画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法
【課題】 ユーザが機密文書を取り出すための待ち時間を短くする。
【解決手段】 印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が、大量印刷か否かの基準となる基準枚数を超えているか否かを印刷ジョブの印刷設定に基づいて判断し、印刷枚数が基準枚数を超えていると判断した場合は、機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスへ印刷した用紙を排紙し、印刷枚数が基準枚数を超えていないと判断した場合は、ユーザの指示を受付けてから印刷を行い排紙するプライベートプリントを行う。
【解決手段】 印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が、大量印刷か否かの基準となる基準枚数を超えているか否かを印刷ジョブの印刷設定に基づいて判断し、印刷枚数が基準枚数を超えていると判断した場合は、機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスへ印刷した用紙を排紙し、印刷枚数が基準枚数を超えていないと判断した場合は、ユーザの指示を受付けてから印刷を行い排紙するプライベートプリントを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密文書を効率よく出力する画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機密文書の印刷ジョブをプリンタサーバに記憶し、プリンタでユーザのパスワードを入力することにより、サーバから機密文書を受信し、印刷を行うプリンタサーバシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このシステムにおいては、印刷された機密文書専用の排紙トレーへ排出するが、この排紙トレーはロックされている。そして、正規のパスワードが入力されたと判定したときには、そのロックを解除することにより、機密文書を排紙トレーから取り出せるようになっている。
【特許文献1】特開平10−21024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたものでは、機密文書の印刷を行うときユーザはプリンタのタッチパネルにユーザのパスワードを入力することによって、初めてプリンタがサーバから印刷データを受信し、印刷を行う。このため、機密文書の印刷枚数が多いときは、ユーザはプリンタの前で印刷が終了するまで待ち続けなければならない。このように機密文書を取り出す作業が行われるため、あるユーザが機密文書を取り出しているときは、そのユーザが機密文書の取り出しが終了するまで他のユーザは機密文書を取り出す作業を開始することができない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザが機密文書を取り出すための待ち時間を短くできる画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が、大量印刷か否かの基準となる基準枚数を超えているか否かを印刷ジョブの印刷設定に基づいて判断し、印刷枚数が基準枚数を超えていると判断した場合は、機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスへ印刷した用紙を排紙し、印刷枚数が基準枚数を超えていないと判断した場合は、ユーザの指示を受付けてから印刷を行い排紙するプライベートプリントを行う画像形成装置の印刷方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ユーザが機密文書を取り出すための待ち時間を短くできる画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は前記一実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図である。図1に示すようにマルチファンクションペリフェラル(以下、MFPと称する。)1は、ネットワーク2を介してPC3,4,5と接続されている。なお、ネットワーク2に接続されたPCは3つの場合を示しているが、3つに限られるものではない。
【0009】
図2はMFP1の正面を概略的に示す図である。MFP1は、タッチパネル式でディスプレイであるコントロールパネル11、印刷用紙を収容する給紙トレー13,14を取り付けるとともに、機密文書を収納するための収納ボックス15,16を収納するための給紙トレー取付部12、ICカードから情報を読取るカードリーダ17、排紙された印刷済みの用紙を蓄積する排紙トレー18a,18bが設けられている。なお、収納ボックス15,16は、オートデュプレシングユニット(ADU)を用いて排出された用紙を収納することができるとともに給紙トレー取付部12に取り付けできるようになっている。すなわち、MFP1は収納ボックス15,16を使用しない場合は、収納ボックス15,16に替えて新たな給紙トレーを取り付けることができるようになっている。
【0010】
図3は、MFP1の収納ボックス15,16を引出したときの側面図を概略的に示す図である。収納ボックス15,16には、鍵装置15a,16aがそれぞれ設けられている。この鍵装置15a,16aは収納ボックス15,16がMFP1内に収容されている場合は施錠されている。そして、鍵装置15a,16aは後述する処理によって収納ボックスを専有しているユーザであることが確認された場合に開錠する。このように鍵装置15a,16aが開錠すると、図3に示すようにMFP1から収納ボックス15,16を引出せるようになる。
【0011】
なお、図3においては、2つの収納ボックス15,16が引出されている場合を示しているが、勿論収納ボックスごとに引出すことができる。また、収納ボックス15,16が2つ、給紙トレー13,14が2つの場合で説明するが、これに限るものではない。収納ボックスは1つでも良いし、3つでも良い。但し、MFP1には給紙トレーを少なくとも1つは取り付ける必要がある。このため、給紙トレー取付部12が4つある場合であれば、取り付ける収納ボックスは3つが限度となる。
【0012】
図4は、MFP1の要部構成を示すブロック図である。図4に示すように、MFP1は、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、画像処理部25、コントロールパネル11、ネットワークインタフェース26、スキャナ27、プリンタ28、時計部29、カードリーダ17、I/Oポート30、鍵装置15a、センサ31、I/Oポート32、鍵装置16a、I/Oポート33、センサ34、I/Oポート35とからなる。また、CPU21と、ROM22、RAM23、記憶部24、画像処理部25、コントロールパネル11、ネットワークインタフェース26、スキャナ27、プリンタ28、時計部29、カードリーダ17、I/Oポート30,32,33,35とはバスラインを介して接続されている。
【0013】
CPU21はROM22に記憶された制御プログラムを実行することによりMFP1全体を制御する。ROM22はCPU21が実行する制御プログラムや固定データを記憶する。RAM23は、CPU21がROM22に記憶された制御プログラムを実行するときに必要となるワークエリア等を有している。
【0014】
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブである。記憶部24は、画像データ、後述する印刷ジョブデータベース、専有者テーブル、ユーザ情報データベース、基準枚数、権限テーブル、一定時間などの各種データを記憶するとともに各種プログラムを記憶する。画像処理部25は、画像データに対して圧縮、伸張等の処理を施す。コントロールパネル11は、操作部11aや表示部11bを有する。操作部11aはユーザから受付けた指示をCPU21に伝える。また、表示部11bはCPU21の制御の下でユーザに必要な情報を表示する。ネットワークインタフェース26は、ネットワーク2との接続に用いられる。スキャナ27は、図示しない原稿台に載置された原稿、又は図示しない自動給紙装置により送られた原稿から画像を読取り、画像データを生成する。このように生成された画像データは、画像処理部25で圧縮処理がなされて記憶部24に記憶される。プリンタ28はネットワーク2を介して受信した印刷ジョブ、又は記憶部24から読出し、画像処理部25で伸張処理した画像データに基づいて、用紙へ画像を形成する。時計部29は日時情報を生成する。時計部29が生成した日時情報は、必要に応じてCPU21に取得される。
【0015】
カードリーダ17は、ICカードに記憶された情報を読取る。ICカードには、ユーザIDを示す情報が記憶されている。鍵装置15a,16aは、それぞれ収納ボックス15,16を施錠するための鍵である。I/Oポート30はCPU21から施錠又は開錠するための指示を鍵装置15aへ伝える。また、I/Oポート32は、センサ31からの信号をCPU21に伝える。センサ31は収納ボックス15に印刷済みの用紙が収納されているか否かを検出する。鍵装置16aは、収納ボックス16を施錠するための鍵である。I/Oポート33はCPU21から施錠又は開錠するための指示を鍵装置16aへ伝える。また、I/Oポート35は、センサ34からの信号をCPU21に伝える。センサ34は収納ボックス16に印刷済みの用紙が収納されているか否かを検出する。
【0016】
次に、記憶部24に記憶される印刷ジョブデータベースD1、専有者テーブルT1、ユーザ情報データベースD2、基準枚数記憶部24a、権限テーブルT2、一定時間記憶部24bについて図5から図11を参照して説明する。
図5は、印刷ジョブデータベースD1である。印刷ジョブデータベースD1は、印刷ジョブを受信したときにその印刷ジョブに関する情報をデータとして登録するものである。受信する印刷ジョブは、通常の印刷ジョブでも印刷内容が機密文書である印刷ジョブでも良い。なお、内容が機密文書であるか否かは、例えば、ユーザによって排出先が収納ボックス15,16のいずれかが指定されている場合である。図5に示すように、印刷ジョブデータベースD1は、各印刷ジョブに関して以下の項目を管理している。すなわち、印刷ジョブデータベースD1は“ジョブID”、“受取日時”、“ユーザID”、“印刷枚数”、“データ本体”の各項目を管理している。項目“ジョブID”には、MFP1内部での識別のために付加したIDが記憶される。項目“受取日時”には、印刷ジョブをネットワーク2を介してPC3,4,5のいずれかから受取った日時が記憶される。項目“ユーザID”には、印刷ジョブを印刷ジョブデータベースD1に登録したユーザのユーザIDが記憶される。項目“印刷枚数”には印刷ジョブに基づいて印刷される枚数が記憶される。項目“データ本体”には印刷する内容を示すデータが記憶される。
【0017】
