説明

画像形成装置

【課題】安価、かつ、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】CPU71には、光量検知手段46が接続されている。そして、光量検知手段46により検知された光量が、ROM72に記憶され、予め設定された光量よりも大きい場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯されていないものと判断する。一方、光量検知手段46により検知された光量が、予め設定された光量以下の場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯され、室内が暗くなったものと判断する。そうすると、CPU71は、照明手段47を点灯させるために駆動信号を発生する。そして、駆動信号が照明手段駆動部48に入力され、照明手段駆動部48は照明手段47を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等の室内に設置され、消灯後の室内を照明するための機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間にオフィス等の室内から退室する際には、まず、室内灯を消灯し、扉位置まで歩行して退室するが、消灯後の暗闇においては、歩行に不安を感じたり、転倒等の事故が発生する危険性がある。
【0003】
そこで、消灯時の暗闇における歩行者の安全性を確保するとともに、転倒等の事故を未然に防止すべく、人感センサを用いた照明装置が提案されている、より具体的には、例えば、当該照明装置は、オフィス等の天井面や通路に取り付けられた複数の照明器具と、当該照明器具の近傍に配置された人感センサと、当該人感センサの出力に基づいて照明器具の点消灯を制御する制御装置を備えている。そして、人感センサの検知領域内に人が存在する場合には、検出信号が出力され、当該検出信号に基づいて、制御装置が照明器具を点灯させる。次いで、予め設定された時間が経過すると、当該制御装置が照明器具を消灯させる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−73814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の照明装置においては、複数の照明器具の各々に対して、制御装置や人感センサを配線する構成となっているため、大掛かり、かつ煩雑な施工が必要となるとともに、多大な工事費用が必要となる等の問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、安価、かつ、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置においては、装置周辺を照明するための照明手段と、装置周囲の光量を検知するための光量検知手段と、光量検知手段の検知結果に基づき、照明手段の点消灯を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の画像形成装置によれば、複雑な配線等の大掛かり、かつ煩雑な施工を施すことなく、室内灯の消灯時において照明手段を点消灯させることが可能になるため、安価、かつ、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止することが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の画像形成装置においては、請求項1に記載の画像形成装置であって、制御手段は、光量検知手段により検知された光量が予め設定された値以下の場合は、照明手段を点灯させるとともに、照明手段の点灯が開始されてから予め設定された時間が経過した場合は、照明手段を消灯させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の画像形成装置によれば、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止することが可能になる。
【0010】
請求項3に記載の画像形成装置においては、請求項1に記載の画像形成装置であって、装置周辺の人の声を検知するための音声検知手段を更に備え、制御手段は、光量検知手段と音声検知手段の検知結果に基づき、照明手段の点消灯を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の画像形成装置によれば、照明手段の点消灯の制御を行う際の精度を高めることが可能になるため、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を確実に取り除くとともに、転倒等の事故を確実に防止することが可能になる。
【0012】
請求項4に記載の画像形成装置においては、請求項3に記載の画像形成装置であって、制御手段は、光量検知手段により検知された光量が予め設定された値以下の場合は、照明手段を点灯させるとともに、音声検知手段が人の声を検知している場合は、照明手段の点灯状態を維持し、音声検知手段が人の声を検知していない場合は、照明手段を消灯させることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の画像形成装置によれば、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を確実に取り除くとともに、転倒等の事故を確実に防止することが可能になる。
【0014】
