説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置において、ユーザの手間とコストをかけずに、排紙トレイに放置された画像形成済みの用紙のセキュリティを簡易に守ることができるようにする。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置によれば、画像形成部におけるジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ジョブ終了後、給紙トレイから用紙を給紙し排紙トレイに出力する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークに接続されたプリンタや複合機等の画像形成装置において、複数のユーザが共用して使用している場合、共通の排紙トレイに異なるユーザの文書が出力される。このとき、ユーザが出力された文書を放置した場合、機密性のある文書やプライバシーに関する文書であっても複数の人の目に晒されることとなってしまう。
【0003】
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、操作表示部の秘密文書キーで秘密文書の印刷指示操作が行われると、印刷された秘密文書用紙を最下段の秘密文書専用排紙トレイに載置させ、すべての秘密文書用紙の載置後、表紙トレイの表紙用紙を1枚だけ秘密文書専用排紙トレイに搬送して重ねて載置させ、秘密文書用紙の記録面を紙で覆う技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、指定された時間に画像の記録を開始し、ジョブの単位毎に、印刷要求元等を表す表示が付された仕分けシートで記録紙を仕分けて排出するようにした画像記録装置が記載されている。
【特許文献1】特開2000−327210号公報
【特許文献2】特開2000−207152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、秘密文書用紙の専用の排紙トレイや機構が必要となり、装置が大型化しコストがかかるといった問題点がある。また、秘密文書であることをユーザが指示しなければならないため、会社等で頻繁に出力される一般的な秘密文書の出力に適用するには使い勝手が悪くなってしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献2においては、印刷要求元等を示す付加情報が仕分けシートに印刷されるため、場合によっては文書の重要度が推測されてしまい、逆に興味を引いてしまうため、セキュリティの面からかえって好ましくない。更に、仕分けシートに印刷が施されるため、トナーや紙の消費がかさんでしまうといった問題がある。
【0007】
本発明の課題は、画像形成装置において、ユーザの手間とコストをかけずに、排紙トレイに放置された画像形成済みの用紙のセキュリティを簡易に守ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
用紙を収納する給紙トレイと、
前記給紙トレイから給紙された用紙上にトナー画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイに出力する画像形成部と、
前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させる制御部と、
を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記排紙トレイに用紙が存在するか否かを検出するセンサ部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記センサ部からの出力に基づき前記排紙トレイに用紙が存在するか否かを判断し、前記排紙トレイに用紙が存在すると判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御部は、前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記画像形成ジョブが予め定められた種類のジョブであったか否かを判断し、予め定められた種類のジョブではなかった場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記排紙トレイに出力された用紙の最上面に画像が形成されているか否かを判断し、画像が形成されている場合に前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記画像形成ジョブにより出力された用紙より大きいサイズの用紙を前記給紙トレイから給紙することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記給紙トレイから給紙する用紙の紙種に応じて、前記給紙トレイから給紙し排紙トレイに出力させる用紙枚数を決定することを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記センサ部は、前記排紙トレイに積載された用紙の厚さを検出可能であり、
前記制御部は、前記センサ部から用紙の厚さの変化が検出されてから一定時間経過したときに前記排紙トレイに用紙が存在するか否かを判断し、用紙が存在すると判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙して前記排紙トレイに出力させることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記画像形成ジョブの実行を要求したユーザを認証し、前記認証されたユーザが前記画像形成ジョブの終了後の用紙出力を許可されたユーザである場合に、前記画像形成ジョブの終了後の用紙出力を行うことを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、画像形成ジョブの実行を要求したユーザを認証し、前記画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブの実行が要求された場合に、前記次の画像形成ジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一であるか否かを判断し、同一でないと判