画像形成装置用の清掃部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
【課題】被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性に優れた画像形成装置用の清掃部材の提供。
【解決手段】円筒状の芯体2と、少なくとも1本の短冊状の弾性体4からなり、該弾性体4の特定の一面が芯体2の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう芯体2の外周面を被覆する弾性層と、を有する画像形成装置用の清掃部材。
(1)芯体2の軸方向と直行する方向から見た場合における、芯体2の軸方向と弾性体4の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)芯体2の外周面における弾性体4によって被覆されていない領域の周方向の長さが、芯体2の軸方向の何れの領域においても、弾性体4の厚み以上
【解決手段】円筒状の芯体2と、少なくとも1本の短冊状の弾性体4からなり、該弾性体4の特定の一面が芯体2の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう芯体2の外周面を被覆する弾性層と、を有する画像形成装置用の清掃部材。
(1)芯体2の軸方向と直行する方向から見た場合における、芯体2の軸方向と弾性体4の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)芯体2の外周面における弾性体4によって被覆されていない領域の周方向の長さが、芯体2の軸方向の何れの領域においても、弾性体4の厚み以上
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置用の清掃部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置の帯電装置として、導電性のロール状帯電部材を像保持体に直接接触させて像保持体の帯電を行う接触帯電方式のものが用いられている。
【0003】
この接触帯電方式の帯電装置では、帯電部材が像保持体に常時接触しているため、帯電部材の表面にトナー成分や紙粉等の付着による汚れが発生する。
これに対し、帯電部材の表面に板状のブラシやスポンジを接触させ、帯電部材の表面汚れを掻き落とす清掃方式が提案されている。また、ロール状の清掃部材を帯電部材の表面に接触させる清掃方式も提案されている。これらの態様において、例えば帯電部材の表面粗さをトナー径に比して小さくする態様(例えば特許文献1または2参照)や、帯電部材の十点平均粗さを3μm以上40μm以下にする態様(例えば特許文献3参照)や、帯電部材の十点平均粗さを30μm以下にする態様(例えば特許文献4参照)が試されている。
【0004】
また近年では、発泡体樹脂または発泡体ゴムを用いたロール状の帯電部材用クリーナーが提案され、使用され始めている。
例えば、螺旋状の弾性部材で摺擦し清掃するクリーナー(例えば特許文献5参照)、螺旋状のクリーニング部材で帯電ロール表面を摺擦して清掃するクリーナー(例えば特許文献6参照)、数本の螺旋状のスリットを有する清掃部材(例えば特許文献7参照)、回転方向に斜めの溝を有する清掃部材(例えば特許文献8参照)等が試されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−16670号公報
【特許文献2】特開平9−222776号公報
【特許文献3】特開2005−24675号公報
【特許文献4】特開平11−143183号公報
【特許文献5】特開平8−137208号公報
【特許文献6】特開2001−209238号公報
【特許文献7】特開2006−276404号公報
【特許文献8】特開2008−096822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、後述の(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性に優れた画像形成装置用の清掃部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
円筒状の芯体と、
少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、
を有する画像形成装置用の清掃部材である。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性体の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性体の厚み以上
【0008】
請求項2に係る発明は、
下記(3)の関係を満たす請求項1に記載の画像形成装置用の清掃部材である。
(3)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されている領域の周方向の長さが、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記芯体の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下
【0009】
請求項3に係る発明は、
被帯電体に接触して回転し該被帯電体を帯電させる帯電部材、
並びに、円筒状の芯体と、少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、を有し、前記帯電部材に接触し該帯電部材とは反対方向に回転して該帯電部材の表面を清掃する画像形成装置用の清掃部材、
を備える帯電装置である。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性層の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性層によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性層の厚み以上
【0010】
請求項4に係る発明は、
請求項3に記載の帯電装置を少なくとも備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジである。
【0011】
請求項5に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる請求項3に記載の帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体に形成された前記潜像をトナーによってトナー像として現像する現像装置と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性に優れた画像形成装置用の清掃部材が提供される。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、前記(3)の構成を備えない場合に比べ、被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性により優れた画像形成装置用の清掃部材が提供される。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、帯電部材の表面における周方向の筋状汚染が抑制された帯電装置が提供される。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、帯電のムラが抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、帯電のムラが抑制された画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】1本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示す概略図である。
【図2】図1に示す清掃部材を軸方向から見た断面図である。
【図3】2本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示す概略図である。
【図4】図3に示す清掃部材を軸方向から見た断面図である。
【図5】本実施形態に係る電子写真画像形成装置を示す概略構成図である。
【図6】本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図7】図6および図7における帯電部材(帯電装置)周辺部分を拡大した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置について詳細に説明する。
【0019】
<清掃部材>
本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材は、円筒状の芯体と、少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、を有することを特徴とする。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性体の長手方向とがなす鋭角側の角度(以下、単に「捩れ角度」と称す)が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ/以下、単に「周方向非被覆長」と称す)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性体の厚み以上
【0020】
また本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材においては、下記(3)の関係を満たすことがより好ましい。
(3)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されている領域の周方向の長さ(以下、単に「周方向被覆率」と称す)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記芯体の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下
【0021】
ここで、図1に1本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示し、且つ図2に前記図1に示す清掃部材を軸方向から見た断面図を示す。図1および図2に示すように、1本の短冊状の弾性体4からなる弾性層を芯体2表面に有する本実施形態にかかる清掃部材の場合、捩れ角度θとは短冊状の弾性体4の長手方向P(捩れ方向)と芯体2の軸方向Qとが交差する角度(鋭角)を意味する。また、周方向非被覆長Rとは芯体2の外周面における短冊状の弾性体4によって被覆されていない領域の周方向の長さを意味し、周方向被覆率とは芯体2の外周面における短冊状の弾性体4によって被覆されている領域の周方向の長さの、芯体2の外周面の周方向の長さに対する比率を意味する。
【0022】
また、図3に2本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示し、且つ図4に前記図3に示す清掃部材を軸方向から見た断面図を示す。図3および図4に示すように、2本の短冊状の弾性体4Aおよび4Bからなる弾性層を芯体2表面に有する本実施形態にかかる清掃部材の場合、捩れ角度θとは短冊状の弾性体4Aおよび4Bの長手方向P(捩れ方向)と芯体2の軸方向Qとが交差する角度(鋭角)を意味する。また、周方向非被覆長Rとは芯体2の外周面における一の短冊状の弾性体(例えば弾性体4A)の末端から隣の短冊状の弾性体(例えば弾性体4B)の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さを意味し、周方向被覆率とは芯体2の外周面における2本の短冊状の弾性体4Aおよび4Bによって被覆されている領域の周方向の総長さの、芯体2の外周面の周方向の長さに対する比率を意味する。
【0023】
上記(1)に示す通り捩れ角度が5°以上10°以下と浅いことにより、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)、即ち矢印A方向側の端部の被清掃部材6に接触する部分は、芯体2の軸方向に対しより平行に近い角度で被清掃部材6表面に突入する。