図6は、収納ボックス15又は収納ボックス16を専有する専有者テーブルT1である。専有者テーブルT1は、各収納ボックス15,16に関して、以下の項目を管理している。すなわち、専有者テーブルT1は“収納ボックス”、“専有者”、“時間”の各項目を管理している。項目“収納ボックス”には、機密文書を収納する収納ボックス15の名前であるボックス1,収納ボックス16の名前であるボックス2が記憶される。項目“専有者”には、収納ボックスを専有しているユーザのユーザIDが記憶される。ユーザIDは例えば“Hanako”である。なお、項目“専有者”には、ユーザIDではなく、グループIDを記憶するようにしても良い。この場合は例えば“Bグループ”と記憶される。項目“時間”には、収納ボックスを専有した日時が時計部29から取得されて、記憶される。
【0018】
図7は、ユーザ情報データベースD2である。ユーザ情報データベースD2は各ユーザに関して、以下の項目を管理している。すなわち、ユーザ情報データベースD2は“ユーザID”、“グループID”、“メールアドレス”の各項目を管理している。項目“ユーザID”には、印刷ジョブを送信したユーザのユーザIDが記憶される。項目“グループID”には、前記ユーザの属するグループのグループIDが記憶される。“メールアドレス”には、前記ユーザのメールアドレスが記憶される。
【0019】
図8は、基準枚数を記憶する基準枚数記憶部24aを示す図である。基準枚数は、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを、収納ボックス15,16のいずれかへは排紙するか、プライベートプリントにより排紙トレー18a,18bのいずれかに排紙するかの基準となる印刷枚数である。
【0020】
また、図9は、基準枚数記憶部24aに記憶した基準枚数を変更する権限を有するユーザを登録する権限テーブルT2である。図9に示すように、権限テーブルT2には、基準枚数を変更する権限を有するユーザのユーザIDが登録されている。したがって、権限テーブルT2に登録されたユーザのみが基準枚数記憶部24aに記憶された基準枚数を変更することができる。この基準枚数の変更は、例えば、次のようにして行う。ユーザは、先ず、自身のICカードをカードリーダ17にかざして、基準枚数を変更できるユーザであること、すなわち権限テーブルT2に登録されているユーザであることをMFP1に認証させる。その後に、MFP1の操作部11aを操作して、基準枚数を変更するための設定画面を表示部11bに呼び出す。
【0021】
図10は、このときの設定画面11cの一例を示す図である。ユーザは切り替え枚数を例えば、図示しない矢印キーの右と左を用いて、ポインタPを移動させて基準枚数を設定する。そしてユーザは、OKボタン11dを入力することにより、基準枚数が基準枚数記憶部24aに記憶される。このようにして、ユーザは、任意の基準枚数に設定を変更することができる。また、MFP1のコントロールパネル11を用いてなくても、ネットワーク2に接続されたPC3,4,5のいずれかから設定の変更を行っても良い。この場合も、ユーザは先ず権限テーブルT1に登録されているユーザであることをMFP1に認証させる。そして、ユーザはPCの操作部を操作して、前記設定画面11cを表示部に呼び出し、ポインタP、OKボタン11dを用いて基準枚数を設定する。
【0022】
図11は、後述する警告メールを印刷内容が機密文書である印刷ジョブの送信者に対して送信するときに用いられる一定時間を記憶する一定時間記憶部24bを示す図である。この一定時間記憶部24bに記憶される一定時間は、ユーザによりMFP1のコントロールパネル11を用いて、又はネットワーク2に接続されたPC3,4,5のいずれかから変更可能となっている。
【0023】
続いて、MFP1がネットワーク2を介してPC3から印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信したときの処理について説明する。図12は、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信したときにCPU21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0024】
CPU21は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、受信処理を行う(ST101)。具体的には、印刷ジョブデータベースD1に受信した印刷ジョブが登録される。そして、CPU21は前記受信した印刷ジョブが大量印刷を行うジョブであるか否かを判断する(ST102)。具体的には、印刷ジョブデータベースD1の前記印刷ジョブが登録された印刷枚数の項目に記憶された印刷枚数と、基準枚数記憶部24aに記憶された基準枚数とが比較される。前記印刷枚数が基準枚数以上であれば大量印刷であると判断される。また、前記印刷枚数が基準枚数より小さければ大量印刷でないと判断される。
【0025】
CPU21は大量印刷であると判断すると(ST102でYES)、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待ちキューに登録する(ST103)。そして、CPU21は空の収納ボックスがあるか否かを判断する(ST104)。CPU21はセンサ31,34から出力される信号に基づいて、収納ボックス15,16のいずれかが空であるか否かを判断する。
【0026】
CPU21は空の収納ボックスがないと判断すると(ST104でNO)、CPU21はST104の判断が1回目か否かを判断する(ST105)。すなわち、空の収納ボックスがないという判断が1回目であるか否かが判断される。CPU21は1回目の判断であると判断すると(ST105でYES)、CPU21は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを送信したPC3に、前記印刷ジョブはプライベートプリントに変更が可能であることを報知するダイアログを表示させる(ST106)。このダイアログは、印刷内容が機密文書である印刷ジョブをプライベートプリントに変更させるか、待ちキューに待機させたままにするかを前記印刷ジョブの送信者に問い合わせるものである。CPU21はこのダイアログからプライベートプリントに変更する指示を受付けたか否かを判断する(ST107)。
【0027】
CPU21はプライベートプリントに変更する指示を受付けたと判断すると(ST107でYES)、又は上述の判断で大量印刷でないと判断すると(ST102でNO)CPU21は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを、プライベートプリントジョブとして登録する(ST108)。これにより、前記印刷ジョブの印刷枚数が基準枚数より多くても空の収納ボックスがない場合又は前記印刷ジョブの印刷枚数が基準枚数より少ない場合は、印刷ジョブがプライベートプリントジョブに変更される。
【0028】
また、待ちキューに待機させたままにする指示を受付けると(ST107でNO)、ステップST103の処理へ戻り、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待ちキューに登録させたままとする。一方、CPU21は1回目でないと判断すると(ST105でNO)、ステップST104へ戻り、CPU21は空の収納ボックスがあるか否かの判断を行う。すなわち、空の収納ボックスがあると判断するまで印刷内容が機密文書である印刷ジョブは待ちキューに登録されたままの待機状態となる。
【0029】
CPU21は、空の収納ボックスがあると判断すると(ST104でYES)CPU21はユーザ情報データベースD2にアクセスして、待ちキューに登録された印刷ジョブを送信したPC3のユーザがユーザ情報データベースD2に登録されているユーザであるかを照合する(ST109)。そして、CPU21は専有者テーブルT1において、空であると判断した収納ボックスのボックス名に対応する“専有者”のエリアに、照合したユーザ情報を割当てる(ST110)。ユーザ情報は、ユーザID(又はグループID)である。さらにCPU21は、そのとき時計部29から取得した日時を示す情報を専有者テーブルT1に前記ボックス名に対応する“時間”のエリアに記憶する(ST111)。そして、CPU21は前記印刷ジョブを実行し、印刷済みの用紙を当該収納ボックスへ排出する(ST112)。
【0030】
続いて、このように印刷済みの用紙が収納ボックスへ排出する処理が終了したときにその旨を記述した印刷終了メールを印刷ジョブの送信者に送信する処理について説明する。図13は、CPU21が実行する印刷終了メール送信処理を示すフローチャートである。
【0031】
CPU21は、待機キューに待機されていた印刷内容が機密文書である印刷ジョブに基づいて印刷を行い、印刷済みの用紙を収納ボックスへ順次収納していく(ST201)。そして、CPU21は印刷が終了したか否かを判断する(ST202)。CPU21は印刷が終了したと判断するまで印刷済みの用紙を収納ボックスへ収納する処理を行う。CPU21は印刷が終了したと判断すると(ST202でYES)、CPU21は専有者テーブルT1を参照する(ST203)。
【0032】
CPU21は専有者テーブルT1の項目“専有者”に登録されているユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベースD2へアクセスして、そのユーザIDに対応して記憶されているメールアドレスを取得する(ST204)。すなわち、PC3のユーザのメールアドレスが取得される。そして、CPU21は印刷が終了したことを示すメッセージが記述された印刷終了メールを作成する(ST205)。この印刷終了メールには、上記メッセージに加えて、印刷物を収納した収納ボックス名の記述を加えても良い。そして、CPU21は前記作成した印刷終了メールを前記取得したメールアドレス宛てに、ネットワーク2を介して送信する(ST206)。
【0033】
次に、上述のように前記印刷ジョブをMFP1に送信したPC3のユーザが、印刷終了メールを受け取った後、印刷済みの用紙を収納ボックスから取り出すときの処理について説明する。図14は、印刷済みの用紙が収納ボックスからユーザによって取り出されるときに、CPU21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0034】
先ず、CPU21はカードリーダ17がICカードから読み取った情報を取得する(ST301)ICカードからは、ICカードを所持するユーザを示すユーザID(又はグループID)が取得される。そして、CPU21はユーザ情報データベースD2にアクセスして、取得したユーザIDがユーザ情報データベースD2に登録されているユーザであるかを照合する(ST303)。そして、CPU21は専有者テーブルT1を参照する(ST303)。
【0035】
