説明

画像形成装置

【課題】構成部品を最適な配置とすることにより、小型化を実現させた画像形成装置を提供する。
【解決手段】左側板14において、プロセスカートリッジ2の記録材搬送方向の下流部に、プロセスカートリッジ2の長手距離が狭くなる方向にZ曲げ部14aを設け、このZ曲げ部14aによって形成された段差によって凹領域14bを設ける。そして、定着装置を駆動する第2駆動手段K2を凹領域14bに配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する電子写真複写機、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来の画像形成装置101において、外装、給送トレイ等を取り除き、内部を露出させた概略斜視図である。図14は、画像形成装置101の概略上視図である。
【0003】
従来は、フラットな左側板114とフラットな右側板115が、露光手段支持板104、底板116、117等を挟み込んで枠体を構成していた(特許文献1参照)。
【0004】
また、一方の側板(従来例では右側板115)の外側に、駆動手段Kと、電源ユニットD1やDCコントラーラユニットD3などの電装部と、フォーマッタFとを配置していた。ここで、駆動手段Kは、給送手段、定着手段、感光ドラム等の被駆動体を駆動するものである。電源ユニットD1は電源を作るもので、DCコントラーラユニットD3はセンサ・アクチュエータの制御を行うものである。フォーマッタFは、パソコン等から送られてきたデータを、記録材に印刷する1ページ分の画像に変換するものである。
【特許文献1】特開平05−307280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の「駆動部」、「電装部」、「フォーマッタ部」の配置の方法だと、図14に示す距離Lが大きくなり、つまり、製品の幅が大きくなって、その結果、画像形成装置の設置スペースが大きくなってしまうことが懸念されていた。また、製品が大きくなると、それに伴って関連部品(例えば外装等)が大きくなるため、コストアップを招いてしまう。
【0006】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、構成部品を最適な配置とすることにより、小型化を実現させた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
装置本体の枠体を構成する一対の側板と、
少なくとも像担持体を有し、支持部により前記像担持体長手方向の両端部が前記一対の側板にそれぞれ支持される像担持体ユニットと、
前記像担持体上に形成されたトナー画像を記録材に転写する転写手段と、
未定着のトナー画像を記録材に定着させる定着手段と、
記録材を搬送する搬送手段と、
を備えた画像形成装置において、
前記一対の側板のうち少なくともいずれか一方の側板の一部領域には、前記一対の側板間の長さが前記支持部間の長さよりも小さくなるように装置本体内側に凹んだ凹部が設けられ、
前記凹部には、前記像担持体と前記転写手段と前記定着手段と前記搬送手段とのうち少なくともいずれかの駆動手段、又は、画像形成装置の電装部が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構成部品を最適な配置とすることにより、小型化を実現させた画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0010】
以下、本発明の実施例1について説明する。
【0011】
図1は、本実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。図2は、本実施例に係る画像形成装置の概略上面図である。図3〜5は、本実施例に係る画像形成装置の概略斜視図である。
【0012】
図1に示す画像形成装置本体1において、2は像担持体ユニットとしてのプロセスカートリッジ、2aは像担持体としての感光ドラム、2bは帯電ローラ、2cは現像スリーブ、2dはトナー容器、2e,2fはクリーニング手段である。また、3は露光手段としてのレーザー露光装置、5は転写手段としての転写ローラである。また、Pは給送トレイに積載された記録材、6は給送ローラ、7は記録材分離手段、8a,8bは搬送ローラ、9a,9bは搬送コロである。また、10は定着手段としての定着装置、11a,11b,11cは排出ローラ、12a,12b,12cは排出コロ、13は排出トレイである。ここで、給送ローラ6、搬送ローラ8a,8b、排出ローラ11a,11b,11cは、本発明に係る搬送手段を構成している。このうち感光ドラム2aと転写ローラ5とのニップへ記録材を給送する給送ローラ6、搬送ローラ8a,8bは、本発明に係る給送手段を構成している。
