置を検出するためのパターンが印刷される用紙に配置（好ましくは用紙の１ページに集約して配置）して、自装置の機能を設定するための用紙（機能設定用印刷物と呼ぶ。）を作成する処理や、作成した機能設定用印刷物の各機能と当該機能の用紙上の位置情報とを対応付けた情報（レイアウト情報と呼ぶ。）をユーザＩＤに関連付けてメモリなどに記憶する処理、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定して選択可能に表示し、選択されたレイアウト情報に基づいて新たな機能設定用印刷物を作成する処理、電子ペン３０から送信される用紙上の位置情報（座標）に対応する選択肢を特定して機能を設定する処理などを実行する。ＲＯＭ１２は、上記制御プログラムの他に、上記パターン（例えば、アノト（登録商標）パターンなどの位置検出用符号）のデータなども保存する。ＲＡＭ１３ａは、制御プログラムの他に、表示・操作部１６に表示する画面データ、レイアウト情報、各種情報を関連付けるテーブル（図１２〜図１５のテーブル）、各種計算値などの一時保存場所として使用される。また、これらのデータを画像形成装置１０の電源が切断されても記憶しておく必要がある場合、不揮発ＲＡＭ１３ｂに記憶する。
【００１９】
ＩＲ／ＡＤＦモーター１５は、読取装置や自動原稿送り装置を駆動するモーターである。モータードライバ１４は、ＩＲ／ＡＤＦモーター１５を駆動制御する。
【００２０】
表示・操作部１６は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）や有機ＥＬ（electroluminescence）ディスプレイ上に、透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルと、ハードキーとで構成される。図２は、表示・操作部１６の具体例である。タッチパネル１６ａ、モード切り替えキー１６ｂ、テンキー１６ｃにより機能の設定を可能とする。また、リセットキー１６ｄで設定を初期設定値に戻す。また、スタートキー１６ｅによりコピーや印刷、送信などの動作をスタートさせ、ストップキー１６ｆにより、動作状態を停止させる。また、ユーティリティキー１６ｇにより、画像形成装置１０本体のシステム設定や調整機能を行う。
【００２１】
電子ペン用通信モジュール１７は、Bluetooth（登録商標）通信方式に代表される短距離無線通信や有線通信により電子ペン３０の通信モジュール３４と通信を行い、電子ペン３０からの用紙上の位置情報を受信し、ＲＡＭ１３ａに保持する。
【００２２】
ＣＣＤ１８は、画像形成装置１０の読取装置や自動原稿送り装置に設置され、原稿をスキャンして原稿の反射光を検出し、この反射光を光電変換し更にアナログ−デジタル変換して画像データを生成する。ＵＳＢインターフェース１９は、ＵＳＢ対応機器と接続するためのインターフェースである。ＮＩＣ２０は、ユーザのコンピュータ装置などとＬＡＮ（Local Area Network）を経由して接続するための拡張カードであって、ユーザのコンピュータ装置等から送信される印刷データを入力したり、スキャンして得た画像信号に基づいて生成された画像データをユーザのコンピュータ装置等に送信したりする。
【００２３】
画像処理チップ２１は、変倍、画像回転、濃度調整、エッジ強調、スムージング、２値化等の画像処理を行う。本実施例では、特に、後述する機能選択画面でユーザが選択した機能の選択肢を用紙の１ページに集約して配置した画像に、電子ペン３０が用紙上の位置を検出するためのパターンを合成する処理を行う。画像処理用ＲＡＭ２２は、画像処理チップ２１が画像処理の過程で出力する画像データや各種計算値などを一時的に記憶する。プリントエンジン２３は、画像処理用ＲＡＭ２２に蓄えられた画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。
【００２４】
電話応答モジュール２４は、着信時の応答を行う。モデム２５は、デジタル信号を電話回線のアナログ信号に変調すると共に、その逆に変換して復調する。公衆回線インターフェースモジュール２６は、公衆回線網と接続するためのインターフェースである。
【００２５】
上記構成のコントローラの一般的な動作を概説すると、ＣＰＵ１１は、表示・操作部１６から指示を受けると、モータードライバ１４に対し、ＩＲ／ＡＤＦモーター１５の制御を行うと共に、画像処理チップ２１へ画像処理要求を行う。
【００２６】
画像処理チップ２１は、ＣＰＵ１１より画像処理要求を受けると、ＣＣＤ１８からスキャンデータを受け取り、表示・操作部１６で指示された画像に変換するための画像処理を施す。その際、各種計算値などは画像処理用ＲＡＭ２２に一時保存される。
【００２７】
画像処理チップ２１から出力された処理済み画像データは、ＲＡＭ１３ａへ一時保存された後、表示・操作部１６からの指示がスキャンの場合、画像処理チップ２１を経由してＵＳＢインターフェース１９又はＮＩＣ２０へ転送される。表示・操作部１６からの指示がＦａｘの場合、モデム２５を経由して公衆回線インターフェースモジュール２６に転送される。表示・操作部１６からの指示がコピーの場合、画像処理チップ２１を経由してプリントエンジン２３へ転送される。
