画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
【課題】背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、様々な塗りのパターンを設定する場合でも、詳細な指定をユーザに強いることなく、見栄えの良い装飾を施すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷し、ユーザが手書きした上記手書き原稿シートを読み取り、上記読み取った画像に含まれている手書き画像を抽出し、上記読み取った画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断し、上記判断した指定内容に応じて、装飾パラメータを決定し、上記決定した装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成し、この合成画像を印刷する。
【解決手段】手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷し、ユーザが手書きした上記手書き原稿シートを読み取り、上記読み取った画像に含まれている手書き画像を抽出し、上記読み取った画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断し、上記判断した指定内容に応じて、装飾パラメータを決定し、上記決定した装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成し、この合成画像を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ等の画像読取装置と、プリンタ等の印字装置と、記憶媒体に保存されているデジタル画像を読み込む機能をもつ画像形成装置において、デジタル画像とユーザの手書き画像とを合成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の機能の1つとして、記憶媒体に保存されているデジタル画像と、スキャナで読み取った手書き画像とを合成し、印刷する発明が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このシステムでは、手書き画像をそのまま合成する以外にも、手書き画像に白縁取りや色付きの縁取り、塗りつぶし等、装飾を施して合成する機能も知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
これらの装飾をより華やかにする方法として、縁取り、塗りつぶし、陰影等の領域へ適用する塗りのパターンの種類を増やすことが考えられる。すなわち、白色や黒色だけでなく、赤、青等、単色のカラーや、チェック、水玉等、色付きの模様で装飾することによって、より多様で華やかな合成結果を期待できる。
【特許文献1】特開2003−80789号公報
【特許文献2】特開2006−352526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、塗りのパターンが多様化することで問題も生じる。たとえば、縁取りの場合、塗りのパターンによって見栄えの良い太さは異なるので、塗りのパターンによらず、一律に同じ太さの縁取りを行うのは適切ではない。
【0006】
図1は、塗りパターンによらず、一律に同じ太さで縁取りした場合の説明図である。
【0007】
図1に示す一律に細い縁取り120のように、一律に細く縁取りすると、単色による縁取り121のような縁取りとしては、適切であるが、模様による縁取り122、123のような縁取りは、面積が小さいので、模様がよく見えず、見栄えが良くない。逆に、一律に太く縁取りすると、一律に太い縁取り130の例である太い縁取り132、133のように、模様がはっきり見えて適正であるが、縁取り131のように、単色の縁取りとしてはかなり太く見える。
【0008】
上記問題を解決する方法として、一般的には、縁取りの太さを細かく指定できる等、詳細な設定項目を用意することが考えられる。
【0009】
しかし、手書き原稿シートに、装飾に関する指定をユーザがする時点では、装飾の適用結果を確認することができないので、どの設定値が適切であるかが分からず、決めかねるという問題がある。特に、最終的な印刷物が出るまで、見栄えに関するフィードバックが無い場合、インクや用紙が無駄になるリスクが伴うという問題がある。
【0010】
それだけでなく、大まかな装飾の指定ができれば、あとは見栄えが良ければそれで良いというユーザにとっては、設定項目を詳細に設定することは、作業が煩雑で不便であるという問題がある。
【0011】
本発明は、背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、様々な塗りのパターンを設定する場合でも、詳細な指定をユーザに強いることなく、見栄えの良い装飾を施すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷手段と、上記指定欄と上記手書きエリアとに記入されている上記手書き原稿シートを読み取る読取手段と、上記読取手段が取得した画像に含まれている手書き画像を抽出する抽出手段と、上記読取手段が取得した画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断する判断手段と、上記判断手段が判断した指定内容に応じて、装飾パラメータを決定する決定手段と、上記決定手段が決定した装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成する合成手段と、上記合成手段が生成した合成画像を印刷する第2の印刷手段とを有し、上記指定欄は、塗りパターンを指定するための塗りパターン指定欄を含む欄であり、上記決定手段は、ユーザが指定したと上記判断手段が判断した塗りパターンに基づいて、装飾パラメータを決定する手段であり、上記合成手段は、上記塗りパターンと上記装飾パラメータとに対応した装飾を施す手段である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装飾に使用する塗りのパターンに応じて、装飾のパラメータを決定するので、様々な塗りのパターンを設定する場合でも、詳細な指定をユーザに強いることなく、見栄えの良い装飾を施すことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0015】
<言葉の定義>
写真等の背景画像に、ユーザが手書きした文字や画像を、必要に応じて装飾を施して合成し、合成された画像を印刷する機能を、『手書き合成機能』または単に『手書き合成』と表現する。
【0016】
図3は、手書き原稿シート300の一例を示す図である。
【0017】
手書き画像への縁取り等の装飾を施す領域に、適用する単色や模様を、『塗りパターン』と表現し、たとえば、図3に示す塗りパターン指定欄330で指定する。
【0018】
手書き画像に施す装飾が一意に定まる具体的、定量的情報のうちで、使用する塗りパターン以外の情報の個々または複数のまとまりを、『装飾パラメータ』と表現する。すなわち、塗りパターンと必要な装飾パラメータとが全て揃うことによって、最終的な装飾が一意に定まる。装飾パラメータは、たとえば、図12のサンプルの選択肢1220の縦の項目1221であり、各種効果(縁取り、波状の縁取り、白抜き、陰影)の有無やサイズに関する情報(縁取りの太さ、縁取りの波の間隔や高さ、陰影の太さ)等である。
【0019】
装飾に関するユーザの意向を反映し、装飾パラメータを決定するための参考情報として用いられる情報を、『装飾様式』と表現する。
【0020】
たとえば、図3に示す装飾様式指定欄320において、装飾様式を指定する。なお、装飾様式を以って直接装飾が施されることは無く、必ず、指定された塗りパターンと装飾様式とに基づいて、装飾パラメータを決定するという過程を経て、装飾される。よって、最終的に具体的、定量的情報である装飾パラメータに変換されるので、装飾様式では、縁取りが太い、細い等、抽象的な情報でもよい。以上で言葉の定義を終える。
【0021】
手書き合成機能は、手書き原稿シートの印刷、手書き原稿シートへの記入、原稿の解析・合成画像印刷という3段階に大きく分かれている。
【0022】
以下では、画像形成装置の構成と手書き原稿シートの構成とについて述べた後に、手書き合成の3段階の処理について述べる。それに続き、装飾の種類とそれに対応する装飾パラメータ、及び装飾様式を例示し、本発明にとって重要な、塗りパターンに応じた装飾パラメータ決定に関して詳細に述べる。
【0023】
<画像形成装置の構成>
図2は、本発明の実施例1である画像形成装置200を示すブロック図である。
【0024】
スキャナ部210は、たとえばCIS方式、またはCCD方式のカラースキャナによって構成されている。ライン上に配置されているセンサを一方向に駆動させながら、画像のデジタルデータを形成する装置である。照明211が原稿に当てた光の反射光を、イメージセンサ212が受光し、その量をAD変換部213がデジタルデータに変換する。得られたデータは、センサデータ制御部214が、RAM242に保存する。イメージセンサと照明とを移動制御するのは、センサ駆動制御部215である。
【0025】
プリンタ部220は、たとえばインクジェット方式のプリンタによって構成されている。インクジェット方式のプリンタは、不図示のインクカートリッジから供給されるインクを、印字用紙に吹きつけることによって、画像を形成する装置であり、以下にその動作を記述する。パソコン等、不図示の外部記憶装置から印字ジョブが依頼されると、不図示の外部装置とのインタフェース部を介して、外部記憶装置から入力される画像データの印字用のデータが、印字データ制御部224に一時的に作成される。また、ユーザインタフェース部231を介して、ユーザがコピージョブを依頼すると、スキャナ部210が読み取り、制御部240を経由した画像データの印字用データが、印字データ制御部224に一時的に保存される。印字駆動制御部222は、印字データ制御部224に保存されている印字用データから、インクの吹き付け位置を決定し、その位置に基づいて、印字用紙を印字紙搬送部223が搬送し、インクを吐出させる部品であるプリントヘッド221を駆動させる。以上の構成によって、印字用紙上に画像を形成する。