また上記(2)に示す通り周方向非被覆長が弾性層の厚み以上であることにより、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)が被清掃部材6からの圧力によって押し潰された場合であっても、弾性層によって被覆されていない領域を挟んで相対する端部同士が押し潰されて接触することが抑制される。より具体的には、図1および図2に示す1本の短冊状の弾性体4からなる弾性層を有する清掃部材の場合には、弾性体4によって被覆されていない領域を挟んで相対する1本の弾性体4の端部同士が押し潰されて接触することが抑制され、一方図3および図4に示す2本の短冊状の弾性体4Aおよび4Bからなる弾性層を有する清掃部材の場合には、弾性体4Aおよび4Bによって被覆されていない領域を挟んで相対する2本の弾性体4Aおよび4Bの端部同士(例えば弾性体4Aの被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)と弾性体4Bの被清掃部材6へ突入していく側とは反対側の端部(エッジ))が押し潰されて接触することが抑制される。その結果、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6の表面に接している領域が実質的に一続きになってしまう現象が抑制される。即ち、被清掃部材6の表面における弾性層の接触と非接触との繰り返しが効率的に行なわれる。
【0024】
従って上記(1)および(2)の構成を備えることにより、被清掃部材6表面に付着するごみ等の付着物(即ち被清掃物)は、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)の被清掃部材6に接触する部分によって、さながら箒のようにして掃き乱され、効率的に清掃されるものと推察される。これにより、前記被清掃部材6が画像形成装置における帯電ロールである場合には、該帯電ロールの表面における周方向の筋状汚染が抑制されるものと推察される。
【0025】
また上記(3)に示す通り周方向被覆率が70%以上85%以下と大きいことにより、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の外側表面(芯体2と接触している側とは反対側の表面)が被清掃部材6の表面に接触する時間が長くなる。
そのため、上記(1)および(2)の構成によっても清掃することが容易でない付着力の強い付着物が存在する場合であっても、弾性層の外側表面との摩擦により付着力の強い付着物が擦られ、効率的に清掃されるものと推察される。これにより、被清掃部材6が帯電ロールである場合には、付着力の強い付着物による点状汚染が抑制されるものと推察される。
また、前述の通り弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)によって付着力の弱い付着物は効率的に清掃されるため、弾性層の外側表面と接触する付着物の量が減り、例えば板状のブラシやスポンジのみを被清掃部材の表面に接触させて清掃しようとする態様に比べて、長期に渡って効率的な清掃効果が発揮されるものと推察される。
【0026】
尚、前記(1)に示す捩れ角度は、更に7°以上10°以下であることがより好ましく、8°以上10°以下であることが特に好ましい。
前記(3)に示す周方向被覆率は、更に芯体2の外周面の周方向の長さの75%以上83%以下であることがより好ましく、77%以上80%以下であることが特に好ましい。
【0027】
ここで、前記捩れ角度の測定は、弾性体4(または4Aおよび4B)の長手方向の中心線と芯体2の中心軸との角度を測定することにより行なう。また、前記周方向非被覆長および周方向被覆率は、前記捩れ角度,弾性体4(または4Aおよび4B)の厚さおよび幅,並びに芯体2の直径から算出される。
尚、弾性体の厚さとは、弾性体4(または4Aおよび4B)の芯体2と接触する面から該面とは反対側の面までの長さを表し、弾性体の幅とは、弾性体4(または4Aおよび4B)短手方向の長さを表す。
【0028】
次いで、各部材について詳細に説明する。
【0029】
・芯体
芯体2に用いる材質としては、金属(例えば、アルミ、ステンレス、真鍮等)、または樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂(POM)等)が挙げられる。なお、材質および表面処理方法等は必要に応じて選択するのが望ましい。
特に、芯体2が金属で構成される場合メッキ処理を施すのが望ましい。また、樹脂等で導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等の一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
【0030】
・弾性層(短冊状の弾性体)
まず、弾性体とは、使用が想定される環境(温度や湿度、接触する被清掃部材から掛かる圧力等)において外力を印加することにより変形させても元の形状に復元する材料から構成されるものをさす。尚、短冊状の弾性体には、100Paの外力印加により変形しても元の形状に復元する材料を用いることがより好ましい。
【0031】
短冊状の弾性体4(または4A,4B)の材料としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、またはポリプロピレン等の発泡性の樹脂、或いは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、塩素化ポリイソプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエンゴム、ブチルゴム等のゴム材料を1種類、または2種類以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。尚、これらには必要に応じて、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、および加硫促進剤等の助剤を加えてもよい。
【0032】
これらの中でも、気泡を有する材料(いわゆる発泡体)がよく、特に発泡ポリウレタンであることが望ましい。
ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルやアクリルポリール等)と、イソシアネート(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、の反応物が挙げられ、鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等)が含まれたものであってもよい。そして、ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。また、発泡ポリウレタンには、必要に応じて発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。
【0033】
短冊状の弾性体4(または4A,4B)の構成としては、1層構成でも積層構成でも構わない。具体的には、短冊状の弾性体の構成としては、例えば、発泡体1層からなる構成でも、ソリッド層と発泡層との2層の構成でも構わない。
【0034】
短冊状の弾性体4(または4A,4B)の幅は、弾性層が1本の短冊状の弾性体からなる場合であっても、2本以上の短冊状の弾性体からなる場合であっても、前記(3)に示す周方向被覆率が芯体2の軸方向の何れの領域においても芯体2の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下との要件を満たす範囲で調整されることが好ましい。
また短冊状の弾性体4(または4A,4B)の厚さは、前記(2)に示す周方向非被覆長が芯体2の軸方向の何れの領域においても弾性層の厚み以上との要件を満たす範囲で調整されることが好ましい。
【0035】
・接着層
図1乃至図4に示される短冊状の弾性体4(または4A,4B)は、接着層を介して芯体2の表面に設けたものであってもよい。接着層は芯体2と短冊状の弾性体とを接着する目的で設けられる層であり、例えば基材の少なくとも片面に接着剤層を備えた接着テープが挙げられる。
【0036】
接着層として用いられる接着テープには市販品のものを用いてもよく、例えば日東電工社製の両面テープNo5605、日東電工社製の片面テープNo360A、日東電工社製の片面テープNo513、3M社製の片面テープ7108AAD等が挙げられる。
また、基材を有しない接着テープ(例えば日東電工社製の基材レス両面テープ(No.591)等)を用いてもよい。
【0037】
・製造方法
次に、本実施形態に係る清掃部材の製造方法について、図1および図2に示す1本の短冊状の弾性体4からなる弾性層を備える場合を例に説明する。
【0038】
本実施形態に係る清掃部材は、まず接着層を設けた短冊状の弾性体4の長手方向の一端を芯体2の軸方向端部に貼り付けて固定する。その後、短冊状の弾性体4の他端側を引張って張力をかけ弛みのない状態とし、芯体2を回転させることによって、定められた間隔で配置されるよう、短冊状の弾性体4を芯体2の外周面に巻き付けていく。張力をかけ緩みのない状態を維持しながら短冊状の弾性体4の他端側まで全て貼り付けることにより、図1および図2に示す芯体2の外周面に短冊状の弾性体4が巻き付けられた清掃部材が製造される。
【0039】
<画像形成装置等>
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【0040】
本実施形態に係る画像形成装置10は、例えば、図5に示すように、タンデム方式のカラーの画像形成装置である。本実施形態に係る画像形成装置10の内部には、感光体(像保持体)12や帯電部材14や現像装置等が、イエロー(18Y)、マゼンタ(18M)、シアン(18C)、および黒(18K)の各色毎にプロセスカートリッジ(図6参照)として備えられている。このプロセスカートリッジは、画像形成装置10に脱着される構成となっている。
【0041】
感光体12としては、例えば、表面に有機感材等よりなる感光体層が被覆された直径が25mmの導電性円筒体が用いられ、図示しないモータにより、150mm/secのプロセススピードで回転駆動される。
【0042】
感光体12の表面は、感光体12表面に配置された帯電部材14によって帯電された後、帯電部材14より感光体12の回転方向下流側に、露光装置16から出射されるレーザービームによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0043】
感光体12上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置19Y、19M、19C、19Kによって現像され、各色のトナー像となる。
【0044】
例えば、カラーの画像を形成する場合、各色の感光体12の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して行なわれ、各色の感光体12の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が形成される。
【0045】
また、記録用紙収容部28に収容される記録用紙(被転写体)24がピックアップロール30によって用紙搬送ロール対32および34に給紙され、更に用紙搬送ロール対32および34によって記録用紙24が用紙搬送ベルト20上に送られる。尚、用紙搬送ベルト20は支持ロール40および42によって張力を付与しつつ支持されている。
【0046】
感光体12上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、感光体12と用紙搬送ベルト20を介して転写装置22が接する箇所にて、感光体12の外周に用紙搬送ベルト20上を搬送される記録用紙24へ転写される。さらに、感光体12上からトナー像が転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、この定着装置64によって加熱・加圧されてトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出部68上にそのまま排出される。
【0047】
一方、両面プリントの場合には、定着装置64により第一面(表面)にトナー像が定着された記録用紙24を、排出ロール66によって排出部68上にそのまま排出せずに、排出ロール66によって記録用紙24の後端部を狭持した状態で、排出ロール66を逆転させるとともに、記録用紙24の搬送径路を両面用の用紙搬送路70に切り替え、この両面用の用紙搬送路70に配設された搬送ロール72によって、記録用紙24の表裏を反転した状態で、再度、用紙搬送ベルト20上へ搬送して、記録用紙24の第二面(裏面)に感光体12上からトナー像を転写する。そして、記録用紙24の第二面(裏面)のトナー像を定着装置64によって定着させ、記録用紙24を排出部68上に排出する。