CPU21は、ICカードから取得したユーザIDが、専有者テーブルT1の専有者の項目に記憶されているユーザIDのうちの1つと一致するかどうかを判断する(ST304)。CPU21は一致するユーザIDが無いと判断すると(ST304でNO)、CPU21は印刷ジョブデータベースD1にアクセスする(ST305)。そして、CPU21はICカードから取得したユーザIDが印刷ジョブデータベースD1に登録されているか否かを判断する(ST306)。CPU21は印刷ジョブが登録されていないと判断した場合は(ST306でNO)、処理を終了する。また、CPU21は印刷ジョブが登録されていると判断した場合は(ST306でYES)、CPU21はその印刷ジョブを選択する(ST307)。そして、CPU21はプリンタ28部を制御して、選択した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する(ST308)。これにより、プライベートプリントが実行される。
【0036】
一方、CPU21は一致するユーザIDがあると判断すると(ST304でYES)、そのユーザが専有している収納ボックスを開錠するための指示をI/Oポートを介して収納ボックスに設けられた鍵装置へ出力する(ST309)。例えば、収納ボックス15が専有されている場合は、I/Oポート30から鍵装置15aに開錠するための指示が出力される。鍵装置15aは、この指示を受け取ると、開錠する。これにより、収納ボックス15がMFP1本体から引出せるようになる。
【0037】
そして、CPU21は開錠した収納ボックスは空となったか否かを判断する(ST310)。例えば、収納ボックス15に設けられたセンサ31からI/Oポート32を介して入力される信号に基づいて判断される。CPU21は収納ボックスが空となったと判断すると(ST310でYES)、CPU21は専有者テーブルT1で管理されている当該収納ボックスに対応して記憶されたユーザID及び時間を削除する(ST311)。なお、収納ボックスはユーザによってMFP1本体に収納されると、再び施錠される。
【0038】
次に、上述のように印刷内容が機密文書である印刷ジョブをMFP1に送信したユーザが、印刷終了メールを受け取った後、印刷済みの用紙を収納ボックスから取り出さずにいる場合の処理について説明する。図15は、印刷済みの用紙が収納ボックスから取り出されないままの状態にあるときに、CPU21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0039】
CPU21は所定のタイミングで専有者テーブルT1を参照する(ST401)。この所定のタイミングは、例えば、1分ごとのような一定時間である。そして、CPU21は専有されている収納ボックスはあるか否かを判断する(ST402)。この判断は、専有者テーブルT1の項目“専有者”及び“時間”にデータが記憶されているか否かに基づいて行われる。CPU21は専有されている収納ボックスはないと判断すると(ST402でNO)、処理を終了する。
【0040】
一方、CPU21は専有されている収納ボックスがあると判断すると(ST402でYES)、CPU21は専有者テーブルT1にアクセスして、専有されている収納ボックスに対応する時間情報、すなわち、項目“時間”に記憶された情報を取得する(ST403)。続いて、CPU21は取得した情報に基づいて、収納ボックスが専有されている時間が一定時間を経過しているか否かを判断する(ST404)。具体的には、時計部29から取得した時刻と専有者テーブルT1から取得した時刻とから収納ボックスを専有している時間が算出される。そして、その時間が図11を参照して説明した一定時間記憶部24bに記憶されている一定時間を超えているか否かが判断される。この判断により、専有している時間が一定時間を経過しているか否かが判断される。CPU21は一定時間が経過していないと判断すると(ST404でNO)、ステップST401の処理へ戻り、ステップST401からST404の処理を繰り返す。
【0041】
また、CPU21は一定時間が経過していると判断すると(ST404でYES)、CPU21は専有者テーブルT1を参照し、収納ボックスを一定時間専有していると判断されたユーザのユーザIDを項目“専有者”から取得する(ST405)。そして、CPU21はユーザ情報データベースD2にアクセスし、前記取得したユーザIDに対応して記憶されているメールアドレスを取得する(ST406)。続いて、CPU21は“機密文書を取りに来てください。”という旨のメッセージが記述された警告メールを作成する(ST407)。そして、CPU21は、前記作成した警告メールを前記取得したメールアドレス宛てに、ネットワーク2を介して送信する(ST408)。
【0042】
次に、このように構成されたMFP1の作用について説明する。
【0043】
例えば、ユーザがPC3からMFP1へ基準枚数を超えない印刷枚数の、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを送信する。MFP1はこの印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が基準枚数を超えないため、その印刷ジョブをプライベートプリントに変更して登録する。
【0044】
また、例えば、ユーザがPC3からMFP1へ基準枚数を超える印刷枚数の、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを送信する。MFP1はこの印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が基準枚数を超えるため、収納ボックスが専有されているか否かを調べる。そして、専有されていない収納ボックスがあれば、印刷を実行し、その印刷済みの用紙をその収納ボックスへ排出する。
【0045】
MFP1は、このように収納ボックスへの印刷済み用紙の排出が終了すると、すなわち、印刷が終了すると、印刷が終了したことを示す印刷終了メールを前記ユーザのPC3に送信する。ユーザはPC3上に表示された印刷終了メールにより、印刷が終了したことを確認できる。そして、ユーザは、ICカードを携帯してMFP1まで印刷物を取りに行く。
【0046】
そして、ユーザは、MFP1のカードリーダ17にICカードをかざす。これによりMFP1は、ICカードからユーザのユーザIDを取得する。MFP1は、この取得したユーザIDを、専有者テーブルT1に登録されているユーザIDと照合する。収納ボックスを専有しているユーザのユーザIDと一致する場合には、その収納ボックスの鍵装置の鍵が開錠される。そして、ユーザは当該収納ボックスをMFP1本体から引出し、収納されている印刷物を取り出す。そして、収納ボックスをMFP1本体へ押し込む。すると、収納ボックスの鍵装置が施錠される。そして、収納ボックスはMFP1から引出せなくなる。
【0047】
一方、専有されていない収納ボックス、つまり、空の収納ボックスがない場合は、プライベートプリントへの変更が可能であることを示すダイアログがユーザのPC3上に表示される。図16は、このダイアログ3aの表示例を示す図である。図16に示すように、ダイアログ3aには、“収納ボックスは専有されています”というメッセージ3bとともに、プライベートプリントに変更するためのボタン3c、待ちキューへ格納するためのボタン3dが表示されている。なお、図16に示されている“30(s)”3eは、自動的にダイアログ3aが消去されるまでの時間を示している。したがって、前記ダイアログ3aが表示されてから、カウントダウンを開始し、0となったとき(30秒経過したとき)に、どのボタンの入力も受付けなければ、このダイアログ3aの表示を閉じる。そして、前記印刷ジョブは待ちキューに登録されたままとなり、プライベートプリントへの変更は行われなくなる。
【0048】
ユーザが送信した印刷ジョブをプライベートプリントに変更する場合は、ボタン3cを入力する。これにより、送信した印刷ジョブはプライベートプリントに変更される。そして、ユーザは所望のタイミングでMFP1まで行き、MFP1のカードリーダ17に、ICカードをかざす。これにより、MFP1は、ICカードからユーザのユーザIDを取得する。MFP1はこの取得したユーザIDを、印刷ジョブデータベースD1に登録されているユーザIDと照合する。そして、登録されているユーザIDと一致するプライベートプリントジョブの印刷が開始される。すなわち、プライベートプリントが実行される。
【0049】
また、ユーザが印刷ジョブを待ちキューに登録したままにする場合は、ボタン3dを入力する。これにより、印刷ジョブは待ちキューに登録されたままとなる。なお、一定時間が経過しても収納ボックスが空にならない場合は、MFP1から収納ボックスの専有者に対して警告メールが送信される。専有されている収納ボックスから印刷物が取り出されると、その収納ボックスへ印刷済みの用紙が排出されるようになり、待ちキューで待機していた印刷内容が機密文書である印刷ジョブが実行される。印刷が終了すると、印刷終了メールがユーザのPC3に送信される。ユーザは印刷終了メールを確認した後、印刷物を取りに行く。印刷物を取り出す場合の作用は、プライベートプリントジョブを送信したときに空の収納ボックスがあった場合と同様である。
【0050】
この実施の形態のMFP1は、以下のような効果を有している。
【0051】
MFP1は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブの印刷枚数が予め基準枚数記憶部24aに記憶された基準枚数より少ないならばプライベートプリントを行う。すなわち、機密文書の印刷枚数が多いときのみ収納ボックスを利用するようにする。したがってユーザは、機密文書を印刷する場合にその印刷枚数が基準枚数より少ない場合は、ユーザがMFP1を操作してから印刷を実行するプライベート印刷を行うようになる。これにより、ユーザは印刷枚数が基準枚数より少ない場合の機密文書を第3者に見られることがなく、収納ボックスが空き状態となる前に印刷することができ、また、収納ボックスの競合も減らすことができる。また、印刷枚数が基準枚数を超える機密文書は、空の収納ボックスがあれば直ちに印刷が開始される。したがって、MFP1はユーザが印刷済みの用紙を取りに行ったときに長く待つことがなく、効率よく収納ボックスを利用することができる。
【0052】
また、印刷枚数が多いか少ないかの基準となる基準枚数の指定は、基準枚数の変更を行う権限を有するユーザであれば、MFP1の操作部11a又はネットワーク2を介して接続されたPC3,4,5のいずれかから、いつでも行うことが可能である。このように、基準枚数の指定の変更をできるユーザを制限することにより、いたずらに基準枚数が変更されてしまうのを防止することができる。なお、この実施の形態では、基準枚数の指定の変更は、権限テーブルT2にユーザIDが設定されている、すなわち、変更の権限を有するユーザのみが行うことができる場合で説明している。しかしながら、このような制限を設けずに、全てのユーザが基準枚数の指定を変更できるようにしても良い。
【0053】
収納ボックス15,16は、ADUと同じメカニズムで用紙を排出できるボックスをMFP1の給紙トレー取付部12に取り付けることが可能なものである。このため、収納ボックス15,16を取り付けるための新たなスペースをMFP1に設ける必要がない。また、従来よりある給紙トレー取付部12を利用するため、MFP1に収納ボックス15,16を収納させない場合は、通常の給紙トレーを収納させることができる。
【0054】
