説明

画像形成装置及び画像形成装置の制御方法

【課題】節電モードから通常モードに移行する際の不要な電力消費を抑える画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像入力部から入力された画像データを処理して画像出力部に出力する画像形成部と、操作キーと表示部を含む操作パネルと、画像形成部を含むユニットを通常モードと、通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作させる動作制御部と、節電モードを解除して前記通常モードへ復帰する際に、操作パネルの第1のキーと第2のキーを含む解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除するモード制御部と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通常モードと節電モードで動作可能な画像形成装置、及び画像形成装置の制御方法に係り、節電モードから通常モードに移行する際の節電モードの解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、MFPなどの画像形成装置では、消費電力を少なくするためにサービスマンやユーザの設定により、節電モードに移行させる機能が搭載されている。例えばMFPを例に述べると、予め設定した時間を経過しても何ら操作されない場合や、指定した時間になったら、自動的に節電モードに移行させるようにしている。
【0003】
また操作パネルに節電キーを備え、節電モードになったときに節電キーを点灯し、節電モードを解除する際は、節電キーを押下することにより通常モードに復帰するようにしている。或いは指定時間になったら自動的に節電モードに移行し、かつ次の指定時間となったら通常モードに復帰する機能をもったMFPもある。
【0004】
またカラー印刷が可能なMFPでは、モノクロ印刷に対してカラー印刷はコストが高いため、印刷コストを節約するために特定のユーザのみにカラー印刷を許可し、特定のユーザ以外はカラー印刷ができないようにしたものもある。したがって、特定のユーザか否かを判別するために、ICカード等による認証やパスワードによる認証を行っている。
【0005】
ところで、特定のユーザを認証してカラー印刷を許可するMFPでは、節電モードから通常モードに復帰する場合に、節電キーを押下することで通常モードに復帰する。しかしながら、特定のユーザ以外が節電キーを押下しても通常モードに復帰してしまう。特に通常モードに復帰するときは、画像形成装置では定着器が規定の温度になるように加熱するため、加熱のために電力を消費してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−288971号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明が解決しようとする課題は、節電モードから通常モードに移行する際の不要な電力消費を抑える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る画像形成装置は、画像入力部から入力された画像データを処理して画像出力部に出力する画像形成部と、操作キーと表示部を含む操作パネルと、前記画像形成部を含むユニットを通常モードと、前記通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作させる動作制御部と、前記節電モードを解除して前記通常モードへ復帰する際に、前記操作パネルの第1のキーと第2のキーを含む解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除するモード制御部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る画像形成装置を示す構成図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図。
【図3】実施形態におけるカスタム設定時の操作パネルの表示例を示す説明図。
【図4】実施形態におけるパスワード入力時の操作パネルの表示例を示す説明図。
【図5】実施形態における節電モードの解除動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、画像形成装置を示す構成図である。図1において画像形成装置10は、例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明では、画像形成装置10としてMFPを例に説明する。
【0012】
MFP10の本体11の上部には原稿台12があり、原稿台12上には自動原稿送り装置(ADF)13を開閉自在に設けている。また本体11の上部には操作パネル14を設けている。操作パネル14は、各種の操作キー15と、タッチパネル式の表示部16を有している。
【0013】
本体11内部にはスキャナ部17とプリンタ部18等の画像形成のための複数のユニットを有し、本体11の下部には、各種サイズの用紙が収容された複数のカセット19を設けている。スキャナ部17は、ADF13によって送られる原稿、または原稿台12上に置かれた原稿を読み取る。プリンタ部18は、感光体ドラムとレーザ等を含み、スキャナ部17で読み取った画像データや、PC(パーソナルコンピュータ)などで作成された画像データを処理して用紙に画像を形成する。
【0014】
