説明

画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法

【課題】印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していない場合であっても、期待した出力結果を得ることができる画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法の提供。
【解決手段】フォントデータを利用して印刷ジョブを処理する画像形成装置において、前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の装置に前記フォントデータの送付要求を送信するとともに、いずれかの前記他の装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを利用して前記印刷ジョブを処理する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法に関し、特に、システム内のフォントデータを利用して印刷ジョブを処理する画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやデジタル複合機などの印刷装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)が普及しており、画像形成装置では、コンピュータ端末から印刷ジョブを受信し、印刷ジョブでフォントが指定されている場合は、画像形成装置に保持しているフォントデータを利用して印刷ジョブを処理する。
【0003】
その際、画像形成装置内に印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していれば、期待した出力結果を得ることができるが、画像形成装置内にフォントデータを保持していない場合は、文字化けして出力されるか、代替のフォントデータを使用して出力されるため、期待した出力結果が得られないという問題があった。
【0004】
特に、印刷ジョブを複数の画像形成装置で分散して処理する、いわゆる分散印刷の場合、フォントデータを保持している画像形成装置では正しく印刷され、フォントデータを保持していない画像形成装置では正しく印刷されないことになってしまい、出力結果にばらつきが生じる。
【0005】
このようなフォントデータの問題に対して、下記特許文献1では、印刷条件の入力手段において分散印刷設定の時は内蔵フォントデータが使用できないようにインタフェースにて制限をかける方法を開示している。また、下記特許文献2では、プリンタ毎の内蔵フォントテーブルを管理する管理サーバがあり、内蔵フォントテーブルに基づいて出力プリンタを決定する方法を開示している。
【0006】
【特許文献1】特開2005−92255号公報
【特許文献2】特開2005−182105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献に記載された方法は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを持っていない画像形成装置では出力することができないため、事前に画像形成装置が保持しているフォントデータを確認しなければならず、分散印刷の場合は、多数の画像形成装置の中から所定のフォントデータを保持している画像形成装置を選択しなければならない。
【0008】
ここで、通信ネットワークに接続されている全ての画像形成装置に所定のフォントデータを事前に記憶させれば、どの画像形成装置で印刷ジョブを処理しても期待した出力結果を得ることはできる。
【0009】
しかしながら、この方法では、全ての画像形成装置に対してフォントデータのインストール作業が必要になる。また、この方法では、画像形成装置の記憶部に多数のフォントデータを保持するため、記憶部の記憶領域を占有することによって他の処理に支障が生じる場合も生じる。また、全ての画像形成装置でフォントデータを保持するためには台数分のライセンスを取得する必要も生じる。
【0010】
特に、分散印刷を行うシステムではネットワークに多数の画像形成装置が接続されているため、インストール作業が煩雑になり、ライセンスの費用も増大する。また、このようなシステムでは画像形成装置の追加や交換が頻繁に行われるため、画像形成装置の追加/交換の度に、フォントデータのインストール作業を実施しなければならない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していない場合であっても、期待した出力結果を得ることができる画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、フォントデータを利用して印刷ジョブを処理する画像形成装置において、前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の装置に前記フォントデータの送付要求を送信するとともに、いずれかの前記他の装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを利用して前記印刷ジョブを処理する機能を備えるものである。
【0013】
また、本発明は、複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおいて、印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の画像形成装置に前記フォントデータの送付要求を送信するとともに、いずれかの前記他の画像形成装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを使用して前記印刷ジョブを処理する機能を備え、前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの送付要求を受信したら、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持している場合は前記フォントデータを返信する機能を備えるものである。
【0014】
また、本発明は、複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおける印刷制御方法であって、印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の画像形成装置に前記フォントデータの送付要求を送信し、前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの送付要求を受信したら、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持している場合は前記フォントデータを返信し、前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、いずれかの前記他の画像形成装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを使用して前記印刷ジョブを処理するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法によれば、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していない場合であっても、期待した出力結果を得ることができる。