【0013】
以下、図1を用いて画像形成動作について説明する。
【0014】
感光ドラム2aは矢印A方向に回転し、高圧電源D2から給電される帯電ローラ2bによって一様に帯電される。後述するタイミングでレーザー光がレーザー露光装置3から発せられ、反射ミラー3aによって感光ドラム2aへ照射されることにより、感光ドラム2a上には静電潜像が形成される。トナー容器2dの中にはトナーが充填されており、現像スリーブ2cの回転に伴い、適量のトナーが適度の帯電を受けた後、感光ドラム2a上に供給される。現像スリーブ2c上のトナーは感光ドラム2aの静電潜像に付着し、静電潜像が現像されてトナー画像として可視化される。
【0015】
一方、給送ローラ6はタイミングをとって、給送トレイ上の記録材Pを1枚ずつ給送する。記録材分離手段7は給送ローラ6を押圧し、その表面の摩擦係数、接触角度、形状は記録材Pを1回の給送毎に最上層の1枚のみを送るように設定されている。
【0016】
給送ローラ6より給送された記録材Pは駆動回転している搬送ローラ8a,8bと、搬送ローラ8a,8bに従動回転している搬送コロ9a,9bのそれぞれのニップを通過し、感光ドラム2aと転写ローラ5のニップへ給送される。
【0017】
そして、可視化された感光ドラム2a上のトナー画像は転写ローラ5により記録材P上に転写される。転写されずに感光ドラム2a上に残った転写残トナーはクリーニングブレード2eにより廃トナー容器2fに収納される。そして、表面をクリーニングされた感光ドラム2aは繰り返し次の画像形成プロセスに入る。
【0018】
トナー画像を乗せた記録材Pは定着装置10によって加熱及び加圧を受け、未定着のトナー画像が記録材上に永久定着される。そして、画像が定着された記録材は定着装置10後方を経由して排出ローラ11a,11b,11cと排出コロ12a,12b,12cのニップを通過し、排出トレイ13上へ排出される。
【0019】
次に、本実施例のフレームの構成を図2〜図5を用いて説明する。
【0020】
プロセスカートリッジ2の両端には、一対の側板(左側板14と右側板15)が配置されていて、この2つの側板14,15がレーザー露光装置3を支持する露光手段支持板4と底板16,17等を挟み込むようにして画像形成装置の枠体が構成されている。ここで、露光手段支持板4は、本発明に係る露光手段支持部材を構成している。
【0021】
また、この両側板14,15の間には、プロセスカートリッジ2の他に定着装置10が配置されている。また、一方の側板としての左側板14上には、プロセスカートリッジ2の記録材搬送方向の下流部側に、Z曲げ部14aを有していて、このZ曲げ部14aによって形成された段差によって、凹部としての凹領域14bを有している。
【0022】
次に、本実施例の「駆動部」の配置方法を説明する。
【0023】
まず、本実施例の「駆動部」は、第1駆動手段K1と第2駆動手段K2に分割されている。第1駆動手段K1は、記録材搬送の上流部である給送ローラ6、搬送ローラ8a,8b、感光ドラム2a、転写ローラ5を駆動している。一方、第2駆動手段K2は、記録材搬送の下流部である定着装置10、排出ローラ11a,11b,11cを駆動している。
【0024】
第1駆動手段K1は、図2,図4で示すように、他方の側板としての右側板15側の被駆動部(給送ローラ6、搬送ローラ8a,8b、感光ドラム2a、転写ローラ5)近傍に配置されていて、不図示であるギア、モーター、ソレノイド等で構成されている。一方、第2駆動手段K2は、図2,図5で示すように、左側板14内の凹領域14bの被駆動部(定着装置10、排出ローラ11a,11b,11c)近傍に配置されていて、不図示であるギア、モーター等で構成されている。
【0025】
プロセスカートリッジ2をユーザーが無理なく画像形成装置本体1から着脱するために、左側板14と右側板15の間の距離が、プロセスカートリッジ2の長手方向の距離(以下、長手距離という)より大きく設定されるのが一般的である。ここで、プロセスカートリッジ2の長手距離は、感光ドラム2aの長手方向(軸方向)の距離ということもできる。
【0026】
本実施例では、ユーザーがプロセスカートリッジ2を着脱するのに必要な左側板14と右側板15の間の距離を保持しつつ、プロセスカートリッジ2の長手距離より狭くなる方向に(装置本体内側に向かって)、左側板14にZ曲げ部14aを施している。これにより、凹領域14bにおける左側板14と右側板15との間の距離は、プロセスカートリッジ2を左側板14,右側板15に支持する支持部21,22間の長さよりも小さくなっている。ここで、Z曲げ部14aは、プロセスカートリッジ2の記録材搬送方向の下流側に設けられている。