プリンタ部18は、例えばレーザからのレーザビームによって感光体ドラムの表面を走査して露光し、感光体ドラムに静電潜像を作成する。感光体ドラムの周辺には帯電器、現像器、転写器などが配置される。感光体ドラムの静電潜像は現像器によって現像され、感光体ドラムにトナー像を形成する。トナー像は転写器によって用紙Sに転写され、さらに用紙Sに転写したトナー像は、定着器81によって定着される。
【0015】
定着器81は、定着ローラと加圧ローラを含む。定着ローラは内部に加熱用のヒータを有し、定着ローラと加圧ローラは互いに接触した状態で回転する。そして、定着ローラと加圧ローラの間を用紙Sが通過することにより、用紙S上のトナーを用紙Sに定着する。トナー像が定着され画像形成が完了した用紙Sは、排紙ローラ20によって排紙部21に排出する。
【0016】
プリンタ部18の構成としては上述した例に限らず各種の方式がある。また、カラー画像を形成する場合は、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー等の画像形成部を有する。
【0017】
また、MFP10がICカードの認証機能を有する場合は、本体11の上面に例えば、非接触式のカードリーダ・ライタ22を設ける。カードリーダ・ライタ22は、ユーザが携帯する記憶媒体(例えばICカード23)との間で通信可能である。ユーザはICカード23をカードリーダ・ライタ22にかざすことで非接触に認証が行われ、認証されたユーザはMFP10の機能(例えばカラー印刷機能)を利用することができる。ICカード23は、メモリを内蔵しており、メモリにはユーザID等のユーザ情報が記憶されている。カードリーダ・ライタ22とICカード23間の通信方式としては、例えばRFID(Radio Frequency Identification)がある。
【0018】
また、ICカード23に代えてUSB(Universal Serial Bus)メモリを使用することもできる。例えば、本体11の側面にUSBポート24を設ける。USBポート24には、可搬の記憶媒体であるUSBメモリ25が着脱可能である。USBメモリ25は、特定のユーザにMFP10の機能(例えばカラー印刷機能)を利用できるようにするためのもので、ユーザがUSBメモリ25をUSBポート24に接続することにより、ユーザはMFP10の機能を利用することができる。USBメモリ25は、ROMを内蔵しており、ROMにはUSBメモリ25の識別情報として、ユーザID等のユーザ情報が記憶されている。
【0019】
図2は、MFP10の制御系を示すブロック図である。図2に示すようにMFP10は、操作パネル14、スキャナ部17、プリンタ部18等のユニットのほかに、システム制御部30、画像処理部31、記憶部32、入力デバイス33及び外部インターフェース制御部34等の複数のユニットを有する。
【0020】
システム制御部30には、操作パネル14が接続され、操作パネル14の表示部に各種の設定画面を表示し、操作パネル14を介して入力されるユーザの指示をシステム制御部30に伝える。システム制御部30はCPU301を有し、MFP10の各部を制御し、点線で示す制御ラインを介して制御信号を供給する。
【0021】
また画像処理部31にはスキャナ部17が接続され、スキャナ部17は原稿を読み取り、読み取った原稿画像を画像処理部31で処理する。画像処理部31によって処理した画像データはプリンタ部18に出力する。プリンタ部18では画像処理部31からの画像データを基に用紙に印字する。スキャナ部17は画像入力部を構成し、プリンタ部18は画像出力部を構成し、スキャナ部17と画像処理部31とプリンタ部18とで画像形成部を構成する。なお、画像処理部31で処理した画像データはHDD等の記憶媒体に記憶され、必要に応じて読み出され、プリンタ部18に出力される。
【0022】
記憶部32は、予め登録したユーザの情報やユーザに許可した機能等の情報を記憶する。入力デバイス33は、ICカード23やUSBメモリ25等の記憶媒体からユーザ情報を読取り、システム制御部30に供給する。システム制御部30は記憶部32に記憶したユーザ情報とICカード23(又はUSBメモリ25)から読み取ったユーザ情報を比較しユーザ認証を行う。
【0023】
外部インターフェース制御部34は、LAN等のネットワークを介して外部機器、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等に接続されており、PC等からの画像データを受信して画像処理部31に供給する。またMFP10がFAX通信機能を備えている場合は、外部インターフェース制御部34を介して画像情報をFAX送信したり、外部からのFAX画像を受信する。
【0024】
またMFP10は、特定のユーザのみにカラー印刷等の機能を使用することを許可し、特定のユーザ以外にはカラー印刷等の使用を禁止するように設定することができる。許可されたユーザの情報と、ユーザに許容された機能(例えばカラー印刷機能など)の情報は記憶部32に記憶される。ユーザは操作パネル14のキーやタッチパネルを操作してユーザIDやパスワード等のユーザ情報を入力してMFP10を使用することができる。
【0025】
またMFP10の特定機能の使用が許可されたユーザは、ICカード23(又はUSBメモリ25)等の記憶媒体を保有し、ICカード23にユーザ情報(IDやパスワード)を記憶する。ICカード23に記憶されたユーザ情報は、入力デバイス33で読み取ることができる。
【0026】
