画像形成装置
【課題】 複数の給紙トレイを有する画像形成装置において、複数の給紙トレイをグループ化して、ひとつの給紙トレイの用紙が消費されて空になった場合にグループ化されている別のカセットからの給紙に切り替えて連続の印刷を行う方法があるが、この給紙トレイのグループ化の設定を行うのに手間がかかる問題があった。
【解決手段】 本発明の画像形成装置では、用紙のサイズや用紙の種類等の属性に基づいて、給紙トレイの自動グループ化を行う自動グループ設定部を備えることにより課題を解決した。又、本画像形成装置は、グループ設定動作のためのグループボタンを設けて、グループボタンを押すことにより自動グループ化する候補を表示してユーザの確認により決定するか、又は当該候補をユーザが編集してグループの設定を行う方法により、簡単にグループ設定を行うことを可能とした。
【解決手段】 本発明の画像形成装置では、用紙のサイズや用紙の種類等の属性に基づいて、給紙トレイの自動グループ化を行う自動グループ設定部を備えることにより課題を解決した。又、本画像形成装置は、グループ設定動作のためのグループボタンを設けて、グループボタンを押すことにより自動グループ化する候補を表示してユーザの確認により決定するか、又は当該候補をユーザが編集してグループの設定を行う方法により、簡単にグループ設定を行うことを可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
複数の給紙収容部（給紙カセットや手差し給紙トレイ等）を有する画像形成装置において、給紙収容部をグループ化してひとつの給紙収容部として利用する際に、グループ化の設定を自動で行うことに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
複数の給紙収容部（給紙カセットや手差し給紙トレイ等）を有する画像形成装置では、これら複数の給紙収容部を紙サイズや用紙の種類等毎にグループ分けをして用いる方法があった。
【０００３】
例えば、複数の給紙トレイをグループとして扱って、個々の給紙トレイ（給紙収容部）のステータスを前記したグルーピングした給紙トレイのステータスとして表す方法がある（特許文献１参照）。
【０００４】
グルーピングすることにより、ひとつの給紙収容部（給紙トレイ）の用紙が消費された場合には、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えて、連続で印刷することが可能であるが、グルーピングする際には複数ある給紙収容部のうちどの給紙収容部についてグループとするかの設定を行わなければならず、手間がかかるという問題があった。
【特許文献１】特開２００６−７６８６８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
解決しようとする問題点は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、グルーピングをする際には、用紙の属性に基づいて自動でグループを生成することができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の画像形成装置は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、前記給紙収容部に収容される用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う自動グループ設定部と、を有することを最も主要な特徴とする。
【０００７】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記用紙の属性を検知する用紙属性検知部を有し、前記自動グループ設定部は、前記用紙属性検知部の検知する用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とする。
【０００８】
また本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記グループ設定保持部は、ユーザの入力を受け付けて前記用紙の属性を設定可能であり、前記自動グループ設定部は、前記グループ設定保持部が保持する前記用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とする。
【０００９】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記自動でのグループ分けを開始するグループ設定キーを有することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の画像形成装置は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、前記給紙収容部に収容される用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う自動グループ設定部と、を有することを最も主要な特徴とするため、グループ設定を行う手間が省けて、簡単にグループ機能を利用することが可能となった。
【００１１】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記用紙の属性を検知する用紙属性検知部を有し、前記自動グループ設定部は、前記用紙属性検知部の検知する用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とするため、用紙の属性をユーザが設定することなくグループ設定を自動で行うことが可能となった。
【００１２】
また本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記グループ設定保持部は、ユーザの入力を受け付けて前記用紙の属性を設定可能であり、前記自動グループ設定部は、前記グループ設定保持部が保持する前記用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とするため、用紙の属性をセンサ等により検知することができない場合であっても、ユーザの入力により設定可能であり、該設定入力された用紙の属性に基づいて自動グループの設定が可能となった。
【００１３】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記自動でのグループ分けを開始するグループ設定キーを有することを主要な特徴とするため、前記グループ設定キーという専用キーを押すことによりグループ分けが自動で開始されるため画像形成装置に不慣れなユーザであってもグループ機能を使いこなすことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、前記複数ある給紙収容部をグループ分けする際に手間がかかるという問題を自動グループ設定部を設けて用紙の属性に基づいて自動でグループ分けするという方法により問題を解決した。
【実施例】
【００１５】
［装置構成］
図１は、本発明の実施例に係わる画像形成装置の機械的構成を主に示す側面断面図である。
【００１６】
説明中での給紙収容部とは、後述する手差しトレイ２２０のような平型の給紙トレイと、給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄのような箱型の給紙トレイの両方のことを示す。
