説明

画像形成装置及び電気機器

【課題】画像形成装置において、簡単、かつ安価な構造で、タッピングねじによる切粉の機器内部への飛散を防止し、機器の性能の劣化を防ぐ。
【解決手段】画像形成装置のモータフレーム17は、固定穴21を有しており、シャーシ13は、貫通穴22を有している。両面接着テープ24は、十字型の切り込みが開けられており、モータフレーム17とシャーシ13の間に、両面接着テープ24の十字型の切り込みにタッピングねじ23が通るように貼付される。タッピングねじ23が貫通穴22を貫通して固定穴21に螺入されると、両面接着テープ24の十字型の切り込み部分は、接着面に切粉を付着させる。切粉が飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板が切粉によって短絡して故障することがなく、また、感光体ドラムや定着ローラに切粉が付着して画像が劣化することがなく、機器の性能の劣化が防がれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙に画像を形成するプリンタ等の画像形成装置と電気機器に関し、特に、画像形成装置及び電気機器におけるタッピングねじによる固定部分の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザビームプリンタ等の画像形成装置においては、記録紙に画像を形成する感光体ドラム、及び形成された画像を定着させる定着ローラ等の回転駆動のため、及び記録紙を搬送するために、ブラシレスモータが使用されている。この感光体ドラム及び定着ローラ等の駆動には、比較的大きなトルクが必要とされるため、ブラシレスモータには、強力なマグネットが適用されている。
【0003】
一方、画像形成装置の組み立てにおいて、雌ねじを形成する工程を省き、製造工程を簡略化するためにタッピングねじが使用されている。しかし、タッピングねじが取り付けられるときに切粉が発生し、この切粉がブラシレスモータのマグネットに引き寄せられ、ブラシレスモータの回路基板に付着すると回路が短絡して故障となる。また、切粉が感光体ドラムや定着ローラに付着すると画像が劣化する。
【0004】
そこで、タッピングねじによる組み立てにおいて、タッピングねじに、ねじの緩み止めを目的として、ネジロック剤を塗付し、切粉の一部をネジロック剤に付着し、切粉の飛散を減少させることが考えられる。しかしながら、実際には、飛散防止の効果が小さくコストも高い。
【0005】
一方、特許文献1は、液晶モジュールのタッピングねじによる固定部分において、ねじの固着力を増強するために、タッピングが行われる板金を二つ折りにし、その間にジェル状物質を備えた両面接着テープを貼り付けた構造を開示している。
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されるタッピングねじによる固定部分においては、板金を二つ折りにしなければならないので、手間がかかり、また、切粉の発生については考慮されていない。
【特許文献1】特開2004−308733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、簡単、かつ安価な構造でありながら、タッピングねじによる切粉の機器内部への飛散を防止し、機器の性能が劣化しない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、表面に感光体が塗布された感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面を均一に帯電させる帯電手段と、前記感光体の表面にレーザビームを走査させながら照射して潜像を形成する露光手段と、前記感光体の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記感光体ドラムの回転方向の前記現像手段よりも下流側の所定の転写位置において、前記感光体ドラムの表面に対向するように設けられ、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録紙の上に転写させる転写手段と、トナー像が転写された記録紙に所定の熱及び圧力を与えてトナー像を記録紙上に定着させる定着手段と、装填された記録紙を保持する記録紙保持手段と、印刷された記録紙を排出する記録紙排出手段と、前記記録紙保持手段に保持された記録紙を前記転写位置に搬送する記録紙搬送機構と、前記記録紙搬送機構及び感光体ドラムに回転駆動力を付与するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータを制御するブラシレスモータ回路基板と、前記ブラシレスモータとブラシレスモータ回路基板を保持する金属製のモータフレームと、前記感光体ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録紙保持手段、記録紙排出手段、記録紙搬送機構、及びモータフレームを支持する金属製のシャーシと、を備えた画像形成装置において、前記モータフレームと前記シャーシの接合にタッピングねじが用いられ、接合される前記モータフレーム及びシャーシの内の一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、接合される他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、前記モータフレームとシャーシの間に、十字型の切り込みを有する両面接着テープが、該切り込み部分が前記貫通穴と固定穴に挟まるように貼付され、前記タッピングねじが螺入される際、両面接着テープの接着面に該タッピングねじによる切粉を付着させ、これにより、前記タッピングねじによる切粉の飛散を防止したものである。
