説明

画像形成装置

【課題】 担持体表面からクリーナブレードやシールが離間などする際にトナークラウドがクリーナハウジングから噴出することを回避することにより、トナーが漏れてしまうことを防止して、装置本体内の汚染なく高速処理可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 感光体ドラム表面に形成したトナー像を中間転写ベルト16を介して記録用紙に転写するとともに、そのベルト表面の残留トナーを外部に漏れないようにクリーナブレード22とシール部材23がその表面に離当接して掻き取り除去・回収する画像形成装置であって、導電性のシール部材を支持して通気穴65の開口するシール支持部材62に対面部材66を対面させて、その対面部材に中間転写ベルトよりも高いプラス電圧を供給することにより、クリーナハウジング63内のマイナス電位のトナーを通気穴を介して対面部材に吸着させる電界Eを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、担持体表面に残留するトナーを掻き取って除去・回収するために設置されるクリーナブレードやシールがその担持体表面から離間する構造に設計されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、感光体により作製した担持体の表面に画像データに基づく静電潜像を露光形成する電子写真記録方式の画像形成装置が知られており、この画像形成装置では、その静電潜像を現像器によりトナー現像して担持させた担持体表面のトナー像を、記録用紙などの記録媒体に転写して画像形成する。
【0003】
この種の画像形成装置には、静電潜像を形成されるとともにその静電潜像を現像したトナー像を担持可能な第1担持体と、そのトナー像を記録媒体に転写する転写位置と、の中間に第1担持体表面のトナー像を受け取って(一次転写されて)担持した後にそのトナー像を記録媒体に二次転写する第2担持体が配設されているものもある。この場合には、例えば、第1担持体表面に形成した各色トナーによるトナー像を第2担持体表面で重ねることによりカラー画像などの所望のトナー像を形成することができ、この後に、そのトナー像を第2担持体表面から記録用紙などの記録媒体に転写して画像形成することができる。
【0004】
このように第2担持体を備える画像形成装置では、第1、第2担持体表面のトナー像の転写毎にその担持体表面に残留するトナーを除去・回収することにより静電潜像やトナー像の品質を担保するようになっている。
【0005】
このため、残留トナーを除去・回収するためのクリーナブレードやシールは、第1担持体表面では、静電潜像を現像したトナー像がその現像毎に転写されるために、その表面に常に摺接する状態に設置されるが、第2担持体表面では、例えば、カラー画像を形成する際にはそのトナー像を重ねた後に記録媒体に転写するために、図12に示すように、そのクリーナブレード22やシール部材23は、その第2担持体16表面から離間させた状態の後に、必要に応じて図12中の矢印方向に回動させて摺接させることにより、その第2担持体16表面に残留するトナーをクリーナハウジング63内で掻き取って(図12中の破線の矢印で示す方向に掻き飛ばして)除去・回収するように設計されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【特許文献1】特開2004−157285号公報
【特許文献2】特開平7−121037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の画像形成装置にあっては、クリーナブレードが担持体表面に摺接して残留トナーを掻き取る際には、除去・回収するトナーがクリーナハウジング内で一時的に撒き上がる、所謂、トナークラウドが発生する。このトナークラウドは、浮遊トナーであり、ある程度の時間が経過することにより降下して落ち着くことから、従来程度のスピードで画像形成処理する場合には、クリーナブレードやシールが第2担持体表面から離間するとしても、その離間するタイミングまでに落ち着いて閉空間のクリーナハウジングの外部に浮遊トナーが漏れ出てしまうことはほとんどなかった。
【0007】
しかしながら、近年の画像形成の高速処理化に伴って、クリーナブレードやシールが第2担持体表面から離間するまでの期間として、トナークラウドが落ち着くのに必要な十分な時間を確保することが難しい。すなわち、クリーナブレードやシールが、トナークラウドが落ち着く前に第2担持体表面から離間して閉空間を開放してしまい、クリーナハウジングの外部に浮遊トナーが漏れ出て周囲を汚染してしまう恐れがある。例えば、クリーナブレードやシールが、第2担持体表面から離間するように回動する際に、クリーナハウジング内に瞬間的な圧力上昇が発生して外部に噴出する気流が生じるなどすることにより、そのクリーナハウジングの外部に浮遊トナーが漏れ出てしまう場合がある。このようにクリーナハウジングから浮遊トナーが漏れてしまうと、第1、第2担持体表面に形成したトナー像に本来存在しないトナーが混在・混色するなどして画像品質が劣化したり、装置本体内に漏れ出した浮遊トナーが周囲の部材に堆積して汚染されることによりメンテナンス作業がし難くなってしまう。また、画像を高品質に維持するために配設されて、トナー像の濃度を検出する、所謂、パッチセンサの検出部が汚染されてしまうと、画像品質が劣化してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、担持体表面からクリーナブレードやシールが離間などする際にトナークラウドがクリーナハウジングから噴出することを回避することにより、クリーナハウジングからトナーが漏れてしまうことを防止して、装置本体内の汚染なく高速処理可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する画像形成装置の第1の発明は、画像データに基づく静電潜像を現像したトナー像を担持する第1担持体と、該第1担持体表面から一次転写されて受け取ったトナー像を記録媒体に二次転写する第2担持体と、これらの担持体毎に配設されて該担持体表面の残留トナーを回収するクリーナユニットと、を備えて、第1担持体表面のトナー像を第2担持体を介して記録媒体に転写して定着させることにより画像を形成する画像形成装置において、第2担持体のクリーナユニットは、第2担持体表面の残留トナーを回収するクリーナハウジングと、第2担持体表面に摺接してトナー像の転写後に残留するトナーを掻き取り除去するクリーナブレードと、第2担持体表面に摺接してクリーナハウジングをクリーナブレードと共に閉塞空間として画成するシールと、を有して、クリーナブレードおよびシールが予め設定されているタイミングに第2担持体表面に離当接することにより該第2担持体表面のトナーを通過または回収するように動作して当該第2担持体表面に所望のトナー像を形成する画像形成装置であって、クリーナハウジングを画成するハウジング画成部材に、該クリーナハウジングの内外を通気可能に連通させる通気穴が開口されて、該通気穴あるいは当該通気穴の近傍に、浮遊するトナーの移動を制限する電界を発生させる電界発生手段が配設されていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明では、クリーナハウジング内がハウジング画成部材に開口する通気穴を介して外部と連通しているとともに、その通気穴近傍よりも外部に流出しようとする浮遊トナーの移動が電界により制限される。これにより、クリーナハウジング内の気体が通気穴を介して自由に出入することができることで、例えば、クリーナブレードやシールが第2担持体表面に離当接するように回動してもそのクリーナハウジング内に瞬間的な大きな圧力変動を発生させることがなく、また、クリーナブレードの先端角部が第2担持体表面に摺接してその先端面の掻取面が残留トナーを掻き飛ばすことによりクリーナハウジング内にトナークラウド(浮遊トナー)が発生しても、その浮遊トナーは、通気穴近傍からそのクリーナハウジングの外部に流出することが制限される。したがって、通気穴付近の浮遊トナーは、そのクリーナハウジングから装置本体内に漏れ出てしまうことが制限されるとともに、クリーナブレードやシールが第2担持体表面から離間しても、その隙間から大量に漏れ出てしまうことを回避することができ、周囲の部材が漏れ出たトナーにより汚染されてしまうことを防止することができる。ここで、上述の文献1では、図12に示すように、通気穴Hがクリーナハウジング63の背面側(クリーナブレード22の反対側対面)に開口しているが、その通気穴Hはクリーナハウジング63内を単に装置本体内に連通させていることから、浮遊するトナーが通気穴Hから漏れ出てしまうことを少なくすることはできない。
