説明

画像形成装置

【課題】送風ダクトからシールドケースの内側に効率良く送風できるようにする。
【解決手段】感光体ドラム9と、その感光体ドラム側に向けて開口し、かつ、ドラム軸芯X方向に沿って長いシールドケース13を備えたコロナ帯電器10とを一体に設けてあるドラムユニット4が装置本体に対して装脱自在に内装され、シールドケースの内側に送風可能な送風ダクト18が設けられている画像形成装置であって、シールドケースの感光体ドラム側とは逆の底面側に開口部16が形成され、ドラム軸芯方向に沿って長い送風ダクトが、開口部を介してシールドケースの内側に送風可能に、シールドケースと一体に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムと、その感光体ドラム側に向けて開口し、かつ、ドラム軸芯方向に沿って長いシールドケースを備えたコロナ帯電器とを一体に設けてあるドラムユニットが装置本体に対して装脱自在に内装され、前記シールドケースの内側に送風可能な送風ダクトが設けられている画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記画像形成装置は、メンテナンスが能率良く行えるように、感光体ドラムとコロナ帯電器とを一体に設けてあるドラムユニットが装置本体に対して装脱自在に内装されており、コロナ放電により感光体ドラムの表面を所定電位に帯電させるコロナ帯電器は、コロナ放電に伴ってシールドケース内にオゾンやNOxなどの放電生成物が発生し、これらの放電生成物により感光体ドラム表面に設けられている感光層が劣化するという問題がある。
そこで、シールドケース内の放電生成物を吹き飛ばして、感光体ドラム表面への放電生成物の付着を防止するために、シールドケースの内側に送風可能な送風ダクトが設けられているが、従来の画像形成装置では、ドラム軸芯方向に沿って長い送風ダクトを、空気吹き出し口をシールドケース側に向けて装置本体に取り付けておくとともに、シールドケースの底面側に開口部を形成しておいて、ドラムユニットを装置本体に対して装着することにより、送風ダクトの空気吹き出し口とシールドケースの開口部とを互いに対向させて、送風ダクトからの空気をシールドケースの内側に送風できるように構成してある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−6697号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、ドラムユニットを装置本体に対して装着した状態では、送風ダクトの空気吹き出し口とシールドケースの開口部とが互いに対向しているものの、送風ダクトとシールドケースとの相対移動を許容するために、送風ダクトとシールドケースとの間に隙間(クリアランス)が存在しており、この隙間から空気が漏れ出て、シールドケースの内側に効率良く送風できない欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、送風ダクトからシールドケースの内側に効率良く送風できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、感光体ドラムと、その感光体ドラム側に向けて開口し、かつ、ドラム軸芯方向に沿って長いシールドケースを備えたコロナ帯電器とを一体に設けてあるドラムユニットが装置本体に対して装脱自在に内装され、前記シールドケースの内側に送風可能な送風ダクトが設けられている画像形成装置であって、
前記シールドケースの前記感光体ドラム側とは逆の底面側に開口部が形成され、ドラム軸芯方向に沿って長い送風ダクトが、前記開口部を介して前記シールドケースの内側に送風可能に、前記シールドケースと一体に設けられている点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
シールドケースの感光体ドラム側とは逆の底面側に開口部が形成され、ドラム軸芯方向に沿って長い送風ダクトが、その開口部を介してシールドケースの内側に送風可能に、シールドケースと一体に設けられていて、コロナ帯電器と共に装置本体に対して装脱自在に設けてあるので、送風ダクトとシールドケースとの間に大きな隙間を設けることなく組み付けて、送風ダクトとシールドケースとの接合部からの空気の漏れ出しを防止することができ、送風ダクトからシールドケースの内側に効率良く送風できる。
その上、送風ダクトでシールドケースを補強して、ドラムユニットの剛性を高めることができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記送風ダクトのドラム軸芯方向における略中央位置に、前記ドラムユニットを持ち上げ保持可能な取っ手を設けてある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
送風ダクトのドラム軸芯方向における略中央位置に、ドラムユニットを持ち上げ保持可能な取っ手を設けてあるので、送風ダクトでシールドケースを補強することにより剛性を高めたドラムユニットを片手でバランス良く持ち上げ保持することができ、装置本体から取り出したドラムユニットの取り扱いが容易になる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記コロナ帯電器は、グリッド電極を備えたスコロトロン帯電器で構成してあって、前記感光体ドラムとの接当により、グリッド電極と感光体ドラムとの間隔を略一定に保持するギャップコロを備え、前記ギャップコロを前記感光体ドラムに対して弾性的に押圧する付勢部材を前記送風ダクトに設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
コロナ帯電器は、グリッド電極を備えたスコロトロン帯電器で構成してあって、ギャップコロを感光体ドラムに対して弾性的に押圧する付勢部材を送風ダクトに設けてあるので、スコロトロン帯電器を感光体ドラムに対して位置決め状態で組み付け易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による電子写真式画像形成装置の一例としてのタンデム式フルカラー複写機の要部を示し、装置本体Aの一部を構成している本体フレーム1の内側に、同一構造の4つの画像形成部2(2a〜2d)が用紙搬送経装置を形成する転写ベルト3の上面側にその長手方向に沿って一列に配設されている。