【0009】
請求項2の発明は、表面に感光体が塗布された感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面を均一に帯電させる帯電手段と、前記感光体の表面にレーザビームを走査させながら照射して潜像を形成する露光手段と、前記感光体の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記感光体ドラムの回転方向の前記現像手段よりも下流側の所定の転写位置において、前記感光体ドラムの表面に対向するように設けられ、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録紙の上に転写させる転写手段と、トナー像が転写された記録紙に所定の熱及び圧力を与えてトナー像を記録紙上に定着させる定着手段と、装填された記録紙を保持する記録紙保持手段と、印刷された記録紙を排出する記録紙排出手段と、前記記録紙保持手段に保持された記録紙を前記転写位置に搬送する記録紙搬送機構と、前記記録紙搬送機構及び感光体ドラムに回転駆動力を付与するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータを制御するブラシレスモータ回路基板と、前記ブラシレスモータとブラシレスモータ回路基板を保持する金属製のモータフレームと、前記感光体ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録紙保持手段、記録紙排出手段、記録紙搬送機構、及びモータフレームを支持する金属製のシャーシと、を備えた画像形成装置において、前記モータフレームと前記シャーシの接合にタッピングねじが用いられ、接合される前記モータフレーム及びシャーシの内の一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、接合される他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、前記タッピングねじが螺入される前に、接着テープが前記固定穴の外側に貼付され、該タッピングねじが螺入されると、該接着テープの内側の粘着面に、該タッピングねじによる切粉が付着し、これにより、前記タッピングねじによる切粉の飛散を防止したものである。
【0010】
請求項3の発明は、表面に感光体が塗布された感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面を均一に帯電させる帯電手段と、前記感光体の表面にレーザビームを走査させながら照射して潜像を形成する露光手段と、前記感光体の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記感光体ドラムの回転方向の前記現像手段よりも下流側の所定の転写位置において、前記感光体ドラムの表面に対向するように設けられ、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録紙の上に転写させる転写手段と、トナー像が転写された記録紙に所定の熱及び圧力を与えてトナー像を記録紙上に定着させる定着手段と、装填された記録紙を保持する記録紙保持手段と、印刷された記録紙を排出する記録紙排出手段と、前記記録紙保持手段に保持された記録紙を前記転写位置に搬送する記録紙搬送機構と、前記記録紙搬送機構及び感光体ドラムに回転駆動力を付与するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータを制御するブラシレスモータ回路基板と、前記ブラシレスモータとブラシレスモータ回路基板を保持する金属製のモータフレームと、前記感光体ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録紙保持手段、記録紙排出手段、記録紙搬送機構、及びモータフレームを支持する金属製のシャーシと、を備えた画像形成装置において、前記モータフレームと前記シャーシの接合にタッピングねじが用いられ、接合される前記モータフレーム及びシャーシの内の一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、接合される他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、前記タッピングねじが螺入される前に、前記固定穴の外側に、粘性を有する液体接着剤が塗付され、該タッピングねじが螺入されると、該接着剤に、該タッピングねじによる切粉が付着し、これにより、前記タッピングねじによる切粉の飛散を防止したものである。
【0011】
