説明

画像形成装置及び画像形成装置における廃棄トナーボトルの脱着方法

【課題】より容易に廃棄トナーボトルの脱着を可能とする。
【解決手段】廃棄トナーボトル1が本体部に対して固定されていない状態から廃棄トナーボトル1を本体部に対して押し込む押込動作によって廃棄トナーボトル1を本体部に固定すると共に、廃棄トナーボトル1が本体部に対して固定されている状態から押込動作によって廃棄トナーボトル1を本体部から解離するロック機構10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置における廃棄トナーボトルの脱着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
静電潜像が形成された感光体に対してトナーを付着することによりトナー像を形成し、当該トナー像を記録媒体に転写することによって画像形成を行う画像形成装置では、記録体媒体へのトナー像の転写後に感光体に対して少量のトナーが残留する。このような残留トナーは、次の画像形成時に悪影響を与えるため、クリーニング装置によって除去され、廃棄トナーボトルに回収される。
【0003】
廃棄トナーボトルは、画像形成装置の本体に対して脱着可能とされており、回収した廃棄トナーで満杯となった際には画像形成装置の本体から取り外され、内部の廃棄トナーが取り除かれた後に再度装着される。また、廃棄トナーボトルが廃棄トナーとともに廃棄され、新しい廃棄トナーボトルが装着される場合もある。
【0004】
そして、画像形成装置においては、上述のように脱着可能とされた廃棄トナーボトルを本体部に正確に装着するために、廃棄トナーボトルを固定するロック機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−310139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の廃棄トナーボトルの脱着は、ユーザ自身が行う可能性がある作業である。
このため、特許文献1においては、画像形成装置の内部構成に詳しくないユーザであっても、容易に廃棄トナーボトルの脱着を行えるように、解除ボタンを設けた画像形成装置が提案されている。
【0007】
しかしながら、このような解除ボタンを備える画像形成装置によって廃棄トナーボトルの脱着は極めて容易となるものの、廃棄トナーボトルのロックを解除するために廃棄トナーボトル以外のものを操作する必要がある。このため、よりユーザが直感的に廃棄トナーボトルの脱着を行える方法が望まれている。
【0008】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、本体部に対して脱着可能とされた廃棄トナーボトルを備える画像形成装置において、より容易に廃棄トナーボトルの脱着を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0010】
第1の発明は、トナー像を用いて画像形成を行った後に発生する廃棄トナーを回収する廃棄トナーボトルと、当該廃棄トナーボトルを収容する本体部とを備える画像形成装置であって、上記廃棄トナーボトルが上記本体部に対して固定されていない状態から上記廃棄トナーボトルを上記本体部に対して押し込む押込動作によって上記廃棄トナーボトルを上記本体部に固定すると共に、上記廃棄トナーボトルが上記本体部に対して固定されている状態から上記押込動作によって上記廃棄トナーボトルを上記本体部から解離するロック機構を備えるという構成を採用する。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記ロック機構が、上記廃棄トナーボトルに設置されると共に上記押込動作の際に突出方向に移動される突出部と、上記本体部に設置されると共に上記押込動作ごとに上記突出部の係止と解離とを行う係止部と、上記本体部に設置されると共に上記突出部を上記押込動作の際の押込方向と反対側に向けて付勢する付勢部とを備えるという構成を採用する。
【0012】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記廃棄トナーボトルが上記本体部に固定されている状態にて上記廃棄トナーボトルの開口に接続されると共に上記本体部に設けられる廃棄トナー吐出開口と、上記廃棄トナーボトルが上記本体部に固定される状態にて上記廃棄トナー吐出開口を開放し、上記廃棄トナーボトルが上記本体部から解離されている状態にて上記廃棄トナー吐出開口を閉鎖すると共に上記付勢部に固定されて当該付勢部の変形に伴って上記廃棄トナー吐出開口を開放する位置と上記廃棄トナー吐出開口を閉鎖する位置との間で移動されるシャッタとを備えるという構成を採用する。
【0013】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記係止部が、上記突出部を上記押込動作の押込方向に対して直交する水平方向の両側から上記突出部を係止するという構成を採用する。
