説明

画像形成装置

【課題】ケーシング部材内部の排気むらをなくして、短時間かつ効率良く放電生成物を排出することができる技術を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、像保持体に対向配置されたコロナ放電電極を囲むケーシング部材の一例である放電シールド12と、放電シールド12の像保持体1と直面しない部位において長手方向に延在する通気口13と、放電シールド12の通気口13周囲を加熱する加熱手段14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、像保持体に対してコロナ放電により帯電または除電を行う放電装置において、コロナ放電により生成されたオゾン(O)や窒素酸化物(NOx)等の放電生成物が、放電電極やケーシング部材の内側に蓄積することが知られている。この蓄積した放電生成物は、数時間から数十時間を掛けて昇華し、酸化性ガスとなって像保持体を徐々に劣化させる。NOxは、空気中の水分と反応して硝酸となり、像保持体表面を酸化してラジカルを生成する。ラジカルが生成すると像保持体表面が低抵抗化して静電潜像を破壊する。このような現象は特に低湿の環境で顕著であり、結果として画像白抜けなどの問題が発生する。
【0003】
一方、近年は像保持体を長寿命化するため、像保持体表面に摩耗の少ない硬質材料で形成された保護層(オーバーコート層)が設けられることが多くなってきている。その反面、酸化性ガスにより劣化を受けた像保持体表面が、ブレードによって除去されずに残ってしまうという課題を有している。また、オーバーコート層は酸化性ガスに弱い特性を有していることが多く、酸化性ガスを除去する技術が必要とされている。このような課題を解決する技術としては、例えば、特許文献1および2に記載の発明が公知である。特許文献1に記載の発明は、放電装置のグリッド部材およびケーシング部材にオゾン分解用発熱体を装着するというものであり、特許文献2に記載の技術は、被放電体に対向する側に設けられた開口部と、開口部を介して被放電体に放電する放電ワイヤと、放電ワイヤを囲むケーシングと、ケーシング内を加熱する加熱手段とからなるものである。
【特許文献1】特開平5−281829号公報
【特許文献2】特開2001−312122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に画像形成装置内に滞留するOやNOxは、換気用ファンによって画像形成装置外に排出されるが、ケーシング部材の内部の排気はむらがあり、また一度ケーシング部材に蓄積した放電生成物はゆっくりと酸化性ガスに変化して放出するため、画像形成装置外に排出されるまで時間が掛かってしまうという懸念がある。また、画像形成装置の電源が停止された後も、換気用ファンを数時間動作させる必要があるが、この場合は電力消費や騒音が課題となってしまう。このような背景を鑑み、本発明は、ケーシング部材内部の排気むらをなくして、短時間かつ効率良く放電生成物を排出することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、像保持体に対向配置されたコロナ放電電極を囲むケーシング部材と、前記ケーシング部材の前記像保持体と直面しない部位において長手方向に延在する通気口と、前記ケーシング部材の通気口周囲を加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記加熱手段は、前記ケーシング部材外部または内部に設けられることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記像保持体の最表面に硬質材料で形成された保護層を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記ケーシング部材外側の前記加熱手段がない部位に断熱部材を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、画像形成が行われないときに前記加熱手段を加熱させる加熱制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、蓄電装置と、前記蓄電装置を商用電源から充電する充電装置と、画像形成が一定時間内に行われないとき、または、省エネモードであるとき若しくは商用電源が断たれているときに、前記蓄電装置から前記加熱手段に電力を供給する加熱制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、定着装置と、前記定着装置で発生した熱を蓄える蓄熱装置と、前記蓄熱装置から前記加熱手段に熱を伝導する熱伝導部とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、前記ケーシング部材背部に設けられた構造部材と、前記構造部材を加熱する構造部材加熱手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、加熱手段は、ケーシング部材の像保持体と直面しない部位に設けられた通気口周囲を加熱するため、ケーシング部材背部において上昇気流が発生し、ケーシング部材外部の気圧が内部より低下することによって、この通気口からケーシング部材外部へ流出するむらのない気流が生成される。