【００２８】
プリントデータを外部より受信した場合は、ＵＳＢインターフェース１９又はＮＩＣ２０よりプリントデータを受け付け、画像処理チップ２１にて伸張した後、ＲＡＭ１３ａへ一時保存し、プリントエンジン２３へ転送する。
【００２９】
なお、図２では、各機能の選択肢を配置した画像にパターンを合成する処理を画像処理チップ２１で実行する構成とするが、機能選択画面でユーザが選択した機能や選択肢を配置（好ましくは１ページに集約して配置）した画像、若しくは、以前に作成した機能設定用印刷物のレイアウト情報に基づいて機能や選択肢を配置した画像を生成し、その画像にパターンを合成し、合成した画像を元にプリントエンジン２３に印刷させる一連の処理を、制御部で実行する構成としてもよい。
【００３０】
［電子ペン］
図３は、電子ペン３０の構成を示すブロック図であり、電子ペン３０は、ＣＰＵ３１、ＲＯＭ３２、ＲＡＭ３３、通信モジュール３４、バッテリーモジュール３５、イメージセンサ３６、ペン圧力検知センサ３７、筆記モジュール３８、時計モジュール３９などで構成される。
【００３１】
ＣＰＵ３１は、プログラムに従って演算するデータ処理装置である。ＲＯＭ３２は、プログラムを格納する情報記憶部である。ＲＡＭ３３は、データを格納する情報記憶部である。通信モジュール３４は、Bluetooth（登録商標）に代表される短距離無線通信や有線通信により画像形成装置１０の電子ペン用通信モジュール１７と通信を行う。バッテリーモジュール３５は、電子ペン３０の電源である一次電池または二次電池である。イメージセンサ３６は、パターンを読み取るための小型のＣＣＤまたはＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）ビデオカメラである。ペン圧力感知センサ３７は、電子ペン３０の筆圧を検知する圧電素子などである。筆記モジュール３８は、イメージセンサ３６で読み取ったパターンに基づいて電子ペン３０の用紙上の位置を特定し、通信モジュール３４を用いて位置情報を出力する装置である。時計モジュール３９は、時刻情報を保持する装置である。
【００３２】
なお、電子ペン３０は、機能設定用印刷物上の位置を特定し、位置情報（座標）を画像形成装置１０に送信する機能を備えていればよく、その構成や形状、通信方法などは特に限定されない。例えば、電子ペン３０は、アノト（登録商標）パターンを識別して位置を特定する構成としてもよいし、パターンの構成や密度、濃度などを識別して位置を特定する構成としてもよい。また、バーコードなどのパターンを読み取って位置を特定する構成としてもよいし、機能設定用印刷物近傍に設置された機器と連動して（例えば、当該機器に対する角度や距離に基づいて）位置を特定する構成としてもよい。本実施例では、アノト（登録商標）パターンを利用する場合について説明する。
【００３３】
図４は、アノト（登録商標）パターンの一例である。このアノト（登録商標）パターンは、格子状に配置されたドットパターンであり、各ドットは０．３ｍｍ間隔で直交する格子から上下左右いずれかの方向へ僅かにずれていて、イメージセンサ３６によって、１度に縦６×横６ドット、計３６ドットのマトリクス単位で読み込まれる。このアノト（登録商標）パターンはどの点をとっても一意な値であることから、機能設定用印刷物と機能設定用印刷物に合成するアノト（登録商標）パターンの配置を決めておけば（すなわち、パターン空間のどの位置から切り出したアノト（登録商標）パターンを機能設定用印刷物に合成するかを決めておけば）、電子ペン３０は機能設定用印刷物上の任意の位置を認識することができる。このアノト（登録商標）パターンのデータは、予めＲＯＭ１２に保持する構成とするが、ネットワーク上のサーバに格納しておき、その都度ネットワークを介して取得して利用する構成とすることもできる。
【００３４】
図５は、機能を設定する際に、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａ上に表示される機能設定画面の一例である。例えば、画像形成装置１０で実行可能な機能の一例としてコピー機能を使用する場合、図５（ａ）に示すように、カラーや用紙、倍率、コピー方法などの機能を設定する画面が表示される。そして、コピー方法を設定するボタンを押下すると、図５（ｂ）に示すように、片面／両面やページ集約などの機能を設定する画面が表示される。また、仕上がりのタブを選択すると、図５（ｃ）に示すように、ソート／グループやステープル、パンチなどの機能を設定する画面が表示される。また、原稿指定のタブを選択すると、図５（ｄ）に示すように、原稿のとじしろや原稿のセット方向などの機能を設定する画面が表示される。また、画質のタブを選択すると、図５（ｅ）に示すように、原稿画質や濃度、出力画質などの機能を設定する画面が表示される。そして、出力画質を設定するボタンを押下すると、図５（ｆ）に示すように、明度やコントラスト、彩度などの機能を設定する画面が表示される。また、応用のタブを選択すると、図５（ｇ）に示すように、用紙とじしろやイメージリピート、小冊子、ページ編集、スタンプ／ページ印字などの機能を設定する画面が表示される。そして、ページ編集を設定するボタンを押下すると、図５（ｈ）に示すように、ＯＨＰ合紙やカバーシート、インターシートなどの機能を設定する画面が表示され、スタンプ／ページ印字を設定するボタンを押下すると、図５（ｉ）に示すように、日付／時刻やページ印字、スタンプなどの機能を設定する画面が表示される。
