画像形成装置
【課題】入力情報によらずに一律に画像形成速度を低下させるものに比べて、ユーザに不便感を与えることなく、画像形成中の消費電力を低減することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、印刷速度を低下させて、印刷中の消費電力を下げる。一方、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が長くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、通常の印刷速度で行う。
【解決手段】画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、印刷速度を低下させて、印刷中の消費電力を下げる。一方、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が長くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、通常の印刷速度で行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を作像する作像手段と、前記記録媒体を作像手段へ搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドを主走査線方向に往復移動させて、記録媒体たる用紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。
近年、省エネルギに対する関心が高まりつつあり、製品の省電力が必須となってきている。画像形成装置が、休止状態など画像形成が行われていない状態では、使用していないモジュール群への電源供給を止めたり、制御部の動作クロック数を小さくしたりするなどして省電力化が行われている。例えば特許文献1には、制御部が処理する処理内容によって、節電状態で処理を行うか通常状態に復帰して処理を行うかを判断する画像形成装置が記載されている。処理内容が装置情報の問い合わせなどの短時間で完了する処理の際、制御部は、節電状態から完全に復帰せずに応じることで、節電状態を保持することができ、消費電力の節約が可能となる。
【0003】
このように、画像形成が行われていない状態においては、装置の省電力化が図られている。一方、画像形成中における装置の省電力化は、ハードウェア構成によってその消費電力が決まってしまうため、画像形成中の省電力化を図ることは容易ではない。すなわち、画像形成中の省電力化のためにハードウェアの構成を替えてしまうと、装置が仕様を満たさなくなるため、ハードウェアの構成を替えずに画像形成中の消電力化を図ろうとすると、画像形成速度を下げるなどその態様は限られてしまうからである。
記録媒体である用紙の搬送速度や、作像速度を下げて、画像形成速度を下げると、用紙を搬送する搬送手段である搬送ベルトを駆動させる搬送モータの消費電力や、作像手段たる記録ヘッドを主走査線方向へ往復移動させる主走査モータの消費電力を低減させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−131991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、片面/両面印刷などの設定条件、印刷枚数、画像データなどの画像を形成するときに装置に入力される入力情報によって、ジョブ終了までにかかる時間が異なる場合があり、ユーザに不便感を与えてしまうという問題があった。すなわち、例えば、画像形成枚数が1枚など、10秒程度でジョブが終了する入力情報のとき、画像形成速度を省電力化のために例えば50%落としたとしても、5秒程度の遅れですみ、ユーザに対してあまり不便感を与えない。一方、画像形成枚数が多いなど10分でジョブが終了する入力情報のとき、50%画像形成速度を落としてしまうと、5分も遅れてしまい、画像形成速度を下げた場合と、下げていない場合とで、画像形成終了時間が大きく異なってしまう。その結果、連続画像形成枚数の多いなど画像形成終了までの時間が長くなる入力情報の場合は、省電力化のために画像形成速度を下げてしまうと、ユーザに不便感を与えてしまうという問題である。
【0006】
なお、記録ヘッドを主走査線方向に往復移動させて、用紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に限られない。例えば、帯電させた感光体にレーザー光などを照射しトナーを付着させ、用紙に転写した上で熱や圧力をかけて固定することで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置においても、上述と同様な問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、入力情報によらずに一律に画像形成速度を低下させるものに比べて、ユーザに不便感を与えることなく、画像形成中の消費電力を低減することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録媒体に画像を作像する作像手段と、前記記録媒体を前記作像手段へ搬送する搬送手段とを備え、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間を変動させうる入力情報に基づいて画像形成を行う画像形成装置において、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなるか否かを前記入力情報に基づき判断し、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの画像形成速度を、所定値よりも長くなると判断したときの画像形成速度よりも遅くする制御を行う画像形成速度制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記画像形成速度制御手段を、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値より短くなると判断したときの前記作像手段の作像速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う作像速度制御手段と、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの前記搬送手段の前記記録媒体の搬送速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う搬送速度制御手段とで構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記入力情報が、連続して画像形成を行う記録媒体の枚数の情報であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、片面に画像が記録された記録媒体を反転させて、再度前記記録媒体を搬送手段へ供給する記録媒体反転手段を備えており、前記入力情報が、片面/両面の設定情報であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記入力情報に基づく画像形成速度制御を行うか否かを選択可能にしたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記作像手段は、主走査線方向に往復移動して、前記搬送手段によって副走査線方向に搬送されてきた記録媒体にインクを吐出して画像を形成する記録ヘッドであって、前記画像形成速度制御手段は、前記記録ヘッドの主走査線方向の往復移動の速度を制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記入力情報が、画像データであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至7の発明によれば、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短いと入力情報に基づいて判断されたとき、画像形成速度を所定値よりも長いと判断されたときよりも画像形成速度を遅くする。これにより、画像形成中に駆動する各モータの消費電力を抑えて、画像形成中の消費電力を低減することができる。また、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも長いと入力情報に基づいて判断されたときは、画像形成速度を遅くしない。これにより、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が長くなり、画像形成速度を低下させた場合にユーザが不便さを感じるおそれのある入力情報に基づいて画像を形成するときは、通常の画像形成速度で画像が形成される。これにより、入力情報によらずに一律に画像形成速度を低下させるものに比べて、ユーザに不便感を与えることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された記録媒体たる用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0011】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
【0012】
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
【0013】
次に、このインクジェット記録装置の内部構成の概要及び機構部について図2ないし図5を参照して説明する。なお、図2は同内部構成の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく平面模式的説明図、図4は同機構部の全体構成を説明する側面概略構成図、図5は同機構部の要部平面説明図である。
【0014】
図4及び図5を参照して、フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ201(図3)によってタイミングベルト202を介して図5で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0015】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる作像手段たる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0016】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
【0017】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填部4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
【0018】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0019】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0020】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0021】
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0022】
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド34側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