【0048】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体12の表面は、感光体12が1回転する毎に、感光体12の表面であって、転写装置22が接する箇所よりも感光体12の回転方向下流側に配置された清掃ブレード80によって、残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0049】
ここで、図7に示すごとく、帯電部材14は、例えば、導電性芯体14Aの周囲に弾性層14Bが形成されたロールであり、導電性芯体14Aは回転自在に支持されている。帯電部材14の感光体12と反対側には、帯電部材14の清掃部材100が接触して、帯電装置(ユニット)を構成している。この清掃部材100として、本実施形態に係る清掃部材が用いられる。
【0050】
帯電部材14は導電性芯体14Aの両端へ荷重Fをかけて感光体12へ押付け、弾性層14Bの周面に沿って弾性変形してニップ部を形成している。更に、清掃部材100は導電性芯体2の両端へ荷重F’をかけて帯電部材14へ押付け、弾性層100Bが帯電部材14の周面に沿って弾性変形してニップ部を形成することで、帯電部材14の撓みを抑えて、帯電部材14と感光体12の軸方向のニップ部を形成している。
【0051】
感光体12は、図示しないモータによって矢印X方向に回転駆動され、感光体12の回転により帯電部材14が矢印Y方向に従動回転する。また、帯電部材14の回転により清掃部材100が矢印Z方向に従動回転する。
【0052】
−帯電部材の構成−
以下、帯電部材の説明をするが、本実施形態では以下の構成に限定されるものではない。符号は省略して説明する。
【0053】
帯電部材の構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、導電性芯体、弾性層、若しくは弾性層の代わりに樹脂層を有する構成が挙げられる。弾性層は単層構成からなるものであってよく、幾つもの機能を持った複数の異なる層からなる積層構成であってもよい。更には、弾性層の上に表面処理を行ってもよい。
【0054】
導電性芯体の材質としては快削鋼、ステンレス鋼等を使用し、摺動性等の用途に応じて材質および表面処理方法は適時選択するのが望ましい。また、メッキ処理するのが望ましい。導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよい。
【0055】
弾性層は導電性弾性層とするが、導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカや炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性芯体の周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤等の電子およびイオンの少なくとも一方を電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等が用いられる。また、弾性材は発泡体であってもかまわない。
【0056】
導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好適に挙げられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0057】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
【0058】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、一方、イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
【0059】
帯電部材の表面は、表面層を形成させてもよい。表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。例えば、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが好適に挙げられる。
共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンの内のいずれか1種または複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、重量比で合わせて10%以上であるのが望ましい。
【0060】
表面層に用いる高分子量の上記材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子量の材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより望ましい。
【0061】
また表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整してもよい。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが望ましい。
【0062】
また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤等の電子およびイオンの少なくとも一方を電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いてもよい。
【0063】
導電剤のカーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
【0064】
抵抗値を調整するための導電性粒子である導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、酸化スズインジウム(ITO)等の導電性を有した粒子で、電子を電荷キャリアとする導電剤あれば何れも用いられ、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。また、何れの粒径であってもよいが、望ましくは酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫、アナターゼ型酸化チタンであり、更に、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫が望ましい。
【0065】
さらに、表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が好適に用いられる。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが望ましい。また、表面層の中に粒子を添加してもよい。また、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を添加して、帯電部材の表面に凹部を付与してもよい。
【0066】
帯電部材の外径としては6mm以上16mm以下が望ましい。尚、上記外径の測定は、市販のノギスやレーザー方式外径測定装置を用いて行われる。
【0067】
帯電部材のマイクロ硬度は30°以上70°以下が望ましい。低硬度化にする為には可塑剤添加量を増量する方法、シリコーンゴム等の低硬度の材料を使用することが考えられる。
【0068】
また、帯電部材のマイクロ硬度は高分子計器株式会社製MD−1型硬度計にて測定した値を用いている。
【0069】
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、感光体(像保持体)、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)、現像装置、清掃ブレード(クリーニング装置)を備えたプロセスカートリッジを説明したが、これに限られず、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)を備え、その他必要に応じて、感光体(像保持体)、露光装置、転写装置、現像装置、および清掃ブレード(クリーニング装置)から選択されるものを備えたプロセスカートリッジとしてもよい。なお、これら装置や部材をカートリッジ化せず、画像形成装置に直接配置した形態であってもよい。
【0070】
また、本実施形態に係る画像形成装置では、帯電装置として、帯電部材と清掃部材とのユニットで構成した形態を説明したが、つまり、被清掃部材として帯電部材を採用した形態を説明したが、これに限られず、被清掃部材としては、感光体(像保持体)、転写装置(転写部材;転写ロール)、中間転写体(中間転写ベルト)等が挙げられる。そして、これら被清掃部材とこれに接触して配置される清掃部材とのユニットを、画像形成装置に直接配置してもよいし、上記同様にプロセスカートリッジのようにカートリッジ化して画像形成装置に配置してもよい。
【0071】
また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限られず、中間転写方式の画像形成装置等、周知の画像形成装置を採用してもよい。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて上記本実施形態に係る清掃部材についてより詳細に説明する。
【0073】
〔実施例1〕
帯電ロールおよび帯電ロール用清掃部材を以下の方法により作製した。
[帯電ロール用清掃部材]
ポリエーテルとイソシアネートとを混合したウレタン樹脂を加熱硬化させて得られた3次元網目構造からなるウレタン材料(INOAC社製EP70)を、厚さ2.35mmのシート状に切断し、両面テープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、幅12.5mm、長さ240mmの短冊状に裁断した。この短冊シート1本をステンレス(SUS304)製シャフト(外径φ5mm、軸方向長さ230mm)の一端から他端へ向けて巻きつけ、弾性層を形成した。短冊シートをシャフトへ巻きつけた後、余分な短冊シートを削除し清掃部材を得た。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度θは5°、前記(2)周方向非被覆長は3.2mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は79.8%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
【0074】
[帯電ロール]
エピクロルヒドリンゴム100質量部にイオン導電剤PEL−100(日本カーリット社製)3質量部を添加して混練した後、これを押し出し成形後、φ6mm,L=240mmのSUM−Niシャフト(硫黄快削鋼にニッケルメッキを施したもの)を挿入し、プレス成形機にて成形・加硫をおこなった。その後、研磨によって求められる外径に加工を行い、端部外径φ8.95mm、中央部外径φ9.00mmとなるよう加工した。次いでゴム端部を切断加工し、ゴム長を220mmとした。その後、帯電ロール表面に、四フッ化エチレンとビニルエーテルとの共重合体樹脂(ダイキン工業社製、ゼッフルGK−500)100質量部およびイソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHL)2質量部を含む表面層用分散液に浸漬コーティング方法によって、膜厚5μmでコーティングを実施した。
【0075】
[印字テスト]
上記方法により作製した清掃部材および帯電ロールを、帯電ロールに対する清掃部材の食い込み量が0.3mmで固定される専用の低変位軸受け(導電性アセタール樹脂(POM)製)と共に、DELL製カラーレーザープリンタ3110cnのプロセスカートリッジに組み込み、DELL製カラーレーザープリンタ3110cnに取り付けて連続印字テストを実施した。この印字テストは30%濃度の全面ハーフトーン画像1枚ずつをJob指示として送り、回転動作が断続するように実施した。
【0076】
・帯電ロール周方向への筋状汚染
帯電ロール周方向への筋状汚染は印字しているハーフトーン上に縦筋として現れるため、その最初の発生までの印字枚数を数えた。感光体ドラム500,000回転まで実施して終了とし、300,000回転未満まで発生がないものを筋状汚染問題なしとした。
【0077】
・色点の消失枚数
また感光体ドラム25,000回転毎に帯電ロール上にトナーを振り掛けてトナーを強制付着させ、ハーフトーン上の色点が消失するまでの枚数を、併せて数えた。
【0078】
・放電跡
また、清掃部材の押し付けによって帯電ロールの回転が阻害され回転が停止した場合、感光体ドラムとの接触位置でのみ放電が起こるため、帯電ロール上に放電跡が残る。そのため、感光体ドラム25,000回転毎に帯電ロールの表面を目視観察し、放電跡の有無を記録した。感光体ドラム500,000回転まで実施して終了とし、300,000回転未満まで発生がないものを放電跡問題なしとした。
【0079】
・総合判定