【0027】
その結果、このZ曲げ部14aによって形成された凹領域14bに第2駆動手段K2を配置することを製品の幅を維持しながら可能としている。
【0028】
なお、本実施例においては、図に示すように、側板の断面が略Z形状となるようにZ曲
げ部14aを構成しているが、Z曲げ部14aの形成方法は特に限定されるものではなく、曲げ加工や絞り加工により形成されるとよい。また、Z曲げ部14aの形状においても、断面が略Z形状に限定されるものでなく、左側板14に対して装置本体内側に凹んだ凹部が形成されるものであればよい。
【0029】
また、このプロセスカートリッジ2が記録材搬送方向下流側の定着装置10近傍でプロセスカートリッジ2の長手距離より狭くなることで、定着装置10と左側板14がオーバーラップする箇所が発生する場合もある。しかし、定着装置10は一般的にユーザーが頻繁に画像形成装置本体1から着脱するものではないので、左側板14に切欠き・絞り・穴等を設けることで、これを回避することが可能である。
【0030】
次に、本実施例の「電装部」及び「フォーマッタ」の配置方法を説明する。
【0031】
本実施例では「電装部」を低圧電源D1、高圧電源D2、DCコントローラD3の3つに分けている。
【0032】
低圧電源D1は、24V以下の低電圧を作っていて、モーター、ソレノイド、表示部、スキャナ、フォーマッタ、センサ類等を機能させているもので、図2,図4で示すように右側板15の定着装置10近傍に配置されている。つまり、従来例で存在していた駆動手段の一部が、対向側の左側板14側に移動したため、低圧電源D1が製品を幅狭化する方向へ移動することが可能となっている。
【0033】
高圧電源D2は、低圧電源D1の24V出力を昇圧して数kVの高電圧を作っていて、帯電ローラ2b、現像ローラ2c、転写ローラ5に画像形成のための電力を供給していて、図1で示すように給送トレイと搬送面の間に配置されている。DCコントローラD3は、ユニットの全てのセンサ・アクチュエータの制御を行うもので、図2,図4で示すように、右側板15側の第1駆動手段K1の上方に配置されている。
【0034】
フォーマッタFは、パソコン等から送られてきたデータを、記録材に印刷する1ページ分の画像に変換するための機能を有するもので、図2,図3に示すように右側板15側の低圧電源D1の横に配置されている。
【0035】
つまり、先に述べた低圧電源D1が製品を幅狭化する方向に移動したため、フォーマッタFもこれに伴い製品を幅狭化する方向へ移動することが可能となっている。すなわち、図2に示す距離Lが、従来例の場合よりも縮小することが可能となっている。
【0036】
以上説明したように、本実施例では、左側板のプロセスカートリッジの記録材搬送方向の下流部にZ曲げ形状を設けることと、このZ曲げ形状によって形成された凹領域に、「第2駆動手段」を配置している。これにより、「電装部」、「フォーマッタ」を製品の幅が狭くなる方向に配置することが可能となり、その結果、設置面積の小さい画像形成装置及び安価な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0037】
なお、本実施例においては、凹領域14bに第2駆動手段K2を配置しているが、これに限るものではない。すなわち、給送ローラ6、搬送ローラ8a,8b、感光ドラム2a、転写ローラ5、定着装置10、排出ローラ11a,11b,11cのうちいずれかの駆動手段又はその一部が設けられるものであってもよい。また、電装部又はその一部が設けられるものであってもよい。
【0038】
また、本実施例のプロセスカートリッジ2においては、感光ドラム2a、帯電ローラ2b、現像スリーブ2c、トナー容器2d、クリーニング手段2e,2fを一体として構成
しているが、これに限らず、少なくとも像担持体を有するものであればよい。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の実施例2を図6〜図9を用いて説明する。なお、上述した実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0040】
図6は、本実施例の画像形成装置の概略上面図である。図7〜9は、本実施例の画像形成装置の概略斜視図である。
【0041】