【0014】
第5の発明は、上記第2〜第4いずれかの発明において、上記突出部が上記廃棄トナーボトルの開口を有する口部に固定されているという構成を採用する。
【0015】
第6の発明は、トナー像を用いて画像形成を行った後に発生する廃棄トナーを回収する廃棄トナーボトルと、当該廃棄トナーボトルを収容する本体部とを備える画像形成装置における上記廃棄トナーボトルの脱着方法であって、上記廃棄トナーボトルが上記本体部に対して固定されていない状態から上記廃棄トナーボトルを上記本体部に対して押し込む押込動作によって上記廃棄トナーボトルを上記本体部に固定すると共に、上記廃棄トナーボトルが上記本体部に対して固定されている状態から上記押込動作によって上記廃棄トナーボトルを上記本体部から解離するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、廃棄トナーボトルが本体部に対して固定されていない状態から廃棄トナーボトルを本体部に対して押し込む押込動作によって廃棄トナーボトルが本体部に固定され、廃棄トナーボトルが本体部に対して固定されている状態から押込動作によって廃棄トナーボトルが本体部から解離される。
つまり、本発明においては、廃棄トナーボトルの固定と解離とが廃棄トナーボトルを本体部に対して押し込む押込動作ごとに行われる。
このため、ユーザが廃棄トナーボトルのみを操作することによって廃棄トナーボトルの脱着を行うことができる。
したがって、本発明によれば、本体部に対して脱着可能とされた廃棄トナーボトルを備える画像形成装置において、より容易に廃棄トナーボトルの脱着を可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態における画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成装置が備える廃棄トナーボトルと本体部の一部であるセンサケースとを拡大した斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における画像形成装置が備える廃棄トナーボトルと本体部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態における画像形成装置が備えるロック機構を含む断面図であり、廃棄トナーボトルがセンサケースから解離された状態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態における画像形成装置が備えるロック機構を含む断面図であり、廃棄トナーボトルがセンサケースに固定された状態を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態における画像形成装置が備える線バネの上面図である。
【図7】本発明の一実施形態における画像形成装置が備える線バネと、突出部の突起部との動きを示す模式図である。
【図8】本発明の一実施形態における画像形成装置が備える線バネと、突出部の突起部との動きを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置及び画像形成装置における廃棄トナーボトルの脱着方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0019】
図1は、本実施形態の画像形成装置S1の概略構成を示す斜視図である。なお、図1においては、視認性を向上させるために画像形成装置S1が本来備える外装や内部構成の一部を省略して図示している。
【0020】
画像形成装置S1は、静電潜像が形成された感光体に対してトナーを付着することによりトナー像を形成し、当該トナー像を記録媒体に転写することによって画像形成を行うものであり、複写機、ファクシミリあるいはプリンタ等として用いられる。
【0021】
そして、画像形成装置S1は、トナー像を用いて画像形成を行った後に発生する廃棄トナーを回収する廃棄トナーボトル1と、当該廃棄トナーボトル1を収容する本体部2とを備えている。
【0022】
図2は、廃棄トナーボトル1と本体部2の一部であるセンサケース3とを拡大した斜視図である。
【0023】
図2に示すように、廃棄トナーボトル1は、廃棄トナーを収容する収容部1aと、廃棄トナーを内部に導入するための開口1b(図4等参照)を有する口部1cとを備えている。このような廃棄トナーボトル1は、本体部2に固定された際に、口部1cに設けられた開口1bがセンサケース3に設けられたトナーの廃棄トナー吐出開口3a(図4等参照)と接続される。
【0024】
センサケース3は、本体部2の一部として構成されるものであり、廃棄トナーボトル1の満杯を検知する満杯検知センサ(不図示)を収容するものである。なお、この満杯検知センサは、口部1cまで廃棄トナーが到達しているか否かを検出することにより、廃棄トナーボトル1の満杯を検知する。