この搬送ベルト51は、副走査モータ205(図3参照)によって駆動ベルト204を介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図5のベルト搬送方向に周回移動する。
【0023】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0024】
また、装置本体1の背面部には記録媒体反転手段たる両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0025】
さらに、図5に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
【0026】
また、図5に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0027】
さらに、図2及び図3に示すように、装置本体1の内部後方側にはホストとの間でデータを送受するためのUSBなどの通信回路部(インタフェース)101が設けられるとともに、この画像形成装置全体の制御を司る制御部を構成する制御回路基板102が設けられている。
【0028】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド部材47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0029】
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0030】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0031】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0032】
この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部300は、この画像形成装置全体の制御を司る、回復動作を制御する手段などを兼ねたマイクロコンピュータで構成した主制御部301を備えている。また、主制御部301は、作像手段たる記録ヘッド34の移動速度を制御して作像速度を制御する作像速度制御手段および搬送手段たる搬送ベルト51の速度を制御して、用紙搬送速度を制御する搬送速度制御手段なども兼ねている。すなわち、主制御部301は、画像形成速度制御手段としての機能を有しているのである。また、制御部300は、印刷制御を司るマイクロコンピュータで構成した印刷制御部302とを備えている。
そして、主制御部301は、通信回路101から入力される画像データ、印刷枚数、片面/両面設定などの設定条件などの入力情報に基づいて用紙42に画像を形成するために、前述したように、主走査モータ201や副走査モータ205を主走査モータ駆動回路303及び副走査モータ駆動回路304を介して駆動制御して、画像作像速度や用紙搬送速度を制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行なう。
【0033】
また、主制御部301には、キャリッジ33の位置を検出するキャリッジ位置検出回路305からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいてキャリッジ33の移動位置及び移動速度を制御することで、記録ヘッド34の移動位置及び移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路305は、例えばキャリッジ33の走査方向に配置されたエンコーダシートのスリット数を、キャリッジ33に搭載されたフォトセンサで読み取って計数することで、キャリッジ33の位置を検出する。主走査モータ駆動回路303は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じて主走査モータ201を回転駆動させて、キャリッジ33を所定の位置に所定の速度で移動させる。
【0034】
また、主制御部301には搬送ベルト51の移動量を検出する搬送量検出回路306からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいて搬送ベルト51の移動量及び移動速度を制御する。搬送量検出回路306は、例えば搬送ローラ52の回転軸に取り付けられた回転エンコーダシートのスリット数を、フォトセンサで読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路304は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータ205を回転駆動させて、搬送ローラ52を回転駆動して搬送ベルト51を所定の位置に所定の速度で移動させる。
【0035】
主制御部301は、給紙コロ駆動回路307に給紙コロ駆動指令を与えることによって給紙コロ43を一回転させる。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路308を介してモータ191を回転駆動することにより、キャップ82の昇降、ワイパーブレード83の昇降を行なわせる。
主制御部301は、インク供給モータ駆動回路311を介して供給ポンプユニット24のポンプを駆動するためのインク供給モータを駆動制御し、カートリッジ装填部4に装填されたインクカートリッジ10からサブタンク35に対してインクを補充供給する。
【0036】
主制御部301には、サブタンク35が満タン状態にあることを検知するサブタンク満タンセンサ312からの検知信号、カートリッジ装填部4の前カバー6の開閉を検知するカートリッジカバーセンサ313からの検知信号などが入力される。
また、主制御部301は、カートリッジ通信回路314を通じて、カートリッジ装填部4に装着された各インクカートリッジ10に設けられる記憶手段である不揮発性メモリ115k、115c、115m、115yに記憶されている情報を取り込んで、所要の処理を行なって、本体記憶手段である不揮発性メモリ(例えばEEPROM)315に格納保持する。
【0037】
印刷制御部302は、主制御部301からの信号とキャリッジ位置検出回路305及び搬送量検出回路306などからのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、記録ヘッド34の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成して、ヘッド駆動回路310に与える。
【0038】
ヘッド駆動回路310は、印刷制御部302からの画像データたる印刷データに基づいて記録ヘッド34の圧力発生手段(ピエゾ型ヘッドであれば圧電素子)を駆動して、所要のノズルから液滴を吐出させる。
【0039】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
近年、画像形成装置の省電力化が求められているが、印刷中(画像形成中)の消費電力はハードウェア構成によって決定してしまう要素が強く、部品決定後に省電力化するとなると、容易ではなく印刷速度(画像形成速度)を下げるなどその態様は限られてしまう。
ユーザにとって、印刷(画像形成)を開始してから終了するまでの全体印刷時間(画像形成時間)が短ければ短いほど望ましいが、元々、全体印刷時間が短い場合は、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度の低下により、全体印刷時間が少々長くなっても、ユーザはあまり不便に感じることはない。例えば、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を低下させて、通常の全体印刷時間よりも50%長くなったとき、通常時の全体印刷時間が10分かかる場合は5分延長され、通常時の全体印刷時間が10秒かかる場合は5秒延長されることとなる。このように、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度の低下によって5分延長されるのと、5秒延長されるのとではユーザの感じ方は異なる。
そして、このような全体印刷時間は、印刷時に入力される画像データ、印刷枚数、片面/両面などの入力情報によって、ユーザの利便性を損なう度合いが異なってくる。
そこで、本実施形態の画像形成装置は、印刷時(画像形成時)に入力される全体印刷時間が変動する入力情報に基づいて、記録ヘッド34の移動速度(主走査方向)、用紙42の搬送速度(副走査方向)を制御して、印刷速度(画像形成速度)を印刷時に入力される入力情報に応じて変更させている。すなわち、ユーザの利便性を損なう度合いが大きく、ユーザに不便感を与えるおそれのある全体印刷時間が所定値よりも長くなるような入力情報が入力されたときは、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を低下させずに、通常の印刷速度で印刷を行う。一方、印刷時にユーザの利便性を損なう度合いが小さく、ユーザに不便感を与えるおそれの少ない全体印刷時間が所定値よりも短くなるような入力情報が入力されたときは、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を低下させて主走査モータ、副走査モータ205の回転速度を低下させる。これにより、ユーザに不便感を与えずに消費電力を低下させることが可能である。また、速度低下に伴い、印刷中の騒音レベルを抑えることも期待できる。
【0040】
図7は、本実施形態の特徴点を示した制御フローである。
一般的に、画像形成装置は、パソコンなどの情報機器やフラッシュメモリなどの記憶媒体などを介して、印刷データ、印刷部数、片面印刷/両面印刷モードなど情報が入力情報として入力される。印刷部数、片面印刷/両面印刷モードなどの入力情報は、ユーザの使用目的に応じて適宜設定できる。ユーザが印刷する前には、まず必要に応じて印刷部数、片面印刷/両面印刷モードなどの印刷設定を行う(S101)。この印刷設定には予め初期値が設定されているのが通常であり、変更の必要がある場合のみ設定される。次に、設定された印刷設定および印刷データなどの入力情報が、後述する減速条件(全体印刷時間が所定値よりも短い)と一致していれば(S102)、主制御部301は、記録ヘッド34の移動速度(主走査方向)、用紙42の搬送速度(副走査方向)を減速設定にする(S103)。記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度の減速は、どちらか一方だけでもよく、また両方でもよい。また、このような減速設定をユーザが印刷設定と同じように、任意に選択できるようにしてもよい。このように、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を減速させる結果、全体印刷時間は通常速度設定よりも長くなる。しかし、減速設定される減速条件は、全体印刷時間が短くなる入力情報であるので、ユーザに不便感を与えるほど、全体印刷時間が通常速度設定から大きく異なることがない。主走査方向、副走査方向の速度が決定した後は、主制御部301は、主走査モータ201を制御して、画像形成速度を制御するとともに、副走査モータ205を制御して用紙搬送速度を制御して、減速設定された速度で印刷を行う(S104)。
【0041】
次に、本実施形態の特徴点の具体的な態様について、実施例1〜3に基づいて具体的に説明する。
【0042】
[実施例1]