実施例1においては、一対の側板のうち左側板14において、Z曲げ部14aを有し、このZ曲げ部14aによって形成された段差によって凹領域14bを有するものであった。本実施例では、これに加えてさらに、他方の側板としての右側板15においても、左側板14と同様の構成としている。すなわち、右側板15上において、プロセスカートリッジ2の記録材搬送方向の下流部側に、Z曲げ部15aを有していて、このZ曲げ部15aによって形成された段差によって、凹部としての凹領域15bを有するものである。なお、Z曲げ部15aの構成は実施例1で説明したZ曲げ部14aの構成と同様である。
【0042】
次に、本実施例の「駆動部」の配置方法を説明する。
【0043】
本実施例においても実施例1同様、「駆動部」は、第1駆動手段K1と第2駆動手段K2に分割されている。第1駆動手段K1は、図6,図8で示すように、右側板15側の被駆動部(給送ローラ6、搬送ローラ8a,8b、感光ドラム2a、転写ローラ5)近傍に配置されていて、不図示であるギア、モーター、ソレノイド等で構成されている。一方、第2駆動手段K2は、図6,図9で示すように、左側板14内の凹領域14bの被駆動部(定着装置10、排出ローラ11a,11b,11c)近傍に配置されていて、不図示であるギア、モーター等で構成されている。
【0044】
プロセスカートリッジ2をユーザーが無理なく画像形成装置本体1から着脱するために、左側板14と右側板15の間の距離が、プロセスカートリッジ2の長手距離より大きく設定されるのが一般的である。
【0045】
本実施例では、ユーザーがプロセスカートリッジ2を着脱するのに必要な左側板14と右側板15の間の距離を保持しつつ、プロセスカートリッジ2の長手距離より狭くなる方向に、左側板14と右側板15のそれぞれに、Z曲げ部14a,15aを施している。
【0046】
その結果、このZ曲げ部14aによって形成された凹領域14bに第2駆動手段K2を配置することを製品の幅を維持しながら可能としている。
【0047】
また、このプロセスカートリッジ2が記録材搬送方向下流側の定着装置10近傍でプロセスカートリッジ2の長手距離より狭くなることで、定着装置10と左側板14,右側板15がオーバーラップする箇所が発生する場合もある。しかし、定着装置10は一般的にユーザーが頻繁に画像形成装置本体1から着脱するものではないので、左側板14及び右側板15に切欠き・絞り・穴等を設けることで、これを回避することが可能である。
【0048】
次に、本実施例の「電装部」及び「フォーマッタ」の配置方法を説明する。
【0049】
本実施例においても、「電装部」を低圧電源D1、高圧電源D2、DCコントローラD3の3つに分けている。それぞれの機能説明は実施例1と同様なので、ここでは省略する。
【0050】
低圧電源D1は、図6,図8で示すように右側板15のZ曲げ部15aによって形成された凹領域15bに配置されている。つまり、従来例で存在していた駆動手段の一部が、対向側の左側板14側に移動したことと、右側板15に凹領域15bを形成したことで、低圧電源D1が製品を幅狭化する方向へ移動することが可能となっている。また、高圧電源D2は、図1で示すように給送トレイと搬送面の間に配置されている。
【0051】
また、DCコントローラD3は、図6,図8で示すように、右側板15側の第1駆動手段K1の上方に配置されている。また、フォーマッタFは、図6,図7に示すように右側板15側の低圧電源D1の横に配置されている。つまり、先に述べた低圧電源D1が製品を幅狭化する方向に移動したため、フォーマッタFもこれに伴い製品を幅狭化する方向へ移動することが可能となっている。すなわち、図6の距離Lが、従来例の場合よりも縮小することが可能となっている。
【0052】
以上説明したように、本実施例では、左側板及び右側板のプロセスカートリッジの記録材搬送方向の下流部にZ曲げ形状を設けている。さらに、このZ曲げ形状によって形成された凹領域の一方に、「第2駆動手段」を配置し、他方に、「電装部」の一部を配置している。これにより、「電装部」、「フォーマッタ」を製品の幅が狭くなる方向に配置することが可能となり、その結果、設置面積の小さい画像形成装置及び安価な画像形成装置を提供することが可能となる。
【実施例3】
【0053】
次に、本発明の実施例3を図10〜図12を用いて説明する。なお、上述した実施例1,2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0054】
図10は、本実施例の画像形成装置の概略上面図である。図11,12は、本実施例の画像形成装置の概略斜視図である。
【0055】
本実施例においては、実施例2同様、左側板14及び右側板15に、Z曲げ部14a,15aを有し、このZ曲げ部14a,15aによって形成された段差によって凹領域14b,15bを有している。
【0056】
さらに、本実施例においては、露光手段支持板4が、左側板14及び右側板15の露光手段固定部でビスにて締結され固定されている。