【００３５】
このように、機能設定画面は幾つかの階層に分かれた画面構成になりがちであり、機能を設定する際には、複数の画面を遷移してそれぞれの機能の選択肢を選択する必要がある。そのために、操作が複雑になったり、必要な機能を組み合わせて設定する場合に膨大な操作が必要になったりする。
【００３６】
そこで、本実施例では、機能設定時の操作性を向上させるために、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａ上に、機能を選択するための画面を表示し、その画面でユーザが選択した１又は複数の機能の選択肢を配置（好ましくは用紙の１ページに集約して配置）し、各選択肢を配置した画像に電子ペン３０で位置を特定可能なパターンを合成して用紙に印刷し、その用紙上で選択肢を選択して機能を設定できるようにする。この方法の概略動作について、図６乃至図９を参照して説明する。
【００３７】
表示・操作部１６のユーティリティキー１６ｇなどを押下したときに表示される画像形成装置１０本体のシステム設定や調整機能の１つとして、機能設定用印刷機能を含めておき、それを選択することにより、機能設定用印刷に使用する機能を選択する画面が表示・操作部１６のタッチパネル１６ａに表示されるようにする。図６（ａ）は、機能選択画面４０の一例であり、コピーに関する様々な機能が一覧表示される。なお、図６は、図５で示した画面におけるコピーに関する機能の選択を可能にする例であるが、Ｆａｘやスキャンなど、他の機能においても同様である。
【００３８】
そして、ユーザは機能選択画面４０上で所望の機能を選択する。図６（ｂ）は、「カラー」と「原稿→コピー」、「ソート／グループ」、「原稿画質」の４つの機能を選択した状態を示しており、この状態で、表示・操作部１６のスタートキー１６ｅなどを押下すると、制御部（画像処理チップ２１）は、選択された機能やその選択肢を用紙に配置（好ましくは、用紙の１ページに集約して配置）した画像を作成し、その画像とパターンとを合成し、合成した画像をプリンタエンジン２３に印字させ、図６（ｃ）に示すような機能設定用印刷物４１を出力する。なお、図６（ｃ）では、４つの機能及びその選択肢が印刷された場合を示しているが、機能の数や種類、配置、印字形態などは図の構成に限定されない。
【００３９】
また、制御部は、選択された機能と各機能の選択肢と各選択肢の機能設定用印刷物４１上の位置情報とを関連付けて、不揮発ＲＡＭ１３ｂに記憶する。図７は、選択された機能の各選択肢の用紙上の位置情報（座標）を示しており、図８は、機能及び選択肢とその位置情報（座標）とを関連付けるレイアウト情報の一例を示している。
【００４０】
そして、ユーザは機能設定用印刷物４１に対して電子ペン３０を用いて各機能の選択肢を選択する。図９は、この動作を模式的に示す図であり、例えば、図９（ａ）に示すように、「カラー」の機能に関して「フルカラー」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、電子ペン３０はその画像エリアに印刷されたパターンから座標（Ｘ，Ｙ）を特定して送信し、画像形成装置１０は、この座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が不揮発ＲＡＭ１３ｂに記憶されたテーブル（図８のテーブル）の「フルカラー」の画像エリア（ＸＡ２−１、ＹＡ２−１）〜（ＸＡ２−２、ＹＡ２−２）であることから、「フルカラー」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ａ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４１】
次に、図９（ｂ）に示すように、「原稿→コピー」の機能に関して「片面→両面」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、同様に、画像形成装置１０は座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が図８のテーブルの「片面→両面」のエリア（ＸＢ２−１、ＹＢ２−１）〜（ＸＢ２−２、ＹＢ２−２）であることから、「片面→両面」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ｂ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４２】