実施例1は、印刷時に入力される入力情報として、印刷データ(画像データ)に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御するものである。
ユーザが画像形成装置に入力した印刷データ量によって印刷時間は異なる。印刷データ量が少ない場合は、記録ヘッド34が往復移動する回数が少なくなり、また、1行の記録時間も短い。よって、印刷データ量が少ないものは、全体印刷時間は短い。従って、記録ヘッド34の移動速度(作像速度)および用紙42の搬送速度を減速設定にしても、通常設定時の全体印刷時間から大幅に延長されることはない。一方、印刷データ量が多い場合は、記録ヘッド34は、何度も往復移動するとともに、1行の記録時間も長くなる。その結果、印刷データ量が多いものは、全体印刷時間は長くなる。従って、記録ヘッド34の移動速度(作像速度)を減速設定した場合、減速設定したことによる遅れが積み重なって、通常設定時の全体印刷時間から大幅に延長されてしまう。よって、実施例1は、印刷データ量が所定値(閾値)より多い場合は、作像速度および搬送速度を通常の速度設定に制御して印刷を行い、印刷データ量が所定値(閾値)より少ない場合は、作像速度および搬送速度を減速設定に制御して印刷を行うものである。
【0043】
図8は、実施例1の制御フロー図である。
まず、主制御部301は、パソコンなどの情報機器やフラッシュメモリなどの記憶媒体などを介して、入力された印刷データ量がある閾値より少ないか否かをチェックする(S201)。印刷データ量がある閾値よりも多い場合は(S201のNO)、主制御部301は、通常の印刷速度設定で印刷を行う(S203)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度となるように、主走査モータ201の駆動を制御する。また、主制御部301は、搬送速度が通常速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御する。
一方、印刷データ量がある閾値よりも少ない場合は(S201のNO)、減速設定にして(S202)、印刷を行う(S203)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように主走査モータ201の駆動を制御して、記録ヘッド34の移動速度を低下させる。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御して、用紙の搬送速度を低下させる。
このとき、閾値は予め設定しておいてもよいし、ユーザが任意に設定または調整できるようにしておいてもよい。
【0044】
このように実施例1においては、全体印刷時間が短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いの低くて、ユーザに不便感を与えない印刷データ量少ないの場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させ、画像形成速度を低下させて印刷中の消費電力を低減することができる。一方、全体印刷時間が長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える印刷データ量多い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくすることができる。
【0045】
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
実施例2は、画像形成のときに入力される入力情報として、連続印刷枚数(部数×頁数)に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御するものである。
同じ印刷データであってもユーザが設定した印刷枚数(部数×頁数)が異なれば、印刷時間も異なってくる。連続印刷枚数(部数×頁数)の少なく全体印刷時間の短い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させても一枚分の遅れは数秒程度なのでユーザの利便性を損なう度合いの低く、ユーザに不便感を与えない。一方、連続印刷枚数(部数×頁数)が多く全体印刷時間の長い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させると、一枚分の数秒の遅れが積み重なっていき、通常設定時の全体印刷時間から大幅に延長されてしまう。よって、実施例2は、連続印刷枚数(部数×頁数)が所定値(閾値)よりも多い場合は、作像速度および搬送速度を通常の速度設定に制御して印刷を行い、連続印刷枚数が所定値(閾値)よりも少ない場合は、作像速度および搬送速度を減速設定に制御して印刷を行うものである。
【0046】
図8は、実施例2の制御フロー図である。
まず、パソコンなどでユーザが印刷部数を設定後(S301)、通信回路101から印刷部数が入力情報として入力される。主制御部301は、連続印刷枚数(頁数×部数)が設定した閾値よりも少ないか否かをチェックする(S302)。連続印刷枚数がある閾値よりも多い場合は(S302のNO)、主制御部301は、通常の印刷速度設定で印刷を行う(S304)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度となるように、主走査モータ201の駆動を制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御する。
一方、連続印刷枚数がある閾値よりも少ない場合は(S302のYES)、減速設定にして(S303)、印刷を行う(S304)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように主走査モータ201の駆動を制御して、記録ヘッド34の移動速度を低下させる。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御して、用紙の搬送速度を低下させる。
このときの閾値も実施例1同様、予め設定しておいてもよいし、ユーザが任意に設定または調整できるようにしておいてもよい。
【0047】
このように実施例2においては、全体印刷時間が短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いの低くて、ユーザに不便感を与えない連続印刷枚数の少ないの場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させ、画像形成速度を低下させて印刷中の消費電力を低減することができる。一方、全体印刷時間が長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える連続印刷枚数の多い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに通常の画像形成速度で印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくすることができる。
【0048】
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
実施例3は、入力情報として、ユーザが設定した片面/両面モードに基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御するものである。
両面印刷は、印字領域を通過させておもて面に画像が形成された用紙を逆方向で戻して記録媒体反転手段たる両面ユニット71で取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。そして、用紙の裏面に画像が形成される。このように、両面印刷の場合は、両面ユニット71に取り込んで、再度搬送するため、片面印刷でそれぞれ用紙に画像を印刷するものに比べて、全体印刷時間が長くなる。よって、実施例3は、両面印刷に比べて全体の印刷時間が短い片面印刷のときは、作像速度および用紙搬送速度を減速設定に制御して印刷を行い、片面印刷に比べて全体印刷時間が長い両面印刷のときは、作像速度および用紙搬送速度を通常の速度設定に制御して印刷を行うものである。
【0049】
図9は、実施例3の制御フロー図である。
パソコンなどでユーザが印刷面を設定後(S401)、通信回路101から印刷部数が入力情報として入力される。主制御部301は、片面印刷か否かをチェックする(S402)。両面印刷の場合は(S402のNO)、主制御部301は、通常の印刷速度設定で印刷を行う(S404)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度となるように、主走査モータ201の駆動を制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御する。
一方、片面印刷の場合は(S402のYES)、減速設定にして(S403)、印刷を行う(S304)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように主走査モータ201の駆動を制御して、記録ヘッド34の移動速度を低下させる。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御して、用紙の搬送速度を低下させる。
【0050】
このように実施例3においては、全体印刷時間が両面印刷よりも短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させて印刷速度(画像形成速度)を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低く、ユーザに不便感を与えない片面印刷の場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させ印刷速度を低下させて印刷中の消費電力を低減することができる。一方、全体印刷時間が片面印刷よりも長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させ印刷速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える両面印刷の場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくすることができる。
【0051】
また、上記実施例1〜3に示した減速条件を複数備え、より適切な条件で減速するようにすることも可能である。例えば、上記実施例3の両面印刷/片面印刷で、ユーザが片面印刷に設定していても、印刷データ量が多い場合は、画像形成速度および用紙搬送速度を減速設定とせずに、通常の速度設定で印刷を行う。また、印刷データ量が少なくても、連続印刷枚数(頁数×部数)が多い場合は、画像形成速度および用紙搬送速度を減速設定とせずに、通常の速度設定で印刷を行う。また、例えば、両面印刷の場合でも、印刷データ量が少ない場合は、通常の速度設定で印刷を行わずに、減速設定で行う。このように、複数の印刷条件に基づいて、通常速度設定/減速設定を行うことで、単一の印刷条件に基づいて通常速度設定/減速設定を行うものに比べて、全体印刷時間が長いのに減速設定で行われ、ユーザが利便性を損ねたと感じたり、逆に、全体印刷時間が短いのに通常速度設定で行われ、消費電力が低減されなかったりといった不具合を抑えることができる。
【0052】
また、ユーザによってはより短時間で印刷したい場合や、ユーザが予想した以上に印刷がかかってしまいユーザが不便と感じた場合などには、上記実施例1〜3に示した減速設定を行わないように設定できるようにしてもよい。
【0053】
図11は、実施例1〜3の処理の行うか否かの選択を行うときの制御フローである。
