説明

画像形成装置及び画像処理方法

【課題】撮影場所や人物名等の付加情報を簡単に合成することができるようにする。
【解決手段】プリント指示シートには、各画像について、撮影日の合成の有無、イベント情報、被写体の人物名の合成指示と選択のためのチェックボックスと、撮影場所の分類ごとに分けられた撮影場所欄が記録される。また、プリント指示シートには、情報メモリ16に登録されている各イベント名とロゴマーク、各被写体人物名を選択する際にマークすべきチェックボックスを示すイベント情報対応表25と被写体人物名対応表26とが記録される。プリント指示シートを光学的に読み取り、識別されたマーク位置に応じて情報メモリ16内の情報が特定されて画像に合成される。撮影場所欄に記入された撮影場所は、その分類に応じた辞書メモリ33に予め登録された文字列と照合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を出力する画像形成装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、デジタルカメラをプリンタに直接に接続し、あるいはデジタルカメラで撮影された画像が記憶された記憶媒体、例えばメモリカードをプリンタのカードスロットに装着することによって、PC(パーソナルコンピュータ)を介すことなくプリンタだけで画像のプリントを行うことができるプリンタが市販されている。
【0003】
上記のようにプリンタだけで画像のプリントを行う場合においても、簡単な操作や入力でプリント画像の指定やプリント枚数の指定等のプリント条件を指示できることが望ましい。例えば特許文献1の画像処理システムでは、メモリカードに記憶されている各画像について、その画像の縮小画像と、それに対するプリント条件を指示するチェック領域を各画像について記録したオーダーシートをプリンタで出力する。
【0004】
上記オーダーシートは、それの記入後にプリンタに設けたスキャナで読み取られ、記入されたプリント条件で画像がプリントされる。プリント条件としては、プリント用紙のサイズ、プリントの有無、プリント枚数等があり、それぞれに設けられたチェック領域にマークする(塗り潰す)ことで、それらを指示することができる。また、手書き文字画像を取得して、それの合成を指示することもできるようにされている。
【特許文献1】特開20007−336428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の画像処理システムでは、オーダーシートによって、手書き文字画像の合成を指示することはできるが、予め用意されている文字(フォント)を用いた撮影場所や人物名等の情報の合成を指示することはできなかった。キーボード等を使いプリンタに直接に文字入力を行うことが考えられるが、そのようにすると煩雑な入力操作が必要であり、簡単な操作でプリントを行うことができなくなってしまう。また、オーダーシートに記入された手書き文字画像に対して自動文字認識処理を行い、その認識処理で得られる文字を合成することも考えられるが、ユーザが自動認識処理に適した手書き文字を記入するとは限らず、誤認識あるいは認識不能となる場合が発生してしまうという問題があった。さらに、様々な装飾画像等についても、簡単に合成指示できることが望まれていた。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、撮影場所や人物名等の文字や装飾画像を合成した画像を容易に得ることができる画像形成装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために請求項1に記載の画像形成装置では、記憶媒体に記憶されている画像を読み出す読出手段と、読出手段で読み出した各画像の縮小画像とともに、各縮小画像のそれぞれに対して付加情報記入欄を記録したプリント指示シートを出力する第1の出力手段と、付加情報記入欄に記入されたプリント指示シートを光学的に読み取る読取手段と、文字または装飾画像からなる複数の付加情報を予め記憶した付加情報記憶手段と、付加情報記入欄の読み取り結果に基づいて、付加情報記憶手段に記憶されている各付加情報を特定する特定手段と、特定手段による特定された付加情報を対応する画像内または画像の周囲に形成した余白部分に合成した合成画像を生成し、生成された合成画像のプリントを出力する第2の出力手段とを備えたものである。
【0008】
