説明

画像形成装置

【課題】 この発明は、誤操作を防止しつつ、機器が本来有している機能を使用可能とさせることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 音声ガイドモードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が所定時間内か否かを判別する第3手段、第3手段によって操作間隔時間が所定時間内であると判別された場合には今回のキー入力を有効とさせる第5手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、複写機能の他にFAX機能等を備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、視覚が弱いユーザに対して、大きく見やすい操作用画像を表示している間(拡大表示モード)においては、ジョブ割り込みボタンなどを誤操作しても、操作画像を変化させないようにする機能を備えたものが開発されている(特開2003−29890号公報参照)。なお、上記公報には、拡大表示モード中において、ユーザが音声カイドを選択している場合には、音声による操作案内を行うことも開示されている。
【0003】
上記従来例では、拡大表示モード中は、ジョブ割り込みボタンを無効にして、視覚が弱いユーザの誤操作に基いて動作が行われないようにしている。しかしながら、この結果として、拡大表示モード中は、他者によるジョブ割り込みを禁止することになる。
【特許文献1】特開2003−29890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、誤操作を防止しつつ、機器が本来有している機能を使用可能とさせることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、音声ガイトモードが用意されており、音声ガイトモードが設定されている場合には、操作されたキーの名称等を音声案内する機能を備えた画像形成装置において、音声ガイドモードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が所定時間内か否かを判別する第3手段、第3手段によって操作間隔時間が所定時間内でないと判別された場合には今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第4手段、ならびに第3手段によって操作間隔時間が所定時間内であると判別された場合には今回のキー入力を有効とさせる第5手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、音声ガイトモードが用意されており、音声ガイトモードが設定されている場合には、操作されたキーの名称等を音声案内する機能を備えた画像形成装置において、音声ガイドモードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が第1の所定時間より長いか否かを判別する第3手段、第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間以下であると判別された場合にはキー入力待機状態とする第4手段、第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間より長いと判別された場合には、第1の所定時間より長い時間が設定されている第2の所定時間より、操作間隔時間が短いか否かを判別する第5手段、第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間以上であると判別された場合には、今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第6手段、ならびに第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間より短いと判別された場合には、今回のキー入力を有効とさせる第7手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【0007】
請求項3に記載の発明は、大きく見やすい操作用画像を表示する拡大表示モードが用意されている画像形成装置において、拡大表示モードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が所定時間内か否かを判別する第3手段、第3手段によって操作間隔時間が所定時間内でないと判別された場合には今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第4手段、ならびに第3手段によって操作間隔時間が所定時間内であると判別された場合には今回のキー入力を有効とさせる第5手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、大きく見やすい操作用画像を表示する拡大表示モードが用意されている画像形成装置において、拡大表示モードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が第1の所定時間より長いか否かを判別する第3手段、第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間以下であると判別された場合にはキー入力待機状態とする第4手段、第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間より長いと判別された場合には、第1の所定時間より長い時間が設定されている第2の所定時間より、操作間隔時間が短いか否かを判別する第5手段、第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間以上であると判別された場合には、今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第6手段、ならびに第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間より短いと判別された場合には、今回のキー入力を有効とさせる第7手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、誤操作を防止しつつ、機器が本来有している機能を使用可能とさせることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明を複写機に適用した場合の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、デジタル複写機の概略構成を示している。
【0012】
デジタル複写機は、スキャナ部10と、制御部20と、ハードディスク(HDD)30と、画像形成部40と、ユーザ操作部50と、音声ガイド装置60とを備えている。スキャナ部10は、原稿送り装置(DF)11と、スキャナ12と、画像読み取りCCD13とを備えている。制御部20は、CPU、ROM、RAM等を備えている。
【0013】
画像形成部40は、レーザスキヤンユニット(LSU)41と、感光体ドラム等を含む静電複写機構とを備えている。ユーザ操作部50は、テンキー、スタートボタン、割り込ボタン等の各種キーを含むキー入力部51と、タッチパネルを備えた液晶表示部52と、LED表示部53とを備えている。音声ガイド装置60にはスピーカ61が接続されている。
【0014】
原稿送り装置(DF)11によって図示しないコンタクトガラス上に送られた原稿はスキャナ12によって光学的に走査され、画像読み取りCCD13によって原稿画像が読み取られる。画像読み取りCCD13によって読み取られた原稿画像は、制御部20を介して、HDD30に格納される。HDD30に格納された画像データは制御部20を介してLSU41に送られる。LSU41は、送られてきた画像データにしたがってレーザ光を発生し、それを変調・偏向して感光体上に静電潜像パターンを形成する。
【0015】
この複写機では、音声ガイドモードが設定されている場合には、ユーザがあるキーを操作したときには、音声ガイド装置60およびスピーカ61によって、そのキーの名称や機能等が音声で案内される。ただし、そのキー入力は有効なキー入力として取り扱われない。この後、一定期間内に、再度同じキーが操作されると、そのキー入力は有効なキー入力として取り扱われる。つまり、そのキー入力に対応する処理が実行される。
【0016】
図2は、キー入力があった場合の処理手順を示している。
【0017】
キーが操作されることにより、キー入力があると(ステップS1)、音声ガイドモードが設定されているか否かを判別する(ステップS2)。音声ガイドモードが設定されている場合には、今回操作されたキーのID(IDn )と、前回操作されたキーのID(IDn-1 )とが同じであるか否かを判別する(ステップS3)。
【0018】