収納ボックス15,16は、それぞれ鍵装置15a,16aを備えている。このように鍵装置15a,16aを備えているので収納ボックス15,16に収納した機密文書が他人に見られてしまうことを防止することができる。さらに、収納ボックス15,16はあるユーザの機密文書のみを収納している間は、前記あるユーザ以外のユーザの機密文書を収納しない。すなわち、収納ボックス15,16はあるユーザに専有されるようになっている。このため、収納ボックス15,16内で他のユーザの機密文書が混ざることを防止することができる。
【0055】
また、収納ボックス15,16は、グループ単位で共有するように設定することもできる。これにより、MFP1はグループに属するユーザのみに機密文書を見せることができる。したがって、機密文書のファイルデータをグループ全員が管理する必要がなく、機密文書を効率よく管理することができる。
【0056】
収納ボックス15,16に機密文書を収納した後、一定時間ユーザが当該機密文書を収納ボックス15,16から取り出さない場合は、警告メールがユーザに対して送信される。このように警告メールを送信することにより、収納ボックス15,16の専有者に対して、機密文書を取りにくるように催促することができる。また、MFP1は、このようにユーザが待ち状態となる状況が発生することを少しでも軽減するために、収納ボックス15,16への機密文書の排出が終了すると、印刷終了メールを送信するようになっている。
【0057】
なお、上記実施の形態では、警告メールは印刷が終了してから一定時間が経過したときに送信される場合で説明しているが、これに替えて、又は、これとともに、ユーザがプライベートプリントを変更することが可能なことを示すダイアログ3aに警告メールを送信するためのボタン3fを設け、そのボタン3fが入力されたときに警告メールが送信されるようにしても良い。図17は前記ダイアログ3aに警告メールを送信するためのボタン3fを設けたときの表示例3a´を示す図である。図17に示すように、ダイアログ3a´には、警告メールを送信するためのボタン3fが設けられている。ユーザがこのボタン3fを入力することにより、図15を参照して説明したステップST405からST408の処理がMFP1で実行されて、警告メールが専有者へ送信される。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図。
【図2】同実施の形態におけるMFPの正面図を概略的に示す図。
【図3】同実施の形態におけるMFPの収納ボックスを引出したときの側面図を概略的に示す図。
【図4】同実施の形態におけるMFPの要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態における印刷ジョブデータベースを示す図。
【図6】同実施の形態における専有者テーブルを示す図。
【図7】同実施の形態におけるユーザ情報データベースを示す図。
【図8】同実施の形態における基準枚数を記憶する記憶部を示す図。
【図9】同実施の形態における権限テーブルを示す図。
【図10】同実施の形態における基準枚数を変更するときの設定画面例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態における警告メールの送信時に用いられる一定時間を記憶する記憶部を示す図。
【図12】同実施の形態におけるプライベートプリントジョブを受信したときの処理を示すフローチャートを示す図。
【図13】同実施の形態における印刷終了メール送信処理を示すフローチャートを示す図。
【図14】同実施の形態における印刷済みの用紙が収納ボックスから取り出されるときの処理を示すフローチャートを示す図。
【図15】同実施の形態における印刷済みの用紙が収納ボックスから取り出されないままの状態にあるときの処理を示すフローチャートを示す図。
【図16】同実施の形態におけるダイアログの表示例を示す図。
【図17】同実施の形態におけるダイアログに警告メールを送信するためのボタンを設けたときの表示例を示す図。
【符号の説明】
【0060】
1…MFP(画像形成装置)、2…ネットワーク、11…コントロールパネル、12…給紙トレー取付部、13,14…給紙トレー、15,16…収納ボックス、15a,16a…鍵装置、17…カードリーダ、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…記憶部、24a…基準枚数記憶部、24b…一定時間記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密文書を効率よく出力する画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機密文書の印刷ジョブをプリンタサーバに記憶し、プリンタでユーザのパスワードを入力することにより、サーバから機密文書を受信し、印刷を行うプリンタサーバシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このシステムにおいては、印刷された機密文書専用の排紙トレーへ排出するが、この排紙トレーはロックされている。そして、正規のパスワードが入力されたと判定したときには、そのロックを解除することにより、機密文書を排紙トレーから取り出せるようになっている。
【特許文献1】特開平10−21024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたものでは、機密文書の印刷を行うときユーザはプリンタのタッチパネルにユーザのパスワードを入力することによって、初めてプリンタがサーバから印刷データを受信し、印刷を行う。このため、機密文書の印刷枚数が多いときは、ユーザはプリンタの前で印刷が終了するまで待ち続けなければならない。このように機密文書を取り出す作業が行われるため、あるユーザが機密文書を取り出しているときは、そのユーザが機密文書の取り出しが終了するまで他のユーザは機密文書を取り出す作業を開始することができない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザが機密文書を取り出すための待ち時間を短くできる画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が、大量印刷か否かの基準となる基準枚数を超えているか否かを印刷ジョブの印刷設定に基づいて判断し、印刷枚数が基準枚数を超えていると判断した場合は、機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスへ印刷した用紙を排紙し、印刷枚数が基準枚数を超えていないと判断した場合は、ユーザの指示を受付けてから印刷を行い排紙するプライベートプリントを行う画像形成装置の印刷方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ユーザが機密文書を取り出すための待ち時間を短くできる画像形成装置及び画像形成装置の印刷方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は前記一実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図である。図1に示すようにマルチファンクションペリフェラル(以下、MFPと称する。)1は、ネットワーク2を介してPC3,4,5と接続されている。なお、ネットワーク2に接続されたPCは3つの場合を示しているが、3つに限られるものではない。
【0009】
図2はMFP1の正面を概略的に示す図である。MFP1は、タッチパネル式でディスプレイであるコントロールパネル11、印刷用紙を収容する給紙トレー13,14を取り付けるとともに、機密文書を収納するための収納ボックス15,16を収納するための給紙トレー取付部12、ICカードから情報を読取るカードリーダ17、排紙された印刷済みの用紙を蓄積する排紙トレー18a,18bが設けられている。なお、収納ボックス15,16は、オートデュプレシングユニット(ADU)を用いて排出された用紙を収納することができるとともに給紙トレー取付部12に取り付けできるようになっている。すなわち、MFP1は収納ボックス15,16を使用しない場合は、収納ボックス15,16に替えて新たな給紙トレーを取り付けることができるようになっている。
【0010】
図3は、MFP1の収納ボックス15,16を引出したときの側面図を概略的に示す図である。収納ボックス15,16には、鍵装置15a,16aがそれぞれ設けられている。この鍵装置15a,16aは収納ボックス15,16がMFP1内に収容されている場合は施錠されている。そして、鍵装置15a,16aは後述する処理によって収納ボックスを専有しているユーザであることが確認された場合に開錠する。このように鍵装置15a,16aが開錠すると、図3に示すようにMFP1から収納ボックス15,16を引出せるようになる。
【0011】
なお、図3においては、2つの収納ボックス15,16が引出されている場合を示しているが、勿論収納ボックスごとに引出すことができる。また、収納ボックス15,16が2つ、給紙トレー13,14が2つの場合で説明するが、これに限るものではない。収納ボックスは1つでも良いし、3つでも良い。但し、MFP1には給紙トレーを少なくとも1つは取り付ける必要がある。このため、給紙トレー取付部12が4つある場合であれば、取り付ける収納ボックスは3つが限度となる。
【0012】
図4は、MFP1の要部構成を示すブロック図である。図4に示すように、MFP1は、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、画像処理部25、コントロールパネル11、ネットワークインタフェース26、スキャナ27、プリンタ28、時計部29、カードリーダ17、I/Oポート30、鍵装置15a、センサ31、I/Oポート32、鍵装置16a、I/Oポート33、センサ34、I/Oポート35とからなる。また、CPU21と、ROM22、RAM23、記憶部24、画像処理部25、コントロールパネル11、ネットワークインタフェース26、スキャナ27、プリンタ28、時計部29、カードリーダ17、I/Oポート30,32,33,35とはバスラインを介して接続されている。
【0013】
CPU21はROM22に記憶された制御プログラムを実行することによりMFP1全体を制御する。ROM22はCPU21が実行する制御プログラムや固定データを記憶する。RAM23は、CPU21がROM22に記憶された制御プログラムを実行するときに必要となるワークエリア等を有している。
【0014】