請求項2に記載の画像形成装置では、第1の出力手段は、付加情報記憶手段に記憶された付加情報に対応づけられタ複数のチェック領域を有する付加情報記入欄と、付加情報記憶手段に記憶された各付加情報と複数のチェック領域との対応関係を示す対応表とをプリント指示シートに記録し、特定手段は、マークされたチェック領域に対して、そのチェック領域に対応付けられた付加情報を特定するようにしたものである。
【0009】
請求項3記載の画像形成装置では、第1の出力手段は、付加情報記憶手段に記憶された各付加情報に対して相互に異なる記号を付した対応表を記録するとともに、複数のチェック領域に対して、対応する付加情報の記号を付して記録するものである。
【0010】
請求項4に記載の画像形成装置では、付加情報記憶手段は、多数の文字列を複数の分類に分けて記憶しており、第1の出力手段は、手書き文字が記入される分類ごとの文字記入欄を有する付加情報記入欄をプリント指示シートに記録し、特定手段は、手書き文字が記入されている文字記入欄の分類を判別するとともに、文字記入欄から得られる手書き文字画像を文字認識し、その文字認識で得られる文字列を、判別した分類に分けられた付加情報記憶手段の各文字列と照合し、一致するものがある場合には、その文字列を付加情報として特定し、一致するものがない場合には警告表示を行うようにしたものである。
【0011】
請求項5記載の画像処理方法では、記憶媒体に記憶されている各画像の縮小画像とともに、各縮小画像のそれぞれに対して付加情報記入欄を記録したプリント指示シートを出力する第1の出力ステップと、付加情報記入欄に記入されたプリント指示シートを光学的に読み取る読取ステップと、読取ステップによる付加情報記入欄の読み取り結果に基づいて、予め記憶されている各付加情報を特定し、その特定したさ付加情報を対応する画像に合成した合成画像を生成し、生成された合成画像のプリントを出力する第2の出力ステップとを有するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、縮小画像のそれぞれに対して付加情報記入欄を記録したプリント指示シートを出力し、そのプリント指示シートに記入された内容を光学的に読み取った結果に基づいて、予め記憶されている各付加情報を特定して、その特定した付加情報を画像に合成して出力するようにしたから、文字や画像等の付加情報の合成を容易に指示できるとともに、読取ミスによる誤字や、読み取りに起因する劣化がない付加情報を合成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明を実施した画像形成装置10の構成を示す。画像形成装置10は、プリント機能の他、スキャナ機能等の複数の機能を備えており、制御部11、メディアコントローラ12、スキャナ部13,情報特定ユニット14,メモ処理部15,情報メモリ16,出力ユニット17等から構成される。
【0014】
また、画像形成装置10には、カードスロットを設けてあり、このカードスロットに画像を記憶する記憶媒体としてのメモリカード18が装着される。この装着されたメモリカード18に記憶された画像データを含む画像ファイルに対してメディアコントローラ12を介してアクセスが行われ、データの読み出しや書き込みが行われる。
【0015】
なお、記憶媒体としては、メモリカード18に限るものではなく、例えば画像形成装置10に接続されるデジタルカメラの内蔵メモリや、そのデジタルカメラに装着されているメモリカード等でもよい。また、光学ディスクや磁気ディスク等を記憶媒体としてもよい。あるいは、画像形成装置10に内蔵されるメモリであってもよい。
【0016】
制御部11は、操作入力部21からの各種操作信号に基づいて、画像形成装置10の各部を制御する。操作入力部21は、各種の入力キーからなり、これを操作することによって、画像形成装置10に対して各種の指示や入力を行うことができる。また、制御部11には、表示部22が接続されており、この表示部22は、例えばLCDとそれを駆動する駆動回路等から構成され、ユーザに各種情報を表示する。
【0017】
上記操作入力部21の操作により、メモリカード18に保存されている画像を出力ユニット17からプリントするプリントモード、スキャナ部13で読み取った画像を出力ユニット17からプリントするコピーモード、スキャナ部13で読み取った画像をメモリカード18に保存する保存モード等の各種モードを選択することができ、プリントモードでは、さらに出力ユニット17から出力されるプリント指示シートS(図2参照)を用いて各種のプリント指示を行う指示シートモードを選択することができる。
