説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】複数のファイルについて印刷を行う場合の作業を簡素化することができるようにする。
【解決手段】記憶部に記録された複数のファイルを選択するファイル選択部15と、パスワードを入力するための操作部と、前記ファイル選択部15によって選択された複数のファイルを前記記憶部から抽出するファイル取出部103と、前記ファイル選択部15によって選択された複数のファイルにパスワードが設定されているかどうかを判断するパスワード設定判断処理部105と、設定されているパスワードについて検証を行うパスワード検証部23と、前記ファイルを印刷するための印刷部と、該印刷部の制御を行う印刷制御部27とを有する。複数のファイルに設定されている複数のパスワードについて検証が行われた後、印刷が開始されるので、印刷を行うための作業を簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、記憶部からデータファイルを直接取り出して印刷を行うダイレクトプリントの機能を有する複合機においては、前記記憶部に記録された文書ファイル、画像ファイル等のファイルを選択して印刷を行うことができるようになっている。
【0003】
そして、あらかじめパスワードが設定されたファイルについては、操作者がパスワードを入力し、入力されたパスワードとあらかじめ設定されたパスワードとが一致する場合に、印刷を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−201044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の複合機において、複数のファイルについて印刷を行う場合、操作者は、一つのファイルを選択し、パスワードを入力して印刷を行い、印刷が終了した後に、次のファイルを選択し、パスワードを入力して印刷を行う必要があり、作業が煩わしい。
【0006】
本発明は、前記従来の複合機の問題点を解決して、複数のファイルについて印刷を行う場合の作業を簡素化することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像形成装置においては、記憶部に記録された複数のファイルを選択するファイル選択部と、パスワードを入力するための操作部と、前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルを前記記憶部から抽出するファイル取出部と、前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルにパスワードが設定されているかどうかを判断するパスワード設定判断処理部と、設定されているパスワードと入力されたパスワードとが一致するかどうかによって、設定されているパスワードについて検証を行うパスワード検証部と、前記ファイルを印刷するための印刷部と、該印刷部の制御を行う印刷制御部とを有する。
【0008】
そして、該印刷制御部は、複数のファイルに設定されている複数のパスワードについて検証が終了した後、前記印刷部による印刷を開始する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、記憶部に記録された複数のファイルを選択するファイル選択部と、パスワードを入力するための操作部と、前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルを前記記憶部から抽出するファイル取出部と、前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルにパスワードが設定されているかどうかを判断するパスワード設定判断処理部と、設定されているパスワードと入力されたパスワードとが一致するかどうかによって、設定されているパスワードについて検証を行うパスワード検証部と、前記ファイルを印刷するための印刷部と、該印刷部の制御を行う印刷制御部とを有する。
【0010】
そして、該印刷制御部は、複数のファイルに設定されている複数のパスワードについて検証が終了した後、前記印刷部による印刷を開始する。
【0011】
この場合、選択された複数のファイルについてパスワードが設定されているかどうかが判断され、パスワードが設定されている各ファイルについて、設定されているパスワードと操作者によって入力されたパスワードとが一致するかどうかによって設定されているパスワードについて検証が行われた後に、印刷が開始されるので、印刷を行うための作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における複合機の概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における操作パネルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における複合機の動作を示す第1のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における複合機の動作を示す第2のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第1の図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第2の図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるファイルシステム制御部の動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第3の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第4の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第5の図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第6の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における複合機の概念図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第1のフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第2のフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施の形態における複合機の第1の動作と並行して行われる第2の動作のフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第1のフローチャートである。
【図21】本発明の第3の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第2のフローチャートである。
【図22】本発明の第3の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第1の図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第2の図である。
【図26】本発明の第5の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【図27】本発明の第5の実施の形態における複合機の動作を示す第1のフローチャートである。
【図28】本発明の第5の実施の形態における複合機の動作を示す第2のフローチャートである。
【図29】本発明の第5の実施の形態における印刷順序制御処理のサブルーチンを示す図である。
【図30】本発明の第5の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第1の図である。
【図31】本発明の第5の実施の形態におけるファイルの特性情報を示す図である。
【図32】本発明の第5の実施の形態における印刷優先順位リストの例を示す第1の図である。
【図33】本発明の第5の実施の形態における印刷優先順位リストの例を示す第2の図である。
【図34】本発明の第5の実施の形態における印刷優先順位リストの例を示す第3の図である。
【図35】本発明の第5の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第2の図である。
【図36】本発明の第5の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置として、外部記憶装置からデータファイルを直接取り出して印刷を行うダイレクトプリントの機能を有する複合機について説明する。
【0014】
図2は本発明の第1の実施の形態における複合機の概念図、図3は本発明の第1の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【0015】
図において、11は複合機であり、該複合機11は、第1の画像処理部としてのスキャナ30、操作・表示部としての操作パネル33、USBインタフェース34、複数の原稿を載置することができ、原稿を1枚ずつ前記スキャナ30に供給する自動原稿供給部(Auto Document Feeder)35、第2の画像処理部としてのプリンタ36等を備え、該プリンタ36は、画像形成部としての、かつ、印刷部としてのワイヤドット式、インクジェット式、電子写真式等の各種の印刷機構37、媒体としての用紙を収容し、前記印刷機構37に供給するための媒体収容部としての用紙カセット38等を備える。
【0016】
前記印刷機構37は、電子写真式のプリンタ36の場合、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤としてのトナーに基づいて、各色の画像を形成する画像形成ユニット、各画像形成ユニットに配設された像担持体としての感光体ドラムと対向させて配設され、感光体ドラム上に潜像としての静電潜像を形成するための露光装置としてのLEDヘッド(印刷ヘッド)、前記感光体ドラムと対向させて配設され、各色の現像剤像としてのトナー像を順次重ねて用紙に転写し、カラーのトナー像を形成する転写部材としての転写ローラ、カラーのトナー像を用紙に定着させる定着装置としての定着器等を備える。また、各画像形成ユニットには、前記感光体ドラム、該感光体ドラムを一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器、転写後に感光体ドラムの表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置等が配設される。
【0017】
なお、本実施の形態においては、自動原稿供給部35に各種のサイズ(用紙サイズ)の原稿、例えば、A3判の原稿が載置され、用紙カセット38にA3判の用紙が収容されるようになっているが、他のサイズの原稿を自動原稿供給部35に載置したり、他のサイズの用紙を用紙カセット38に収容することができる。
【0018】
そして、前記スキャナ30は、前記自動原稿供給部35によって供給された原稿をスキャンする(読み取る)ための図示されないスキャンヘッドを備えたスキャナ本体30a、透明なガラス、プラスチック等によって形成され、前記スキャナ本体30aの上に配設され、原稿をセットするためのフラットベッド32、該フラットベッド32を覆い、原稿がスキャンされるときに原稿に当てられる光が外部に漏れないように遮断するためのスキャナカバー31等を備える。