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の使用を許可するユーザの識別情報を当該ユーザが所属するグループの識別情報と対応付けて記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、画像形成ジョブの実行を要求したユーザを認証し、前記画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブの実行が要求された場合に、前記記憶部に記憶されているグループ情報を参照し、前記次の画像形成ジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一グループであるか否かを判断し、同一グループでないと判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過しても次の画像形成ジョブが実行されない場合に、自動的に給紙トレイから用紙が給紙され排紙トレイに出力されるので、ユーザが画像形成ジョブにより出力された用紙を一定時間以上放置していても放置された出力物が他のユーザの目に晒されるといったことがなくなり、ユーザの手間をかけずに画像形成済みの用紙のセキュリティを簡易に守ることが可能となる。また、ジョブ終了後一定時間経過してから出力する用紙には画像形成を行わないので、出力した用紙を再度給紙トレイに装填して再利用をすることができ、トナーや紙の消費がかさむこともなく、ランニングコストをかけずに排紙トレイに放置された画像形成済みの用紙のセキュリティを簡易に守ることが可能となる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、画像形成ジョブの終了後一定時間が経過しても次の画像形成ジョブが実行されない場合であって、ユーザが画像形成ジョブにより出力された用紙を取り除いてない場合に、自動的に給紙トレイから用紙を給紙し、排紙トレイに出力するので、不要な用紙の出力を抑えることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、終了した画像形成ジョブが予め設定された種類の画像形成ジョブである場合、例えば、FAX出力ジョブのように出力された用紙を覆ってしまうと受信したことがわからなくなる等の弊害がある画像形成ジョブにおいては、用紙の出力を行わないようにすることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、排紙トレイに出力された用紙の最上面に画像が形成されていない場合、即ち、人目に晒される画像がない場合には、用紙の出力を行わないようにすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、画像形成ジョブにより出力された用紙を完全に覆い、人目に晒されないようにすることが可能となる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、画像形成ジョブにより出力された用紙に形成された画像を確実に隠すことが可能となる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、後に出力した画像形成ジョブのユーザが自分の出力した用紙を取り除き、再度人目に晒されるようになった画像形成済み用紙のセキュリティについても簡易に守ることが可能となる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、画像形成ジョブを要求したユーザが画像形成ジョブ終了後の用紙出力を許可されたユーザである場合に、排紙トレイにある画像形成済み用紙を隠すために用紙を出力することが可能となる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、次に画像形成ジョブを要求した他のユーザに画像形成済み用紙を見られてしまうことを防止することが可能となる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、次に画像形成ジョブを要求した他のグループのユーザに画像形成済み用紙を見られてしまうことを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本発明に係る画像形成システム100の全体構成を示す。図1に示すように、画像形成システム100において、画像形成装置1は、PC(Personal Computer)2とLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークN1を介してデータ送受信可能に接続されている。また、画像形成装置1は、FAX3と電話回線等の通信ネットワークN2を介してデータ送受信可能に接続されている。各装置の台数は、特に限定されない。
【0029】
画像形成装置1としては、複写機、プリンタ、FAX、複合機等を適用可能である。本実施の形態においては、電子写真プロセスを用いた複合機を適用した場合を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
【0030】
図2に、画像形成装置1の機能構成例を示す。また、図3に、画像形成装置1内部の概略構成例を示す。図2に示すように、画像形成装置1は、制御部10、操作部11、画像読取部12、画像処理部13、通信制御部14、記憶部15、画像形成部16、センサ部17、タイマ18等を備えて構成され、各部はバス19を介して接続されている。
【0031】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部10のCPUは、操作部11の操作等に応じて、ROMに格納されているシステムプログラム、全体制御プログラム、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置1各部の動作を集中制御する。
【0032】
即ち、制御部10のCPUは、操作部11又は通信制御部14から入力される画像形成動作の各種処理要求(コピー要求、プリント要求、FAX出力要求等)を受け付けて画像形成ジョブ(以下、ジョブという)として登録し、登録されたジョブに基づいて画像形成部16等を制御して画像形成動作(用紙上への画像の形成及び出力を含む動作)を実行する。ここで、登録されたジョブに基づいて、画像形成に関する一連の動作を実行することを、ジョブの実行という。また、ジョブの実行による一連の画像形成動作が終了することをジョブの終了という。