【0026】
操作部230は、画像形成装置200にユーザが指令を出す部分である。ユーザインタフェース部231は、キーや液晶画面で構成されているオペレーションパネル等の操作部分である。記憶媒体制御部232は、メモリーカード等の着脱可能な記憶媒体233を、画像形成装置200と結合する部分であり、結合された記憶媒体233に、画像データが存在すれば、記憶媒体制御部232は、それを認識し、制御部240に通達する。
【0027】
制御部240は、画像形成装置200の制御部である。ROM241は、この画像形成装置200の制御プログラムを格納している不揮発性メモリであり、この制御プログラムを、CPU243が実行することによって、制御部240は、スキャナ制御ユニット、プリンタ制御ユニット等として機能する。
【0028】
制御部240は、上記の他に、手書き原稿シート印刷ユニット、手書き原稿シートスキャンユニット、合成実行ユニット及び合成結果印刷ユニットとして機能する。
【0029】
スキャナ制御ユニットは、スキャナ部210が原稿のデジタルデータを作成する場合、スキャナ部210を制御する。プリンタ制御ユニットは、デジタルデータをプリンタ部220が印字紙上に形成する場合の制御を行う。手書き原稿シート印刷ユニットは、ユーザが操作部230を介して手書き原稿シートの作成を依頼すると、写真画像を用いて手書き原稿シートのデジタルデータを作成し、プリンタ部220が出力する制御を行う。
【0030】
手書き原稿シートスキャンユニットは、スキャナ部210が手書き原稿シートをスキャンすることによってデジタル画像データを取得し、その中から手書き画像を抽出する制御を行う。合成実行ユニットは、手書き画像と写真画像とを合成し、合成結果印刷ユニットが合成結果をプリンタ部220に送信する。RAM242には、スキャナ部210で読み取られた画像データや、プリンタ部220が印字をするためにJPEG形式のファイルを印字データに変換したもの等、一時的に必要なデータが逐次保存され、必要がなくなり次第削除する。
【0031】
なお、プリンタ部220は、手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷手段の例である。また、プリンタ部220は、装飾パラメータに基づく装飾を、手書き画像に施し、背景画像と合成した合成画像を印刷する第2の印刷手段の例である。
【0032】
以上で画像形成装置200の構成に関する説明を終える。
【0033】
<手書き原稿シートの構成>
ここでは、手書き原稿シート300をマークシートとして使用し、ユーザは、シートの指定欄にマークすることによって、指定することができる。ここでは、ユーザがマークすることによって指定することを想定し、説明する。なお、手書き合成の種々の指定項目が、何を介して指定されるかは任意であり、画像形成装置200上のユーザインタフェースやPC等の外部機器を介して指定するようにしてもよい。
【0034】
用紙指定欄310は、画像を合成した後に、印刷を行うときの用紙サイズをユーザが選択できるように設けられた欄である。用紙指定欄310に示すような用紙のサイズに関する情報に限らず、普通紙であるのか光沢紙であるのか等、情報を指定する項目があってもよい。
【0035】
装飾様式指定欄320は、手書き画像に施す装飾の様式を設定する欄である。手書き画像に装飾するかどうか、縁取りの太さや、閉曲線内を塗りつぶすかどうか、手書き部分を白抜きにするかどうか等を指定する。図3に示す例において、縁取りの有無、縁取りの太さ、塗りつぶしするかどうか、白抜きするかどうかについて、6つのサンプルを用いて視覚的に示し、そこから選択する。
【0036】
塗りパターン指定欄330は、装飾に用いる塗りパターンを指定する欄である。ここで選択された塗りパターンによって、縁取りや塗りつぶし、陰影等の装飾が施される。また、単色でもよく、複数の色によって模様を形成していてもよい。表示の都合上、白黒であるが、それぞれの塗りパターンは、白黒に限らず、有彩色を意図している。
【0037】
手書きエリア340は、ユーザが手書きする領域であり、ここでは、手書きエリアと呼ぶ。手書きエリア340には、手書き画像と写真画像との位置関係が、合成の結果どのようになるのかを、ユーザに分かり易くするために、薄だし写真画像341のように、写真画像が薄く印刷されている。
【0038】
手書き画像342の文字は、シートの印刷が終了した後に、ユーザが書き足した文字である。文字に限らず、任意の画像を描いてもよい。また、図中での色は、黒であるが、任意の色で書き込むようにしてもよい。
【0039】
手書き原稿シート判別マーク350は、シートをスキャンした時にスキャンした原稿が手書き原稿シート300であることを判別するために使用するマークである。手書き原稿シート判別マーク350には、合成したい画像が、記憶媒体の中のどの画像であるか等の情報が入っているので、シートによって黒塗りの位置が異なる。
【0040】
以上で手書き原稿シート300の構成に関する説明を終える。ここまでの画像形成装置200の構成と手書き原稿シート300の構成とについての説明に続き、手書き合成の3段階の処理について述べる。
【0041】
<手書き原稿シート300の印刷>
図4は、手書き原稿シート300を印刷する動作を示すフローチャートである。
【0042】
説明文中、「画像データ」は、画像中のある画素についてのR、G、Bの3つの値を持つ形式で、1つの要素が構成されているデジタルデータである。
【0043】
S41で、ユーザがユーザインタフェース部231を操作し、手書き原稿シート300の印刷実行を選択する。
【0044】
S42で、CPU243が、記憶媒体233に保存されている写真画像のサムネイル画像を、RAM242に作成し、ユーザインタフェース部231に表示する。
【0045】
S43で、ユーザが、表示されている写真画像を見ながら、ユーザインタフェース部231を操作し、合成を行いたい写真画像を選択する。
【0046】
S44で、CPU243は、記憶媒体233から写真画像ファイルを読込み、RAM242に一時的に保存する。このときに、CPU243は、記憶媒体233内のどの画像を用いたかという情報を入れた手書き原稿シート判別マーク350を作成する。
【0047】
手書き原稿シート300の手書きエリア340に、写真画像を薄く印字するための画像データを作成する。まず、手書きエリア340の縦横比と同じになるように、写真画像の上下または左右を切り出す。切り出した画像を、手書き原稿シート300のデジタル画像フォーマット中の手書きエリア340と同じサイズになるようにリサイズする。
【0048】
図5は、薄だし写真画像341の説明図である。
【0049】
図5に示すように、薄だし写真画像341の画像データへ変換する。薄だし写真画像341は、写真画像51の階調数を減らし、低濃度領域のみで表現する画像である。この際に、図5(a)に示す対応関係で、同じRGBの値であっても、通常の印字と比較して薄く印字する。
【0050】
CPU243は、上記方法で作成した薄だし写真画像341の画像データと、手書き原稿シート判別マーク350の画像データとを、RAM242に保存する。
【0051】
S45で、CPU243は、ROM241に保存されている手書き原稿シート300のデジタル画像のフォーマットをRAM242に保存する。
【0052】
S46で、CPU243は、手書き原稿シート300の手書きエリア340の部分に、薄だし写真画像341を嵌め込み、手書き原稿シート判別マーク350を、所定の位置に嵌め込み、手書き原稿シート300の印字データを作成する。
【0053】
S47で、CPU243は、作成された手書き原稿シート300の画像データをプリンタ部220に出力させる。
【0054】
<手書き原稿シート300への記入>
次に、上記<手書き原稿シート300の印刷>で出力された手書き原稿シート300に、ユーザが各項目を記入する。例示した手書き原稿シート300において、用紙指定欄310へマークし、装飾様式指定欄320へマークし、塗りパターン指定欄330へマークし、手書きエリア340へ手書き画像を描画する。
【0055】
<原稿の解析・合成画像印刷>
図6は、手書き原稿シート300に記入した後から、手書き合成された印刷物が出力されるまでの処理を示すフローチャートである。
【0056】
S61で、CPU243は、手書き原稿シート300の読込みを促す表示を、ユーザインタフェース部231に行う。ユーザは、これを確認し、記入済みの手書き原稿シート300を、スキャナ部210に読み取らせる。S62で、CPU243は、用紙指定欄310、装飾様式指定欄320、塗りパターン指定欄330で、どれが選択されているか、及び手書き原稿シート判別マーク350からどの画像を指定した手書き合成であるか等、ユーザの指定内容を示す情報を得る。S63では、CPU243は、S62で抽出したユーザの指定内容を示す情報が、合成画像を出力するのに適当なものであるかどうかを判断する。たとえば、用紙の指定が無い、指定された画像が無い等、不適当である場合、エラー通知を出し、終了する。
【0057】
S64で、CPU243は、指定されたと判断した装飾様式と塗りパターンとに基づいて、装飾パラメータを決定する。この部分の詳細は、後述する。
【0058】
S65で、CPU243は、手書きエリア340に描かれている手書き画像342を、薄だし写真画像341と区別して抽出する。S66では、CPU243は、S65で抽出された手書き画像に、S64で決定された装飾パラメータに従って、縁取りや塗りつぶし等の装飾を施し、写真画像51との合成画像を作成する。
【0059】
S67では、S66で作成された合成画像を、用紙指定欄310で指定された用紙に、プリンタ部220が印刷する。
【0060】
