説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の占有空間の変動を低減させること。
【解決手段】画像形成装置本体(U1)に支持され、通常位置と搬送路(SH1b,SH2,SH4)が開放される開放位置との間で移動可能な開閉部材(U1b)であって、外側に開口(101b)を有するユニット収容空間(101)が形成された開閉部材(U1b)と、片面印刷を行う場合に、ユニット収容空間(101)の開口(101b)を閉塞する閉塞部材(111)と、両面印刷を行う場合に、片面記録済み媒体(S)の表裏を反転させるための媒体反転路(SH13)が形成された反転ユニット(U4)であって、媒体反転路(SH13)がユニット収容空間(101)に収容された状態でユニット収容空間(101)の開口(101b)を閉塞する反転ユニット(U4)と、を備えた画像形成装置(U)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、両面印刷をする際の技術として、下記の特許文献1,2の技術が知られている。
特許文献1としての特開2002−116591号公報および特許文献2としての特開2003−215874号公報には、詰まった紙を除去できるように、画像形成装置本体に開閉可能に支持された搬送ユニット(16)に、用紙搬送路(2)を構成する対を成す用紙ガイドが支持された画像形成装置が記載されている。また、特許文献1,2には、搬送ユニット(16)と同様の一方の用紙ガイドに加えて、さらに、両面印刷用の再給紙搬送路(20)を備え、その分、搬送ユニット(16)に比べ幅の大きい両面ユニット(26)を、画像形成装置本体に対して、搬送ユニット(16)と交換する形で装着する構成が記載されている。すなわち、片面印刷用の搬送ユニット(16)と、搬送ユニット(16)よりも幅広な両面印刷用の両面ユニット(26)とを、本体に対して選択的に装着する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−116591号公報(「0005」、「0011」〜「0017」、「0024」〜「0025」、「0034」、図1、図2)
【特許文献2】特開2003−215874号公報(「0009」〜「0010」、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成装置の占有空間の変動を低減させることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に支持され且つ、媒体が搬送される搬送路が形成される通常位置と前記搬送路が開放される開放位置との間で移動可能な開閉部材であって、前記開閉部材の外側に開放された開口を有するユニット収容空間が形成された前記開閉部材と、
前記媒体の一方の面のみに画像を記録する片面印刷を行う場合に、前記開閉部材に装着され、前記ユニット収容空間の開口を閉塞する閉塞部材と、
前記媒体の両面に画像を記録する両面印刷を行う場合に、前記開閉部材に装着され、前記一方の面に画像が記録された片面記録済み媒体の表裏を反転させるための媒体反転路が形成された反転ユニットであって、前記媒体反転路が前記ユニット収容空間に収容された状態で前記開閉部材に装着され且つ前記ユニット収容空間の開口を閉塞する前記反転ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記媒体反転路を搬送される媒体を挟んで対を成して配置されて前記媒体を案内する反転路用媒体案内部材と、前記媒体反転路に搬入された媒体を搬送する反転路用媒体搬送部材と、を有する反転ユニット本体と、
対を成す前記反転路用媒体案内部材の外表面側を支持し、且つ前記反転ユニット本体に前記媒体反転路を開放可能に支持された反転路用開閉扉と、
を有する前記反転ユニットを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置本体に支持され、前記画像形成装置本体の電気回路を開閉する電気開閉器と、
前記開閉部材の前記電気開閉器に対応する位置に支持され且つ、前記開閉部材が前記通常位置に移動した場合に前記電気開閉器に係合して前記電気回路を通電状態とし、前記開閉部材が前記開放位置に移動した場合に前記電気開閉器から離脱して前記電気回路を切断状態とする電気開閉器用係合部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
回転する像保持体と、前記像保持体表面を帯電させる帯電器と、帯電した前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像器と、を支持する画像形成装置本体と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写器を支持する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、閉塞部材と反転ユニットを交換しても、画像形成装置の占有空間の変動を低減させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、紙詰まりが発生した場合に、反転ユニット内の搬送路を開放して、紙詰まりを解消することができる。