本テストは最大で感光体ドラム500,000回転まで実施して終了とし、300,000回転未満まで発生がないものを問題なしとして、結果の総合判定を行った。判定基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:筋状汚染問題なし、色点消失枚数3枚以下、放電跡問題なし、の全ての要件を満たす。
△:筋状汚染問題なし、色点消失枚数5枚以下、放電跡問題なし、の全ての要件を満たす。
×:上記3種類の評価の中で筋状汚染および放電跡の一つでも未達成であった場合。
【0080】
〔実施例2〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は3.1mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は80.3%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0081】
〔実施例3〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の前記(1)弾性層の捩れ角度を10°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は3.0mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は80.7%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0082】
〔実施例4〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートの幅を11.0mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は4.7mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は70.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0083】
〔実施例5〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートの幅を10.9mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は4.7mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は70.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0084】
〔実施例6〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅10.8mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を10°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は4.7mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は70.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例7〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.3mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は2.4mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は85.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0086】
〔実施例8〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.2mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は2.4mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は85.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0087】
〔実施例9〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.1mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を10°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。前記(2)周方向非被覆長は2.4mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は85.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0088】
〔実施例10〕
清掃部材を下記の通り作製した。
ポリエーテルとイソシアネートとを混合したウレタン樹脂を加熱硬化させて得られた3次元網目構造からなるウレタン材料(INOAC社製EP70)を、厚さ1.80mmのシート状に切断し、両面テープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、幅6.3mm、長さ240mmの短冊状に裁断し、この短冊シートを2本作製した。この2本の短冊シートをステンレス(SUS304)製シャフト(外径φ5mm、軸方向長さ230mm)の一端から他端へ向けて巻きつけ、弾性層を形成した。尚、前記(2)に示す周方向非被覆長が等しくなるように巻きつけの位置決めをおこなった。短冊シートをシャフトへ巻きつけた後、余分の短冊シートを削除し清掃部材を得た。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度θは8°、前記(2)周方向非被覆長は3.1mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は80.3%であり、弾性層の厚み(肉厚)は1.5mmであった。
【0089】
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0090】
〔実施例11〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.6mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は2.1mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は87.5%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0091】
〔実施例12〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅10.5mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は5.2mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は66.7%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0092】
〔比較例1〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、短冊シートの幅を16.0mmと、前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は0mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は100%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0093】
〔比較例2〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、前記(1)弾性層の捩れ角度を13°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は2.9mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は81.2%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0094】
〔比較例3〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、前記(1)弾性層の捩れ角度を3°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は3.3mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は79.4%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0095】
〔比較例4〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、短冊シートの厚さを4.00mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は3.2mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は79.8mmであり、弾性層の厚み(肉厚)は3.4mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0096】
〔比較例5〕
実施例1において、短冊シートを幅5.0mm、長さ240mm、厚さ4mmで作製し、シャフトには巻きつけずにこのままパッド状の清掃部材として用いた。即ち、実施例1の印字テストで用いたプロセスカートリッジに実施例1に記載の帯電ロールをセットした後、該帯電ロールの軸方向と前記短冊シートの長手方向とが平行となり且つ該帯電ロールの軸方向のどの領域においても前記短冊シートが接触するよう、プロセスカートリッジに前記短冊シートを配置した。短冊シート貼り付け後、余分な短冊シートを削除しパッド清掃部材とした。
このプロセスカートリッジを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【符号の説明】
【0098】
2 芯体、4,4A,4B 弾性体、6 被清掃部材、10 画像形成装置、12 感光体、14 帯電部材、14A 導電性芯体、14B 弾性層、16 露光装置、19Y、19M、19C、19K 現像装置、20 用紙搬送ベルト、22 転写装置、24 記録用紙、64 定着装置、66 排出ロール、68 排出部、70 用紙搬送路、72 搬送ロール、80 清掃ブレード、100 清掃部材、100B 弾性層
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置用の清掃部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置の帯電装置として、導電性のロール状帯電部材を像保持体に直接接触させて像保持体の帯電を行う接触帯電方式のものが用いられている。
【0003】
この接触帯電方式の帯電装置では、帯電部材が像保持体に常時接触しているため、帯電部材の表面にトナー成分や紙粉等の付着による汚れが発生する。
これに対し、帯電部材の表面に板状のブラシやスポンジを接触させ、帯電部材の表面汚れを掻き落とす清掃方式が提案されている。また、ロール状の清掃部材を帯電部材の表面に接触させる清掃方式も提案されている。これらの態様において、例えば帯電部材の表面粗さをトナー径に比して小さくする態様(例えば特許文献1または2参照)や、帯電部材の十点平均粗さを3μm以上40μm以下にする態様(例えば特許文献3参照)や、帯電部材の十点平均粗さを30μm以下にする態様(例えば特許文献4参照)が試されている。
【0004】
また近年では、発泡体樹脂または発泡体ゴムを用いたロール状の帯電部材用クリーナーが提案され、使用され始めている。
例えば、螺旋状の弾性部材で摺擦し清掃するクリーナー(例えば特許文献5参照)、螺旋状のクリーニング部材で帯電ロール表面を摺擦して清掃するクリーナー(例えば特許文献6参照)、数本の螺旋状のスリットを有する清掃部材(例えば特許文献7参照)、回転方向に斜めの溝を有する清掃部材(例えば特許文献8参照)等が試されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−16670号公報