<装飾の種類と装飾パラメータについて>
装飾は様々であり、ここでは、装飾のいくつかの種類とそれぞれに対応する装飾パラメータとの例を示す。なお、装飾パラメータの表現の仕方が異なっても、等価な装飾パラメータの取り方もあり、本発明の適用対象は、例示したものに限定されない。上記実施例では、各装飾に対する装飾パラメータを個別に示すが、縁取りと塗りつぶしとのように、同時に適用可能な装飾の組み合わせもあり、最終的な装飾パラメータには、各装飾の適用の有無と適用する装飾との全ての装飾パラメータが含まれる。
【0061】
図10は、様々な装飾の例を示す図である。
【0062】
装飾には、図10に示すものがある。ここでは、装飾を施す対象を、黒色の円、塗りパターンに、図10に示す単色を用いたものとして示す。
【0063】
縁取り1011は、手書き画像の周りを一様な太さで装飾する縁取りであり、装飾パラメータは、この装飾の有無と縁取りの太さとを示す。装飾1012は、手書き画像の周りを、突起の有る形状で縁取りする装飾であり、装飾パラメータは、この装飾の有無と、突起の高さや幅を示す。
【0064】
これに似た装飾として、緩やかな波の形状の縁取り等も考えられ、この場合も波の高さや幅を、装飾パラメータとして持つことができる。装飾1013は、手書き画像中の閉曲線内を塗りパターンで塗りつぶす装飾『塗りつぶし』であり、装飾パラメータは、この効果の有無である。装飾1014は、手書き画像部分を白色に置換する装飾『白抜き』であり、装飾パラメータは、この装飾の有無を示し、縁取りやそれに類する装飾と同時に使用される。
【0065】
装飾1015は、手書き画像部分を塗りパターンによる塗りに置換する装飾であり、装飾パラメータは、この効果の有無を示す。装飾1016は、手書き画像と相似な影を付加する装飾であり、装飾パラメータは、この効果の有無と、塗りの広さに関連した情報である手書き画像に対する大きさの倍率、手書き画像に対する相対位置(縦、横)を示す。
【0066】
<装飾様式について>
実施例1においては、最終的な装飾パラメータは、画像形成装置200が決定するので、ユーザが指定する装飾様式が含む情報は、装飾に関する情報の一部のみであってもよく、情報として抽象的であってもよい。よって、ユーザの意向がある程度反映できれば、指定すべき項目は、詳細で煩雑なものではなく。シンプルで分かり易いものが望ましい。
【0067】
ここでは、ユーザが手書き原稿シート300に記入することによって、ユーザが指定することを想定しているが、画像形成装置200上のユーザインタフェースやPC等の外部機器を介して、ユーザが指定するようにしてもよい。
【0068】
また、上記装飾様式の定義から、装飾様式指定欄で指定すべき箇所が複数ある場合、1箇所でも指定され、装飾に関する情報を持てば、指定されない部分があっても、『装飾様式の指定が有る』とみなす。装飾様式を指定する場合、とり得る装飾がたとえば縁取り、塗りつぶし、白抜きの3種類であれば、図3の装飾様式指定欄320に示すように、視覚的なサンプルから選択する方法が考えられる。この場合、縁取りに関しては太い、細いという抽象的な2段階のみの情報とし、さらに、選択肢を6通りのみとすれば、直感的で分かり易い。なお、装飾様式指定欄320において、点線で囲まれている網線領域が、塗りパターンで塗られる対象である。
【0069】
図7は、装飾様式指定欄の例を示す図である。
【0070】
装飾様式を指定する場合、いくつかの選択肢から1つを選ぶものでなくてもよい。サンプルの選択肢70に示すように、各種装飾の適用の有無に関してのみ視覚的なサンプルの選択肢を用意し、縁取りの太さに関しては、別の項目71のように、別の項目として、ユーザが指定するようにしてもよい。この際、縁取りの太さの指定は、縁取りの有る選択肢に対してのみ有効である。
【0071】
また、縁取りの太さについて指定する場合、縁取りの太さ72のように、ゲージ(右に行くほど太いことを意味する)で表示されている部分に線を引いて指定する方法や、縁取りの太さ73のように、直接数値を書き入れる方法でもよい。ユーザの意向が汲み取れるものであれば、何でもよい。
【0072】
図11は、視覚的サンプルを用いない装飾様式指定欄の例を示す図である。
【0073】
各種装飾の適用の有無について、視覚的なサンプルを用いなくてもよく、図11に示すように、単純に各装飾の適用に関する指定欄1100を用意するようにしてもよい。
【0074】
<装飾パラメータ決定に関する詳細>
実施例1の特徴は、装飾に関する塗りパターン以外のパラメータ(すなわち装飾パラメータ)が、塗りパターンの指定に影響を受けることである。ここでは、装飾パラメータを決定する方法を例示する。なお、装飾様式の指定と同様に、指定の仕方は、手書き原稿シート300上で選択肢を選ぶ以外に、画像形成装置200上のユーザインタフェースやPC等の外部機器を介して、ユーザが指定するようにしてもよい。
【0075】
最も基本的な決定方法は、装飾様式と塗りパターンとの組み合わせごとに、装飾パラメータを予め設定しておく方法である。
【0076】
図8は、縁取りの太さを決定する規則の一例を示す図である。
【0077】
たとえば、装飾様式指定欄が、図3に示す装飾様式指定欄320のようなものである場合、縁取りの太さに関する設定値として、サンプルの選択肢810を考えることができる。横の項目811は、塗りパターンを示し、縦の項目812は、装飾様式を示す。数値813は、装飾様式と塗りパターンとの組み合わせに対する縁取りの太さを示す数値である。模様は、単色に比べて太く、単色の間でも色の薄いものは、より太く、模様の間でも繰り返し幅の広いものほど、太くするという指針で設定されている。
【0078】
このようにすれば、装飾様式の指定が同じであっても、塗りパターンに合わせた縁取りの太さが適用され、図1に示す一律に細い縁取り120や一律に太い縁取り130と比較して、各塗りパターンに応じた見栄えの良い縁取りの装飾結果を得ることができる。
【0079】
また、サンプルの選択肢820のように、装飾様式が同じものについては、塗りパターンが単色であるのか、模様であるのかによってのみ、縁取りの太さが異なるように設定してもよい。縁取りの太さに限らず、相似な影の大きさについての装飾パラメータや、突起つきの縁取りの突起の高さ等の装飾パラメータに関しても、上記と同様である。
【0080】
さらに、各装飾の有無は、装飾パラメータの1つであるので、各装飾を実行するかどうかを、塗りパターンによって異なるようにしてもよい。たとえば、装飾様式の指定では、白抜きをするという情報が含まれていても、白色に近い塗りパターンでは、白抜きを行わないという設定にするようにしてもよい。この設定を用いる際に、各種装飾の有無に関して指定しているにもかかわらず、その指定が無視され得るので、ユーザの利便性を考慮し、『必ず指定通りの装飾を行う』という項目を用意するようにしてもよい。
【0081】
図12は、装飾様式指定欄が無い手書き原稿シートの例と、その場合における装飾パラメータの決定規則とを示す図である。
【0082】
手書き原稿シート1210のように、装飾様式指定欄が無く、ユーザが塗りパターンのみを指定することによって、塗りパターンに合った装飾パラメータによる装飾を施す方法も考えられる。この際に、サンプルの選択肢1220のように、塗りパターンごとに装飾パラメータが予め設定され、その設定値によって装飾する。
【0083】
また、装飾様式指定欄がある場合でも、ユーザの指定が無い、または指定欄に『おまかせ』のような項目があり、それが指定された場合にも、サンプルの選択肢1220のように、塗りパターンの指定のみから、装飾パラメータを決定するようにしてもよい。
【0084】
装飾様式の指定において、装飾様式の一部のみをユーザが指定した場合も、上記の通り『装飾様式の指定が有る』とみなし、装飾パラメータを決定するようにしてもよい。
【0085】
装飾様式指定欄で指定されていない部分を補完し、それ以降の処理は、同じようにすることが、最も単純な方法である。たとえば、装飾様式指定欄320のサンプルの選択肢70において、各装飾の有無を表す視覚的サンプルのみを指定した場合、別の項目71で『細く』が指定されたものと見なす等すればよい。逆に、別の項目71のみ指定した際に、視覚的サンプルのうちで、上段中央(縁取りで白抜き無し)が選択されたものと見なすようにしてもよい。なお、この補完の仕方も、塗りパターンごとに異ならせてもよい。
【0086】
別の方法として、指定されなかった項目について、もともとその項目が無いような装飾様式指定欄を想定した決定規則を、全ての『指定されないパターン』に対して持っている方法が考えられる。たとえば、装飾様式指定欄320のサンプルの選択肢70において、もともと縁取りの太さに関する情報を含まない6つの視覚的サンプルに対応する装飾パラメータ決定規則を、塗りパターン毎に持たせるようにしてもよい。これによって、別の項目71の部分で指定されなくても対応することができる。上記定義の通り、装飾様式は、装飾に関する一部の情報であったり、抽象的な情報であったりするので、『一部の指定が無い』は、特別な場合ではないとし、このように対応することができる。
【0087】
一方、図3に示す装飾様式指定欄320のように、いくつかのサンプルから1つを選択する装飾様式の場合、複数の選択肢が選択されていても、エラーとせずに、塗りパターンに見合った装飾パラメータを決定するようにしてもよい。この場合、塗りパターンごとに、装飾様式の選択肢の優先順位を定め、複数個選択されている選択肢のうちで、最も優先順位の高い選択肢が選択されたと見なし、その後は、通常通りに装飾パラメータを決定すればよい。
【0088】
また、図11に示す指定欄1100のように、各装飾の有無を独立で指定する指定欄において、複数の修飾が選択され、同時に適用不可能な組み合わせである場合でも、エラーとせずに、塗りパターンに見合った装飾パラメータを決定するようにしてもよい。この方法として、各装飾の排他関係の情報と、塗りパターンごとに、各装飾の優先順位とを持ち、同時適用できる範囲で、優先順位の高いものから順に適用するようにすればよい。