【0025】
また、センサケース3には、上述のように、本体部2において感光体等から回収された廃棄トナーを当該本体部2から吐出するための廃棄トナー吐出開口3aが設けられている(図4参照)。
さらに、図2に示すように、センサケース3は、口部1cを嵌合可能な形状を有し、口部1cに設けられた開口1bを上記廃棄トナー吐出開口3aと接続される位置まで案内するガイド部3bを備えている。
つまり、本実施形態の画像形成装置S1は、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に固定されている状態にて廃棄トナーボトル1の開口1bに接続されると共にセンサケース3(すなわち本体部2)に設けられる廃棄トナー吐出開口3aを備えている。
【0026】
また、本実施形態の画像形成装置S1は、上述のような廃棄トナーボトル1をセンサケース3(すなわち本体部2)に固定するためのロック機構10を備えている。
そして、本実施形態の画像形成装置S1のロック機構10は、廃棄トナーボトル1がセンサケース3に対して固定されていない状態から廃棄トナーボトル1をセンサケース3に対して押し込む押込動作によって廃棄トナーボトル1をセンサケース3に固定すると共に、廃棄トナーボトル1がセンサケース3に対して固定されている状態から上述の押込動作によって廃棄トナーボトル1をセンサケース3から解離するものである。
そして、ロック機構10は、突出部11と、係止部12と、付勢部13とを備えている(図4等参照)。
【0027】
図3は、廃棄トナーボトル1の斜視図である。
突出部11は、図3に示すように、廃棄トナーボトル1の口部1cに設置されており、廃棄トナーボトル1に対する押込動作の際に突出方向に移動される。
なお、突出部11には、係止部12が備える線バネ12bに係止されるための突起部20が設けられているが、この突起部20については後に詳説する。
【0028】
図4及び図5は、ロック機構10を含む断面図である。そして、図4は廃棄トナーボトル1がセンサケース3から解離された状態を示し、図5は廃棄トナーボトル1がセンサケース3に固定された状態を示している。
係止部12は、これらの図に示すように、センサケース3(すなわち本体部2)設置されており、突出部11の係止と解離とを行うものである。
そして、この係止部12は、突出部11の案内を行うガイド部12aと、突出部11を直接係止する線バネ12bとを備えている。なお、線バネ12bについては、上述の突出部11の突起部20の説明と合わせて後に詳説する。
【0029】
付勢部13は、図4及び図5に示すように、センサケース3(すなわち本体部2)に設置されており、突出部11を廃棄トナーボトル1の押込動作の際における押込方向と反対側に付勢するものである。
具体的には、付勢部13は、付勢力を発生するバネ部材13aと、廃棄トナーボトル1に当接する当接部13bとを備えている。
【0030】
また、本実施形態の画像形成装置S1においては、図4及び図5に示すように、廃棄トナー吐出開口3aの開閉を行うシャッタ14を備えている。
このシャッタ14は、付勢部13に装着されており、廃棄トナーボトル1によって押圧されることによる付勢部13の変形に伴って移動される。より詳細には、シャッタ14は、付勢部13の変形に伴って、廃棄トナー吐出開口3aを開放する位置と廃棄トナー吐出開口3aを閉鎖する位置との間で移動される。
そして、シャッタ14は、図5に示すように廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に固定される状態にて廃棄トナー吐出開口3aを開放し、図4に示すように廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)から解離されている状態にて廃棄トナー吐出開口3aを閉鎖する。
【0031】
このような構成を有する本実施形態の画像形成装置S1においては、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に対して固定されていない状態から廃棄トナーボトル1をセンサケース3(すなわち本体部2)に対して押し込むことで、突出部11が係止部12によって係止され、これによって廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に固定される。
一方、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に対して固定されている状態から廃棄トナーボトル1を再度押し込むことで、係止部12が突出部11を解離し、これによって付勢部13が廃棄トナーボトル1を押し返し、当該廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)から解離される。
【0032】
続いて、図6〜図8を参照して、線バネ12bと、突出部11の突起部20の構成及び動作について詳細に説明する。