【0016】
その理由は、印刷ジョブを処理する画像形成装置は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを自装置内に保持しているかを確認し、保持していない場合は、他の画像形成装置から当該フォントデータを受信する制御を行うからである。また、記憶部の空き容量や利用頻度、ライセンス数などに応じて、フォントデータの記憶/削除の制御を行うからである。
【0017】
これにより、すべての画像形成装置でフォントデータを保持する必要がなくなり、フォントデータのインストールの手間を削減し、フォントデータを保持することによる記憶領域の占有を抑制し、更に、フォントデータのライセンスの問題を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
背景技術で示したように、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを画像形成装置が保持していなければ、文字化けするなどによって期待した出力結果を得ることができない。そのため、印刷指示に際して、所定のフォントデータを保持している画像形成装置を選択しなければならず、特に分散印刷ではその選択が困難になる。一方、全ての画像形成装置にフォントデータを保持させると、フォントデータのインストール作業の手間や記憶領域の占有、ライセンス費用の増加などの問題が生じる。
【0019】
そこで、本発明では、画像形成装置間で自律的にフォントデータの保持情報を交換し合い、印刷ジョブを処理する画像形成装置にフォントデータを保持していなければ他の画像形成装置からフォントデータを送信してもらうことにより、どの画像形成装置で印刷ジョブを処理しても所望の出力結果が得られるようにする。
【0020】
具体的には、印刷ジョブを処理する画像形成装置は、印刷ジョブで利用するフォントデータを保持しているかを確認し、保持していなければ他の画像形成装置にフォントデータの送付要求を送信し、他の画像形成装置から当該フォントデータを受信する。また、フォントデータの送受信を効率的に行うために、他の画像形成装置にフォントデータの有無を問い合わせ、特定の画像形成装置にフォントデータの送付要求を送信する。また、取得したフォントデータを保持することによる記憶領域の占有を抑制するために、空き容量を確認したり、他のフォントデータを削除する。更に、フォントデータを送受信することによるライセンスの問題を解決するために、ライセンス数とフォントデータを保持している画像形成装置の台数を比較し、ライセンス数を超える場合は、他の画像形成装置からそのフォントデータを削除する。以下、その具体例について説明する。
【実施例1】
【0021】
まず、本発明の第1の実施例に係る画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法について、図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本実施例の画像形成システムの構成を示す図であり、図2は、コンピュータ端末の構成、図3及び図4は、画像形成装置の構成を示す図である。また、図5及び図6は、画像形成装置の動作を示すフローチャート図であり、図7は、画像形成装置間の処理を示すシーケンス図である。
【0022】
図1に示すように、本実施例の画像形成システムは、印刷ジョブを送信する1又は複数のコンピュータ端末10と、印刷ジョブを受信して処理を実行する複数の画像形成装置20とで構成され、複数の画像形成装置20は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していない第1の画像形成装置20aと、当該フォントデータを保持している第2の画像形成装置20bとを含む。そして、これらはイーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber-Distributed Data Interface)等の規格により定められるLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワーク30によって接続されている。
【0023】
また、図2に示すように、コンピュータ端末10は、制御部11と、表示部12と、操作部13などで構成される。
【0024】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ11b、HDD(Hard Disk Drive)11c、通信I/F部11dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。CPU11aは、各部の制御を行う。メモリ11bは、HDD11c、通信I/F部11dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分であり、記憶されたデータはCPU11aによって処理され、必要に応じてHDD11cや通信I/F部11dに転送される。HDD11cは、CPU11aが各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、印刷ジョブなどを格納し、CPU11aにより必要に応じて読み出され、メモリ11b上で実行処理される。通信I/F部11dは、通信ネットワーク30を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0025】
上記制御部11は、文書を作成するためのアプリケーションや文書の印刷を指示するプリンタドライバとして機能し、アプリケーションで作成した文書データは、プリンタドライバにより、画像形成装置20で読み取り可能な言語(PCL(Printer Control Language)やPS(Post Script)などのPDL(Page Description Language))の印刷ジョブに変換され、通信I/F部11dを介して画像形成装置20に送信される。
【0026】
表示部12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、画像形成装置20へ送信する印刷ジョブを設定するためのプリンタドライバ画面やプロパティ画面等を表示する。
【0027】
操作部13は、表示部12上に表示された情報を操作したり、情報を入力したりする部分であり、ポインティングデバイス、キーボード、トラックボール、トラックパッド、タブレット、及びスタイラスペンなどで構成される。
【0028】