【0011】
上記課題を解決する画像形成装置の第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記電界発生手段は、電位差を与えることにより電界を発生する対向部材を備えており、該対向部材間に、クリーナハウジング内に浮遊するトナーを通気穴を介して吸引する電界を発生させて吸着させることを特徴とするものである。
【0012】
この発明では、通気穴付近のトナークラウドの浮遊トナーは、その付近に電界を発生する対向部材の一方に吸引されて吸着される。したがって、クリーナハウジング内の気体が通気穴を介して外部に流出する際に、浮遊トナーが一緒に流出してしまうことを回避することができ、その通気穴から漏れ出た浮遊トナーにより周囲の部材が汚染されてしまうことを防止することができる。
【0013】
上記課題を解決する画像形成装置の第3の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記電界発生手段は、電位差を与えることにより電界を発生する対向部材を備えており、該対向部材間に、クリーナハウジング内に浮遊するトナーが通気穴を通過しようとするのを抑制する電界を発生させることを特徴とするものである。
【0014】
この発明では、通気穴付近のトナークラウドの浮遊トナーは、その付近に発生された電界により通気穴近傍を通過することが抑制されてクリーナハウジング内に留められる。したがって、クリーナハウジング内の気体が通気穴を介して外部に流出する際に、浮遊トナーが一緒に流出してしまうことを回避することができ、その通気穴から漏れ出た浮遊トナーにより周囲の部材が汚染されてしまうことを防止することができる。
【0015】
上記課題を解決する画像形成装置の第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明の特定事項に加え、前記第2担持体表面のトナー像の濃度を検出するパッチセンサが該第2担持体表面の回転方向に対するクリーナハウジングの上流側に配設されており、前記外壁部材の対向部材は、通気穴に隣接する位置にパッチセンサを支持する支持部材により構成することを特徴とするものである。
【0016】
この発明では、通気穴側でパッチセンサを支持する部材に電界を発生する対向部材を設定するので、既存の部材を流用して容易にその対向部材を設置することができる。したがって、クリーナハウジング内のトナークラウドの浮遊トナーが漏れ出て周囲の部材が汚染されてしまうことを安価に防止することができる。
【0017】
上記課題を解決する画像形成装置の第5の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明の特定事項に加え、前記通気穴は、クリーナブレードの先端角部が第2担持体表面の回転方向に対して突き当たる姿勢で該第2担持体表面に摺接して当該第2担持体表面に付着するトナーを掻き取る際に、当該クリーナブレードの先端面の掻取面に対向する箇所に形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
この発明では、クリーナブレードの先端角部が第2担持体表面に摺接してその先端面の掻取面が残留トナーを掻き飛ばすと、従来には、クリーナハウジング内にトナークラウド(浮遊トナー)が発生していたが、その浮遊トナーはクリーナブレードの掻取面に対向する箇所のハウジング画成部材に開口する通気穴に向かって飛翔することから、クリーナハウジング内に滞留することなく、その通気穴を介して処理することができる。したがって、シールが第2担持体表面から離間しても、クリーナハウジング内から大量の浮遊トナーが漏れ出すことがなく、周囲の部材を汚染させてしまうことを防止することができる。ここで、上述の文献1では、図12に示すように、通気穴Hがクリーナハウジング63の背面側(クリーナブレード22の反対側対面)に開口しているが、その形成位置はクリーナブレード22の先端側掻取面22bの対向箇所でないことから、図12中に破線の矢印で示す方向に飛翔する浮遊トナーを効果的に導くことができなかった。
【発明の効果】
【0019】
このように本発明によれば、ハウジング画成部材に通気穴を開口させてクリーナハウジング内の気体が自由に出入することを許容することにより、クリーナハウジング内に瞬間的な大きな圧力変動が発生することを防止することができ、クリーナブレードが第2担持体表面に摺接することにより発生するトナークラウドの浮遊トナーが第2担持体表面からのシールやクリーナブレードの離間時の隙間から、クリーナハウジング内の空気と共に噴き出てしまうことを防止することができる。また、その通気穴近傍に浮遊トナーの移動を制限する電界を発生させることにより、単に開口する通気穴からクリーナハウジング内のトナークラウドの浮遊トナーが漏れ出てしまうことを防止することができる。したがって、クリーナハウジングの外部に漏れ出した浮遊トナーにより周囲の部材、例えば、トナーを転写させる第2担持体表面の画像形成領域などを汚染させてしまうことを防止することができ、トナー像の品質が劣化したり、装置本体内を汚染させてメンテナンス作業をし難くしてしまうことを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
【0021】
図1および図2において、画像形成装置は、文字等の画像を作成・出力するパーソナルコンピュータPCなどの外部装置に接続して利用するプリンタであり、この画像形成装置は、画像形成する文字等の画像データを受け取って電子写真方式により記録用紙(記録媒体)の一面側または両面側に記録形成する画像記録装置10と、積載する複数枚の記録用紙をこの画像記録装置10に搬送するとともに画像を記録形成されたその記録用紙を装置外に搬出して積載する用紙搬送装置30と、これら画像記録装置10および用紙搬送装置30を統括制御する制御ユニット40と、を備えることにより記録用紙に画像を形成してプリントアウトする。
【0022】
画像記録装置10は、簡単に説明すると、画像データに基づいてレーザ光Lを走査するレーザ光走査装置11と、このレーザ光走査装置11からのレーザ光Lを照射・走査されて画像データに基づく静電潜像が表面に露光・形成される感光体ドラム(第1担持体)12と、レーザ光Lの照射により静電潜像を形成可能に感光体ドラム12の外周表面を帯電させる帯電器13と、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)のトナーを収容するとともにその収容トナーを摩擦帯電させて選択的に付着(担持)させることにより感光体ドラム12表面の静電潜像をトナー現像する各色毎の現像カートリッジ14(1箇所のみ図示)と、この現像カートリッジ14をその各色毎の設置空間15a内に収納して回転軸15bを中心に回転する現像ロータリーユニット15と、感光体ドラム12上で現像されたトナー像を一次転写されて受け取ることにより記録用紙上に転写記録可能なトナー画像(モノクロ画像あるいはカラー画像)を形成して担持する中間転写ベルト(第2担持体)16と、搬送されてきた記録用紙を中間転写ベルト16との間で挟むように圧接(ニップ)することによりその中間転写ベルト16が担持するトナー像を転写させるとともにその記録用紙を挟持しつつ下流へと搬送する転写ローラ17と、トナー像を転写されて搬送されてきた記録用紙を加熱圧接することによりそのトナー画像を定着させるとともにその記録用紙をさらに下流側へと挟持搬送する定着ローラ対18と、感光体ドラム12の表面上に残留するトナーをクリーナブレード19aにより回収して貯留する現像側クリーナユニット19と、中間転写ベルト16の表面上に残留するトナーをクリーナブレード22により回収して貯留する転写側クリーナユニット21と、現像ロータリーユニット15の外周面側を覆うように配置された排気ダクト24a、24bを介して吸気ファンFが特に感光体ドラム12(現像ローラ14a)の回転方向下流側を吸引することにより周囲に飛散するトナーをその排気ダクト24a、24bの間に介装されているフィルタ25で捕集する排気ユニット26と、を備えている。
【0023】