請求項5に記載の画像形成装置においては、請求項1乃至4に記載の画像形成装置であって、原稿の画像を読取る画像読取部を更に備えるとともに、照明手段が、画像読取部に設けられ、原稿を照明する光源であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の画像形成装置によれば、画像読取部に設けられた光源を、照明手段として兼用することができるため、別個の照明手段を設ける必要がなくなり、結果として、コストアップを抑制することが可能になる。
【0016】
請求項6に記載の画像形成装置においては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、複写を行う際に、設定条件を入力し、表示するための操作パネルを更に備えるとともに、操作パネルが、照明手段を兼用することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の画像形成装置によれば、操作パネルを、照明手段として兼用することができるため、別個の照明手段を設ける必要がなくなり、結果として、コストアップを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、安価、かつ、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図であり、図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図である。
【0020】
図1に示す様に、この画像形成装置1は、画像形成装置本体1aの下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方及び上方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の右方に配設された画像形成部4と、画像形成装置本体1aの上方に配設された画像読取部5を備えている。
【0021】
給紙部2は、用紙が収容された複数の給紙カセット6を備えており、給紙ローラ7の回転動作により、当該給紙カセット6から用紙が用紙搬送部3側に送り出され、用紙が1枚ずつ確実に用紙搬送部3に給紙されるように構成されている。尚、これらの給紙カセット6は、画像形成装置本体1aに対し、着脱自在となるように構成されている。
【0022】
又、給紙部2には、手差し給紙ユニット8が設けられており、当該手差し給紙ユニット8は、手差し給紙トレイ9と、給紙ローラ10を備えている。手差し給紙トレイ9に載置された用紙は、給紙ローラ10の回転動作により、当該手差し給紙トレイ9から用紙供給搬送路11に送り出され、用紙が1枚ずつ用紙搬送部3に給紙されるように構成されている。
【0023】
用紙供給搬送路11に給紙された用紙は、用紙搬送部3を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙に所定のトナー像を形成するものであり、所定の方向(図中の矢印方向)に回転可能に軸支された像端持体である感光体12と、この感光体12の周囲にその回転方向に沿って、帯電ユニット13、現像ユニット14、転写ユニット15、クリーニングユニット16および除電ユニット17を備えている。
【0024】
帯電ユニット13は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体12の表面に所定電位を与えることにより、感光体12の表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部5により読取られた原稿の画像データに基づくレーザ走査ユニット(LSU)18からのレーザビームにより感光体12上に静電潜像が形成される。次いで、現像ユニット14により、上記静電潜像にトナーが付着し、感光体12の表面にトナー像が形成され、転写ユニット15により、感光体12の表面のトナー像が、感光体12と転写ユニット15との間に供給された用紙に転写される。
【0025】
トナー像が転写された用紙(以下、「転写紙」という)は、画像形成部4から定着ローラ対19に向けて搬送される。この定着ローラ対19は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置されており、転写紙は定着ローラ対19を構成する加熱ローラ、及び当該加熱ローラに押し付けられる加圧ローラによって挟まれるとともに加熱され、転写紙上にトナー像が定着される。
【0026】
次いで、画像形成部4から定着ローラ対19において画像形成がなされた転写紙は、排出手段である排出ローラ対20によって画像形成装置本体1aの胴内に設けられた用紙排出部21に排出され、当該用紙排出部21に積載される。一方、上記転写後、感光体12の表面に残留しているトナーは、クリーニングユニット16により除去され、感光体12の表面の残留電荷は、除電ユニット17により除去される。そして、感光体12は帯電ユニット13によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
【0027】
次に、本発明の画像読取部5について、図面を用いて説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像読取部の概略図である。図3において、画像読取部5は、画像読取部本体5aと、画像読取部本体5aの上面に設けられたコンタクトガラス22とを備えている。そして、画像読取部本体5aは、コンタクトガラス22上に載置された原稿Dに光を照射して原稿Dを照明する光源23と、原稿Dにより反射された照射光を90度方向に反射する第1ミラー24とから構成される第1光学系ユニット25と、第1ミラー24による反射光を90度方向に反射する第2ミラー26と、第2ミラー26による反射光を更に90度方向に反射する第3ミラー27とから構成される第2光学系ユニット28とを備えている。