一方、放電電極、グリッド電極、およびケーシング部材に蓄積した放電生成物は、加熱手段によって加熱されて昇華が促進される。昇華した放電生成物は、通気口からケーシング部材外部へ流出する気流に運ばれて、ケーシング部材の外部へ排出される。よって、ケーシング部材内部の排気むらがなくなるとともに、放電生成物の昇華が促進されるため、昇華した放電生成物は、像保持体周囲に滞留することなく、本件発明を適用する場合と比べて短時間で画像形成装置外に排出される。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、加熱手段がケーシング部材外部に設けられる場合には、本件発明を適用する場合と比べて、ケーシング部材背部で相対的に速い風速の上昇気流が発生する。一方、加熱手段がケーシング部材内部に設けられる場合には、加熱手段から発生する放射熱がケーシング部材内部に蓄積した放電生成物に直接照射されるため、放電生成物の昇華が促進される。
【0015】
請求項3に記載の発明において、昇華した放電生成物は、通気口からケーシング部材の外部へ流出する気流に運ばれて排出されるため、像保持体の周辺に滞留しない。よって、像保持体の最表面に摩耗を防止する保護層を設ける態様によれば、像保持体は、酸化性ガスによって劣化されなく、ブレードによる摩耗が低減するため、本件発明を適用する場合と比べて長寿命化する。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、加熱手段によってケーシング部材を伝導する熱は、断熱部材によって外部へ放熱されず、ケーシング部材内部に伝導される。よって、放電生成物の昇華が促進されるとともに、ケーシング部材外部に余分な気流が発生せず、ケーシング部材背部においてむらのない上昇気流が生成される。
【0017】
請求項5に記載の発明において、画像形成が行われないときは、像保持体が停止しているため、ケーシング部材に直面する像保持体表面が昇華した放電生成物によって暴露されやすいが、この態様によれば、画像形成が行われないときのみ、加熱手段が通気口周囲を加熱するため、余分な電力を消費せずに、効率良く像保持体の劣化が抑制される。
【0018】
請求項6に記載の発明において、画像形成装置の電源が断たれた後、放電生成物は数時間から数十時間掛けて昇華して像保持体表面を劣化するが、この態様によれば、商用電源が断たれたときや省エネモードのときなどでも、蓄電装置から加熱手段に電力が供給されるため、像保持体を劣化する放電生成物は、本件発明を適用する場合と比べて、短時間のうちに通気口からケーシング部材外部へ排出される。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、定着装置から発生した熱は蓄熱装置に蓄熱され、加熱手段に供給される。よって、商用電源から電力が供給されている場合でも、供給されていない場合でも電力を消費せずに、像保持体を劣化する放電生成物が通気口からケーシング部材外部へ排出される。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、本件発明を適用する場合と比べて、ケーシング部材の背部において相対的に速い上昇気流が発生するため、ケーシング部材外部と内部の気圧差が相対的に大きくなり、通気口からケーシング部材外部へ流出する気流がむらなく生成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
1.第1の実施形態
第1の実施形態では、像保持体に対向配置されたコロナ放電電極を囲むケーシング部材と、このケーシング部材の前記像保持体と直面しない部位において長手方向に延在する通気口と、そのケーシング部材の通気口周囲を加熱する加熱手段とを備えた画像形成装置の一例について説明する。
【0022】
(第1の実施形態の構成)
図1は画像形成部の一例を示す断面図であり、図2は帯電装置の一例を示す断面図である。画像形成部は、図1に示すように、像保持体1、像保持体1を帯電する帯電装置2、帯電した像保持体1に像光を露光する露光装置3、露光装置3により像保持体1に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像装置4、像保持体1に現像されたトナー像を転写材Pに転写する転写装置5、像保持体1の帯電電荷を除電する除電装置6、および像保持体1に残存するトナーをクリーニングブレードで清掃する清掃装置7から構成される。像保持体1、帯電装置2および除電装置6以外の装置は、公知の装置である。
【0023】
像保持体1は、最下層から順に導電層、電荷発生層、および電荷輸送層を備えた感光体ドラムである。導電層は、アルミニウムなどの金属材料で円筒状に形成される。導電層に積層される電荷発生層は、バインダ樹脂にアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の電荷生成材料を分散して形成される。また、電荷発生層に積層される電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂に芳香族アミン系の電荷輸送材料を分散して形成される。なお、像保持体1の形状は、ドラム形状でなくベルト形状でもよい。