【0019】
また、前記USBインタフェース34は、外部記憶装置としての、かつ、記憶部としての、かつ、本体装置に対して着脱自在に配設された記録媒体としてのUSBメモリ101をセットするためのインタフェースである。そして、前記USBメモリ101には、複合機11のダイレクトプリントの機能によって直接印刷を行う(画像を形成する)ための、文書データによって構成される文書ファイル、画像データによって構成される画像ファイル等の印刷の対象となる複数のファイルが記録される。なお、ダイレクトプリントの対象となるファイルのフォーマットは、文書ファイルの場合、PDF、XPS等であり、画像ファイルの場合、JPEG、PNG、TIFF等である。また、前記USBメモリ101には、複合機11のScan To USB Memoryの機能によって読み取った画像ファイルを記録することができる。
【0020】
そして、図3に示されるように、複合機11に配設されたコントロールユニット基板において、スキャナ30、操作パネル33、USBインタフェース34、プリンタ36、複合機11の全体の制御を行う制御部としてのCPU40、第1の記憶装置としてのRAM41、画像処理手段としての画像処理ASIC45、複合機11と外部のコンピュータとをイーサネット(登録商標)によるLANで接続するためのネットワークインタフェース42、及び第2の記憶装置としての、かつ、記録媒体としてのHDD(ハードディスクドライブ)43が、バス44を介して接続される。なお、前記画像処理ASIC45は、原稿をスキャンすることによって読み取られた画像、ダイレクトプリントの機能によって直接印刷を行うためのファイルに含まれた画像等に対して高速で画像処理を行う。また、前記バス44は、各種の信号、データ等の送受信、同期制御等を行うために配設された複数の信号線を備える。
【0021】
次に、前記操作パネル33について説明する。
【0022】
図4は本発明の第1の実施の形態における操作パネルを示す図である。
【0023】
図において、33は操作パネル、51は、該操作パネル33の中央に形成され、各種の画面を形成するための表示部としての液晶ディスプレイ(LCD)、52(52a、52b)は液晶ディスプレイ51の周囲に形成された操作部であり、該操作部52は、操作要素としてのボタンk1〜k4、k11〜k13を備える。なお、本実施の形態において、前記液晶ディスプレイ51は、タッチパネルによって構成され、操作部としても機能する。
【0024】
操作者が前記ボタンk1〜k4をそれぞれ押下することによって、複合機11において、コピー(Copy)、ファクシミリ(FAX)、スキャン(ScanTo)、又はダイレクトプリント(DirectPrint)の各機能を選択することができる。また、ボタンk13を押下することによってカラー印刷又はカラースキャンを開始することができ、ボタンk12を押下することによってモノクロ印刷又はモノクロスキャンを開始することができ、ボタンk11を押下することによって前記各機能における処理を停止させることができる。
【0025】
なお、操作者が複合機11を利用する場合、最初にボタンk1〜k4のうちの所定のボタン、例えば、ボタンk4を押下すると、図に示されるように、ダイレクトプリントの機能が選択され、液晶ディスプレイ51にダイレクトプリントの機能用の初期画面が形成され、該初期画面に、複数の項目を示す各キーqi(i=1、2、…)から成る操作メニューm1が表示される。操作者は、液晶ディスプレイ51に表示された所定のキーqiにタッチ(押下)することによって、項目を選択することができる。なお、前記液晶ディスプレイ51には、操作メニューm1のほかに、操作者に対するメッセージms1、指示等が表示される。
【0026】
次に、前記CPU40について説明する。
【0027】
図1は本発明の第1の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【0028】
図に示されるように、CPU40は、操作パネル制御処理手段としての操作パネル制御部13、ファイルシステム制御処理手段としてのファイルシステム制御部20、USBメモリI/O制御処理手段としてのUSBメモリI/O制御部21、暗号処理手段としての暗号処理部25、データ変換処理手段としてのデータ変換部26、印刷制御処理手段としての印刷制御部27、ファイル取出処理手段としてのファイル取出部103、パスワード設定判断処理手段としてのパスワード設定判断処理部105、次ファイル判断処理手段としての次ファイル判断処理部107、機能設定処理手段としての機能設定処理部109等の各処理部(処理手段)を備える。
【0029】
そして、前記操作パネル制御部13は、表示処理手段としての表示処理部14、ファイル取出処理手段としてのファイル選択部15、及びパスワード入力処理手段としてのパスワード入力部16の各処理部(処理手段)を備え、前記暗号処理部25は、暗号化ファイル検出処理手段としての暗号化ファイル検出部22、パスワード検証処理手段としてのパスワード検証部23、及び復号処理手段としての復号処理部24の各処理部(処理手段)を備える。前記ファイル取出部103は、ファイル取出処理を行い、ファイル選択部15の選択に基づいてUSBメモリ101に記録されたファイルを読み出す(抽出する)。
【0030】
前記CPU40は、複合機11の全体の制御を行い、例えば、前記操作パネル制御部13、ファイルシステム制御部20、USBメモリI/O制御部21、暗号処理部25、データ変換部26及び印刷制御部27に対して適宜指示を送る。
【0031】
前記操作パネル制御部13は、操作パネル制御処理を行い、液晶ディスプレイ51にメッセージ、指示等を表示したり、操作者がボタンk1〜k4、k11〜k13、キーqi等を押下したり、タッチしたりしたときの信号を取得したり、複合機11の各機能における設定値を管理したり、前記各処理部に処理を開始するための指示を送ったりする。
【0032】
また、前記ファイルシステム制御部20は、ファイルシステム制御処理を行い、HDD43のファイルシステム、前記USBインタフェース34を介してアクセスすることができるUSBメモリ101のファイルシステム、ネットワークインタフェース42を介してアクセスすることができるネットワークサーバ上のファイルシステム等にアクセスし、HDD43、USBメモリ101、ネットワークサーバ上の記憶装置としてのRAM、ROM等の各メモリにファイルを取り込んだり、各メモリからファイルを取り出したりする。
【0033】
そして、前記USBメモリI/O制御部21は、USBインタフェース34を作動させるためのデバイスドライバであり、操作者が複合機11のUSBインタフェース34にセットしたUSBメモリ101からファイルを取り出し、ファイルシステム制御部20に送る。
【0034】
また、前記暗号処理部25は、任意の容量のデータについて暗号化及び復号化のデータ処理を行う。この場合、暗号化のデータ処理において、暗号処理部25は、暗証用のキーとなる固定長の文字列(例えば、32バイト)に基づいて、暗号化の対象となる任意の容量の平分のデータを暗号化して、暗号化データを作成する。また、復号化のデータ処理においても、前記復号処理部24は、復号処理を行い、キーとなる固定長の文字列に基づいて暗号化データを復号化する。なお、キーとなる固定長の文字列は、操作者が設定したパスワード及びファイルに関連するその他の情報に基づいて、所定のデータ変換処理によって作成される。
【0035】
ところで、本実施の形態においては、ダイレクトプリントの機能によってUSBメモリ101に記録された複数のファイルについて印刷を行うことができるようになっているが、複数のファイルについて印刷を行う場合において、各ファイルのうちの所定のファイルにパスワードが設定されている場合、一つのファイルを選択し、パスワードを入力して印刷を行い、印刷が終了した後に、次のファイルを選択し、パスワードを入力して印刷を行う必要があると、作業が煩わしい。
【0036】
そこで、本実施の形態においては、パスワードが設定されているすべてのファイルについて、操作者がパスワードをあらかじめ入力して印刷を行うようになっている。
【0037】
次に、複数のファイルについて印刷を行う場合の複合機11の動作について説明する。
【0038】
図5は本発明の第1の実施の形態における複合機の動作を示す第1のフローチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における複合機の動作を示す第2のフローチャート、図7は本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第1の図、図8は本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第2の図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるファイルシステム制御部の動作を説明するための図、図10は本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第3の図、図11は本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第4の図、図12は本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第5の図、図13は本発明の第1の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第6の図である。
【0039】
まず、操作者が、ボタンk4(図4)を押下し、ダイレクトプリントの機能を選択すると、CPU40の前記機能設定処理部109(図1)は、機能設定処理を行い、ダイレクトプリントの機能を複合機11に設定する(図5ステップS1)。これに伴って、前記表示処理部14は、表示処理を行い、液晶ディスプレイ51に、図4に示されるような初期画面を形成し、該初期画面にファイルの記録先(本実施の形態においては、HDD43、USBメモリ101及びネットワークサーバのメモリ)をキーq1〜q3とする操作メニューm1を表示するとともに、メッセージms1を表示して、どの記録先からファイルを取り出すかを操作者に問い合わせる(図5ステップS2)。
【0040】
このとき、例えば、操作者が液晶ディスプレイ51に表示された項目2の箇所、すなわち、キーq2にタッチし、ファイルの記録先としてUSBメモリ101を選択すると、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図7に示されるような操作案内用画面を形成し、該操作案内用画面にメッセージms2を表示して、USBメモリ101をUSBインタフェース34にセットするよう操作者に指示する。
【0041】
そして、操作者がメッセージに従ってUSBメモリ101をUSBインタフェース34にセットすると、前記USBメモリI/O制御部21はUSBメモリ101がセットされたことを検出し、表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図8に示されるようなファイル選択用画面を形成し、該ファイル選択用画面にUSBメモリ101に記録されたファイルfi(i=1、2、…、n)を一覧で表示するとともに、メッセージms3を表示して、印刷を行うファイルを選択するよう操作者に指示する(図5ステップS3)。