次に、図９（ｃ）に示すように、「ソート／グループ」の機能に関して「ソート」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、同様に、画像形成装置１０は座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が図８のテーブルの「ソート」のエリア（ＸＣ２−１、ＹＣ２−１）〜（ＸＣ２−２、ＹＣ２−２）であることから、「ソート」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ｃ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４３】
更に、図９（ｄ）に示すように、「原稿画質」の機能に関して「地図」の画像エリアを電子ペン３０でタッチすると、同様に、画像形成装置１０は座標（Ｘ，Ｙ）を電子ペン用通信モジュール１７で受信し、この座標が図８のテーブルの「地図」のエリア（ＸＤ４−１、ＹＤ４−１）〜（ＸＤ４−２、ＹＤ４−２）であることから、「地図」を設定状態とする。その時、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａには、図９（ｄ）の右側に示すような画面が表示される。
【００４４】
この一連の機能設定動作について、図１０のフローチャート図を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、ユーザは機能選択画面４０で予め機能を選択しており、ユーザが選択した各機能の各選択肢を用紙の１ページに集約して配置した機能設定用印刷物４１が予め印刷され、機能設定用印刷物４１のレイアウト情報が予め記憶されているものとする。
【００４５】
まず、ユーザは、画像形成装置１０から機能設定用印刷物４１を取り出し、画像形成装置１０の電子ペン用通信モジュール１７と電子ペン３０の通信モジュール３４とが通信可能な場所で、機能設定用印刷物４１の各機能の選択肢を電子ペン３０でタッチする（Ｓ１００）。
【００４６】
電子ペン３０は、ペン圧力検知センサ３７がタッチを検出すると、ＣＰＵ３１は、イメージセンサ３６が読み取ったパターンを認識し、そのパターンから機能設定用印刷物４１上の位置を特定し、通信モジュール３４を用いてその位置情報を送信し（Ｓ１１０）、画像形成装置１０の電子ペン用通信モジュール１７は、この位置情報を受信する（Ｓ１２０）。
【００４７】
次に、画像形成装置１０の制御部は、その位置情報に関連付けられた機能（選択肢）を照合する（Ｓ１３０）。このステップを図１０（ｂ）のフローチャート図を参照して詳細に説明する。
【００４８】
まず、受信した位置情報のＸ座標がＸＡ１−１〜ＸＡ１−２の範囲内であるかを判断し（Ｓ１３１）、範囲内の場合は、受信した位置情報のＹ座標がＹＡ１−１〜ＹＡ１−２の範囲内であるかを判断する（Ｓ１３２）。Ｓ１３１及びＳ１３２が共にＹｅｓの場合は、図８のテーブルを参照して、その位置情報に関連付けられた機能が「カラー」、選択肢が「オートカラー」であると判断する（Ｓ１３３）。
【００４９】
Ｓ１３１又はＳ１３２がＮｏの場合は、受信した位置情報のＸ座標がＸＡ２−１〜ＸＡ２−２の範囲内であるかを判断し（Ｓ１３４）、範囲内の場合は、受信した位置情報のＹ座標がＹＡ２−１〜ＹＡ２−２の範囲内であるかを判断する（Ｓ１３５）。Ｓ１３４及びＳ１３５が共にＹｅｓの場合は、図８のテーブルを参照して、その位置情報に関連付けられた機能が「カラー」、選択肢が「フルカラー」であると判断する（Ｓ１３６）。
【００５０】
同様の処理を繰り返し、受信した位置情報のＸ座標がＸＤ４−１〜ＸＤ４−２の範囲内であるかを判断し（Ｓ１３７）、範囲内の場合は、受信した位置情報のＹ座標がＹＤ４−１〜ＹＤ４−２の範囲内であるかを判断する（Ｓ１３８）。Ｓ１３７及びＳ１３８が共にＹｅｓの場合は、図８のテーブルを参照して、その位置情報に関連付けられた機能が「原稿画質」、選択肢が「地図」であると判断する（Ｓ１３９）。
【００５１】
図１０（ａ）に戻って、制御部は、照合の結果、位置情報に関連付けられた機能（選択肢）があったかを判断し（Ｓ１４０）、関連付けられた機能（選択肢）がない場合は処理を終了し、関連付けられた機能（選択肢）があった場合は、その機能を選択された選択肢に基づいて設定し（Ｓ１５０）、表示・操作部１６のタッチパネル１６ａに、例えば図９の右側に示す画面を表示する（Ｓ１６０）。
【００５２】
上記手順により、機能設定用印刷物４１を作成することができ、この機能設定用印刷物４１と電子ペン３０とを用いて画像形成装置１０の機能を設定することができるが、上記機能設定用印刷物４１を作成したユーザが、再度、同じ機能設定用印刷物４１を印刷したり、機能設定用印刷物４１のレイアウトを編集して印刷したり、他のユーザが上記機能設定用印刷物４１を参照して新たな機能設定用印刷物４１を作成して印刷したりする場合、機能選択画面４０で機能を選択し直すのは煩雑である。特に、機能選択画面４０が階層構造になっており、複数の画面を遷移して機能を選択しなければならない場合には、機能の選択に時間がかかってしまう。