【0018】
図2にプリント指示シートSを、また図3にプリント指示シートSの各画像部Pに記録される指示記入部Wを示す。このプリント指示シートSでは、プリント指示の有無を含むプリント枚数の指示、付加情報としての撮影日、イベント情報、被写体人物名、メモ書きの画像への合成指示、及びその合成すべき内容の指示を行うことができるようにしてあり、これに対応して各指示記入部Wには、プリント指示欄W1、撮影日欄W2、イベント情報欄W3、被写体人物名欄W4、メモ欄W6が出力ユニット17によって記録される。
【0019】
プリント指示シートSは、例えばA4サイズの記録紙にイベント情報対応表25と、被写体人物名対応表26と、画像部Pとを記録したものとなっている。イベント情報対応表25と被写体人物名対応表26は、情報メモリ16に登録されている内容に基づいてプリント指示シートSに1個ずつ記録され、画像部Pは、メモリカード18に記録されている各画像それぞれについて記録される。
【0020】
イベント情報対応表25は、情報メモリ16に登録されている各イベント情報と、それを選択する際にマークすべきチェックボックス(チェック領域)CBの位置を示すものであり、各イベント情報に対して、指示記入部Wのイベント情報欄W3の各チェックボックスCBに付された記号が記録される。
【0021】
この例では、イベントとしては「入学式」、「運動会」、「発表会」、「結婚式」が予め登録されており、イベント情報としては各イベントについてイベント名(文字列)またはそのイベントに対応した作成されたロゴマーク(画像)の2種類があり、イベント情報対応表25には、これらが記録されている。
【0022】
上記イベント情報対応表25により、例えば記号「b」の付されたイベント情報欄W3のチェックボックスCBをマークすれば、それに対応する「運動会」のイベント名27またはロゴマーク28が選択されることをユーザが知ることができる。
【0023】
被写体人物名対応表26についても同様であり、情報メモリ16に登録されている被写体人物名29と、それを選択する際に被写体人物名欄W4にマークすべきチェックボックスCBの位置の対応を示すものであり、各被写体人物名29に被写体人物名欄W4の各チェックボックスCBに付された記号が記録される。
【0024】
なお、チェックボックスCBと各付加情報の対応関係を示す手法は、これに限るものではない。また、文字列としては、1字以上の文字あるいは記号、絵文字等を採用することができる。
【0025】
画像部Pは、インデックス画像PTと指示記入部Wとからなる。インデックス委画像PTは、出力ユニット17がメモリカード18から読み出した画像データを用いて縮小画像として生成され記録される。また、指示記入部Wは、出力ユニット17によって、それに内蔵されたROM等に記憶されているデータに基づいてサムネイル画像ごとに生成されて記録される。
【0026】
プリント指示欄W1には、4つのチェックボックスCBを設けてあり、指示するプリント枚数を示す「1」〜「4」の文字が付される。このプリント指示欄W1のいずれかのチェックボックスCBを塗り潰してマークすることにより、そのマークされたチェックボックスCB、すなわちマーク位置が情報特定ユニット14に判別されることにより、プリント枚数が特定される。なお、プリント指示欄W1の各チェックボックスCBにマークしない場合には、対応する画像のプリント指示がないものとされる。
【0027】
撮影日欄W2には、撮影日を合成するか否かを指定するための1個のチェックボックスCBと、対応する画像の撮影日が記録される。この撮影日は、出力ユニット17によってメモリカード18の対応する画像ファイルから取得することで記録される。撮影日欄W2のチェックボックスCBのマークの有無により、撮影日の合成指示の有無が判別され、マークされている場合に撮影日の合成が行われる。
【0028】
イベント情報欄W3には、種類選択欄W3aと、イベント選択欄W3bとが記録され、種類選択欄W3aには文字列であるイベント名と画像であるロゴマークの一方を選択するための2個のチェックボックスCBが、イベント選択欄W3bには各イベントに対応した4つのチェックボックスCBが記録される。
【0029】