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブである。記憶部24は、画像データ、後述する印刷ジョブデータベース、専有者テーブル、ユーザ情報データベース、基準枚数、権限テーブル、一定時間などの各種データを記憶するとともに各種プログラムを記憶する。画像処理部25は、画像データに対して圧縮、伸張等の処理を施す。コントロールパネル11は、操作部11aや表示部11bを有する。操作部11aはユーザから受付けた指示をCPU21に伝える。また、表示部11bはCPU21の制御の下でユーザに必要な情報を表示する。ネットワークインタフェース26は、ネットワーク2との接続に用いられる。スキャナ27は、図示しない原稿台に載置された原稿、又は図示しない自動給紙装置により送られた原稿から画像を読取り、画像データを生成する。このように生成された画像データは、画像処理部25で圧縮処理がなされて記憶部24に記憶される。プリンタ28はネットワーク2を介して受信した印刷ジョブ、又は記憶部24から読出し、画像処理部25で伸張処理した画像データに基づいて、用紙へ画像を形成する。時計部29は日時情報を生成する。時計部29が生成した日時情報は、必要に応じてCPU21に取得される。
【0015】
カードリーダ17は、ICカードに記憶された情報を読取る。ICカードには、ユーザIDを示す情報が記憶されている。鍵装置15a,16aは、それぞれ収納ボックス15,16を施錠するための鍵である。I/Oポート30はCPU21から施錠又は開錠するための指示を鍵装置15aへ伝える。また、I/Oポート32は、センサ31からの信号をCPU21に伝える。センサ31は収納ボックス15に印刷済みの用紙が収納されているか否かを検出する。鍵装置16aは、収納ボックス16を施錠するための鍵である。I/Oポート33はCPU21から施錠又は開錠するための指示を鍵装置16aへ伝える。また、I/Oポート35は、センサ34からの信号をCPU21に伝える。センサ34は収納ボックス16に印刷済みの用紙が収納されているか否かを検出する。
【0016】
次に、記憶部24に記憶される印刷ジョブデータベースD1、専有者テーブルT1、ユーザ情報データベースD2、基準枚数記憶部24a、権限テーブルT2、一定時間記憶部24bについて図5から図11を参照して説明する。
図5は、印刷ジョブデータベースD1である。印刷ジョブデータベースD1は、印刷ジョブを受信したときにその印刷ジョブに関する情報をデータとして登録するものである。受信する印刷ジョブは、通常の印刷ジョブでも印刷内容が機密文書である印刷ジョブでも良い。なお、内容が機密文書であるか否かは、例えば、ユーザによって排出先が収納ボックス15,16のいずれかが指定されている場合である。図5に示すように、印刷ジョブデータベースD1は、各印刷ジョブに関して以下の項目を管理している。すなわち、印刷ジョブデータベースD1は“ジョブID”、“受取日時”、“ユーザID”、“印刷枚数”、“データ本体”の各項目を管理している。項目“ジョブID”には、MFP1内部での識別のために付加したIDが記憶される。項目“受取日時”には、印刷ジョブをネットワーク2を介してPC3,4,5のいずれかから受取った日時が記憶される。項目“ユーザID”には、印刷ジョブを印刷ジョブデータベースD1に登録したユーザのユーザIDが記憶される。項目“印刷枚数”には印刷ジョブに基づいて印刷される枚数が記憶される。項目“データ本体”には印刷する内容を示すデータが記憶される。
【0017】
図6は、収納ボックス15又は収納ボックス16を専有する専有者テーブルT1である。専有者テーブルT1は、各収納ボックス15,16に関して、以下の項目を管理している。すなわち、専有者テーブルT1は“収納ボックス”、“専有者”、“時間”の各項目を管理している。項目“収納ボックス”には、機密文書を収納する収納ボックス15の名前であるボックス1,収納ボックス16の名前であるボックス2が記憶される。項目“専有者”には、収納ボックスを専有しているユーザのユーザIDが記憶される。ユーザIDは例えば“Hanako”である。なお、項目“専有者”には、ユーザIDではなく、グループIDを記憶するようにしても良い。この場合は例えば“Bグループ”と記憶される。項目“時間”には、収納ボックスを専有した日時が時計部29から取得されて、記憶される。
【0018】
図7は、ユーザ情報データベースD2である。ユーザ情報データベースD2は各ユーザに関して、以下の項目を管理している。すなわち、ユーザ情報データベースD2は“ユーザID”、“グループID”、“メールアドレス”の各項目を管理している。項目“ユーザID”には、印刷ジョブを送信したユーザのユーザIDが記憶される。項目“グループID”には、前記ユーザの属するグループのグループIDが記憶される。“メールアドレス”には、前記ユーザのメールアドレスが記憶される。
【0019】
図8は、基準枚数を記憶する基準枚数記憶部24aを示す図である。基準枚数は、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを、収納ボックス15,16のいずれかへは排紙するか、プライベートプリントにより排紙トレー18a,18bのいずれかに排紙するかの基準となる印刷枚数である。
【0020】
また、図9は、基準枚数記憶部24aに記憶した基準枚数を変更する権限を有するユーザを登録する権限テーブルT2である。図9に示すように、権限テーブルT2には、基準枚数を変更する権限を有するユーザのユーザIDが登録されている。したがって、権限テーブルT2に登録されたユーザのみが基準枚数記憶部24aに記憶された基準枚数を変更することができる。この基準枚数の変更は、例えば、次のようにして行う。ユーザは、先ず、自身のICカードをカードリーダ17にかざして、基準枚数を変更できるユーザであること、すなわち権限テーブルT2に登録されているユーザであることをMFP1に認証させる。その後に、MFP1の操作部11aを操作して、基準枚数を変更するための設定画面を表示部11bに呼び出す。
【0021】
図10は、このときの設定画面11cの一例を示す図である。ユーザは切り替え枚数を例えば、図示しない矢印キーの右と左を用いて、ポインタPを移動させて基準枚数を設定する。そしてユーザは、OKボタン11dを入力することにより、基準枚数が基準枚数記憶部24aに記憶される。このようにして、ユーザは、任意の基準枚数に設定を変更することができる。また、MFP1のコントロールパネル11を用いてなくても、ネットワーク2に接続されたPC3,4,5のいずれかから設定の変更を行っても良い。この場合も、ユーザは先ず権限テーブルT1に登録されているユーザであることをMFP1に認証させる。そして、ユーザはPCの操作部を操作して、前記設定画面11cを表示部に呼び出し、ポインタP、OKボタン11dを用いて基準枚数を設定する。
【0022】
図11は、後述する警告メールを印刷内容が機密文書である印刷ジョブの送信者に対して送信するときに用いられる一定時間を記憶する一定時間記憶部24bを示す図である。この一定時間記憶部24bに記憶される一定時間は、ユーザによりMFP1のコントロールパネル11を用いて、又はネットワーク2に接続されたPC3,4,5のいずれかから変更可能となっている。
【0023】
続いて、MFP1がネットワーク2を介してPC3から印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信したときの処理について説明する。図12は、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信したときにCPU21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0024】
CPU21は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、受信処理を行う(ST101)。具体的には、印刷ジョブデータベースD1に受信した印刷ジョブが登録される。そして、CPU21は前記受信した印刷ジョブが大量印刷を行うジョブであるか否かを判断する(ST102)。具体的には、印刷ジョブデータベースD1の前記印刷ジョブが登録された印刷枚数の項目に記憶された印刷枚数と、基準枚数記憶部24aに記憶された基準枚数とが比較される。前記印刷枚数が基準枚数以上であれば大量印刷であると判断される。また、前記印刷枚数が基準枚数より小さければ大量印刷でないと判断される。
【0025】
CPU21は大量印刷であると判断すると(ST102でYES)、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待ちキューに登録する(ST103)。そして、CPU21は空の収納ボックスがあるか否かを判断する(ST104)。CPU21はセンサ31,34から出力される信号に基づいて、収納ボックス15,16のいずれかが空であるか否かを判断する。
【0026】
CPU21は空の収納ボックスがないと判断すると(ST104でNO)、CPU21はST104の判断が1回目か否かを判断する(ST105)。すなわち、空の収納ボックスがないという判断が1回目であるか否かが判断される。CPU21は1回目の判断であると判断すると(ST105でYES)、CPU21は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを送信したPC3に、前記印刷ジョブはプライベートプリントに変更が可能であることを報知するダイアログを表示させる(ST106)。このダイアログは、印刷内容が機密文書である印刷ジョブをプライベートプリントに変更させるか、待ちキューに待機させたままにするかを前記印刷ジョブの送信者に問い合わせるものである。CPU21はこのダイアログからプライベートプリントに変更する指示を受付けたか否かを判断する(ST107)。
【0027】
CPU21はプライベートプリントに変更する指示を受付けたと判断すると(ST107でYES)、又は上述の判断で大量印刷でないと判断すると(ST102でNO)CPU21は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを、プライベートプリントジョブとして登録する(ST108)。これにより、前記印刷ジョブの印刷枚数が基準枚数より多くても空の収納ボックスがない場合又は前記印刷ジョブの印刷枚数が基準枚数より少ない場合は、印刷ジョブがプライベートプリントジョブに変更される。
【0028】
また、待ちキューに待機させたままにする指示を受付けると(ST107でNO)、ステップST103の処理へ戻り、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待ちキューに登録させたままとする。一方、CPU21は1回目でないと判断すると(ST105でNO)、ステップST104へ戻り、CPU21は空の収納ボックスがあるか否かの判断を行う。すなわち、空の収納ボックスがあると判断するまで印刷内容が機密文書である印刷ジョブは待ちキューに登録されたままの待機状態となる。
【0029】
CPU21は、空の収納ボックスがあると判断すると(ST104でYES)CPU21はユーザ情報データベースD2にアクセスして、待ちキューに登録された印刷ジョブを送信したPC3のユーザがユーザ情報データベースD2に登録されているユーザであるかを照合する(ST109)。そして、CPU21は専有者テーブルT1において、空であると判断した収納ボックスのボックス名に対応する“専有者”のエリアに、照合したユーザ情報を割当てる(ST110)。ユーザ情報は、ユーザID(又はグループID)である。さらにCPU21は、そのとき時計部29から取得した日時を示す情報を専有者テーブルT1に前記ボックス名に対応する“時間”のエリアに記憶する(ST111)。そして、CPU21は前記印刷ジョブを実行し、印刷済みの用紙を当該収納ボックスへ排出する(ST112)。