【特許文献2】特開平9−222776号公報
【特許文献3】特開2005−24675号公報
【特許文献4】特開平11−143183号公報
【特許文献5】特開平8−137208号公報
【特許文献6】特開2001−209238号公報
【特許文献7】特開2006−276404号公報
【特許文献8】特開2008−096822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、後述の(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性に優れた画像形成装置用の清掃部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
円筒状の芯体と、
少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、
を有する画像形成装置用の清掃部材である。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性体の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性体の厚み以上
【0008】
請求項2に係る発明は、
下記(3)の関係を満たす請求項1に記載の画像形成装置用の清掃部材である。
(3)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されている領域の周方向の長さが、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記芯体の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下
【0009】
請求項3に係る発明は、
被帯電体に接触して回転し該被帯電体を帯電させる帯電部材、
並びに、円筒状の芯体と、少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、を有し、前記帯電部材に接触し該帯電部材とは反対方向に回転して該帯電部材の表面を清掃する画像形成装置用の清掃部材、
を備える帯電装置である。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性層の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性層によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性層の厚み以上
【0010】
請求項4に係る発明は、
請求項3に記載の帯電装置を少なくとも備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジである。
【0011】
請求項5に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる請求項3に記載の帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体に形成された前記潜像をトナーによってトナー像として現像する現像装置と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性に優れた画像形成装置用の清掃部材が提供される。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、前記(3)の構成を備えない場合に比べ、被清掃部材の表面に付着した付着物の清掃性により優れた画像形成装置用の清掃部材が提供される。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、帯電部材の表面における周方向の筋状汚染が抑制された帯電装置が提供される。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、帯電のムラが抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、前記(1)および/または(2)の構成を備えない場合に比べ、帯電のムラが抑制された画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】1本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示す概略図である。
【図2】図1に示す清掃部材を軸方向から見た断面図である。
【図3】2本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示す概略図である。
【図4】図3に示す清掃部材を軸方向から見た断面図である。
【図5】本実施形態に係る電子写真画像形成装置を示す概略構成図である。
【図6】本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図7】図6および図7における帯電部材(帯電装置)周辺部分を拡大した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置について詳細に説明する。
【0019】
<清掃部材>
本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材は、円筒状の芯体と、少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、を有することを特徴とする。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性体の長手方向とがなす鋭角側の角度(以下、単に「捩れ角度」と称す)が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ/以下、単に「周方向非被覆長」と称す)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性体の厚み以上
【0020】
また本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材においては、下記(3)の関係を満たすことがより好ましい。
(3)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されている領域の周方向の長さ(以下、単に「周方向被覆率」と称す)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記芯体の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下
【0021】
ここで、図1に1本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示し、且つ図2に前記図1に示す清掃部材を軸方向から見た断面図を示す。図1および図2に示すように、1本の短冊状の弾性体4からなる弾性層を芯体2表面に有する本実施形態にかかる清掃部材の場合、捩れ角度θとは短冊状の弾性体4の長手方向P(捩れ方向)と芯体2の軸方向Qとが交差する角度(鋭角)を意味する。また、周方向非被覆長Rとは芯体2の外周面における短冊状の弾性体4によって被覆されていない領域の周方向の長さを意味し、周方向被覆率とは芯体2の外周面における短冊状の弾性体4によって被覆されている領域の周方向の長さの、芯体2の外周面の周方向の長さに対する比率を意味する。
【0022】
また、図3に2本の短冊状の弾性体からなる弾性層を芯体表面に有する本実施形態にかかる清掃部材と被清掃部材とを示し、且つ図4に前記図3に示す清掃部材を軸方向から見た断面図を示す。図3および図4に示すように、2本の短冊状の弾性体4Aおよび4Bからなる弾性層を芯体2表面に有する本実施形態にかかる清掃部材の場合、捩れ角度θとは短冊状の弾性体4Aおよび4Bの長手方向P(捩れ方向)と芯体2の軸方向Qとが交差する角度(鋭角)を意味する。また、周方向非被覆長Rとは芯体2の外周面における一の短冊状の弾性体(例えば弾性体4A)の末端から隣の短冊状の弾性体(例えば弾性体4B)の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さを意味し、周方向被覆率とは芯体2の外周面における2本の短冊状の弾性体4Aおよび4Bによって被覆されている領域の周方向の総長さの、芯体2の外周面の周方向の長さに対する比率を意味する。
【0023】
上記(1)に示す通り捩れ角度が5°以上10°以下と浅いことにより、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)、即ち矢印A方向側の端部の被清掃部材6に接触する部分は、芯体2の軸方向に対しより平行に近い角度で被清掃部材6表面に突入する。
また上記(2)に示す通り周方向非被覆長が弾性層の厚み以上であることにより、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)が被清掃部材6からの圧力によって押し潰された場合であっても、弾性層によって被覆されていない領域を挟んで相対する端部同士が押し潰されて接触することが抑制される。より具体的には、図1および図2に示す1本の短冊状の弾性体4からなる弾性層を有する清掃部材の場合には、弾性体4によって被覆されていない領域を挟んで相対する1本の弾性体4の端部同士が押し潰されて接触することが抑制され、一方図3および図4に示す2本の短冊状の弾性体4Aおよび4Bからなる弾性層を有する清掃部材の場合には、弾性体4Aおよび4Bによって被覆されていない領域を挟んで相対する2本の弾性体4Aおよび4Bの端部同士(例えば弾性体4Aの被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)と弾性体4Bの被清掃部材6へ突入していく側とは反対側の端部(エッジ))が押し潰されて接触することが抑制される。その結果、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6の表面に接している領域が実質的に一続きになってしまう現象が抑制される。即ち、被清掃部材6の表面における弾性層の接触と非接触との繰り返しが効率的に行なわれる。
【0024】
従って上記(1)および(2)の構成を備えることにより、被清掃部材6表面に付着するごみ等の付着物(即ち被清掃物)は、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)の被清掃部材6に接触する部分によって、さながら箒のようにして掃き乱され、効率的に清掃されるものと推察される。これにより、前記被清掃部材6が画像形成装置における帯電ロールである場合には、該帯電ロールの表面における周方向の筋状汚染が抑制されるものと推察される。
【0025】
また上記(3)に示す通り周方向被覆率が70%以上85%以下と大きいことにより、弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の外側表面(芯体2と接触している側とは反対側の表面)が被清掃部材6の表面に接触する時間が長くなる。
そのため、上記(1)および(2)の構成によっても清掃することが容易でない付着力の強い付着物が存在する場合であっても、弾性層の外側表面との摩擦により付着力の強い付着物が擦られ、効率的に清掃されるものと推察される。これにより、被清掃部材6が帯電ロールである場合には、付着力の強い付着物による点状汚染が抑制されるものと推察される。
また、前述の通り弾性体4(または4Aおよび4B)からなる弾性層の被清掃部材6へ突入していく側の端部(エッジ)によって付着力の弱い付着物は効率的に清掃されるため、弾性層の外側表面と接触する付着物の量が減り、例えば板状のブラシやスポンジのみを被清掃部材の表面に接触させて清掃しようとする態様に比べて、長期に渡って効率的な清掃効果が発揮されるものと推察される。
【0026】
尚、前記(1)に示す捩れ角度は、更に7°以上10°以下であることがより好ましく、8°以上10°以下であることが特に好ましい。
前記(3)に示す周方向被覆率は、更に芯体2の外周面の周方向の長さの75%以上83%以下であることがより好ましく、77%以上80%以下であることが特に好ましい。
【0027】
ここで、前記捩れ角度の測定は、弾性体4(または4Aおよび4B)の長手方向の中心線と芯体2の中心軸との角度を測定することにより行なう。また、前記周方向非被覆長および周方向被覆率は、前記捩れ角度,弾性体4(または4Aおよび4B)の厚さおよび幅,並びに芯体2の直径から算出される。
尚、弾性体の厚さとは、弾性体4(または4Aおよび4B)の芯体2と接触する面から該面とは反対側の面までの長さを表し、弾性体の幅とは、弾性体4(または4Aおよび4B)短手方向の長さを表す。