【0033】
ジョブは、ジョブデータと、原稿の画像データとを含む。ジョブデータとは、ジョブを識別するためのジョブID、ジョブの種類(コピージョブ、プリントジョブ、FAX出力ジョブ等)、各種出力条件(原稿ページ数、出力部数、用紙種類、用紙サイズ、倍率、片面/両面印刷等)、処理要求を行ったユーザID、画像ID等からなるデータであり、RAMに記憶される。なお、本実施の形態においてジョブデータは、ジョブの終了後、所定時間が経過するまではRAMから削除されない。ここでいう所定時間は、後述する基準時間tよりも長い。
【0034】
また、制御部10のCPUは、ROMに格納されている出力制御処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する出力制御処理を実行する。
【0035】
操作部11は、タッチパネル11a、ハードキー11b、LCD(Liquid Crystal Display)11cを備えて構成されている。タッチパネル11aは、LCD11cの表示画面上に透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルであり、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部10に出力する。ハードキー11bは、数字ボタン(テンキー)、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を制御部10に出力する。LCD11cは、制御部10から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作画面や装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
【0036】
画像読取部12は、原稿を載置するコンタクトガラス12aの下部にスキャナ12bを備えて構成され、原稿の画像を読み取る(図3参照)。スキャナは、光源、CCD(Charge Coupled Device)等により構成され、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換器によりデジタル画像データに変換して画像処理部13に出力する。ここで、画像は、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0037】
画像処理部13は、処理部13a及び画像記憶部13bにより構成される。画像処理部13は、処理部13aにおいて画像読取部12から入力された画像データに空間フィルタ処理、拡大/縮小処理、回転処理、階調補正処理等の画像処理を施して画像記憶部13b一時的に記憶し、制御部10から指示されたタイミングで読み出して画像形成部16に出力する。また、通信制御部14から入力された印刷データを画像形成部16で処理可能な形式の画像データに変換して画像記憶部13bに一時的に記憶し、制御部10から指示されたタイミングで読み出して画像形成部16に出力する。なお、入力された画像データには、画像データを識別するための画像IDが付与される。画像データは、画像IDにより管理される。
【0038】
通信制御部14は、第1の通信制御部14aと、第2の通信制御部14bとを有している。第1の通信制御部14aは、LANカード、モデム等を備え、通信ネットワークN1に接続されたPC2等の外部の装置との間で制御信号、印刷データを始めとする各種データの送受信を行う。第2の通信制御部14bは、FAXモデム等により構成され、通信ネットワークN2に接続されたFAX3との間でFAXの画像データの送受信を行う。
【0039】
記憶部15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部15は、ユーザ認証情報ファイル15a、目隠し機能除外設定ファイル15b、給紙トレイ設定情報ファイル15cを記憶している。
図4(a)に、ユーザ認証情報ファイル15aのデータ格納例を示す。図4(a)に示すように、ユーザ認証情報ファイル15aは、ユーザを識別するための識別情報としてのユーザIDと、そのユーザIDで識別されるユーザのパスワードと、そのユーザが所属しているグループを識別するための識別情報としてのグループIDと、そのユーザに対し目隠し機能が有効(ON)に設定されているか無効(OFF)に設定されているかを示すフラグと、を対応付けて記憶する。
【0040】
ここで、目隠し機能とは、ジョブの終了後、一定時間(予め定められた基準時間t)が経過するまでに次のジョブが実行されない場合に、排紙トレイ16hに出力された用紙に形成された画像が他のユーザの目に晒されないように目隠し用の用紙を給紙トレイから給紙し排紙トレイ16hに出力する機能である。目隠し機能が有効に設定されているユーザは、即ち、上述のジョブ終了後の用紙出力が許可されたユーザである。
【0041】
図4(b)に、目隠し機能除外設定ファイル15bのデータ格納例を示す。図4(b)に示すように、目隠し機能除外設定ファイル15bは、目隠し機能を除外する処理(ジョブ)の種類の情報(例えば、FAX出力、コピー等)を格納するファイルである。
【0042】
目隠し機能を除外する処理(ジョブ)の設定は、操作部11の操作画面上で行うことができる。目隠し機能は、ジョブにより出力される画像形成済みの用紙が他人の目に晒されること防止し、ジョブの実行により出力された文書等のセキュリティ、プライバシを守るものであるが、例えば、FAX出力を行う場合、出力された用紙を目隠し用の紙で覆ってしまうとFAXが受信されたことがわからなくなる。このような場合、操作画面からFAX出力を目隠し機能を除外する処理(ジョブ)として設定すると、FAX出力後については目隠し用の用紙を出力しないようにすることが可能である。また、出力枚数が少ないコピーを行う場合、コピージョブが終了するまでユーザは画像形成装置1の前で待機しているのが通常であるので、このようなコピージョブを実行するケースが多い場合には、操作画面からコピーを目隠し機能を除外する処理(ジョブ)として設定すると、コピー後においては目隠し用の用紙を出力しないようにすることが可能となる。
【0043】