【0030】
続いて、このように印刷済みの用紙が収納ボックスへ排出する処理が終了したときにその旨を記述した印刷終了メールを印刷ジョブの送信者に送信する処理について説明する。図13は、CPU21が実行する印刷終了メール送信処理を示すフローチャートである。
【0031】
CPU21は、待機キューに待機されていた印刷内容が機密文書である印刷ジョブに基づいて印刷を行い、印刷済みの用紙を収納ボックスへ順次収納していく(ST201)。そして、CPU21は印刷が終了したか否かを判断する(ST202)。CPU21は印刷が終了したと判断するまで印刷済みの用紙を収納ボックスへ収納する処理を行う。CPU21は印刷が終了したと判断すると(ST202でYES)、CPU21は専有者テーブルT1を参照する(ST203)。
【0032】
CPU21は専有者テーブルT1の項目“専有者”に登録されているユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベースD2へアクセスして、そのユーザIDに対応して記憶されているメールアドレスを取得する(ST204)。すなわち、PC3のユーザのメールアドレスが取得される。そして、CPU21は印刷が終了したことを示すメッセージが記述された印刷終了メールを作成する(ST205)。この印刷終了メールには、上記メッセージに加えて、印刷物を収納した収納ボックス名の記述を加えても良い。そして、CPU21は前記作成した印刷終了メールを前記取得したメールアドレス宛てに、ネットワーク2を介して送信する(ST206)。
【0033】
次に、上述のように前記印刷ジョブをMFP1に送信したPC3のユーザが、印刷終了メールを受け取った後、印刷済みの用紙を収納ボックスから取り出すときの処理について説明する。図14は、印刷済みの用紙が収納ボックスからユーザによって取り出されるときに、CPU21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0034】
先ず、CPU21はカードリーダ17がICカードから読み取った情報を取得する(ST301)ICカードからは、ICカードを所持するユーザを示すユーザID(又はグループID)が取得される。そして、CPU21はユーザ情報データベースD2にアクセスして、取得したユーザIDがユーザ情報データベースD2に登録されているユーザであるかを照合する(ST303)。そして、CPU21は専有者テーブルT1を参照する(ST303)。
【0035】
CPU21は、ICカードから取得したユーザIDが、専有者テーブルT1の専有者の項目に記憶されているユーザIDのうちの1つと一致するかどうかを判断する(ST304)。CPU21は一致するユーザIDが無いと判断すると(ST304でNO)、CPU21は印刷ジョブデータベースD1にアクセスする(ST305)。そして、CPU21はICカードから取得したユーザIDが印刷ジョブデータベースD1に登録されているか否かを判断する(ST306)。CPU21は印刷ジョブが登録されていないと判断した場合は(ST306でNO)、処理を終了する。また、CPU21は印刷ジョブが登録されていると判断した場合は(ST306でYES)、CPU21はその印刷ジョブを選択する(ST307)。そして、CPU21はプリンタ28部を制御して、選択した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する(ST308)。これにより、プライベートプリントが実行される。
【0036】
一方、CPU21は一致するユーザIDがあると判断すると(ST304でYES)、そのユーザが専有している収納ボックスを開錠するための指示をI/Oポートを介して収納ボックスに設けられた鍵装置へ出力する(ST309)。例えば、収納ボックス15が専有されている場合は、I/Oポート30から鍵装置15aに開錠するための指示が出力される。鍵装置15aは、この指示を受け取ると、開錠する。これにより、収納ボックス15がMFP1本体から引出せるようになる。
【0037】
そして、CPU21は開錠した収納ボックスは空となったか否かを判断する(ST310)。例えば、収納ボックス15に設けられたセンサ31からI/Oポート32を介して入力される信号に基づいて判断される。CPU21は収納ボックスが空となったと判断すると(ST310でYES)、CPU21は専有者テーブルT1で管理されている当該収納ボックスに対応して記憶されたユーザID及び時間を削除する(ST311)。なお、収納ボックスはユーザによってMFP1本体に収納されると、再び施錠される。
【0038】
次に、上述のように印刷内容が機密文書である印刷ジョブをMFP1に送信したユーザが、印刷終了メールを受け取った後、印刷済みの用紙を収納ボックスから取り出さずにいる場合の処理について説明する。図15は、印刷済みの用紙が収納ボックスから取り出されないままの状態にあるときに、CPU21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0039】
CPU21は所定のタイミングで専有者テーブルT1を参照する(ST401)。この所定のタイミングは、例えば、1分ごとのような一定時間である。そして、CPU21は専有されている収納ボックスはあるか否かを判断する(ST402)。この判断は、専有者テーブルT1の項目“専有者”及び“時間”にデータが記憶されているか否かに基づいて行われる。CPU21は専有されている収納ボックスはないと判断すると(ST402でNO)、処理を終了する。
【0040】
一方、CPU21は専有されている収納ボックスがあると判断すると(ST402でYES)、CPU21は専有者テーブルT1にアクセスして、専有されている収納ボックスに対応する時間情報、すなわち、項目“時間”に記憶された情報を取得する(ST403)。続いて、CPU21は取得した情報に基づいて、収納ボックスが専有されている時間が一定時間を経過しているか否かを判断する(ST404)。具体的には、時計部29から取得した時刻と専有者テーブルT1から取得した時刻とから収納ボックスを専有している時間が算出される。そして、その時間が図11を参照して説明した一定時間記憶部24bに記憶されている一定時間を超えているか否かが判断される。この判断により、専有している時間が一定時間を経過しているか否かが判断される。CPU21は一定時間が経過していないと判断すると(ST404でNO)、ステップST401の処理へ戻り、ステップST401からST404の処理を繰り返す。
【0041】
また、CPU21は一定時間が経過していると判断すると(ST404でYES)、CPU21は専有者テーブルT1を参照し、収納ボックスを一定時間専有していると判断されたユーザのユーザIDを項目“専有者”から取得する(ST405)。そして、CPU21はユーザ情報データベースD2にアクセスし、前記取得したユーザIDに対応して記憶されているメールアドレスを取得する(ST406)。続いて、CPU21は“機密文書を取りに来てください。”という旨のメッセージが記述された警告メールを作成する(ST407)。そして、CPU21は、前記作成した警告メールを前記取得したメールアドレス宛てに、ネットワーク2を介して送信する(ST408)。
【0042】
次に、このように構成されたMFP1の作用について説明する。
【0043】
例えば、ユーザがPC3からMFP1へ基準枚数を超えない印刷枚数の、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを送信する。MFP1はこの印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が基準枚数を超えないため、その印刷ジョブをプライベートプリントに変更して登録する。
【0044】
また、例えば、ユーザがPC3からMFP1へ基準枚数を超える印刷枚数の、印刷内容が機密文書である印刷ジョブを送信する。MFP1はこの印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、印刷枚数が基準枚数を超えるため、収納ボックスが専有されているか否かを調べる。そして、専有されていない収納ボックスがあれば、印刷を実行し、その印刷済みの用紙をその収納ボックスへ排出する。
【0045】
MFP1は、このように収納ボックスへの印刷済み用紙の排出が終了すると、すなわち、印刷が終了すると、印刷が終了したことを示す印刷終了メールを前記ユーザのPC3に送信する。ユーザはPC3上に表示された印刷終了メールにより、印刷が終了したことを確認できる。そして、ユーザは、ICカードを携帯してMFP1まで印刷物を取りに行く。
【0046】
そして、ユーザは、MFP1のカードリーダ17にICカードをかざす。これによりMFP1は、ICカードからユーザのユーザIDを取得する。MFP1は、この取得したユーザIDを、専有者テーブルT1に登録されているユーザIDと照合する。収納ボックスを専有しているユーザのユーザIDと一致する場合には、その収納ボックスの鍵装置の鍵が開錠される。そして、ユーザは当該収納ボックスをMFP1本体から引出し、収納されている印刷物を取り出す。そして、収納ボックスをMFP1本体へ押し込む。すると、収納ボックスの鍵装置が施錠される。そして、収納ボックスはMFP1から引出せなくなる。
【0047】
一方、専有されていない収納ボックス、つまり、空の収納ボックスがない場合は、プライベートプリントへの変更が可能であることを示すダイアログがユーザのPC3上に表示される。図16は、このダイアログ3aの表示例を示す図である。図16に示すように、ダイアログ3aには、“収納ボックスは専有されています”というメッセージ3bとともに、プライベートプリントに変更するためのボタン3c、待ちキューへ格納するためのボタン3dが表示されている。なお、図16に示されている“30(s)”3eは、自動的にダイアログ3aが消去されるまでの時間を示している。したがって、前記ダイアログ3aが表示されてから、カウントダウンを開始し、0となったとき(30秒経過したとき)に、どのボタンの入力も受付けなければ、このダイアログ3aの表示を閉じる。そして、前記印刷ジョブは待ちキューに登録されたままとなり、プライベートプリントへの変更は行われなくなる。
【0048】
ユーザが送信した印刷ジョブをプライベートプリントに変更する場合は、ボタン3cを入力する。これにより、送信した印刷ジョブはプライベートプリントに変更される。そして、ユーザは所望のタイミングでMFP1まで行き、MFP1のカードリーダ17に、ICカードをかざす。これにより、MFP1は、ICカードからユーザのユーザIDを取得する。MFP1はこの取得したユーザIDを、印刷ジョブデータベースD1に登録されているユーザIDと照合する。そして、登録されているユーザIDと一致するプライベートプリントジョブの印刷が開始される。すなわち、プライベートプリントが実行される。
【0049】