まず、実施例1〜3の処理を行う「省エネモード」と、実施例1〜3の処理を禁止する「速度優先モード」をパソコンでユーザが設定を行う(S501)。「速度優先モード」をユーザが設定した場合(S501のYES)、主制御部301は、禁止フラグを立てる(S503)。一方、「省エネモード」を選択した場合(S501のNO)、禁止フラグが立っているか否かをチェックして(S502)、立っている場合(S502のYES)、禁止フラグを倒して(S504)終了する。
【0054】
主制御部301は、印刷を開始するときに、禁止フラグがあるか否かをチェックして、禁止フラグがある場合は、実施例1〜3に示したような印刷条件に基づいて作像成速度および用紙搬送速度の制御を行わずに印刷を行う。これにより、元々印刷時間が短い印刷条件における印刷を「省エネモード」よりも短時間に行うことができる。一方、禁止フラグがない場合は、実施例1〜3に示したような印刷条件に基づいて画像形成速度および用紙搬送速度の制御を行い、印刷中の消費電力の低減化を行う。
【0055】
このように、「省エネモード」と「速度優先モード」とを任意に選択可能にすることで、ユーザの使用条件や好みに画像形成装置を設定することができ、利便性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0056】
また、上述では本発明を、記録ヘッド34を主走査線方向に往復移動させて、用紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に適用した例について説明したが、これに限られない。例えば、帯電させた感光体にレーザー光などを照射しトナーを付着させ、用紙に転写した上で熱や圧力をかけて固定することで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置にも適用することができる。この場合においても、例えば、連続印刷枚数(頁数×部数)の少ないなど、全体印刷時間が短くなる入力情報に基づいて画像形成する場合は、作像手段を構成する感光体や現像ローラの回転速度を減速させて作像速度を減速させて、感光体を回転駆動させる駆動モータや現像ローラを駆動させる駆動モータへの消費電力を低減させる。また、用紙を搬送する用紙搬送ローラなどの用紙搬送速度を減速させて搬送ローラを駆動させる駆動モータへの消費電力を低減させる。
一方、連続印刷枚数(頁数×部数)が多いなど、全体印刷時間が長くなる入力情報に基づいて画像形成を行う場合は、通常の作像速度および用紙搬送速度で印刷を行うことで、ユーザに不便感を与えることがない。
【0057】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、画像形成速度たる印刷速度を低下させても、利便性を低下させる度合いが低いので、画像形成速度制御手段たる主制御部301は、印刷速度を低下させて、印刷中の消費電力を下げる。これにより、印刷中の省電力化を図ることができる。また、速度低下に伴い、印刷中の騒音レベルを抑えることも期待できる。一方、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が長くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、印刷速度を低下させると、利便性を低下させる度合いが高いので、通常の印刷速度で行う。これにより、ユーザに不便感を与えることがない。
【0058】
また、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときには、主制御部は、作像手段たる記録ヘッド34の移動速度を低下させる制御して作像速度を低下させる、または、搬送手段たる搬送ベルト51の速度を低下させる制御を行う。これにより、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときに、印刷速度を低下させることができる。
【0059】
また、実施例2に示すように、入力情報として連続して画像形成を行う記録媒体の枚数(連続印刷枚数:部数×頁数)に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御することで、ユーザの利便性を損なわずに印刷中の消費電力を抑えることができる。すなわち、全体印刷時間が所定値より短く、画像形成速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低くて、ユーザに不便感を与えない連続印刷枚数が所定値(閾値)より少ないときは、主制御部301は、作像速度が低下するように作像速度を制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度が低下するように制御する。これにより、印刷中の消費電力を低減できる。一方、全体印刷時間が所定値よりも長く、画像形成速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える連続印刷枚数の所定値より多い場合は、主制御部301は、作像速度を通常の速度で制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度を通常の速度で制御する。これにより、ユーザに不便感を与えずに印刷が行える。
【0060】
また、実施例3に示すように、入力情報としての片面/両面印刷設定に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御することで、ユーザの利便性を損なわずに印刷中の消費電力を抑えることができる。すなわち、全体印刷時間が両面印刷よりも短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低く、ユーザに不便感を与えない片面印刷の場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させて印刷中の消費電力を低減する。一方、全体印刷時間が片面印刷よりも長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える両面印刷の場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくする。
【0061】
また、実施例1に示すように、入力情報として、画像データたる印刷データに基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御することで、ユーザの利便性を損なわずに印刷中の消費電力を抑えることができる。すなわち、全体印刷時間が短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低く、ユーザに不便感を与えない印刷データ量少ないの場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させて印刷中の消費電力を低減する。一方、全体印刷時間が長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える印刷データ量多い場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくする。
【0062】
また、印刷条件に基づく印刷速度制御を行うか否かを任意に選択可能にしたので、ユーザの使用条件や好みに画像形成装置を設定することができ、利便性の高い画像形成装置を提供することができる。すなわち、印刷中の省エネを図りたいユーザは、印刷条件に基づく印刷速度制御を行う「省エネモード」を選択すれば、印刷中の省エネを図ることができ、1秒でも早く印刷を行いたいユーザは、印刷条件に基づく印刷速度制御を行わない「速度優先モード」を選択すれば、元々全体印刷時間の短い印刷条件の印刷を「省エネモード」よりも短時間で印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図。
【図2】インクジェット記録装置の内部構成の概要を示す側面模式的説明図。
【図3】インクジェット記録装置の内部構成の平面模式的説明図。
【図4】インクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図。
【図5】インクジェット記録装置の機構部の要部平面説明図。
【図6】インクジェット記録装置の制御部の全体ブロック説明図。
【図7】本実施形態の特徴点を示した制御フロー図。
【図8】実施例1の制御フロー図。
【図9】実施例2の制御フロー図。
【図10】実施例3の制御フロー図。
【図11】実施例1〜3の処理の行うか否かの選択を行うときの制御フロー図。
【符号の説明】
【0064】
1 装置本体
2 給紙トレイ
3 排紙トレイ
4 カートリッジ装填部
5 表示部
6 前カバー
10 インクカートリッジ
24 供給ポンプユニット
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
42 用紙
51 搬送ベルト
52 搬送ローラ
53 テンションローラ
56 帯電ローラ
71 両面ユニット
201 主走査モータ
205 副走査モータ
301 主制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を作像する作像手段と、前記記録媒体を作像手段へ搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドを主走査線方向に往復移動させて、記録媒体たる用紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。
近年、省エネルギに対する関心が高まりつつあり、製品の省電力が必須となってきている。画像形成装置が、休止状態など画像形成が行われていない状態では、使用していないモジュール群への電源供給を止めたり、制御部の動作クロック数を小さくしたりするなどして省電力化が行われている。例えば特許文献1には、制御部が処理する処理内容によって、節電状態で処理を行うか通常状態に復帰して処理を行うかを判断する画像形成装置が記載されている。処理内容が装置情報の問い合わせなどの短時間で完了する処理の際、制御部は、節電状態から完全に復帰せずに応じることで、節電状態を保持することができ、消費電力の節約が可能となる。
【0003】
このように、画像形成が行われていない状態においては、装置の省電力化が図られている。一方、画像形成中における装置の省電力化は、ハードウェア構成によってその消費電力が決まってしまうため、画像形成中の省電力化を図ることは容易ではない。すなわち、画像形成中の省電力化のためにハードウェアの構成を替えてしまうと、装置が仕様を満たさなくなるため、ハードウェアの構成を替えずに画像形成中の消電力化を図ろうとすると、画像形成速度を下げるなどその態様は限られてしまうからである。
記録媒体である用紙の搬送速度や、作像速度を下げて、画像形成速度を下げると、用紙を搬送する搬送手段である搬送ベルトを駆動させる搬送モータの消費電力や、作像手段たる記録ヘッドを主走査線方向へ往復移動させる主走査モータの消費電力を低減させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−131991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、片面/両面印刷などの設定条件、印刷枚数、画像データなどの画像を形成するときに装置に入力される入力情報によって、ジョブ終了までにかかる時間が異なる場合があり、ユーザに不便感を与えてしまうという問題があった。すなわち、例えば、画像形成枚数が1枚など、10秒程度でジョブが終了する入力情報のとき、画像形成速度を省電力化のために例えば50%落としたとしても、5秒程度の遅れですみ、ユーザに対してあまり不便感を与えない。一方、画像形成枚数が多いなど10分でジョブが終了する入力情報のとき、50%画像形成速度を落としてしまうと、5分も遅れてしまい、画像形成速度を下げた場合と、下げていない場合とで、画像形成終了時間が大きく異なってしまう。その結果、連続画像形成枚数の多いなど画像形成終了までの時間が長くなる入力情報の場合は、省電力化のために画像形成速度を下げてしまうと、ユーザに不便感を与えてしまうという問題である。