請求項3に記載の発明によれば、搬送路内の紙詰まりを解消中に、画像形成装置が誤作動を起こさないようにすることができる。また、閉塞部材および反転ユニットに電気開閉器用係合部材が支持される場合は、開閉部材が通常位置にある状態で、閉塞部材と反転ユニットを交換しても、画像形成装置が誤作動を起こさないようにすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、閉塞部材と反転ユニットを交換しても、占有空間の変動が少ない電子写真方式による画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、画像形成装置本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報送信装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、所定の時期に潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成装置駆動回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0012】
図1において、前記プリンタUの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C,Kの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,潜像形成装置LHy、現像装置Gy、一次転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U1に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0013】
図1において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電気回路の一例としての電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0014】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0015】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび二次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0016】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで一次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0017】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーとを含む二成分現像剤により構成されている。
【0018】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、送り出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体の搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0019】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0020】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールFhからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記可視像形成装置Uy〜Uk、転写装置T1+T2+B及び定着装置Fなどにより実施例1の画像記録装置Uy〜Uk+T1+T2+B+Fが構成されている。
前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、記録シートSを媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに搬送する場合に搬送路の一例としての排紙路SH3と、反転や画像記録面を上側にして排出される記録シートSが搬送される搬送路の一例としての上方接続路SH4が配置されている。前記排紙路SH3と上方接続路SH4との接続部SZ1には、記録シートSの搬送先に応じて搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第1ゲートGT1が配置されている。したがって、排紙トレイTRhに排紙される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排紙される。
前記排紙トレイTRhの右下には、利用者からの指示が入力される操作部UIが配置されている。
【0021】