【００５３】
そこで、本実施例では、上述した手順で作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報（選択された機能及び各機能の用紙上の位置情報）を、上記機能設定用印刷物４１の作成を指示したユーザに関連付けてメモリなどに記憶しておき、新たな機能設定用印刷物４１を作成する際に、以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報を参照できるようにする。
【００５４】
例えば、図１２乃至図１５に示すようなテーブルをメモリなどに記憶し、所望のレイアウト情報を特定できるようにする。図１２は、機能設定用印刷物４１を作成したユーザを識別するユーザＩＤと、機能設定用印刷物４１を識別するシートＩＤと、機能設定用印刷物４１のレイアウトパターンを識別するパターンＩＤと、を関連付けたテーブルである。図１３は、ユーザＩＤと、そのユーザの氏名と、そのユーザが属する部門を識別する部門ＩＤと、を関連付けたテーブルである。図１４は、シートＩＤと、その機能設定用印刷物４１を公開するか非公開とするかを規定するアクセス種別と、アクセス種別のデフォルト属性と、を関連付けたテーブルである。図１５は、シートＩＤと、その機能設定用印刷物４１のレイアウト情報と、を関連付けたテーブルである。
【００５５】
そして、画像形成装置１０の制御部は、画像形成装置１０にログインするユーザがユーザＩＤを入力し、機能設定用印刷物４１の作成を指示した場合に、図１２のテーブルを用いて、ユーザＩＤに関連付けられた１又は複数のシートＩＤ（例えば、ユーザＩＤが”0001”であればシートＩＤ”0001”）を特定し、図１５のテーブルを用いて、特定したシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定する。
【００５６】
その際、同じ業務を行うユーザは画像形成装置１０の同じ機能を使用する場合が多いと考えられることから、ログインユーザと同じ部門に属する各ユーザが作成した機能設定用印刷物４１を利用することができれば便利である。そこで、そのような場合は、制御部は、図１３のテーブルを用いて、入力されたユーザＩＤと同じ部門ＩＤに属する１又は複数ユーザＩＤ（例えば、ユーザＩＤが”0001”であればユーザＩＤ”0001”、”0002”、”0003”）を特定し、図１２のテーブルを用いて、そのユーザＩＤに関連付けられたシートＩＤ（上記の場合はシートＩＤ”0001”、”0002”、”0003”）を特定し、図１５のテーブルを用いて、特定したシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定する。
【００５７】
また、機能設定用印刷物４１の構成からそのユーザの業務内容が類推できることから、ユーザによっては、自身が作成した機能設定用印刷物４１の公開を望まない場合もある。そこで、そのような場合は、機能設定用印刷物４１をユーザＩＤに関連付けて登録する際に、その機能設定用印刷物４１を公開するか非公開とするかを設定して図１４のようなテーブルに記述しておき、制御部は、上記手法で特定されたシートＩＤの中から公開可（public）に設定されているシートＩＤを特定し、図１５のテーブルを用いて、特定したシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定する。
【００５８】
そして、制御部は、特定したレイアウト情報をタッチパネル１６ａなどに表示し、以前に作成された機能設定用印刷物４１を参照して、新たな機能設定用印刷物４１を作成できるようにする。
【００５９】
例えば、図１１に示すように、ユーザが画像形成装置１０にログインして、表示・操作部１６のユーティリティキー１６ｇなどを押下することによって機能設定用印刷物４１の作成を指示すると、制御部は、上述したテーブルを参照してログインユーザのユーザＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定し、表示・操作部１６に図の左側に示すような画面を表示させる。この画面には、ユーザ毎にレイアウト情報で規定された機能が一覧表示されており、ログインユーザは、設定したい機能が選択されているレイアウトに対応するユーザを選択する。
【００６０】
ユーザを選択すると、制御部は、選択したユーザのユーザＩＤに関連付けて記憶されたシートＩＤを特定し、そのシートＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定し、必要に応じて、そのレイアウト情報に基づいて、機能設定用印刷物４１の出力イメージを作成し、タッチパネル１６ａに図の右側に示すようなプレビューを表示する。
【００６１】
そして、ログインユーザがプレビューを確認し、表示・操作部１６のスタートキー１６ｅなどを押下すると、制御部は、選択されたレイアウト情報に基づいて、図の下側に示すような、新たな機能設定用印刷物４１（以前に作成された機能設定用印刷物４１の複製、若しくは、以前に作成された機能設定用印刷物４１のレイアウトを編集した機能設定用印刷物４１）を印刷する。