【００１７】
画像形成装置１は、本体部２００と、図１における本体部２００の左側に配設された用紙後処理部３００と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部４００と、本体部２００の上部に配設された原稿読み取り部５００と、原稿読み取り部５００の上方に配設された原稿給送部６００とから構成される。
【００１８】
操作部４００は、タッチパネル４０１（表示部）、スタートキー４０２及びテンキー４０３等を備える。タッチパネル４０１（表示部）は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー４０２は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー４０３は、印刷枚数等を入力するために用いられる。
【００１９】
原稿給送部６００は、原稿収納部６０１、原稿排出部６０２、給紙ローラ６０３及び原稿搬送部６０４等を備え、原稿読み取り部５００は、スキャナ５０１等を備える。給紙ローラ６０３は、原稿収納部６０１にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部６０４は、繰り出される原稿を１枚ずつ順にスキャナ５０１上に搬送する。スキャナ５０１は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部６０２に排出される。
【００２０】
本体部２００は、複数の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ（給紙収容部）、手差し給紙トレイ２２０（給紙収容部）、複数の給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄ，２２１（給紙駆動部）、転写ローラ２０３（印刷部）、感光体ドラム２０４（印刷部）、露光装置２０６（印刷部）、現像装置２０７（印刷部）、定着ローラ２０８（印刷部）、排出口２０９、及び排出トレイ２１０等を備える。
【００２１】
上記の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄと手差し給紙トレイ２２０により給紙収容部を構成している。
【００２２】
上記の転写ローラ２０３、感光体ドラム２０４、露光装置２０６、現像装置２０７）、定着ローラ２０８により印刷部２４０を形成している。
【００２３】
上記の複数の給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄ，２２１及び、給紙収容部から印刷部２４０への給紙パス及びその駆動系により給紙駆動部２３０を構成している。
【００２４】
感光体ドラム２０４は、矢印方向に回転しながら帯電装置（図示省略）によって一様に帯電される。露光装置２０６は、原稿読み取り部５００において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム２０４に静電潜像を形成する。現像装置２０７は、黒色の現像剤を感光体ドラム２０４に供給してトナー画像を形成する。
【００２５】
一方、給紙収容部２０１の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄにおいては、給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄが印刷用紙が収納された給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの最上面の用紙に当接して回転することにより給紙駆動部２３０の給紙パスに印刷用紙を引き出す。また、手差し給紙トレイ２２０においては、給紙ローラ２２１が手差し給紙トレイ２２０の最上面の用紙に当接して回転することにより給紙駆動部２３０の給紙パスに印刷用紙を引き出して、転写ローラ２０３まで給送する。転写ローラ２０３は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム２０４上のトナー像を転写させ、定着ローラ２０８は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は本体部２００の排出口２０９から用紙後処理部３００に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ２１０へも排出される。
【００２６】
前記給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄには、その用紙残量を検出する残量センサ２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄが、各給紙カセットに取り付けられている。残量センサ２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄは、図に示すようにＪ字状をしており、用紙の残量の低下とともに上部の軸を中心に回転することにより用紙残量を検出すると共に、用紙がなくなると残量センサの紙に接する部分が給紙カセット（給紙トレイ）の底面に開けられた穴部（不図示）に落ち込むため用紙が無くなった事を検出可能である。
【００２７】
なお、手差し給紙トレイ２２０（給紙収容部）においては、給紙ローラ２２１が残量センサの役割を果たしている。
【００２８】
本画像形成装置１の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄは、用紙補充のために画像形成装置本体２００から取り出すときには、図１の右側方向（図１の矢印Ｐ）にスライドして取り出されるために給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄから、転写ローラ２０３及び感光体ドラム２０４へつながる給紙駆動部２３０の給紙パスを遮ることがない。そのため、印刷動作中であっても印刷部２４０への給紙に係っていない給紙カセットの交換は可能であり、その際には印刷動作を停止させることが無い。
【００２９】
また、手差し給紙トレイ２２０においても同様に印刷動作を遮ることなく用紙の補充が可能である。
【００３０】
用紙後処理部３００は、搬入口３０１、印刷用紙搬送部３０２、搬出口３０３及びスタックトレイ３０４等を備える。印刷用紙搬送部３０２は、排出口２０９から搬入口３０１に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口３０３からスタックトレイ３０４へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ３０４は、搬出口３０３から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【００３１】
［機能ブロック］
図２は、本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【００３２】
本機能ブロック図では、本発明の本質に関係する部分のみをブロック図化して説明してある。通常の画像形成装置に備わっており、図１の構成図において説明した印刷部２４０や後処理装置３００などのブロック図化については省略した。