これにより、画像記録装置10は、レーザ光走査装置11により感光体ドラム12表面に形成された画像データに基づく静電潜像を、その画像データに応じて切り換えられた現像ロータリーユニット15内の現像カートリッジ14がトナー現像するようになっており、この後に、その感光体ドラム12上のトナー像を、中間転写ベルト16に一次転写して用紙搬送装置30により搬送されてきた記録用紙に二次転写して記録した後に定着ローラ対18が加熱圧接して定着させることにより画像形成する。このとき、例えば、現像ロータリーユニット15がイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを収容する現像カートリッジ14を収納されている場合には、感光体ドラム12上の静電潜像を現像するトナーの色を切り換えることにより、受け取った画像データに基づいてその各色のトナーを色重ねしたり選択してカラー画像から単色画像までを記録用紙に印字形成することができる。また、現像ロータリーユニット15がすべての現像カートリッジ14内に同色の、例えば、ブラック(K)のトナーを収容する現像カートリッジ14を収納されている場合には、感光体ドラム12上の静電潜像を現像する現像カートリッジ14を順次に切り換えてモノクロ画像を記録用紙に連続印字して形成する専用機として利用することができる。
【0024】
用紙搬送装置30は、簡単に説明すると、装置本体下部に着脱可能にセットされて複数枚の記録用紙を積載する用紙カセット31と、この用紙カセット31の底面の昇降板31aにより上昇された記録用紙束に圧接して回転することにより最上の記録用紙を引き出して搬送経路fへと送り出すピックアップローラ32と、このピックアップローラ32により送り出されてきた記録用紙を受け取ってさらに下流の搬送経路fへと挟持搬送する中継搬送ローラ対33a、33bと、この中継搬送ローラ対33a、33bが搬送する搬送経路f内の記録用紙を受け取って画像記録装置10の中間転写ベルト16および転写ローラ17による画像の記録形成位置に挟持搬送するレジストローラ対34と、このレジストローラ対34から中間転写ベルト16および転写ローラ17の間や定着ローラ対18間を経る搬送経路fを搬送されることにより一面側に定着画像が形成された記録用紙を受け取って装置本体上部の排紙テーブル39上に搬出・排紙して積載する排紙ローラ対35a、35bと、を備えている。なお、画像記録装置の中間転写ベルト16および転写ローラ17や、定着ローラ対18は、記録用紙を搬送する機能も備えることから、この用紙搬送装置30の一部をも構成している。
【0025】
これにより、用紙搬送装置30は、用紙カセット31内からピックアップローラ32により引き出された記録用紙を、中継搬送ローラ対33a、33bを介してレジストローラ対34に受け渡した後に、そのレジストローラ対34が画像記録装置10の動作に同期するように、中間転写ベルト16と転写ローラ17が圧接する画像の記録形成位置に給紙するようになっており、その中間転写ベルト16上のトナー像を転写記録して定着ローラ対18により定着させた記録用紙を、排紙ローラ対35a、35bが受け取って排紙テーブル39上に搬出・排紙して積載する。
【0026】
ここで、この用紙搬送装置30は、一面側に画像形成された記録用紙を反転させてレジストローラ対34の上流側の搬送経路fに送り出すための再搬送経路rおよびその経路rに配設された中間搬送ローラ対37を備えており、排紙ローラ対35a、35bが反転することにより再搬送経路r内に送られてきた記録用紙を中間搬送ローラ対37が受け取ってレジストローラ対34に受け渡すことにより、記録用紙の両面に画像形成することができる。また、この用紙搬送装置30は、手差しする記録用紙をレジストローラ対34の上流側の搬送経路fに送り出すための手差し経路mおよびその経路mに配設された手差し給送ローラ対38を備えており、その手差し経路m内に差し込まれた記録用紙を手差し給送ローラ対38が受け取ってレジストローラ対34に受け渡すことにより、記録用紙の片面または両面に画像形成することができる。
【0027】
制御ユニット40は、簡単に説明すると、不図示のCPUがメモリ内に格納されている処理プログラムに従って各種処理手順を実行することによりパーソナルコンピュータPCのプリンタドライバとの間で印字命令などの各種情報をやり取りするとともに記録用紙に画像形成するテキスト等の画像データを受け取って不図示のメモリ内に一時記憶しつつ各種処理を行うコントローラ部41と、CPU42がROM43内に格納されている制御プログラムに従ってコントローラ部41から例えば、ページ単位で画像データを受け取って本体メモリ44内に一時記憶するのと並行してRAM45をワークエリアとして使用しつつ画像記録装置10および用紙搬送装置30との間で各種情報をやり取りすることによりその画像データに基づく画像を記録用紙に形成するエンジン制御部46と、が装置本体内に搭載される回路基板上に構築されている。
【0028】
これにより、制御ユニット40は、パーソナルコンピュータPCから受け取る画像データ(画像情報信号)がレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の所謂、RGBデータであることから、コントローラ部41がこれらを印刷可能なイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の所謂、YMCKデータの画像データに変換しつつ、例えば、ページ単位にメモリ内から読み出してエンジン制御部46に受け渡し、このエンジン制御部46がその画像データに基づいて画像記録装置10および用紙搬送装置30を制御することにより記録用紙に画像形成する。
【0029】
なお、この制御ユニット40は、CPU42が内蔵するタイマー機能42aを利用して各種処理時間などを計時することにより装置各部を最適に動作させてこの画像形成制御を実行するようになっており、画像記録装置10および用紙搬送装置30と、コントローラ部41やエンジン制御部46との間で各種情報をやり取り可能にI/Oインターフェース47を介して接続されているとともに、エンジン制御部46が画像記録装置10および用紙搬送装置30とコントローラ部41との間でやり取りするその各種情報をそれぞれで処理することができるようにデジタル信号(D)をアナログ信号(A)に変換したりアナログ信号をデジタル信号に変換するD/Aコンバータ48およびA/Dコンバータ49を備えている。
【0030】
そして、この画像形成装置では、感光体ドラム12表面のトナー像を中間転写ベルト16を介して記録用紙に転写する構成を採用していることから、この中間転写ベルト16でも感光体ドラム12と同様に高精度に形成したトナー像を高品質に担持して記録用紙に転写する必要がある。このことから、図3(a)に示すように、中間転写ベルト16は、ベルト本体16aと抵抗体層16bとの間の全面に導電層16cが形成されているとともに、その側辺側の抵抗体層16bに代えてその導電層16cに電気的に導通する電極部16dが全周に亘って形成されて露出しており、現像カートリッジ14における摩擦帯電でマイナス電位に帯電されるトナーを積極的に吸着(付着)するように、その電極部16dに電極ローラ51が圧接接触してプラス電圧を印加されることにより、全面に亘ってムラなくトナーを保持することができるように設計されている。なお、この中間転写ベルト16が一次転写ローラ52に背面側から押圧されて感光体ドラム12に圧接することから、感光体ドラム12は、中間転写ベルト16の側辺側で露出する電極部16dが導電部12a表面の感光体層12bに接触することになり、その感光体層12bにピンホールなどが存在すると本来絶縁されている中間転写ベルト16との間で電流のリークが発生してしまう恐れがあるので、その電極部16dとの間に十分な面積で介在することのできる絶縁部12cが全周に亘って形成されている。
【0031】
また、この画像形成装置では、中間転写ベルト16が担持するトナー像の品質が記録用紙に形成する画像品質に影響するので、記録用紙への転写前のトナー像から現像品質や転写品質を確認するために、そのトナー像の濃度を任意のタイミングにチェックするように設計されている。例えば、転写ローラ17から離隔する側のバックアップローラ(プーリ)53への巻き掛け箇所で中間転写ベルト16に検出部27a(図5を参照)を対面させるように、反射型のフォトセンサからなる、所謂、パッチセンサ27が配置されて制御ユニット40のエンジン制御部46に接続されており、そのエンジン制御部46のCPU42は、中間転写ベルト16表面の転写面(トナー像)に向けて光を出射して、その転写面上のトナー像による反射光を光電変換したパッチセンサ27からの検出信号に基づいて現像カートリッジ14により感光体ドラム12上に形成したトナー像(中間転写ベルト16上のトナー像)の濃度(トナーによる被覆率)を評価して各種条件を調整する。