【0024】
帯電装置2は、放電電極10、グリッド電極11、ケーシング部材の一例である放電シールド12を備えたスコロトロン放電装置である。放電電極10は、タングステン、ステンレス等の金属材料の細線で形成された放電ワイヤであり、像保持体1と所定の間隙を介して長手方向に橋架され、高圧電源回路に接続される。グリッド電極11は、金属材料で格子状に形成され、放電電極10と像保持体1との間に設けられ、高圧電源回路に接続される。放電シールド12は、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属材料で断面コ字形状に形成され、像保持体1に直面する側にグリッド電極11を連結し、放電電極10の周囲を囲む。なお、帯電装置2は、グリッド電極を有さないコロトロン放電装置でもよく、放電電極10は、針電極でもよい。また、除電装置6は、本発明に係る帯電装置2と同様の構成である。
【0025】
また、本発明に係る帯電装置2は、図2に示すように、通気口13、加熱手段14を備えている。通気口13は、放電シールド12の像保持体1と直面しない部位において長手方向に延在し、加熱手段14は、通気口13周囲を加熱する。通気口13が放電シールド12に設けられる位置は、帯電装置2が像保持体1に対して配置される位置(上部、上側部、側部など)に応じて適宜最適な位置が決定される。帯電装置2が像保持体1の上部に配置される場合には、通気口13の位置は、図2に示すように、放電シールド12の像保持体1と直面しない部位である側面S1に設けると好適である。この場合、加熱手段14の放射熱により、放電シールド12の背部において上昇気流Aが発生し、放電シールド12の外部の気圧が内部より低下することによって、通気口13から放電シールド12外部へ流出する気流Bが生成されるが、この態様によれば、通気口13から放電シールド12外部へ流出する気流Bが進む方向(鉛直上方)に通気口13が設けられるため、昇華した放電生成物が通気口13から排出され易くなる。
【0026】
一方、帯電装置2が像保持体1の上側部に配置される場合には、通気口13の位置は、放電シールド12の像保持体1と直面しない部位である側面S1、より好ましくは角C1または角C2に設けられる。通気口13が角C1または角C2に設けられる態様によれば、通気口13から放電シールド12外部へ流出する気流が進む方向(鉛直上方)に通気口13が設けられるため、昇華した放電生成物が通気口13から排出され易くなる。
【0027】
また、帯電装置2が像保持体1の側部または下側部に配置される場合には、通気口13の位置は、放電シールド12の像保持体1と直面しない部位である側面S1、より好ましくは角C1または角C2、さらに好ましくは側面S2または側面S3に設けられる。通気口13が角C1または角C2、さらに側面S2または側面S3に設けられる態様になるに従って、通気口13から放電シールド12外部へ流出する気流が進む方向(鉛直上方)に通気口13が設けられるようになるため、昇華した放電生成物が通気口13から排出され易くなる。なお、帯電装置2が像保持体1の下部に配置される場合は本発明の適用外である。
【0028】
また、放電シールド12の長手方向における通気口13の形状は、格子状、より好ましくは棒状である。通気口13の形状が棒状の場合、通気口13から放電シールド12外部に流出する気流にむらがなくなる。なお、通気口13が棒状の場合は、平行な複数本からなる通気口でもよい。一方、放電シールド12の長手方向における通気口13の幅は、像保持体1が画像を形成する領域、より好ましくは像保持体1が帯電する領域に対応する幅が好ましい。一方、放電シールド12の短手方向における通気口13の幅は、通気口13が設けられる側面S1〜S3の幅の20%〜45%である。
【0029】
通気口13周囲を加熱する加熱手段14は、画像形成装置の主電源から電力が供給され、電気抵抗によりジュール熱を発生する抵抗加熱部材である。抵抗加熱部材の材料は、例えば、鉄−クロム−アルミ系合金、ニッケル−クロム系合金、銅ニッケル合金、白金、モリブデン、タンタル、またはタングステン等の高融点金属材料、炭化ケイ素、カーボン等の非金属材料である。鉄−クロム−アルミ系合金の場合は、電気抵抗が大きく、温度係数が小さく安定する。ニッケル−クロム系合金の場合は、電気抵抗が大きく、温度係数が小さく安定し、高温でも強度が高い。また、高融点金属材料の場合は、上記合金系よりも高温域で使用する際に好適となる。
【0030】
加熱手段14は、図2に示すように、放電シールド12にボルトおよびナットまたは溶接等で通気口13の周囲に固定される。そして、加熱手段14が発生する熱は、アルミニウム等で形成された放電シールド12を熱伝導して、放電シールド12、グリッド電極11、および放電電極10に蓄積した放電生成物の昇華を促進する。昇華した放電生成物は、通気口13から放電シールド12の外部に流出する気流に運ばれて排出される。
【0031】