【0089】
装飾様式と塗りパターンとの組み合わせごとに、装飾パラメータを予め設定する以外に、装飾様式が含む情報が連続的な値をとる場合、これに応じた装飾パラメータを決定させる決定規則を、各塗りパターンに持たせるようにしてもよい。この場合、図7に示す縁取りの太さ72、73のように、連続的な値の中から、ユーザが指定する場合に、対処することができる。
【0090】
図9は、縁取りの太さを決定する規則の一例を示す図である。
【0091】
縁取りの太さを例に取ると、図9に示すように、単純な関数のような形で対応関係を持たせる。図9に示す3つのグラフは、互いに異なる塗りパターンの持つ縁取りの太さを決定する規則を示すグラフである。横軸が、装飾様式における縁取りの太さの指定値であり、たとえばミリメートルを単位とする。この場合、図7の別の項目71の“太く”は、0.8mmであり、縁取りの太さ72のゲージの最大値は、2.0mmである等のように、対応関係を予め定め、装飾パラメータとしての縁取りの太さへの変換前の値を得る。グラフの縦軸は、装飾パラメータとしての縁取りの太さを示す。すなわち、縁取りの太さに関する情報を含む装飾様式を、ユーザが指定すれば、使用する塗りパターンに応じて、縁取りの太さが一意に定まる。
【0092】
決定規則910は、単色の縁取りにおける縁取りの太さを決定する規則である。グラフ中の円形の図形911と912とは、手書き画像として黒色の円が与えられたときに、どのように縁取りされるかを視覚的に示す図形である。単色の場合、図形911のように、縁取りが細くても、見栄えに問題が無いので、装飾様式の指定値を、基本的に反映し、太さの上限のみを定めている。
【0093】
決定規則920は、斜めの縞模様について、縁取りの太さを決定する規則であり、最低限の太さが無ければ、見栄えが良くないので、上限だけでなく下限も設けている。
【0094】
決定規則930は、星型のマークが入っている模様について、縁取りの太さを決定する規則であり、図形933は、図形931の一部の拡大図であり、図形934は、図形932の一部の拡大図である。このような図形の場合、星型のマークが途中で切れないように、周期的な幅の整数倍となるように、縁取りすることが見栄えが良いので、離散的な値をとるように定めている。1周期目のマークが入っている図形が、図形931であり、2周期目のマークまで入っている図形が、図形932である。
【0095】
なお、この例では、装飾様式における縁取りの太さのみから、装飾パラメータの縁取りの太さを決定する規則を、各塗りパターンが有している。しかし、図8に示すサンプルの選択肢810、820のように、縁取り以外の情報に応じて結果が異なるように、装飾様式に含まれている複数の情報を同時に用い、装飾パラメータの縁取りの太さが決定されるようにしてもよい。
【0096】
縁取りの太さに限らず、図10に示す装飾1016における相似拡大の倍率や面積等、塗りの広さに関する情報等、連続的な値をとる装飾パラメータについて、上記と同様な決定規則を用いるようにしてもよい。
【0097】
塗りパターンごとに装飾パラメータの決定規則が必ずしも事前に設定されていなくてもよい。未知の塗りパターンについて、装飾パラメータの決定規則が定まっていれば、PC上や画像形成装置200上、または手書き等で、新しい塗りパターンをユーザが作成し、登録すれば、出荷時に搭載する塗りパターン以外でも手書き合成に用いることができる。
【0098】
最も自由度が高い方法は、塗りパターンごとに持つ装飾パラメータの決定規則を、新しい塗りパターンを登録する際に、ユーザが設定する方法である。たとえば、図8に示すサンプルの選択肢810のような決定規則であれば、登録する塗りパターンに対する表の中の数値を新たにユーザが定義すればよい。または、図9に示す決定規則を登録すれば、図7に示す別の項目71、72のような指定方法にも対応できる。
【0099】
また、別の方法として、塗りパターンの繰り返しの幅を、画像解析によって求め、この求めた幅の整数倍を、見栄えの良い縁取りの幅とし、ユーザが装飾様式で指定した幅に最も近いものを適用するという決定規則930と同等の決定規則を生成することもできる。
【0100】
上記実施例は、塗りパターンを1つのみ選択可能であるが、より装飾が複雑化し、2種類以上の塗りパターンが選択可能である場合も、上記と同様である。すなわち、“塗りパターンごとに”、装飾様式に対する装飾パラメータ決定規則を有するという取り扱いを、“塗りパターンの組み合わせごとに”、装飾パラメータ決定規則を有するという取り扱いに変更すればよい。
【0101】
上記実施例は、上記のように、ユーザが記入した手書き原稿シート300を読み取り、装飾様式と塗りパターンとから、装飾パラメータを決定し、これに基づいて、装飾を施し、合成画像を印刷する画像形成装置200である。
【0102】
上記実施例において、手段を工程に置き換えれば、上記実施例を、画像形成装置の制御方法として把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】塗りパターンによらず、一律に同じ太さで縁取りした場合の説明図である。
【図2】本発明の実施例1である画像形成装置200を示すブロック図である。
【図3】手書き原稿シート300の一例を示す図である。
【図4】手書き原稿シート300を印刷する動作を示すフローチャートである。
【図5】薄だし写真画像341の説明図である。
【図6】手書き原稿シート300に記入した後から、手書き合成された印刷物が出力されるまでの処理を示すフローチャートである。
【図7】装飾様式指定欄の例を示す図である。
【図8】縁取りの太さの決定規則の一例を示す図である。
【図9】縁取りの太さの決定規則の一例を示す図である。
【図10】様々な装飾の例を示す図である。
【図11】視覚的サンプルを用いない装飾様式指定欄の例を示す図である。
【図12】装飾様式指定欄が無い手書き原稿シートの例と、その場合における装飾パラメータの決定規則とを示す図である。
【符号の説明】
【0104】
200…画像形成装置、
210…スキャナ部、
220…プリンタ部、
230…操作部、
240…制御部、
300、1210…手書き原稿シート、
320…装飾様式指定欄、
342…手書き画像、
340…手書きエリア、
330…塗りパターン指定欄、
70、810、820、1220…サンプルの選択肢、
910、920、930…決定規則。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ等の画像読取装置と、プリンタ等の印字装置と、記憶媒体に保存されているデジタル画像を読み込む機能をもつ画像形成装置において、デジタル画像とユーザの手書き画像とを合成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の機能の1つとして、記憶媒体に保存されているデジタル画像と、スキャナで読み取った手書き画像とを合成し、印刷する発明が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このシステムでは、手書き画像をそのまま合成する以外にも、手書き画像に白縁取りや色付きの縁取り、塗りつぶし等、装飾を施して合成する機能も知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
これらの装飾をより華やかにする方法として、縁取り、塗りつぶし、陰影等の領域へ適用する塗りのパターンの種類を増やすことが考えられる。すなわち、白色や黒色だけでなく、赤、青等、単色のカラーや、チェック、水玉等、色付きの模様で装飾することによって、より多様で華やかな合成結果を期待できる。
【特許文献1】特開2003−80789号公報
【特許文献2】特開2006−352526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、塗りのパターンが多様化することで問題も生じる。たとえば、縁取りの場合、塗りのパターンによって見栄えの良い太さは異なるので、塗りのパターンによらず、一律に同じ太さの縁取りを行うのは適切ではない。
【0006】
図1は、塗りパターンによらず、一律に同じ太さで縁取りした場合の説明図である。
【0007】
図1に示す一律に細い縁取り120のように、一律に細く縁取りすると、単色による縁取り121のような縁取りとしては、適切であるが、模様による縁取り122、123のような縁取りは、面積が小さいので、模様がよく見えず、見栄えが良くない。逆に、一律に太く縁取りすると、一律に太い縁取り130の例である太い縁取り132、133のように、模様がはっきり見えて適正であるが、縁取り131のように、単色の縁取りとしてはかなり太く見える。
【0008】
上記問題を解決する方法として、一般的には、縁取りの太さを細かく指定できる等、詳細な設定項目を用意することが考えられる。
【0009】
しかし、手書き原稿シートに、装飾に関する指定をユーザがする時点では、装飾の適用結果を確認することができないので、どの設定値が適切であるかが分からず、決めかねるという問題がある。特に、最終的な印刷物が出るまで、見栄えに関するフィードバックが無い場合、インクや用紙が無駄になるリスクが伴うという問題がある。
【0010】
それだけでなく、大まかな装飾の指定ができれば、あとは見栄えが良ければそれで良いというユーザにとっては、設定項目を詳細に設定することは、作業が煩雑で不便であるという問題がある。
【0011】