前記定着装置Fの上方には、追加媒体排出装置の一例としてのオプション排出ユニットU3が支持されており、前記オプション排出ユニットU3は、前記排紙トレイTRhの上方に配置され、排紙トレイTRhと同様に画像記録面が下側になる状態で積載される下向き積載部の一例としてのフェイスダウントレイTRh2と、画像記録面が上側になる状態で積載される上向き積載部の一例としてのフェイスアップトレイTRh3とを有する。前記オプション排出ユニットU3内部には、前記上方接続路SH4に接続される搬送路の一例としての反転・排出共通路SH5と、前記反転・排出共通路SH5に接続され且つフェイスダウントレイTRh2に記録シートSを送る搬送路の一例としてのフェイスダウン排出路SH6と、前記反転・排出共通路SH5に接続され且つフェイスアップトレイTRh3に記録シートSを送る搬送路の一例としてのフェイスアップ排出路SH7と、を有する。
【0022】
前記フェイスダウン排出路SH6には、搬送部材の一例であって、媒体排出部材兼媒体反転部材の一例として、正逆回転可能な反転ロールRh2が配置されており、前記フェイスアップ排出路SH7には、媒体排出部材の一例としてのフェイスアップ排紙ロールRh3が配置され、各搬送路SH6,SH7の記録シートSを搬送する。
前記反転・排出共通路SH5、フェイスダウン排出路SH6およびフェイスアップ排出路SH7との接続部SZ2には、記録シートSの搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第2ゲートGT2が配置されている。前記第2ゲートGT2は、記録シートSがフェイスダウントレイTRh2に排出される場合と両面印刷のために反転される場合にフェイスダウン排出路SH6に搬送路を切り替え、記録シートSがフェイスアップトレイTRh3に排出される場合にはフェイスアップ排出路SH7に搬送路を切り替える。
【0023】
図1において、前記給紙路SH1には、媒体検知部材の一例として、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSを検出するための第1給紙路センサSN1、第2給紙路センサSN2、第3給紙路センサSN3、第4給紙路センサSN4が配置されている。前記反転・排出共通路SH5にも、媒体検知部材の一例として、記録シートSを検知するための接続路センサSN5が配置されている。
【0024】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の左方には、上流側開閉部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の左方の給紙路SH1の左側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放される。
【0025】
(メインカバーの説明)
図2は図1における矢印II方向から見た斜視図であり、ブラインドカバーまたは反転ユニットが、メインカバーに装着される前の状態の斜視図である。
図3はメインカバーの左側面に部材が取り付けられた状態の斜視図であり、図3Aはメインカバーにブラインドカバーが装着された状態の斜視図、図3Bはメインカバーに反転ユニットが装着された状態の斜視図である。
図1において、前記画像形成装置本体U1の左方には、開閉部材の一例として、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されたメインカバーU1bが配置されている。前記メインカバーU1bには、主搬送路SH2の左側のガイドである左側ガイドGLや、一対のレジロールRrの左側である左側レジロールRrL及び2次転写ロールT2b等が支持されている。図2、図3において、メインカバーU1bの上側前部には、開閉操作部材の一例としての開閉レバーU1cが設けられている。前記開閉レバーU1cは図示しない引掛部を有し、画像形成装置本体U1に引っ掛かり、メインカバーU1bは通常位置に維持される。前記開閉レバーU1cを操作すると、引掛部が画像形成装置本体U1から外れ、前記メインカバーU1bが開放位置に移動可能となる。前記メインカバーU1bを通常位置から開放位置に移動させると、前記左側ガイドGL、左側レジロールRrL、2次転写ロールT2b等が一体的に移動し、主搬送路SH2や、給紙路SH1の下流側である下流側給紙路SH1b、上方接続路SH4が開放される。したがって、前記開放位置では、詰まった媒体の除去や部品の交換などの保守作業が可能となる。
【0026】
図1において、前記メインカバーU1bの下方には、下流側反転路SH11が形成されており、前記下流側反転路SH11の下流端は、下流側給紙路SH1bに接続されている。さらに、メインカバーU1bの上方には、前記接続部SZ1から延びる上流側反転路SH12が形成されている。また、前記下流側反転路SH11の上流端及び上流側反転路SH12の下流端の間にはユニット収容空間101が形成されている。
【0027】
図2において、前記メインカバーU1bの左側面には、追加部材取付部102が形成されている。前記追加部材取付部102は、中央部に内側に凹んだユニット収容凹部101aと、前記ユニット収容凹部101aの前後に形成された前側ユニット支持部103及び後側ユニット支持部104とを有する。