種類選択欄W3aの各チェックボックスCBのいずれか一方のマークによって、イベント情報の合成指示として判別される。また、イベント名側のチェックボックスCBへのマークによって文字によるイベント名が、ロゴマーク側のチェックボックスCBへのマークによって画像であるロゴマークが合成すべき対象とされる。
【0030】
イベント選択欄W3bの4つのチェックボックスCBには、イベント情報対応表25に記される記号「a」〜「d」の文字が付されており、各チェックボックスCBの対応するイベント情報の内容を知ることができるようにしてある。これらチェックボックスCBのいずれかをマークすることによって、それに対応するイベント名27またはロゴマーク28が画像に合成される。したがって、例えばロゴマークに対応するチェックボックスCBと、記号「c」の各チェックボックスCBのマークにより、「発表会」のロゴマーク28の合成を指示できる。
【0031】
被写体人物名欄W4には、各被写体人物名に対応した4つのチェックボックスCBが記録される。各チェックボックスCBには、被写体人物名対応表26に記される記号「a」〜「d」の文字が付されており、各チェックボックスCBの対応する被写体人物名29を知ることができるようにしてある。これらチェックボックスCBのいずれかをマークすることによって、被写体人物名の合成指示として判別され、マークされたチェックボックスCBに対応する被写体人物名29が画像に合成される。
【0032】
撮影場所欄W5は、複数に分けられた各分類、この例では「神社・寺院」、「テーマパーク」、「その他」の各分類に分けられて各分類に対応させて手書き記入部W5a〜W5cが記録される。撮影場所(文字列)を合成する場合には、その合成しようとする撮影場所を、それに対応する分類の手書き記入部のいずれか1つに記入する。この記入が撮影場所情報の合成指示となり、その記入内容の文字列が認識されて合成される。
【0033】
メモ欄W6には、手書き文字等が記入されるメモ記入部W6aが記録される。このメモ記入部W6a内に記入された手書き文字等がメモ画像として切り出されて画像に合成される。
【0034】
図1において、スキャナ部13は、原稿に記録されている原稿画像を光学的に読み取って原稿画像データを出力する。このスキャナ部13は、例えば透明なステージ面に置かれた原稿を読み取るようにしてあり、原稿の幅方向に多数の受光素子をライン状に配列したラインセンサ、このライセンサを原稿の長手方向に移動させるセンサ移動機構、原稿を照明するライト、ラインセンサからの読み取り結果をデジタルデータに変換するA/D変換器等から構成してある。
【0035】
上記スキャナ部13は、プリント指示シートSを光学的に読み取る読取手段であり、指示シートモード時では、プリント指示シートSを読み取り、それに応じた原稿画像データを出力する。スキャナ部13で得られる原稿画像のデータは、コピーモード、保存モードでは出力ユニット17に送られて処理され、指示シートモードでは情報特定ユニット14、メモリ処理部15に送られて、それらで処理される。
【0036】
なお、プリント指示シートSを含む原稿を読み取る構成は、上記のものに限らず、例えばライセンサを移動する代わりに、ADF(自動給紙機構)等により原稿を搬送しながら固定されたラインセンサで原稿画像を読み取ってもよく、また受光素子がマトリクス状に配列されたイメージセンサで原稿画像を読み取ってもよい。
【0037】
情報特定ユニット14は、特定手段としてのマーク識別部31,OCR変換部32を備える。この情報特定ユニット14は、指示シートモードで作動され、プリント指示シートSから得られる原稿画像に画像認識処理を行い、そのプリント指示シートSに記録されている指示内容の判別・特定を行う。
【0038】
マーク識別部31は、プリント指示シートSに記録されているチェックボックスCBへのマークの有無と、マークされたチェックボックスCBの位置、すなわちマーク位置の判定を画像部Pごとに行い、プリント指示の有無を含むプリント枚数の判定、付加情報としての撮影日、イベント情報、被写体人物名の画像への合成の指示の有無の判定、及び指示されている合成すべき付加情報の特定を行う。
【0039】
上記マーク識別部31は、プリント指示がある画像については、その画像を指示する画像指示と、指示されたプリント枚数に応じたプリント枚数指示とを出力ユニット17に送る。また、撮影日の合成指示がある場合には、撮影日合成指示を出力ユニット17に送る。
【0040】