【0032】
すなわち、エンジン制御部46のCPU42は、電源投入時や現像カートリッジ14の交換時などに、予め準備されているパッチ画像データに基づいて形成・転写された中間転写ベルト16表面のトナー像の濃度をパッチセンサ27により検出し、この後に、そのトナー像の濃度の検出情報に基づいて電源部28から感光体ドラム12間や中間転写ベルト16間に供給するバイアス電圧等を変化させて感光体ドラム12表面の静電潜像の現像濃度や転写品質等を調整するなどして画像品質を一定以上に維持する。なお、この濃度検出の終了したパッチ画像のトナー像は、記録用紙に転写記録される前に、転写側クリーナユニット21のクリーナブレード22により掻き取られて回収される。ここで、この電源部28の配設位置は、図示する位置に限るものではなく、他の位置に配置したり、分散配置しても良いことは言うまでもない。
【0033】
ところで、この画像形成装置では、感光体ドラム12表面のトナー像を中間転写ベルト16を介して記録用紙に転写する構成を採用していることから、図4に示すように、その中間転写ベルト16の一側辺側で平面方向外方に突出する突片(所謂、シム)16eが配設されており、この突片16eを近接センサ29が一回転毎に検出することにより、エンジン制御部46のCPU42が感光体ドラム12の回転動作や記録用紙の搬送動作と中間転写ベルト16の回転動作とを同期させるように装置各部10、30を制御する。なお、この中間転写ベルト16が循環回転するのに対して、現像ロータリーユニット15は、特に、カラー画像を形成する際には、トナー像を現像する現像カートリッジ14を順次に切り換える必要がある。このため、中間転写ベルト16は、記録用紙のサイズ、例えば、A4サイズの一枚取りの装置では(二枚取り以上の装置でもよいことはいうまでもない)その長辺の長さ分よりも大き目の長さに設定されて、その記録用紙に転写するトナー像を担持するのに対して、現像ロータリーユニット15は、その中間転写ベルト16上のA4サイズのトナー像の後端と先端との間が回転移動する間に(記録用紙の画像形成領域の後端と先端との間、所謂、紙間期間tの間に)現像カートリッジ14の切換動作を完了させる。
【0034】
ここで、現像側クリーナユニット19では、感光体ドラム12表面の静電潜像を現像したトナー像が連続して中間転写ベルト16に受け渡される(一次転写される)ことから、その中間転写ベルト16への転写後に感光体ドラム12表面に残留するトナーを常時クリーナブレード19aにより掻き取って清浄にすることがその静電潜像を高精度に形成して高品質なトナー像を形成するのに重要である。すなわち、この現像側クリーナユニット19では、クリーナブレード19aが感光体ドラム12の表面に常時摺接することにより残留トナーを掻き取って不図示のクリーナハウジング内に回収するように設計されており、この掻き取られた残留トナーが浮遊して外部に漏れてしまわないようにクリーナブレード19aの上流側の感光体ドラム12表面には可撓性を有するシール部材19bが摺接してクリーナハウジングの回収空間が閉塞されている。
【0035】
一方、転写側クリーナユニット21では、感光体ドラム12表面から一次転写された中間転写ベルト16表面のトナー像が記録用紙に二次転写される前まで担持されることから、特に、カラー画像を形成する場合には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを色重ねなどするために、その中間転写ベルト16表面のトナー像を記録用紙に二次転写するまで掻き取ることなく巡廻することを許容するように動作するようにエンジン制御部46のCPU42により駆動制御される。すなわち、この転写側クリーナユニット21では、予め設定されているタイミング期間には、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面からトナー像を掻き取ってしまわないように離間したり、その中間転写ベルト16表面に当接して摺接することにより残留トナーを掻き取ってクリーナハウジング63(図5を参照)内に回収するように設計されており、同様に、この掻き取られた残留トナーが浮遊して外部に漏れてしまわないようにクリーナブレード22の上流側の中間転写ベルト16表面にも可撓性を有するシール部材23が離当接(摺接)してクリーナハウジング63の回収空間を閉塞する。なお、モノクロ画像を連続して形成するときにも、クリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面から離間して、設定枚数の処理が終了したタイミングにその中間転写ベルト16表面に当接して残留トナーを掻き取り回収するように設計される場合もある。
【0036】
このような転写側クリーナユニット21では、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面から残留トナーを掻き取る際に、そのトナーがクリーナハウジング63内で撒き上がる、所謂、トナークラウドが一時的に発生するが、このトナークラウドの浮遊トナーがある程度の時間が経過することにより降下して落ち着くことにより、そのクリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16の表面から離間しても、クリーナハウジング63内から浮遊トナーが漏れ出てしまうことはない。しかるに、このクリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面に当接して残留トナーを掻き取ってから離間するまでに、その残留トナーのトナークライドが落ち着くまでの期間として、画像処理の高速化に伴って各種動作の切換時間に余裕がなくなって十分な時間を確保することができなくなると、クリーナブレード22の摺接により撒き上がった浮遊トナーのトナークラウドが落ち着く前にそのクリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面から離間するのに伴って、クリーナブレード22やシール部材23がクリーナハウジング63内に向って回動することによる瞬間的な圧力上昇が発生して外部に噴出する気流が生じるなどして、そのクリーナハウジング63内から浮遊トナーが漏れ出てしまう恐れがある。特に、パッチ画像のトナー像や記録用紙が詰まってしまうジャムエラーが発生した際のトナー像は、記録用紙に転写されることなく転写側クリーナユニット21で中間転写ベルト16表面から除去・回収されることから、このときには大量のトナークラウドが発生して多量の浮遊トナーが漏れてしまう恐れがある。
【0037】
そこで、この転写側クリーナユニット21には、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面に摺接することにより撒き上がるクリーナハウジング63内のトナークラウドの浮遊トナーを強制的に減少させることによって、その中間転写ベルト16表面の残留トナーを確実に除去・回収しつつ、クリーナブレード22やシール部材23がその中間転写ベルト16表面から離間してもトナークラウドの浮遊トナーがクリーナハウジング63内から漏れ出てしまうことをなくす機能が付加されている。
【0038】
具体的には、転写側クリーナユニット21は、図5に示すように、クリーナブレード22を支持しつつ中間転写ベルト16表面に接離させるように動作するブレード支持部材61と、シール部材23を支持しつつ中間転写ベルト16表面に接離させるように動作するシール支持部材62と、中間転写ベルト16の表面から除去された残留トナーの回収空間を画成するクリーナハウジング63と、を備えて構成されており、これら各種部材61〜63は、転写ローラ17から離隔する側のバックアップローラ53に巻き掛けられている中間転写ベルト16に対面するように設置されているパッチセンサ27よりもその中間転写ベルト16の回転方向に対して下流側に配設されている。
【0039】
ブレード支持部材61は、先端部が自由に揺動できるようにクリーナブレード22の基端側を固設されて支持しており、そのクリーナブレード22の先端角部22aを中間転写ベルト16の表面に当接または離隔させる方向に回動させるように不図示の回動軸に軸支されている。このクリーナブレード22は、バックアップローラ53に巻き掛けられている中間転写ベルト16の図5中最左端面よりも下側の表面に対して、先端角部22aがその回転に対して突き当たる姿勢で摺接することにより、その中間転写ベルト16表面の残留トナーを掻き取る際に撒き上げてトナークラウドを発生させる。