加熱手段14の形状は、放電シールド12の長手方向に平行な2つの棒状、より好ましくは通気口13の周囲を包囲する四角形状である。また、放電シールド12の長手方向における加熱手段14の幅は、通気口13と同様の幅が好ましく、放電シールド12の短手方向における加熱手段14の幅は、通気口13を除いた側面S1、S2、またはS3の全体を覆うことが好ましい。なお、通気口13が放電シールド12の角C1、C2に設けられる場合には、放電シールド12の短手方向における加熱手段14の幅は、角C1、C2を形成する2つの側面(例えば、角C1の場合は側面S1と側面S2)全体を覆うことが好ましい。この態様によれば、放電シールド12の内部と外部で気圧差が適度に発生し、通気口13から放電シールド12の外部に流出するむらのない気流が生成される。また、加熱手段14の目標温度は、画像形成装置内の雰囲気温度の+15℃〜+25℃が好ましい。この態様によれば、放電シールド12の内部に蓄積した放電生成物の昇華が促進される。
【0032】
(第1の実施形態の動作)
画像形成装置が画像形成を行うとき、帯電装置2は、像保持体1に対してコロナ放電により帯電させる。この際、帯電装置2の放電電極10には高圧電源回路により高電圧が印可される。そして、放電電極10の表面から電子が飛び出すと、空気中の酸素分子や窒素分子に衝突して分子内の電子を電離させ、電子と正イオンが生成される。すると電子の数は2倍になり、さらに電子が酸素分子等に衝突して電子と正イオンの数が加速度的に増え、なだれ現象がおきる。衝突によって多くの電子が励起され、電子が高いエネルギー準位に上がった後、電子が低いエネルギー準位に落ちると、エネルギー差に相当する波長の放射光が放出され、斑点状やブラシ状のコロナが発生する。この際、酸素イオンや窒素イオンは、他の分子と結合してオゾン(O)や窒素酸化物(NOx)等の放電生成物となり、放電電極10、グリッド電極11、および放電シールド12に付着して蓄積する。
【0033】
一方、加熱手段14は、画像形成装置の主電源から電力が供給され、電気抵抗によりジュール熱を発生する。加熱手段14の温度は、画像形成装置内の雰囲気温度の約+20℃に制御される。加熱手段14が発生した放射熱は、放電シールド12の背部の空気を加熱し、放電シールド12の背部において上昇気流Aを生成する。そして、放電シールド12の背部の気圧が内部より低下することによって、通気口13から放電シールド12の外部へ流出する気流Bが生成される。一方、加熱手段14が発生した熱は、放電シールド12、グリッド電極11、および放電電極10を熱伝導して、放電生成物の昇華を促進させる。昇華した放電生成物は、通気口13から放電シールド12の外部へ流出する気流Bに運ばれて排出される。
【0034】
(第1の実施形態の優位性)
以下、第1の実施形態の優位性について述べる。加熱手段14は、放電シールド12の像保持体1と直面しない部位に設けられた通気口13周囲を加熱するため、放電シールド12背部において上昇気流Aが発生し、放電シールド12の外部の気圧が内部より低下することによって、通気口13から放電シールド12の外部へ流出する気流Bがむらなく生成される。一方、放電電極10、グリッド電極11、および放電シールド12に蓄積した放電生成物は、加熱手段14によって加熱されて昇華が促進される。昇華した放電生成物は、通気口13から放電シールド12外部へ流出する気流Bに運ばれて放電シールド12の外部へ排出される。よって、放電シールド12内部の排気むらがなくなるとともに、放電生成物の昇華が促進されるため、昇華した放電生成物は、像保持体1周囲に滞留することなく、相対的に短時間で画像形成装置外に排出される。
【0035】
2.第2の実施形態
第2の実施形態では、第1の実施形態において、特にケーシング部材の外部または内部に設けられた加熱手段の一例について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0036】
(第2の実施形態の構成)
図2に示すように、加熱手段14が放電シールド12の外部に設けられる場合、加熱手段14の放射熱が放電シールド12背部の空気を加熱するため、放電シールド12背部において相対的に速い風速の上昇気流Aが発生する。一方、図3は放電シールド内部に設けられた加熱手段の一例を示す断面図である。図3に示すように、加熱手段14が放電シールド12の内部に設けられる場合、加熱手段14の放射熱は、放電シールド12の内部に蓄積した放電生成物を照射するため、昇華が相対的に促進される。
【0037】
(第2の実施形態の優位性)
以下、第2の実施形態の優位性について述べる。第2の実施形態によれば、加熱手段14が放電シールド12の外部に設けられる場合には、放電シールド12背部で相対的に速い風速の上昇気流Aが発生する。一方、加熱手段14が放電シールド12の内部に設けられる場合には、加熱手段14から発生する放射熱が放電シールド12内部に蓄積した放電生成物に照射されるため、放電生成物の昇華が促進される。
【0038】
3.第3の実施形態
第3の実施形態では、第1および第2の実施形態において、特に像保持体の最表面に硬質材料で形成された保護層を備える一例について説明する。なお、第1および第2の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0039】