【0057】
露光手段固定部は、左側板14においては、左側板14本体の一部である面Xと、Z曲げ部14aによって形成された凹領域14bの一部である面Yにより構成されている。ここで、面X,Yは図において斜線で示している。また、右側板15においては、右側板15本体の一部である面Zと、Z曲げ部15aによって形成された凹領域15bの一部である面Wにより構成されている。ここで、面Z,Wは図において斜線で示している。
【0058】
露光手段支持板4は、これら面X,Y,Z,Wの計4面(4箇所)にビスにて締結され固定されている。
【0059】
一般的に、Z曲げ形状を形成するにあたり、面Xと面Yの平行度及び面Zと面Wの平行度の管理を厳しくする必要があるが、本実施例では、露光手段支持板4の面X,Y,Z,Wに合致する面のそれぞれの平行度のみを管理すればよい。つまり、左側板14、右側板15の面X,Y,Z,Wが、高精度で管理された露光手段支持板4にならって締結されることで、枠体全体の精度も高くなり、その結果、画質・印字精度の品質向上に寄与することが可能になる。
【0060】
次に、本実施例の「駆動部」の配置方法を説明する。
【0061】
本実施例においても実施例1,2同様、「駆動部」は、第1駆動手段K1と第2駆動手段K2に分割されている。第1駆動手段K1は、図10で示すように、右側板15側の被駆動部(給送ローラ6、搬送ローラ8a,8b、感光ドラム2a、転写ローラ5)近傍に配置されていて、不図示であるギア、モーター、ソレノイド等で構成されている。一方、第2駆動手段K2は、図10,図12で示すように、左側板14内の凹領域14bの被駆動部(定着装置10、排出ローラ11a,11b,11c)近傍に配置されていて、不図示であるギア、モーター等で構成されている。
【0062】
プロセスカートリッジ2をユーザーが無理なく画像形成装置本体1から着脱するために、左側板14と右側板15の間の距離が、プロセスカートリッジ2の長手距離より大きく設定されるのが一般的である。
【0063】
本実施例では、ユーザーがプロセスカートリッジ2を着脱するのに必要な左側板14と右側板15の間の距離を保持しつつ、プロセスカートリッジ2の長手距離より狭くなる方向に、左側板14と右側板15のそれぞれに、Z曲げ部14a,15aを施している。
【0064】
その結果、このZ曲げ部14aによって形成された凹領域14bに第2駆動手段K2を配置することを製品の幅を維持しながら可能としている。
【0065】
また、このプロセスカートリッジ2が記録材搬送方向下流側の定着装置10近傍でプロセスカートリッジ2の長手距離より狭くなることで、定着装置10と左側板14,右側板15がオーバーラップする箇所が発生する場合もある。しかし、定着装置10は一般的にユーザーが頻繁に画像形成装置本体1から着脱するものではないので、左側板14及び右側板15に切欠き・絞り・穴等を設けることで、これを回避することが可能である。
【0066】
次に、本実施例の「電装部」及び「フォーマッタ」の配置方法を説明する。
【0067】
本実施例においても、「電装部」を低圧電源D1、高圧電源D2、DCコントローラD3の3つに分けている。それぞれの機能説明は実施例1と同様なので、ここでは省略する。
【0068】
低圧電源D1は、図10で示すように右側板15のZ曲げ部15aによって形成された凹領域15bに配置されている。つまり、従来例で存在していた駆動手段の一部が、対向側の左側板14側に移動したことと、右側板15に凹領域15bを形成したことで、低圧電源D1が製品を幅狭化する方向へ移動することが可能となっている。また、高圧電源D2は、図1で示すように給送トレイと搬送面の間に配置されている。
【0069】
また、DCコントローラD3は、図10で示すように、右側板15側の第1駆動手段K1の上方に配置されている。また、フォーマッタFは、図10,図11に示すように右側板15側の低圧電源D1の横に配置されている。つまり、先に述べた低圧電源D1が製品を幅狭化する方向に移動したため、フォーマッタFもこれに伴い製品を幅狭化する方向へ移動することが可能となっている。すなわち、図10の距離Lが、従来例の場合よりも縮小することが可能となっている。
【0070】
以上説明したように、本実施例では、左側板及び右側板のプロセスカートリッジの記録材搬送方向の下流部にZ曲げ形状を設けている。さらに、このZ曲げ形状によって形成された凹領域の一方に、「第2駆動手段」を配置し、他方に、「電装部」の一部を配置している。これにより、「電装部」、「フォーマッタ」を製品の幅が狭くなる方向に配置する