また、図3に示すように、画像形成装置20(第1の画像形成装置20a及び第2の画像形成装置20b)は、制御部21と、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)22と、画像読取部23と、表示部24と、操作部25と、給紙部26と、画像形成部27と、後処理部28などで構成される。
【0029】
制御部21は、各構成部を制御する部分で、CPU21a、ROMやRAMなどのメモリ21b、HDD21c、通信I/F部21dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。CPU21aは各部の制御などを行う。メモリ21bは、HDD21c、画像読取部23、通信I/F部21dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分で、記憶されたデータはCPU21aによって画像処理され、必要に応じてHDD21cや画像形成部27に転送される。HDD21cは、CPU21aが各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、印刷ジョブで規定された情報を正しく印刷するために必要なデータ(本実施例では印刷ジョブで規定された文字を正しく印刷するためのフォントデータ)などを格納し、CPU21aにより必要に応じて読み出され、メモリ21b上で実行処理される。通信I/F部21dは、通信ネットワーク30を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0030】
上記制御部21は、印刷ジョブを解析し、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを自装置に保持しているかを判断し、フォントデータを保持していない場合は、他の画像形成装置に当該フォントデータの送付要求を送り、他の画像形成装置からフォントデータを受信する機能、受信したフォントデータを利用して印刷ジョブの各ページをラスタライズしてページ毎の画像データを生成し、必要に応じて画像処理(色調整、濃度調整、スライドや縮小などの処理)やスクリーニングを行った後、画像形成部27で印刷可能な印刷画像データに変換する機能を有する。上記機能はハードウェアで実現してもよいし、コンピュータに上記機能を実現させる制御プログラムとして構成し、この制御プログラムを制御部21上で動作させる構成としてもよい。
【0031】
ADF22は、単数もしくは複数枚の原稿用紙を自動で画像読取部23へ搬送する部分である。
【0032】
画像読取部23は、原稿台上の原稿用紙から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0033】
表示部24は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、画像形成装置20を操作するための画面等を表示する。また、操作部25は、ボタンやスイッチ等からなり、各種設定や指示を行う。なお、表示部24と操作部25は別々の装置としても良いし、表示部24上に、透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチパネル)25を設けた一体の装置としてもよく、タッチパネルの場合は、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部21に出力する。
【0034】
給紙部26は、各種サイズの用紙を格納する用紙トレイで構成される。また、格納された用紙を画像形成部27へ送り出す部分を含む。
【0035】
画像形成部27は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成に必要な構成要素で構成され、画像読取部23から読み込んだ画像データ、あるいは通信I/F部21dを介して受け取った印刷ジョブに基づいて、指定された用紙に画像を形成し、後処理部28に送り出す。
【0036】
後処理部28は、画像形成部27から搬送される用紙を、制御部21からの指示により、パンチ・ステープル・製本などのユーザの希望するフィニッシング処理を加えて出力する。
【0037】
なお、画像形成装置20は印刷ジョブに基づいて画像形成が実行可能であればよく、ADF22や画像読取部23、後処理部28等は必ずしも必要ではない。また、第1の画像形成装置20aと第2の画像形成装置20bの構成が異なっていても良い。
【0038】
また、図1乃至図4は、本実施例の画像形成システムの一例であり、適宜変更可能である。例えば、本実施例では、所定のフォントデータを他の画像形成装置から取得する場合を示すが、通信ネットワーク30に接続されるサーバやコンピュータ端末などから取得する構成としてもよい。また、図1では、画像形成システムをコンピュータ端末10と複数の画像形成装置20とで構成したが、複数の画像形成装置20のみで構成してもよいし、画像データを印刷画像データに変換するRIP(Raster Image Processor)コントローラ等の制御装置を通信ネットワーク30に接続し、この制御装置で所定のフォントデータを取得する制御を行ってもよい。
【0039】
以下、上記構成の画像形成システムにおける画像形成装置20の動作について説明する。以下の説明において、コンピュータ端末10では、アプリケーションで作成した文書データがプリンタドライバにより印刷ジョブに変換され、通信I/F部11dを介して第1の画像形成装置20a(通常印刷の場合)、又は、第1の画像形成装置20aを含む複数の画像形成装置20(分散印刷の場合)に送信されたとする。
【0040】
まず、印刷ジョブを受信した画像形成装置の動作について図5のフローチャート図及び図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0041】
画像形成装置20の制御部21は、通信I/F部21dを介して印刷ジョブを受信する(S101)。なお、この印刷ジョブは、コンピュータ端末10から送信されたものに限らず、通信ネットネットワーク30に接続された他の機器(他の画像形成装置やサーバなど)から受信してもよいし、画像形成装置20のHDD21c等から読み出してもよい。
【0042】
次に、制御部21は、受信した印刷ジョブを解析し、内蔵フォントを使用して出力する印刷ジョブであるかを判断する(S102)。内蔵フォントを使用しない場合は、印刷ジョブを処理して出力し(S106)、内蔵フォントを使用する場合は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを自装置のHDD21c等に保持しているかを判断する(S103)。フォントデータを保持している場合は、当該フォントデータを利用して印刷ジョブを処理して出力する(S106)。
【0043】