【0006】
なお、記録ヘッドを主走査線方向に往復移動させて、用紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に限られない。例えば、帯電させた感光体にレーザー光などを照射しトナーを付着させ、用紙に転写した上で熱や圧力をかけて固定することで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置においても、上述と同様な問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、入力情報によらずに一律に画像形成速度を低下させるものに比べて、ユーザに不便感を与えることなく、画像形成中の消費電力を低減することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録媒体に画像を作像する作像手段と、前記記録媒体を前記作像手段へ搬送する搬送手段とを備え、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間を変動させうる入力情報に基づいて画像形成を行う画像形成装置において、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなるか否かを前記入力情報に基づき判断し、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの画像形成速度を、所定値よりも長くなると判断したときの画像形成速度よりも遅くする制御を行う画像形成速度制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記画像形成速度制御手段を、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値より短くなると判断したときの前記作像手段の作像速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う作像速度制御手段と、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの前記搬送手段の前記記録媒体の搬送速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う搬送速度制御手段とで構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記入力情報が、連続して画像形成を行う記録媒体の枚数の情報であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、片面に画像が記録された記録媒体を反転させて、再度前記記録媒体を搬送手段へ供給する記録媒体反転手段を備えており、前記入力情報が、片面/両面の設定情報であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記入力情報に基づく画像形成速度制御を行うか否かを選択可能にしたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記作像手段は、主走査線方向に往復移動して、前記搬送手段によって副走査線方向に搬送されてきた記録媒体にインクを吐出して画像を形成する記録ヘッドであって、前記画像形成速度制御手段は、前記記録ヘッドの主走査線方向の往復移動の速度を制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記入力情報が、画像データであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至7の発明によれば、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短いと入力情報に基づいて判断されたとき、画像形成速度を所定値よりも長いと判断されたときよりも画像形成速度を遅くする。これにより、画像形成中に駆動する各モータの消費電力を抑えて、画像形成中の消費電力を低減することができる。また、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも長いと入力情報に基づいて判断されたときは、画像形成速度を遅くしない。これにより、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が長くなり、画像形成速度を低下させた場合にユーザが不便さを感じるおそれのある入力情報に基づいて画像を形成するときは、通常の画像形成速度で画像が形成される。これにより、入力情報によらずに一律に画像形成速度を低下させるものに比べて、ユーザに不便感を与えることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された記録媒体たる用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0011】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
【0012】
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
【0013】
次に、このインクジェット記録装置の内部構成の概要及び機構部について図2ないし図5を参照して説明する。なお、図2は同内部構成の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく平面模式的説明図、図4は同機構部の全体構成を説明する側面概略構成図、図5は同機構部の要部平面説明図である。
【0014】
図4及び図5を参照して、フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ201(図3)によってタイミングベルト202を介して図5で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0015】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる作像手段たる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0016】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
【0017】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填部4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
【0018】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0019】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0020】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0021】
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0022】
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド34側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
この搬送ベルト51は、副走査モータ205(図3参照)によって駆動ベルト204を介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図5のベルト搬送方向に周回移動する。
【0023】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0024】
また、装置本体1の背面部には記録媒体反転手段たる両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0025】
さらに、図5に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
【0026】
また、図5に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0027】
さらに、図2及び図3に示すように、装置本体1の内部後方側にはホストとの間でデータを送受するためのUSBなどの通信回路部(インタフェース)101が設けられるとともに、この画像形成装置全体の制御を司る制御部を構成する制御回路基板102が設けられている。
【0028】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド部材47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0029】
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0030】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0031】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0032】
この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部300は、この画像形成装置全体の制御を司る、回復動作を制御する手段などを兼ねたマイクロコンピュータで構成した主制御部301を備えている。また、主制御部301は、作像手段たる記録ヘッド34の移動速度を制御して作像速度を制御する作像速度制御手段および搬送手段たる搬送ベルト51の速度を制御して、用紙搬送速度を制御する搬送速度制御手段なども兼ねている。すなわち、主制御部301は、画像形成速度制御手段としての機能を有しているのである。また、制御部300は、印刷制御を司るマイクロコンピュータで構成した印刷制御部302とを備えている。
そして、主制御部301は、通信回路101から入力される画像データ、印刷枚数、片面/両面設定などの設定条件などの入力情報に基づいて用紙42に画像を形成するために、前述したように、主走査モータ201や副走査モータ205を主走査モータ駆動回路303及び副走査モータ駆動回路304を介して駆動制御して、画像作像速度や用紙搬送速度を制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行なう。
【0033】