(第3の実施形態の構成および優位性)
第3の実施形態に係る画像形成装置は、図1に示すように、像保持体1の最表面に硬質材料で形成された保護層L(オーバーコート層)を備える。保護層Lは、熱硬化性樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、アモルファス半導体等の硬質材料で形成される。保護層Lは、膜厚が0.5〜8μmであり、鉛筆硬度試験(JIS K5400)において硬度がH以上、より好ましくは6H以上である。昇華した放電生成物は、通気口13から放電シールド12の外部へ流出する気流に運ばれて排出されるため、像保持体1の周辺に滞留しない。よって、像保持体1の最表面に摩耗を防止する保護層Lを設ける態様によれば、像保持体1は、ブレードと現像材による摩耗が少ないため、相対的に長寿命化する。
【0040】
4.第4の実施形態
第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態において、特にケーシング部材外側の加熱手段がない部位に断熱部材を備える一例について説明する。なお、第1〜第3の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0041】
(第4の実施形態の構成)
断熱部材8は、図2および図3に示すように、ケーシング部材の一例である放電シールド12外側の加熱手段14がない部位(側面S1、S2)にエポキシ系などの熱硬化性接着剤により接着される。断熱部材8は、グラスウール、ロックウール、シリカ、石英ガラス、ポリウレタン、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレン、ポリスチレンフォーム等の断熱材料で厚さ約1〜2mmに形成される。なお、加熱手段14が放電シールド12外側の側面S2に設けられた場合には、断熱部材8は放電シールド12外側の側面S1、S3に設けられ、加熱手段14が放電シールド12外側の側面S3に設けられた場合には、断熱部材8は放電シールド12外側の側面S1、S2に設けられる態様となる。
【0042】
(第4の実施形態の優位性)
以下、第4の実施形態の優位性について述べる。第4の実施形態によれば、加熱手段14によって放電シールド12を伝導する熱は、断熱部材8によって外部へ放熱されず、放電シールド12内部に伝導される。放電生成物の昇華が促進されるとともに、放電シールド12外部に余分な気流が発生せず、通気口13周囲の放電シールド12背部においてむらのない上昇気流Aが生成される。
【0043】
5.第5の実施形態
第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態において、特に画像形成が行われないときに加熱手段を加熱させる加熱制御手段を備える一例について説明する。なお、第1〜第4の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0044】
(第5の実施形態の構成および動作)
図4は加熱制御部の一例を示すブロック図である。第5の実施形態に係る画像形成装置は、画像形成装置の主電源19、主制御部18、放電用電源17、換気装置16、および加熱制御部15を備えている。画像形成装置は、一般家庭やオフィス等に供給される交流電圧100Vの商用電源20に接続される。画像形成装置の主電源19は、商用電源20を接続するトランス、トランスによって昇圧された交流電圧を平滑して直流電圧にする平滑回路を備えた公知の電源回路である。主電源19は、商用電源20の交流電圧を所定の直流電圧(5V、12V、24V等)に変圧し、加熱制御部15、換気装置16、放電用電源17、および主制御部18に電力を供給する。
【0045】
主制御部18は、中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、クロック発振器、入出力端子等を備えた公知のマイクロコンピュータ(マイコン)である。主制御部18は、加熱制御部15、換気装置16、放電用電源17を接続する。主制御部18のCPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出し、プログラムを順次実行して加熱制御部15、換気装置16、放電用電源17の動作を制御する。例えば、主制御部18は、画像形成を行うときに、放電用電源17に印加電圧を指示して帯電装置2にコロナ放電させる。一方、主制御部18は、画像形成を行わないときに、加熱制御部15に加熱手段14の目標温度を指示して加熱させ、換気装置16に換気ファンの回転速度を指示して回転させる。
【0046】
ここで、「画像形成が行われないとき」とは、図1に示す像保持体1が駆動していないときを意味する。具体的には、画像形成が行われなくなってから所定の時間経過後や、省エネモードに入った直後などを指す。画像形成が行われないときは、像保持体1が停止しているため、コロナ放電装置に直面する像保持体1表面が昇華した放電生成物によって暴露されやすいが、この態様によれば、画像形成が行われないときのみ、加熱手段14が通気口13周囲を加熱するため、余分な電力を消費せずに、効率良く像保持体1の劣化が抑制される。