【００３３】
図２には、図１の側面断面図ですでに説明した給紙収容部（給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ及び手差し給紙トレイ２２０）、給紙駆動部２３０、操作部４００、操作部４００中のタッチパネル４０１（表示部）などと共に、図１では説明されていない機能ブロック部であるソフトウェア機能部７００、通信インタフェース部７５１を有している。
【００３４】
このソフトウェア機能部７００は、用紙残量検知部７０１、用紙サイズ種類検知部７０３（用紙属性検知部）、内部Ｗｅｂサーバ７０７、給紙切替制御部７０９、用紙切れ通知部７１１、グループ設定保持部７１３、自動グループ設定部７１５を有している。
【００３５】
また、画像形成装置１は、その通信インタフェース部７５１を通してネットワーク８０１に接続しており、同じくネットワークに接続されたＰＣ１（Personal Computer）９０１、ＰＣ２（Personal Computer）９０３と接続している。
【００３６】
以下に各機能部について説明する。本機能ブロックの説明においては、本発明の本質に関係のない画像処理部などの説明は省略した。
【００３７】
通信インタフェース部７５１は、画像形成装置１をネットワークと接続するインタフェース部である。通信インタフェース部７５１を通してＰＣ（Personal Computer）等の外部装置と接続する。
【００３８】
ソフトウェア機能部７００は、画像形成装置１のコンピュータにソフトウェアにより各種機能を実現させる機能部である。
【００３９】
用紙残量検知部７０１は、給紙収容部２０１が有する各給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの用紙残量を検出する残量センサ２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄからの信号を受信して、各給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの用紙の残量がどれくらいかと、用紙がなくなってしまったことを検知する。
【００４０】
用紙サイズ種類検知部７０３（用紙属性検知部）は、給紙収容部２０１の各給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの用紙サイズを定める枠部によって測定された用紙サイズの信号や、給紙経路中に設置されたセンサからの信号により、各給紙カセットに供給された用紙サイズや用紙の種類などを検知する。
【００４１】
これらのセンサなどでは検知できないような用紙の種類についての属性、例えば厚紙や色紙、又は片面使用済み用紙などについては、ユーザの入力を受け付けて後述のグループ設定保持部７１３がその属性を記録・保持する。
【００４２】
内部Ｗｅｂサーバ７０７は、画像形成装置１の装置の状態を外部装置であるＰＣ２；９０３のブラウザ９１３からアクセスできるように、設けられたものである。内部Ｗｅｂサーバ７０７のページにアクセスすることにより、画像形成装置１の設定状態を確認できると共に設定の変更を行うことも可能である。前記したように、給紙収容部のグルーピングの設定も内部Ｗｅｂサーバ７０７にアクセスすることにより、設定の確認と変更が可能である。
【００４３】
給紙切替制御部７０９は、印刷中にグルーピングされた給紙収容部（給紙カセットと手差し給紙トレイ）のひとつから用紙がなくなった場合には、そこで印刷動作を停止せずに自動的にグルーピングされた他の給紙収容部から給紙を行うように給紙駆動部２３０を制御する機能部である。
【００４４】
用紙切れ通知部７１１は、印刷が行われて用紙が消費されてグルーピングされた給紙収容部の用紙のいずれかがなくなった場合に用紙切れの通知を行う機能部である。
【００４５】
グループ設定保持部７１３は、複数ある給紙カセットをグループ毎に分けて設定（グルーピング機能）を行うための機能部である。一般的には用紙のサイズ及び種類が同じもの毎にグループ化することが行われる。（ただし、異なるものをグループ化して設定することも可能である。設定時には用紙が補充されていない状態で、保守係によってデフォルトのグループ設定がされる場合等があるため。）
本画像形成装置１では、複数の給紙収容部（複数の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ及び手差し給紙トレイ２２０）をグループ分けして、それらグループ化されたものをひとつの大容量給紙収容部として扱う（以降、グルーピング機能と呼ぶ）ことが可能である。このグルーピング機能により、一つの給紙カセットの最大用紙容量を超える大量の印刷を連続して行うことが可能となる。すなわち、グルーピングされた給紙カセットの一つの用紙が使い果たされて空になっても、自動的にグルーピングされている異なる給紙カセットからの給紙に切り替えることにより、「紙無しエラー、印刷エンジンの休止」状態を発生させずに、グルーピングされたすべての給紙収容部の用紙がなくなるまでの連続印刷を行えることが可能となり、そのことがこのグルーピング機能の最大の利点である。
【００４６】
本グループ設定保持部７１３は、この給紙収容部のグルーピング化の設定（例えば、給紙カセットａ，ｃをひとつのグループでＡ４普通用紙を入れたもの、給紙カセットｂ，ｄ、手差し給紙トレイをひとつのグループでＡ３用紙と設定など）を行い、その設定状態を記録して保持する。
【００４７】
この設定は、操作部４００からの入力によって行っても良いし、通信インタフェース部７５１を通して外部装置であるＰＣ１；９０１のプリンタ監視ユーティリティ９１１により行っても良いし、また外部装置であるＰＣ２；９０３のブラウザ９１３を用いて画像形成装置１の内部Ｗｅｂサーバ７０７にアクセスして内部Ｗｅｂサーバ７０７の有する設定機能を用いて行っても良い。
【００４８】
自動グループ設定部７１５は、前記用紙サイズ種類検知部（用紙属性検知部）７０３によって検知された用紙の属性と、ユーザからの入力によって設定された用紙の属性とに基づいて、同じ用紙属性を持つ給紙トレイ同士をグループ化する。設定されたグループ化の情報は、グループ設定保持部７１３が保持する。
【００４９】
グループ化する際には、用紙のサイズに基づいてグループ化するか、用紙の種類に基づいてグループ化するか、またはその両方に基づいて設定するかの選択（モード設定と呼ぶ）が可能となっている。
【００５０】
［フローチャート］
図３のフローチャートを用いて、本発明実施例の画像形成装置における、自動グループ化の設定動作について説明する。
【００５１】
Ｓ１１：用紙残量検知部７０１は、画像形成装置の各給紙収容部（給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄと手差し給紙トレイ２２０）に備え付けられたセンサから、補充されている用紙のサイズや可能であれば用紙種類の信号を受け取り、グループ設定保持部７１３にそれらの用紙属性を記録する。
【００５２】
Ｓ１３：前記ステップで検知できなかった用紙属性等について、グループ設定保持部７１３がユーザの入力を受け付けて記録して保持する。
【００５３】