本発明は、背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、様々な塗りのパターンを設定する場合でも、詳細な指定をユーザに強いることなく、見栄えの良い装飾を施すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷手段と、上記指定欄と上記手書きエリアとに記入されている上記手書き原稿シートを読み取る読取手段と、上記読取手段が取得した画像に含まれている手書き画像を抽出する抽出手段と、上記読取手段が取得した画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断する判断手段と、上記判断手段が判断した指定内容に応じて、装飾パラメータを決定する決定手段と、上記決定手段が決定した装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成する合成手段と、上記合成手段が生成した合成画像を印刷する第2の印刷手段とを有し、上記指定欄は、塗りパターンを指定するための塗りパターン指定欄を含む欄であり、上記決定手段は、ユーザが指定したと上記判断手段が判断した塗りパターンに基づいて、装飾パラメータを決定する手段であり、上記合成手段は、上記塗りパターンと上記装飾パラメータとに対応した装飾を施す手段である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装飾に使用する塗りのパターンに応じて、装飾のパラメータを決定するので、様々な塗りのパターンを設定する場合でも、詳細な指定をユーザに強いることなく、見栄えの良い装飾を施すことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0015】
<言葉の定義>
写真等の背景画像に、ユーザが手書きした文字や画像を、必要に応じて装飾を施して合成し、合成された画像を印刷する機能を、『手書き合成機能』または単に『手書き合成』と表現する。
【0016】
図3は、手書き原稿シート300の一例を示す図である。
【0017】
手書き画像への縁取り等の装飾を施す領域に、適用する単色や模様を、『塗りパターン』と表現し、たとえば、図3に示す塗りパターン指定欄330で指定する。
【0018】
手書き画像に施す装飾が一意に定まる具体的、定量的情報のうちで、使用する塗りパターン以外の情報の個々または複数のまとまりを、『装飾パラメータ』と表現する。すなわち、塗りパターンと必要な装飾パラメータとが全て揃うことによって、最終的な装飾が一意に定まる。装飾パラメータは、たとえば、図12のサンプルの選択肢1220の縦の項目1221であり、各種効果(縁取り、波状の縁取り、白抜き、陰影)の有無やサイズに関する情報(縁取りの太さ、縁取りの波の間隔や高さ、陰影の太さ)等である。
【0019】
装飾に関するユーザの意向を反映し、装飾パラメータを決定するための参考情報として用いられる情報を、『装飾様式』と表現する。
【0020】
たとえば、図3に示す装飾様式指定欄320において、装飾様式を指定する。なお、装飾様式を以って直接装飾が施されることは無く、必ず、指定された塗りパターンと装飾様式とに基づいて、装飾パラメータを決定するという過程を経て、装飾される。よって、最終的に具体的、定量的情報である装飾パラメータに変換されるので、装飾様式では、縁取りが太い、細い等、抽象的な情報でもよい。以上で言葉の定義を終える。
【0021】
手書き合成機能は、手書き原稿シートの印刷、手書き原稿シートへの記入、原稿の解析・合成画像印刷という3段階に大きく分かれている。
【0022】
以下では、画像形成装置の構成と手書き原稿シートの構成とについて述べた後に、手書き合成の3段階の処理について述べる。それに続き、装飾の種類とそれに対応する装飾パラメータ、及び装飾様式を例示し、本発明にとって重要な、塗りパターンに応じた装飾パラメータ決定に関して詳細に述べる。
【0023】
<画像形成装置の構成>
図2は、本発明の実施例1である画像形成装置200を示すブロック図である。
【0024】
スキャナ部210は、たとえばCIS方式、またはCCD方式のカラースキャナによって構成されている。ライン上に配置されているセンサを一方向に駆動させながら、画像のデジタルデータを形成する装置である。照明211が原稿に当てた光の反射光を、イメージセンサ212が受光し、その量をAD変換部213がデジタルデータに変換する。得られたデータは、センサデータ制御部214が、RAM242に保存する。イメージセンサと照明とを移動制御するのは、センサ駆動制御部215である。
【0025】
プリンタ部220は、たとえばインクジェット方式のプリンタによって構成されている。インクジェット方式のプリンタは、不図示のインクカートリッジから供給されるインクを、印字用紙に吹きつけることによって、画像を形成する装置であり、以下にその動作を記述する。パソコン等、不図示の外部記憶装置から印字ジョブが依頼されると、不図示の外部装置とのインタフェース部を介して、外部記憶装置から入力される画像データの印字用のデータが、印字データ制御部224に一時的に作成される。また、ユーザインタフェース部231を介して、ユーザがコピージョブを依頼すると、スキャナ部210が読み取り、制御部240を経由した画像データの印字用データが、印字データ制御部224に一時的に保存される。印字駆動制御部222は、印字データ制御部224に保存されている印字用データから、インクの吹き付け位置を決定し、その位置に基づいて、印字用紙を印字紙搬送部223が搬送し、インクを吐出させる部品であるプリントヘッド221を駆動させる。以上の構成によって、印字用紙上に画像を形成する。
【0026】
操作部230は、画像形成装置200にユーザが指令を出す部分である。ユーザインタフェース部231は、キーや液晶画面で構成されているオペレーションパネル等の操作部分である。記憶媒体制御部232は、メモリーカード等の着脱可能な記憶媒体233を、画像形成装置200と結合する部分であり、結合された記憶媒体233に、画像データが存在すれば、記憶媒体制御部232は、それを認識し、制御部240に通達する。
【0027】
制御部240は、画像形成装置200の制御部である。ROM241は、この画像形成装置200の制御プログラムを格納している不揮発性メモリであり、この制御プログラムを、CPU243が実行することによって、制御部240は、スキャナ制御ユニット、プリンタ制御ユニット等として機能する。
【0028】
制御部240は、上記の他に、手書き原稿シート印刷ユニット、手書き原稿シートスキャンユニット、合成実行ユニット及び合成結果印刷ユニットとして機能する。
【0029】
スキャナ制御ユニットは、スキャナ部210が原稿のデジタルデータを作成する場合、スキャナ部210を制御する。プリンタ制御ユニットは、デジタルデータをプリンタ部220が印字紙上に形成する場合の制御を行う。手書き原稿シート印刷ユニットは、ユーザが操作部230を介して手書き原稿シートの作成を依頼すると、写真画像を用いて手書き原稿シートのデジタルデータを作成し、プリンタ部220が出力する制御を行う。
【0030】
手書き原稿シートスキャンユニットは、スキャナ部210が手書き原稿シートをスキャンすることによってデジタル画像データを取得し、その中から手書き画像を抽出する制御を行う。合成実行ユニットは、手書き画像と写真画像とを合成し、合成結果印刷ユニットが合成結果をプリンタ部220に送信する。RAM242には、スキャナ部210で読み取られた画像データや、プリンタ部220が印字をするためにJPEG形式のファイルを印字データに変換したもの等、一時的に必要なデータが逐次保存され、必要がなくなり次第削除する。
【0031】
なお、プリンタ部220は、手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷手段の例である。また、プリンタ部220は、装飾パラメータに基づく装飾を、手書き画像に施し、背景画像と合成した合成画像を印刷する第2の印刷手段の例である。
【0032】
以上で画像形成装置200の構成に関する説明を終える。
【0033】
<手書き原稿シートの構成>
ここでは、手書き原稿シート300をマークシートとして使用し、ユーザは、シートの指定欄にマークすることによって、指定することができる。ここでは、ユーザがマークすることによって指定することを想定し、説明する。なお、手書き合成の種々の指定項目が、何を介して指定されるかは任意であり、画像形成装置200上のユーザインタフェースやPC等の外部機器を介して指定するようにしてもよい。
【0034】
用紙指定欄310は、画像を合成した後に、印刷を行うときの用紙サイズをユーザが選択できるように設けられた欄である。用紙指定欄310に示すような用紙のサイズに関する情報に限らず、普通紙であるのか光沢紙であるのか等、情報を指定する項目があってもよい。
【0035】
装飾様式指定欄320は、手書き画像に施す装飾の様式を設定する欄である。手書き画像に装飾するかどうか、縁取りの太さや、閉曲線内を塗りつぶすかどうか、手書き部分を白抜きにするかどうか等を指定する。図3に示す例において、縁取りの有無、縁取りの太さ、塗りつぶしするかどうか、白抜きするかどうかについて、6つのサンプルを用いて視覚的に示し、そこから選択する。
【0036】
塗りパターン指定欄330は、装飾に用いる塗りパターンを指定する欄である。ここで選択された塗りパターンによって、縁取りや塗りつぶし、陰影等の装飾が施される。また、単色でもよく、複数の色によって模様を形成していてもよい。表示の都合上、白黒であるが、それぞれの塗りパターンは、白黒に限らず、有彩色を意図している。
【0037】
手書きエリア340は、ユーザが手書きする領域であり、ここでは、手書きエリアと呼ぶ。手書きエリア340には、手書き画像と写真画像との位置関係が、合成の結果どのようになるのかを、ユーザに分かり易くするために、薄だし写真画像341のように、写真画像が薄く印刷されている。
【0038】
手書き画像342の文字は、シートの印刷が終了した後に、ユーザが書き足した文字である。文字に限らず、任意の画像を描いてもよい。また、図中での色は、黒であるが、任意の色で書き込むようにしてもよい。
【0039】
手書き原稿シート判別マーク350は、シートをスキャンした時にスキャンした原稿が手書き原稿シート300であることを判別するために使用するマークである。手書き原稿シート判別マーク350には、合成したい画像が、記憶媒体の中のどの画像であるか等の情報が入っているので、シートによって黒塗りの位置が異なる。
【0040】