図4(c)に、給紙トレイ設定情報ファイル15cのデータ格納例を示す。図4(c)に示すように、給紙トレイ設定情報ファイル15cは、給紙トレイ毎に、その給紙トレイに収納されている用紙の紙種(例えば、普通紙、塗工紙GL、上質紙)、用紙サイズ(例えば、A4、B5、B4)、色等の情報を対応付けて格納する。なお、給紙トレイ設定情報ファイル15cは、所定の操作に応じて操作部11に表示されるトレイ設定画面(図示せず)を介して設定入力された設定情報である。
【0044】
画像形成部16は、図3に示す書き込み部16a、帯電部16b、感光体ドラム16c、現像部16d、転写部16e、複数の給紙トレイ部16f(ここでは、給紙トレイT1〜T3)、定着部16g、排紙トレイ16h、記録媒体としての用紙を搬送するための搬送部16i(搬送路R1、R2、両面経路R3、搬送路切換板161、両面搬送ユニット162、排紙ローラ163を含む各種ローラ等)、クリーニング部16j等を備えて構成され、制御部10からの制御に従って各部を駆動し、電子写真方式により用紙に画像を形成し排紙トレイ16hに出力する。
即ち、画像形成部16は、制御部10からの制御に従って、制御部10から指示されたサイズと向きの用紙を給紙トレイT1〜T3の何れかの給紙トレイから給紙し搬送部16iにより搬送するとともに、書き込み部16aにおいて、入力された画像データに基づきPWM信号を生成し、生成したPWM信号に基づいて、帯電部16bにより帯電された感光体ドラム16c表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。更に、画像形成部16は、感光体ドラム16c表面の静電潜像を含む領域に現像部16dによりトナーを付着させ、給紙トレイから搬送された用紙に転写部16eによりトナーを転写して画像を形成し、定着部16gで定着させた後、排紙ローラ163により排紙トレイ16hに出力する。感光体ドラム16c上の転写されなかったトナーは、クリーニング部16jにより除去する。
【0045】
両面印刷をする場合には、片面に画像形成された用紙を搬送路切換板161により両面経路R3に送り込み、両面搬送ユニット162により用紙の面を反転し、画像形成されていない面(裏面)を感光体ドラム16c側に向けて転写部16eに搬送する。両面印刷され、トナーの定着が行われた用紙は、排紙ローラ163により、排紙トレイ16hに出力する。
【0046】
センサ部17は、排紙トレイ16hの用紙積載面及びこれと直交する方向に配列された複数のセンサにより構成され、排紙トレイ16hに用紙が存在しているか否か、及び排紙トレイ16hに用紙が存在している場合にはその厚さ(排紙トレイ16hに積載されている用紙の厚さ)を検出して、検出結果を制御部10に出力する。例えば、センサ部17は、排紙トレイ16hの用紙積載面上のセンサSE0及び排紙トレイ16hの用紙積載面に近いほうから順にセンサ番号が付与されたセンサSE1〜SEnを有し、排紙トレイ16hの厚さに応じて0又は1以上のセンサにより用紙の検出信号を出力することにより、制御部10に排紙トレイ16hにおける用紙の有無及び積載されている用紙の厚さの検出結果を出力する。
【0047】
タイマ18は、電池を内蔵したRTC(Real Time Clock)回路であり、制御部10に
よりセットされた時間が経過するとパルスを発生し、制御部10に出力する。
【0048】
PC2は、キーボード、マウス等により構成される操作部、LCD等により構成される表示部、PC2を通信ネットワークN1に接続するための通信制御部、印刷対象のデータが記憶された記憶部等を備えた端末装置である。PC2は、操作部を介してプリント要求やプリント対象のデータ(印刷データ)が入力されると、通信制御部を介して画像形成装置1に送信する。
【0049】
FAX3は、FAX送信先等を入力するための操作部、原稿の画像を読み取り画像データを取得する画像読取部、画像形成装置1等の外部装置と画像データの送受信を行うFAXモデム、外部装置から受信した画像データに基づき用紙に画像を形成し出力する画像形成部等を備えたファクシミリ装置である。
【0050】
次に、第1の実施の形態の動作について説明する。
図5に、制御部10により実行される出力制御処理を示す。当該処理は、制御部10のCPUとROMに記憶された出力制御処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現される。
【0051】
まず、操作部11又は通信制御部14から画像形成動作の処理要求が入力されると(ステップS1)、その処理要求が第2の通信制御部14bにより入力されたFAX3からのFAXの出力要求であるか否かが判断され、FAXの出力要求であると判断されると(ステップS2;YES)、処理はステップS4に移行する。FAXの出力要求ではないと判断されると(ステップS2;NO)、ユーザ認証処理が実行され、ユーザ認証が成功したか否かが判断される(ステップS3)。例えば、操作部11から処理要求が入力された場合には、LCD11cにユーザID及びパスワードを入力させるためのユーザ認証画面(図示せず)が表示される。PC2から処理要求が入力された場合は、通信制御部14を介して送信元のPC2に対し表示部へのユーザ認証画面の表示要求及び当該ユーザ認証画面から入力されたユーザID及びパスワードの返信要求が行われる。操作部11又は通信制御部14を介してユーザID及びパスワードが入力されると、記憶部15のユーザ認証情報ファイル15aが参照され、入力されたユーザID及びパスワードと合致するユーザID及びパスワードが記憶されている場合は、ユーザ認証が成功したと判断され、認証されたユーザのユーザIDがRAMに格納される。入力されたユーザID及びパスワードと合致するユーザID及びパスワードが記憶されていない場合、ユーザ認証は失敗したと判断される。ユーザ認証処理の結果、ユーザ認証が成功したと判断されると(ステップS3;YES)、ユーザIDがRAMに格納され、処理はステップS4に移行する。ユーザ認証が失敗したと判断されると(ステップS3;NO)、本処理は終了する。
【0052】