フォントデータを保持していない場合(第1の画像形成装置20aの場合)は、制御部21は、通信I/F部21dを介して当該フォントデータの送付要求を送信し(S104、図7)、他の画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)から当該フォントデータを受信した後(S105、図7)は、受信したフォントデータを利用して印刷ジョブを処理して出力する(S106)。
【0044】
なお、フォントデータの送付要求の形式は任意であり、送付を要求するフォントデータ及び要求の送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)を特定できる情報を含んでいればよい。
【0045】
また、フォントデータの取得方法も任意である。例えば、POP(Post Office Protocol)サーバやSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバなどのメールサーバを利用して電子メールを送受信する方式を利用してもよいし、WebDAV(Distributed Authoring and Versioning protocol for the WWW)サーバなどのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)サーバを利用してフォントデータを読み取る方式を利用してもよいし、HTTPにSSL(Secure Socket Layer)によるデータの暗号化機能を付加したプロトコルであるHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Security)を用いる方式や、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワークでファイルを転送するときに使用されるプロトコルであるFTP(File Transfer Protocol)を用いる方式などを利用してもよい。
【0046】
次に、フォントデータの送付要求を受けた画像形成装置の動作について図6のフローチャート図及び図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0047】
まず、画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)の制御部21は、通信I/F部21dを介してフォントデータの送付要求を受信する(S201、図7)。
【0048】
次に、制御部21は、受信したフォントデータの送付要求を解析し、フォントデータ及び送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)を特定し、特定したフォントデータを自装置のHDD21c等に保持しているかを判断する(S202)。フォントデータを保持している場合は、当該フォントデータを要求の送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)に送信する(S203、図7)。
【0049】
一方、フォントデータを保持していない場合は、処理を終了(図7)、若しくは、フォントデータを保持していない旨の情報を要求の送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)に送信する。
【0050】
このように、本実施例では、印刷ジョブを受信した画像形成装置20が印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していない場合、制御部は、通信ネットワーク30に接続される他の画像形成装置にフォントデータの送付要求を送信し、他の画像形成装置からフォントデータを受信するため、所定のフォントデータを保持しているか否かにかかわらず、通信ネットワーク30上の任意の画像形成装置20で印刷ジョブを処理することができる。上記効果は、印刷ジョブを1つの画像形成装置で処理する場合でも得られるが、通信ネットワーク30上に多数の画像形成装置20が接続されており、1つの印刷ジョブを複数の画像形成装置20で処理する、いわゆる分散印刷の場合に顕著な効果が得られる。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法について、図8乃至図11を参照して説明する。図8乃至図10は、画像形成装置の動作を示すフローチャート図であり、図11は、画像形成装置間の処理を示すシーケンス図である。
【0052】
前記した第1の実施例では、フォトデータを保持する画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)が複数存在する場合、その複数の画像形成装置20からフォントデータが送られてしまう。そこで、本実施例では、フォトデータの送付要求を送信する前に、各画像形成装置20のフォントデータの保持状態を確認し、フォントデータを保持する一つの画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)に対してのみフォントデータの送付要求を送信するようにする。
【0053】
以下、本実施例の画像形成装置20の動作について説明する。まず、印刷ジョブを受信した画像形成装置の動作について図8のフローチャート図及び図11のシーケンス図を参照して説明する。
【0054】
画像形成装置20の制御部21は、通信I/F部21dを介して印刷ジョブを受信する(S301)。次に、制御部21は、受信した印刷ジョブを解析し、内蔵フォントを使用して出力する印刷ジョブであるかを判断する(S302)。内蔵フォントを使用しない場合は印刷ジョブを処理して出力し(S309)、内蔵フォントを使用する場合は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを自装置のHDD21c等に保持しているかを判断する(S303)。フォントデータを保持している場合は、当該フォントデータを用いて印刷ジョブを処理して出力する(S309)。
【0055】
フォントデータを保持していない場合(第1の画像形成装置20aの場合)は、制御部21は、通信I/F部21dを介して通信ネットワーク30に接続されている他の画像形成装置に当該フォントデータの有無の問い合わせを行う(S304、図11)。そして、他の画像形成装置からフォントデータの有無情報を受信し(S305、図11)、当該フォントデータの送付要求を送信する画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)を決定する(S306)。
【0056】
なお、上記情報の取得方法も任意であり、MIB(Management Information Base)テーブルに保持されている情報をSNMP(Simple Network Management Protocol)により取得する方法や第1の実施例で示した方法などを利用することができる。
【0057】