【0028】
前記ユニット収容凹部101aの内側には、前記ユニット収容空間101が構成されている。したがって、前記ユニット収容空間101は、左方に開放された開口101bを有し、図2に示すように、左方外側に開放されている。
前記前側ユニット支持部103、後側ユニット支持部104は、メインカバーU1bの左側面に比べ右側に凹んで、メインカバーU1bと段差を作っている。前記前側ユニット支持部103、後側ユニット支持部104には、上下中央に螺子孔103a,104aが形成されている。前記後側ユニット支持部104の上部には、メインカバーU1bを左右方向に貫通する図示しない係合部材貫通部が形成されており、前記係合部材貫通部の奥の画像形成装置本体U1には、電気開閉器の一例としてのインターロックスイッチ106が支持されている。
【0029】
図1、図2、図3Aにおいて、前記メインカバーU1bに装着される閉塞部材の一例としてのブラインドカバー111は、追加部材取付部102に対応した形状をしている。また、前記ブラインドカバー111は、メインカバーU1bの左側面とユニット支持部103,104との段差の高さに対応する厚さの板状体で構成されている。前記ブラインドカバー111には、前記螺子孔103a,104aに対応して、一対の左右方向に貫通した螺子貫通孔113a,114aが形成されており、図示しない螺子により螺子止めされる。これにより、図3Aで示すように、ブラインドカバー111が、開口101bを閉塞し且つメインカバーU1bの左側面と略段差のない状態で装着される。
【0030】
前記ブラインドカバー111の後方上部には、電気開閉器用係合部材の一例としてのスイッチ押部112が支持されている。前記スイッチ押部112は、前記インターロックスイッチ106に対応する位置に配置され且つ画像形成装置本体U1側に向かって突出している。さらに、前記スイッチ押部112は、図3Aに示すように、前記ブラインドカバー111がメインカバーU1bに装着され且つメインカバーU1bが通常位置にある場合に、前記係合部材貫通部を貫通し、インターロックスイッチ106を押す長さに設定されており、画像形成装置本体U1の電源回路Eを通電状態とし、前記転写装置T1+T2+B、定着装置F、搬送ロールRa等が駆動可能となる。一方、メインカバーU1bが通常位置にない場合や、メインカバーU1bからブラインドカバー111が外された場合には、インターロックスイッチ106からスイッチ押部112が離脱し、画像形成装置本体U1の電源回路Eが開いて切断状態となり、前記転写装置T1+T2+B、定着装置F、搬送ロールRa等への電源供給が停止する。
【0031】
(反転ユニットの説明)
図4は反転ユニットがメインカバーに装着された場合の全体説明図であり、図1に対応する図である。
図5は図4の反転ユニットの開放カバーの通常位置と開放位置を示す全体説明図である。
図2、図3Bにおいて、前記メインカバーU1bには、ブラインドカバー111に替えて、反転ユニットU4が選択的に装着される。前記反転ユニットU4は、メインカバーU1bに螺子止めされるユニット支持部材211を有する。前記ユニット支持部材211は、ブラインドカバー111と同様の厚さ且つ形状の板状体により構成されている。前記ユニット支持部材211には、ユニット収容空間101に対応する位置に長方形状の扉開放開口部211aが形成されている。また、前記ユニット支持部材211は、ブラインドカバー111の螺子貫通孔113a,114a及びスイッチ押部112に対応する螺子貫通孔213a,214a及びスイッチ押部212を有している。これにより、ブラインドカバー111と同様にユニット支持部材211はメインカバーU1bに螺子止めされる。
【0032】
図2において、前記ユニット支持部材211の右側には、ユニット収容空間101に収容されるユニット本体221が支持されている。図4において、前記ユニット本体221には、媒体反転路の一例としてのユニット反転路SH13が形成されている。前記ユニット反転路SH13は、反転路用媒体案内部材の一例としての対を成す媒体ガイドGuを有している。前記ユニット反転路SH13の上流端は、上流側反転路SH12の下流端と接続され、ユニット反転路SH13の下流端は、下流側反転路SH11の上流端と接続される。前記ユニット反転路SH13には、反転路用媒体搬送部材の一例としてのユニット搬送ロールRauが配置されている。前記ユニット搬送ロールRauは、前記ユニット支持部材211に支持された図示しない駆動系により駆動する。さらに、ユニット反転路SH13には、媒体検知部材の一例としての媒体有無センサSNuが設けられており、ユニット反転路SH13内の媒体詰まりを検知する。
前記上流側反転路SH11、下流側反転路SH12、ユニット反転路SH13により、反転路SH10が構成される。
【0033】