【0040】
シール支持部材62は、同様に、先端側が自由に揺動できるようにシール部材23の基端側を貼付されて支持しており、ブレード支持部材61と同様に、そのシール部材23の先端側をバックアップローラ53に巻き掛けられている中間転写ベルト16の図5中最左端面付近から下側の表面にその回転に対して倣う姿勢で当接または離間させる方向に回動させるように不図示の回動軸に軸支されている。
【0041】
クリーナハウジング63は、中間転写ベルト16表面からクリーナブレード22により掻き取られた残留トナーが零れ落ちる側に配設されてその残留トナーの回収空間を画成するように作製されており、そのクリーナブレード22を支持するブレード支持部材61や、シール部材23を支持するシール支持部材62との間に、例えば、弾性変形するスポンジ材料などが介装されることにより、これらの回動動作に拘わらずに回収したトナーが漏れてしまう隙間が埋められている。すなわち、このブレード支持部材61とシール支持部材62は、クリーナハウジング63を画成するハウジング画成部材63aの一部を構成している。なお、このクリーナハウジング63の下部には、回収空間が回収したトナーにより一杯になって溢れてしまわないように、予め設定されているタイミングにスクリュー回転することにより回収したトナーを不図示のタンク内などに搬送する搬送スクリューが配置されている。
【0042】
そして、この転写側クリーナユニット21では、シール部材23を支持しつつクリーナハウジング63を画成するシール支持部材(ハウジング画成部材)62は、例えば、板金などの導電性材料により作製されているとともに、そのシール部材23は、導電性ポリエチレン材料をフィルム状に成形することにより作製されている。これにより、シール支持部材62は、ブレード支持部材61のクリーナブレード22と共に回動動作して中間転写ベルト16表面にシール部材23を当接させて摺接させる際には、そのシール部材23が中間転写ベルト16の電極部16dの全周に亘って摺接して導通接触することにより、その中間転写ベルト16と同様のプラス電圧が印加されて略同電位になる。
【0043】
ここで、クリーナブレード22は、図6に示すように、中間転写ベルト16の表面に先端角部22aをその表面の回転方向に突き当たる姿勢で摺接させていることから、その先端角部22aが互いの摩擦力で後退されることにより短縮した後に伸長することにより前進する挙動、所謂、スティックスリップを繰り返しており、そのスティックスリップにより中間転写ベルト16表面に付着する残留トナーを掻き飛ばす(撒き上げる)ことによって、クリーナハウジング63内にトナーが浮遊している状態のトナークラウドが発生する。このため、クリーナブレード22により掻き飛ばされたトナーは、その先端面である掻取面22bに対向する方向、すなわち、先端角部22aが摺接する位置における中間転写ベルト16表面の接線T方向に飛翔することになり、そのトナーは、その中間転写ベルト16表面と先端角部22a側の側面22cとの間の挟角である、所謂、クリーナ角αをその接線Tの外側(中間転写ベルト16表面から離隔する側)に加えた範囲内に主に飛翔する。
【0044】
なお、このシール支持部材62の通気穴65は、ここでは、近傍のシール部材23が中間転写ベルト16の表面に近接していることから、接線Tの外側にクリーナ角αを加えた範囲に開口するように設定されているが、これに限るものではなく、その構造に応じて設定すれば良く、例えば、その接線Tからクリーナ角α分だけ内側に減らした範囲で開口させる場合もあり、また、その接線Tの外側と内側にクリーナ角α分だけ加減した範囲で開口させることができる場合には、その方が確実にトナーの飛翔方向をカバーすることができて好ましいことは言うまでもない。
【0045】
このことから、シール支持部材62には、中間転写ベルト16の幅方向に延在する通気穴65が、その飛翔方向を少なくとも含む範囲(飛翔方向と交差する範囲)で開口するように設定されており、この通気穴65にクリーナハウジング63の外側で対向して対面する位置には、例えば、板金などの導電性材料により作製された対面部材(対向部材)66が設置されている。この対面部材66には、エンジン制御部46のCPU42がシール部材23を中間転写ベルト16表面に摺接させるタイミング期間中に、言い換えると、シール支持部材62の回動動作を維持する期間中に電源部28から中間転写ベルト16に供給するプラス電圧よりも高いプラス電圧を印加するように設計されている。
【0046】
このため、シール支持部材62と対面部材66との間では、その間に電位差が付与されることにより、浮遊するマイナス電位のトナーをその対面部材66側に吸引して吸着させる電界Eを発生させることができ、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面に摺接することにより撒き上がるトナークラウドの浮遊トナーをシール支持部材62の通気穴65を介してその対面部材66側に吸引・吸着させることにより強制的に落ち着かせることができる。すなわち、このシール支持部材62と対面部材66が電界発生手段を構成して、浮遊するトナーの移動を制限している。
【0047】
なお、この対面部材66側に吸着させたトナーは、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間するのと(シール支持部材62への電圧供給の遮断と)同時に、対面部材66への電源部28からの電圧印加が遮断されることによりクリーナハウジング63内に降下して回収される。
【0048】
これにより、転写側クリーナユニット21では、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面に摺接することにより撒き上がるトナークラウド(浮遊トナー)の飛翔方向に通気穴65が開口することによって、その浮遊トナーの進行を妨げることなく通過させることができ、その浮遊トナーは通気穴65を介して対面部材66に吸引・吸着させて回収することができる。この結果、クリーナハウジング63内で浮遊して滞留するトナークラウド(浮遊トナー)の量を減らすことができ、中間転写ベルト16表面からクリーナブレード22やシール部材23が離間したとしても、大量のトナークラウドの浮遊トナーがクリーナハウジング63から漏れ出てしまうことをなくすことができる。
【0049】
また、シール支持部材62には、通気穴65が開口していることから、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間させるために、クリーナハウジング63内の容積を減少させるようにそのシール支持部材62が回動したとしても、そのクリーナハウジング63内の空気を効果的に通過させて(逃がして)瞬間的で大きな圧力変動が発生することを回避することができ、その圧力変動による圧力上昇で中間転写ベルト16表面からシール部材23が離間した隙間から、クリーナハウジング63内の空気やトナークラウド(浮遊トナー)を噴出させてしまうことを回避することができる。
【0050】
ここで、中間転写ベルト16の表面近傍には、その表面の回転動作により空気が引き摺られて回転する気流が生じており、この気流の大部分はシール支持部材62の上面に流れる一方、その一部は中間転写ベルト16表面の残留トナーと共にシール部材23を押し上げるようにしてクリーナハウジング63内に進入することにより、従来には、クリーナハウジング63内の内圧を加圧傾向にしていた。しかるに、クリーナハウジング63を画成するシール部材62に通気穴65が開口していることから、このクリーナハウジング63内が加圧傾向になることを回避することができ、ブレード支持部材61やシール支持部材62の回動時に、クリーナブレード22やシール部材23と中間転写ベルト16表面との間の隙間から、クリーナハウジング63内の空気と共に大量のトナークラウド(浮遊トナー)が噴出してしまうことを回避することができる。
【0051】
したがって、クリーナハウジング63内のトナークラウドを効果的に捕集することができ、クリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面から離間しても、そのトナークラウドの浮遊トナーがクリーナハウジング63外に漏れ出てしまうことを制限することができる。