また、当該フォントデータを保持する画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)が複数ある場合にどの画像形成装置20を選択するかは任意である。例えば、一番先にフォントデータを保持している旨の返信をした画像形成装置20を選択してもよいし、問い合わせに対する返信に自装置の状態を示すステータス情報を含む場合は、ステータスがidle状態の画像形成装置20を選択してもよい。
【0058】
次に、制御部21は、決定した画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)に対してフォントデータの送付要求を送信し(S307、図11)、その画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)から当該フォントデータを受信する(S308、図11)。そして、取得したフォントデータを用いて印刷ジョブを処理して出力する(S309)。
【0059】
次に、フォントデータの有無の問い合わせを受けた画像形成装置の動作について図9のフローチャート図及び図11のシーケンス図を参照して説明する。
【0060】
まず、他の画像形成装置20の制御部21は、通信I/F部21dを介してフォントデータの有無の問い合わせを受信する(S401、図11)。
【0061】
次に、制御部21は、受信した問い合わせを解析し、フォントデータ及び送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)を特定し、特定したフォントデータを自装置のHDD21c等に保持しているかを判断する(S402)。フォントデータを保持している場合は、当該フォントデータの有無情報を要求の送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)に送信する(S403、図11)。
【0062】
一方、フォントデータを保持していない場合は、処理を終了(図11)、若しくは、フォントデータを保持していない旨の情報を要求の送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)に送信する。
【0063】
次に、フォントデータの送付要求を受けた画像形成装置の動作について図10のフローチャート図及び図11のシーケンス図を参照して説明する。
【0064】
まず、画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)の制御部21は、通信I/F部21dを介してフォントデータの送付要求を受信する(S501、図11)。
【0065】
次に、制御部21は、受信したフォントデータの送付要求を解析し、フォントデータ及び送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)を特定し、特定したフォントデータを要求の送付元の画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)に送信する(S502、図11)。
【0066】
このように、本実施例では、印刷ジョブを受信した画像形成装置20が印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを保持していない場合に、制御部は、通信ネットワーク30に接続された他の画像形成装置にフォントデータの有無を問い合わせ、1つの画像形成装置に対してフォントデータの送付要求を送信してフォントデータを受信するため、第1の実施例よりも効率的にフォントデータの送受信を行うことができる。
【実施例3】
【0067】
次に、本発明の第3の実施例に係る画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法について、図12乃至図14を参照して説明する。図12は、画像形成装置の動作を示すフローチャート図であり、図13及び図14は、画像形成装置間の処理を示すシーケンス図である。
【0068】
前記した第1及び第2の実施例では、フォントデータの取得方法について説明したが、フォントデータは容量が大きいため、記憶部(例えば、HDD21c)の残量(空き容量)によっては受信したフォントデータを記憶部に記憶すると記憶領域を占有してしまい、他の処理に支障が生じる場合も考えられる。そこで、本実施例では、他の画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)から受信したフォントデータを利用して出力した後に、記憶領域の記憶領域の残量確認を行い、記憶領域の残量が少ない場合には記憶領域内に保持しているフォントデータの削除を行うようにする。
【0069】
その際、削除対象のフォントデータは画像形成システム内のどこか一つの画像形成装置20には存在している必要があるため、フォントデータの有無を確認する。そして、画像形成システム内の他の画像形成装置20に削除対象のフォントデータが保持されている場合は印刷ジョブを処理する画像形成装置20の記憶部からそのフォントデータを削除する。また、他の画像形成装置20に削除対象のフォントデータが保持されていない場合は、そのフォントデータの削除は行わず、次に削除対象となるフォントデータに関して同様にフォントデータの有無を確認する。
【0070】
以下、フォントデータを受信した画像形成装置の動作について図12のフローチャート図、図13及び図14のシーケンス図を参照して説明する。なお、以下では、フォントデータを受信するステップから説明するが、その前の処理に関しては前記した第1及び第2の実施例と同様である。
【0071】
画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)の制御部21は、他の画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)からフォントデータを受信する(S601)。次に、制御部21は、取得したフォントデータを用いて印刷ジョブを処理して出力する(S602)。
【0072】
次に、制御部21は、自装置の記憶部(例えば、HDD31c)の記憶領域の残量と予め定めた閾値とを比較し(S603)、残量が閾値より大きければフォントデータを記憶部(例えば、HDD31c)に記憶して処理を終了する。一方、残量が閾値以下であれば、削除するフォントデータを決定する(S604)。削除対象のフォントデータを決定する方法としては、予め記憶した利用頻度テーブルを参照して、一定期間内で使用された回数の少ないフォントデータから順に削除対象とする方法や、最後に使用された日時が古いフォントデータから順に削除対象とする方法などがある。
【0073】
次に、制御部21は、通信I/F部21dを介して通信ネットワーク30に接続されている他の画像形成装置から、どのようなフォントデータを保持しているかの情報を取得する。この情報は第2の実施例と同様の方法を用いて取得することができる。そして、ステップS604で決定したフォントデータが画像形成システム内のいずれかの画像形成装置20に保持されているかを確認する(S605)。
【0074】