図6は、線バネ12bの上面図である。この図に示すように、線バネ12bは、支軸12b4の両端から直角方向に延びる腕部12b5の先端部12b1が中心に向かって屈曲された略コの字形状の左右対称形状を有し、可撓性を有している。この線バネ12bは、図4に示すように、先端部12b1を廃棄トナーボトル1側に向けてセンサケース3によって支軸12b4が回動自在に支持されている。
なお、一方の先端部12b1と他方の先端部12b1とは、突出部11が通過可能な程度に離間されて配置されている。
【0033】
突起部20は、突出部11の側面部に設けられており、線バネ12bの先端部12b1を上下方向に案内するものである。
この突起部20は、突出部11の一方側(図7及び図8における手前側)と他方側(図7及び図8における奥側)とで異なる形状を有している。押圧方向と直交する水平方向からの矢視図である図7及び図8を参照しながら、これらの突起部20の形状について詳しく説明する。なお、以下の説明においては、突出部11の一方側(図7及び図8における手前側)を手前側突起30と称して図7及び図8において実線で示し、突出部11の他方側(図7及び図8における奥側)を奥側突起40と称して図7及び図8において破線で示す。
【0034】
図7及び図8に示すように、手前側突起30は、廃棄トナーボトル1が押込方向に移動する際に線バネ12bの先端部12b1を下方に向けて案内する下方案内領域31と、当該下方案内領域31よりも口部1c側に設けられると共に線バネ12bの先端部12b1が係止される係止領域32と、当該係止領域32及び下方案内領域31よりも上方に設けられて線バネ12bの先端部12b1を下方から支持する支持領域33とによって周面が構成される中央突起30Aのみから構成されている。
【0035】
一方、奥側突起40は、中央突起30Aと同様の下方案内領域41と、係止領域42と、支持領域43とによって周面が構成される中央突起40Aと、中央突起40Aよりも口部1c側に離間して配置される側方突起40Bとによって構成されている。
側方突起40Bは、中央突起40Aよりも口部1c側に離間して中央突起40Aを向いて配置されると共に廃棄トナーボトル1が押込方向に移動する際に先端部12b1を上方に向けて案内する傾斜領域44とを有している。
【0036】
そして、図7及び図8に示すように、手前側突起30の中央突起30Aは、係止領域32のみが係止領域42と一致される以外は、奥側突起40の中央突起40Aよりも大きく形状設定されている。
そして、押込方向と直交する水平方向から見て、手前側突起30である中央突起30Aの下方案内領域31の後端31aは、奥側突起40の側方突起40Bが備える傾斜領域44の下端44aに対して線バネ12bの先端部12b1の直径以内の距離に近接して配置されている。
また、押込方向と直交する水平方向から見て、手前側突起30である中央突起30Aの支持領域33の後端33aは、奥側突起40の側方突起40Bが備える傾斜領域44の上端44bに対して線バネ12bの先端部12b1の直径以内の距離に近接して配置されている。
また、線バネ12bが下方に自重で落下した際に、腕部12b5が途中の位置でセンサケース3に形成された受け部3cの角部に接触して支持される。この支持状態において、先端部12b1は廃棄トナーボトル1が押込まれる際の中央突起30Aの下方案内領域31の下端31bよりも高い位置に配置される。
【0037】
このように構成された線バネ12bと突起部20では、廃棄トナーボトル1が解離された状態から押し込まれると、図7(a)及び図7(b)に示すように、線バネ12bの手前側の先端部12b1(以下、手前側先端部12b2と称する)が中央突起30Aの下方案内領域31によって下方に案内され、腕部12b5が受け部3cと支軸12b4により位置規制されるため弾性変形する。線バネ12bの奥側の先端部12b1(以下、奥側先端部12b3と称する)の位置は、奥側の腕部12b5が受け部3cに接触した状態のまま維持される。
【0038】
そして、手前側先端部12b1が中央突起30Aの下方案内領域31の下端31bを乗り越えると手前側腕部12b5の弾性変形が解消され、手前側先端部12b1が下方案内領域31の下端31bよりも高い位置に移動する。
【0039】
そして、手前側突起30である中央突起30Aの下方案内領域31の後端31aが、側方突起40Bが備える傾斜領域44の下端44aに対して線バネ12bの先端部12b1の直径以内の距離に近接して配置されているため、手前側先端部12b2が中央突起30Aの下方案内領域31を越えて口部1c側に寄ると、図7(c)に示すように、奥側先端部12b3が側方突起40Bの下側に潜り込む。
【0040】
その後、突出部11が付勢部13によって押込方向と反対方向に少しだけ押し戻されると、手前側先端部12b2が係止領域32に係止され、奥側先端部12b3が係止領域42に係止される。これによって、突出部11は、押込方向に対して直交する水平方向の両側から係止される。