情報メモリ16には、前述のように複数種類のイベントに対応したイベント名、及びロゴマークが登録されており、それらはイベント選択欄W3bの4つのチェックボックスCBに対応付けられている。イベント名やロゴマークは、例えば製造時に情報メモリ16に書き込まれるが、ユーザが任意のものを書き込むことができるようにしてもよい。
【0041】
マーク識別部31は、種類選択欄W3aのチェックボックスCBへのマークの有無でイベント情報の合成指示の有無を判定し、合成指示がある場合には、種類選択欄W3aのマーク位置と、イベント選択欄W3bのマーク位置とに応じたイベント名またはロゴマークを情報メモリ16で特定し、その特定したイベント名またはロゴマークを出力ユニット17に送る。
【0042】
さらに、情報メモリ16には、複数の人物名(文字列)が、被写体人物名欄W4の各チェックボックスCBに対応付けて登録されている。この人物名は、例えばユーザによる操作入力部21の操作で情報メモリ16に登録されるが、PC(パーソナルコンピュータ)等を画像形成装置10に接続して登録するようにしてもよい。情報メモリ16に登録されている人物名の変更があった場合には、それに応じて被写体人物名欄W4に記録される人物名も変わる。
【0043】
マーク識別部31は、被写体人物名欄W4のチェックボックスCBへのマークの有無で被写体人物名の合成指示の有無を判別し、合成指示がある場合には、そのマーク位置に対応する人物名を情報メモリ16で特定して読み出し、これを出力ユニット17に送る。
【0044】
OCR変換部32は、付加情報としての撮影場所情報を特定するものであり、撮影場所欄W5の手書き記入部W5a〜W5cのいずれかに記入された文字列を特定する。このOCR変換部32には、辞書メモリ33が接続されており、辞書メモリ33には、多数の撮影場所の名称が撮影場所欄W5の各分類に分けて記憶してある。
【0045】
OCR変換部32は、撮影場所欄W5を読み取って得られる文字画像の位置に基づいて、手書き記入部W5a〜W5cのいずれに記入がなされたかによって、記入された分類を判定とともに、文字画像から文字列を自動文字認識処理により判定する。OCR変換部32は、この判定で得られる文字列と、記入された分類の辞書メモリ33の文字または文字列と照合する。この照合において一致するものがある場合には、その文字または文字列を正しく認識されたとして、合成すべき文字列として特定されたとして、出力ユニット17に送り、一致するものがない場合には、制御部11を介して表示部22に警告を表示させる。
【0046】
メモ処理部15は、メモ記入部W6a内に記入された手書き文字等のメモ画像を原稿画像から取り出し、そのメモ画像を出力ユニット17に送る。なお、このようなメモ欄W6についても、OCR変換して得られる文字を画像に合成するようにしてもよい。この場合、表示部22に認識した文字を表示させ、さらにはその文字を訂正できるようにするのもよい。
【0047】
出力ユニット17は、画像生成部37とプリント部38とからなる。プリントモード時には、画像生成部37は、プリントすべき画像をメディアコントローラ12を介してメモリカード18から読み出し、各種画像処理を施してからプリント部38に送ることによって、記録紙に画像をプリントする。プリント部38は、記録紙に画像を記録する例えばインクジェット方式の記録ヘッドや記録紙の搬送を行う搬送機構等から構成してある。なお、プリント部38の構成は、どのようなものであってもよく、例えば感熱方式等でもよい。
【0048】
指示シートモードでは、画像生成部37は、情報メモリ16に登録されている各イベント名及び各ロゴマーク、メモリカード18から読み出した各画像に基づいて前述のプリント指示シートSをプリントするための画像データを生成し、これに基づいてプリント部38が記録紙に記録を行う。また、画像生成部37は、マーク識別部31からの画像指示によって指示される画像をメモリカード18から読み出し、この画像に対して情報特定ユニット14からの入力応じた付加情報の合成を行い、その合成画像データをプリント部38に送る。プリント部38は、合成画像データに基づいた合成画像のプリントをプリント枚数指示に対応する枚数で行う。
【0049】
画像生成部37による付加情報の合成は、例えば画像の周囲に形成した余白部分に、合成が指示された撮影日、イベント名またはロゴマーク、人物名、撮影場所、メモ画像を合成するように行うが、画像内に合成してもよい。
【0050】