【0042】
なお、図8において、61は一覧に表示された各ファイルが記録されたフォルダ、66a、66bは該フォルダ61に他のファイルが記録されている場合に、左方向又は右方向に表示内容をスクロールさせるための操作要素としてのシフトキーである。
【0043】
続いて、操作者が、前記ファイル選択用画面において、表示されたファイルfiの一覧から任意のファイル、本実施の形態においては、ファイルfj(f1、f3)をタッチすることによって選択すると、前記表示処理部14は、選択された前記各ファイルfjについて、文字及びバックグラウンドを白黒反転させて表示する(なお、図8においては、便宜上、選択されたファイルfjのバックグラウンドが網目にされる。)。
【0044】
そして、前記ファイル選択部15は、表示された前記各ファイルfjを選択し、ファイル取出部103は、選択された前記各ファイルfjをUSBメモリ101から取り出す(読み出す。)(図5ステップS4)。
【0045】
次に、操作者がボタンk12を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるモノクロ印刷を行うための処理が開始され、ボタンk13を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるカラー印刷を行うための処理が開始される。
【0046】
続いて、CPU40のパスワード設定判断処理部105は、パスワード設定判断処理を行い、前記各ファイルfjを順次選択し、最初に選択したファイル、本実施の形態においては、ファイルf1にパスワードが設定されているかどうかを判断する。
【0047】
そのために、前記パスワード設定判断処理部105は、前記暗号化ファイル検出部22に、ファイルf1の記録先及びファイルf1の名称を通知する。そして、前記暗号化ファイル検出部22は、暗号化ファイル検出処理を行い、ファイルf1の内容を読み出すために、前記ファイルシステム制御部20にファイルデータ読出要求を送る。
【0048】
前記ファイルシステム制御部20は、暗号化ファイル検出部22からファイルデータ読出要求を受けると、図9に示されるように、RAM41のメモリ領域に、所定のサイズ(メモリ容量)のバッファ領域95を作成し、USBメモリ101のファイルシステム91にアクセスし、ファイルf1の内容を表すデータ、すなわち、ファイルデータをバッファ領域95に複写する。このとき、ファイルf1におけるデータ領域93に記録されたパスワード等もファイルデータとしてバッファ領域95に複写される。
【0049】
したがって、暗号化ファイル検出部22は、バッファ領域95に複写されたファイルデータを介して、間接的にファイルf1のファイルデータを参照することができる。
【0050】
そして、前記暗号化ファイル検出部22は、ファイルf1の所定の拡張子及びファイルf1の先頭領域の情報にアクセスすることによって、ファイルf1におけるデータ領域93の位置を判断し、データ領域93に記録されたデータを、バッファ領域95から読み出し(取得し)、前記パスワード設定判断処理部105に送る。パスワード設定判断処理部105は、暗号化ファイル検出部22から送られたデータにパスワードが含まれているかどうかによって、ファイルf1にパスワードが設定されているかどうかを判断する(図5ステップS5)。
【0051】
続いて、ファイルf1にパスワードが設定されている場合(図5ステップS6のY)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図10に示されるようなパスワード入力用画面を形成し、該パスワード入力用画面にファイルf1の名称、及びメッセージms4を表示して、ファイルf1のパスワードを入力するよう操作者に指示するとともに、パスワードを入力するための操作要素としての文字列の一覧71を表示する。操作者が、文字列の一覧71における所定のキーにタッチすることによってパスワードを入力すると、前記パスワード入力部16は、パスワード入力処理を行い、入力されたパスワードを読み込み、パスワード、ファイルf1の名称、ファイルf1が記録されたフォルダ61の場所情報等をパスワード検証部23に通知する(図5ステップS7)。
【0052】
該パスワード検証部23は、パスワード検証処理を行い、ファイルシステム制御部20を介して、バッファ領域95からパスワードを読み出し、判定アルゴリズムに基づいて、バッファ領域95から読み出したパスワードと操作者によって入力されたパスワードとが一致するかどうかを判断し、判断結果をCPU40に通知する(図5ステップS8)。
【0053】
前記パスワード設定判断処理においてパスワードが設定されていないと判断された場合(図5ステップS6のN)、及び前記パスワード検証処理においてパスワードが一致すると判断された場合(図5ステップS9のY)、CPU40の次ファイル判断処理部107は、次ファイル判断処理を行い、前記パスワード設定判断処理部105によって、次に選択されたファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し(図5ステップS10)、ファイルf3がある場合(図5ステップS10のY)、ファイルf3について前記パスワード設定判断処理、パスワード入力処理、パスワード検証処理等の各処理が行われる。
【0054】
一方、パスワードが一致しない場合(図5ステップS9のN)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図11に示されるパスワード再入力用画面を形成し、該パスワード再入力用画面にメッセージms5を表示して、パスワードが一致しない旨を操作者に通知するとともに、パスワードを再度入力するための操作要素としてのキーq11、並びにパスワード検証及び印刷をキャンセルするための操作要素としてのキーq12を表示して、パスワードを再度入力するよう操作者に指示する。操作者がキーq11にタッチすると、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に前記パスワード入力用画面を再び形成する。また、操作者がキーq12にタッチすると、CPU40は図5の処理を終了し、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に前記初期画面を形成する。なお、選択された各ファイルfjに対して操作者が入力したパスワード、パスワード検証処理においてバッファ領域95から読み出したパスワード等は、中間データとしてRAM41に記録されるので、その後、随時利用することができる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、パスワードが一致しない場合(図5ステップS9のN)において、操作者が図11に示されるようなパスワード再入力画面に形成されたキーq12にタッチすると、CPU40は図5の処理を終了するようになっているが、キャンセルされたパスワード検証処理に対応するファイルの選択だけを無効にし、他の選択されたファイルについては、図5の処理を継続してパスワード検証を行うようにすることができる。
【0056】
このようにして、すべてのファイルfjについて前記パスワード設定判断処理、パスワード入力処理、パスワード検証処理等の各処理が行われると(図5ステップS10のN)、前記暗号処理部25は、前記各ファイルfjの名称、各ファイルfjが記録されたフォルダ61の場所情報等をデータ変換部26に送る。
【0057】
該データ変換部26は、データ変換処理を行い、前記暗号処理部25から各ファイルfjの名称、各ファイルfjが記録されたフォルダ61の場所情報等を受けると、各ファイルfjについて、順次、バッファ領域95からファイルデータを読み出し、復号処理部24に送る。
【0058】
該復号処理部24は、復号処理を行い、データ変換部26から各ファイルfjのファイルデータを受けると、最初のファイルfj、本実施の形態においては、ファイルf1における暗号化された文書データの領域を検出し、暗号化された文書データを読み出して復号化(デコード)し、平文に変換する(図6ステップS11)。
【0059】
このとき、復号処理部24は、前記中間データを利用して文書データを所定の復号アルゴリズムで復号化する。なお、該復号アルゴリズムは、各ファイルフォーマット、各暗号化アルゴリズム等の仕様に依存して選択される。
【0060】
このようにして、平分に変換された文書データは、印刷データとして印刷制御部27に送られる。
【0061】
該印刷制御部27は、印刷制御処理を行い、データ変換部26から送られた印刷データに基づいて、印刷機構37によって用紙に対して印刷を行う(画像を形成する)。このとき、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図12に示されるような印刷状態通知用画面を形成し、該印刷状態通知用画面に、メッセージms6を表示して、ファイルf1を印刷している旨を操作者に通知する(図6ステップS12)。
【0062】
そして、前記次ファイル判断処理手段は、復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われていない次のファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し(図6ステップS13)、ファイルf3がある場合(図6ステップS13のY)、ファイルf3について前記復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われる。この場合、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図13に示されるような印刷状態通知用画面を形成し、該印刷状態通知用画面にメッセージms7、ms8を表示して、ファイルf1の印刷が終了した旨、及びファイルf3を印刷している旨を操作者に通知する。
【0063】
このようにして、すべてのファイルfjについて復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われると、CPU40はダイレクトプリントを終了する(図6ステップS13のN)。
【0064】
本実施の形態においては、図8に示されるファイル選択用画面図においてファイルf1、f3が選択される場合について説明したが、例えば、複数のファイルf1〜f3が選択され、選択されたすべてのファイルf1〜f3にパスワードが設定されている場合においては、ファイルf1〜f3についてのパスワード検証処理が行われた後、印刷機構37による印刷が開始される。
【0065】
このように、本実施の形態においては、USBメモリ101から取り出されたファイルfiのうちの、操作者によって選択されたすべてのファイルfjについてのパスワード設定判断処理、並びにパスワード検証処理が行われた後に、パスワードが設定されていない各ファイル、及びパスワードが一致する各ファイルについて逐次印刷が行われるので、印刷を行うための作業を簡素化することができる。
【0066】
本実施の形態においては、記憶部としてUSBメモリ101が使用されるようになっているが、記憶部として内蔵されるメモリ、複合機11の外部に接続される記憶端末、例えば、サーバ等を使用することもできる。
【0067】
次に、図5及び6のフローチャートについて説明する。
ステップS1 ダイレクトプリントの機能を設定する。