又、グループ設定保持部７１３は、グループ設定を行うかどうか、又行う場合には、手動で設定を行うか、自動で設定を行うか、又、自動で行う場合にはどのような条件（Ｓ２１においてモード設定と呼ぶ）に基づいてグループ化するかについてのユーザの入力を受け付ける。この自動グループ設定の受付及びモード設定については、図４の設定画面の図を用いてより詳しく後述する。
【００５４】
Ｓ１５：Ｓ１３での設定に基づいて、グループ設定を行う場合には動作をＳ１７に移行する。グループ設定を行わない場合には、これで設定動作を終了する。
【００５５】
Ｓ１７：Ｓ１３での設定に基づいて、自動グループ設定を行うか手動グループ設定を行うかについて判断する。手動グループ設定を行う場合には、動作をＳ１９に移行する。受動でグループ設定を行う場合には動作をＳ２１に移行する。
【００５６】
Ｓ１９：グループ設定保持部７１３は、ユーザの入力によるグループ設定を受け付けて記録して保持する。
【００５７】
Ｓ２１：自動グループ設定部７１５はＳ１３での設定に基づいて、自動グループ設定を行う場合のモード設定（どのような条件に基づいてグループ化するか）について判断する。用紙サイズに基づいてグループ化する場合は、動作をＳ２３に移行する。用紙の種類に基づいてグループ化する場合は、動作をＳ２７に移行する。用紙サイズと用紙の種類の両方の条件に基づいて給紙トレイをグループ化する場合は、動作をＳ２５に移行する。
【００５８】
Ｓ２３：自動グループ設定部７１５は、用紙サイズの同じ給紙トレイをグループ化する設定を行う。
【００５９】
Ｓ２５：自動グループ設定部７１５は、用紙サイズと用紙種類の両方が同じ給紙トレイをグループ化する設定を行う。
【００６０】
Ｓ２７：自動グループ設定部７１５は、用紙種類の同じ給紙トレイをグループ化する設定を行う。
【００６１】
以上の一連の動作によりグループ設定に関する一連の動作を終了する。
【００６２】
この後、印刷ジョブを実行する際には、指定のグループ中の給紙トレイからの印刷が行われ、その給紙トレイの用紙を全て消費してしまっても、同じグループの他の給紙トレイからの給紙に切り替えて連続の給紙を可能とする。
【００６３】
［グループ設定の実際の動作；そのユーザインタフェースについて］
図４を用いてグループ設定を行う際の実際の操作について、そのユーザインタフェースについて説明する。
【００６４】
図４（Ａ）は、画像形成装置１の操作部４００の図である。操作部４００には、表示部であるタッチパネル４０１と、操作用のキーであるグループ設定キー４１１、決定キー４１３、上下キー４１５が備わっている。
【００６５】
グループ設定キー４１１を押すと、グループ設定の動作が開始されて、タッチパネル４０１に図４（Ｂ）に示すグループ設定画面４０１ｓが表示される。
【００６６】
グループ設定画面４０１ｓには、給紙トレイの属性と用紙残量状態を示す給紙トレイ属性表４２１が示されている。例えば給紙カセット１；２０１ａについての属性及び状態表示行４２３に当該カセットについての情報が表示されている。この時点ですでにグループ設定がなされている場合は、当該グループ設定をグループ表示欄４２５する。また、グループ設定のためのモード（用紙のどの属性によりグループ化するか）が設定されている場合には、例えば図に示すように用紙サイズ属性キー４３１が選択されており、それに呼応したグループ設定がされて、グループ表示欄４２５には、用紙サイズＡ４が収容されているカセット１，４と手差し給紙トレイがグループＡと設定され、用紙サイズＡ３が収容されているカセット２，３がグループＢと設定されているのが示されている。
【００６７】
グループ設定のためのモード設定のためのキーは、前記したサイズ属性キー４３１以外にも、用紙の種類によりグループ化する種類属性キー４３５と、用紙サイズと用紙種類の両方の属性が合致するものに関してグループ化する両方属性キー４３３が、備わっている。前記した図４（Ａ）の上下キー４１５を押すことによりこれら、モード設定キー間の選択を移動させ、決定キー４１３を押すことにより、新しく設定されたモードによって自動グループ設定部７１５によりグループ化が行われる。
【００６８】
上記給紙トレイ属性表４２１が表示されている状態で、各給紙トレイの用紙タイプ項目に触れるとタッチパネル４０１は、その接触を検知して用紙タイプ（用紙の種類）項目の設定の変更を可能とする。用紙の種類は一般的にセンサ等により検知することが難しいので、その設定はユーザの入力により行う。
【００６９】
用紙の種類の変更を行った後には、グループ設定キー４１１を押すことにより、新しく設定された用紙の種類に基づいてグループ化の設定を行う。
【００７０】
［実施例の効果］
本発明実施例の画像形成装置１により、以下のことが可能となった。
【００７１】
用紙の属性（用紙サイズと種類）を用紙サイズ種類検知部により取得して、又検知不可能な用紙種類等については、ユーザに入力により用紙の属性を設定して、これら取得・設定された用紙の属性に基づいて自動グループ設定部により給紙収容部の自動グループ化を行うことが可能となった。これにより、グループ化設定の手間が大きく簡素化された。また、全てを手動で行う際に発生する、異なった用紙サイズを収容した給紙トレイ同士をまちがってグループ化してしまって意図しない用紙に印刷を行ってしまう等の問題がなくなった。
【００７２】
［その他］
本発明実施例の画像形成装置１は、原稿給送部６００や、原稿読取部５００や、後処理装置３００などの機能部を備えた比較的高機能な画像形成装置を例に説明を行ったが、本発明はこの実施例に限らず例えば上記の機能部が備わっていない画像形成装置であっても応用可能であり、画像形成装置の装置構成は本発明の要旨あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能である。また、それら変更を行った画像形成装置も本発明の技術的範囲の射程内である。
【００７３】
本実施例においては、用紙サイズと用紙種類の二つの項目に基づいて給紙トレイのグループ化を行う方法について説明したが、その他の条件、例えば用紙の給紙方向（例；Ａ４とＡ４−Ｒ）についてもグループ化の設定条件としてもよい。
【００７４】
図４（Ａ）で示した決定キー４１３は、装置構成の項目で説明したスタートキー４０２をもって兼ねるとする構成であってもよい。
【００７５】
グループ設定キー４１１は、図４（Ａ）に示したようなハードウェアによるキーであっても良いし、タッチパネル４０１上に表示されて、画面への接触により選択可能なソフトウェアによるキーであっても良い。
【００７６】
グループの設定の際には、図４（Ｂ）の説明で行ったように、上下キー４１５を用いて選択する項目を移動させる方法であってもよいし、タッチパネル４０１の該当項目に接触して選択する方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００７７】
【図１】本発明実施例の画像形成装置の側面断面図である。
【図２】本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【図３】本発明実施例の画像形成装置のグループ設定の際のフローチャートである。
【図４】本発明実施例のグループ設定の際の操作部の使用キー及びグループ設定画面の図である。
【符号の説明】
【００７８】
１ 画像形成装置
２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ 給紙カセット（給紙収容部）