請求項4の発明は、金属製のシャーシに構成部品をタッピングねじにより固定する電気機器において、前記シャーシ、又は構成部品のいずれか一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、前記シャーシと構成物品の間、又は前記固定穴の外側に、粘着テープの貼付、又は粘着性を有する液体接着剤の塗布を行ない、タッピングねじを螺入する際に生ずる切粉を粘着テープ、又は接着剤に付着させ、タッピングねじによる切粉の飛散を防止したものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、接合される二つの構成物品の間に、十字型の切り込みを有する両面接着テープが、切り込み部分が貫通穴と固定穴に挟まるように貼付されるので、タッピングねじが螺入されると、両面接着テープの十字型の切り込み部分が、固定穴の中に入り、接着面に切粉を接着して固定穴の外側に出てくる。タッピングねじによって発生する切粉が、両面接着テープに付着して、飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板が切粉によって短絡して故障することがなく、また、感光体ドラムや定着ローラに切粉が付着して、画像が劣化することがない。簡単、かつ安価な構造でありながらタッピングねじによる切粉の機器内部への飛散を防止し、画像形成装置の性能の劣化を防ぐことができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、タッピングねじが螺入される前に、固定穴の外側に、接着テープが貼付されるので、タッピングねじによって削られた切粉が接着テープの内側の粘着面に付着する。切粉が、接着テープの内側の粘着面に付着して、飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板が切粉によって短絡して故障することがなく、また、感光体ドラムや定着ローラに切粉が付着して、画像が劣化することがない。簡単、かつ安価な構造でありながらタッピングねじによる切粉の機器内部への飛散を防止し、画像形成装置の性能の劣化を防ぐことができる。また、接合される構成物品の間に両面接着テープを貼付しないので、両面接着テープの厚み分の位置誤差が生じない。
【0014】
請求項3の発明によれば、タッピングねじが螺入される前に、固定穴の外側に、液体接着剤が塗付されるので、タッピングねじによって削られた切粉が液体接着剤に付着する。切粉が、液体接着剤に付着して、飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板が切粉によって短絡して故障することがなく、また、感光体ドラムや定着ローラに切粉が付着して、画像が劣化することがない。簡単、かつ安価な構造でありながらタッピングねじによる切粉の機器内部への飛散を防止し、画像形成装置の性能の劣化を防ぐことができる。また、接合される構成物品の間に両面接着テープを貼付しないので、両面接着テープの厚み分の位置誤差が生じない。また、液体接着剤を塗布するだけなので、簡単に行うことができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、シャーシと構成物品の間、又は固定穴の外側に粘着テープの貼付、又は粘着性を有する液体接着剤の塗布が行なわれるので、タッピングねじによって削られた切粉が接着テープ、又は接着剤に付着する。切粉が、付着して飛散しないので、電気機器の回路基板が切粉によって短絡する等の故障が発生せず、性能の劣化を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタについて図1を参照して説明する。図1は、レーザビームプリンタの一構成例を示している。レーザビームプリンタ1は、表面に感光体が塗布されている感光体ドラム2、クリーナ3、帯電器(帯電手段)4、レーザスキャンユニット(露光手段)5、現像ブラシ(現像手段)6、転写ローラ(転写手段)7、転写ローラ7に対して記録紙Pの搬送方向の下流側に配置されている定着ローラ(定着手段)8、記録紙Pが装填される給紙トレイ(記録紙保持手段)9、プリント済みの記録紙Pが堆積される排紙部(記録紙排出手段)10、給紙トレイ9に装填された記録紙Pを感光体ドラム2の位置まで搬送する記録紙搬送機構11、記録紙搬送機構11及び感光体ドラム2に回転駆動力を付与するブラシレスモータ12と、上記各部を収容するシャーシ13を備えている。
【0017】
クリーナ3は、感光体ドラム2の表面に付着している1行程(1回転)前のトナー及び紙粉を除去し、ドラム表面を清掃する。帯電器4は、クリーナ3によって清掃された感光体ドラム2の表面を均一に帯電させる。レーザスキャンユニット5は、帯電器4によって帯電された感光体ドラム2の表面にレーザビームLを走査させながら照射して潜像を形成する。現像ブラシ6は、トナーが充填されたトナーカートリッジ14に装着されており、感光体ドラム2の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する。転写ローラ7は、感光体ドラム2の表面に対向するように設けられ、記録紙Pを感光体ドラム2の表面に押圧しながら記録紙Pの表面を帯電させて、感光体ドラム2の表面に形成されたトナー像を記録紙Pの上に転写させる。転写ローラ7によって表面に画像が形成された記録紙Pは、定着ローラ8に搬送される。定着ローラ8は、対向して配置された押圧ローラ15と共に記録紙Pを挟みつつ熱と圧力を加えてトナーを定着させる。トナー定着のための熱は、定着ローラ8に内蔵されているヒータ(例えば、ハロゲンランプ等)から供給される。