次に実施形態に係る画像形成装置の、節電モードから通常モードに移行する際の動作を説明する。システム制御部30は、スキャナ部17、画像処理部31、プリンタ部18を含むユニットを通常モードと、前記通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作させる動作制御部を構成する。節電モードとは、MFP10の一部の動作を休止して省電力で動作させるモードであり、通常モードとは、MFP10の各部に電源を供給し通常の電力で動作させるモードを意味する。
【0027】
MFP10は、通常モードと節電モードとで動作可能であり、操作パネル14による操作が一定時間を経過しても行われない場合や、ユーザが指定した時間になると自動的に節電モードに切り替わる。操作パネル14には節電キーを備え、節電モードになったときに節電キーが点灯する。
【0028】
尚、節電モードでは、例えばCPU301をスリープ状態にして、操作パネル14、スキャナ部17、プリンタ部18、定着器81などのユニットをそれぞれオフ状態にする。CPU301は、スリープ中であってもユーザが操作パネル14を操作して規定した操作を行った場合や、外部インターフェース制御部34を介して入力があった場合は、稼動状態に復帰させる。CPU301がスリープ状態のときは省電力効果が高い。
【0029】
また節電モードとして、電力消費の多い部分、例えばスキャナ部17、プリンタ部18、定着器81等のユニットへの電源供給を停止し、システム制御部30や操作パネル14等のユニットを動作状態とするモードもある。いずれにしても節電モードでは、通常モードよりも消費電力が少なくなるように設定される。一方、通常モードではCPU301は定常状態になり、操作パネル14、スキャナ部17、プリンタ部18、定着器81などもオン状態になる。
【0030】
また節電モードを解除して通常モードに復帰させるための解除キーの設定を、ユーザが任意に変更できるようにカスタム設定することもできる。カスタム設定した解除キーの操作に応答して通常モードに復帰させる機能を、以下の説明ではカスタム復帰機能と呼ぶ。カスタム復帰機能を有効にするか無効にするかは、管理者やサービスマンによって設定することができる。カスタム復帰機能が有効な場合、ユーザは予め設定した解除キーと節電キーを押下することで通常モードに復帰するが、単に節電キーを押しただけでは通常モードに移行することはない。またカスタム復帰機能が無効な場合は、節電キーを押しただけで通常モードに復帰する。
【0031】
以下、節電モード(省電力モード)の解除方法について説明する。
図3は、節電モードを解除するためのキー設定を、ユーザが任意に変更できるようにカスタム設定するための操作画面であり、操作パネル14の操作キー15と表示部16の画面を示す。
【0032】
操作キー15は、テンキー41のほかに節電キー42(第1のキー)と、アルファベットキー43(第2のキー)、印刷開始キー44を有している。また表示部16には、節電モードを解除するための解除キー登録の表題51と、「同時」、「前」、「後」、「設定」のボタン52〜55がそれぞれ表示され、かつメッセージ画面56が表示される。表示部16はタッチパネル形式であり、ユーザは、任意のボタン52〜56を選択操作することができる。
【0033】
図3のカスタム設定用の登録画面により、ユーザは節電モードを解除する際の解除キーを記憶部32に登録する。例えば、ユーザが「同時」ボタン52を押してアルファベットキー43の「D」を押し、設定ボタン55を押すと、記憶部32には操作したユーザ毎に、Dキーとその操作タイミング「同時」が登録される。メッセージ画面56には登録した内容(同時:Dキー)が表示される。このカスタム設定により、節電キー42とDキーが同時に押されると、節電モードが解除され、通常モードに移行する。
【0034】
またユーザが「前」ボタン53を押してアルファベットキー43の「D」を押し、設定キー55を押すと、記憶部32にはDキーとその操作タイミング「前」が登録される。メッセージ画面56には登録した内容(前:Dキー)が表示される。このカスタム設定により、Dキーが先に押されて次に節電キー42が押されると節電モードが解除され、通常モードに移行する。
【0035】
さらにユーザが「後」ボタン54を押してアルファベットキー43の「D」を押し、設定キー55を押すと、記憶部32にはDキーとその操作タイミング「後」が登録される。メッセージ画面56には登録した内容(後:Dキー)が表示される。このカスタム設定により、節電キー42を押した後にDキーが押されると節電モードが解除され、通常モードに移行する。
【0036】
上記したように、操作パネル14の第1のキー(節電キー42)と第2のキー(アルファベットキー43のいずれか)を解除キーとして予め登録し、かつ解除キーの操作タイミング(同時、前、後)を登録することにより、システム制御部30は、節電モードを解除して通常モードに復帰する際に記憶部32からの情報を読み出し、予め登録された解除キーが登録したタイミングで操作されたかを判断して、節電モードを解除する。したがって、システム制御部30は、モード制御部を構成する。
【0037】
尚、アルファベットキー43(A〜D)は「D」に限らずA,B,Cのいずれかのキーを選択することもできる。またA〜D以外のキーを設けてもよい。
【0038】
また節電モードを解除する際に部門管理することもできる。部門管理とは特定の部門に所属するユーザに対して特定の機能(例えばカラー印刷機能)の利用を許可するように設定するもので、ユーザがパスワードを入力することで節電モードを解除して通常モードに移行する。
【0039】