ステップS4においては、操作部11又は通信制御部14からの処理要求が受け付けられてジョブ登録が行われ(ステップS4)、ジョブが実行される(ステップS5)。例えば、登録されたジョブがコピージョブであれば、画像読取部12により原稿が順次読み取られることにより画像データが入力され、入力された画像データに基づいて、画像形成部16により用紙上に画像が形成され、排紙トレイ16hに出力される。プリントジョブであれば、通信制御部14により印刷データが受信され、受信された印刷データに基づいて、画像形成部16により用紙上に画像が形成され、排紙トレイ16hに出力される。FAX出力ジョブであれば、通信制御部14によりFAXの画像データが受信され、受信された画像データに基づいて、画像形成部16により用紙上に画像が形成され、排紙トレイ16hに出力される。なお、両面印刷を行った場合には、最終ページが表面であったか裏面であったかを示す情報が制御部10のRAMに記憶される。
【0053】
ジョブが終了すると、ユーザ認証情報ファイル15aが参照され、認証されたユーザに対し目隠し機能が「有効」に設定されているか否かが判断される(ステップS6)。なお、FAX出力ジョブ等、ユーザが特定できない場合には、目隠し機能は無効に設定されているものと判断される。
【0054】
認証されたユーザについて目隠し機能が有効に設定されていないと判断されると(ステップS6;NO)、本処理は終了する。一方、認証されたユーザについて目隠し機能が有効に設定されていると判断されると(ステップS6;YES)、タイマ18による計時が開始され(ステップS7)、予め定められた基準時間tが経過するまで待機される。
【0055】
計時開始後予め定められた基準時間tが経過すると(ステップS8;YES)、次のジョブの実行により排紙トレイ16hに用紙が出力されたか否かが判断され、次のジョブの実行により排紙トレイ16hに用紙が出力されていないと判断されると(ステップS9;NO)、センサ部17から出力される検出信号に基づいて、排紙トレイ16hに用紙が存在するか否かが判断される(ステップS10)。ユーザがジョブの実行により出力された画像形成済みの用紙を排紙トレイ16hから取り除いた等により排紙トレイ16hに用紙が存在しないと判断されると(ステップS10;NO)、本処理は終了する。排紙トレイ16hに用紙が存在すると判断されると(ステップS10;YES)、処理はステップS11に移行する。
【0056】
ステップS11においては、終了したジョブの種類が目隠し機能除外設定ファイル15bに設定されている種類であったか否かが判断される。終了したジョブの種類が目隠し機能除外設定ファイル15bに設定されている種類であったと判断されると(ステップS11;YES)、本処理は終了する。終了したジョブの種類が目隠し機能除外設定ファイル15bに設定されていない種類であったと判断されると(ステップS11;NO)、処理はステップS12に移行する。
【0057】
ステップS12においては、排紙トレイ16hに出力された用紙の最上面に画像が形成されているか否かが判断される。例えば、ジョブデータが参照され、実行したジョブが両面印刷ではなかった場合、又は、両面印刷であったが最終ページが表面であった場合は、出力された用紙の最上面には画像が形成されていないと判断される。実行したジョブが両面印刷であり、かつ最終ページが裏面であった場合は、出力された用紙の最上面に画像が形成されていると判断される。出力された用紙の最上面に画像が形成されていないと判断されると(ステップS12;NO)、本処理は終了する。出力された用紙の最上面に画像が形成されていると判断されると(ステップS12;YES)、処理はステップS18に移行する。
【0058】
ステップS18においては、給紙トレイT1〜T3の何れから用紙が給紙されて搬送経路上を搬送され、排紙トレイ16hに出力され、本処理は終了する。なお、ステップS18においては、ジョブに使用した用紙と同じ紙種及びサイズの用紙を給紙トレイから給紙して排紙トレイ16hに出力してもよいが、給紙トレイ設定情報ファイル15cを参照し、ステップS5において実行されたジョブで出力された用紙より大きいサイズの用紙を収納している給紙トレイを選択し、実行されたジョブで出力された用紙より大きいサイズの用紙の給紙を行うように制御することが好ましい。また、給紙トレイ設定情報ファイル15cを参照して排紙トレイ16hから出力する用紙の紙種を判断し、紙種に応じて出力する用紙枚数を決定し、決定した枚数の用紙を給紙及び出力するように制御することが好ましい。これは、紙種によっては一枚だけ重ねても下の画像が透けて見えてしまうため、確実に画像を隠すために有効である。
【0059】
一方、次のジョブにより用紙が出力されたと判断されると(ステップS9;YES)、センサ部17により排紙トレイ16hに積載されている用紙の厚さの変化(厚さの減少)が検出されるまで待機される(ステップS13;NO)。用紙の厚さの変化が検出されると(ステップS13;YES)、排紙トレイ16hにまだ用紙が存在しているか否かが判断され、用紙が存在していないと判断されると(ステップS14;NO)、本処理は終了する。用紙が存在していると判断されると(ステップS14;YES)、タイマ18による計時が開始され(ステップS15)、予め定められた基準時間tが経過するまで待機される。計時開始後予め定められた基準時間tが経過すると(ステップS16;YES)、センサ部17から入力される検出信号に基づいて、排紙トレイ16hに用紙が存在しているか否かが判断され(ステップS17)、排紙トレイ16hに用紙が存在していないと判断されると(ステップS17;NO)、本処理は終了する。排紙トレイに用紙が存在していると判断されると(ステップS17;YES)、給紙トレイT1〜T3の何れから用紙が給紙されて搬送経路上を搬送され、排紙トレイ16hに出力され(ステップS18)、本処理は終了する。
【0060】
以上説明したように、第1の実施の形態における画像形成装置1によれば、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブが実行されない場合に、排紙トレイ16hに用紙が存在するか否かが判断される。排紙トレイ16hに用紙が存在すると判断されると、目隠し機能除外設定ファイル15bが参照され、実行されたジョブの種類が目隠し機能の除外が設定されたジョブであるか否かが判断される。実行されたジョブが目隠し機能の除外設定がされていない種類のジョブであると判断されると、ジョブで出力された用紙の最上面に画像が形成されているか否かが判断される。ジョブで出力された用紙の最上面に画像が形成されていると判断されると、給紙トレイT1〜T3の何れかから用紙が給紙され、排紙トレイ16hに出力される。
【0061】