また、主制御部301には、キャリッジ33の位置を検出するキャリッジ位置検出回路305からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいてキャリッジ33の移動位置及び移動速度を制御することで、記録ヘッド34の移動位置及び移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路305は、例えばキャリッジ33の走査方向に配置されたエンコーダシートのスリット数を、キャリッジ33に搭載されたフォトセンサで読み取って計数することで、キャリッジ33の位置を検出する。主走査モータ駆動回路303は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じて主走査モータ201を回転駆動させて、キャリッジ33を所定の位置に所定の速度で移動させる。
【0034】
また、主制御部301には搬送ベルト51の移動量を検出する搬送量検出回路306からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいて搬送ベルト51の移動量及び移動速度を制御する。搬送量検出回路306は、例えば搬送ローラ52の回転軸に取り付けられた回転エンコーダシートのスリット数を、フォトセンサで読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路304は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータ205を回転駆動させて、搬送ローラ52を回転駆動して搬送ベルト51を所定の位置に所定の速度で移動させる。
【0035】
主制御部301は、給紙コロ駆動回路307に給紙コロ駆動指令を与えることによって給紙コロ43を一回転させる。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路308を介してモータ191を回転駆動することにより、キャップ82の昇降、ワイパーブレード83の昇降を行なわせる。
主制御部301は、インク供給モータ駆動回路311を介して供給ポンプユニット24のポンプを駆動するためのインク供給モータを駆動制御し、カートリッジ装填部4に装填されたインクカートリッジ10からサブタンク35に対してインクを補充供給する。
【0036】
主制御部301には、サブタンク35が満タン状態にあることを検知するサブタンク満タンセンサ312からの検知信号、カートリッジ装填部4の前カバー6の開閉を検知するカートリッジカバーセンサ313からの検知信号などが入力される。
また、主制御部301は、カートリッジ通信回路314を通じて、カートリッジ装填部4に装着された各インクカートリッジ10に設けられる記憶手段である不揮発性メモリ115k、115c、115m、115yに記憶されている情報を取り込んで、所要の処理を行なって、本体記憶手段である不揮発性メモリ(例えばEEPROM)315に格納保持する。
【0037】
印刷制御部302は、主制御部301からの信号とキャリッジ位置検出回路305及び搬送量検出回路306などからのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、記録ヘッド34の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成して、ヘッド駆動回路310に与える。
【0038】
ヘッド駆動回路310は、印刷制御部302からの画像データたる印刷データに基づいて記録ヘッド34の圧力発生手段(ピエゾ型ヘッドであれば圧電素子)を駆動して、所要のノズルから液滴を吐出させる。
【0039】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
近年、画像形成装置の省電力化が求められているが、印刷中(画像形成中)の消費電力はハードウェア構成によって決定してしまう要素が強く、部品決定後に省電力化するとなると、容易ではなく印刷速度(画像形成速度)を下げるなどその態様は限られてしまう。
ユーザにとって、印刷(画像形成)を開始してから終了するまでの全体印刷時間(画像形成時間)が短ければ短いほど望ましいが、元々、全体印刷時間が短い場合は、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度の低下により、全体印刷時間が少々長くなっても、ユーザはあまり不便に感じることはない。例えば、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を低下させて、通常の全体印刷時間よりも50%長くなったとき、通常時の全体印刷時間が10分かかる場合は5分延長され、通常時の全体印刷時間が10秒かかる場合は5秒延長されることとなる。このように、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度の低下によって5分延長されるのと、5秒延長されるのとではユーザの感じ方は異なる。
そして、このような全体印刷時間は、印刷時に入力される画像データ、印刷枚数、片面/両面などの入力情報によって、ユーザの利便性を損なう度合いが異なってくる。
そこで、本実施形態の画像形成装置は、印刷時(画像形成時)に入力される全体印刷時間が変動する入力情報に基づいて、記録ヘッド34の移動速度(主走査方向)、用紙42の搬送速度(副走査方向)を制御して、印刷速度(画像形成速度)を印刷時に入力される入力情報に応じて変更させている。すなわち、ユーザの利便性を損なう度合いが大きく、ユーザに不便感を与えるおそれのある全体印刷時間が所定値よりも長くなるような入力情報が入力されたときは、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を低下させずに、通常の印刷速度で印刷を行う。一方、印刷時にユーザの利便性を損なう度合いが小さく、ユーザに不便感を与えるおそれの少ない全体印刷時間が所定値よりも短くなるような入力情報が入力されたときは、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を低下させて主走査モータ、副走査モータ205の回転速度を低下させる。これにより、ユーザに不便感を与えずに消費電力を低下させることが可能である。また、速度低下に伴い、印刷中の騒音レベルを抑えることも期待できる。
【0040】
図7は、本実施形態の特徴点を示した制御フローである。
一般的に、画像形成装置は、パソコンなどの情報機器やフラッシュメモリなどの記憶媒体などを介して、印刷データ、印刷部数、片面印刷/両面印刷モードなど情報が入力情報として入力される。印刷部数、片面印刷/両面印刷モードなどの入力情報は、ユーザの使用目的に応じて適宜設定できる。ユーザが印刷する前には、まず必要に応じて印刷部数、片面印刷/両面印刷モードなどの印刷設定を行う(S101)。この印刷設定には予め初期値が設定されているのが通常であり、変更の必要がある場合のみ設定される。次に、設定された印刷設定および印刷データなどの入力情報が、後述する減速条件(全体印刷時間が所定値よりも短い)と一致していれば(S102)、主制御部301は、記録ヘッド34の移動速度(主走査方向)、用紙42の搬送速度(副走査方向)を減速設定にする(S103)。記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度の減速は、どちらか一方だけでもよく、また両方でもよい。また、このような減速設定をユーザが印刷設定と同じように、任意に選択できるようにしてもよい。このように、記録ヘッド34の移動速度、用紙42の搬送速度を減速させる結果、全体印刷時間は通常速度設定よりも長くなる。しかし、減速設定される減速条件は、全体印刷時間が短くなる入力情報であるので、ユーザに不便感を与えるほど、全体印刷時間が通常速度設定から大きく異なることがない。主走査方向、副走査方向の速度が決定した後は、主制御部301は、主走査モータ201を制御して、画像形成速度を制御するとともに、副走査モータ205を制御して用紙搬送速度を制御して、減速設定された速度で印刷を行う(S104)。
【0041】
次に、本実施形態の特徴点の具体的な態様について、実施例1〜3に基づいて具体的に説明する。
【0042】
[実施例1]
実施例1は、印刷時に入力される入力情報として、印刷データ(画像データ)に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御するものである。
ユーザが画像形成装置に入力した印刷データ量によって印刷時間は異なる。印刷データ量が少ない場合は、記録ヘッド34が往復移動する回数が少なくなり、また、1行の記録時間も短い。よって、印刷データ量が少ないものは、全体印刷時間は短い。従って、記録ヘッド34の移動速度(作像速度)および用紙42の搬送速度を減速設定にしても、通常設定時の全体印刷時間から大幅に延長されることはない。一方、印刷データ量が多い場合は、記録ヘッド34は、何度も往復移動するとともに、1行の記録時間も長くなる。その結果、印刷データ量が多いものは、全体印刷時間は長くなる。従って、記録ヘッド34の移動速度(作像速度)を減速設定した場合、減速設定したことによる遅れが積み重なって、通常設定時の全体印刷時間から大幅に延長されてしまう。よって、実施例1は、印刷データ量が所定値(閾値)より多い場合は、作像速度および搬送速度を通常の速度設定に制御して印刷を行い、印刷データ量が所定値(閾値)より少ない場合は、作像速度および搬送速度を減速設定に制御して印刷を行うものである。
【0043】
図8は、実施例1の制御フロー図である。
まず、主制御部301は、パソコンなどの情報機器やフラッシュメモリなどの記憶媒体などを介して、入力された印刷データ量がある閾値より少ないか否かをチェックする(S201)。印刷データ量がある閾値よりも多い場合は(S201のNO)、主制御部301は、通常の印刷速度設定で印刷を行う(S203)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度となるように、主走査モータ201の駆動を制御する。また、主制御部301は、搬送速度が通常速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御する。
一方、印刷データ量がある閾値よりも少ない場合は(S201のNO)、減速設定にして(S202)、印刷を行う(S203)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように主走査モータ201の駆動を制御して、記録ヘッド34の移動速度を低下させる。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御して、用紙の搬送速度を低下させる。
このとき、閾値は予め設定しておいてもよいし、ユーザが任意に設定または調整できるようにしておいてもよい。
【0044】
このように実施例1においては、全体印刷時間が短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いの低くて、ユーザに不便感を与えない印刷データ量少ないの場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させ、画像形成速度を低下させて印刷中の消費電力を低減することができる。一方、全体印刷時間が長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える印刷データ量多い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくすることができる。
【0045】
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
実施例2は、画像形成のときに入力される入力情報として、連続印刷枚数(部数×頁数)に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御するものである。