また、ユーザが印刷ジョブを待ちキューに登録したままにする場合は、ボタン3dを入力する。これにより、印刷ジョブは待ちキューに登録されたままとなる。なお、一定時間が経過しても収納ボックスが空にならない場合は、MFP1から収納ボックスの専有者に対して警告メールが送信される。専有されている収納ボックスから印刷物が取り出されると、その収納ボックスへ印刷済みの用紙が排出されるようになり、待ちキューで待機していた印刷内容が機密文書である印刷ジョブが実行される。印刷が終了すると、印刷終了メールがユーザのPC3に送信される。ユーザは印刷終了メールを確認した後、印刷物を取りに行く。印刷物を取り出す場合の作用は、プライベートプリントジョブを送信したときに空の収納ボックスがあった場合と同様である。
【0050】
この実施の形態のMFP1は、以下のような効果を有している。
【0051】
MFP1は印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブの印刷枚数が予め基準枚数記憶部24aに記憶された基準枚数より少ないならばプライベートプリントを行う。すなわち、機密文書の印刷枚数が多いときのみ収納ボックスを利用するようにする。したがってユーザは、機密文書を印刷する場合にその印刷枚数が基準枚数より少ない場合は、ユーザがMFP1を操作してから印刷を実行するプライベート印刷を行うようになる。これにより、ユーザは印刷枚数が基準枚数より少ない場合の機密文書を第3者に見られることがなく、収納ボックスが空き状態となる前に印刷することができ、また、収納ボックスの競合も減らすことができる。また、印刷枚数が基準枚数を超える機密文書は、空の収納ボックスがあれば直ちに印刷が開始される。したがって、MFP1はユーザが印刷済みの用紙を取りに行ったときに長く待つことがなく、効率よく収納ボックスを利用することができる。
【0052】
また、印刷枚数が多いか少ないかの基準となる基準枚数の指定は、基準枚数の変更を行う権限を有するユーザであれば、MFP1の操作部11a又はネットワーク2を介して接続されたPC3,4,5のいずれかから、いつでも行うことが可能である。このように、基準枚数の指定の変更をできるユーザを制限することにより、いたずらに基準枚数が変更されてしまうのを防止することができる。なお、この実施の形態では、基準枚数の指定の変更は、権限テーブルT2にユーザIDが設定されている、すなわち、変更の権限を有するユーザのみが行うことができる場合で説明している。しかしながら、このような制限を設けずに、全てのユーザが基準枚数の指定を変更できるようにしても良い。
【0053】
収納ボックス15,16は、ADUと同じメカニズムで用紙を排出できるボックスをMFP1の給紙トレー取付部12に取り付けることが可能なものである。このため、収納ボックス15,16を取り付けるための新たなスペースをMFP1に設ける必要がない。また、従来よりある給紙トレー取付部12を利用するため、MFP1に収納ボックス15,16を収納させない場合は、通常の給紙トレーを収納させることができる。
【0054】
収納ボックス15,16は、それぞれ鍵装置15a,16aを備えている。このように鍵装置15a,16aを備えているので収納ボックス15,16に収納した機密文書が他人に見られてしまうことを防止することができる。さらに、収納ボックス15,16はあるユーザの機密文書のみを収納している間は、前記あるユーザ以外のユーザの機密文書を収納しない。すなわち、収納ボックス15,16はあるユーザに専有されるようになっている。このため、収納ボックス15,16内で他のユーザの機密文書が混ざることを防止することができる。
【0055】
また、収納ボックス15,16は、グループ単位で共有するように設定することもできる。これにより、MFP1はグループに属するユーザのみに機密文書を見せることができる。したがって、機密文書のファイルデータをグループ全員が管理する必要がなく、機密文書を効率よく管理することができる。
【0056】
収納ボックス15,16に機密文書を収納した後、一定時間ユーザが当該機密文書を収納ボックス15,16から取り出さない場合は、警告メールがユーザに対して送信される。このように警告メールを送信することにより、収納ボックス15,16の専有者に対して、機密文書を取りにくるように催促することができる。また、MFP1は、このようにユーザが待ち状態となる状況が発生することを少しでも軽減するために、収納ボックス15,16への機密文書の排出が終了すると、印刷終了メールを送信するようになっている。
【0057】
なお、上記実施の形態では、警告メールは印刷が終了してから一定時間が経過したときに送信される場合で説明しているが、これに替えて、又は、これとともに、ユーザがプライベートプリントを変更することが可能なことを示すダイアログ3aに警告メールを送信するためのボタン3fを設け、そのボタン3fが入力されたときに警告メールが送信されるようにしても良い。図17は前記ダイアログ3aに警告メールを送信するためのボタン3fを設けたときの表示例3a´を示す図である。図17に示すように、ダイアログ3a´には、警告メールを送信するためのボタン3fが設けられている。ユーザがこのボタン3fを入力することにより、図15を参照して説明したステップST405からST408の処理がMFP1で実行されて、警告メールが専有者へ送信される。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図。
【図2】同実施の形態におけるMFPの正面図を概略的に示す図。
【図3】同実施の形態におけるMFPの収納ボックスを引出したときの側面図を概略的に示す図。
【図4】同実施の形態におけるMFPの要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態における印刷ジョブデータベースを示す図。
【図6】同実施の形態における専有者テーブルを示す図。
【図7】同実施の形態におけるユーザ情報データベースを示す図。
【図8】同実施の形態における基準枚数を記憶する記憶部を示す図。
【図9】同実施の形態における権限テーブルを示す図。
【図10】同実施の形態における基準枚数を変更するときの設定画面例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態における警告メールの送信時に用いられる一定時間を記憶する記憶部を示す図。
【図12】同実施の形態におけるプライベートプリントジョブを受信したときの処理を示すフローチャートを示す図。
【図13】同実施の形態における印刷終了メール送信処理を示すフローチャートを示す図。
【図14】同実施の形態における印刷済みの用紙が収納ボックスから取り出されるときの処理を示すフローチャートを示す図。
【図15】同実施の形態における印刷済みの用紙が収納ボックスから取り出されないままの状態にあるときの処理を示すフローチャートを示す図。
【図16】同実施の形態におけるダイアログの表示例を示す図。
【図17】同実施の形態におけるダイアログに警告メールを送信するためのボタンを設けたときの表示例を示す図。
【符号の説明】
【0060】
1…MFP(画像形成装置)、2…ネットワーク、11…コントロールパネル、12…給紙トレー取付部、13,14…給紙トレー、15,16…収納ボックス、15a,16a…鍵装置、17…カードリーダ、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…記憶部、24a…基準枚数記憶部、24b…一定時間記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークと接続するインタフェースと、
機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスと、
印刷された用紙を排紙する排紙部と、
大量印刷か否かの基準となる基準枚数を記憶する基準枚数記憶部と、
印刷内容が機密文書である印刷ジョブを、前記インタフェースを介して受信すると、印刷枚数が前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を超えているか否かを前記印刷ジョブの印刷設定に基づいて、判断する判断部と、
前記判断部で前記受信した印刷ジョブの印刷枚数が前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を超えていると判断した場合は前記収納ボックスへ印刷した用紙を排紙する第1の印刷処理部と、
前記判断部で前記受信した印刷ジョブの印刷枚数が前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を超えていないと判断した場合はユーザの指示を受付けてから印刷を行い前記排紙部へ排紙するプライベートプリントを行う第2の印刷処理部とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を変更する基準枚数変更部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
操作部をさらに具備し、
前記基準枚数変更部は、前記操作部であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記基準枚数変更部は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作部であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記基準枚数変更部で前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を変更する権限を有するユーザを登録するユーザ登録部と、
前記ユーザ登録部に登録されたユーザであるか否かを認証する登録ユーザ認証部とをさらに具備し、
前記登録ユーザ認証部で前記ユーザ登録部に登録されたユーザであることが認証された場合に、ユーザは前記基準枚数を変更できることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記収納ボックスは、オートデュプレシングユニットを用いて排出された用紙を収納することができるとともに給紙トレー取付部に取り付けできることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記収納ボックスは、前記給紙トレー取付部から引出せないように施錠するための鍵装置を具備することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブに基づいて印刷された用紙が記収納ボックスに排紙されることにより前記収納ボックスを専有したユーザを示す専有者情報を記憶する専有者情報記憶部と、
前記専有者情報記憶部に記憶されているユーザであるか否かを認証する専有者認証部とをさらに具備し、
前記鍵装置は、前記専有者認証部で前記専有者情報記憶部に記憶されているユーザであると認証されると開錠することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記専有者情報は、予め定められたグループを示す情報及びユーザ個人を示す情報のいずれかであることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記収納ボックスへ印刷した用紙を排紙するときに、前記収納ボックスが専有されているか否かを判断する専有判断部と、