【0018】
ブラシレスモータ12は、ブラシレスモータ12の駆動を制御するブラシレスモータ回路基板16と共にモータフレーム17に保持されている。モータフレーム17は、シャーシ13にタッピングねじによって取り付けられており、タッピングねじがモータフレーム17に螺入されている。タッピングねじは、モータフレーム17の加工工程において、雌ねじを形成する工程を省き、製造工程を簡素化するために使用されており、モータフレーム17とシャーシ13との結合の他、例えば、感光体ドラム2やカートリッジ14を支持する支持部材(図示せず)とシャーシ13との結合等にも使用することができる。
【0019】
次に、モータフレーム17がタッピングねじによって、シャーシ13に固定されている部分について図2及び図3を参照して説明する。図2は、タッピングねじの取り付け部分の構成を示し、図3は、モータフレーム17のタッピングねじ取り付け部分の断面を示す。モータフレーム17は、板金によって形成されており、バーリング加工が施された固定穴21を有している。シャーシ13は、貫通穴22を有しており、タッピングねじ23を貫通させる。両面接着テープ24は、十字型の切り込みが開けられている。両面接着テープ24は、モータフレーム17のシャーシ13側の面、又は、シャーシ13のモータフレーム17側の面に貼付される。このとき、両面接着テープ24の十字型の切り込みがモータフレーム17の固定穴21、又は、シャーシ13の貫通穴22に位置するように貼付される。そして、フレーム17の固定穴21とシャーシ13の貫通穴22との位置が合うように組み立てられ、タッピングねじ23が貫通穴22を貫通して固定穴21に螺入される。タッピングねじ23が螺入されると、両面接着テープ24の十字型の切り込み部分は、
固定穴21の中に入り、接着面に切粉Kを接着して固定穴21の外側に出てくる(図3参照)。タッピングねじ23によって発生する切粉Kが、両面接着テープ24に付着して、飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板16が切粉Kによって短絡して故障することがなく、また、感光体ドラム2や定着ローラ8に切粉Kが付着して、画像を劣化させることがない等、レーザビームプリンタ1の性能が劣化しない。
【0020】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態に係るレーザビームプリンタ1について図4を参照して説明する。図4は、モータフレーム17のタッピングねじ取り付け部分の断面を示す。第2の実施形態に係るレーザビームプリンタ1は、第1の実施形態に係るレーザビームプリンタ1において、タッピングねじ23による固定部分の構造を変えたものである。接着テープ25が、タッピングねじ23が螺入される前に、モータフレーム17のシャーシ13と反対側の面において、固定穴21の上に貼付される。接着テープ25のテープの素材は、例えば、ゴムシートのように伸縮性のあるものが望ましい。タッピングねじ23によって削られたモータフレーム17の切粉Kが接着テープ25の内側の粘着面に付着する。切粉Kが、接着テープ25に付着して飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板16が切粉Kによって短絡して故障することがなく、感光体ドラム2や定着ローラ8に切粉Kが付着して、画像を劣化させることがない等、レーザビームプリンタ1の性能が劣化しない。また、第1の実施形態に係るレーザビームプリンタ1のようにモータフレーム17とシャーシ13の間に両面接着テープ24を貼付しないので、モータフレーム17とシャーシ13における、両面接着テープ24の厚み分の位置誤差が生じない。
【0021】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態に係るレーザビームプリンタ1について図5を参照して説明する。図5は、モータフレーム17のタッピングねじ取り付け部分の断面を示す。第3の実施形態に係るレーザビームプリンタ1は、第1の実施形態に係るレーザビームプリンタ1において、タッピングねじ23による固定部分の構造を変えたものである。液体接着剤26が、タッピングねじ23が螺入される前に、モータフレーム17のシャーシ13と反対側の面において、固定穴21の上に塗布される。液体接着剤26は、例えば、エポキシ樹脂系のように粘性のあるものが望ましい。液体接着剤26が硬化するまでにタッピングねじ23によってシャーシ13をモータフレーム17に固定する。タッピングねじ23によって削られたモータフレーム17の切粉Kが液体接着剤26に付着するので、切粉Kが発生しない。切粉Kが、液体接着剤26に付着して飛散しないので、ブラシレスモータ回路基板16が切粉Kによって短絡して故障することがなく、感光体ドラム2や定着ローラ8に切粉Kが付着して、画像を劣化させることがない等、レーザビームプリンタ1の性能が劣化しない。また、第1の実施形態に係るレーザビームプリンタ1のようにモータフレーム17とシャーシ13の間に両面接着テープ24を貼付しないので、モータフレーム17とシャーシ13における、両面接着テープ24の厚み分の位置誤差が生じない。また、液体接着剤26を塗布するだけなので、簡単に行うことができる。