ステップS2 ファイルの記録先を問い合わせる。
ステップS3 ファイルを一覧で表示する。
ステップS4 選択されたファイルfjを取り出す。
ステップS5 パスワード設定判断処理を行う。
ステップS6 選択されたファイルfjにパスワードが設定されているかどうかを判断する。選択されたファイルfjにパスワードが設定されている場合はステップS7に、パスワードが設定されていない場合はステップS10に進む。
ステップS7 パスワード入力処理を行う。
ステップS8 パスワード検証処理を行う。
ステップS9 パスワードが一致するかどうかを判断する。パスワードが一致する場合はステップS10に進み、パスワードが一致しない場合はステップS7に戻る。
ステップS10 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS5に戻り、次のファイルがない場合はステップS11に進む。
ステップS11 復号処理を行う。
ステップS12 印刷制御処理を行う。
ステップS13 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS11に戻り、次のファイルがない場合は処理を終了する。
【0068】
ところで、本実施の形態においては、選択されたすべてのファイルfjについてパスワード検証処理が終了した後に、印刷制御処理が開始されるようになっていて、パスワード設定判断処理及びパスワード検証処理が行われている間に印刷制御処理を行うことができない。したがって、印刷を行うための作業を十分に簡素化することができない。
【0069】
そこで、パスワード設定判断処理及びパスワード検証処理が行われている間に印刷制御処理を並行して行うことができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0070】
図14は本発明の第2の実施の形態における複合機の概念図、図15は本発明の第2の実施の形態における複合機の機能ブロック図、図16は本発明の第2の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第1のフローチャート、図17は本発明の第2の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第2のフローチャート、図18は本発明の第2の実施の形態における複合機の第1の動作と並行して行われる第2の動作のフローチャートである。
【0071】
まず、画像形成装置としての複合機11の第1の動作について説明する。
【0072】
操作者が、操作・表示部としての操作パネル33(図4)においてダイレクトプリントの機能を選択すると、機能設定処理手段としての機能設定処理部109は、ダイレクトプリントの機能を複合機11に設定する(図16ステップS21)。これに伴って、表示処理手段としての表示処理部14は、表示部としての液晶ディスプレイ51に初期画面(図4)を形成し、該初期画面に操作メニューm1を表示して、どの記録先からファイルを取り出すかを操作者に問い合わせる(図16ステップS22)。
【0073】
このとき、例えば、操作者がファイルの記録先として外部記憶装置としての、かつ、記憶部としての、かつ、記録媒体としてのUSBメモリ101を選択すると、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に前記操作案内用画面(図7)を形成し、該操作案内用画面にメッセージms2を表示して、USBメモリ101をUSBインタフェース34にセットするよう操作者に指示する。
【0074】
そして、操作者がUSBメモリ101をUSBインタフェース34にセットすると、USBメモリI/O制御処理手段としてのUSBメモリI/O制御部21はUSBメモリ101がセットされたことを検出し、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にファイル選択用画面(図8)を形成し、該ファイル選択用画面にUSBメモリ101に記録されたファイルfi(i=1、2、…、n)を一覧で表示するとともに、メッセージms3を表示して、印刷を行うファイルを選択するよう操作者に指示する(図16ステップS23)。
【0075】
続いて、操作者が、ファイル選択用画面において、表示された一覧からファイルfj(f1、f3)をタッチすることによって選択すると、前記表示処理部14は、選択されたファイルfjについて、文字及びバックグラウンドを白黒反転させて表示し、前記ファイル選択部15は表示されたファイルfjを選択し、ファイル取出処理手段としてのファイル取出部103は、前記ファイルfjをUSBメモリ101から取り出す(図16ステップS24)。
【0076】
次に、操作者がボタンk12を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるモノクロ印刷を行うための処理が開始され、ボタンk13を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるカラー印刷を行うための処理が開始される。
【0077】
続いて、パスワード設定判断処理手段としてのパスワード設定判断処理部105は、パスワード設定判断処理を行い、前記ファイルfjを順次選択し、最初に選択したファイル、本実施の形態においては、ファイルf1にパスワードが設定されているかどうかを判断する(図16ステップS25)。
【0078】
そして、ファイルf1にパスワードが設定されている場合(図16ステップS26のY)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード入力用画面(図10)を形成し、該パスワード入力用画面にファイルf1の名称、及びメッセージms4を表示して、ファイルf1のパスワードを入力するよう操作者に指示する。操作者が、パスワードを入力すると、パスワード入力処理手段としての前記パスワード入力部16は、入力されたパスワードを読み込み、パスワード、ファイルf1の名称、ファイルf1が記録されたフォルダ61の場所情報等をパスワード検証処理手段としてのパスワード検証部23に通知する(図16ステップS27)。
【0079】
該パスワード検証部23は、バッファ領域95から読み出したパスワードと操作者によって入力されたパスワードとが一致するかどうかを判断し(図16ステップS28)、パスワードが一致すると判断された場合(図16ステップS29のY)、制御部としてのCPU40の印刷許可処理手段としての印刷許可部111は、印刷許可処理を行い、ファイルf1について印刷を許可する(図16ステップS30)。
【0080】
そして、前記パスワード設定判断処理においてファイルf1についてパスワードが設定されていないと判断された場合(図16ステップS26のN)、及び前記印刷許可処理においてファイルf1について印刷が許可された場合、前記CPU40の印刷許可状態設定処理手段としての印刷状態設定処理部113は、印刷許可状態設定処理を行い、ファイルf1について印刷が許可されている状態を表すフラグ、すなわち、印刷許可フラグをオンにする(図17ステップS31)。
【0081】
一方、パスワードが一致しない場合(図16ステップS29のN)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード再入力用画面(図11)を形成し、該パスワード再入力用画面にメッセージms5を表示して、パスワードが一致しない旨を操作者に通知するとともに、パスワードを再度入力するよう操作者に指示する。
【0082】
そして、前記次ファイル判断処理部107は、次のファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し、ファイルf3がある場合(図17ステップS32のY)、ファイルf3について前記パスワード設定判断処理、パスワード入力処理、パスワード検証処理、印刷許可処理等の各処理が行われ、次のファイルがない場合(図17ステップS32のN)、CPU40はダイレクトプリントを終了する。
【0083】
一方、CPU40は、パスワード設定判断処理及びパスワード検証処理が行われている間に印刷制御処理を並行して行う。次に、該印刷制御処理を並行して行うための、複合機11の第2の動作について説明する。この場合、第2の動作は、タイマ117(図14)を使用することによって所定の時間が経過するたびに開始される。
【0084】
まず、前記CPU40の印刷許可状態判断処理手段としての印刷許可状態判断処理部115は、印刷許可状態判断処理を行い、印刷許可フラグがオンにされたファイル、本実施の形態においては、ファイルfk(f1、f3)があるかどうかを判断する。印刷許可フラグがオンにされたファイルfkがある場合(図18ステップS41のY)、前記パスワード設定判断処理部は、印刷許可フラグがオンにされたファイルfkを順次選択し、最初に選択したファイル、本実施の形態においては、ファイルf1にパスワードが設定されているかどうかを判断する。印刷許可フラグがオンにされたファイルがない場合(図18ステップS41のN)、タイマ117をリセットし、処理を終了する。
【0085】
ファイルf1にパスワードが設定されている場合(図18ステップS42のY)、暗号処理手段としての暗号処理部25は、前記ファイルf1の名称、ファイルf1が記録されたフォルダ61の場所情報等をデータ変換処理手段としてのデータ変換部26に送る。
【0086】
該データ変換部26は、ファイルf1について、バッファ領域95からファイルデータを読み出し、復号処理手段としての復号処理部24に送り、該復号処理部24は、データ変換部26からファイルf1のファイルデータを受けると、ファイルf1における暗号化された文書データの領域を検出し、暗号化された文書データを読み出して復号化し、平文に変換する(図18ステップS43)。
【0087】
ファイルf1にパスワードが設定されていない場合(図18ステップS42のN)、ファイルf1の復号処理を行う必要がないので、印刷制御処理手段としての印刷制御部27は復合処理を行うことなく、印刷制御処理(図18ステップS44)を行う。
【0088】
このようにして、平分に変換された文書データは、印刷データとして印刷制御部27に送られる。該印刷制御部27は、データ変換部26から送られた印刷データに基づいて、画像形成部としての、かつ、印刷部としてのワイヤドット式、インクジェット式、電子写真式等の各種の印刷機構37によって媒体としての用紙に対して印刷を行う(図18ステップS44)。このとき、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に印刷状態通知用画面(図12)を形成し、該印刷状態通知用画面にメッセージms6を表示して、ファイルf1を印刷している旨を操作者に通知する。
【0089】
そして、前記次ファイル判断処理手段は、復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われていない次のファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し、ファイルf3がある場合(図18ステップS45のY)、ファイルf3について前記復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われる。この場合、前記ファイル選択部15は、液晶ディスプレイ51に印刷状態通知用画面(図13)を形成し、該印刷状態通知用画面にメッセージms7、ms8を表示して、ファイルf1の印刷が終了した旨、及びファイルf3を印刷している旨を操作者に通知する。