２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄ 給紙ローラ（給紙駆動部）
２０３ 転写ローラ（印刷部）
２０４ 印刷ドラム（印刷部）
２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄ 残量センサ
２０６ 露光装置（印刷部）
２０７ 現像装置（印刷部）
２０８ 転写ローラ（印刷部）
２２０ 手差し給紙トレイ（給紙収容部）
２２１ 給紙ローラ（給紙駆動部）
２３０ 給紙駆動部
２４０ 印刷部
４００ 操作部
４０１ タッチパネル（表示部）
４０１ｓ タッチパネルに表示されたグループ設定画面
４１１ グループ設定キー
４１３ 決定キー
４１５ 上下キー
４２１ 給紙トレイ属性表
４２３ 個別給紙トレイ属性表
４２５ 個別給紙トレイに設定されたグループ名
４３１ 用紙サイズに基づくグループモード設定キー
４３３ 用紙サイズと用紙種類の両方に基づくグループモード設定キー
４３５ 用紙種類に基づくグループモード設定キー
７０１ 用紙残量検知部
７０３ 用紙サイズ検知部（用紙属性検知部）
７０７ 内部Ｗｅｂサーバ（内部ウェブサーバ）
７０９ 給紙切替制御部
７１１ 用紙切れ通知部
７１３ グループ設定保持部
７１５ 自動グループ設定部
９０１ ＰＣ１（Personal Computer）（外部装置）
９０３ ＰＣ２（Personal Computer）（外部装置）
９１１ プリンタ監視ユーティリティ
Ｐ 給紙カセット引出方向
【技術分野】
【０００１】
複数の給紙収容部（給紙カセットや手差し給紙トレイ等）を有する画像形成装置において、給紙収容部をグループ化してひとつの給紙収容部として利用する際に、グループ化の設定を自動で行うことに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
複数の給紙収容部（給紙カセットや手差し給紙トレイ等）を有する画像形成装置では、これら複数の給紙収容部を紙サイズや用紙の種類等毎にグループ分けをして用いる方法があった。
【０００３】
例えば、複数の給紙トレイをグループとして扱って、個々の給紙トレイ（給紙収容部）のステータスを前記したグルーピングした給紙トレイのステータスとして表す方法がある（特許文献１参照）。
【０００４】
グルーピングすることにより、ひとつの給紙収容部（給紙トレイ）の用紙が消費された場合には、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えて、連続で印刷することが可能であるが、グルーピングする際には複数ある給紙収容部のうちどの給紙収容部についてグループとするかの設定を行わなければならず、手間がかかるという問題があった。
【特許文献１】特開２００６−７６８６８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
解決しようとする問題点は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、グルーピングをする際には、用紙の属性に基づいて自動でグループを生成することができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の画像形成装置は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、前記給紙収容部に収容される用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う自動グループ設定部と、を有することを最も主要な特徴とする。
【０００７】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記用紙の属性を検知する用紙属性検知部を有し、前記自動グループ設定部は、前記用紙属性検知部の検知する用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とする。
【０００８】
また本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記グループ設定保持部は、ユーザの入力を受け付けて前記用紙の属性を設定可能であり、前記自動グループ設定部は、前記グループ設定保持部が保持する前記用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とする。
【０００９】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記自動でのグループ分けを開始するグループ設定キーを有することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の画像形成装置は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、前記給紙収容部に収容される用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う自動グループ設定部と、を有することを最も主要な特徴とするため、グループ設定を行う手間が省けて、簡単にグループ機能を利用することが可能となった。
【００１１】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記用紙の属性を検知する用紙属性検知部を有し、前記自動グループ設定部は、前記用紙属性検知部の検知する用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とするため、用紙の属性をユーザが設定することなくグループ設定を自動で行うことが可能となった。
【００１２】
また本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記グループ設定保持部は、ユーザの入力を受け付けて前記用紙の属性を設定可能であり、前記自動グループ設定部は、前記グループ設定保持部が保持する前記用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行うことを主要な特徴とするため、用紙の属性をセンサ等により検知することができない場合であっても、ユーザの入力により設定可能であり、該設定入力された用紙の属性に基づいて自動グループの設定が可能となった。
【００１３】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記自動でのグループ分けを開始するグループ設定キーを有することを主要な特徴とするため、前記グループ設定キーという専用キーを押すことによりグループ分けが自動で開始されるため画像形成装置に不慣れなユーザであってもグループ機能を使いこなすことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、前記複数ある給紙収容部をグループ分けする際に手間がかかるという問題を自動グループ設定部を設けて用紙の属性に基づいて自動でグループ分けするという方法により問題を解決した。
【実施例】
【００１５】
［装置構成］
図１は、本発明の実施例に係わる画像形成装置の機械的構成を主に示す側面断面図である。
【００１６】