以上で手書き原稿シート300の構成に関する説明を終える。ここまでの画像形成装置200の構成と手書き原稿シート300の構成とについての説明に続き、手書き合成の3段階の処理について述べる。
【0041】
<手書き原稿シート300の印刷>
図4は、手書き原稿シート300を印刷する動作を示すフローチャートである。
【0042】
説明文中、「画像データ」は、画像中のある画素についてのR、G、Bの3つの値を持つ形式で、1つの要素が構成されているデジタルデータである。
【0043】
S41で、ユーザがユーザインタフェース部231を操作し、手書き原稿シート300の印刷実行を選択する。
【0044】
S42で、CPU243が、記憶媒体233に保存されている写真画像のサムネイル画像を、RAM242に作成し、ユーザインタフェース部231に表示する。
【0045】
S43で、ユーザが、表示されている写真画像を見ながら、ユーザインタフェース部231を操作し、合成を行いたい写真画像を選択する。
【0046】
S44で、CPU243は、記憶媒体233から写真画像ファイルを読込み、RAM242に一時的に保存する。このときに、CPU243は、記憶媒体233内のどの画像を用いたかという情報を入れた手書き原稿シート判別マーク350を作成する。
【0047】
手書き原稿シート300の手書きエリア340に、写真画像を薄く印字するための画像データを作成する。まず、手書きエリア340の縦横比と同じになるように、写真画像の上下または左右を切り出す。切り出した画像を、手書き原稿シート300のデジタル画像フォーマット中の手書きエリア340と同じサイズになるようにリサイズする。
【0048】
図5は、薄だし写真画像341の説明図である。
【0049】
図5に示すように、薄だし写真画像341の画像データへ変換する。薄だし写真画像341は、写真画像51の階調数を減らし、低濃度領域のみで表現する画像である。この際に、図5(a)に示す対応関係で、同じRGBの値であっても、通常の印字と比較して薄く印字する。
【0050】
CPU243は、上記方法で作成した薄だし写真画像341の画像データと、手書き原稿シート判別マーク350の画像データとを、RAM242に保存する。
【0051】
S45で、CPU243は、ROM241に保存されている手書き原稿シート300のデジタル画像のフォーマットをRAM242に保存する。
【0052】
S46で、CPU243は、手書き原稿シート300の手書きエリア340の部分に、薄だし写真画像341を嵌め込み、手書き原稿シート判別マーク350を、所定の位置に嵌め込み、手書き原稿シート300の印字データを作成する。
【0053】
S47で、CPU243は、作成された手書き原稿シート300の画像データをプリンタ部220に出力させる。
【0054】
<手書き原稿シート300への記入>
次に、上記<手書き原稿シート300の印刷>で出力された手書き原稿シート300に、ユーザが各項目を記入する。例示した手書き原稿シート300において、用紙指定欄310へマークし、装飾様式指定欄320へマークし、塗りパターン指定欄330へマークし、手書きエリア340へ手書き画像を描画する。
【0055】
<原稿の解析・合成画像印刷>
図6は、手書き原稿シート300に記入した後から、手書き合成された印刷物が出力されるまでの処理を示すフローチャートである。
【0056】
S61で、CPU243は、手書き原稿シート300の読込みを促す表示を、ユーザインタフェース部231に行う。ユーザは、これを確認し、記入済みの手書き原稿シート300を、スキャナ部210に読み取らせる。S62で、CPU243は、用紙指定欄310、装飾様式指定欄320、塗りパターン指定欄330で、どれが選択されているか、及び手書き原稿シート判別マーク350からどの画像を指定した手書き合成であるか等、ユーザの指定内容を示す情報を得る。S63では、CPU243は、S62で抽出したユーザの指定内容を示す情報が、合成画像を出力するのに適当なものであるかどうかを判断する。たとえば、用紙の指定が無い、指定された画像が無い等、不適当である場合、エラー通知を出し、終了する。
【0057】
S64で、CPU243は、指定されたと判断した装飾様式と塗りパターンとに基づいて、装飾パラメータを決定する。この部分の詳細は、後述する。
【0058】
S65で、CPU243は、手書きエリア340に描かれている手書き画像342を、薄だし写真画像341と区別して抽出する。S66では、CPU243は、S65で抽出された手書き画像に、S64で決定された装飾パラメータに従って、縁取りや塗りつぶし等の装飾を施し、写真画像51との合成画像を作成する。
【0059】
S67では、S66で作成された合成画像を、用紙指定欄310で指定された用紙に、プリンタ部220が印刷する。
【0060】
<装飾の種類と装飾パラメータについて>
装飾は様々であり、ここでは、装飾のいくつかの種類とそれぞれに対応する装飾パラメータとの例を示す。なお、装飾パラメータの表現の仕方が異なっても、等価な装飾パラメータの取り方もあり、本発明の適用対象は、例示したものに限定されない。上記実施例では、各装飾に対する装飾パラメータを個別に示すが、縁取りと塗りつぶしとのように、同時に適用可能な装飾の組み合わせもあり、最終的な装飾パラメータには、各装飾の適用の有無と適用する装飾との全ての装飾パラメータが含まれる。
【0061】
図10は、様々な装飾の例を示す図である。
【0062】
装飾には、図10に示すものがある。ここでは、装飾を施す対象を、黒色の円、塗りパターンに、図10に示す単色を用いたものとして示す。
【0063】
縁取り1011は、手書き画像の周りを一様な太さで装飾する縁取りであり、装飾パラメータは、この装飾の有無と縁取りの太さとを示す。装飾1012は、手書き画像の周りを、突起の有る形状で縁取りする装飾であり、装飾パラメータは、この装飾の有無と、突起の高さや幅を示す。
【0064】
これに似た装飾として、緩やかな波の形状の縁取り等も考えられ、この場合も波の高さや幅を、装飾パラメータとして持つことができる。装飾1013は、手書き画像中の閉曲線内を塗りパターンで塗りつぶす装飾『塗りつぶし』であり、装飾パラメータは、この効果の有無である。装飾1014は、手書き画像部分を白色に置換する装飾『白抜き』であり、装飾パラメータは、この装飾の有無を示し、縁取りやそれに類する装飾と同時に使用される。
【0065】
装飾1015は、手書き画像部分を塗りパターンによる塗りに置換する装飾であり、装飾パラメータは、この効果の有無を示す。装飾1016は、手書き画像と相似な影を付加する装飾であり、装飾パラメータは、この効果の有無と、塗りの広さに関連した情報である手書き画像に対する大きさの倍率、手書き画像に対する相対位置(縦、横)を示す。
【0066】
<装飾様式について>
実施例1においては、最終的な装飾パラメータは、画像形成装置200が決定するので、ユーザが指定する装飾様式が含む情報は、装飾に関する情報の一部のみであってもよく、情報として抽象的であってもよい。よって、ユーザの意向がある程度反映できれば、指定すべき項目は、詳細で煩雑なものではなく。シンプルで分かり易いものが望ましい。
【0067】
ここでは、ユーザが手書き原稿シート300に記入することによって、ユーザが指定することを想定しているが、画像形成装置200上のユーザインタフェースやPC等の外部機器を介して、ユーザが指定するようにしてもよい。
【0068】
また、上記装飾様式の定義から、装飾様式指定欄で指定すべき箇所が複数ある場合、1箇所でも指定され、装飾に関する情報を持てば、指定されない部分があっても、『装飾様式の指定が有る』とみなす。装飾様式を指定する場合、とり得る装飾がたとえば縁取り、塗りつぶし、白抜きの3種類であれば、図3の装飾様式指定欄320に示すように、視覚的なサンプルから選択する方法が考えられる。この場合、縁取りに関しては太い、細いという抽象的な2段階のみの情報とし、さらに、選択肢を6通りのみとすれば、直感的で分かり易い。なお、装飾様式指定欄320において、点線で囲まれている網線領域が、塗りパターンで塗られる対象である。
【0069】
図7は、装飾様式指定欄の例を示す図である。
【0070】
装飾様式を指定する場合、いくつかの選択肢から1つを選ぶものでなくてもよい。サンプルの選択肢70に示すように、各種装飾の適用の有無に関してのみ視覚的なサンプルの選択肢を用意し、縁取りの太さに関しては、別の項目71のように、別の項目として、ユーザが指定するようにしてもよい。この際、縁取りの太さの指定は、縁取りの有る選択肢に対してのみ有効である。
【0071】
また、縁取りの太さについて指定する場合、縁取りの太さ72のように、ゲージ(右に行くほど太いことを意味する)で表示されている部分に線を引いて指定する方法や、縁取りの太さ73のように、直接数値を書き入れる方法でもよい。ユーザの意向が汲み取れるものであれば、何でもよい。
【0072】
図11は、視覚的サンプルを用いない装飾様式指定欄の例を示す図である。
【0073】
各種装飾の適用の有無について、視覚的なサンプルを用いなくてもよく、図11に示すように、単純に各装飾の適用に関する指定欄1100を用意するようにしてもよい。
【0074】
<装飾パラメータ決定に関する詳細>
実施例1の特徴は、装飾に関する塗りパターン以外のパラメータ(すなわち装飾パラメータ)が、塗りパターンの指定に影響を受けることである。ここでは、装飾パラメータを決定する方法を例示する。なお、装飾様式の指定と同様に、指定の仕方は、手書き原稿シート300上で選択肢を選ぶ以外に、画像形成装置200上のユーザインタフェースやPC等の外部機器を介して、ユーザが指定するようにしてもよい。
【0075】
最も基本的な決定方法は、装飾様式と塗りパターンとの組み合わせごとに、装飾パラメータを予め設定しておく方法である。
【0076】
図8は、縁取りの太さを決定する規則の一例を示す図である。
【0077】