【0047】
放電用電源17は、交流電圧、直流電圧を重畳可能な公知の高圧電源回路である。放電用電源17は、直流電圧発生部と交流電圧発生部から構成される。直流電圧発生部は、主制御部18によって通電のON/OFFがスイッチングされるトランジスタ、トランジスタの通電によって供給される交流電圧を昇圧するトランス、トランスによって昇圧された交流電圧を平滑して直流電圧にする平滑回路、および平滑された直流電圧を所望の電圧値に調節する可変抵抗器から構成される。一方、交流電圧発生部は、主制御部18によって通電のON/OFFがスイッチングされるトランジスタ、トランジスタの通電によって供給されるパルス信号から正弦波を発振させる正弦波発振回路、正弦波を増幅する増幅回路、および増幅した電圧を昇圧するトランスから構成される。直流電圧発生部と交流電圧発生部が生成した直流電圧と交流電圧は、重畳されて帯電装置2の放電電極10、グリッド電極11に印加される。
【0048】
換気装置16は、主制御部18によって通電のON/OFFがスイッチングされるトランジスタ、トランジスタの通電によって直流電流(DC)が供給される公知のDCブラシレスモータ、DCブラシレスモータによって回転駆動される公知の換気用ファンで構成される。
【0049】
加熱制御部15は、加熱手段14の目標温度をPID(比例・積分・微分)制御する公知のマイコンである。加熱制御部15は、主制御部18、画像形成装置内の雰囲気温度を検出するサーミスタ、および半導体リレーを接続する。加熱制御部15は、画像形成が行われているときに、主制御部18から目標温度の信号を入力する。そして、加熱制御部15は、サーミスタが検知した画像形成装置内の雰囲気温度の電圧値をアナログデジタル(A−D)変換して入力し、この測定温度と目標温度とから加熱手段14の温度をPID制御する。例えば、加熱制御部15は、画像形成が行われなくなった10分後、または省エネモードに入った直後などに、サーミスタから画像形成装置内の雰囲気温度40℃を入力して目標温度60℃(40℃+20℃)になるまで加熱手段14を加熱する。
【0050】
(第5の実施形態の優位性)
以下、第5の実施形態の優位性について述べる。第5の実施形態において、画像形成が行われないときは、像保持体1が停止しているため、放電シールド12に直面する像保持体1表面が昇華した放電生成物によって暴露されやすいが、この態様によれば、画像形成が行われないときのみ、加熱手段14が通気口13周囲を加熱するため、余分な電力を消費せずに、効率良く像保持体1の劣化が抑制される。
【0051】
6.第6の実施形態
第6の実施形態では、第1〜第5の実施形態において、特に蓄電装置と、蓄電装置を商用電源から充電する充電装置と、画像形成が一定時間内に行われないとき、または、省エネモードであるとき若しくは商用電源が断たれているときに、蓄電装置から加熱手段に電力を供給する加熱制御手段とを備える一例について説明する。なお、第1〜第5の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0052】
(第6の実施形態の構成および動作)
図5は蓄電装置、充電装置、および加熱制御部の一例を示すブロック図である。第6の実施形態に係る画像形成装置は、さらに蓄電装置21、充電装置22を備えている。蓄電装置21は、2次電池であり、ニッケルカドミウム蓄電池、より好ましくはニッケル水素蓄電池、またはリチウムイオン蓄電池である。蓄電装置21は、電極(正極板、負極板)、電解液、およびこれらを格納する電槽で構成される。蓄電装置21がニッケルカドミウム蓄電池の場合は、正極板がニッケル(Ni)、負極板がカドミウム(Cd)、電解液が水酸化カリウム水溶液(KOH)で構成される。ニッケルカドミウム蓄電池は安価であり、出力電流が大きいという利点を有する。また、蓄電装置21がニッケル水素蓄電池の場合は、正極板がニッケル(Ni)、負極板が水素吸蔵合金(MH)、電解液が水酸化カリウム水溶液(KOH)で構成される。ニッケル水素蓄電池は、有害なカドミウムを使用せず、ニッケルカドミウム蓄電池の約2.5倍の電気容量があり、小型という利点を有する。また、蓄電装置21がリチウムイオン蓄電池の場合は、正極板がリチウム合金、負極板が炭素酸化物、電解質が炭酸エチレンなどの有機溶媒と六フッ化リン酸リチウムなどのリチウム塩で構成される。リチウムイオン蓄電池は、前者に比べ、小型、高電圧出力、メモリー効果が少ないという利点を有する。
【0053】
充電装置22は、画像形成装置の主電源19がONのとき、商用電源20から蓄電装置21を充電する。充電装置22は、蓄電装置21がニッケルカドミウム蓄電池、またはニッケル水素蓄電池の場合には、公知の定電流充電回路であり、蓄電装置21がリチウムイオン蓄電池の場合には、公知の定電流・定電圧充電回路で構成される。また、充電装置22は、放電側に加熱制御部15を接続する。
【0054】