決定したフォントデータが画像形成システム内のいずれかの画像形成装置20に保持されている場合は、そのフォントデータを記憶部(例えば、HDD31c)から削除した後、受信したフォントデータを記憶部に記憶して処理を終了する(S606、図13)。
【0075】
一方、決定したフォントデータがいずれの画像形成装置20にも保持されていない場合は、ステップS604に戻って削除するフォントデータを決定し直し、新たに決定したフォントデータが画像形成システム内のいずれかの画像形成装置20に保持されているかを確認し(S605)、そのフォントデータが画像形成システム内のいずれかの画像形成装置20に保持されていれば、そのフォントデータを記憶部(例えば、HDD31c)から削除した後、受信したフォントデータを記憶部に記憶して処理を終了する(S606、図14)。
【0076】
なお、上記フローでは、記憶領域の容量確認を印刷ジョブの出力後に行ったが、一定時間毎に行ってもよい。
【0077】
このように、本実施例では、フォントデータを受信した後に記憶領域の残量を判断し、残量が少ない場合は他のフォントデータを削除する制御を行うため、フォントデータを記憶することによってその後の画像形成装置20の処理に支障が生じることはなく、画像形成システムの処理を効率的に実行することができる。
【実施例4】
【0078】
次に、本発明の第4の実施例に係る画像形成装置及び画像形成システム並びに印刷制御方法について、図15を参照して説明する。図15は、画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。
【0079】
前記した第3の実施例では、画像形成装置20の記憶領域の残量をフォントデータ削除の判断に使用したが、フォントデータは使用に際してライセンスが必要になる場合が多いため、フォントデータの取得や削除を行う際にはライセンス数を考慮する必要がある。そこで、本実施例では、画像形成システム全体で使用できるライセンス数を判断材料としてフォントデータの取得及び削除を制御する。
【0080】
以下、印刷ジョブを受信した画像形成装置の動作について図15のフローチャート図を参照して説明する。なお、以下では、印刷ジョブの出力ステップまで説明するが、それ以降の処理に関しては前記した第3の実施例と同様である。
【0081】
画像形成装置20の制御部21は、通信I/F部21dを介して印刷ジョブを受信し、(S701)、受信した印刷ジョブが内蔵フォントを使用して出力する印刷ジョブであるかを判断する(S702)。内蔵フォントを使用しない場合は印刷ジョブを処理して出力し(S710)、内蔵フォントを使用する場合は、印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを自装置のHDD21c等に保持しているかを判断する(S703)。フォントデータを保持している場合は、当該フォントデータを用いて印刷ジョブを処理して出力する(S710)。
【0082】
フォントデータを保持していない場合(第1の画像形成装置20aの場合)は、制御部21は、通信I/F部21dを介して通信ネットワーク30に接続されている他の画像形成装置に当該フォントデータの有無の問い合わせを行い(S704)、他の画像形成装置からフォントデータの有無情報を受信する(S705)。
【0083】
次に、制御部21は、受信したフォントデータの有無情報に基づいて画像形成システム全体におけるフォントデータを保持する画像形成装置20の台数を確認し(S706)、フォントデータを保持する画像形成装置20の台数が当該フォントデータのライセンス数より少なければ、当該フォントデータの送付要求を送信する画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)を決定し(S707)、フォントデータの送付要求を送信して(S708)、当該フォントデータを受信し(S709)、受信したフォントデータを利用して印刷ジョブを処理して出力する(S710)。
【0084】
一方、フォントデータを保持する画像形成装置20の台数が当該フォントデータのライセンス数に達していれば、当該フォントデータの送付要求を送信する画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)を決定して(S711)、フォントデータの送付要求を送信し(S712)、当該フォントデータを受信する(S713)。その後、その画像形成装置20(第2の画像形成装置20b)にフォントデータの削除要求を送信する(S714)。
【0085】
なお、フォントデータの削除要求を送る画像形成装置20を決定する方法は任意であり、例えば、予め記憶した利用頻度テーブルを参照して、当該フォントデータが一定期間内で使用された回数の少ない画像形成装置20を削除対象とする方法や、当該フォントデータが最後に使用された日時が古い画像形成装置20を削除対象とする方法などを用いることができる。
【0086】
そして、フォントデータの削除要求を送信した画像形成装置20から、フォントデータの削除済みステータスを受信したら(S715)、S713で受信したフォントデータを利用して印刷ジョブを処理して出力する(S710)。
【0087】
なお、フォントデータ削除要求はフォントデータを送信した画像形成装置20に対して行ってもよいし、フォントデータの有無の問い合わせに対して、自装置におけるフォントデータの利用頻度情報を付加して返信する場合は、画像形成システム全体で利用頻度の少ない画像形成装置20に対して、フォントデータの削除要求を送信してもよい。
【0088】
また、上記では、他の画像形成装置(第2の画像形成装置20b)からフォントデータを削除する構成としたが、画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)で印刷ジョブを処理した後に、当該画像形成装置20(第1の画像形成装置20a)内のフォントデータを削除する構成としてもよい。
【0089】
このように、本実施例では、フォントデータを取得する際に、そのフォントデータを保持する画像形成装置20の台数とライセンス数とを比較し、ライセンス数に達している場合は、他の画像形成装置20が当該フォントデータを削除したことを確認した後にそのフォントデータを使用するため、ライセンス数を超えてフォントデータを使用することがなく、画像形成システムで適切な処理を実行することができる。
【0090】