図4は、節電モードを解除する際に部門管理されている場合のパスワードの入力画面を示す。例えば、表示部16の画面61には「節電モードを解除します。部門管理されています。パスワードを入力して下さい」といったメッセージが表示される。
【0040】
ユーザは自身が所属する部門のパスワードを、テンキー41を用いて入力する。またパスワード入力時に間違った場合はクリアボタン62を押して再入力できる。パスワードの入力が終了したあとは決定ボタン63を押す。部門ごとのパスワードは記憶部32に記憶されており、入力されたパスワードと一致するパスワードが記憶部32にあれば節電モードが解除され、通常モードに移行する。
【0041】
以下、図5のフローチャートを参照して、節電モードの解除動作について説明する。尚、図5では部門管理されている場合を述べる。スタートステップ(動作A0)では、MFP10は節電モードにある。動作A1では操作パネル14の節電キー42が点灯し、節電モードであることを知らせる。或いは表示部16に節電モードであることを表示してもよい。動作A2で解除キーが押されると、CPU301は、節電モードを解除するに当たってカスタム復帰機能が有効になっているか否かを判断する。カスタム復帰機能が有効になっている場合は動作A3に進む。またカスタム復帰機能が無効になっている場合は、動作A8に進み節電モードを解除して通常モードへの復帰動作を行う。
【0042】
動作A3において、ユーザは操作パネル14を操作してユーザIDを入力する。入力されたIDをもとに、CPU301は記憶部32の情報からユーザが登録されているか否かを確認し、ユーザ認証を終えると動作A4に移行する。
【0043】
また、MFP10にオプション機能としてICカードの認証機能を搭載している場合もあり、動作A5ではICカードの認証機能を搭載しているか否かを判断する。ICカードの認証機能が搭載されている場合は、動作A6でICカード23によるユーザ認証を行う。ICカード23による認証が行われた場合は、動作A4に移行する。ユーザ認証ができない場合は動作A3に戻り、認証待ちの状態になる。ICカード23による認証は、予めICカード23と記憶部32にユーザ情報を記憶しておき、ユーザ情報が一致するか否かを判断する。
【0044】
動作A4では、カスタム設定による解除キーの登録がされているか否かを確認する。即ち、図3で説明したように、節電モードの解除キーが登録されている場合は、動作A7に進み、解除キーが正しく押下されたか否かを判断する。
【0045】
例えば、図3で「同時」ボタン52とアルファベットキー43の「D」を選択した場合は、節電キー42とDキーが同時に押されたか否かを判断する。また図3で「前」ボタン53とDキーが選択された場合は、節電キー42を押す前にDキーが押されたか否かを判断する。さらに図3で「後」ボタン54とDキーが選択された場合は、節電キー42を押した後にDキーが押されたか否かを判断する。
【0046】
解除キーが正しく押されると動作A8では節電モードを解除する。解除キーが正しく押されなかった場合は、動作A9において操作パネル14の表示部16にメッセージを表示し、動作A1に戻る。動作A9のメッセージとしては、例えば「入力エラーです。入力し直して下さい」のようにユーザに再入力を促すものがよい。尚、動作A4で解除キーの登録がされていない場合も、メッセージの表示が行われる。
【0047】
動作A8で節電モードが解除されたら動作A10に移行し、CPU301は部門管理されているか否かを判断する。部門管理されている場合は、動作A11でパスワード認証を行うか否かを判断する。パスワード認証する場合は、動作A12において、図4に示すようなパスワードの入力画面を表示する。図4の入力画面を操作してパスワードが正しく入力され、動作A13で予め登録された部門のパスワードと一致したことが確認されると、動作A14で通常モードに移行し、動作A17で節電モードの解除動作を終了する。
【0048】
なお、先のステップA5においてICカード23によりユーザ認証がされている場合は、動作A11から動作A15に進み、ICカード23をもとにしたパスワード認証が行われる。動作A16ではICカード23のユーザ情報をもとに、ユーザが所属する部門のパスワード認証を行い、認証されると動作A14に進み、通常モードに移行して動作A17で節電モードの解除動作を終了する。また動作A10で部門管理されていない場合は、動作A14に進み、通常モードに移行して節電モードの解除動作を終了する。
【0049】
尚、図5ではICカード23による認証について説明したが、USBメモリ25を用いた場合は、動作A5,A6,A15,A16でのICカードの認証は、USBメモリ25による認証に置き変えたフローチャートとなる。
【0050】
以上述べた実施形態によれば、特定のユーザ以外が節電モードを解除しようとしても解除できない。したがって、無為に通常モードに復帰することによる不要な電力消費を抑えることができる。
【0051】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、節電モードを解除するためのキーの設定は、アルファベットキー43と、「同時」,「前」,「後」のボタン52,53,55の組み合わせを例に述べたが、アルファベットキー43以外の他のキーを解除用のキーとして利用することもできる。或いは、アルファベットキー43を操作する以外に、表示とタッチキーを兼ねた表示部16のどこかをタッチした場合も、そのタッチを1つの解除キーとして登録させてもよい。
【0052】