【0028】
次いで、各部材について詳細に説明する。
【0029】
・芯体
芯体2に用いる材質としては、金属(例えば、アルミ、ステンレス、真鍮等)、または樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂(POM)等)が挙げられる。なお、材質および表面処理方法等は必要に応じて選択するのが望ましい。
特に、芯体2が金属で構成される場合メッキ処理を施すのが望ましい。また、樹脂等で導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等の一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
【0030】
・弾性層(短冊状の弾性体)
まず、弾性体とは、使用が想定される環境(温度や湿度、接触する被清掃部材から掛かる圧力等)において外力を印加することにより変形させても元の形状に復元する材料から構成されるものをさす。尚、短冊状の弾性体には、100Paの外力印加により変形しても元の形状に復元する材料を用いることがより好ましい。
【0031】
短冊状の弾性体4(または4A,4B)の材料としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、またはポリプロピレン等の発泡性の樹脂、或いは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、塩素化ポリイソプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエンゴム、ブチルゴム等のゴム材料を1種類、または2種類以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。尚、これらには必要に応じて、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、および加硫促進剤等の助剤を加えてもよい。
【0032】
これらの中でも、気泡を有する材料(いわゆる発泡体)がよく、特に発泡ポリウレタンであることが望ましい。
ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルやアクリルポリール等)と、イソシアネート(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、の反応物が挙げられ、鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等)が含まれたものであってもよい。そして、ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。また、発泡ポリウレタンには、必要に応じて発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。
【0033】
短冊状の弾性体4(または4A,4B)の構成としては、1層構成でも積層構成でも構わない。具体的には、短冊状の弾性体の構成としては、例えば、発泡体1層からなる構成でも、ソリッド層と発泡層との2層の構成でも構わない。
【0034】
短冊状の弾性体4(または4A,4B)の幅は、弾性層が1本の短冊状の弾性体からなる場合であっても、2本以上の短冊状の弾性体からなる場合であっても、前記(3)に示す周方向被覆率が芯体2の軸方向の何れの領域においても芯体2の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下との要件を満たす範囲で調整されることが好ましい。
また短冊状の弾性体4(または4A,4B)の厚さは、前記(2)に示す周方向非被覆長が芯体2の軸方向の何れの領域においても弾性層の厚み以上との要件を満たす範囲で調整されることが好ましい。
【0035】
・接着層
図1乃至図4に示される短冊状の弾性体4(または4A,4B)は、接着層を介して芯体2の表面に設けたものであってもよい。接着層は芯体2と短冊状の弾性体とを接着する目的で設けられる層であり、例えば基材の少なくとも片面に接着剤層を備えた接着テープが挙げられる。
【0036】
接着層として用いられる接着テープには市販品のものを用いてもよく、例えば日東電工社製の両面テープNo5605、日東電工社製の片面テープNo360A、日東電工社製の片面テープNo513、3M社製の片面テープ7108AAD等が挙げられる。
また、基材を有しない接着テープ(例えば日東電工社製の基材レス両面テープ(No.591)等)を用いてもよい。
【0037】
・製造方法
次に、本実施形態に係る清掃部材の製造方法について、図1および図2に示す1本の短冊状の弾性体4からなる弾性層を備える場合を例に説明する。
【0038】
本実施形態に係る清掃部材は、まず接着層を設けた短冊状の弾性体4の長手方向の一端を芯体2の軸方向端部に貼り付けて固定する。その後、短冊状の弾性体4の他端側を引張って張力をかけ弛みのない状態とし、芯体2を回転させることによって、定められた間隔で配置されるよう、短冊状の弾性体4を芯体2の外周面に巻き付けていく。張力をかけ緩みのない状態を維持しながら短冊状の弾性体4の他端側まで全て貼り付けることにより、図1および図2に示す芯体2の外周面に短冊状の弾性体4が巻き付けられた清掃部材が製造される。
【0039】
<画像形成装置等>
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【0040】
本実施形態に係る画像形成装置10は、例えば、図5に示すように、タンデム方式のカラーの画像形成装置である。本実施形態に係る画像形成装置10の内部には、感光体(像保持体)12や帯電部材14や現像装置等が、イエロー(18Y)、マゼンタ(18M)、シアン(18C)、および黒(18K)の各色毎にプロセスカートリッジ(図6参照)として備えられている。このプロセスカートリッジは、画像形成装置10に脱着される構成となっている。
【0041】
感光体12としては、例えば、表面に有機感材等よりなる感光体層が被覆された直径が25mmの導電性円筒体が用いられ、図示しないモータにより、150mm/secのプロセススピードで回転駆動される。
【0042】
感光体12の表面は、感光体12表面に配置された帯電部材14によって帯電された後、帯電部材14より感光体12の回転方向下流側に、露光装置16から出射されるレーザービームによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0043】
感光体12上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置19Y、19M、19C、19Kによって現像され、各色のトナー像となる。
【0044】
例えば、カラーの画像を形成する場合、各色の感光体12の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して行なわれ、各色の感光体12の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が形成される。
【0045】
また、記録用紙収容部28に収容される記録用紙(被転写体)24がピックアップロール30によって用紙搬送ロール対32および34に給紙され、更に用紙搬送ロール対32および34によって記録用紙24が用紙搬送ベルト20上に送られる。尚、用紙搬送ベルト20は支持ロール40および42によって張力を付与しつつ支持されている。
【0046】
感光体12上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、感光体12と用紙搬送ベルト20を介して転写装置22が接する箇所にて、感光体12の外周に用紙搬送ベルト20上を搬送される記録用紙24へ転写される。さらに、感光体12上からトナー像が転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、この定着装置64によって加熱・加圧されてトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出部68上にそのまま排出される。
【0047】
一方、両面プリントの場合には、定着装置64により第一面(表面)にトナー像が定着された記録用紙24を、排出ロール66によって排出部68上にそのまま排出せずに、排出ロール66によって記録用紙24の後端部を狭持した状態で、排出ロール66を逆転させるとともに、記録用紙24の搬送径路を両面用の用紙搬送路70に切り替え、この両面用の用紙搬送路70に配設された搬送ロール72によって、記録用紙24の表裏を反転した状態で、再度、用紙搬送ベルト20上へ搬送して、記録用紙24の第二面(裏面)に感光体12上からトナー像を転写する。そして、記録用紙24の第二面(裏面)のトナー像を定着装置64によって定着させ、記録用紙24を排出部68上に排出する。
【0048】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体12の表面は、感光体12が1回転する毎に、感光体12の表面であって、転写装置22が接する箇所よりも感光体12の回転方向下流側に配置された清掃ブレード80によって、残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0049】
ここで、図7に示すごとく、帯電部材14は、例えば、導電性芯体14Aの周囲に弾性層14Bが形成されたロールであり、導電性芯体14Aは回転自在に支持されている。帯電部材14の感光体12と反対側には、帯電部材14の清掃部材100が接触して、帯電装置(ユニット)を構成している。この清掃部材100として、本実施形態に係る清掃部材が用いられる。
【0050】
帯電部材14は導電性芯体14Aの両端へ荷重Fをかけて感光体12へ押付け、弾性層14Bの周面に沿って弾性変形してニップ部を形成している。更に、清掃部材100は導電性芯体2の両端へ荷重F’をかけて帯電部材14へ押付け、弾性層100Bが帯電部材14の周面に沿って弾性変形してニップ部を形成することで、帯電部材14の撓みを抑えて、帯電部材14と感光体12の軸方向のニップ部を形成している。
【0051】
感光体12は、図示しないモータによって矢印X方向に回転駆動され、感光体12の回転により帯電部材14が矢印Y方向に従動回転する。また、帯電部材14の回転により清掃部材100が矢印Z方向に従動回転する。
【0052】
−帯電部材の構成−
以下、帯電部材の説明をするが、本実施形態では以下の構成に限定されるものではない。符号は省略して説明する。
【0053】
帯電部材の構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、導電性芯体、弾性層、若しくは弾性層の代わりに樹脂層を有する構成が挙げられる。弾性層は単層構成からなるものであってよく、幾つもの機能を持った複数の異なる層からなる積層構成であってもよい。更には、弾性層の上に表面処理を行ってもよい。
【0054】
導電性芯体の材質としては快削鋼、ステンレス鋼等を使用し、摺動性等の用途に応じて材質および表面処理方法は適時選択するのが望ましい。また、メッキ処理するのが望ましい。導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよい。
【0055】
弾性層は導電性弾性層とするが、導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカや炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性芯体の周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤等の電子およびイオンの少なくとも一方を電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等が用いられる。また、弾性材は発泡体であってもかまわない。
【0056】
導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好適に挙げられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0057】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
【0058】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、一方、イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