従って、ジョブの終了後、ユーザがジョブにより出力された画像形成済みの用紙を放置していても、実行されたジョブが目隠し機能の除外が設定されていないジョブであり、ジョブで出力された用紙の最上面に画像が形成されていれば、給紙トレイT1〜T3の何れかから用紙が給紙され、排紙トレイ16hに出力されるので、この新たに出力された用紙によりジョブにおいて出力された画像が隠され、放置された出力物が他のユーザの目に晒されるといったことがなくなり、画像形成済みの用紙のセキュリティを守ることが可能となる。また、ジョブの実行前にジョブで出力する画像が秘密文書であることを操作部11から入力する必要がないので、ユーザの手間をかけることなく、排紙トレイ16hに放置された画像形成済み用紙のセキュリティを守ることができる。また、機密度の高い文書専用の排紙トレイを設ける必要がないため、装置の大型化を抑えることができる。更に、ジョブ終了後に出力する用紙には印刷を行わないので、出力した用紙を再度給紙トレイに装填して再利用をすることができ、トナーや紙の消費がかさむこともなく、ランニングコストをかけずに排紙トレイに放置された画像形成済みの用紙のセキュリティを簡易に守ることが可能となる。
【0062】
また、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブが実行された場合は、センサ部17からの排紙トレイ16hに積載された用紙の厚さの変化の検出が待機され、厚さの変化が検出された時点から計時を開始し、計時開始から基準時間tが経過してもなお排紙トレイ16hに用紙が存在している場合には、給紙トレイT1〜T3の何れかから用紙が給紙され、排紙トレイ16hに出力される。従って、後に出力したジョブのユーザが自分の出力した用紙を取り除き、再度人目に晒されるようになった画像形成済み用紙のセキュリティを守ることが可能となる。
【0063】
なお、上記第1の実施の形態においては、上記出力制御処理の実行により、用紙の不要な出力を避けるため、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブが実行されない場合に、ステップS10〜12の判断を行って、排紙トレイ16hに用紙が存在し、終了したジョブの種類が目隠し機能除外が設定されていないジョブであり、かつ、出力された用紙の最上面に画像が形成されている場合に、給紙トレイT1〜T2の何れかから目隠し用に用紙を給紙して排紙トレイ16hに出力するように制御した。しかし、これらのステップS10〜12の判断を行わず、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブが実行されない場合に、給紙トレイT1〜T2の何れかから目隠し用に用紙を給紙して排紙トレイ16hに出力するような制御としてもよい。また、ステップS10〜S12の判断処理を何れか一つ以上組み合わせた制御としてもよい。何れの制御であっても、排紙トレイに放置された画像形成済みの用紙のセキュリティを簡易に守ることが可能となる。
【0064】
また、上記第1の実施の形態においては、ジョブの実行を要求したユーザが、目隠し機能が有効に設定されたユーザである場合に、ステップS7以降の処理を実行し目隠し用の用紙出力の制御を行うようにしたが、ユーザ認証を行わない環境等においては、ステップS6の判断は省略し、全てのユーザについてステップS7以降の処理を適用してもよい。
【0065】
また、上記第1の実施の形態においては、ユーザ認証はパスワードを用いる形式としたが、指紋情報、声紋情報、網膜情報等の生体情報を用いる形式としてもよい。
【0066】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略し、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0067】
図6に、第2の実施の形態において制御部10により実行される出力制御処理(出力制御処理Bとする)を示す。当該処理は、制御部10のCPUとROMに記憶された出力制御処理Bプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現される。
【0068】
まず、操作部11又は通信制御部14から画像形成動作の処理要求が入力されると(ステップS21)、その処理要求が第2の通信制御部14bにより入力されたFAX3からのFAXの出力要求であるか否かが判断され、FAXの出力要求であると判断されると(ステップS22;YES)、処理はステップS24に移行する。FAXの出力要求ではないと判断されると(ステップS22;NO)、ユーザ認証処理が実行され、ユーザ認証が成功したか否かが判断される(ステップS23)。例えば、操作部11から処理要求が入力された場合には、LCD11cにユーザID及びパスワードを入力させるためのユーザ認証画面(図示せず)が表示される。PC2から処理要求が入力された場合は、通信制御部14を介して送信元のPC2に対し表示部へのユーザ認証画面の表示要求及び当該ユーザ認証画面から入力されたユーザID及びパスワードの返信要求が行われる。操作部11又は通信制御部14を介してユーザID及びパスワードが入力されると、記憶部15のユーザ認証情報ファイル15aが参照され、入力されたユーザID及びパスワードと合致するユーザID及びパスワードが記憶されている場合は、ユーザ認証が成功したと判断され、認証されたユーザのユーザIDがRAMに格納される。入力されたユーザID及びパスワードと合致するユーザID及びパスワードが記憶されていない場合、ユーザ認証は失敗したと判断される。ユーザ認証処理の結果、ユーザ認証が成功したと判断されると(ステップS23;YES)、ユーザIDがRAMに格納され、処理はステップS24に移行する。ユーザ認証が失敗したと判断されると(ステップS23;NO)、本処理は終了する。
【0069】
ステップS24においては、操作部11又は通信制御部14からの処理要求が受け付けられてジョブ登録が行われ(ステップS24)、ジョブが実行される(ステップS25)。
【0070】
ジョブが終了すると、タイマ18による計時が開始される(ステップS26)。予めさだめられた基準時間tが経過するまでに操作部11又は通信制御部14から次の画像形成動作の処理要求が入力されると(ステップS27;NO、ステップS28;YES)、その処理要求が第2の通信制御部14bにより入力されたFAX3からのFAXの出力要求であるか否かが判断され、FAXの出力要求であると判断されると(ステップS29;YES)、処理はステップS31に移行する。FAXの出力要求ではないと判断されると(ステップS29;NO)、ユーザ認証処理が実行され、ユーザ認証が成功したか否かが判断される(ステップS30)。ユーザ認証が成功したと判断されると(ステップS30;YES)、処理はステップS31に移行する。ユーザ認証が失敗したと判断されると(ステップS30;NO)、処理はステップS28に戻る。