【0028】
また、画像読取部本体5aの内部には、結像レンズ29と、CCDセンサ30が搭載されたCCDユニット31が設けられており、第3ミラー27により反射された原稿Dからの反射光は、CCDセンサ30に対面して設けられた結像レンズ29により収束され、当該結像レンズ29を介してCCDセンサ30に入射し、当該CCDセンサ30上に結像される。そして、原稿D上を走査した画像の光は、CCDセンサ30により電気信号に変換され、原稿画像の濃淡が電気信号レベルの高低に変換される。本実施形態においては、第1光学系ユニット25、第2光学系ユニット28、結像レンズ29、及びCCDユニット31により、光源23により照射され、原稿Dにより反射された照射光に基づいて、原稿画像を読取る画像読取部5が構成されている。
【0029】
また、上記構成においては、結像レンズ29、及びCCDセンサ30は画像読取部本体5aに固定されているが、光源23がスキャン方向に移動しても原稿側光路長が変化しないようにするために、光源23と第1ミラー24とから構成される第1光学系ユニット25と、第2ミラー26と第3ミラー27とから構成される第2光学系ユニット28は、各々、一定速度で移動可能となるように設けられている。これらの第1、第2光学系ユニット25、28の移動、及び停止は、図示しない駆動手段により行われる。
【0030】
また、コンタクトガラス22の上面の一部を覆うとともに、コンタクトガラス22に隣接して設けられた原稿サイズ指示用部材32と、シェーディング補正を行う際に使用されるシェーディング補正板33が設けられている。この原稿サイズ指示用部材32は、コンタクトガラスに載置される原稿Dのサイズの指標となるものであり、例えば、ポリスチレンやABS等の樹脂により形成されている。
【0031】
また、シェーディング補正板33は、厚さが0.2〜0.5mmのシート状の成形体であり、走査方向において均一な透過率(又は、反射率)を有しており、シェーディング補正を行うために白色に処理されている。そして、本実施形態においては、シェーディング補正板33を走査することにより得られた補正データに基づいて、原稿Dの画像を読み取る際にシェーディング補正を行う構成としている。
【0032】
このシェーディング補正を行う際には、まず、原稿Dを光源23で照明する前に、白色のシェーディング補正板33を照明し、その反射光量をCCDセンサ30で測定する。より具体的には、第1光学系ユニット25と第2光学系ユニット28を移動させ、シェーディング補正板33の照射を行い、第3ミラー27により反射されたシェーディング補正板33からの反射光をCCDセンサ30に入力させる。
【0033】
そして、シェーディング補正板33を走査することにより得られた測定データをCCDセンサ30の画素毎に出力して、この出力値と目標出力値からCCDセンサ30の全画素に対する補正係数を算出・記憶する。そして、実際の原稿読み取り時に、当該補正係数を使用して、同一濃度原稿を読み取ったときに各画素の画像データレベルが同一値になる様にCCDセンサ30の出力値の補正を行う構成としている。
【0034】
次に、本発明の操作パネルについて、図面を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における操作パネルの外観構成を示す概略図である。本実施形態においては、図1、図2に示す様に、画像形成装置本体1aの上方に配置された画像読取部5の前面5b側には、複写を行う際に、各ユーザーの目的に応じた設定条件を入力し、表示するための操作パネル34が配置されている。この操作パネル34は、図4に示す様に、複数の機能や条件等が表示される表示部35と、各種設定キーが配置された操作部36とを備えている。
【0035】
より具体的には、表示部35には、例えば、表示手段かつ操作手段として機能するタッチパネル方式の液晶表示部(LCD)を使用することが可能であり、転写紙として使用される用紙のサイズを指定するための用紙サイズキー37、複写倍率を選択するための倍率選択キー38、画像濃度を選択するための濃度選択キー39、ユーザーに対して操作方法等を表示し、案内するための案内表示部40等が夫々配置されている。
【0036】
また、操作部36には、コピー枚数等を入力するテンキー41、入力した情報を取り消すためのクリアキー42、コピー動作を中止させるストップキー43、入力により設定された値を予め設定された標準値に戻すリセットキー44、複写動作を開始させるスタートキー45等が夫々配置されている。
【0037】
なお、操作パネル34には、表示部35を点灯させるためのバックライトを備えており、画像形成時には、当該バックライトにより表示部35を点灯するが、非画像形成時においては、バックライトにより表示部35を点灯しない構成としている。
【0038】
ここで、本実施形態においては、消灯後の室内を照明するための機能を備えている点に特徴がある。以下に、本特徴について、図面を用いて詳しく説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における照明手段を制御するための制御系を示すブロック図である。
【0039】