【００６２】
この一連の動作（以前に作成した機能設定用印刷物４１を参照して新たな機能設定用印刷物４１を作成する手順）について、図１６のフローチャート図を参照して詳細に説明する。なお、図１２乃至図１５に示す関連付けテーブルが予め作成されてメモリなどに登録されているものとする。
【００６３】
まず、画像形成装置１０は、ユーザが表示・操作部１６を操作して入力したユーザＩＤに基づいてユーザ認証を行い、ユーザ認証の結果がＯＫの場合はログインを許可する（Ｓ２００）。
【００６４】
次に、ユーザが表示・操作部１６のユーティリティキー１６ｇなどを押下して、機能設定用印刷物４１の作成を指示すると、制御部は、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶された１又は複数のレイアウト情報を特定する（Ｓ２１０）。このとき、前述したように、入力されたユーザＩＤと同じ部門ＩＤのユーザＩＤに関連付けられたレイアウト情報を特定してもよいし、更に、その中から、アクセス種別が公開可（public）に設定されているレイアウト情報を特定してもよい。また、入力されたユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報がない場合（例えば、そのユーザが初めて機能設定用印刷物４１を作成する場合）は、デフォルトとして予め所定の機能が設定されたレイアウト情報を特定してもよい。
【００６５】
次に、制御部は、特定したレイアウト情報で規定された機能を一覧表示する画面や、その中から選択したレイアウト情報に基づいて作成される機能設定用印刷物４１のプレビュー画面をタッチパネル１６ａなどに表示し、ユーザに所望のレイアウト情報を選択させる（Ｓ２２０）。
【００６６】
次に、制御部は、必要に応じて、ユーザに選択されたレイアウト情報の構成を編集するための画面をタッチパネル１６ａなどに表示し、ユーザは、表示・操作部１６を操作して機能の追加、削除などの編集を行う（Ｓ２３０）。
【００６７】
そして、機能の編集が終了したら、制御部は、編集内容に従ってレイアウトを決定し、各機能の用紙上の位置を特定する（Ｓ２４０）。
【００６８】
次に、制御部は、編集したレイアウト情報にシートＩＤ、パターンＩＤを付与し（Ｓ２５０）、必要に応じて、機能設定用印刷物４１を他のユーザに公開するか非公開にするかを規定するアクセス種別を設定する（Ｓ２６０）。
【００６９】
そして、制御部は、編集したレイアウト情報を、ユーザＩＤ、シートＩＤ、パターンＩＤ、アクセス種別などに関連付けてメモリなどに登録する（Ｓ２７０）。なお、Ｓ２３０で機能の編集を行わなかった場合は、Ｓ２３０〜Ｓ２７０のステップを省略することができる。
【００７０】
次に、制御部は、ユーザによって選択／編集されたレイアウト情報に基づいて、当該レイアウト情報で規定された機能を用紙上の規定された位置に配置（好ましくは、用紙の１ページに集約して配置）した画像を作成し、その画像とパターンとを合成し（Ｓ２８０）、合成した画像をプリンタエンジン２３に印字させて、新たな機能設定用印刷物４１を出力する（Ｓ２９０）。
【００７１】
また、以前に作成した機能設定用印刷物４１を参照せずに、新たな機能設定用印刷物４１を作成する場合は、ユーザは、表示・操作部１６を操作して、タッチパネル１６ａなどに表示される機能選択画面４０の中から所望の機能を選択し（Ｓ３００）、上述したＳ２４０〜Ｓ２９０の処理を行う。
【００７２】
このように、本実施例では、以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報をユーザＩＤなどに関連付けて記憶しておき、ユーザＩＤが入力されたら、そのユーザＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を選択可能に表示し、その中から選択されたレイアウト情報に基づいて新たな機能設定用印刷物４１を印刷するため、機能を設定し直す手間を省略することができ、新たな機能設定用印刷物４１を簡便に作成することができる。
【００７３】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各装置の構成や制御は適宜変更可能である。
【００７４】
例えば、上記実施例では、機能設定用印刷物４１を印刷する構成としたが、例えば、機能を配置した画像にパターンを合成した合成画像のデータを電子ペーパーなどの表示機能を備えた機器に出力し、当該機器の表示画面に合成画像を表示し、この表示画面上で画像形成装置１０の機能を設定できるようにしてもよい。
【００７５】
また、上記実施例では、自装置の機能を設定するための機能設定用印刷物４１を作成する場合について説明したが、例えば、複数の画像形成装置１０を備えるシステムにおいて、その中の所定の画像形成装置１０が他の画像形成装置１０の機能を設定するための機能設定用印刷物４１を作成するなど、任意の装置の機能を設定するための機能設定用印刷物４１を作成する場合に対して同様に適用することができる。