【0071】
ステップS31においては、操作部11又は通信制御部14からの処理要求が受け付けられてジョブ登録が行われ(ステップS31)、次いで、センサ部17から入力される検出信号に基づいて、排紙トレイ16hに用紙が存在するか否かが判断される(ステップS32)。ユーザが前回のジョブの実行により出力された画像形成済みの用紙を排紙トレイ16hから取り除いた等により排紙トレイ16hに用紙が存在しないと判断されると(ステップS32;NO)、処理はステップS36に移行する。
【0072】
一方、排紙トレイ16hに用紙が存在すると判断されると(ステップS32;YES)、RAMに登録されている前回のジョブのユーザIDと今回のジョブのユーザIDが比較され、今回登録されたジョブを要求したユーザが前回のジョブを要求したユーザと同一であるか否かが判断され、同一であると判断されると(ステップS33;YES)、処理はステップS36に移行し、ジョブが実行される。今回登録されたジョブのユーザが前回のジョブのユーザと同一ではないと判断されると(ステップS33;NO)、ユーザ認証情報ファイル15aが参照され、今回登録されたジョブのユーザと前回のジョブのユーザが同一グループであるか否かが判断される。今回登録されたジョブのユーザと前回のジョブのユーザが同一グループであると判断されると(ステップS34;YES)、処理はステップS36に移行し、ジョブが実行される。今回登録されたジョブのユーザと前回のジョブのユーザが同一グループではないと判断されると(ステップS34;NO)、給紙トレイT1〜T3の何れから用紙が給紙されて搬送経路上を搬送され、排紙トレイ16hに出力され(ステップS35)、ジョブが実行される(ステップS36)。ジョブが終了すると、処理はステップS26に戻り、タイマ18による計時が開始される。なお、ステップS33及びステップS34の判断において、FAX出力ジョブのようにユーザが特定できない場合は、同一ではないと判断される。
【0073】
一方、タイマ18による計時開始から予め定められた基準時間tが経過すると(ステップS27;YES)、処理はステップS37に移行し、排紙トレイ16hに用紙が存在するか否かが判断される。排紙トレイ16hに用紙が存在しないと判断されると(ステップS37;NO)、本処理は終了する。排紙トレイ16hに用紙が存在すると判断されると(ステップS37;YES)、給紙トレイT1〜T3の何れから用紙が給紙されて搬送経路上を搬送され、排紙トレイ16hに出力され(ステップS38)、本処理は終了する。
【0074】
以上説明したように、第2の実施の形態における画像形成装置1によれば、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブの実行が要求がなく、次のジョブが実行されない場合に、排紙トレイ16hに用紙が存在するか否かが判断され、排紙トレイ16hに用紙が存在すると判断されると、給紙トレイT1〜T3の何れかから用紙が給紙され、排紙トレイ16hに出力される。ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブの実行が要求されると、次のジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一であるか否かが判断され、同一ではないと判断された場合に、次のジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一グループであるか否かが判断され、同一グループではないと判断されると、給紙トレイT1〜T3の何れかから用紙が給紙され、排紙トレイ16hに出力される。
【0075】
従って、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに他のグループのユーザのジョブが実行される場合に、その実行前に目隠し用の用紙が出力されるので、次のジョブの実行後、他のグループ(所属)のユーザが出力した用紙を排紙トレイ16hから取り除く際に、他のグループのユーザに画像形成済みの用紙の内容を見られてしまうといったことがなくなり、出力された画像形成済みの用紙のセキュリティを守ることができる。また、他のグループのユーザが自分の出力した用紙を取り除いた後に、排紙トレイ16hに放置された画像形成済みの用紙が人目に晒された状態となることを防止することができる。
【0076】
なお、上記第2の実施の形態においては、上記出力制御処理Bの実行により、ステップS33の判断処理の後にステップS34の判断処理を行い、次のジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一グループでない場合に、目隠し用の用紙を出力する、すなわち、給紙トレイT1〜T3の何れかから用紙を給紙し、排紙トレイ16hに出力するように制御を行うこととしたが、ステップS34の判断を除き、次のジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一であると判断した場合に、目隠し用の用紙を出力する制御を行うようにしてもよい。これにより、次にジョブを実行した他のユーザに出力文書を見られるといったことを防止することができ、更にセキュリティを向上させることができ好ましい。
【0077】
また、第2の実施の形態においても、ジョブの終了後、予め定められた基準時間tが経過するまでに次のジョブの実行の要求がなくジョブが実行されない場合に、第1の実施の形態における図5のステップS11、S12の判断処理を行って、判断結果に応じて、目隠し用の用紙を出力するようにしてもよい。このようにすれば、終了したジョブがFAX出力ジョブ等の、画像形成済みの用紙を隠すことが好ましくない種類のジョブの場合、又は、排紙トレイ16hに積載された最上面に画像が形成されておらず用紙の出力が不要な場合に、用用紙の出力を行わないようにすることができるので好ましい。
【0078】
また、上記第2の実施の形態においても、ユーザ認証はパスワードを用いる形式としたが、指紋情報、声紋情報、網膜情報等の生体情報を用いる形式としてもよい。