たとえば、装飾様式指定欄が、図3に示す装飾様式指定欄320のようなものである場合、縁取りの太さに関する設定値として、サンプルの選択肢810を考えることができる。横の項目811は、塗りパターンを示し、縦の項目812は、装飾様式を示す。数値813は、装飾様式と塗りパターンとの組み合わせに対する縁取りの太さを示す数値である。模様は、単色に比べて太く、単色の間でも色の薄いものは、より太く、模様の間でも繰り返し幅の広いものほど、太くするという指針で設定されている。
【0078】
このようにすれば、装飾様式の指定が同じであっても、塗りパターンに合わせた縁取りの太さが適用され、図1に示す一律に細い縁取り120や一律に太い縁取り130と比較して、各塗りパターンに応じた見栄えの良い縁取りの装飾結果を得ることができる。
【0079】
また、サンプルの選択肢820のように、装飾様式が同じものについては、塗りパターンが単色であるのか、模様であるのかによってのみ、縁取りの太さが異なるように設定してもよい。縁取りの太さに限らず、相似な影の大きさについての装飾パラメータや、突起つきの縁取りの突起の高さ等の装飾パラメータに関しても、上記と同様である。
【0080】
さらに、各装飾の有無は、装飾パラメータの1つであるので、各装飾を実行するかどうかを、塗りパターンによって異なるようにしてもよい。たとえば、装飾様式の指定では、白抜きをするという情報が含まれていても、白色に近い塗りパターンでは、白抜きを行わないという設定にするようにしてもよい。この設定を用いる際に、各種装飾の有無に関して指定しているにもかかわらず、その指定が無視され得るので、ユーザの利便性を考慮し、『必ず指定通りの装飾を行う』という項目を用意するようにしてもよい。
【0081】
図12は、装飾様式指定欄が無い手書き原稿シートの例と、その場合における装飾パラメータの決定規則とを示す図である。
【0082】
手書き原稿シート1210のように、装飾様式指定欄が無く、ユーザが塗りパターンのみを指定することによって、塗りパターンに合った装飾パラメータによる装飾を施す方法も考えられる。この際に、サンプルの選択肢1220のように、塗りパターンごとに装飾パラメータが予め設定され、その設定値によって装飾する。
【0083】
また、装飾様式指定欄がある場合でも、ユーザの指定が無い、または指定欄に『おまかせ』のような項目があり、それが指定された場合にも、サンプルの選択肢1220のように、塗りパターンの指定のみから、装飾パラメータを決定するようにしてもよい。
【0084】
装飾様式の指定において、装飾様式の一部のみをユーザが指定した場合も、上記の通り『装飾様式の指定が有る』とみなし、装飾パラメータを決定するようにしてもよい。
【0085】
装飾様式指定欄で指定されていない部分を補完し、それ以降の処理は、同じようにすることが、最も単純な方法である。たとえば、装飾様式指定欄320のサンプルの選択肢70において、各装飾の有無を表す視覚的サンプルのみを指定した場合、別の項目71で『細く』が指定されたものと見なす等すればよい。逆に、別の項目71のみ指定した際に、視覚的サンプルのうちで、上段中央(縁取りで白抜き無し)が選択されたものと見なすようにしてもよい。なお、この補完の仕方も、塗りパターンごとに異ならせてもよい。
【0086】
別の方法として、指定されなかった項目について、もともとその項目が無いような装飾様式指定欄を想定した決定規則を、全ての『指定されないパターン』に対して持っている方法が考えられる。たとえば、装飾様式指定欄320のサンプルの選択肢70において、もともと縁取りの太さに関する情報を含まない6つの視覚的サンプルに対応する装飾パラメータ決定規則を、塗りパターン毎に持たせるようにしてもよい。これによって、別の項目71の部分で指定されなくても対応することができる。上記定義の通り、装飾様式は、装飾に関する一部の情報であったり、抽象的な情報であったりするので、『一部の指定が無い』は、特別な場合ではないとし、このように対応することができる。
【0087】
一方、図3に示す装飾様式指定欄320のように、いくつかのサンプルから1つを選択する装飾様式の場合、複数の選択肢が選択されていても、エラーとせずに、塗りパターンに見合った装飾パラメータを決定するようにしてもよい。この場合、塗りパターンごとに、装飾様式の選択肢の優先順位を定め、複数個選択されている選択肢のうちで、最も優先順位の高い選択肢が選択されたと見なし、その後は、通常通りに装飾パラメータを決定すればよい。
【0088】
また、図11に示す指定欄1100のように、各装飾の有無を独立で指定する指定欄において、複数の修飾が選択され、同時に適用不可能な組み合わせである場合でも、エラーとせずに、塗りパターンに見合った装飾パラメータを決定するようにしてもよい。この方法として、各装飾の排他関係の情報と、塗りパターンごとに、各装飾の優先順位とを持ち、同時適用できる範囲で、優先順位の高いものから順に適用するようにすればよい。
【0089】
装飾様式と塗りパターンとの組み合わせごとに、装飾パラメータを予め設定する以外に、装飾様式が含む情報が連続的な値をとる場合、これに応じた装飾パラメータを決定させる決定規則を、各塗りパターンに持たせるようにしてもよい。この場合、図7に示す縁取りの太さ72、73のように、連続的な値の中から、ユーザが指定する場合に、対処することができる。
【0090】
図9は、縁取りの太さを決定する規則の一例を示す図である。
【0091】
縁取りの太さを例に取ると、図9に示すように、単純な関数のような形で対応関係を持たせる。図9に示す3つのグラフは、互いに異なる塗りパターンの持つ縁取りの太さを決定する規則を示すグラフである。横軸が、装飾様式における縁取りの太さの指定値であり、たとえばミリメートルを単位とする。この場合、図7の別の項目71の“太く”は、0.8mmであり、縁取りの太さ72のゲージの最大値は、2.0mmである等のように、対応関係を予め定め、装飾パラメータとしての縁取りの太さへの変換前の値を得る。グラフの縦軸は、装飾パラメータとしての縁取りの太さを示す。すなわち、縁取りの太さに関する情報を含む装飾様式を、ユーザが指定すれば、使用する塗りパターンに応じて、縁取りの太さが一意に定まる。
【0092】
決定規則910は、単色の縁取りにおける縁取りの太さを決定する規則である。グラフ中の円形の図形911と912とは、手書き画像として黒色の円が与えられたときに、どのように縁取りされるかを視覚的に示す図形である。単色の場合、図形911のように、縁取りが細くても、見栄えに問題が無いので、装飾様式の指定値を、基本的に反映し、太さの上限のみを定めている。
【0093】
決定規則920は、斜めの縞模様について、縁取りの太さを決定する規則であり、最低限の太さが無ければ、見栄えが良くないので、上限だけでなく下限も設けている。
【0094】
決定規則930は、星型のマークが入っている模様について、縁取りの太さを決定する規則であり、図形933は、図形931の一部の拡大図であり、図形934は、図形932の一部の拡大図である。このような図形の場合、星型のマークが途中で切れないように、周期的な幅の整数倍となるように、縁取りすることが見栄えが良いので、離散的な値をとるように定めている。1周期目のマークが入っている図形が、図形931であり、2周期目のマークまで入っている図形が、図形932である。
【0095】
なお、この例では、装飾様式における縁取りの太さのみから、装飾パラメータの縁取りの太さを決定する規則を、各塗りパターンが有している。しかし、図8に示すサンプルの選択肢810、820のように、縁取り以外の情報に応じて結果が異なるように、装飾様式に含まれている複数の情報を同時に用い、装飾パラメータの縁取りの太さが決定されるようにしてもよい。
【0096】
縁取りの太さに限らず、図10に示す装飾1016における相似拡大の倍率や面積等、塗りの広さに関する情報等、連続的な値をとる装飾パラメータについて、上記と同様な決定規則を用いるようにしてもよい。
【0097】
塗りパターンごとに装飾パラメータの決定規則が必ずしも事前に設定されていなくてもよい。未知の塗りパターンについて、装飾パラメータの決定規則が定まっていれば、PC上や画像形成装置200上、または手書き等で、新しい塗りパターンをユーザが作成し、登録すれば、出荷時に搭載する塗りパターン以外でも手書き合成に用いることができる。
【0098】
最も自由度が高い方法は、塗りパターンごとに持つ装飾パラメータの決定規則を、新しい塗りパターンを登録する際に、ユーザが設定する方法である。たとえば、図8に示すサンプルの選択肢810のような決定規則であれば、登録する塗りパターンに対する表の中の数値を新たにユーザが定義すればよい。または、図9に示す決定規則を登録すれば、図7に示す別の項目71、72のような指定方法にも対応できる。
【0099】
また、別の方法として、塗りパターンの繰り返しの幅を、画像解析によって求め、この求めた幅の整数倍を、見栄えの良い縁取りの幅とし、ユーザが装飾様式で指定した幅に最も近いものを適用するという決定規則930と同等の決定規則を生成することもできる。
【0100】
上記実施例は、塗りパターンを1つのみ選択可能であるが、より装飾が複雑化し、2種類以上の塗りパターンが選択可能である場合も、上記と同様である。すなわち、“塗りパターンごとに”、装飾様式に対する装飾パラメータ決定規則を有するという取り扱いを、“塗りパターンの組み合わせごとに”、装飾パラメータ決定規則を有するという取り扱いに変更すればよい。
【0101】
上記実施例は、上記のように、ユーザが記入した手書き原稿シート300を読み取り、装飾様式と塗りパターンとから、装飾パラメータを決定し、これに基づいて、装飾を施し、合成画像を印刷する画像形成装置200である。
【0102】
上記実施例において、手段を工程に置き換えれば、上記実施例を、画像形成装置の制御方法として把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】塗りパターンによらず、一律に同じ太さで縁取りした場合の説明図である。
【図2】本発明の実施例1である画像形成装置200を示すブロック図である。
【図3】手書き原稿シート300の一例を示す図である。
【図4】手書き原稿シート300を印刷する動作を示すフローチャートである。