【0052】
このように本実施形態においては、中間転写ベルト16表面にクリーナブレード22が摺接することによりクリーナハウジング63内に発生するトナークラウドの浮遊トナーを、そのトナーの飛翔方向に位置するシール支持部材62の通気穴65を通過させて対面部材66に吸引吸着させて捕集することができる。また、シール支持部材62に通気穴65が開口することにより、クリーナハウジング63内に加圧状態になることを回避するとともに、そのシール支持部材62の回動動作によってクリーナハウジング63内に瞬間的な圧力変動が発生することを防止することができ、中間転写ベルト16表面からクリーナブレード22やシール部材23を離間させるためにブレード支持部材61やシール支持部材62を回動させる際に、クリーナハウジング63内のトナークラウドの浮遊トナーが大量に噴き出してしまうことを回避することができる。したがって、周囲の装置各部に浮遊トナーが付着して汚染してしまうことがなく、例えば、パッチセンサ27の検出部27aに付着することにより正確なトナー濃度が検出不能になることによって、また、中間転写ベルト16の画像形成領域に付着・残留して混色を発生させることによって、画像品質を低下させてしまったり、転写側クリーナユニット21の周囲に浮遊トナーが付着することによりメンテナンス作業を難しくしてしまうことを回避することができる。
【0053】
この本実施形態の第1の他の態様としては、本実施形態では、対面部材66に中間転写ベルト16よりも高いプラス電圧を供給することにより、通気穴65を通過する方向にマイナス電位のトナーを吸引吸着させる電界Eを発生するように設計しているが、これに限るものではなく、例えば、その対面部材66をアース接続してゼロ電位にすることにより逆向きの電界を発生させてもよい(以下で説明する他の実施期待においても同様)。この場合には、クリーナブレード22により掻き飛ばされてきたマイナス電位のトナーが、通気穴65を通過しないようにその移動を抑制してシール支持部材62側に吸引吸着させる電界を発生させることができ、このシール支持部材62に吸着させたトナーは、シール部材23が中間転写ベルト16表面から離間されるのと(シール支持部材62への電圧供給の遮断と)同時に、クリーナハウジング63内に降下して回収される。
【0054】
また、本実施形態の第2の他の態様としては、本実施形態では、対面部材66を配設して電界を発生させることによりマイナス電位のトナーを吸引吸着させるように設計しているが、例えば、その対面部材66を配設することなく、また、シール支持部材62に通気穴65を開口させることを省いた構成に設計しても良い(以下で説明する他の実施期待においても同様)。この場合には、中間転写ベルト16表面と同様にクリーナブレード22により掻き飛ばされてきたトナーをそのシール支持部材の下面に吸着させることができ、このシール支持部材の下面に吸着させたトナーは、シール部材23が中間転写ベルト16表面から離間されるのと(シール支持部材62への電圧供給の遮断と)同時に、クリーナハウジング63内に降下して回収される。
【0055】
次に、図7は本発明に係る画像形成装置の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態では、上述第1実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0056】
図7において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、シール支持部材62に対面する対面部材66がパッチセンサ27を支持するセンサ支持部材67に連設されており、そのセンサ支持部材67は、遮蔽板として機能するように、中間転写ベルト16側の端辺67aがその表面に近接する状態でその幅方向に延在している。
【0057】
これにより、中間転写ベルト16表面の回転動作により空気が引き摺られて生じる気流は、センサ支持部材67の端辺67aとの隙間から回り込むことになる。また、シール支持部材62の通気穴65とパッチセンサ27との間の中間転写ベルト16表面上の経路は、そのセンサ支持部材67の端辺67aにより狭められている。
【0058】
したがって、通気穴65から対面部材66側に流出したトナーは、パッチセンサ27の検出部27a側に進行しようとしても、そのセンサ支持部材67の端辺67aとの間の隙間には中間転写ベルト16表面に引き摺られた気流が進入することから、対面部材66に吸引吸着されたり、中間転写ベルト16表面に付着してクリーナハウジング63内でクリーナブレード22により掻き取られる。
【0059】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、パッチセンサ27のセンサ支持部材67に対面部材66を連設して安価に設置することができるとともに、クリーナハウジング63内のトナークラウドの浮遊トナーがシール支持部材62の通気穴65から漏れ出てきたとしても、そのセンサ支持部材67の端辺67aによりパッチセンサ27の検出部27aまで浮遊トナーが至ることを防止することができる。したがって、通気穴65から漏れてきたクリーナハウジング63内の浮遊トナーがパッチセンサ27の検出部27aに付着して汚染されてしまうことをより信頼性高く回避することができる。
【0060】
次に、図8は本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す図である。
図8において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、クリーナハウジング63内に浮遊するトナーが通過することを制限するとともにそのクリーナハウジング63の内外の空気が通過(通気)することを許容する通気フィルム材料(例えば、4フッ化エチレン樹脂多孔質膜の日東電工株式会社製のミクロテックス(登録商標))68が、シール支持部材62の通気穴65を閉止するように貼付されている。
【0061】
これにより、この転写側クリーナユニット21では、シール支持部材62に開口する通気穴65が通気フィルム材料68で閉止されていることから、クリーナハウジング63の内外の通気が妨げられることなく、そのクリーナハウジング63内に発生するトナークラウドの浮遊トナーがシール支持部材62と対面部材66との間の電界Eにより吸引されても通過することが制限されて捕捉される。
【0062】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、シール支持部材62の通気穴65による通気性を確保しつつ、その通気穴65を通過しようとする浮遊トナーを捕捉することができ、対面部材66との間から浮遊トナーが外部に漏れてしまうことを防止することができる。したがって、クリーナハウジング63内の浮遊トナーが外部に漏れることにより発生する画像品質の低下やメンテナンスの作業性低下などをより信頼性高く回避することができる。
【0063】
次に、図9は本発明に係る画像形成装置の第4実施形態を示す図である。
図9において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、上述第1実施形態におけるシール支持部材62に代えて、クリーナハウジング63の内部側に窪む傾斜形状に形成されたシール支持部材72が設置されており、その傾斜形状の底部に通気穴65が開口している。また、上述第1実施形態における対面部材66に代えて、このシール支持部材72の傾斜面形状に沿うように対面する窪み形状に形成された対面部材76が設置されている。
【0064】
ここで、上述第1実施形態などのシール支持部材62の通気穴65の内方における領域では、その通気穴65の縁部とその通気穴65に対面する対面部材66との間で電界Eが形成されていたことから、通気穴65の周囲で磁力線が密になって、言い換えると、その通気穴65の周縁側の電界強度が強くなって通気穴65を通過してきたトナーがその周縁側に吸引吸着される構成になっていた。
【0065】
しかるに、この転写側クリーナユニット21では、シール支持部材72の通気穴65の周縁の傾斜形状と対面部材76の窪み形状とが略平行に対面してその間に均等な電界強度となる電界Eを発生させることができる。また、この窪み形状の対面部材76は、シール支持部材62の通気穴65や傾斜形状の内部に位置することから、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間するのと(シール支持部材62への電圧供給の遮断と)同時に、電源部28からの電圧印加が遮断されて吸着したトナーをクリーナハウジング63内に回収する際には、そのトナーを通気穴65内に傾斜形状により効果的に案内して降下させることができ、そのシール支持部材72の上面に残すことなくクリーナハウジング63内に回収することができる。