【0041】
このように本実施形態の画像形成装置S1においては、廃棄トナーボトル1が解離された状態から廃棄トナーボトル1に対して1度だけ押込動作をおこなうことによって、突出部11が係止部12に係止されて廃棄トナーボトル1が固定される。
【0042】
続いて、再度廃棄トナーボトル1を押し込むと、図8(a)に示すように、奥側先端部12b3が側方突起40Bの傾斜領域44によって上方に案内され、手前側先端部12b2も奥側先端部12b3と共に上昇する。そして、図8(b)に示すように、奥側先端部12b3が側方突起40Bの上側に入り込み、当該奥側先端部12b3及び手前側先端部12b2が側方突起40Bの上側に位置することとなる。
【0043】
その後、突出部11が付勢部13によって押込方向と反対方向に少しだけ押し戻されると、奥側先端部12b3が下方に戻ろうとするものの、中央突起30Aの支持領域33の後端33aが傾斜領域44の上端44bに対して線バネ12bの先端部12b1の直径以内の距離に近接して配置されているため、手前側先端部12b2が中央突起30Aの支持領域33に支えられることなる。このため、奥側先端部12b3も上方にて支えられ、さらに突出部11が付勢部13によって、図8(c)に示すように、手前側先端部12b2が中央突起30Aの支持領域33に支持され、奥側先端部12b3が中央突起40Aの支持領域43に支持されることとなる。
この結果、手前側先端部12b2及び奥側先端部12b3が係止領域32,42から解離されて、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)から解離される。
【0044】
以上のような本実施形態の画像形成装置S1及び廃棄トナーボトル1の脱着方法によれば、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に対して固定されていない状態から廃棄トナーボトル1をセンサケース3(すなわち本体部2)に対して押し込む押込動作によって廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に固定され、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に対して固定されている状態から押込動作によって廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)から解離される。
つまり、本実施形態の画像形成装置S1及び廃棄トナーボトル1の脱着方法においては、廃棄トナーボトル1の固定と解離とが廃棄トナーボトル1をセンサケース3(すなわち本体部2)に対して押し込む押込動作ごとに行われる。
このため、ユーザが廃棄トナーボトル1のみを操作することによって廃棄トナーボトル1の脱着を行うことができる。
したがって、本実施形態の画像形成装置S1及び廃棄トナーボトル1の脱着方法によれば、より容易に廃棄トナーボトル1の脱着を可能とすることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態の画像形成装置S1においては、ロック機構10において、突出部11が廃棄トナーボトル1に設置され、係止部12がセンサケース3(すなわち本体部2)に設置される構成を採用している。
このため、係止部12が突出部11を係止した際には、確実に廃棄トナーボトル1を固定することができる。
【0046】
また、本実施形態の画像形成装置S1においては、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に固定されている状態にて廃棄トナーボトル1の開口1bに接続されると共にセンサケース3(すなわち本体部2)に設けられる廃棄トナー吐出開口3aを備える。
また、廃棄トナーボトル1がセンサケース3(すなわち本体部2)に固定される状態にて廃棄トナー吐出開口3aを開放し、廃棄トナーボトル2がセンサケース3(すなわち本体部2)から解離されている状態にて廃棄トナー吐出開口3aを閉鎖すると共に付勢部13に固定されて当該付勢部13の変形に伴って廃棄トナー吐出開口3aを開放する位置と廃棄トナー吐出開口3aを閉鎖する位置との間で移動されるシャッタ14を備える。
このため、廃棄トナーボトル1の脱着動作に合わせて廃棄トナー吐出開口3aの開閉を行うことができる。このため、廃棄トナー吐出開口3aの開閉を簡易に行うことができ、また、廃棄トナーが外部に漏出することを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態の画像形成装置S1においては、係止部12が、線バネ12bによって、突出部11を押込動作の押込方向に対して直交する水平方向の両側から突出部11を係止している。
このため、廃棄トナーボトル1が水平方向の両側から支持されて固定されることとなり、例え廃棄トナーの回収によって廃棄トナーボトル1の重量が増加した場合であっても、安定して廃棄トナーボトル1を固定することができる。