【0090】
このようにして、すべてのファイルfkについて復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われると、CPU40はダイレクトプリントを終了する(図18ステップS45のN)。
【0091】
本実施の形態においては、図8に示されるファイル選択用画面図においてファイルf1、f3が選択される場合について説明したが、例えば、複数のファイルf1〜f3が選択され、選択されたすべてのファイルf1〜f3にパスワードが設定されている場合においては、例えば、タイマ117において所定の時間が経過するまでにファイルf1、f2についてパスワード検証処理が終了している場合、ファイルf3についてのパスワード検証処理が行われるとともに、印刷機構37によってファイルf1、f2の印刷が開始される。
【0092】
このように、本実施の形態においては、パスワード設定判断処理及びパスワード検証処理が行われている間に印刷制御処理が並行して行われ、パスワードが設定されていないファイル、及びパスワード検証処理が終了したファイルについて、逐次印刷が行われるので、印刷を行うための作業を簡素化することができる。また、操作者がパスワードを入力してから印刷が終了するまでの時間を短くすることができる。
【0093】
次に、図16及び17のフローチャートについて説明する。
ステップS21 ダイレクトプリントの機能を設定する。
ステップS22 ファイルの記録先を問い合わせる。
ステップS23 ファイルを一覧で表示する。
ステップS24 選択されたファイルfjを取り出す。
ステップS25 パスワード設定判断処理を行う。
ステップS26 選択されたファイルfjにパスワードが設定されているかどうかを判断する。選択されたファイルfjにパスワードが設定されている場合はステップS27に、パスワードが設定されていない場合はステップS31に進む。
ステップS27 パスワード入力処理を行う。
ステップS28 パスワード検証処理を行う。
ステップS29 パスワードが一致するかどうかを判断する。パスワードが一致する場合はステップS30に進み、パスワードが一致しない場合はステップS27に戻る。
ステップS30 印刷許可処理を行う。
ステップS31 印刷許可フラグをオンにする。
ステップS32 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS25に戻り、次のファイルがない場合は処理を終了する。
【0094】
次に、図18のフローチャートについて説明する。
ステップS41 印刷許可フラグがオンにされたファイルfkがあるかどうかを判断する。印刷許可フラグがオンにされたファイルfkがある場合はステップS42に進み、印刷許可フラグがオンにされたファイルfkがない場合は処理を終了する。
ステップS42 印刷許可フラグがオンにされたファイルfkについてパスワードが設定されているかどうかを判断する。印刷許可フラグがオンにされたファイルfkについてパスワードが設定されている場合はステップS43に、パスワードが設定されていない場合はステップS44に進む。
ステップS43 復号処理を行う。
ステップS44 印刷制御処理を行う。
ステップS45 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS42に戻り、次のファイルがない場合は処理を終了する。
【0095】
ところで、前記各実施の形態においては、パスワード設定判断処理において、パスワードが設定されていると判断されると、操作者は、パスワードが設定されている各ファイルについてパスワードをその都度入力する必要があるので、パスワードを入力するための作業が煩わしい。
【0096】
そこで、パスワードを入力するための作業を簡素化することができる本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0097】
第3の実施の形態において、画像形成装置としての複合機11の第2の動作は、第2の実施の形態における複合機11の第1の動作と同様であるので、第2の動作については説明を省略する。
【0098】
図19は本発明の第3の実施の形態における複合機の機能ブロック図、図20は本発明の第3の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第1のフローチャート、図21は本発明の第3の実施の形態における複合機の第1の動作を示す第2のフローチャート、図22は本発明の第3の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す図である。
【0099】
ところで、前述されたように、各ファイルfjに対して操作者が入力したパスワード、パスワード検証処理においてバッファ領域95から読み出したパスワード等は、中間データとして第1の記憶装置としてのRAM41に記録される。
【0100】
そこで、本実施の形態において、制御部としてのCPU40のパスワード検証処理手段としてのパスワード検証部23は、パスワード検証処理を行い、所定のファイル、例えば、ファイルf1についてのパスワード検証処理において、パスワードが一致した場合に、該パスワードを既検証パスワードとしてRAM41の図示されない既検証パスワード記録部に記録し、他のファイル、例えば、ファイルf3についてのパスワード検証処理において、既検証パスワード記録部に記録された、ファイルf1についての検証で使用された前記既検証パスワードを読み出し、読み出した既検証パスワードと、ファイルf3について設定され、バッファ領域95から読み出したパスワードとが同じであるかどうかを判断し、同じである場合に、パスワードが一致すると判断する。
【0101】
そのために、本実施の形態においては、まず、操作者が、操作・表示部としての操作パネル33(図4)においてダイレクトプリントの機能を選択すると、機能設定処理手段としての機能設定処理部108は、ダイレクトプリントの機能を複合機11に設定する(図20ステップS51)。これに伴って、表示処理手段としての表示処理部14は、表示部としての液晶ディスプレイ51に初期画面(図4)を形成し、該初期画面に操作メニューm1を表示して、どの記録先からファイルを取り出すかを操作者に問い合わせる(図20ステップS52)。
【0102】
このとき、例えば、操作者がファイルの記録先として外部記憶装置としての、かつ、記憶部としての、かつ、記録媒体としてのUSBメモリ101を選択すると、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に操作案内用画面(図7)を形成し、該操作案内用画面にメッセージms2を表示して、USBメモリ101をUSBインタフェース34にセットするよう操作者に指示する。
【0103】
そして、操作者がUSBメモリ101をUSBインタフェース34にセットすると、USBメモリI/O制御処理手段としてのUSBメモリI/O制御部21はUSBメモリ101がセットされたことを検出し、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に図22に示されるようなファイル選択用画面(図8)を形成し、該ファイル選択用画面にUSBメモリ101に記録されたファイルfi(i=1、2、…、n)を一覧で表示するとともに、メッセージms3を表示して、印刷を行うファイルを選択するよう操作者に指示する(図20ステップS53)。
【0104】
続いて、操作者が、液晶ディスプレイ51において、表示されたファイルfiの一覧から任意のファイル、本実施の形態においては、ファイルfj(f1、f3、f7、f9)をタッチすることによって選択すると、前記表示処理部14は、選択されたファイルfjについて、文字及びバックグラウンドを白黒反転させて表示する(なお、図22においては、便宜上、選択されたファイルfjのバックグラウンドが網目にされる。)。また、前記ファイル選択部15は表示されたファイルfjを選択し、ファイル取出処理手段としてのファイル取出部103は、前記ファイルfjをUSBメモリ101から取り出す(図20ステップS54)。
【0105】
次に、操作者がボタンk12を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるモノクロ印刷を行うための処理が開始され、ボタンk13を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるカラー印刷を行うための処理が開始される。
【0106】
続いて、パスワード設定判断処理手段としてのパスワード設定判断処理部105は、前記ファイルfjを順次選択し、最初に選択したファイル、本実施の形態においては、ファイルf1にパスワードが設定されているかどうかを判断する(図20ステップS55)。
【0107】
そして、ファイルf1にパスワードが設定されている場合(図20ステップS56のY)、CPU40の既検証パスワード抽出処理手段としての既検証パスワード抽出部121は、既検証パスワード抽出処理を行い、RAM41の既検証パスワード記録部に既検証パスワードが記録されているかどうかを判断する(図20ステップS57)。
【0108】
既検証パスワードが記録されていない場合(図20ステップS57のN)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード入力用画面(図10)を形成し、該パスワード入力用画面にファイルf1の名称、及びメッセージms4を表示して、ファイルf1のパスワードを入力するよう操作者に指示する。操作者が、パスワードを入力すると、パスワード入力処理手段としてのパスワード入力部16は、入力されたパスワードを読み込み、パスワード、ファイルf1の名称、ファイルf1が記録されたフォルダ61の場所情報等をパスワード検証処理手段としてのパスワード検証部23に通知する(図21ステップS59)。
【0109】
該パスワード検証部23は、パスワード検証処理を行い、バッファ領域95から読み出したパスワードと操作者によって入力されたパスワードとが一致するかどうかを判断し(図21ステップS61)、パスワードが一致すると判断された場合(図21ステップS61のY)、一致したパスワードを既検証パスワードとして前記既検証パスワード記録部に記録する(図21ステップS62)。
【0110】
続いて、CPU40の印刷許可処理手段としての印刷許可処理部111は、印刷許可処理を行い、ファイルf1について印刷を許可する(図21ステップS63)。
【0111】
そして、前記パスワード設定判断処理においてファイルf1についてパスワードが設定されていないと判断された場合(図20ステップS56のN)、及び前記印刷許可処理においてファイルf1について印刷が許可された場合、CPU40の印刷許可状態設定処理手段としての印刷許可状態設定部113は、印刷許可状態設定処理を行い、ファイルf1について印刷が許可されている状態を表すフラグ、すなわち、印刷許可フラグをオンにする(図21ステップS63)。
【0112】
一方、パスワードが一致しない場合(図21ステップS61のN)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード再入力用画面(図11)を形成し、該パスワード再入力用画面にメッセージms5を表示して、パスワードが一致しない旨を操作者に通知するとともに、パスワードを再度入力するよう操作者に指示する。