【0022】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。両面接着テープ24の切り込みは十字型でなく、例えば、中心から6方向に切り込まれた形でもよい。あるいは、タッピングねじ23の先端が尖っている場合は、切り込みは無くてもよい。また、シャーシ13が固定穴21を有し、モータフレーム17が貫通穴22を有して、タッピングねじ23がシャーシ13の固定穴21を螺入してもよい。また、タッピングねじ23が螺入される固定穴21は、バーリング加工が施されていなくてもよい。また、モータフレーム17とシャーシ13の接合のみに限らず、タッピングねじによる固定部分全てに用いることができる。また、レーザビームプリンタ1に限らずに、種々の電気機器のタッピングねじによる固定部分に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーザビームプリンタの構成図。
【図2】同レーザビームプリンタのタッピングねじ取り付け部分の構成を示す図。
【図3】同レーザビームプリンタのタッピングねじ取り付け部分の断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るレーザビームプリンタのタッピングねじ取り付け部分の断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るレーザビームプリンタのタッピングねじ取り付け部分の断面図。
【符号の説明】
【0024】
2 感光体ドラム
4 帯電器(帯電手段)
5 レーザスキャンユニット(露光手段)
6 現像ブラシ(現像手段)
7 転写ローラ(転写手段)
8 定着ローラ(定着手段)
9 給紙トレイ(記録紙保持手段)
10 排紙部(記録紙排出手段)
11 記録紙搬送機構
12 ブラシレスモータ
13 シャーシ
16 ブラシレスモータ回路基板
17 モータフレーム
21 固定穴
22 貫通穴
23 タッピングねじ
24 両面接着テープ
25 接着テープ
26 液体接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に感光体が塗布された感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの表面を均一に帯電させる帯電手段と、
前記感光体の表面にレーザビームを走査させながら照射して潜像を形成する露光手段と、
前記感光体の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、
前記感光体ドラムの回転方向の前記現像手段よりも下流側の所定の転写位置において、前記感光体ドラムの表面に対向するように設けられ、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録紙の上に転写させる転写手段と、
トナー像が転写された記録紙に所定の熱及び圧力を与えてトナー像を記録紙上に定着させる定着手段と、
装填された記録紙を保持する記録紙保持手段と、
印刷された記録紙を排出する記録紙排出手段と、
前記記録紙保持手段に保持された記録紙を前記転写位置に搬送する記録紙搬送機構と、
前記記録紙搬送機構及び感光体ドラムに回転駆動力を付与するブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータを制御するブラシレスモータ回路基板と、
前記ブラシレスモータとブラシレスモータ回路基板を保持する金属製のモータフレームと、
前記感光体ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録紙保持手段、記録紙排出手段、記録紙搬送機構、及びモータフレームを支持する金属製のシャーシと、を備えた画像形成装置において、
前記モータフレームと前記シャーシの接合にタッピングねじが用いられ、
接合される前記モータフレーム及びシャーシの内の一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、接合される他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、
前記モータフレームとシャーシの間に、十字型の切り込みを有する両面接着テープが、該切り込み部分が前記貫通穴と固定穴に挟まるように貼付され、
前記タッピングねじが螺入される際、両面接着テープの接着面に該タッピングねじによる切粉を付着させ、これにより、前記タッピングねじによる切粉の飛散を防止したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
表面に感光体が塗布された感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの表面を均一に帯電させる帯電手段と、
前記感光体の表面にレーザビームを走査させながら照射して潜像を形成する露光手段と、
前記感光体の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、