図2、図3B、図4、図5において、前記扉開放開口部211aには、反転路用開閉扉の一例としての反転路開放カバー231が、図5の実線で示す通常位置と破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記反転路開放カバー231は、扉開放開口部211aに対応した形状の板状体により構成されており、通常位置においては、扉開放開口部211aに収容され、ユニット支持部材211の左面と略段差のない状態で支持される。前記反転路開放カバー231の左面前方上側には、開閉扉操作部材の一例としてのカバー把持部232が設けられている。また、前記反転路開放カバー231の右面には、対を成す前記媒体ガイドGuの外側ガイドが支持されている。
したがって、前記カバー把持部232を把持して、前記反転路開放カバー231を通常位置から開放位置に移動させると、反転路開放カバー231と共に前記媒体ガイドGuの一方が一体的に移動し、ユニット反転路SH13は開放される。なお、実施例1では、開放された反転路開放カバー231は、図示しない付勢部材の付勢力により、通常位置に戻るように設定されている。
前記ユニット支持部材211、ユニット本体221、反転路開放カバー231等により、反転ユニットU4が構成されている。
【0034】
図4、図5において、両面印刷が行われる場合、片面に画像が記録されて定着装置Fを通過した記録シートSは、前記接続部SZ1から反転ロールRh2まで搬送される。前記反転ロールRh2により、記録シートSは、後端部が挟まれた状態になるまで、フェイスダウントレイTRh2に排出される。その後、前記反転ロールRh2は逆回転し、前記記録シートSは、接続部SZ1に搬送される。そして、前記記録シートSは、接続部SZ1における第1ゲートGT1により、上流側反転路SH12に案内され、前記反転路SH10を搬送されて、記録シートSの表裏が逆になった状態でレジロールRrに搬送される。これにより、片面に印刷された記録シートSのもう一面にも、転写領域Q4において画像が記録され、両面印刷が行われる。この際に、媒体有無センサSNuにより、ユニット反転路SH13内の媒体詰まりが検知されたときは、利用者がカバー把持部232を操作して、前記反転路カバー231を開放位置に移動させ、開放された反転路SH13内の記録シートSが取り出される。
【0035】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置では、ブラインドカバー111が装着された画像形成装置本体U1において、各給紙トレイTR1〜TR4又は手差しトレイTR0から給紙された記録シートSは、転写領域Q4で片面に画像が記録される。そして、前記記録シートSは、定着装置Fを通過後、利用者の設定に応じて、排出トレイTRhまたはフェイスダウントレイTRh2またはフェイスアップトレイTRh3のいずれかに排出される。この際に、主搬送路SH2などで媒体詰まりが検知された場合には、メインカバーU1bを開放位置に移動させ、主搬送路SH2を開放する。メインカバーU1bの開放に伴い、ブラインドカバー111に支持されていたスイッチ押部112は、インターロックスイッチ106から離脱し、画像形成装置本体U1の電源回路Eが開いて切断状態となり、前記転写装置T1+T2+B、定着装置F、搬送ロールRa等への電源供給が停止し、誤作動による事故が発生しない状態で、詰まった記録シートSが取り除かれる。
【0036】
前記画像形成装置本体U1において、両面印刷を可能にする場合は、ブラインドカバー111に替えて、反転ユニットU4がメインカバーU1bに装着される。この際に、メインカバーU1bからブラインドカバー111は取り外され、ユニット収容空間101が開放される。そして、前記ユニット収容空間101に、反転ユニットU4のユニット本体221が収容された状態で、反転ユニットU4が装着される。これにより、ブラインドカバー111装着時の画像形成装置Uと反転ユニットU4装着時の画像形成装置Uとの占有空間は殆ど変化せず、交換に伴って設置場所の変更の必要性が生じることは少ない。なお、反転ユニットU4が装着されると、反転ユニットU4のユニット押部212により、インターロックスイッチ106は押される。すなわち、ブラインドカバー111および反転ユニットU4のいずれも装着されておらず、ユニット収容空間101が開放された状態では、事故防止のためインターロックスイッチ106により、画像形成不能な状態となる。したがって、通常位置にあるメインカバーU1bからブラインドカバー111を取り外し、反転ユニットU4を取り付けても、前記転写装置T1+T2+B、定着装置F、搬送ロールRa等への電源供給はされず、交換の際に、利用者が触れる可能性のある定着装置Fなどが誤作動する事故は発生しない。
【0037】
反転ユニットU4が装着された画像形成装置本体U1において、片面印刷時には、ブラインドカバー111装着時と同様の一連の画像形成動作が行われ、片面に画像が記録された記録シートSが排出される。両面印刷時には、記録シートSは、一度、転写領域Q4で片面に画像が記録されてから、反転ユニットU4に搬送され、表裏逆転した状態でレジロールRrに搬送されて、転写領域Q4でもう一面にも画像が記録される。