【0048】
また、本実施形態の画像形成装置S1においては、突出部11が廃棄トナーボトル1の開口1bを有する口部1cに固定されている。
このため、ロック機構10によって口部1cが最も強固に固定され、開口1bが意図せずに廃棄トナー吐出開口3aから外れることを防止することができる。
【0049】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態においては、ロック機構10が突出部11と係止部12と付勢部13とを備える構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ロック機構10の構成は、廃棄トナーボトルの押込動作によって廃棄トナーボトルの固定と解離とを繰り返す構成であれば任意である。
【0051】
また、上記実施形態においては、突出部11が廃棄トナーボトル1の口部1cに固定された構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、突出部11を廃棄トナーボトル1の収容部1aに固定することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
S1……画像形成装置、1……廃棄トナーボトル、1b……開口、1c……口部、……本体部、3……センサケース、3a……吐出開口、10……ロック機構、11……突出部、12……係止部、13……付勢部、14……シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を用いて画像形成を行った後に発生する廃棄トナーを回収する廃棄トナーボトルと、当該廃棄トナーボトルを収容する本体部とを備える画像形成装置であって、
前記廃棄トナーボトルが前記本体部に対して固定されていない状態から前記廃棄トナーボトルを前記本体部に対して押し込む押込動作によって前記廃棄トナーボトルを前記本体部に固定すると共に、前記廃棄トナーボトルが前記本体部に対して固定されている状態から前記押込動作によって前記廃棄トナーボトルを前記本体部から解離するロック機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ロック機構は、
前記廃棄トナーボトルに設置されると共に前記押込動作の際に突出方向に移動される突出部と、
前記本体部に設置されると共に前記押込動作ごとに前記突出部の係止と解離とを行う係止部と、
前記本体部に設置されると共に前記突出部を前記押込動作の際の押込方向と反対側に向けて付勢する付勢部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記廃棄トナーボトルが前記本体部に固定されている状態にて前記廃棄トナーボトルの開口に接続されると共に前記本体部に設けられる廃棄トナー吐出開口と、
前記廃棄トナーボトルが前記本体部に固定される状態にて前記廃棄トナー吐出開口を開放し、前記廃棄トナーボトルが前記本体部から解離されている状態にて前記廃棄トナー吐出開口を閉鎖すると共に前記付勢部に固定されて当該付勢部の変形に伴って前記廃棄トナー吐出開口を開放する位置と前記廃棄トナー吐出開口を閉鎖する位置との間で移動されるシャッタと
を備えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記突出部を前記押込動作の押込方向に対して直交する水平方向の両側から前記突出部を係止することを特徴とする請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記突出部が前記廃棄トナーボトルの開口を有する口部に固定されていることを特徴とする請求項2〜4いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
トナー像を用いて画像形成を行った後に発生する廃棄トナーを回収する廃棄トナーボトルと、当該廃棄トナーボトルを収容する本体部とを備える画像形成装置における前記廃棄トナーボトルの脱着方法であって、
前記廃棄トナーボトルが前記本体部に対して固定されていない状態から前記廃棄トナーボトルを前記本体部に対して押し込む押込動作によって前記廃棄トナーボトルを前記本体部に固定すると共に、前記廃棄トナーボトルが前記本体部に対して固定されている状態から前記押込動作によって前記廃棄トナーボトルを前記本体部から解離することを特徴とする画像形成装置における前記廃棄トナーボトルの脱着方法。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−159618(P2012−159618A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18216(P2011−18216)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】