【0113】
そして、前記次ファイル判断処理手段は、次のファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し、ファイルf3がある場合(図21ステップS65のY)、ファイルf3について前記パスワード設定判断処理、パスワード入力処理、パスワード検証処理、印刷許可処理等の各処理が行われ、次のファイルがない場合、CPU40はダイレクトプリントを終了する。
【0114】
そして、ファイルf3以降のファイルについての前記パスワード設定判断処理において、ファイルにパスワードが設定されている場合(図20ステップS56のY)、前記既検証パスワード抽出部121は、前記既検証パスワード記録部に既検証パスワードが記録されているかどうかを判断し(図20ステップS57)、既検証パスワードが記録されている場合(図20ステップS57のY)、前記既検証パスワード記録部から既検証パスワードを抽出する(読み出す。)(図20ステップS58)。
【0115】
続いて、前記パスワード検証部122は、既検証パスワード記録部から抽出された既検証パスワードを使用してパスワード検証処理を行い(図21ステップS60)、パスワードが一致した場合(図21ステップS61のY)は印刷許可処理を行う(図21ステップS63)。パスワードが一致しない場合(図21ステップS61のN)はパスワード入力処理(図21ステップS59)を行う。
【0116】
なお、既検証パスワード記録部に複数の既検証パスワードが記録されている場合、前記既検証パスワード抽出部121は、前記既検証パスワード記録部から複数の既検証パスワードを抽出し(図20ステップS58)、前記パスワード検証部122は、複数の既検証パスワードについてパスワード検証処理を行う(図21ステップS60)。
【0117】
本実施の形態においては、図8に示されるファイル選択用画面図においてファイルf1、f3が選択される場合について説明したが、例えば、複数のファイルf1〜f3が選択され、選択されたすべてのファイルf1〜f3に同じパスワードが設定されている場合においては、ファイルf1についてのパスワード検証処理が終了した後、ファイルf2、f3のパスワード入力処理(図21ステップS59)が行われることなく、印刷機構37によってファイルf1〜f3の印刷が開始される。
【0118】
このように、本実施の形態においては、前記既検証パスワード記録部から読み出したパスワードとバッファ領域95から読み出したパスワードとが一致する場合、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード入力用画面を形成せず、ファイルf3のパスワードを入力するよう操作者に指示しないので、操作者は、ファイルf3のパスワードを入力する必要がなくなる。したがって、パスワードを入力するための作業を簡素化することができる。
【0119】
次に、図20及び21のフローチャートについて説明する。
ステップS51 ダイレクトプリントの機能を設定する。
ステップS52 ファイルの記録先を問い合わせる。
ステップS53 ファイルを一覧で表示する。
ステップS54 選択されたファイルfjを取り出す。
ステップS55 パスワード設定判断処理を行う。
ステップS56 選択されたファイルfjにパスワードが設定されているかどうかを判断する。選択されたファイルfjにパスワードが設定されている場合はステップS57に、パスワードが設定されていない場合はステップS64に進む。
ステップS57 既検証パスワード記録部に既検証パスワードが記録されているかどうかを判断する。既検証パスワード記録部に既検証パスワードが記録されていない場合はステップS59に、既検証パスワードが記録されている場合はステップS58に進む。
ステップS58 既検証パスワードを抽出する。
ステップS59 パスワード入力処理を行う。
ステップS60 パスワード検証処理を行う。
ステップS61 パスワードが一致するかどうかを判断する。パスワードが一致した場合はステップS62に進み、パスワードが一致しない場合はステップS59に戻る。
ステップS62 一致したパスワードを既検証パスワードとして既検証パスワード記録部に記録する。
ステップS63 印刷許可処理を行う。
ステップS64 印刷許可フラグをオンにする。
ステップS65 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS55に戻り、次のファイルがない場合は処理を終了する。
【0120】
次に、液晶ディスプレイ51において、印刷の属性を設定して印刷を行うことができるようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0121】
図23は本発明の第4の実施の形態における複合機の機能ブロック図、図24は本発明の第4の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第1の図、図25は本発明の第4の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第2の図である。
【0122】
この場合、操作者が外部記憶装置としての、かつ、記憶部としての、かつ、記録媒体としてのUSBメモリ101をUSBインタフェース34にセットすると、USBメモリI/O制御処理手段としてのUSBメモリI/O制御部21はUSBメモリ101がセットされたことを検出し、表示処理手段としての表示処理部14は、表示部としての液晶ディスプレイ51に、図24に示されるようなファイル選択用画面を形成し、該ファイル選択用画面に、印刷の属性、本実施の形態においては、印刷のレイアウトを設定するための属性設定用の操作要素としての、かつ、属性設定要素としてのプルダウン式のボタンk21を形成し、表示する。
【0123】
そして、操作者がボタンk21を押下すると、前記表示処理部14は、前記ファイル選択用画面に、1枚の用紙に対して1ページの印刷を行うための通常印刷、及び1枚の用紙に対して複数のページの印刷を行うためのN−up印刷のレイアウトのメニューを、「通常」、「2−up」、「3−up」、…のように表示する。
【0124】
続いて、操作者が、所定のレイアウト、本実施の形態においては、2−up印刷を選択すると、制御部としてのCPU40の属性設定処理手段としての属性設定部221は、属性設定処理を行い、2−up印刷を設定する。
【0125】
このようにして、印刷のレイアウトが設定されると、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図25に示されるようなパスワード入力用画面を形成し、該パスワード入力用画面にファイルf1の名称、メッセージms4等を表示するとともに、属性設定用の操作要素としてのプルダウン式のボタンk22を表示し、該ボタンk22に、前記属性設定処理において設定された2−up印刷をデフォルトとして表示する。
【0126】
そして、パスワード入力画面において、設定された2−up印刷で印刷を行う場合、操作者はパスワードを入力し、設定された2−up印刷から他のレイアウトに変更して印刷を行う場合、操作者はボタンk22を押下し、通常印刷又は他のN−up印刷のレイアウトを選択し、パスワードを入力する。
【0127】
このように、本実施の形態においては、ファイル選択用画面で操作者が所定のレイアウトを選択した場合、パスワード入力用画面においても、選択したレイアウトがデフォルトとして設定されるので、レイアウトを選択するための作業を簡素化することができる。
【0128】
なお、本実施の形態においては、ファイル選択用画面が第1の画面として形成され、続いて、パスワード入力用画面が第2の画面として形成されるが、所定のファイルについてのパスワード入力用画面を第1の画面として形成し、続いて、他のファイルについてのパスワード入力用画面を第2の画面として形成したときに、属性設定処理において設定されたレイアウトをデフォルトとして設定することができる。
【0129】
なお、本実施の形態においては、印刷の属性としてレイアウトを設定するようになっているが、媒体サイズとしての印刷用紙サイズ、印刷の向き(縦又は横)、片面/両面印刷、カラー/モノクロ印刷を設定するようにしてもよい。
【0130】
次に、選択された各ファイルfjについて印刷を行うための印刷条件に基づいて、印刷順序を設定することができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の効果を援用する。
【0131】
図26は本発明の第5の実施の形態における複合機の機能ブロック図である。
【0132】
図において、26はデータ変換処理手段としてのデータ変換部、27は印刷制御処理手段としての印刷制御部であり、前記データ変換部26は、色判断処理手段としてのカラー/モノクロ判断部65及び印刷量判断処理手段としてのページ数判断部86を、前記印刷制御部27は印刷準備状態判断処理手段としての印刷準備状態判断部87を備える。
【0133】
また、制御部としてのCPU40は印刷順序制御処理手段としての印刷順序制御部89を備える。
【0134】
前記カラー/モノクロ判断部65は、色判断処理を行い、選択されたファイルfjについてカラー印刷を行うように設定されているか、又はモノクロ印刷を行うように設定されているかの色設定を第1の印刷条件として判断する。
【0135】
そのために、前記カラー/モノクロ判断部65は、ファイルfjがカラーデータから成るか、又はモノクロデータから成るか、及び操作者によってボタンk12(図4)が押下されたか、又はボタンk13が押下されたかによって、ファイルfjについてカラー印刷を行うように設定されているか、又はモノクロ印刷を行うように設定されているかを判断する。
【0136】
すなわち、ボタンk13が押下された場合において、カラー/モノクロ判断部65は、ファイルf1がカラーデータである場合、ファイルf1についてカラー印刷を行うように設定されていると判断し、ファイルf1がモノクロデータである場合、ファイルf1についてモノクロ印刷を行うように設定されていると判断する。これに対して、ボタンk12が押下された場合において、カラー/モノクロ判断部65は、ファイルf1がカラーデータである場合、及びファイルf1がモノクロデータである場合のいずれにおいても、ファイルf1についてモノクロ印刷を行うように設定されていると判断する。ボタンk12が押下された場合においては、前記印刷制御処理において、ファイルf1についてモノクロ印刷が行われる。
【0137】
なお、ファイルfjがカラーデータから成るか、又はモノクロデータから成るかは、各ファイルfjのファイルデータにおける所定の領域の情報を、フォーマットの仕様に基づいて解析することによって判断することができる。
【0138】
また、前記ページ数判断部86は、印刷量判断処理を行い、ファイルfjのページ数を第2の印刷条件として判断する。そのために、前記ページ数判断部86は、各ファイルfjのファイルデータにおける所定の領域の情報を、フォーマットの仕様に基づいて解析することによって、ページ数を判断する。
【0139】
そして、前記印刷準備状態判断部87は、印刷準備状態判断処理を行い、第2の画像処理部としてのプリンタ36(図2)の印刷機構37の印刷準備状態としてのウォーミングアップ状態、すなわち、ウォーミングアップ処理が終了して直ちに印刷を開始することができる状態であるか、又はウォーミングアップ処理が終了しておらず、直ちに印刷を開始することができない状態であるかを第3の印刷条件として判断する。