なお、上記各実施例では、フォントデータを取得する場合について記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、印刷ジョブで規定された情報を正しく印刷するために必要となる任意のデータ(テンプレートデータのようにレイアウトが崩れても情報自体は正しく印刷されるデータを除く。)に対して同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、画像形成装置及び複数の画像形成装置を含む画像形成システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像形成システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るコンピュータ端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置(印刷ジョブを受信した画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置(フォントデータ送付要求を受信した画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置(印刷ジョブを受信した画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置(フォント有無を受けた画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置(フォントデータ送付要求を受信した画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係る画像形成装置(印刷ジョブを受信した画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係る画像形成装置間の処理を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係る画像形成装置間の処理の他の例を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第4の実施例に係る画像形成装置(印刷ジョブを受信した画像形成装置)の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0093】
10 コンピュータ端末
11 制御部
11a CPU
11b メモリ
11c HDD
11d 通信I/F部
12 表示部
13 操作部
20 画像形成装置
21 制御部
21a CPU
21b メモリ
21c HDD
21d 通信I/F部
22 ADF
23 画像読取部
24 表示部
25 操作部
26 給紙部
27 画像形成部
28 後処理部
30 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォントデータを利用して印刷ジョブを処理する画像形成装置において、
前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の装置に前記フォントデータの送付要求を送信するとともに、いずれかの前記他の装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを利用して前記印刷ジョブを処理する機能を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記他の装置に前記フォントデータの有無を問い合わせ、前記他の装置からの前記フォントデータの有無情報に基づいて、当該フォントデータを保持している装置を特定し、特定した装置の中から選択された1つの装置に対して、前記フォントデータの送付要求を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記フォントデータの有無情報と当該有無情報に付加されたステータス情報とに基づいて、前記フォントデータを保持し、かつ、ステータスがアイドル状態の装置を特定し、特定した装置の中から選択された1つの装置に対して、前記フォントデータの送付要求を送信することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記記憶部の空き容量と予め定めた閾値とを比較し、前記空き容量が前記閾値より大きい場合は、受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記空き容量が前記閾値以下の場合は、予め記憶した使用履歴情報に基づいてフォントデータの削除の優先順位を決定し、前記優先順位が高く、かつ、いずれかの装置に保持されているフォントデータを前記記憶部から削除した後、前記受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記フォントデータのライセンス数と前記フォントデータを保持している装置の台数とを比較し、前記台数が前記ライセンス数に達している場合は、前記フォントデータを保持しているいずれかの装置に前記フォントデータの削除要求を送信し、前記フォントデータを削除した通知を受信した後、前記受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおいて、
印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の画像形成装置に前記フォントデータの送付要求を送信するとともに、いずれかの前記他の画像形成装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを使用して前記印刷ジョブを処理する機能を備え、
前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの送付要求を受信したら、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持している場合は前記フォントデータを返信する機能を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記他の画像形成装置に前記フォントデータの有無を問い合わせ、前記他の画像形成装置からの前記フォントデータの有無情報に基づいて、当該フォントデータを保持している画像形成装置を特定し、特定した画像形成装置の中から選択された1つの画像形成装置に対して、前記フォントデータの送付要求を送信し、
前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの有無の問い合わせを受信したら、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断して前記フォントデータの有無情報を返信し、更に、前記フォントデータの送付要求を受信したら、前記フォントデータを返信することを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの有無の問い合わせに対して、前記フォントデータの有無情報にステータス情報を付加して返信し、