【0079】
その他、画像形成システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る画像形成システム100の全体構成を示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成部16の内部の概略構成を示す図である。
【図4】(a)は、ユーザ認証情報ファイル15aのデータ格納例を示す図、(b)は、目隠し機能除外設定ファイル15bのデータ格納例を示す図、(c)は、給紙トレイ設定情報ファイル15cのデータ格納例を示す図である。
【図5】図1の制御部10により実行される出力制御処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の制御部10により実行される出力制御処理Bを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
100 画像形成システム
1 画像形成装置
10 制御部
11 操作部
11a タッチパネル
11b ハードキー
11c LCD
12 画像読取部
12a コンタクトガラス
12b スキャナ
13 画像処理部
13a 処理部
13b 画像記憶部
14 通信制御部
14a 第1の通信制御部
14b 第2の通信制御部
15 記憶部
15a ユーザ認証情報ファイル
15b 目隠し機能除外設定ファイル
15c 給紙トレイ設定情報ファイル
16 画像形成部
16a 書き込み部
16b 帯電部
16c 感光体ドラム
16d 現像部
16e 転写部
16f 給紙トレイ部
16g 定着部
16h 排紙トレイ
16i 搬送部
17 センサ部
18 タイマ
19 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を収納する給紙トレイと、
前記給紙トレイから給紙された用紙上にトナー画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイに出力する画像形成部と、
前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させる制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記排紙トレイに用紙が存在するか否かを検出するセンサ部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記センサ部からの出力に基づき前記排紙トレイに用紙が存在するか否かを判断し、前記排紙トレイに用紙が存在すると判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記画像形成ジョブが予め定められた種類のジョブであったか否かを判断し、予め定められた種類のジョブではなかった場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記画像形成部における画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブが実行されない場合に、前記排紙トレイに出力された用紙の最上面に画像が形成されているか否かを判断し、画像が形成されている場合に前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像形成ジョブにより出力された用紙より大きいサイズの用紙を前記給紙トレイから給紙することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記給紙トレイから給紙する用紙の紙種に応じて、前記給紙トレイから給紙し排紙トレイに出力させる用紙枚数を決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記センサ部は、前記排紙トレイに積載された用紙の厚さを検出可能であり、
前記制御部は、前記センサ部から用紙の厚さの変化が検出されてから一定時間経過したときに前記排紙トレイに用紙が存在するか否かを判断し、用紙が存在すると判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙して前記排紙トレイに出力させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記画像形成ジョブの実行を要求したユーザを認証し、前記認証されたユーザが前記画像形成ジョブの終了後の用紙出力を許可されたユーザである場合に、前記画像形成ジョブの終了後の用紙出力を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、画像形成ジョブの実行を要求したユーザを認証し、前記画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブの実行が要求された場合に、前記次の画像形成ジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一であるか否かを判断し、同一でないと判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置の使用を許可するユーザの識別情報を当該ユーザが所属するグループの識別情報と対応付けて記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、画像形成ジョブの実行を要求したユーザを認証し、前記画像形成ジョブの終了後、一定時間が経過するまでに次の画像形成ジョブの実行が要求された場合に、前記記憶部に記憶されているグループ情報を参照し、前記次の画像形成ジョブを要求したユーザが前回の画像形成ジョブを要求したユーザと同一グループであるか否かを判断し、同一グループでないと判断した場合に、前記給紙トレイから用紙を給紙し前記排紙トレイに出力させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−185942(P2008−185942A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21410(P2007−21410)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】