次に上記構成の作用について図4を参照しながら説明する。プリント指示シートSを使ってプリントの指示を行う場合には、画像を記憶したメモリカード18を装着してから、操作入力部21を操作して指示シートモードとし、プリント指示シートSの出力を指示する。
【0051】
プリント指示シートSの出力の指示が行われると、情報メモリ16からそれに登録されている各イベント名、各ロゴマーク、各被写体人物名が画像生成部37によって読み出され、イベント情報対応表25、被写体人物名対応表26が生成される。
【0052】
次に、メモリカード18がアクセスされ、各画像ファイルから画像と撮影日とが読み出され、その画像を用いてインデックス画像PTが生成される。そして、上記イベント情報対応表25、被写体人物名対応表26と、画像ごとにインデックス画像PTおよび指示記入部Wからなる各画像部Pを有するプリント指示シートSのデータが生成される。このときに、各指示記入部Wの撮影日欄W2には、対応する画像の撮影日がはめ込まれたものとなっている。このように生成されたプリント指示シートのデータがプリント部38に送られて、記録紙にプリントされることによって、図2に示されるようなプリント指示シートSが出力される。
【0053】
プリント指示シートSが出力されたならば、ユーザは、プリントしようとする画像のプリント指示欄W1の、所望とするプリント枚数のチェックボックスCBにマークをする。また、撮影日を合成する場合には、撮影日欄W2のチェックボックスCBにマークをする。イベント名またはそのロゴマークを合成したい場合には、種類選択欄W3aのいずれかのチェックボックスCBにマークをし、イベント選択欄W3bのイベントに対応するチェックボックスCBをマークする。さらに、撮影されている画像中の被写体の人物名を合成する場合には、被写体人物名欄W4の被写体人物名に対応するチェックボックスCBにマークをする。
【0054】
上記のようにして、イベント選択欄W3bや被写体人物名欄W4のチェックボックスCBにマークをする際には、プリント指示シートSにイベント情報対応表25、被写体人物名対応表26が記録されているから、ユーザはいずれのチェックボックスCBをマークすればよいかを容易に知ることができる。
【0055】
また、撮影場所を合成する場合には、ユーザは、撮影場所欄W5にその撮影場所の文字を手書きで記入する。このときに、その記入する撮影場所に応じた分類の手書き記入部W5a〜W5cのいずれかに記入する。
【0056】
さらに、上記以外の任意の情報を合成する場合には、メモ欄W6のメモ記入部W6aに記入する。メモ記入部W6aへの記入は文字に限らず、例えばイラスト等であってもよい。
【0057】
以上のようにして、プリントしようとする各画像について指示記入部Wの記入をしたならば、そのプリント指示シートSをスキャナ部13にセットしてプリント指示シートSの読み込みを指示する。この指示により、プリント指示シートSの原稿画像が読み取られて、そのデータが情報特定ユニット14及びメモ処理部15に送られる。
【0058】
原稿画像のデータが情報特定ユニット14に送られると、まずマーク識別部31によって、1番目の画像に対応するプリント指示欄W1のマークの有無、及びマーク位置が判定される。例えば、プリント枚数「1」〜「4」のいずれかのチェックボックスCBにマークがある場合には、そのマーク位置を調べてプリント枚数を判定する。なお、プリント指示欄W1のマークがなければ、1番目の画像に対してプリント指示がないものと判定され、2番目の画像の処理に移行する。
【0059】
プリント枚数の判定後、マークがあった場合にはマーク識別部31から1番目の画像を指示する画像指示が画像生成部37に送られる。この画像指示に応答して画像生成部37がメモリカード18にアクセスし、その1番目の画像を取得し、その画像の周囲に余白のあるプリント用画像のデータを生成する。
【0060】
次に、撮影日処理が行われ、図5に示すように、まずマーク識別部31によって撮影日欄W2のマークの有無が調べられ、マークがあれば撮影日合成指示が画像生成37に送られる。そして、この撮影日合成指示の入力によって画像生成37がメモリカード18にアクセスし、1番目の画像に対応する画像ファイルから撮影日を読み出し、その撮影日をプリント用画像の余白部分に合成する。
【0061】