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記フォントデータを保持し、かつ、前記ステータスがアイドル状態の画像形成装置を特定し、特定した画像形成装置の中から選択された1つの画像形成装置に対して、前記フォントデータの送付要求を送信することを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記記憶部の空き容量と予め定めた閾値とを比較し、前記空き容量が前記閾値より大きい場合は、受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記空き容量が前記閾値以下の場合は、予め記憶した使用履歴情報に基づいてフォントデータの削除の優先順位を決定し、前記優先順位が高く、かつ、いずれかの前記他の画像形成装置に保持されているフォントデータを前記記憶部から削除した後、前記受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項10に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記フォントデータのライセンス数と前記フォントデータを保持している画像形成装置の台数とを比較し、前記台数が前記ライセンス数に達している場合は、前記フォントデータを保持しているいずれかの画像形成装置に前記フォントデータの削除要求を送信し、前記フォントデータを削除した通知を受信した後、前記フォントデータを前記記憶部に記憶し、
前記フォントデータの削除要求を受信した画像形成装置は、前記フォントデータを記憶部から削除した後、当該フォントデータを削除した通知を返信することを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記印刷ジョブは、複数の画像形成装置に分散して印刷処理を実行させるジョブであることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一に記載の画像形成システム。
【請求項14】
複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおける印刷制御方法であって、
印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記印刷ジョブを解析して当該印刷ジョブの処理に必要なフォントデータを特定し、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持していない場合には、通信ネットワークに接続されている他の画像形成装置に前記フォントデータの送付要求を送信し、
前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの送付要求を受信したら、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断し、前記フォントデータを保持している場合は前記フォントデータを返信し、
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、いずれかの前記他の画像形成装置から前記フォントデータを受信し、受信した前記フォントデータを使用して前記印刷ジョブを処理することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項15】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記他の画像形成装置に前記フォントデータの有無を問い合わせ、
前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの有無の問い合わせを受信したら、前記フォントデータを自装置の記憶部に保持しているかを判断して前記フォントデータの有無情報を返信し、
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記フォントデータの有無情報に基づいて、当該フォントデータを保持している画像形成装置を特定し、特定した画像形成装置の中から選択した1つの画像形成装置に対して、前記フォントデータの送付要求を送信し、
前記フォントデータの送付要求を受信した画像形成装置は、前記フォントデータを返信することを特徴とする請求項14に記載の印刷制御方法。
【請求項16】
前記他の画像形成装置は、前記フォントデータの有無の問い合わせに対して、前記フォントデータの有無情報にステータス情報を付加して返信し、
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記フォントデータを保持し、かつ、前記ステータスがアイドル状態の画像形成装置を特定し、特定した画像形成装置の中から選択した1つの画像形成装置に対して、前記フォントデータの送付要求を送信することを特徴とする請求項15に記載の印刷制御方法。
【請求項17】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記記憶部の空き容量と予め定めた閾値とを比較し、前記空き容量が前記閾値より大きい場合は、受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一に記載の印刷制御方法。
【請求項18】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記空き容量が前記閾値以下の場合は、予め記憶した使用履歴情報に基づいてフォントデータの削除の優先順位を決定し、前記優先順位が高く、かつ、いずれかの前記他の画像形成装置に保持されているフォントデータを前記記憶部から削除した後、前記受信したフォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項17に記載の印刷制御方法。
【請求項19】
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記フォントデータのライセンス数と前記フォントデータを保持している画像形成装置の台数とを比較し、前記台数が前記ライセンス数に達している場合は、前記フォントデータを保持しているいずれかの画像形成装置に前記フォントデータの削除要求を送信し、
前記フォントデータの削除要求を受信した画像形成装置は、前記フォントデータを記憶部から削除した後、当該フォントデータを削除した通知を返信し、
前記印刷ジョブを処理する画像形成装置は、前記フォントデータを削除した通知を受信した後、前記フォントデータを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項17又は18に記載の印刷制御方法。
【請求項20】
前記印刷ジョブは、複数の画像形成装置に分散して印刷処理を実行させるジョブであることを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一に記載の印刷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−137455(P2010−137455A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316747(P2008−316747)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】