さらに、データサーバ機能をもった複写機等のように、セキュリティーをより強化をさせたい場合には、さらに複数の解除キーを入力するようにカスタム設定してもよい。また、ICカードによる認証が搭載された場合は、認証された時点で節電モードからの通常モードヘの自動復帰するように設定を切換え可能にしてもよい。
【0053】
以上述べた少なくとも一つの実施形態によれば、特定ユーザであれば解除キーの入力により容易に通常モードに復帰することができる。また特定のユーザ以外は、節電モードから通常モードに復帰させることができないため不要に電力が消費されるのを抑えることができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
10…画像形成装置
14…操作パネル
15…操作キー
16…表示部
17…スキャナ部(画像入力部)
18…プリンタ部(画像出力部)
23…ICカード
25…USBメモリ
30…システム制御部
31…画像処理部
32…記憶部
33…入力デバイス
34…外部インターフェース制御部
42…第1のキー
43…第2のキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像入力部から入力された画像データを処理して画像出力部に出力する画像形成部と、
操作キーと表示部を含む操作パネルと、
前記画像形成部を含むユニットを通常モードと、前記通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作させる動作制御部と、
前記節電モードを解除して前記通常モードへ復帰する際に、前記操作パネルの第1のキーと第2のキーを含む解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除するモード制御部と、
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
前記操作パネルは、第1のキーと、複数のキーの中からユーザによって選択可能な第2のキーを含み、前記節電モードを解除するため前記第1のキーと前記第2のキーを同時に押下するか、前記第1のキーよりも前又は後に前記第2のキーを押下するかを記憶部に登録し、
前記モード制御部は、前記第1のキーと前記第2のキーが同時又は登録された順番で操作されたときに前記節電モードを解除して通常モードに復帰する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記モード制御部は、前記節電モードを解除する際に、前記登録した通りに前記解除キーの操作が行われなかった場合は、前記表示部にメッセージを表示して節電モードに戻る請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記解除キーの操作に応答して前記通常モーに復帰させる機能をオン・オフ可能とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記モード制御部は、前記節電モードを解除する際にユーザ認証を行い、予め登録したユーザが前記解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
操作キーと表示部を含む操作パネルを備え、
画像形成部を含むユニットを通常モードと、前記通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作させ、
前記節電モードを解除して前記通常モードへ復帰する際に、前記操作パネルの第1のキーと第2のキーを含む解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除する画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
前記操作パネルは、第1のキーと、複数のキーの中からユーザによって選択可能な第2のキーを含み、前記節電モードを解除するため前記第1のキーと前記第2のキーを同時に押下するか、前記第1のキーよりも前又は後に前記第2のキーを押下するかを記憶部に登録し、
前記第1のキーと前記第2のキーが同時又は登録された順番で操作されたときに前記節電モードを解除して通常モードに復帰する請求項6記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
前記節電モードを解除する際に、前記登録した通りに前記解除キーの操作が行われなかった場合は、前記表示部にメッセージを表示して節電モードに戻る請求項6記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
前記節電モードを解除する際にユーザ認証を行い、予め登録したユーザが前記解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除する請求項6記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
前記節電モードを解除する際に部門認証を行い、予め登録した部門に所属するユーザが前記解除キーを予め登録したタイミングで操作したときに前記節電モードを解除して前記通常モードに移行する請求項6記載の画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−251532(P2011−251532A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118014(P2011−118014)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】