【0059】
帯電部材の表面は、表面層を形成させてもよい。表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。例えば、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが好適に挙げられる。
共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンの内のいずれか1種または複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、重量比で合わせて10%以上であるのが望ましい。
【0060】
表面層に用いる高分子量の上記材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子量の材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより望ましい。
【0061】
また表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整してもよい。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが望ましい。
【0062】
また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤等の電子およびイオンの少なくとも一方を電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いてもよい。
【0063】
導電剤のカーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
【0064】
抵抗値を調整するための導電性粒子である導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、酸化スズインジウム(ITO)等の導電性を有した粒子で、電子を電荷キャリアとする導電剤あれば何れも用いられ、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。また、何れの粒径であってもよいが、望ましくは酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫、アナターゼ型酸化チタンであり、更に、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫が望ましい。
【0065】
さらに、表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が好適に用いられる。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが望ましい。また、表面層の中に粒子を添加してもよい。また、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を添加して、帯電部材の表面に凹部を付与してもよい。
【0066】
帯電部材の外径としては6mm以上16mm以下が望ましい。尚、上記外径の測定は、市販のノギスやレーザー方式外径測定装置を用いて行われる。
【0067】
帯電部材のマイクロ硬度は30°以上70°以下が望ましい。低硬度化にする為には可塑剤添加量を増量する方法、シリコーンゴム等の低硬度の材料を使用することが考えられる。
【0068】
また、帯電部材のマイクロ硬度は高分子計器株式会社製MD−1型硬度計にて測定した値を用いている。
【0069】
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、感光体(像保持体)、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)、現像装置、清掃ブレード(クリーニング装置)を備えたプロセスカートリッジを説明したが、これに限られず、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)を備え、その他必要に応じて、感光体(像保持体)、露光装置、転写装置、現像装置、および清掃ブレード(クリーニング装置)から選択されるものを備えたプロセスカートリッジとしてもよい。なお、これら装置や部材をカートリッジ化せず、画像形成装置に直接配置した形態であってもよい。
【0070】
また、本実施形態に係る画像形成装置では、帯電装置として、帯電部材と清掃部材とのユニットで構成した形態を説明したが、つまり、被清掃部材として帯電部材を採用した形態を説明したが、これに限られず、被清掃部材としては、感光体(像保持体)、転写装置(転写部材;転写ロール)、中間転写体(中間転写ベルト)等が挙げられる。そして、これら被清掃部材とこれに接触して配置される清掃部材とのユニットを、画像形成装置に直接配置してもよいし、上記同様にプロセスカートリッジのようにカートリッジ化して画像形成装置に配置してもよい。
【0071】
また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限られず、中間転写方式の画像形成装置等、周知の画像形成装置を採用してもよい。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて上記本実施形態に係る清掃部材についてより詳細に説明する。
【0073】
〔実施例1〕
帯電ロールおよび帯電ロール用清掃部材を以下の方法により作製した。
[帯電ロール用清掃部材]
ポリエーテルとイソシアネートとを混合したウレタン樹脂を加熱硬化させて得られた3次元網目構造からなるウレタン材料(INOAC社製EP70)を、厚さ2.35mmのシート状に切断し、両面テープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、幅12.5mm、長さ240mmの短冊状に裁断した。この短冊シート1本をステンレス(SUS304)製シャフト(外径φ5mm、軸方向長さ230mm)の一端から他端へ向けて巻きつけ、弾性層を形成した。短冊シートをシャフトへ巻きつけた後、余分な短冊シートを削除し清掃部材を得た。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度θは5°、前記(2)周方向非被覆長は3.2mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は79.8%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
【0074】
[帯電ロール]
エピクロルヒドリンゴム100質量部にイオン導電剤PEL−100(日本カーリット社製)3質量部を添加して混練した後、これを押し出し成形後、φ6mm,L=240mmのSUM−Niシャフト(硫黄快削鋼にニッケルメッキを施したもの)を挿入し、プレス成形機にて成形・加硫をおこなった。その後、研磨によって求められる外径に加工を行い、端部外径φ8.95mm、中央部外径φ9.00mmとなるよう加工した。次いでゴム端部を切断加工し、ゴム長を220mmとした。その後、帯電ロール表面に、四フッ化エチレンとビニルエーテルとの共重合体樹脂(ダイキン工業社製、ゼッフルGK−500)100質量部およびイソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHL)2質量部を含む表面層用分散液に浸漬コーティング方法によって、膜厚5μmでコーティングを実施した。
【0075】
[印字テスト]
上記方法により作製した清掃部材および帯電ロールを、帯電ロールに対する清掃部材の食い込み量が0.3mmで固定される専用の低変位軸受け(導電性アセタール樹脂(POM)製)と共に、DELL製カラーレーザープリンタ3110cnのプロセスカートリッジに組み込み、DELL製カラーレーザープリンタ3110cnに取り付けて連続印字テストを実施した。この印字テストは30%濃度の全面ハーフトーン画像1枚ずつをJob指示として送り、回転動作が断続するように実施した。
【0076】
・帯電ロール周方向への筋状汚染
帯電ロール周方向への筋状汚染は印字しているハーフトーン上に縦筋として現れるため、その最初の発生までの印字枚数を数えた。感光体ドラム500,000回転まで実施して終了とし、300,000回転未満まで発生がないものを筋状汚染問題なしとした。
【0077】
・色点の消失枚数
また感光体ドラム25,000回転毎に帯電ロール上にトナーを振り掛けてトナーを強制付着させ、ハーフトーン上の色点が消失するまでの枚数を、併せて数えた。
【0078】
・放電跡
また、清掃部材の押し付けによって帯電ロールの回転が阻害され回転が停止した場合、感光体ドラムとの接触位置でのみ放電が起こるため、帯電ロール上に放電跡が残る。そのため、感光体ドラム25,000回転毎に帯電ロールの表面を目視観察し、放電跡の有無を記録した。感光体ドラム500,000回転まで実施して終了とし、300,000回転未満まで発生がないものを放電跡問題なしとした。
【0079】
・総合判定
本テストは最大で感光体ドラム500,000回転まで実施して終了とし、300,000回転未満まで発生がないものを問題なしとして、結果の総合判定を行った。判定基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:筋状汚染問題なし、色点消失枚数3枚以下、放電跡問題なし、の全ての要件を満たす。
△:筋状汚染問題なし、色点消失枚数5枚以下、放電跡問題なし、の全ての要件を満たす。
×:上記3種類の評価の中で筋状汚染および放電跡の一つでも未達成であった場合。
【0080】
〔実施例2〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は3.1mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は80.3%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0081】
〔実施例3〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の前記(1)弾性層の捩れ角度を10°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は3.0mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は80.7%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0082】
〔実施例4〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートの幅を11.0mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は4.7mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は70.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0083】
〔実施例5〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートの幅を10.9mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は4.7mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は70.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0084】
〔実施例6〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅10.8mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を10°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は4.7mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は70.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例7〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.3mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は2.4mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は85.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0086】