説明中での給紙収容部とは、後述する手差しトレイ２２０のような平型の給紙トレイと、給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄのような箱型の給紙トレイの両方のことを示す。
【００１７】
画像形成装置１は、本体部２００と、図１における本体部２００の左側に配設された用紙後処理部３００と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部４００と、本体部２００の上部に配設された原稿読み取り部５００と、原稿読み取り部５００の上方に配設された原稿給送部６００とから構成される。
【００１８】
操作部４００は、タッチパネル４０１（表示部）、スタートキー４０２及びテンキー４０３等を備える。タッチパネル４０１（表示部）は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー４０２は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー４０３は、印刷枚数等を入力するために用いられる。
【００１９】
原稿給送部６００は、原稿収納部６０１、原稿排出部６０２、給紙ローラ６０３及び原稿搬送部６０４等を備え、原稿読み取り部５００は、スキャナ５０１等を備える。給紙ローラ６０３は、原稿収納部６０１にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部６０４は、繰り出される原稿を１枚ずつ順にスキャナ５０１上に搬送する。スキャナ５０１は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部６０２に排出される。
【００２０】
本体部２００は、複数の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ（給紙収容部）、手差し給紙トレイ２２０（給紙収容部）、複数の給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄ，２２１（給紙駆動部）、転写ローラ２０３（印刷部）、感光体ドラム２０４（印刷部）、露光装置２０６（印刷部）、現像装置２０７（印刷部）、定着ローラ２０８（印刷部）、排出口２０９、及び排出トレイ２１０等を備える。
【００２１】
上記の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄと手差し給紙トレイ２２０により給紙収容部を構成している。
【００２２】
上記の転写ローラ２０３、感光体ドラム２０４、露光装置２０６、現像装置２０７）、定着ローラ２０８により印刷部２４０を形成している。
【００２３】
上記の複数の給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄ，２２１及び、給紙収容部から印刷部２４０への給紙パス及びその駆動系により給紙駆動部２３０を構成している。
【００２４】
感光体ドラム２０４は、矢印方向に回転しながら帯電装置（図示省略）によって一様に帯電される。露光装置２０６は、原稿読み取り部５００において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム２０４に静電潜像を形成する。現像装置２０７は、黒色の現像剤を感光体ドラム２０４に供給してトナー画像を形成する。
【００２５】
一方、給紙収容部２０１の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄにおいては、給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄが印刷用紙が収納された給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの最上面の用紙に当接して回転することにより給紙駆動部２３０の給紙パスに印刷用紙を引き出す。また、手差し給紙トレイ２２０においては、給紙ローラ２２１が手差し給紙トレイ２２０の最上面の用紙に当接して回転することにより給紙駆動部２３０の給紙パスに印刷用紙を引き出して、転写ローラ２０３まで給送する。転写ローラ２０３は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム２０４上のトナー像を転写させ、定着ローラ２０８は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は本体部２００の排出口２０９から用紙後処理部３００に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ２１０へも排出される。
【００２６】
前記給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄには、その用紙残量を検出する残量センサ２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄが、各給紙カセットに取り付けられている。残量センサ２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄは、図に示すようにＪ字状をしており、用紙の残量の低下とともに上部の軸を中心に回転することにより用紙残量を検出すると共に、用紙がなくなると残量センサの紙に接する部分が給紙カセット（給紙トレイ）の底面に開けられた穴部（不図示）に落ち込むため用紙が無くなった事を検出可能である。
【００２７】
なお、手差し給紙トレイ２２０（給紙収容部）においては、給紙ローラ２２１が残量センサの役割を果たしている。
【００２８】
本画像形成装置１の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄは、用紙補充のために画像形成装置本体２００から取り出すときには、図１の右側方向（図１の矢印Ｐ）にスライドして取り出されるために給紙ローラ２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄから、転写ローラ２０３及び感光体ドラム２０４へつながる給紙駆動部２３０の給紙パスを遮ることがない。そのため、印刷動作中であっても印刷部２４０への給紙に係っていない給紙カセットの交換は可能であり、その際には印刷動作を停止させることが無い。
【００２９】
また、手差し給紙トレイ２２０においても同様に印刷動作を遮ることなく用紙の補充が可能である。
【００３０】
用紙後処理部３００は、搬入口３０１、印刷用紙搬送部３０２、搬出口３０３及びスタックトレイ３０４等を備える。印刷用紙搬送部３０２は、排出口２０９から搬入口３０１に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口３０３からスタックトレイ３０４へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ３０４は、搬出口３０３から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【００３１】
［機能ブロック］
図２は、本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【００３２】
本機能ブロック図では、本発明の本質に関係する部分のみをブロック図化して説明してある。通常の画像形成装置に備わっており、図１の構成図において説明した印刷部２４０や後処理装置３００などのブロック図化については省略した。