同じ印刷データであってもユーザが設定した印刷枚数(部数×頁数)が異なれば、印刷時間も異なってくる。連続印刷枚数(部数×頁数)の少なく全体印刷時間の短い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させても一枚分の遅れは数秒程度なのでユーザの利便性を損なう度合いの低く、ユーザに不便感を与えない。一方、連続印刷枚数(部数×頁数)が多く全体印刷時間の長い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させると、一枚分の数秒の遅れが積み重なっていき、通常設定時の全体印刷時間から大幅に延長されてしまう。よって、実施例2は、連続印刷枚数(部数×頁数)が所定値(閾値)よりも多い場合は、作像速度および搬送速度を通常の速度設定に制御して印刷を行い、連続印刷枚数が所定値(閾値)よりも少ない場合は、作像速度および搬送速度を減速設定に制御して印刷を行うものである。
【0046】
図8は、実施例2の制御フロー図である。
まず、パソコンなどでユーザが印刷部数を設定後(S301)、通信回路101から印刷部数が入力情報として入力される。主制御部301は、連続印刷枚数(頁数×部数)が設定した閾値よりも少ないか否かをチェックする(S302)。連続印刷枚数がある閾値よりも多い場合は(S302のNO)、主制御部301は、通常の印刷速度設定で印刷を行う(S304)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度となるように、主走査モータ201の駆動を制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御する。
一方、連続印刷枚数がある閾値よりも少ない場合は(S302のYES)、減速設定にして(S303)、印刷を行う(S304)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように主走査モータ201の駆動を制御して、記録ヘッド34の移動速度を低下させる。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御して、用紙の搬送速度を低下させる。
このときの閾値も実施例1同様、予め設定しておいてもよいし、ユーザが任意に設定または調整できるようにしておいてもよい。
【0047】
このように実施例2においては、全体印刷時間が短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いの低くて、ユーザに不便感を与えない連続印刷枚数の少ないの場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させ、画像形成速度を低下させて印刷中の消費電力を低減することができる。一方、全体印刷時間が長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える連続印刷枚数の多い場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに通常の画像形成速度で印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくすることができる。
【0048】
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
実施例3は、入力情報として、ユーザが設定した片面/両面モードに基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御するものである。
両面印刷は、印字領域を通過させておもて面に画像が形成された用紙を逆方向で戻して記録媒体反転手段たる両面ユニット71で取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。そして、用紙の裏面に画像が形成される。このように、両面印刷の場合は、両面ユニット71に取り込んで、再度搬送するため、片面印刷でそれぞれ用紙に画像を印刷するものに比べて、全体印刷時間が長くなる。よって、実施例3は、両面印刷に比べて全体の印刷時間が短い片面印刷のときは、作像速度および用紙搬送速度を減速設定に制御して印刷を行い、片面印刷に比べて全体印刷時間が長い両面印刷のときは、作像速度および用紙搬送速度を通常の速度設定に制御して印刷を行うものである。
【0049】
図9は、実施例3の制御フロー図である。
パソコンなどでユーザが印刷面を設定後(S401)、通信回路101から印刷部数が入力情報として入力される。主制御部301は、片面印刷か否かをチェックする(S402)。両面印刷の場合は(S402のNO)、主制御部301は、通常の印刷速度設定で印刷を行う(S404)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度となるように、主走査モータ201の駆動を制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御する。
一方、片面印刷の場合は(S402のYES)、減速設定にして(S403)、印刷を行う(S304)。すなわち、主制御部301は、作像速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように主走査モータ201の駆動を制御して、記録ヘッド34の移動速度を低下させる。また、主制御部301は、用紙搬送速度が通常速度よりも遅い減速設定時の速度となるように、副走査モータ205の駆動を制御して、用紙の搬送速度を低下させる。
【0050】
このように実施例3においては、全体印刷時間が両面印刷よりも短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させて印刷速度(画像形成速度)を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低く、ユーザに不便感を与えない片面印刷の場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させ印刷速度を低下させて印刷中の消費電力を低減することができる。一方、全体印刷時間が片面印刷よりも長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させ印刷速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える両面印刷の場合は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくすることができる。
【0051】
また、上記実施例1〜3に示した減速条件を複数備え、より適切な条件で減速するようにすることも可能である。例えば、上記実施例3の両面印刷/片面印刷で、ユーザが片面印刷に設定していても、印刷データ量が多い場合は、画像形成速度および用紙搬送速度を減速設定とせずに、通常の速度設定で印刷を行う。また、印刷データ量が少なくても、連続印刷枚数(頁数×部数)が多い場合は、画像形成速度および用紙搬送速度を減速設定とせずに、通常の速度設定で印刷を行う。また、例えば、両面印刷の場合でも、印刷データ量が少ない場合は、通常の速度設定で印刷を行わずに、減速設定で行う。このように、複数の印刷条件に基づいて、通常速度設定/減速設定を行うことで、単一の印刷条件に基づいて通常速度設定/減速設定を行うものに比べて、全体印刷時間が長いのに減速設定で行われ、ユーザが利便性を損ねたと感じたり、逆に、全体印刷時間が短いのに通常速度設定で行われ、消費電力が低減されなかったりといった不具合を抑えることができる。
【0052】
また、ユーザによってはより短時間で印刷したい場合や、ユーザが予想した以上に印刷がかかってしまいユーザが不便と感じた場合などには、上記実施例1〜3に示した減速設定を行わないように設定できるようにしてもよい。
【0053】
図11は、実施例1〜3の処理の行うか否かの選択を行うときの制御フローである。
まず、実施例1〜3の処理を行う「省エネモード」と、実施例1〜3の処理を禁止する「速度優先モード」をパソコンでユーザが設定を行う(S501)。「速度優先モード」をユーザが設定した場合(S501のYES)、主制御部301は、禁止フラグを立てる(S503)。一方、「省エネモード」を選択した場合(S501のNO)、禁止フラグが立っているか否かをチェックして(S502)、立っている場合(S502のYES)、禁止フラグを倒して(S504)終了する。
【0054】
主制御部301は、印刷を開始するときに、禁止フラグがあるか否かをチェックして、禁止フラグがある場合は、実施例1〜3に示したような印刷条件に基づいて作像成速度および用紙搬送速度の制御を行わずに印刷を行う。これにより、元々印刷時間が短い印刷条件における印刷を「省エネモード」よりも短時間に行うことができる。一方、禁止フラグがない場合は、実施例1〜3に示したような印刷条件に基づいて画像形成速度および用紙搬送速度の制御を行い、印刷中の消費電力の低減化を行う。
【0055】
このように、「省エネモード」と「速度優先モード」とを任意に選択可能にすることで、ユーザの使用条件や好みに画像形成装置を設定することができ、利便性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0056】
また、上述では本発明を、記録ヘッド34を主走査線方向に往復移動させて、用紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に適用した例について説明したが、これに限られない。例えば、帯電させた感光体にレーザー光などを照射しトナーを付着させ、用紙に転写した上で熱や圧力をかけて固定することで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置にも適用することができる。この場合においても、例えば、連続印刷枚数(頁数×部数)の少ないなど、全体印刷時間が短くなる入力情報に基づいて画像形成する場合は、作像手段を構成する感光体や現像ローラの回転速度を減速させて作像速度を減速させて、感光体を回転駆動させる駆動モータや現像ローラを駆動させる駆動モータへの消費電力を低減させる。また、用紙を搬送する用紙搬送ローラなどの用紙搬送速度を減速させて搬送ローラを駆動させる駆動モータへの消費電力を低減させる。
一方、連続印刷枚数(頁数×部数)が多いなど、全体印刷時間が長くなる入力情報に基づいて画像形成を行う場合は、通常の作像速度および用紙搬送速度で印刷を行うことで、ユーザに不便感を与えることがない。
【0057】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、画像形成速度たる印刷速度を低下させても、利便性を低下させる度合いが低いので、画像形成速度制御手段たる主制御部301は、印刷速度を低下させて、印刷中の消費電力を下げる。これにより、印刷中の省電力化を図ることができる。また、速度低下に伴い、印刷中の騒音レベルを抑えることも期待できる。一方、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が長くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときは、印刷速度を低下させると、利便性を低下させる度合いが高いので、通常の印刷速度で行う。これにより、ユーザに不便感を与えることがない。
【0058】