【図5】薄だし写真画像341の説明図である。
【図6】手書き原稿シート300に記入した後から、手書き合成された印刷物が出力されるまでの処理を示すフローチャートである。
【図7】装飾様式指定欄の例を示す図である。
【図8】縁取りの太さの決定規則の一例を示す図である。
【図9】縁取りの太さの決定規則の一例を示す図である。
【図10】様々な装飾の例を示す図である。
【図11】視覚的サンプルを用いない装飾様式指定欄の例を示す図である。
【図12】装飾様式指定欄が無い手書き原稿シートの例と、その場合における装飾パラメータの決定規則とを示す図である。
【符号の説明】
【0104】
200…画像形成装置、
210…スキャナ部、
220…プリンタ部、
230…操作部、
240…制御部、
300、1210…手書き原稿シート、
320…装飾様式指定欄、
342…手書き画像、
340…手書きエリア、
330…塗りパターン指定欄、
70、810、820、1220…サンプルの選択肢、
910、920、930…決定規則。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、
手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷手段と;
上記指定欄と上記手書きエリアとに記入されている上記手書き原稿シートを読み取る読取手段と;
上記読取手段が取得した画像に含まれている手書き画像を抽出する抽出手段と;
上記読取手段が取得した画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断する判断手段と;
上記判断手段が判断した指定内容に応じて、装飾パラメータを決定する決定手段と;
上記決定手段が決定した装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成する合成手段と;
上記合成手段が生成した合成画像を印刷する第2の印刷手段と;
を有し、上記指定欄は、塗りパターンを指定するための塗りパターン指定欄を含む欄であり、上記決定手段は、ユーザが指定したと上記判断手段が判断した塗りパターンに基づいて、装飾パラメータを決定する手段であり、上記合成手段は、上記塗りパターンと上記装飾パラメータとに対応した装飾を施す手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記指定欄は、装飾様式を指定する装飾様式指定欄を含み、ユーザによる装飾様式の指定が無いと上記判断手段が判断した場合、上記決定手段は、ユーザが指定したと上記判断手段が判断した塗りパターンに応じた装飾パラメータを決定する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記指定欄は、装飾様式を指定する装飾様式指定欄を含み、上記決定手段は、ユーザによって指定されたと上記判断手段が判断した塗りパターンと、装飾様式に応じた装飾パラメータとを決定する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記装飾様式指定欄は、塗りの広さを指定する指定欄であり、上記決定手段によって決定される装飾パラメータは、塗りの広さであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記装飾様式指定欄は、縁取りの太さを指定する指定欄であり、上記決定手段によって決定される塗りの広さは、縁取りの太さであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5において、
上記装飾様式指定欄は、ユーザが複数の選択肢から1つを選択して縁取りの太さを指定する形式であり、ユーザが縁取りの太さを選択したと上記判断手段が判断した場合、上記決定手段は、ユーザが選択したと上記判断手段が判断した塗りパターンが単色か否かに応じて異なる装飾パラメータを決定する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置の制御方法において、
手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷工程と;
上記指定欄と上記手書きエリアとに記入されている上記手書き原稿シートを読み取る読取工程と;
上記読取工程で取得された画像に含まれている手書き画像を抽出する抽出工程と;
上記読取工程で取得された画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断する判断工程と;
上記判断工程で判断された指定内容に応じて、装飾パラメータを決定する決定工程と;
上記決定工程で決定された装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成する合成工程と;
上記合成工程で生成された合成画像を印刷する第2の印刷工程と;
を有し、上記指定欄は、塗りパターンを指定するための塗りパターン指定欄を含む欄であり、上記決定工程は、ユーザが指定したと上記判断工程で判断された塗りパターンに基づいて、装飾パラメータを決定する工程であり、上記合成工程は、上記塗りパターンと上記装飾パラメータとに対応した装飾を施す工程であることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置において、
手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷手段と;
上記指定欄と上記手書きエリアとに記入されている上記手書き原稿シートを読み取る読取手段と;
上記読取手段が取得した画像に含まれている手書き画像を抽出する抽出手段と;
上記読取手段が取得した画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断する判断手段と;
上記判断手段が判断した指定内容に応じて、装飾パラメータを決定する決定手段と;
上記決定手段が決定した装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成する合成手段と;
上記合成手段が生成した合成画像を印刷する第2の印刷手段と;
を有し、上記指定欄は、塗りパターンを指定するための塗りパターン指定欄を含む欄であり、上記決定手段は、ユーザが指定したと上記判断手段が判断した塗りパターンに基づいて、装飾パラメータを決定する手段であり、上記合成手段は、上記塗りパターンと上記装飾パラメータとに対応した装飾を施す手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記指定欄は、装飾様式を指定する装飾様式指定欄を含み、ユーザによる装飾様式の指定が無いと上記判断手段が判断した場合、上記決定手段は、ユーザが指定したと上記判断手段が判断した塗りパターンに応じた装飾パラメータを決定する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記指定欄は、装飾様式を指定する装飾様式指定欄を含み、上記決定手段は、ユーザによって指定されたと上記判断手段が判断した塗りパターンと、装飾様式に応じた装飾パラメータとを決定する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記装飾様式指定欄は、塗りの広さを指定する指定欄であり、上記決定手段によって決定される装飾パラメータは、塗りの広さであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記装飾様式指定欄は、縁取りの太さを指定する指定欄であり、上記決定手段によって決定される塗りの広さは、縁取りの太さであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5において、
上記装飾様式指定欄は、ユーザが複数の選択肢から1つを選択して縁取りの太さを指定する形式であり、ユーザが縁取りの太さを選択したと上記判断手段が判断した場合、上記決定手段は、ユーザが選択したと上記判断手段が判断した塗りパターンが単色か否かに応じて異なる装飾パラメータを決定する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
背景画像と手書き画像とを合成して印刷する画像形成装置の制御方法において、
手書き画像への装飾を、ユーザが記入して指定する指定欄と、ユーザが手書きする手書きエリアとを含む手書き原稿シートを印刷する第1の印刷工程と;
上記指定欄と上記手書きエリアとに記入されている上記手書き原稿シートを読み取る読取工程と;
上記読取工程で取得された画像に含まれている手書き画像を抽出する抽出工程と;
上記読取工程で取得された画像に含まれている上記指定欄に対応する画像を解析し、ユーザが指定した内容を判断する判断工程と;
上記判断工程で判断された指定内容に応じて、装飾パラメータを決定する決定工程と;
上記決定工程で決定された装飾パラメータに基づく装飾を、上記手書き画像に施し、背景画像と合成する合成工程と;
上記合成工程で生成された合成画像を印刷する第2の印刷工程と;
を有し、上記指定欄は、塗りパターンを指定するための塗りパターン指定欄を含む欄であり、上記決定工程は、ユーザが指定したと上記判断工程で判断された塗りパターンに基づいて、装飾パラメータを決定する工程であり、上記合成工程は、上記塗りパターンと上記装飾パラメータとに対応した装飾を施す工程であることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−41369(P2010−41369A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201611(P2008−201611)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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