【００３３】
図２には、図１の側面断面図ですでに説明した給紙収容部（給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ及び手差し給紙トレイ２２０）、給紙駆動部２３０、操作部４００、操作部４００中のタッチパネル４０１（表示部）などと共に、図１では説明されていない機能ブロック部であるソフトウェア機能部７００、通信インタフェース部７５１を有している。
【００３４】
このソフトウェア機能部７００は、用紙残量検知部７０１、用紙サイズ種類検知部７０３（用紙属性検知部）、内部Ｗｅｂサーバ７０７、給紙切替制御部７０９、用紙切れ通知部７１１、グループ設定保持部７１３、自動グループ設定部７１５を有している。
【００３５】
また、画像形成装置１は、その通信インタフェース部７５１を通してネットワーク８０１に接続しており、同じくネットワークに接続されたＰＣ１（Personal Computer）９０１、ＰＣ２（Personal Computer）９０３と接続している。
【００３６】
以下に各機能部について説明する。本機能ブロックの説明においては、本発明の本質に関係のない画像処理部などの説明は省略した。
【００３７】
通信インタフェース部７５１は、画像形成装置１をネットワークと接続するインタフェース部である。通信インタフェース部７５１を通してＰＣ（Personal Computer）等の外部装置と接続する。
【００３８】
ソフトウェア機能部７００は、画像形成装置１のコンピュータにソフトウェアにより各種機能を実現させる機能部である。
【００３９】
用紙残量検知部７０１は、給紙収容部２０１が有する各給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの用紙残量を検出する残量センサ２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄからの信号を受信して、各給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの用紙の残量がどれくらいかと、用紙がなくなってしまったことを検知する。
【００４０】
用紙サイズ種類検知部７０３（用紙属性検知部）は、給紙収容部２０１の各給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄの用紙サイズを定める枠部によって測定された用紙サイズの信号や、給紙経路中に設置されたセンサからの信号により、各給紙カセットに供給された用紙サイズや用紙の種類などを検知する。
【００４１】
これらのセンサなどでは検知できないような用紙の種類についての属性、例えば厚紙や色紙、又は片面使用済み用紙などについては、ユーザの入力を受け付けて後述のグループ設定保持部７１３がその属性を記録・保持する。
【００４２】
内部Ｗｅｂサーバ７０７は、画像形成装置１の装置の状態を外部装置であるＰＣ２；９０３のブラウザ９１３からアクセスできるように、設けられたものである。内部Ｗｅｂサーバ７０７のページにアクセスすることにより、画像形成装置１の設定状態を確認できると共に設定の変更を行うことも可能である。前記したように、給紙収容部のグルーピングの設定も内部Ｗｅｂサーバ７０７にアクセスすることにより、設定の確認と変更が可能である。
【００４３】
給紙切替制御部７０９は、印刷中にグルーピングされた給紙収容部（給紙カセットと手差し給紙トレイ）のひとつから用紙がなくなった場合には、そこで印刷動作を停止せずに自動的にグルーピングされた他の給紙収容部から給紙を行うように給紙駆動部２３０を制御する機能部である。
【００４４】
用紙切れ通知部７１１は、印刷が行われて用紙が消費されてグルーピングされた給紙収容部の用紙のいずれかがなくなった場合に用紙切れの通知を行う機能部である。
【００４５】
グループ設定保持部７１３は、複数ある給紙カセットをグループ毎に分けて設定（グルーピング機能）を行うための機能部である。一般的には用紙のサイズ及び種類が同じもの毎にグループ化することが行われる。（ただし、異なるものをグループ化して設定することも可能である。設定時には用紙が補充されていない状態で、保守係によってデフォルトのグループ設定がされる場合等があるため。）
本画像形成装置１では、複数の給紙収容部（複数の給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ及び手差し給紙トレイ２２０）をグループ分けして、それらグループ化されたものをひとつの大容量給紙収容部として扱う（以降、グルーピング機能と呼ぶ）ことが可能である。このグルーピング機能により、一つの給紙カセットの最大用紙容量を超える大量の印刷を連続して行うことが可能となる。すなわち、グルーピングされた給紙カセットの一つの用紙が使い果たされて空になっても、自動的にグルーピングされている異なる給紙カセットからの給紙に切り替えることにより、「紙無しエラー、印刷エンジンの休止」状態を発生させずに、グルーピングされたすべての給紙収容部の用紙がなくなるまでの連続印刷を行えることが可能となり、そのことがこのグルーピング機能の最大の利点である。
【００４６】
本グループ設定保持部７１３は、この給紙収容部のグルーピング化の設定（例えば、給紙カセットａ，ｃをひとつのグループでＡ４普通用紙を入れたもの、給紙カセットｂ，ｄ、手差し給紙トレイをひとつのグループでＡ３用紙と設定など）を行い、その設定状態を記録して保持する。
【００４７】
この設定は、操作部４００からの入力によって行っても良いし、通信インタフェース部７５１を通して外部装置であるＰＣ１；９０１のプリンタ監視ユーティリティ９１１により行っても良いし、また外部装置であるＰＣ２；９０３のブラウザ９１３を用いて画像形成装置１の内部Ｗｅｂサーバ７０７にアクセスして内部Ｗｅｂサーバ７０７の有する設定機能を用いて行っても良い。
【００４８】
自動グループ設定部７１５は、前記用紙サイズ種類検知部（用紙属性検知部）７０３によって検知された用紙の属性と、ユーザからの入力によって設定された用紙の属性とに基づいて、同じ用紙属性を持つ給紙トレイ同士をグループ化する。設定されたグループ化の情報は、グループ設定保持部７１３が保持する。
【００４９】
グループ化する際には、用紙のサイズに基づいてグループ化するか、用紙の種類に基づいてグループ化するか、またはその両方に基づいて設定するかの選択（モード設定と呼ぶ）が可能となっている。
【００５０】
［フローチャート］
図３のフローチャートを用いて、本発明実施例の画像形成装置における、自動グループ化の設定動作について説明する。
【００５１】
Ｓ１１：用紙残量検知部７０１は、画像形成装置の各給紙収容部（給紙カセット２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄと手差し給紙トレイ２２０）に備え付けられたセンサから、補充されている用紙のサイズや可能であれば用紙種類の信号を受け取り、グループ設定保持部７１３にそれらの用紙属性を記録する。
【００５２】
Ｓ１３：前記ステップで検知できなかった用紙属性等について、グループ設定保持部７１３がユーザの入力を受け付けて記録して保持する。
【００５３】