撮影日処理後には、図6に示すイベント情報処理が行われる。このイベント情報処理では、種類選択欄W3aのマークの有無及びマーク位置が判別され、マークがある場合には続いて、イベント選択欄W3bのマーク位置の判別が行われる。そして、イベント選択欄W3bのマーク位置に応じて特定されるイベントで、種類選択欄W3aのマーク位置に応じて特定されるイベント名とロゴマークの一方が情報メモリ16から読み出され、これが画像生成37に送られて、プリント用画像の余白部分に合成される。
【0062】
さらに、図7に示す被写体人物名処理が行われ、被写体人物名欄W4のマークの有無及びマーク位置が判別され、マークがある場合にはマーク位置に応じて特定される被写体人物名が情報メモリ16から読み出され、これが画像生成37に送られてプリント用画像の余白部分に合成される。
【0063】
被写体人物名処理の終了後には、OCR変換部32によって撮影場所処理が行われる。図7に示すように、まず手書き記入部W5a〜W5cのいずれかに記入があるか否かが調べられる。記入がない場合には、この処理が終了されるが、記入がある場合には、手書き記入部W5a〜W5cのいずれの欄に記入があるかを判別して分類を特定するとともに、記入のある手書き記入部の文字画像から文字列を自動文字認識処理により判定する。
【0064】
次に、判定で得られる文字列と、特定された分類の辞書メモリ33の各文字列とが照合される。そして、この照合で一致するものがある場合には、辞書メモリ33の一致した文字列が指示された文字列であると特定され、これが画像生成37に送られてプリント用画像の余白部分に合成される。
【0065】
一方、上記照合で一致するものがない場合には、例えばその認識された文字列とともに、表示部22に読取ミス警告の表示が行われる。また、ユーザに対して撮影場所の合成の有無を確認する表示が行われる。そして、操作入力部21の操作で合成しない旨の指示がされたときには撮影場所処理を終了する。
【0066】
一方、合成する旨の指示がされたときには、撮影場所の再入力の要否を確認する表示を表示部22に行い、再入力を行う場合には、例えば操作入力部21をユーザが操作して入力した文字列が撮影場所の文字列とされる。再入力をしない場合には、OCR変換部32で認識された文字列が撮影場所の文字列とされる。そして、このようにして確定された文字列が画像生成37に送られてプリント用画像の余白部分に撮影場所として合成される。なお、再入力の際には、例えば画像形成装置10へのペン入力等の簡単な入力手法を採用することが好ましい。また、再度手書き文字の読み取りを行わせるようにしてもよい。また、類似する文字列を表示して選択できるようにしてもよい。
【0067】
撮影場所処理が終了すると、メモ処理部15によってメモ欄処理が行われ、メモ記入部W6a内のメモ画像が原稿画像から切り出されて、それが画像生成部37に送られる。そして、このメモ画像がプリント用画像の余白部分に合成される。なお、プリント用画像に合成される撮影日、イベント名あるいはロゴマーク、被写体人物名、メモ画像は、それぞれ相互に重ならないように合成される。
【0068】
上記のようにして、画像合成の処理が終了すると、マーク識別部31から判別されたプリント枚数に応じたプリント枚数指示が画像生成部37に送られる。これにより、1番目の画像に対してマークすることで指示したプリント枚数の1番目の合成画像がプリントされる。
【0069】
1番目の画像について合成画像プリントが完了すると、2番目以降の画像の合成画像のプリントが同様にして行われる。
【0070】
以上のようにして出力される合成画像は、指示した撮影日、イベント情報、被写体人物名、記入した撮影場所、メモ等が合成されたものとなっている。そして、撮影日、イベント情報、被写体人物名は、チェックボックスCBへのマークによって合成すべき内容が指示されて特定されるから、容易に指示できるとともに、文字認識によるものではないので読取ミスによる誤字などがない。また、撮影場所については、記入された手書き文字を認識して得られる文字列を、その記入された分類に登録されている各文字列と照合し、一致するものに特定するから認識の間違いを少なくすることができる。
【0071】
上記実施形態では、付加情報として撮影日、イベント名、ロゴマーク、被写体人物名、撮影場所等を例にして説明したが、付加情報は、これらに限られるものではなく、種々の情報の文字や画像等を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明を実施した画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】プリント指示シートを示す説明図である