今回操作されたキーのID(IDn )と、前回操作されたキーのID(IDn-1 )とが異なる場合には、今回操作されたキーの名称や機能等を音声案内(音声ガイド出力)するとともに(ステップS4)、今回操作されたキーのID(IDn )を、前回操作されたキーのID(IDn-1 )として記憶する(ステップS5)。また、タイマをスタートさせた後(ステップS6)、ステップS1(キー入力待機状態)に戻る。なお、ステップS6に移行した場合において、既にタイマがスタートしている場合には、一旦タイマをクリアしてから再スタートさせる。
【0019】
上記ステップS3において、今回操作されたキーのID(キーIDn )と、前回操作されたキーのID(キーIDn-1 )とが同じであると判別した場合には、タイマによる計測時間(操作間隔時間)tが予め設定された所定時間Tbより長い(t>Tb)か否かを判別する(ステップS7)。所定時間Tbは、例えば、0.5secに設定される。
【0020】
タイマーによる計測時間tが所定時間Tb以下である場合には、ステップS1に戻る。タイマーによる計測時間tが所定時間Tbより長い場合には、タイマーによる計測時間tが予め設定された所定時間Teより短い(t<Te)か否かを判別する(ステップS8)。所定時間Teは、例えば、10.0secに設定される。
【0021】
タイマーによる計測時間tが所定時間Te以上である場合には、ステップS4に移行する。タイマーによる計測時間tが所定時間Teより短い場合には、つまり、あるキーが操作されてから、所定時間Tbより長くかつ所定時間Teより短い時間内に、同じキーが操作された場合には、今回のキー入力が有効なキー入力として取り扱われることをユーザに伝えるための音(キー有効音)を出力した後(ステップS9)、今回のキー入力を有効として、そのキー入力に対応した処理を実行する(ステップS10)。そして、タイマをクリアするとともに、前回操作されたキーのID(キーIDn-1 )として記憶されている内容をクリアした後(ステップS11)、ステップS1に戻る。
【0022】
上記ステップS2において、音声ガイドモードが設定されていない場合には、今回のキー入力を有効として、そのキー入力に対応した処理を実行する(ステップS10)。そして、タイマをクリアするとともに、前回操作されたキーのID(キーIDn-1 )として記憶されている内容をクリアした後(ステップS11)、ステップS1に戻る。
【0023】
なお、上記ステップS7を省略してもよい。また、音声ガイドモードが設定されている場合には、操作用画像を拡大表示するようにしてもよい。
【0024】
また、音声ガイドモードが用意されておらず、視覚が弱いユーザに対して大きく見やすい操作用画像を表示するモード(拡大表示モード)が用意されている複写機(画像形成装置)にも、この発明を適用することができる。この場合には、上記ステップS2において、拡大表示モードが設定されているか否かを判別し、拡大表示モードが設定されている場合にはステップS3に進み、拡大表示モードが設定されていない場合にはステップS10に進む。また、ステップS4の処理を省略する。つまり、ステップS3でNOまたはステップS8でNOであれば、ステップS5に進む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】複写機の構成を示すブロック図である。
【図2】キー入力があった場合の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
10 スキャナ部
20 制御部
30 ハードディスク(HDD)
40 画像形成部
50 ユーザ操作部
51 キー入力部
52 液晶表示部
53 LED表示部
60 音声ガイド装置
61 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声ガイトモードが用意されており、音声ガイトモードが設定されている場合には、操作されたキーの名称等を音声案内する機能を備えた画像形成装置において、
音声ガイドモードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が所定時間内か否かを判別する第3手段、
第3手段によって操作間隔時間が所定時間内でないと判別された場合には今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第4手段、ならびに
第3手段によって操作間隔時間が所定時間内であると判別された場合には今回のキー入力を有効とさせる第5手段、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
音声ガイトモードが用意されており、音声ガイトモードが設定されている場合には、操作されたキーの名称等を音声案内する機能を備えた画像形成装置において、
音声ガイドモードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が第1の所定時間より長いか否かを判別する第3手段、
第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間以下であると判別された場合にはキー入力待機状態とする第4手段、
第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間より長いと判別された場合には、第1の所定時間より長い時間が設定されている第2の所定時間より、操作間隔時間が短いか否かを判別する第5手段、
第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間以上であると判別された場合には、今回操作されたキーに関する音声案内を行うとともに今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第6手段、ならびに
第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間より短いと判別された場合には、今回のキー入力を有効とさせる第7手段、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
大きく見やすい操作用画像を表示する拡大表示モードが用意されている画像形成装置において、
拡大表示モードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が所定時間内か否かを判別する第3手段、
第3手段によって操作間隔時間が所定時間内でないと判別された場合には今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第4手段、ならびに
第3手段によって操作間隔時間が所定時間内であると判別された場合には今回のキー入力を有効とさせる第5手段、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
大きく見やすい操作用画像を表示する拡大表示モードが用意されている画像形成装置において、
拡大表示モードが設定されている場合において、キー入力があったときには、今回操作されたキーが前回操作されたキーと同じであるか否かを判別する第1手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが異なると判別された場合には、今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第2手段、
第1手段によって今回操作されたキーが前回操作されたキーとが同じであると判別された場合には、当該キーが前回操作されたときから今回操作されたときまでの間の時間(以下、操作間隔時間という)が第1の所定時間より長いか否かを判別する第3手段、
第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間以下であると判別された場合にはキー入力待機状態とする第4手段、
第3手段によって操作間隔時間が第1の所定時間より長いと判別された場合には、第1の所定時間より長い時間が設定されている第2の所定時間より、操作間隔時間が短いか否かを判別する第5手段、
第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間以上であると判別された場合には、今回操作されたキーを前回操作されたキーとして記憶した後、キー入力待機状態とする第6手段、ならびに
第5手段によって操作間隔時間が第2の所定時間より短いと判別された場合には、今回のキー入力を有効とさせる第7手段、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−62242(P2006−62242A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248718(P2004−248718)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】