〔実施例8〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.2mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は2.4mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は85.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0087】
〔実施例9〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.1mmとし、前記(1)弾性層の捩れ角度を10°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。前記(2)周方向非被覆長は2.4mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は85.0%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0088】
〔実施例10〕
清掃部材を下記の通り作製した。
ポリエーテルとイソシアネートとを混合したウレタン樹脂を加熱硬化させて得られた3次元網目構造からなるウレタン材料(INOAC社製EP70)を、厚さ1.80mmのシート状に切断し、両面テープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、幅6.3mm、長さ240mmの短冊状に裁断し、この短冊シートを2本作製した。この2本の短冊シートをステンレス(SUS304)製シャフト(外径φ5mm、軸方向長さ230mm)の一端から他端へ向けて巻きつけ、弾性層を形成した。尚、前記(2)に示す周方向非被覆長が等しくなるように巻きつけの位置決めをおこなった。短冊シートをシャフトへ巻きつけた後、余分の短冊シートを削除し清掃部材を得た。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度θは8°、前記(2)周方向非被覆長は3.1mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は80.3%であり、弾性層の厚み(肉厚)は1.5mmであった。
【0089】
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0090】
〔実施例11〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅13.6mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は2.1mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は87.5%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0091】
〔実施例12〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1に記載の短冊シートを幅10.5mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は5.2mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は66.7%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0092】
〔比較例1〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、短冊シートの幅を16.0mmと、前記(1)弾性層の捩れ角度を8°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は0mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は100%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0093】
〔比較例2〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、前記(1)弾性層の捩れ角度を13°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は2.9mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は81.2%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0094】
〔比較例3〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、前記(1)弾性層の捩れ角度を3°とした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(2)周方向非被覆長は3.3mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は79.4%であり、弾性層の厚み(肉厚)は2mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0095】
〔比較例4〕
清掃部材を下記の通り作製した。
実施例1において、短冊シートの厚さを4.00mmとした以外は、実施例1に記載の方法で清掃部材を作製した。なお、前記(1)弾性層の捩れ角度は5°、前記(2)周方向非被覆長は3.2mm、前記(3)弾性層による周方向被覆率は79.8mmであり、弾性層の厚み(肉厚)は3.4mmであった。
この清掃部材および実施例1に記載の帯電ロールを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0096】
〔比較例5〕
実施例1において、短冊シートを幅5.0mm、長さ240mm、厚さ4mmで作製し、シャフトには巻きつけずにこのままパッド状の清掃部材として用いた。即ち、実施例1の印字テストで用いたプロセスカートリッジに実施例1に記載の帯電ロールをセットした後、該帯電ロールの軸方向と前記短冊シートの長手方向とが平行となり且つ該帯電ロールの軸方向のどの領域においても前記短冊シートが接触するよう、プロセスカートリッジに前記短冊シートを配置した。短冊シート貼り付け後、余分な短冊シートを削除しパッド清掃部材とした。
このプロセスカートリッジを用いて、実施例1に記載の印字テストを実施した。結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【符号の説明】
【0098】
2 芯体、4,4A,4B 弾性体、6 被清掃部材、10 画像形成装置、12 感光体、14 帯電部材、14A 導電性芯体、14B 弾性層、16 露光装置、19Y、19M、19C、19K 現像装置、20 用紙搬送ベルト、22 転写装置、24 記録用紙、64 定着装置、66 排出ロール、68 排出部、70 用紙搬送路、72 搬送ロール、80 清掃ブレード、100 清掃部材、100B 弾性層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の芯体と、
少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、
を有する画像形成装置用の清掃部材。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性体の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性体の厚み以上
【請求項2】
下記(3)の関係を満たす請求項1に記載の画像形成装置用の清掃部材。
(3)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されている領域の周方向の長さが、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記芯体の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下
【請求項3】
被帯電体に接触して回転し該被帯電体を帯電させる帯電部材、
並びに、円筒状の芯体と、少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、を有し、前記帯電部材に接触し該帯電部材とは反対方向に回転して該帯電部材の表面を清掃する画像形成装置用の清掃部材、
を備える帯電装置。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性層の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性層によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性層の厚み以上
【請求項4】
請求項3に記載の帯電装置を少なくとも備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる請求項3に記載の帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体に形成された前記潜像をトナーによってトナー像として現像する現像装置と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項1】
円筒状の芯体と、
少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、
を有する画像形成装置用の清掃部材。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性体の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性体の厚み以上
【請求項2】
下記(3)の関係を満たす請求項1に記載の画像形成装置用の清掃部材。
(3)前記芯体の外周面における前記弾性体によって被覆されている領域の周方向の長さが、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記芯体の外周面の周方向の長さの70%以上85%以下
【請求項3】
被帯電体に接触して回転し該被帯電体を帯電させる帯電部材、
並びに、円筒状の芯体と、少なくとも1本の短冊状の弾性体からなり、該弾性体の特定の一面が前記芯体の外周面に相対し且つ下記(1)および(2)の関係を満たすよう前記芯体の外周面を被覆する弾性層と、を有し、前記帯電部材に接触し該帯電部材とは反対方向に回転して該帯電部材の表面を清掃する画像形成装置用の清掃部材、
を備える帯電装置。
(1)前記芯体の軸方向と直行する方向から見た場合における、前記芯体の軸方向と前記弾性層の長手方向とがなす鋭角側の角度が5°以上10°以下
(2)前記芯体の外周面における前記弾性層によって被覆されていない領域の周方向の長さ(但し前記弾性層が2本以上の短冊状の弾性体からなる場合には、一の短冊状の弾性体の末端から隣の短冊状の弾性体の末端までの被覆されていない領域の周方向の長さ)が、前記芯体の軸方向の何れの領域においても、前記弾性層の厚み以上
【請求項4】
請求項3に記載の帯電装置を少なくとも備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる請求項3に記載の帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体に形成された前記潜像をトナーによってトナー像として現像する現像装置と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【公開番号】特開2012−53391(P2012−53391A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197681(P2010−197681)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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