【００７６】
また、上記実施例では、画像形成装置１０と電子ペン３０とで構成されるシステムについて説明したが、ユーザのコンピュータ装置や管理装置を含む構成とし、コンピュータ装置や管理装置が、画像形成装置１０で以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報に基づいて新たな機能設定用印刷物４１を作成する指示を行うこともできる。その場合は、以前に作成した機能設定用印刷物４１のレイアウト情報をコンピュータ装置や管理装置が参照可能な記憶部に記憶すればよい。
【産業上の利用可能性】
【００７７】
本発明は、機能設定用印刷物が出力可能な画像形成装置及び当該機能設定用印刷物の作成方法に利用可能である。
【符号の説明】
【００７８】
１０ 画像形成装置
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＯＭ
１３ａ ＲＡＭ
１３ｂ 不揮発ＲＡＭ
１４ モータードライバ
１５ ＩＲ／ＡＤＦモーター
１６ 表示・操作部
１６ａ タッチパネル
１６ｂ モード切り替えキー
１６ｃ テンキー
１６ｄ リセットキー
１６ｅ スタートキー
１６ｆ ストップキー
１６ｇ ユーティリティキー
１７ 電子ペン用通信モジュール
１８ ＣＣＤ
１９ ＵＳＢインターフェース
２０ ＮＩＣインターフェース
２１ 画像処理チップ
２２ 画像処理用ＲＡＭ
２３ プリントエンジン
２４ ＴＥＬ応答モジュール
２５ モデム
２６ 公衆回線インターフェースモジュール
３０ 電子ペン
３１ ＣＰＵ
３２ ＲＯＭ
３３ ＲＡＭ
３４ 通信モジュール
３５ バッテリーモジュール
３６ イメージセンサ
３７ ペン圧力検知センサ
３８ 筆記モジュール
３９ 時計モジュール
４０ 機能選択画面
４１ 機能設定用印刷物
【特許請求の範囲】
【請求項１】
電子ペンと通信可能な画像形成装置であって、
前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する印刷部と、
以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶部と、
ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する制御部と、を少なくとも備え、
前記制御部は、ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を前記印刷部に作成させる、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記以前に作成された機能設定用印刷物は、前記表示部に表示される階層構造の機能設定画面により選択された複数の機能を、前記用紙の１ページに集約して配置したものである、ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記制御部は、前記特定したレイアウト情報で規定された機能の一覧を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記制御部は、前記選択されたレイアウト情報に基づいて作成される機能設定用印刷物のプレビュー画像を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項５】
電子ペンと通信可能な画像形成装置の機能を設定するための印刷物の作成方法であって、
前記画像形成装置は、
前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する第１の印刷ステップと、
以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶ステップと、
ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する表示ステップと、
ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を作成する第２の印刷ステップと、を少なくとも実行する、ことを特徴とする印刷物の作成方法。
【請求項６】
前記第１の印刷ステップでは、前記表示部に表示される階層構造の機能設定画面により選択された複数の機能を、前記用紙の１ページに集約して配置して、前記機能設定用印刷物を作成する、ことを特徴とする請求項５に記載の印刷物の作成方法。
【請求項７】
前記表示ステップでは、前記特定したレイアウト情報で規定された機能の一覧を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項５又は６に記載の印刷物の作成方法。
【請求項８】
前記表示ステップでは、前記選択されたレイアウト情報に基づいて作成される機能設定用印刷物のプレビュー画像を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項５乃至７のいずれか一に記載の印刷物の作成方法。