また、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときには、主制御部は、作像手段たる記録ヘッド34の移動速度を低下させる制御して作像速度を低下させる、または、搬送手段たる搬送ベルト51の速度を低下させる制御を行う。これにより、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が短くなる入力情報に基づいて画像形成を行うときに、印刷速度を低下させることができる。
【0059】
また、実施例2に示すように、入力情報として連続して画像形成を行う記録媒体の枚数(連続印刷枚数:部数×頁数)に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御することで、ユーザの利便性を損なわずに印刷中の消費電力を抑えることができる。すなわち、全体印刷時間が所定値より短く、画像形成速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低くて、ユーザに不便感を与えない連続印刷枚数が所定値(閾値)より少ないときは、主制御部301は、作像速度が低下するように作像速度を制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度が低下するように制御する。これにより、印刷中の消費電力を低減できる。一方、全体印刷時間が所定値よりも長く、画像形成速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える連続印刷枚数の所定値より多い場合は、主制御部301は、作像速度を通常の速度で制御する。また、主制御部301は、用紙搬送速度を通常の速度で制御する。これにより、ユーザに不便感を与えずに印刷が行える。
【0060】
また、実施例3に示すように、入力情報としての片面/両面印刷設定に基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御することで、ユーザの利便性を損なわずに印刷中の消費電力を抑えることができる。すなわち、全体印刷時間が両面印刷よりも短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低く、ユーザに不便感を与えない片面印刷の場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させて印刷中の消費電力を低減する。一方、全体印刷時間が片面印刷よりも長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える両面印刷の場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくする。
【0061】
また、実施例1に示すように、入力情報として、画像データたる印刷データに基づいて作像速度および用紙搬送速度を制御することで、ユーザの利便性を損なわずに印刷中の消費電力を抑えることができる。すなわち、全体印刷時間が短く、作像速度および用紙搬送速度を低下させてもユーザの利便性を損なう度合いが低く、ユーザに不便感を与えない印刷データ量少ないの場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させて印刷中の消費電力を低減する。一方、全体印刷時間が長く、作像速度および用紙搬送速度を低下させるとユーザの利便性を損なう度合いが高く、ユーザに不便感を与える印刷データ量多い場合は、主制御部301は、作像速度および用紙搬送速度を低下させずに印刷を行い、ユーザに不便感を与えなくする。
【0062】
また、印刷条件に基づく印刷速度制御を行うか否かを任意に選択可能にしたので、ユーザの使用条件や好みに画像形成装置を設定することができ、利便性の高い画像形成装置を提供することができる。すなわち、印刷中の省エネを図りたいユーザは、印刷条件に基づく印刷速度制御を行う「省エネモード」を選択すれば、印刷中の省エネを図ることができ、1秒でも早く印刷を行いたいユーザは、印刷条件に基づく印刷速度制御を行わない「速度優先モード」を選択すれば、元々全体印刷時間の短い印刷条件の印刷を「省エネモード」よりも短時間で印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図。
【図2】インクジェット記録装置の内部構成の概要を示す側面模式的説明図。
【図3】インクジェット記録装置の内部構成の平面模式的説明図。
【図4】インクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図。
【図5】インクジェット記録装置の機構部の要部平面説明図。
【図6】インクジェット記録装置の制御部の全体ブロック説明図。
【図7】本実施形態の特徴点を示した制御フロー図。
【図8】実施例1の制御フロー図。
【図9】実施例2の制御フロー図。
【図10】実施例3の制御フロー図。
【図11】実施例1〜3の処理の行うか否かの選択を行うときの制御フロー図。
【符号の説明】
【0064】
1 装置本体
2 給紙トレイ
3 排紙トレイ
4 カートリッジ装填部
5 表示部
6 前カバー
10 インクカートリッジ
24 供給ポンプユニット
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
42 用紙
51 搬送ベルト
52 搬送ローラ
53 テンションローラ
56 帯電ローラ
71 両面ユニット
201 主走査モータ
205 副走査モータ
301 主制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を作像する作像手段と、前記記録媒体を前記作像手段へ搬送する搬送手段とを備え、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間を変動させうる入力情報に基づいて画像形成を行う画像形成装置において、
画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなるか否かを前記入力情報に基づき判断し、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの画像形成速度を、所定値よりも長くなると判断したときの画像形成速度よりも遅くする制御を行う画像形成速度制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記画像形成速度制御手段を、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値より短くなると判断したときの前記作像手段の作像速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う作像速度制御手段と、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの前記搬送手段の前記記録媒体の搬送速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う搬送速度制御手段とで構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記入力情報が、連続して画像形成を行う記録媒体の枚数の情報であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
片面に画像が記録された記録媒体を反転させて、再度前記記録媒体を搬送手段へ供給する記録媒体反転手段を備えており、前記入力情報が、片面/両面の設定情報であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
前記入力情報に基づく画像形成速度制御を行うか否かを選択可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
前記作像手段は、主走査線方向に往復移動して、前記搬送手段によって副走査線方向に搬送されてきた記録媒体にインクを吐出して画像を形成する記録ヘッドであって、前記画像形成速度制御手段は、前記記録ヘッドの主走査線方向の往復移動の速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
前記入力情報が、画像データであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体に画像を作像する作像手段と、前記記録媒体を前記作像手段へ搬送する搬送手段とを備え、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間を変動させうる入力情報に基づいて画像形成を行う画像形成装置において、
画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなるか否かを前記入力情報に基づき判断し、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの画像形成速度を、所定値よりも長くなると判断したときの画像形成速度よりも遅くする制御を行う画像形成速度制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記画像形成速度制御手段を、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値より短くなると判断したときの前記作像手段の作像速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う作像速度制御手段と、画像形成を開始してから終了するまでにかかる時間が所定値よりも短くなると判断したときの前記搬送手段の前記記録媒体の搬送速度を、所定値より長くなると判断したときの作像速度よりも遅くする制御を行う搬送速度制御手段とで構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記入力情報が、連続して画像形成を行う記録媒体の枚数の情報であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
片面に画像が記録された記録媒体を反転させて、再度前記記録媒体を搬送手段へ供給する記録媒体反転手段を備えており、前記入力情報が、片面/両面の設定情報であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
前記入力情報に基づく画像形成速度制御を行うか否かを選択可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
前記作像手段は、主走査線方向に往復移動して、前記搬送手段によって副走査線方向に搬送されてきた記録媒体にインクを吐出して画像を形成する記録ヘッドであって、前記画像形成速度制御手段は、前記記録ヘッドの主走査線方向の往復移動の速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
前記入力情報が、画像データであることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−18542(P2008−18542A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189692(P2006−189692)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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