【0038】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H03)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0039】
(H02)前記実施例において、ユニット反転路SH13には、ユニットセンサSNuを設けることが望ましいが、これを省略することも可能である。
(H03)前記実施例において、反転ユニットU4の反転路開放カバー231は、図示しない付勢部材により通常位置に戻るように構成されていたが、これに限定されず、例えば、メインカバーU1bのような開閉レバーU1cを設け、手動で通常位置に移動させて、引掛部により通常位置を維持させる構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は図1における矢印II方向から見た斜視図であり、ブラインドカバーまたは反転ユニットが、メインカバーに装着される前の状態の斜視図である。
【図3】図3はメインカバーの左側面に部材が取り付けられた状態の斜視図であり、図3Aはメインカバーにブラインドカバーが装着された状態の斜視図、図3Bはメインカバーに反転ユニットが装着された状態の斜視図である。
【図4】図4は反転ユニットがメインカバーに装着された場合の全体説明図であり、図1に対応する図である。
【図5】図5は図4の反転ユニットの開放カバーの通常位置と開放位置を示す全体説明図である。
【符号の説明】
【0041】
101…ユニット収容空間、
101b…開口、
106…電気開閉器、
111…閉塞部材、
112,212…電気開閉用係合部材、
221…反転ユニット本体、
231…反転路用開閉扉、
CRy,CRm,CRc,CRk…帯電器、
E…電気回路、
Gu…反転路用媒体案内部材、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像器、
LHy,LHm,LHc,LHk…潜像形成装置、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
Rau…反転路用媒体搬送部材、
S…媒体、
SH1b,SH2…搬送路、
SH13…媒体反転路、
U…画像形成装置、
U1…画像形成装置本体、
U1b…開閉部材、
U4…反転ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に支持され且つ、媒体が搬送される搬送路が形成される通常位置と前記搬送路が開放される開放位置との間で移動可能な開閉部材であって、前記開閉部材の外側に開放された開口を有するユニット収容空間が形成された前記開閉部材と、
前記媒体の一方の面のみに画像を記録する片面印刷を行う場合に、前記開閉部材に装着され、前記ユニット収容空間の開口を閉塞する閉塞部材と、
前記媒体の両面に画像を記録する両面印刷を行う場合に、前記開閉部材に装着され、前記一方の面に画像が記録された片面記録済み媒体の表裏を反転させるための媒体反転路が形成された反転ユニットであって、前記媒体反転路が前記ユニット収容空間に収容された状態で前記開閉部材に装着され且つ前記ユニット収容空間の開口を閉塞する前記反転ユニットと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記媒体反転路を搬送される媒体を挟んで対を成して配置されて前記媒体を案内する反転路用媒体案内部材と、前記媒体反転路に搬入された媒体を搬送する反転路用媒体搬送部材と、を有する反転ユニット本体と、
対を成す前記反転路用媒体案内部材の外表面側を支持し、且つ前記反転ユニット本体に前記媒体反転路を開放可能に支持された反転路用開閉扉と、
を有する前記反転ユニットを備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置本体に支持され、前記画像形成装置本体の電気回路を開閉する電気開閉器と、
前記開閉部材の前記電気開閉器に対応する位置に支持され且つ、前記開閉部材が前記通常位置に移動した場合に前記電気開閉器に係合して前記電気回路を通電状態とし、前記開閉部材が前記開放位置に移動した場合に前記電気開閉器から離脱して前記電気回路を切断状態とする電気開閉器用係合部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
回転する像保持体と、前記像保持体表面を帯電させる帯電器と、帯電した前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像器と、を支持する画像形成装置本体と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写器を支持する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−210983(P2009−210983A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56077(P2008−56077)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】