【0140】
なお、プリンタ36においては、電源が投入されたときに、印刷を開始する前に、LEDヘッド、定着器等を加熱して所定の温度まで上昇させるウォーミングアップ処理を行う必要がある。また、一般的に、所定の時間印刷が行われなかった場合、プリンタ36は、パワーセーブモード機能によって省電力状態に移行することがあるが、その場合にも、印刷を開始する前に、ウォーミングアップ処理を行う必要がある。
【0141】
そして、一般的に、カラー印刷を行う場合と、モノクロ印刷を行う場合とでは、ウォーミングアップ処理を行う時間、すなわち、ウォーミングアップ時間が異ならせて設定される。これは、LEDヘッド、定着器等を印刷を開始することができるようにするための温度が、カラー印刷を行う場合と、モノクロ印刷を行う場合とでは異なるからである。本実施の形態においては、カラー印刷を行う場合に必要となる温度が、モノクロ印刷を行う場合に必要となる温度より低く、カラー印刷を行う場合のウォーミングアップ時間が、モノクロ印刷を行う場合のウォーミングアップ時間より短くされる。
【0142】
また、前記印刷順序制御部89は、印刷順序制御処理を行い、カラー/モノクロ判断部65、ページ数判断部86及び印刷準備状態判断部87においてそれぞれ判断された第1〜第3の印刷条件を取得し、取得した第1〜第3の印刷条件に基づいて、各ファイルfjの印刷順序を設定する。
【0143】
次に、本実施の形態における複合機11の動作について説明する。
【0144】
図27は本発明の第5の実施の形態における複合機の動作を示す第1のフローチャート、図28は本発明の第5の実施の形態における複合機の動作を示す第2のフローチャート、図29は本発明の第5の実施の形態における印刷順序制御処理のサブルーチンを示す図、図30は本発明の第5の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第1の図、図31は本発明の第5の実施の形態におけるファイルの特性情報を示す図、図32は本発明の第5の実施の形態における印刷優先順位リストの例を示す第1の図、図33は本発明の第5の実施の形態における印刷優先順位リストの例を示す第2の図、図34は本発明の第5の実施の形態における印刷優先順位リストの例を示す第3の図、図35は本発明の第5の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第2の図、図36は本発明の第5の実施の形態における液晶ディスプレイの表示例を示す第3の図である。
【0145】
操作者が、操作・表示部としての操作パネル33(図4)においてダイレクトプリントの機能を選択すると、機能設定処理手段としての機能設定処理部109は、ダイレクトプリントの機能を画像形成装置としての複合機11に設定する(図27ステップS71)。これに伴って、表示処理手段としての表示処理部14は、表示部としての液晶ディスプレイ51に初期画面(図4)を形成し、該初期画面に操作メニューm1を表示して、どの記録先からファイルを取り出すかを操作者に問い合わせる(図27ステップS72)。
【0146】
このとき、操作者がファイルの記録先として外部記憶装置としての、かつ、記憶部としての、かつ、記録媒体としてのUSBメモリ101を選択すると、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に前記操作案内用画面(図7)を形成し、該操作案内用画面にメッセージms2を表示して、USBメモリ101をUSBインタフェース34にセットするよう操作者に指示する。
【0147】
そして、操作者がUSBメモリ101をUSBインタフェース34にセットすると、USBメモリI/O制御処理手段としてのUSBメモリI/O制御部21はUSBメモリ101がセットされたことを検出し、前記表示処理部14は、図30に示されるように、液晶ディスプレイ51にファイル選択用画面を形成し、該ファイル選択用画面にUSBメモリ101に記録されたファイルfi(i=1、2、…、n)を一覧で表示するとともに、メッセージms3を表示して、印刷を行うファイルを選択するよう操作者に指示する(図27ステップS73)。
【0148】
続いて、操作者が、ファイル選択用画面において、表示された一覧からファイルfj(f1、f3、f5、f7)をタッチすることによって選択すると、前記表示処理部14は、選択されたファイルfjについて、文字及びバックグラウンドを白黒反転させて表示し、前記ファイル選択部15は表示されたファイルfjを選択し、ファイル取出処理手段としてのファイル取出部103は、前記ファイルfjをUSBメモリ101から取り出す(図27ステップS74)。
【0149】
本実施の形態において、各ファイルfjは、図31に示されるような特性情報を有する。該特性情報は、前記色設定及びページ数から成る。
【0150】
次に、操作者がボタンk12を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるモノクロ印刷を行うための処理が開始され、ボタンk13を押下すると、ダイレクトプリントの機能によるカラー印刷を行うための処理が開始される。
【0151】
続いて、パスワード設定判断処理手段としてのパスワード設定判断処理部105は、パスワード設定判断処理を行い、前記ファイルfjを順次選択し、最初に選択したファイル、本実施の形態においては、ファイルf1にパスワードが設定されているかどうかを判断する(図27ステップS75)。
【0152】
そして、ファイルf1にパスワードが設定されている場合(図27ステップS76のY)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード入力用画面(図10)を形成し、該パスワード入力用画面にファイルf1の名称、及びメッセージms4を表示して、ファイルf1のパスワードを入力するよう操作者に指示する。操作者がパスワードを入力すると、パスワード入力処理手段としてのパスワード入力部16は、入力されたパスワードを読み込み、パスワード、ファイルf1の名称、ファイルf1が記録されたフォルダ61の場所情報等をパスワード検証処理手段としてのパスワード検証部23に通知する(図27ステップS77)。
【0153】
該パスワード検証部23は、バッファ領域95から読み出したパスワードと操作者によって入力されたパスワードとが一致するかどうかを判断し(図27ステップS78)、パスワードが一致すると判断された場合(図27ステップS79のY)、前記次ファイル判断処理手段は、前記パスワード設定判断処理部105によって、次に選択されたファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し(図27ステップS80)、ファイルf3がある場合(図27ステップS80のY)、ファイルf3について前記パスワード設定判断処理、パスワード入力処理、パスワード検証処理等の各処理が行われる。
【0154】
一方、パスワードが一致しない場合(図27ステップS79のN)、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51にパスワード再入力用画面(図11)を形成し、該パスワード再入力用画面にメッセージms5を表示して、パスワードが一致しない旨を操作者に通知するとともに、パスワードを再度入力するよう操作者に指示する。
【0155】
このようにして、すべてのファイルfjについて前記パスワード設定判断処理、パスワード入力処理、パスワード検証処理等の各処理が行われると(図27ステップS80のN)、前記印刷順序制御部89は各ファイルfjの印刷順序を設定する(図27ステップS81)。
【0156】
図29に示される印刷順序制御処理において(図28ステップS81)、印刷順序制御部89は、パスワード入力部16から、パスワード、ファイルfjの名称、ファイルfjが記録されたフォルダ61の場所情報等を読み込み(取得し)、第1の記憶装置としてのRAM41からパスワード検証処理において生成された中間データを読み出す(取得する)。
【0157】
次に、印刷順序制御部89は、中間データからカラー/モノクロ判断部65の判断結果である特性情報としての色設定、及びページ数判断部86の判断結果であるページ数を読み込む(取得する)(図29ステップS81−1、S81−2)。
【0158】
次に、CPU40の次ファイル判断処理部107は、次ファイル判断処理を行い、次のファイル、本実施の形態においては、ファイルf3があるかどうかを判断し、ファイルf3がある場合(図29ステップS81−3のY)、ファイルf3についての色設定及びページ数を読み込み、これによって、図31に示されるような各ファイルごとの色設定、ページ数を得る。次のファイルがない場合(図29ステップS81−3のN)、印刷順序制御部89は、印刷準備状態判断部87の判断結果であるプリンタ36の印刷機構37のウォーミングアップ状態を読み込む(図29ステップS81−4)(取得する)。
【0159】
続いて、印刷順序制御部89の印刷優先順位リスト作成処理手段としての印刷順序設定部131は、印刷順序設定処理を行い、ファイルfjごとの印刷優先順位リストを作成することによって印刷順序を設定する(図29ステップS81−5)。この時点での印刷優先順位リストにおいて、各ファイルfjは前記ファイル選択部15によって取り出された順に並べられる(図31)。なお、印刷優先順位リストにおいては、上から順に印刷が行われるものとする。
【0160】
次に、印刷順序制御部89の印刷順序変更処理手段としての印刷順序変更部133は、印刷順序変更処理(図29ステップS81−6)を行い、プリンタ36の印刷機構37のウォーミングアップ処理が終了した状態であるかどうかを判断する。ところで、本実施の形態においては、例えば、複合機11において、用紙上のトナー像を図示されない定着器によって定着させる場合、カラー印刷よりモノクロ印刷の方が一般的に定着温度が低くても定着可能であるので、モノクロ印刷がカラー印刷より印刷動作を早く開始することができる。そこで、印刷機構37のウォーミングアップ処理が終了していない状態である場合、図32に示されるように、モノクロ印刷のファイルの印刷優先順位を高くすることができる。また、例えば、印刷機構37のウォーミングアップ処理が終了した状態である場合、カラー印刷の印刷速度がモノクロ印刷の印刷速度より高く設定されている場合には、図33に示されるように、カラー印刷のファイルの印刷優先順位を高くすることができる。その場合、ページ数が少ない方が印刷を早く終了することができるので、前記印刷順序変更処理手段は、図32及び33に示されるように、ページ数が少ないファイルの印刷優先順位を高くすることもできる。
【0161】
なお、ボタンk12が押下された場合、前記印刷順序変更処理手段は、図34に示されるように、モノクロ印刷を行うためのファイルにおいてページ数が少ないファイルの印刷優先順位を高くする。
【0162】
このようにして、印刷順序が設定されると、前記印刷順序制御部89は印刷優先順位の高い順にファイルfh(f7、f5、f3、f1)を選択し、暗号処理手段としての暗号処理部25に送る。該暗号処理部25は、前記各ファイルfhの名称、各ファイルfhが記録されたフォルダ61の場所情報等をデータ変換部26に送る(図28ステップS82)。
【0163】