【図3】チェック欄の内容を示す説明図である。
【図4】指示シートモードでの処理手順の概略を示すフローチャートである。
【図5】撮影日の合成に対する処理を行う撮影日処理を示すフローチャートである。
【図6】イベント情報の合成に対する処理を行うイベント情報処理を示すフローチャートである。
【図7】被写体の人物名の合成に対する処理を行う被写体人物名処理を示すフローチャートである。
【図8】撮影場所の合成に対する処理を行う撮影場所処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10 画像形成装置
13 スキャナ部
14 情報特定ユニット
16 情報メモリ
17 出力ユニット
18 メモリカード
25 イベント情報対応表
26 被写体人物名対応表
W 指示記入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶されている画像を読み出す読出手段と、
前記読出手段で読み出した各画像の縮小画像とともに、各縮小画像のそれぞれに対して付加情報記入欄を記録したプリント指示シートを出力する第1の出力手段と、
付加情報記入欄に記入されたプリント指示シートを光学的に読み取る読取手段と、
文字または装飾画像からなる複数の付加情報を予め記憶した付加情報記憶手段と、
付加情報記入欄の読み取り結果に基づいて、前記付加情報記憶手段に記憶されている各付加情報を特定する特定手段と、
前記特定手段による特定された付加情報を対応する画像内または画像の周囲に形成した余白部分に合成した合成画像を生成し、生成された合成画像のプリントを出力する第2の出力手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の出力手段は、前記付加情報記憶手段に記憶された付加情報に対応づけられタ複数のチェック領域を有する前記付加情報記入欄と、前記付加情報記憶手段に記憶された各付加情報と前記複数のチェック領域との対応関係を示す対応表とを前記プリント指示シートに記録し、
前記特定手段は、マークされたチェック領域に対して、そのチェック領域に対応付けられた付加情報を特定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の出力手段は、前記付加情報記憶手段に記憶された各付加情報に対して相互に異なる記号を付した対応表を記録するとともに、前記複数のチェック領域に対して、対応する付加情報の前記記号を付して記録することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付加情報記憶手段は、多数の文字列を複数の分類に分けて記憶しており、
前記第1の出力手段は、手書き文字が記入される前記分類ごとの文字記入欄を有する前記付加情報記入欄を前記前記プリント指示シートに記録し、
前記特定手段は、手書き文字が記入されている文字記入欄の分類を判別するとともに、文字記入欄から得られる手書き文字画像を文字認識し、その文字認識で得られる文字列を、判別した分類に分けられた前記付加情報記憶手段の各文字列と照合し、一致するものがある場合には、その文字列を付加情報として特定し、一致するものがない場合には警告表示を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
記憶媒体に記憶されている各画像の縮小画像とともに、各縮小画像のそれぞれに対して付加情報記入欄を記録したプリント指示シートを出力する第1の出力ステップと、
付加情報記入欄に記入されたプリント指示シートを光学的に読み取る読取ステップと、
前記読取ステップによる付加情報記入欄の読み取り結果に基づいて、予め記憶されている各付加情報を特定し、その特定したさ付加情報を対応する画像に合成した合成画像を生成し、生成された合成画像のプリントを出力する第2の出力ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−239408(P2009−239408A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79872(P2008−79872)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】