加熱制御部15は、加熱手段14の温度を制御するPID制御マイコンである。加熱制御部15は、通常は主電源19から加熱手段14に電力を供給し、画像形成が一定時間内に行われないとき、または、省エネモードであるとき若しくは商用電源が断たれているときは、蓄電装置21から加熱手段14に電力を供給する。すなわち、加熱制御部15は、加熱手段14に供給する電力源を主電源19と蓄電装置21とで切り替える。具体的には、加熱制御部15と主電源19との間、および、加熱制御部15と蓄電装置21との間にトランジスタ等のスイッチング素子を設け、加熱制御部15は、2つのスイッチング素子のON/OFFを切り替えることによって加熱手段14に供給する電力源を切り替える。
【0055】
(第6の実施形態の優位性)
以下、第6の実施形態の優位性について述べる。第6の実施形態において、画像形成装置は、電源が断たれた後、放電生成物は数時間から数十時間掛けて昇華して像保持体1表面を劣化するが、この態様によれば、商用電源20が断たれたときや省エネモードのときなどでも、加熱手段14に電力が供給されるため、像保持体1を劣化する放電生成物は、短時間のうちに通気口13から放電シールド12の外部へ排出される。
【0056】
7.第7の実施形態
第7の実施形態では、第1〜第6の実施形態において、特に定着装置と、定着装置で発生した熱を蓄える蓄熱装置と、蓄熱装置から加熱手段に熱を伝導する熱伝導部とを備える一例について説明する。なお、第1〜第6の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0057】
(第7の実施形態の構成および動作)
図6は定着装置、蓄熱装置、および熱伝導部の一例を示すブロック図である。第7の実施形態に係る画像形成装置は、さらに定着装置23、蓄熱装置24、熱伝導部25を備えている。定着装置23は、熱源であるハロゲンヒータ、ハロゲンヒータを芯金内に設けた定着ローラ、定着ロータに加圧してニップ領域を形成する加圧ローラ、ハロゲンヒータの測定温度を検知するサーミスタ、および測定温度と目標温度からハロゲンヒータの温度を制御する制御部を備えた公知の定着装置23である。定着装置23は、用紙などの転写材Pに転写されたトナー像を加熱および加圧することによって定着させる。定着装置23の外装には、蓄熱装置24が固定される。
【0058】
蓄熱装置24は、顕熱蓄熱材、より好ましくは潜熱蓄熱材、蓄熱容器、断熱部材で構成される。顕熱蓄熱材は、例えば、シリカ、酸化マグネシウム、アルミナ等の金属酸化物の粉末を配合したシリコーンゴムであり、潜熱蓄熱材は、例えば、硫酸ナトリウム水和物、酢酸ナトリウム水和物、チオ硫酸ナトリウム水和物等の無機水和塩、パラフィン、ポリエチレングリコール等の有機化合物が好適である。この蓄熱材を格納する蓄熱容器は、プラスチック等の樹脂または鉄、アルミニウム等の金属材料で形成され、熱伝導部25の一端を内部に挿入する。蓄熱容器の外面を覆う断熱材は、グラスウール、ロックウール、シリカ、石英ガラス、ポリウレタン、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレン、ポリスチレンフォーム等で形成される。蓄熱装置24は、画像形成が行われるときに、定着装置23で発生する熱量を熱伝導によって蓄熱材に蓄熱する。
【0059】
熱伝導部25は、熱伝導率が高い銅、アルミニウム、ステンレス、またはこれらの合金等の金属材料からなる板金、より好ましくはヒートパイプである。熱伝導部25は、一端が蓄熱装置24に挿入され、他端が加熱手段14の熱交換部26に接続される。熱伝導部25がヒートパイプである場合、ヒートパイプは、円筒部材、作動液、およびウィックで構成される。円筒部材は、相対的に熱伝導率が高い銅、アルミニウム、ステンレス、またはこれらの合金等の金属材料で形成される。円筒部材内に格納された作動液は、水、アルコール、またはナフタリンである。円筒部材の内周面に設けられたウィックは、多数の銅極細線を内周面に設けるワイヤ型、金属網を内周面に設けるメッシュ型、または円筒部材の長手方向に多数の溝を形成したグルーブ型のウィックである。作動液は、蓄熱装置24に挿入されたヒートパイプの加熱部において蒸発して気体となり、銅、アルミニウム等で形成された熱交換部26に接続されたヒートパイプの放熱部に移動する。そして、ヒートパイプの放熱部で熱交換部26に凝縮されて液体となり、ウィックの毛細管現象により再びヒートパイプの加熱部に環流する。この態様によって、蓄熱装置24の熱が、加熱手段14に伝導される。
【0060】
(第7の実施形態の優位性)
以下、第7の実施形態の優位性について述べる。第7の実施形態において、定着装置23から発生した熱は蓄熱装置24に蓄熱され、加熱手段14に供給される。よって、商用電源20から電力が供給されている場合でも、供給されていない場合でも電力を消費せずに、像保持体1を劣化する放電生成物が通気口13から放電シールド12外部へ排出される。
【0061】
8.第8の実施形態
第8の実施形態では、第1〜第7の実施形態において、特にケーシング部材背部に設けられた構造部材と、構造部材を加熱する構造部材加熱手段とを備える一例について説明する。なお、第1〜第7の実施形態と同様の構成については、その内容を援用する。
【0062】
(第8の実施形態の構成および動作)