図5に示す様に、画像形成装置1は、制御手段としてのCPU71と、ROM72およびRAM73を含むメモリ74を備えている。また、画像形成装置1の周囲の光量を検知するための光量検知手段46と、照明手段47の駆動を行うための照明手段駆動部48を備えている。なお、本実施形態においては、光量検知手段46として、上述のCCDセンサ30を使用し、照明手段47として、上述の光源23や操作パネル34を使用する構成としている。また、図示はしていないが、画像形成装置1の周囲の光をCCDセンサ30に入力する手段として、例えば、画像読取部5に設けられ、画像形成装置1の周囲の光を反射させて、CCDセンサ30に入力するための第4ミラーを使用する構成とすることができる。
【0040】
照明手段駆動部48には、CPU71により発生した駆動パルス信号(以下、「駆動信号」という。)が入力され、照明手段駆動部48は、当該駆動パルス信号に基づいて、照明手段47の駆動を行う。また、メモリ74は、CPU71に接続されており、CPU71は、ROM72に記憶されているプログラムに従い、各部の制御を行う。
【0041】
また、CPU71には、上述の光量検知手段46が接続されており、オフィス等に設けられた室内灯の照明状態に基づいて当該光量検知手段46から検知信号が出力されると、CPU71に当該検知信号が入力される。そして、CPU71は、入力された検知信号に基づいて、上述の駆動信号を発生させる。
【0042】
より具体的には、光量検知手段46により検知された光量が、上述のROM72に記憶され、予め設定された光量よりも大きい場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯されていないものと判断し、上述の駆動信号を発生しない。一方、光量検知手段46により検知された光量が、上述の予め設定された光量以下の場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯され、室内が暗くなったものと判断する。そうすると、CPU71は、上述の照明手段47として使用される光源23、または操作パネル34の表示部35、または光源23と操作パネル34の表示部35の双方を点灯させるために、上述の駆動信号を発生する。そして、当該駆動信号が照明手段駆動部48に入力され、当該照明手段駆動部48は、照明手段47を駆動させる(即ち、光源23、操作パネル34の表示部35を点灯させる)構成となっている。この様に、CPU71は、光量検知手段46の検知結果に基づき、照明手段47を制御する構成となっている。
【0043】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における照明手段の制御の手順を示すフローチャートである。まず、光量検知手段46による装置周辺の光量が検知されると(ステップS1)、CPU71が、光量検知手段46の検知信号に基づき、室内が暗くなったか否かを判断する(ステップS2)。そして、光量検知手段46により検知された光量が、上述の予め設定された光量よりも大きい場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯されておらず、室内が暗くなっていないものと判断する。そして、上述の、室内が暗くなった否かの判断を繰り返す。一方、光量検知手段46により検知された光量が、上述の予め設定された光量以下の場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯され、室内が暗くなったものと判断し、上述の駆動信号を発生させ、照明手段駆動部48により、照明手段47である光源23や操作パネル34の表示部35を点灯させる(ステップS3)。そして、CPU71は、ROM72に記憶され、予め設定された点灯時間が経過したか否かを判断し(ステップS4)、当該点灯時間が経過していないと判断した場合は、照明手段47を点灯させたままの状態で、当該点灯時間が経過したか否かの判断を繰り返す。一方、当該点灯時間が経過した場合には、CPU71は、照明手段47を消灯させるための駆動信号を発生させる。そうすると、当該駆動信号が照明手段駆動部48に入力され、当該照明手段駆動部48は、照明手段47の駆動を停止させる(即ち、光源23、操作パネル34の表示部35を消灯させる)構成となっている(ステップS5)。
【0044】
なお、上述の、照明手段47の点灯時間は、室内灯の消灯後、室内から退室するまでの間、室内を安全に歩行することができ、転倒等の事故を防止することができる時間、例えば、1〜2分程度に設定することが可能であるが、当該点灯時間は、これに限定されず、任意に設定することが可能である。
【0045】
以上に説明したように、本実施形態においては、画像形成装置1の周辺を照明するための照明手段47と、画像形成装置1の周囲の光量を検知するための光量検知手段46と、光量検知手段46の検知結果に基づき、照明手段47の点消灯を制御するCPU71とを備える構成としている。従って、上記従来技術のごとく、複雑な配線等の大掛かり、かつ煩雑な施工を施す必要がなくなり、結果として、安価、かつ、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止することが可能になる。
【0046】
また、CPU71が、光量検知手段46により検知された光量が予め設定された値以下の場合は、照明手段47を点灯させるとともに、照明手段47の点灯が開始されてから予め設定された時間が経過した場合は、照明手段47を消灯させる構成としている。従って、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を取り除くとともに、転倒等の事故を未然に防止することが可能になる。
【0047】
また、原稿画像を読取る画像読取部5を更に備えるとともに、当該画像読取部5に設けられ、原稿Dを照明する光源23を照明手段47として使用する構成としている。従って、当該光源23を、照明手段47として兼用することができるため、別個の照明手段を設ける必要がなくなり、結果として、コストアップを抑制することが可能になる。