ことが可能となり、その結果、設置面積の小さい画像形成装置及び安価な画像形成装置を提供することが可能となる。さらに、左側板と右側板のZ曲げ形状で形成された4つ面のそれぞれを露光手段支持板に締結させることで、精度の高い枠体を作ることが可能となり、その結果、画質・印字精度が高品質な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0071】
なお、上述した実施例1のような、一対の側板のうち左側板14のみに凹領域14bを有する場合であっても、露光手段支持板4を左側板14に固定する場合には、本実施例の固定方法を良好に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例1の画像形成装置の概略断面図。
【図2】実施例1の画像形成装置の概略上面図。
【図3】実施例1の画像形成装置の概略斜視図。
【図4】実施例1の画像形成装置の概略斜視図。
【図5】実施例1の画像形成装置の概略斜視図。
【図6】実施例2の画像形成装置の概略上面図。
【図7】実施例2の画像形成装置の概略斜視図。
【図8】実施例2の画像形成装置の概略斜視図。
【図9】実施例2の画像形成装置の概略斜視図。
【図10】実施例3の画像形成装置の概略上面図。
【図11】実施例3の画像形成装置の概略斜視図。
【図12】実施例3の画像形成装置の概略斜視図。
【図13】従来の画像形成装置の概略斜視図。
【図14】従来の画像形成装置の概略上面図。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成装置本体
2 プロセスカートリッジ
3 露光装置
4 露光装置支持板
5 転写ローラ
6 給送ローラ
7 記録材分離手段
8a,8b 搬送ローラ
9a,9b 搬送コロ
10 定着装置
11a,11b,11c 排出ローラ
12a,12b,12c 排出コロ
13 排出トレイ
14 左側板
15 右側板
14a,15a Z曲げ部
14b,15b 凹領域
16,17 底板
P 記録材
K1 第1駆動手段
K2 第2駆動手段
D1 低圧電源
D2 高圧電源
D3 DCコントローラ
F フォーマッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の枠体を構成する一対の側板と、
少なくとも像担持体を有し、支持部により前記像担持体長手方向の両端部が前記一対の側板にそれぞれ支持される像担持体ユニットと、
前記像担持体上に形成されたトナー画像を記録材に転写する転写手段と、
未定着のトナー画像を記録材に定着させる定着手段と、
記録材を搬送する搬送手段と、
を備えた画像形成装置において、
前記一対の側板のうち少なくともいずれか一方の側板の一部領域には、前記一対の側板間の長さが前記支持部間の長さよりも小さくなるように装置本体内側に凹んだ凹部が設けられ、
前記凹部には、前記像担持体と前記転写手段と前記定着手段と前記搬送手段とのうち少なくともいずれかの駆動手段、又は、画像形成装置の電装部が配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記凹部が前記一方の側板にのみ設けられる構成において、
前記一対の側板のうち他方の側板には、前記搬送手段のうち前記像担持体及び前記転写手段のニップに記録材を給送する給送手段と、前記像担持体と、前記転写手段とを駆動する第1駆動手段が配置され、
前記一方の側板に設けられた凹部には、前記定着手段を駆動する第2駆動手段が配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記凹部がさらに前記他方の側板の一部領域に設けられる構成において、
前記他方の側板に設けられた凹部には、前記電装部が配置されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
前記一対の側板間に設けられ、前記露光手段を支持する露光手段支持部材と、
前記一対の側板にそれぞれ設けられ、前記露光手段支持部材を支持固定する露光手段固定部と、
を備え、
前記露光手段固定部は、少なくとも前記一方の側板本体と、前記一方の側板に設けられた凹部とにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図10】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−212561(P2007−212561A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29992(P2006−29992)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】