図7は構造部材、構造部材加熱手段の一例を示す概略図である。第7の実施形態に係る画像形成装置は、さらに構造部材31、32、および構造部材加熱手段33、34を備えている。構造部材31、32は、図7に示すように、帯電装置2の背部、および除電装置6の背部に設けられる。構造部材31、32は、アルミニウムなどの熱伝導率が良好な金属材料で形成され、構造部材加熱手段33、34を溶接等により固定する。構造部材31、32は、帯電装置2の背部および除電装置6の背部の空気を加熱し、相対的に速い風速の上昇気流を生成する。
【0063】
構造部材加熱手段33、34は、抵抗加熱により加熱するヒーター、より好ましくはヒートパイプ等の熱伝導部材である。構造部材加熱手段33、34がヒーターの場合、ヒーターは、例えば、鉄−クロム−アルミ系合金、ニッケル−クロム系合金、白金、モリブデン、タンタル、またはタングステン等の高融点金属材料、炭化ケイ素、カーボン等の非金属材料で形成され、電力が供給されて加熱する。一方、構造部材加熱手段33、34がヒートパイプである場合、ヒートパイプは、一端が蓄熱装置24に接続され、他端が構造部材31、32に接続される。
【0064】
(第8の実施形態の優位性)
以下、第8の実施形態の優位性について述べる。第8の実施形態において、構造部材31、32および構造部材加熱手段33、34によって、放電シールド12の背部において相対的に速い上昇気流が発生するため、放電シールド12外部と内部で気圧差が発生し、通気口13から放電シールド12外部へ流出する気流がむらなく生成される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはこれらの複合機といった画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成部の一例を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る帯電装置の一例を示すの断面図である。
【図3】第2の実施形態に係るケーシング部材内部に設けられた加熱手段の一例を示す断面図である。
【図4】第5の実施形態に係る加熱制御部の一例を示すブロック図である。
【図5】第6の実施形態に係る蓄電装置、充電装置、および加熱制御部の一例を示すブロック図である。
【図6】第7の実施形態に係る定着装置、蓄熱装置、および熱伝導部の一例を示すブロック図である。
【図7】第8の実施形態に係る構造部材、および構造部材加熱手段の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0067】
1…像保持体、2…帯電装置、3…露光装置、4…現像装置、5…転写装置、6…除電装置、7…清掃装置、8…断熱部材、10…放電ワイヤ、11…グリッド電極、12…放電シールド(ケーシング部材)、13…通気口、14…加熱手段、15…加熱制御手段、21…蓄電装置、22…充電装置、23…定着装置、24…蓄熱装置、25…熱伝導部、26…熱交換部、31、32…構造部材、33、34…構造部材加熱手段、L…保護層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体に対向配置されたコロナ放電電極を囲むケーシング部材と、
前記ケーシング部材の前記像保持体と直面しない部位において長手方向に延在する通気口と、
前記ケーシング部材の通気口周囲を加熱する加熱手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記加熱手段は、前記ケーシング部材外部または内部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像保持体の最表面に硬質材料で形成された保護層を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ケーシング部材外側の前記加熱手段がない部位に断熱部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成が行われないときに前記加熱手段を加熱させる加熱制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
蓄電装置と、前記蓄電装置を商用電源から充電する充電装置と、画像形成が一定時間内に行われないとき、または、省エネモードであるとき若しくは商用電源が断たれているときに、前記蓄電装置から前記加熱手段に電力を供給する加熱制御手段とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
定着装置と、前記定着装置で発生した熱を蓄える蓄熱装置と、前記蓄熱装置から前記加熱手段に熱を伝導する熱伝導部とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ケーシング部材背部に設けられた構造部材と、前記構造部材を加熱する構造部材加熱手段とを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−133925(P2009−133925A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307997(P2007−307997)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】