【0048】
さらに、複写を行う際に、設定条件を入力し、表示するための操作パネル34を照明手段47として使用する構成としている。従って、当該操作パネル34を、照明手段47として兼用することができるため、別個の照明手段を設ける必要がなくなり、結果として、コストアップを抑制することが可能になる。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における照明手段を制御するための制御系を示すブロック図であり、図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における照明手段の制御の手順を示すフローチャートである。尚、本実施形態においては、上記第1の実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。又、画像形成装置の全体構成、画像読取部の概略構成についても、上述の第1の実施形態と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0050】
本実施形態においては、図7に示すように、上述の図5において説明した照明手段47を制御するための制御系において、音声検知手段49を備えている点に特徴がある。この音声検知手段は、装置周辺の人の声を検知するためのものであり、例えば、音声信号を検知する音声検知センサが使用される。
【0051】
そして、CPU71には、上述の音声検知手段49が接続されており、画像形成装置1の周辺に存在する人の音声を検知し、当該音声検知手段49から検知信号が出力されると、CPU71に当該検知信号が入力される。そして、CPU71は、光量検知手段46、および音声検知手段49から入力された検知信号に基づいて、上述の駆動信号を発生させる。
【0052】
より具体的には、上記第1の実施形態において説明した場合と同様に、まず、CPU71は、光量検知手段46により検知された光量が、上述のROM72に記憶され、予め設定された光量よりも大きい場合は、オフィス等における室内灯が消灯されていないものと判断し、上述の駆動信号を発生しない。一方、光量検知手段46により検知された光量が、上述の予め設定された光量以下の場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯され、室内が暗くなったものと判断する。そうすると、CPU71は、上述の照明手段47として使用される光源23、または操作パネル34の表示部35、または光源23と操作パネル34の表示部35の双方を点灯させるために、上述の駆動信号を発生する。そして、当該駆動信号が照明手段駆動部48に入力され、当該照明手段駆動部48が、照明手段47を駆動させる。次いで、音声検知手段49が人の音声を検知している場合は、CPU71は、画像形成装置1の周辺に人が存在しているものと判断し、照明手段47の点灯状態を維持する。一方、音声検知手段49が人の音声を検知していない場合は、CPU71は、画像形成装置1の周辺に人が存在していないものと判断し、照明手段47を消灯する。この様に、本実施形態においては、CPU71は、光量検知手段46と音声検知手段49の検知結果に基づき、照明手段47を制御する構成となっている。
【0053】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における照明手段の制御の手順を示すフローチャートである。まず、光量検知手段46による装置周辺の光量が検知されると(ステップS11)、CPU71が、光量検知手段46の検知信号に基づき、室内が暗くなったか否かを判断する(ステップS12)。そして、光量検知手段46により検知された光量が、上述の予め設定された光量よりも大きい場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯されておらず、室内が暗くなっていないものと判断する。そして、上述の、室内が暗くなった否かの判断を繰り返す。一方、光量検知手段46により検知された光量が、上述の予め設定された光量以下の場合は、CPU71は、オフィス等における室内灯が消灯され、室内が暗くなったものと判断し、上述の駆動信号を発生させ、照明手段駆動部48により、照明手段47である光源23や操作パネル34の表示部35を点灯させる(ステップS13)。次いで、CPU71は、装置周辺の人の音声が検知されたか否かを判断し(ステップS14)、当該音声が検知されたと判断した場合は、照明手段47を点灯させたままの状態で、装置周辺の人の音声が検知されたか否かの判断を繰り返す。一方、音声が検知されていないと判断した場合には、CPU71は、照明手段47を消灯させるための駆動信号を発生させる。そうすると、当該駆動信号が照明手段駆動部48に入力され、当該照明手段駆動部48は、照明手段47の駆動を停止させる(即ち、光源23、操作パネル34の表示部35を消灯させる)構成となっている(ステップS15)。
【0054】
以上に説明したように、本実施形態においては、画像形成装置1の周辺の人の声を検知するための音声検知手段49を更に備え、CPU71が、光量検知手段46と音声検知手段49の検知結果に基づき、照明手段47の点消灯を制御する構成としている。従って、照明手段47の点消灯の制御を行う際の精度を高めることが可能になるため、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を確実に取り除くとともに、転倒等の事故を確実に防止することが可能になる。
【0055】