【0066】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、シール支持部材72の通気穴65による通気性を確保しつつ、その通気穴65を通過させて対面部材76に吸引吸着させた浮遊トナーを効果的に回収することができ、対面部材76との間から浮遊トナーが外部に漏れてしまうことを防止することができる。したがって、クリーナハウジング63内の浮遊トナーが外部に漏れることにより発生する画像品質の低下やメンテナンスの作業性低下などをより信頼性高く回避することができる。
【0067】
次に、図10は本発明に係る画像形成装置の第5実施形態を示す図である。
図10において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、上述第1実施形態におけるシール支持部材62に代えて、通気穴65の開口していないシール支持部材82が設置されているとともに、上述第1実施形態における対面部材66に代えて、そのシール支持部材82のシール部材23から離隔する側の下方に位置するように対面部材86が設置されている。
【0068】
この対面部材86は、シール支持部材82の下面に平行な姿勢で近接対面することにより、クリーナハウジング63の内外の通気を許容する通気穴85を画成しているとともに、アース接続されてゼロ電位になるように設計されている。なお、ここでは、対面部材86をシール支持部材82と一体に動作するように取り付ける場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、シール支持部材82を対面部材86に対して別個に動作する部材として取り付けても良いことは言うまでもない。しかるに、後述するように、この対面部材86をシール支持部材82と一体に動作させた方が吸着させたトナーをクリーナハウジング63内に効果的に回収することができることから本実施形態のように構成する方が好適である。
【0069】
ここで、上述第1実施形態などのシール支持部材62の通気穴65の内方における領域では、通気穴65の縁部とその通気穴65に対面する対面部材66との間で電界Eが形成されていたことから、通気穴65の周囲で磁力線が密になって、言い換えると、その通気穴65の周縁側の電界強度が強くなって通気穴65を通過してきたトナーがその周縁側に吸引吸着される構成になっていた。
【0070】
しかるに、この転写側クリーナユニット21では、シール支持部材82と対面部材86との間に外部との通気性を確保する通気穴85が画成されているとともに、その間には、エンジン制御部46のCPU42に対面部材86に電圧を印加する制御を実行させることなく(電圧印加回路を必要とすることなく)、プラス電位のシール支持部材82の下面側にゼロ電位の対面部材86が位置することにより、そのシール支持部材82がマイナス電位のトナーを吸引して吸着させる電界Eが発生されている。また、このシール支持部材82は、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間させるように回動した姿勢では、対面部材86と共に通気穴65(シール支持部材82下面や対面部材86上面)がクリーナハウジング63内に向うように傾斜させることができる。
【0071】
これにより、転写側クリーナユニット21では、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間させるのと(シール支持部材82への電圧供給の遮断と)同時に、シール支持部材82下面に吸着されたトナーを対面部材86上面によりクリーナハウジング63内に効果的に案内して降下させることができ、その対面部材86の上面に残すことなく回収することができる。
【0072】
さらに、この転写側クリーナユニット21では、通気穴85が、中間転写ベルト16表面から掻き飛ばされてくるトナーの飛翔方向に対して屈曲する方向に開口しているので、そのトナーが通気穴85を突き抜けてしまうことがなく、所謂、ラビリンス効果により飛翔するトナーをシール支持部材82の下面側に吸引吸着させて捕捉回収することができる。
【0073】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、シール支持部材82と対面部材86との間の通気穴85により通気性を確保しつつ、その通気穴85内に進入してきた浮遊トナーをそのシール支持部材82に吸引吸着させることができ、その吸着させた浮遊トナーは簡易な構成により効果的に回収することができる。したがって、クリーナハウジング63内の浮遊トナーが外部に漏れることにより発生する画像品質の低下やメンテナンスの作業性低下などをより信頼性高く、また、安価に回避することができる。
【0074】
この本実施形態の他の態様としては、本実施形態では、対面部材86をアース接続してゼロ電位に設定することによりシール支持部材82との間に電界Eを形成するが、これに限るものではなく、上述実施形態と同様に、中間転写ベルト16よりも高いプラス電圧を対面部材86に供給してマイナス電位のトナーを吸引吸着させる電界を発生させるようにしても良い(以下で説明する他の実施形態においても同様)。この場合には、下側の対面部材86側にトナーが吸着されることになることから、本実施形態のように構成するのが好適である。また、対面部材86にマイナス電圧を供給して浮遊トナーを本実施形態と同様にシール支持部材82の下面側に吸引吸着させる電界Eを発生させることもでき、この場合には、本実施形態の構成よりも電界Eの強度を増強することができる一方、アース接続するだけの構成よりも簡易でないことから、都合に応じて選択すればよい。
【0075】
次に、図11は本発明に係る画像形成装置の第6実施形態を示す図である。
図11において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、上述第1実施形態におけるシール支持部材62と対面部材66に代えて、クリーナハウジング63の外部側に隆起する形状に形成されてその上部に通気穴95の開口するシール支持部材92が設置されている。
【0076】
このシール支持部材92は、シール部材23を支持する支持部92aと、そのシール部材23から通気穴95よりも離隔する後端部92bと、に分割されて一体に回動動作可能に組み立てられており、これらの支持部92aと後端部92bの隆起部92c、92dが通気穴95を介して対面するとともに、そのうちの後端部92bがアース接続されてゼロ電位になるように設計されている。なお、ここでは、シール支持部材92を一体に動作する支持部92aと後端部92bにより構成する場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、その支持部92aが回動動作する一方、後端部92bは不動の別個の部材として取り付けても良い。この場合には、シール部材23を中間転写ベルト16表面に摺接させるように支持部92aを回動させた姿勢の際に、その支持部92aの隆起部92cと後端部92bの隆起部92dが近接対面するように設置する。
【0077】
ここで、上述第1実施形態などのシール支持部材62の通気穴65の内方における領域では、通気穴65の縁部とその通気穴65に対面する対面部材66との間で電界Eが形成されていたことから、通気穴65の周囲で磁力線が密になって、言い換えると、その通気穴65の周縁側の電界強度が強くなって通気穴65を通過してきたトナーがその周縁側に吸引吸着される構成になっていた。
【0078】
しかるに、この転写側クリーナユニット21では、シール支持部材92の支持部92aと後端部92bの隆起部92c、92d間に外部との通気性を確保する通気穴95が画成されているとともに、その間には、エンジン制御部46のCPU42に後端部92bに電圧を印加する制御を実行させることなく(電圧印加回路を必要とすることなく)、それぞれの隆起部92c、92dを対面させるように、プラス電位の支持部92aに対してゼロ電位の後端部92bが位置することにより、その支持部92aの隆起部92cがマイナス電位のトナーを吸引して吸着させる電界Eが発生されている。また、このシール支持部材92の隆起部92c、92dは、上下方向に開口する通気穴95を画成するとともに、その上部側ほど接近して電界強度が増強されていることから、中間転写ベルト16表面から掻き飛ばされてきたトナーを通気穴95から流出させることなく、支持部92aの隆起部92cに吸引吸着させることができ、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間するのと(シール支持部材92の支持部92aへの電圧供給の遮断と)同時に、その支持部92aの隆起部92cの内面に吸着されたトナーをクリーナハウジング63内に降下させて回収することができる。