該データ変換部26は、各ファイルfhについて、順次バッファ領域95からファイルデータを読み出し、復号処理手段としての復号処理部24に送り、該復号処理部24は、データ変換部26から各ファイルfhのファイルデータを受けると、最初に選択したファイルfh、本実施の形態においては、ファイルf7における暗号化された文書データの領域を検出し、暗号化された文書データを読み出して復号化し、平文に変換する(図28ステップS83)。
【0164】
このようにして、平分に変換された文書データは、印刷データとして印刷制御部27に送られる。該印刷制御部27は、データ変換部26から送られた印刷データに基づいて、印刷機構37によって媒体としての用紙に対して印刷を行う。このとき、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図35に示されるような印刷状態通知用画面を形成し、該印刷状態通知用画面にメッセージms9を表示して、例えば、図34に示される印刷優先順位リストで最も印刷優先順位の高いファイルf7を印刷している旨を操作者に通知する(図28ステップS84)。
【0165】
そして、前記次ファイル判断処理手段は、復号処理、印刷制御処理等の各処理が行われていない次のファイルがあるかどうかを判断し(図28ステップS85)、次のファイルがある場合(図28ステップS85のY)、次のファイルについて前記復号処理、印刷制御処理等の処理が行われる。この場合、前記表示処理部14は、液晶ディスプレイ51に、図36に示されるような印刷状態通知用画面を形成し、該印刷状態通知用画面にメッセージms10〜13を表示して、図32に示される印刷優先順位リストで印刷優先順位が高いファイルf7、f5、f3の印刷が終了した旨、及びファイルf1を印刷している旨を操作者に通知する。
【0166】
このようにして、印刷優先順位リストにおけるすべてのファイルについて復号処理、印刷制御処理等の処理が行われると、CPU40はダイレクトプリントを終了する(図28ステップS85のN)。
【0167】
このように、本実施の形態においては、印刷条件に基づいて、印刷を早く終了することができるファイルについて印刷優先順位を高くし、優先して印刷を行うことができるので、操作者は、印刷結果を早く取得することができる。したがって、複合機11の操作性を高くすることができる。
【0168】
次に、図27及び28のフローチャートについて説明する。
ステップS71 ダイレクトプリントの機能を設定する。
ステップS72 ファイルの記録先を問い合わせる。
ステップS73 ファイルを一覧で表示する。
ステップS74 選択されたファイルfjを取り出す。
ステップS75 パスワード設定判断処理を行う。
ステップS76 選択されたファイルfjにパスワードが設定されているかどうかを判断する。選択されたファイルfjにパスワードが設定されている場合はステップS77に、パスワードが設定されていない場合はステップS80に進む。
ステップS77 パスワード入力処理を行う。
ステップS78 パスワード検証処理を行う。
ステップS79 パスワードが一致するかどうかを判断する。パスワードが一致する場合はステップS80に進み、パスワードが一致しない場合はステップS77に戻る。
ステップS80 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS75に戻り、次のファイルがない場合はステップS81に進む。
ステップS81 印刷順序制御処理を行う。
ステップS82 印刷優先順位が高いファイルを選択する。
ステップS83 復号処理を行う。
ステップS84 印刷制御処理を行う。
ステップS85 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS82に戻り、次のファイルがない場合は処理を終了する。
【0169】
次に、図29のフローチャートについて説明する。
ステップS81−1 色設定を読み込む。
ステップS81−2 ページ数を読み込む。
ステップS81−3 次のファイルがあるかどうかを判断する。次のファイルがある場合はステップS81−1に戻り、次のファイルがない場合はステップS81−4に進む。
ステップS81−4 印刷機構37のウォーミングアップ状態を読み込む。
ステップS81−5 印刷優先順位リストを作成する。
ステップS81−6 印刷順序変更処理を行い、リターンする。
【0170】
なお、前記各実施の形態においては、USBメモリ101に記録されたファイルについて印刷を行う場合について説明されているが、本発明をHDD43、ネットワークサーバのメモリ等に記録されたファイルについて印刷を行う場合に適用することができる。
【0171】
また、前記各実施の形態においては、複合機11に適用した例について説明しているが、本発明を、プリンタ、複写機、ファクシミリ等に適用することもできる。
【0172】
さらに、本発明においては、第1〜第5の実施の形態を必要に応じて組み合わせることができる。例えば、第3の実施の形態においては、第2の実施の形態に既検証パスワード抽出部121が付加されるようになっているが、第1、第4の実施の形態に既検証パスワード抽出部121を付加することができる。
【0173】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0174】
11 複合機
15 ファイル選択部
23 パスワード検証部
27 印刷制御部
37 印刷機構
40 CPU
52 操作部
103 ファイル取出部
fj ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部に記録された複数のファイルを選択するファイル選択部と、
パスワードを入力するための操作部と、
前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルを前記記憶部から抽出するファイル取出部と、
前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルにパスワードが設定されているかどうかを判断するパスワード設定判断処理部と、
設定されているパスワードと入力されたパスワードとが一致するかどうかによって、設定されているパスワードについて検証を行うパスワード検証部と、
前記ファイルを印刷するための印刷部と、
該印刷部の制御を行う印刷制御部とを有するとともに、
該印刷制御部は、複数のファイルに設定されている複数のパスワードについて検証が終了した後、前記印刷部による印刷を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷制御部は、前記複数のファイルに設定されているすべてのパスワードについて検証が終了した後、前記印刷部による印刷を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数のファイルを選択するファイル選択部と、
該ファイル選択部によって選択された複数のファイルを記憶部から抽出するファイル取出部と、
前記ファイル選択部によって選択された複数のファイルにパスワードが設定されているかどうかを判断するパスワード設定判断処理部と、
設定されているパスワードと入力されたパスワードとが一致するかどうかをによって、設定されているパスワードについて検証を行うパスワード検証部と、
前記ファイルを印刷するための印刷部と、
該印刷部の制御を行う印刷制御部と、
時間を計測するタイマとを有するとともに、
前記印刷制御部は、前記複数のファイルにおいて、前記タイマによる時間の計測を開始してから、所定の時間が経過するまでにパスワードの検証が終了したファイルについて、前記印刷部による印刷を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷部による印刷と前記パスワードの入力とが並行して行われる請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記パスワード検証部によって検証が行われた既検証パスワードを記録するための既検証パスワード記録部と、
該既検証パスワード記録部から前記既検証パスワードを抽出する既検証パスワード抽出部とを有し、
前記パスワード検証部は、前記既検証パスワード記録部に既検証パスワードが記録されている場合、前記操作部によるパスワードの入力前に、前記既検証パスワードと設定されているパスワードとが一致するかどうかを判断する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
パスワードを入力するための表示部と、
選択された複数のファイルの属性を設定する属性設定部と、
前記表示部に前記属性設定部を表示する表示処理部とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
選択された複数のファイルの印刷順序を設定する印刷順序設定部を有するとともに、
前記印刷制御部は、前記印刷順序設定部によって設定された印刷順序に基づいて複数のファイルを印刷する請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷順序設定部は、選択されたファイルがカラー印刷であるか、モノクロ印刷であるかによって印刷順序を変更する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷順序設定部は、選択されたファイルが片面印刷であるか両面印刷であるかによって印刷順序を変更する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記印刷順序設定部は、選択されたファイルのページ数に基づいて印刷順序を変更する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記記憶部は記録媒体である請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記記憶部は、本体装置に対して着脱自在に配設される請求項1〜10のいずれか1項に記載に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記記憶部は外部記憶装置である請求項1〜10のいずれか1項に記載に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記記録媒体はUSBメモリである請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
選択された複数のファイルを記憶部から抽出するステップと、
抽出されたファイルについて、パスワードが設定されているかどうかを判断するステップと、
パスワードが設定されているファイルについて、設定されたパスワードと入力されたパスワードとが一致するかどうかを判断するステップと、
複数のファイルに設定されている複数のパスワードについて検証が終了した後、ファイルの印刷を開始するステップとを有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2012−96399(P2012−96399A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244495(P2010−244495)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】