また、CPU71は、光量検知手段46により検知された光量が予め設定された値以下の場合は、照明手段47を点灯させるとともに、音声検知手段49が人の声を検知している場合は、照明手段47の点灯状態を維持し、音声検知手段49が人の声を検知していない場合は、照明手段47を消灯させる構成としている。従って、簡単な構成で、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の不安感を確実に取り除くとともに、転倒等の事故を確実に防止することが可能になる。
【0056】
なお、上記実施形態は、単なる説明例であり、本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて各構成物品の形状、寸法、材料等を変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0057】
例えば、上記実施形態においては、照明手段として、光源23や操作パネル34を使用する構成としたが、画像形成装置1に別個のLEDランプ等の照明手段を設ける構成としても良い。また、当該別個の照明手段を画像形成装置本体1aの下方に設ける構成としても良い。この様な構成とすることにより、室内灯の消灯時の暗闇において足下が照らされるため、室内灯の消灯時の暗闇における歩行中の転倒等の事故を効果的に防止することが可能になる。
【0058】
また、上記実施形態においては、光量検知手段として、CCDセンサ30を使用する構成としたが、画像形成装置1に別個の光量検知手段を設ける構成としても良い。
更に、上記実施形態においては、画像形成装置の一例として、デジタル複写機を示したが、ファクシミリやプリンタ等の他の画像形成装置であっても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の活用例としては、オフィス等の室内に設置され、消灯後の室内を照明するための機能を備えた画像形成装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像読取部の概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における操作パネルの外観構成を示す概略図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における照明手段を制御するための制御系を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における照明手段の制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における照明手段を制御するための制御系を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における照明手段の制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1…画像形成装置、1a…画像形成装置本体、5…画像読取部、23…光源、30…CCDセンサ、34…操作パネル、35…表示部、46…光量検知手段、47…照明手段、48…照明手段駆動部、49…音声検知手段、71…CPU(制御手段)、72…ROM、73…RAM、74…メモリ、D…原稿


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置周辺を照明するための照明手段と、装置周囲の光量を検知するための光量検知手段と、前記光量検知手段の検知結果に基づき、前記照明手段の点消灯を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記光量検知手段により検知された光量が予め設定された値以下の場合は、前記照明手段を点灯させるとともに、前記照明手段の点灯が開始されてから予め設定された時間が経過した場合は、前記照明手段を消灯させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
装置周辺の人の声を検知するための音声検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記光量検知手段と前記音声検知手段の検知結果に基づき、前記照明手段の点消灯を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記光量検知手段により検知された光量が予め設定された値以下の場合は、前記照明手段を点灯させるとともに、前記音声検知手段が人の声を検知している場合は、前記照明手段の点灯状態を維持し、前記音声検知手段が人の声を検知していない場合は、前記照明手段を消灯させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿の画像を読取る画像読取部を更に備えるとともに、前記照明手段が、前記画像読取部に設けられ、前記原稿を照明する光源であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
複写を行う際に、設定条件を入力し、表示するための操作パネルを更に備えるとともに、前記操作パネルが、前記照明手段を兼用することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−163262(P2006−163262A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358241(P2004−358241)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】