前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待機させるジョブ待機部とをさらに具備し、
前記ジョブ待機部で待機された印刷ジョブは、前記専有判断部で前記収納ボックスの専有が解除されたと判断されると、印刷されることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記収納ボックスへ印刷した用紙を排紙するときに、前記収納ボックスが専有されているか否かを判断する専有判断部と、
前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待機させるジョブ待機部と、
前記専有判断部で前記収納ボックスが専有されていると判断すると、前記ジョブ待機部で待機させている印刷ジョブを、ライベートプリントに変更するかどうかを問い合わせる問合せ部とをさらに具備し、
前記問合せ部による問合せ結果に基づいて、前記印刷ジョブのプライベートプリントの登録又は前記ジョブ待機部へのジョブの待機の続行のいずれかを行うことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ジョブ待機部で待機された印刷ジョブは、前記専有判断部で前記収納ボックスの専有が解除されたと判断されると、印刷されることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
日時を計時する時計部と、
前記収納ボックスへの排紙が終了したときに前記時計部で計時した時刻を前記専有者情報と関連付けて記憶する終了時刻記憶部と、
予め設定された一定時間を記憶する一定時間記憶部と、
前記終了時間記憶部に記憶された時刻から経過した時間が前記一定時間記憶部に記憶された一定時間を経過したか否かを前記時計部の計時に基づいて判断する経過時間判断部と、
前記経過時間判断部で前記一定時間を経過していると判断すると、前記収納ボックスの専有者に警告メールを送信する警告メール送信部とをさらに具備することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記収納ボックスへの排紙が終了すると、前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブの送信者に印刷が終了したことを示す印刷終了メールを送信する印刷終了メール送信部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項15】
印刷内容が機密文書である印刷ジョブを印刷する画像形成装置の印刷方法において、
印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信するステップと、
印刷枚数が、大量印刷か否かの基準となる基準枚数を超えているか否かを前記印刷ジョブの印刷設定に基づいて判断するステップと、
前記印刷枚数が前記基準枚数を超えていると判断した場合は、機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスへ印刷した用紙を排紙するステップと、
前記印刷枚数が前記基準枚数を超えていないと判断した場合は、ユーザの指示を受付けてから印刷を行い排紙するプライベートプリントを行うステップとを具備することを特徴とする画像形成装置の印刷方法。
【請求項1】
ネットワークと接続するインタフェースと、
機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスと、
印刷された用紙を排紙する排紙部と、
大量印刷か否かの基準となる基準枚数を記憶する基準枚数記憶部と、
印刷内容が機密文書である印刷ジョブを、前記インタフェースを介して受信すると、印刷枚数が前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を超えているか否かを前記印刷ジョブの印刷設定に基づいて、判断する判断部と、
前記判断部で前記受信した印刷ジョブの印刷枚数が前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を超えていると判断した場合は前記収納ボックスへ印刷した用紙を排紙する第1の印刷処理部と、
前記判断部で前記受信した印刷ジョブの印刷枚数が前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を超えていないと判断した場合はユーザの指示を受付けてから印刷を行い前記排紙部へ排紙するプライベートプリントを行う第2の印刷処理部とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を変更する基準枚数変更部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
操作部をさらに具備し、
前記基準枚数変更部は、前記操作部であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記基準枚数変更部は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作部であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記基準枚数変更部で前記基準枚数記憶部に記憶された基準枚数を変更する権限を有するユーザを登録するユーザ登録部と、
前記ユーザ登録部に登録されたユーザであるか否かを認証する登録ユーザ認証部とをさらに具備し、
前記登録ユーザ認証部で前記ユーザ登録部に登録されたユーザであることが認証された場合に、ユーザは前記基準枚数を変更できることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記収納ボックスは、オートデュプレシングユニットを用いて排出された用紙を収納することができるとともに給紙トレー取付部に取り付けできることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記収納ボックスは、前記給紙トレー取付部から引出せないように施錠するための鍵装置を具備することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブに基づいて印刷された用紙が記収納ボックスに排紙されることにより前記収納ボックスを専有したユーザを示す専有者情報を記憶する専有者情報記憶部と、
前記専有者情報記憶部に記憶されているユーザであるか否かを認証する専有者認証部とをさらに具備し、
前記鍵装置は、前記専有者認証部で前記専有者情報記憶部に記憶されているユーザであると認証されると開錠することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記専有者情報は、予め定められたグループを示す情報及びユーザ個人を示す情報のいずれかであることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記収納ボックスへ印刷した用紙を排紙するときに、前記収納ボックスが専有されているか否かを判断する専有判断部と、
前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待機させるジョブ待機部とをさらに具備し、
前記ジョブ待機部で待機された印刷ジョブは、前記専有判断部で前記収納ボックスの専有が解除されたと判断されると、印刷されることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記収納ボックスへ印刷した用紙を排紙するときに、前記収納ボックスが専有されているか否かを判断する専有判断部と、
前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブを待機させるジョブ待機部と、
前記専有判断部で前記収納ボックスが専有されていると判断すると、前記ジョブ待機部で待機させている印刷ジョブを、ライベートプリントに変更するかどうかを問い合わせる問合せ部とをさらに具備し、
前記問合せ部による問合せ結果に基づいて、前記印刷ジョブのプライベートプリントの登録又は前記ジョブ待機部へのジョブの待機の続行のいずれかを行うことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ジョブ待機部で待機された印刷ジョブは、前記専有判断部で前記収納ボックスの専有が解除されたと判断されると、印刷されることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
日時を計時する時計部と、
前記収納ボックスへの排紙が終了したときに前記時計部で計時した時刻を前記専有者情報と関連付けて記憶する終了時刻記憶部と、
予め設定された一定時間を記憶する一定時間記憶部と、
前記終了時間記憶部に記憶された時刻から経過した時間が前記一定時間記憶部に記憶された一定時間を経過したか否かを前記時計部の計時に基づいて判断する経過時間判断部と、
前記経過時間判断部で前記一定時間を経過していると判断すると、前記収納ボックスの専有者に警告メールを送信する警告メール送信部とをさらに具備することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記収納ボックスへの排紙が終了すると、前記印刷内容が機密文書である印刷ジョブの送信者に印刷が終了したことを示す印刷終了メールを送信する印刷終了メール送信部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項15】
印刷内容が機密文書である印刷ジョブを印刷する画像形成装置の印刷方法において、
印刷内容が機密文書である印刷ジョブを受信するステップと、
印刷枚数が、大量印刷か否かの基準となる基準枚数を超えているか否かを前記印刷ジョブの印刷設定に基づいて判断するステップと、
前記印刷枚数が前記基準枚数を超えていると判断した場合は、機密文書が印刷された用紙を収納する収納部とともに本体から取り出すことができないように鍵をかける鍵装置を有する収納ボックスへ印刷した用紙を排紙するステップと、
前記印刷枚数が前記基準枚数を超えていないと判断した場合は、ユーザの指示を受付けてから印刷を行い排紙するプライベートプリントを行うステップとを具備することを特徴とする画像形成装置の印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−87373(P2007−87373A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203830(P2006−203830)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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