【0079】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、簡易な構成のシール支持部材92の支持部92aと後端部92bの隆起部92c、92dにより通気穴95を画成して通気性を確保しつつ、その通気穴95内に進入してきた浮遊トナーをその支持部92aの隆起部92cに吸引吸着させて効果的に回収することができる。したがって、クリーナハウジング63内の浮遊トナーが外部に漏れることにより発生する画像品質の低下やメンテナンスの作業性低下などをより信頼性高く、また、安価に回避することができる。
【0080】
また、上述実施形態の他の態様としては、上述実施形態では、中間転写ベルト16に供給するプラス電圧を利用してシール部材23を介してシール支持部材をプラス電位にする場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、シール部材を絶縁性を有するフィルム材料により作製するとともに、そのシール支持部材には別途アース接続したり、電圧印加するように設計して電界を発生させるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、上述実施形態では、中間転写ベルトを備える装置の場合を一例に説明するが、これに限るものではないことは言うまでもなく、トナーを担持する部材としてローラ形状の部材を備える構成の装置にも適用することができ、同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す透視正面図である。
【図2】その制御を説明する関係ブロック図である。
【図3】その中間転写ベルトの構造を説明する図であり、(a)はその電圧供給のための構造を示す一部断面構成図、(b)はその構造に対応する感光体ドラムの構造を示す断面構成図である。
【図4】その画像形成動作の同期を説明する中間転写ベルトの展開平面図である。
【図5】その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【図6】その中間転写ベルトからの残留トナーの掻き取りを説明する透視正面図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態を示す図であり、その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す図であり、その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す図であり、その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置の第5実施形態を示す図であり、その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置の第6実施形態を示す図であり、その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【図12】その従来技術を示す図であり、その転写側クリーナユニットの構成を示す透視正面図である。
【符号の説明】
【0083】
10……画像記録装置 11……レーザ光走査装置 12……感光体ドラム 12a……導電部 12b……感光体層 12c……絶縁部 13……帯電器 14……現像カートリッジ 14a……現像ローラ 15……現像ロータリーユニット 16……中間転写ベルト 16a……ベルト本体 16b……抵抗体層 16c……導電層 16d……電極部 16e……突片 17……転写ローラ 18……定着ローラ対 19……現像側クリーナユニット 19a、22……クリーナブレード 19b、23……シール部材 21……転写側クリーナユニット 22a……先端角部 22b……掻取面 26……排気ユニット 27……パッチセンサ 27a……検出部 28……電源部 29……近接センサ 30……用紙搬送装置 31……用紙カセット 32……ピックアップローラ 34……レジストローラ対 37……中間搬送ローラ対 38……給送ローラ対 39……排紙テーブル 40……制御ユニット 41……コントローラ部 42……CPU 46……エンジン制御部 51……電極ローラ 61……ブレード支持部材 62、72、82、92……シール支持部材 63……クリーナハウジング 63a……ハウジング画成部材 65、85、95……通気穴 66、76、86……対面部材 67……センサ支持部材 67a……端辺 68……通気フィルム材料 92a……支持部 92b……後端部 92c、92d……隆起部 E……電界 T……接線 α……クリーナ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく静電潜像を現像したトナー像を担持する第1担持体と、該第1担持体表面から一次転写されて受け取ったトナー像を記録媒体に二次転写する第2担持体と、これらの担持体毎に配設されて該担持体表面の残留トナーを回収するクリーナユニットと、を備えて、第1担持体表面のトナー像を第2担持体を介して記録媒体に転写して定着させることにより画像を形成する画像形成装置において、
第2担持体のクリーナユニットは、第2担持体表面の残留トナーを回収するクリーナハウジングと、第2担持体表面に摺接してトナー像の転写後に残留するトナーを掻き取り除去するクリーナブレードと、第2担持体表面に摺接してクリーナハウジングをクリーナブレードと共に閉塞空間として画成するシールと、を有して、クリーナブレードおよびシールが予め設定されているタイミングに第2担持体表面に離当接することにより該第2担持体表面のトナーを通過または回収するように動作して当該第2担持体表面に所望のトナー像を形成する画像形成装置であって、
クリーナハウジングを画成するハウジング画成部材に、該クリーナハウジングの内外を通気可能に連通させる通気穴が開口されて、該通気穴あるいは当該通気穴の近傍に、浮遊するトナーの移動を制限する電界を発生させる電界発生手段が配設されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記電界発生手段は、電位差を与えることにより電界を発生する対向部材を備えており、該対向部材間に、クリーナハウジング内に浮遊するトナーを通気穴を介して吸引する電界を発生させて吸着させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電界発生手段は、電位差を与えることにより電界を発生する対向部材を備えており、該対向部材間に、クリーナハウジング内に浮遊するトナーが通気穴を通過しようとするのを抑制する電界を発生させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2担持体表面のトナー像の濃度を検出するパッチセンサが該第2担持体表面の回転方向に対するクリーナハウジングの上流側に配設されており、
前記対向部材は、通気穴に隣接する位置にパッチセンサを支持する支持部材により構成することを特徴とする請求項1から第3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通気穴は、クリーナブレードの先端角部が第2担持体表面の回転方向に対して突き当たる姿勢で該第2担持体表面に摺接して当該第2担持体表面に付着するトナーを掻き取る際に、当該クリーナブレードの先端面の掻取面に対向する箇所に形成されていることを特徴とする請求項1から第4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−101989(P2007−101989A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293331(P2005−293331)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】