【0012】
各画像形成部2(2a〜2d)は,それぞれ異なる4色(ブラック,マゼンダ,イエロー,シアン)の画像を形成するもので、ドラムユニット4と現像ユニット5とで構成してあり、ドラムユニット4と現像ユニット5の夫々は、装置本体Aに対して各別に装脱自在に内装してある。
【0013】
前記転写ベルト3は、駆動ローラ6と従動ローラ7とに亘って巻き掛けられて、図中の矢印で示す方向に駆動回動され、転写ベルト3を挟んで感光体ドラム9に対向する転写ローラ8(8a〜8d)を、各画像形成部2(2a〜2d)毎に対応させて設けてある。
【0014】
前記ドラムユニット4は、図2,図3に示すように、感光体ドラム9の周りにコロナ帯電器10やクリーニング装置11などを一体に組み付けてあり、現像ユニット5で感光体ドラム9の表面に形成されたトナー像を、転写ローラ8により転写ベルト3上の用紙に転写できるように内装してある。
【0015】
そして、各画像形成部2(2a〜2d)における画像形成タイミングに合わせて転写ベルト3で搬送される用紙に、各画像形成部2(2a〜2d)の感光体ドラム9に形成されたトナー像を転写ローラ8により順次転写することにより,4色のトナー像が重なったフルカラーのトナー像が用紙上に形成されるように構成してある。
【0016】
前記コロナ帯電器10は、図2,図4に示すように、グリッド電極12を備えたスコロトロン帯電器で構成してあって、感光体ドラム9側に向けて開口し、かつ、ドラム軸芯X方向に沿って長い横断面形状がコの字形のシールドケース13を備え、シールドケース13の内側にコロナワイヤー14をドラム軸芯X方向に沿わせて架設してあり、感光体ドラム9との接当により、グリッド電極12と感光体ドラム9との間隔を略一定に保持するギャップコロ15を備えている。
【0017】
図2,図4,図5に示すように、前記シールドケース13の感光体ドラム9側とは逆の底面側にはドラム軸芯X方向に沿って長い開口部16が形成されており、ドラム軸芯X方向に沿って長い樹脂製送風ダクト18が、開口部16を介してシールドケース13の内側に送風可能に、かつ、取り外し可能にシールドケース13と一体に設けられている。
【0018】
前記送風ダクト18には、ドラム軸芯X方向に沿って長い空気吹き出し口19をシールドケース13の開口部16に対向させて形成してあり、送風ファン(図示せず)からの空気を流入させる送風口17を長手方向一端側に形成してあるとともに、送風口17から流入した空気の流れ方向を空気吹き出し口19側に変更する複数の整流板20を設けてある。
【0019】
図6にも示すように、送風ダクト18のドラム軸芯X方向における略中央位置に、ドラムユニット4を持ち上げ保持可能な取っ手21を一体に設けてあり、帯電器10の装着部位を挟む樹脂製フレーム22のドラム軸芯X方向における略中央位置にも、送風ダクト18を挟んでダクト側取っ手21に対向する取っ手23を一体に設けて、二つの取っ手21,23を片手で同時に把持することにより、ドラムユニット4を片手でバランス良く持ち上げ保持することができるように構成してある。
尚、二つの取っ手21,23を送風ダクト18側に一体形成してあっても良い。
【0020】
また、図6にも示すように、送風ダクト18の長手方向一端側には、ギャップコロ15を感光体ドラム9に対して弾性的に押圧する板バネなどの付勢部材24を設けてある。
【0021】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による画像形成装置は、コロナ帯電器としてのコロトロン帯電器をドラムユニットに設けてあっても良い。
2.本発明による画像形成装置は、送風ダクトに空気を供給するための送風ファンをドラムユニットに取り付けてあっても良い。
3.本発明による画像形成装置は、複写機以外のプリンタやファックスなどの電子写真式画像形成装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成装置の要部を示す側面図
【図2】画像形成部を示す横断面図
【図3】ドラムユニットの斜視図
【図4】ドラムユニットの縦断面図
【図5】ドラムユニットをクリーニング装置側から見た分解斜視図
【図6】ドラムユニットを感光体ドラム側から見た分解斜視図
【符号の説明】
【0023】
4 ドラムユニット
9 感光体ドラム
10 コロナ帯電器(スコロトロン帯電器)
12 グリッド電極
13 シールドケース
15 ギャップコロ
16 開口部
18 送風ダクト
21 取っ手
24 付勢部材
A 装置本体
X ドラム軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムと、その感光体ドラム側に向けて開口し、かつ、ドラム軸芯方向に沿って長いシールドケースを備えたコロナ帯電器とを一体に設けてあるドラムユニットが装置本体に対して装脱自在に内装され、
前記シールドケースの内側に送風可能な送風ダクトが設けられている画像形成装置であって、
前記シールドケースの前記感光体ドラム側とは逆の底面側に開口部が形成され、
ドラム軸芯方向に沿って長い送風ダクトが、前記開口部を介して前記シールドケースの内側に送風可能に、前記シールドケースと一体に設けられている画像形成装置。
【請求項2】
前記送風ダクトのドラム軸芯方向における略中央位置に、前記ドラムユニットを持ち上げ保持可能な取っ手を設けてある請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コロナ帯電器は、グリッド電極を備えたスコロトロン帯電器で構成してあって、前記感光体ドラムとの接当により、グリッド電極と感光体ドラムとの間隔を略一定に保持するギャップコロを備え、
前記ギャップコロを前記感光体ドラムに対して弾性的に押圧する付勢部材を前記送風ダクトに設けてある請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−116265(P2009−116265A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292227(P2007−292227)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】