前記感光体ドラムの回転方向の前記現像手段よりも下流側の所定の転写位置において、前記感光体ドラムの表面に対向するように設けられ、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録紙の上に転写させる転写手段と、
トナー像が転写された記録紙に所定の熱及び圧力を与えてトナー像を記録紙上に定着させる定着手段と、
装填された記録紙を保持する記録紙保持手段と、
印刷された記録紙を排出する記録紙排出手段と、
前記記録紙保持手段に保持された記録紙を前記転写位置に搬送する記録紙搬送機構と、
前記記録紙搬送機構及び感光体ドラムに回転駆動力を付与するブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータを制御するブラシレスモータ回路基板と、
前記ブラシレスモータとブラシレスモータ回路基板を保持する金属製のモータフレームと、
前記感光体ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録紙保持手段、記録紙排出手段、記録紙搬送機構、及びモータフレームを支持する金属製のシャーシと、を備えた画像形成装置において、
前記モータフレームと前記シャーシの接合にタッピングねじが用いられ、
接合される前記モータフレーム及びシャーシの内の一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、接合される他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、
前記タッピングねじが螺入される前に、接着テープが前記固定穴の外側に貼付され、
該タッピングねじが螺入されると、該接着テープの内側の粘着面に、該タッピングねじによる切粉が付着し、これにより、前記タッピングねじによる切粉の飛散を防止したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
表面に感光体が塗布された感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの表面を均一に帯電させる帯電手段と、
前記感光体の表面にレーザビームを走査させながら照射して潜像を形成する露光手段と、
前記感光体の表面のうち潜像が形成された部分にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、
前記感光体ドラムの回転方向の前記現像手段よりも下流側の所定の転写位置において、前記感光体ドラムの表面に対向するように設けられ、前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録紙の上に転写させる転写手段と、
トナー像が転写された記録紙に所定の熱及び圧力を与えてトナー像を記録紙上に定着させる定着手段と、
装填された記録紙を保持する記録紙保持手段と、
印刷された記録紙を排出する記録紙排出手段と、
前記記録紙保持手段に保持された記録紙を前記転写位置に搬送する記録紙搬送機構と、
前記記録紙搬送機構及び感光体ドラムに回転駆動力を付与するブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータを制御するブラシレスモータ回路基板と、
前記ブラシレスモータとブラシレスモータ回路基板を保持する金属製のモータフレームと、
前記感光体ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録紙保持手段、記録紙排出手段、記録紙搬送機構、及びモータフレームを支持する金属製のシャーシと、を備えた画像形成装置において、
前記モータフレームと前記シャーシの接合にタッピングねじが用いられ、
接合される前記モータフレーム及びシャーシの内の一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、接合される他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、
前記タッピングねじが螺入される前に、前記固定穴の外側に、粘性を有する液体接着剤が塗付され、
該タッピングねじが螺入されると、該接着剤に、該タッピングねじによる切粉が付着し、これにより、前記タッピングねじによる切粉の飛散を防止したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
金属製のシャーシに構成部品をタッピングねじにより固定する電気機器において、
前記シャーシ、又は構成部品のいずれか一方は、前記タッピングねじに貫通される貫通穴を有し、他方は、該タッピングねじに螺入される固定穴を有し、
前記シャーシと構成物品の間、又は前記固定穴の外側に、粘着テープの貼付、又は粘着性を有する液体接着剤の塗布を行ない、
タッピングねじを螺入する際に生ずる切粉を粘着テープ、又は接着剤に付着させ、タッピングねじによる切粉の飛散を防止したことを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−129245(P2008−129245A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312807(P2006−312807)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】