【請求項１】
電子ペンと通信可能な画像形成装置であって、
前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する印刷部と、
以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶部と、
ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する制御部と、を少なくとも備え、
前記制御部は、ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を前記印刷部に作成させる、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記以前に作成された機能設定用印刷物は、前記表示部に表示される階層構造の機能設定画面により選択された複数の機能を、前記用紙の１ページに集約して配置したものである、ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記制御部は、前記特定したレイアウト情報で規定された機能の一覧を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記制御部は、前記選択されたレイアウト情報に基づいて作成される機能設定用印刷物のプレビュー画像を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項５】
電子ペンと通信可能な画像形成装置の機能を設定するための印刷物の作成方法であって、
前記画像形成装置は、
前記電子ペンがペン先の位置を検出するための位置検出符号が印刷された用紙上に、自装置の機能を設定するための領域を割り当てた機能設定用印刷物を作成する第１の印刷ステップと、
以前に作成された各々の前記機能設定用印刷物の、各々の機能と各々の機能の前記用紙上の位置情報とを対応付けたレイアウト情報を、当該機能設定用印刷物の作成を指示したユーザのＩＤに関連付けて記憶する記憶ステップと、
ユーザがＩＤを入力してログインした場合に、ログインしたユーザのＩＤに関連付けて記憶されたレイアウト情報を特定し、特定したレイアウト情報を選択可能に表示部に表示する表示ステップと、
ログインしたユーザに選択されたレイアウト情報に基づいて、新たな機能設定用印刷物を作成する第２の印刷ステップと、を少なくとも実行する、ことを特徴とする印刷物の作成方法。
【請求項６】
前記第１の印刷ステップでは、前記表示部に表示される階層構造の機能設定画面により選択された複数の機能を、前記用紙の１ページに集約して配置して、前記機能設定用印刷物を作成する、ことを特徴とする請求項５に記載の印刷物の作成方法。
【請求項７】
前記表示ステップでは、前記特定したレイアウト情報で規定された機能の一覧を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項５又は６に記載の印刷物の作成方法。
【請求項８】
前記表示ステップでは、前記選択されたレイアウト情報に基づいて作成される機能設定用印刷物のプレビュー画像を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項５乃至７のいずれか一に記載の印刷物の作成方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５（ａ）】
【図５（ｂ）】
【図５（ｃ）】
【図５（ｄ）】
【図５（ｅ）】
【図５（ｆ）】
【図５（ｇ）】
【図５（ｈ）】
【図５（ｉ）】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５（ａ）】
【図５（ｂ）】
【図５（ｃ）】
【図５（ｄ）】
【図５（ｅ）】
【図５（ｆ）】
【図５（ｇ）】
【図５（ｈ）】
【図５（ｉ）】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【公開番号】特開２０１２−９３６０７（Ｐ２０１２−９３６０７Ａ）
【公開日】平成２４年５月１７日（２０１２．５．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２４１８７０（Ｐ２０１０−２４１８７０）
【出願日】平成２２年１０月２８日（２０１０．１０．２８）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年５月１７日（２０１２．５．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１０月２８日（２０１０．１０．２８）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
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