又、グループ設定保持部７１３は、グループ設定を行うかどうか、又行う場合には、手動で設定を行うか、自動で設定を行うか、又、自動で行う場合にはどのような条件（Ｓ２１においてモード設定と呼ぶ）に基づいてグループ化するかについてのユーザの入力を受け付ける。この自動グループ設定の受付及びモード設定については、図４の設定画面の図を用いてより詳しく後述する。
【００５４】
Ｓ１５：Ｓ１３での設定に基づいて、グループ設定を行う場合には動作をＳ１７に移行する。グループ設定を行わない場合には、これで設定動作を終了する。
【００５５】
Ｓ１７：Ｓ１３での設定に基づいて、自動グループ設定を行うか手動グループ設定を行うかについて判断する。手動グループ設定を行う場合には、動作をＳ１９に移行する。受動でグループ設定を行う場合には動作をＳ２１に移行する。
【００５６】
Ｓ１９：グループ設定保持部７１３は、ユーザの入力によるグループ設定を受け付けて記録して保持する。
【００５７】
Ｓ２１：自動グループ設定部７１５はＳ１３での設定に基づいて、自動グループ設定を行う場合のモード設定（どのような条件に基づいてグループ化するか）について判断する。用紙サイズに基づいてグループ化する場合は、動作をＳ２３に移行する。用紙の種類に基づいてグループ化する場合は、動作をＳ２７に移行する。用紙サイズと用紙の種類の両方の条件に基づいて給紙トレイをグループ化する場合は、動作をＳ２５に移行する。
【００５８】
Ｓ２３：自動グループ設定部７１５は、用紙サイズの同じ給紙トレイをグループ化する設定を行う。
【００５９】
Ｓ２５：自動グループ設定部７１５は、用紙サイズと用紙種類の両方が同じ給紙トレイをグループ化する設定を行う。
【００６０】
Ｓ２７：自動グループ設定部７１５は、用紙種類の同じ給紙トレイをグループ化する設定を行う。
【００６１】
以上の一連の動作によりグループ設定に関する一連の動作を終了する。
【００６２】
この後、印刷ジョブを実行する際には、指定のグループ中の給紙トレイからの印刷が行われ、その給紙トレイの用紙を全て消費してしまっても、同じグループの他の給紙トレイからの給紙に切り替えて連続の給紙を可能とする。
【００６３】
［グループ設定の実際の動作；そのユーザインタフェースについて］
図４を用いてグループ設定を行う際の実際の操作について、そのユーザインタフェースについて説明する。
【００６４】
図４（Ａ）は、画像形成装置１の操作部４００の図である。操作部４００には、表示部であるタッチパネル４０１と、操作用のキーであるグループ設定キー４１１、決定キー４１３、上下キー４１５が備わっている。
【００６５】
グループ設定キー４１１を押すと、グループ設定の動作が開始されて、タッチパネル４０１に図４（Ｂ）に示すグループ設定画面４０１ｓが表示される。
【００６６】
グループ設定画面４０１ｓには、給紙トレイの属性と用紙残量状態を示す給紙トレイ属性表４２１が示されている。例えば給紙カセット１；２０１ａについての属性及び状態表示行４２３に当該カセットについての情報が表示されている。この時点ですでにグループ設定がなされている場合は、当該グループ設定をグループ表示欄４２５する。また、グループ設定のためのモード（用紙のどの属性によりグループ化するか）が設定されている場合には、例えば図に示すように用紙サイズ属性キー４３１が選択されており、それに呼応したグループ設定がされて、グループ表示欄４２５には、用紙サイズＡ４が収容されているカセット１，４と手差し給紙トレイがグループＡと設定され、用紙サイズＡ３が収容されているカセット２，３がグループＢと設定されているのが示されている。
【００６７】
グループ設定のためのモード設定のためのキーは、前記したサイズ属性キー４３１以外にも、用紙の種類によりグループ化する種類属性キー４３５と、用紙サイズと用紙種類の両方の属性が合致するものに関してグループ化する両方属性キー４３３が、備わっている。前記した図４（Ａ）の上下キー４１５を押すことによりこれら、モード設定キー間の選択を移動させ、決定キー４１３を押すことにより、新しく設定されたモードによって自動グループ設定部７１５によりグループ化が行われる。
【００６８】
上記給紙トレイ属性表４２１が表示されている状態で、各給紙トレイの用紙タイプ項目に触れるとタッチパネル４０１は、その接触を検知して用紙タイプ（用紙の種類）項目の設定の変更を可能とする。用紙の種類は一般的にセンサ等により検知することが難しいので、その設定はユーザの入力により行う。
【００６９】
用紙の種類の変更を行った後には、グループ設定キー４１１を押すことにより、新しく設定された用紙の種類に基づいてグループ化の設定を行う。
【００７０】
［実施例の効果］
本発明実施例の画像形成装置１により、以下のことが可能となった。
【００７１】
用紙の属性（用紙サイズと種類）を用紙サイズ種類検知部により取得して、又検知不可能な用紙種類等については、ユーザに入力により用紙の属性を設定して、これら取得・設定された用紙の属性に基づいて自動グループ設定部により給紙収容部の自動グループ化を行うことが可能となった。これにより、グループ化設定の手間が大きく簡素化された。また、全てを手動で行う際に発生する、異なった用紙サイズを収容した給紙トレイ同士をまちがってグループ化してしまって意図しない用紙に印刷を行ってしまう等の問題がなくなった。
【００７２】
［その他］
本発明実施例の画像形成装置１は、原稿給送部６００や、原稿読取部５００や、後処理装置３００などの機能部を備えた比較的高機能な画像形成装置を例に説明を行ったが、本発明はこの実施例に限らず例えば上記の機能部が備わっていない画像形成装置であっても応用可能であり、画像形成装置の装置構成は本発明の要旨あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能である。また、それら変更を行った画像形成装置も本発明の技術的範囲の射程内である。
【００７３】
本実施例においては、用紙サイズと用紙種類の二つの項目に基づいて給紙トレイのグループ化を行う方法について説明したが、その他の条件、例えば用紙の給紙方向（例；Ａ４とＡ４−Ｒ）についてもグループ化の設定条件としてもよい。
【００７４】
図４（Ａ）で示した決定キー４１３は、装置構成の項目で説明したスタートキー４０２をもって兼ねるとする構成であってもよい。
【００７５】
グループ設定キー４１１は、図４（Ａ）に示したようなハードウェアによるキーであっても良いし、タッチパネル４０１上に表示されて、画面への接触により選択可能なソフトウェアによるキーであっても良い。
【００７６】
グループの設定の際には、図４（Ｂ）の説明で行ったように、上下キー４１５を用いて選択する項目を移動させる方法であってもよいし、タッチパネル４０１の該当項目に接触して選択する方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００７７】
【図１】本発明実施例の画像形成装置の側面断面図である。
【図２】本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【図３】本発明実施例の画像形成装置のグループ設定の際のフローチャートである。
【図４】本発明実施例のグループ設定の際の操作部の使用キー及びグループ設定画面の図である。
【符号の説明】
【００７８】
１ 画像形成装置
２０１ａ，ｂ，ｃ，ｄ 給紙カセット（給紙収容部）
２０２ａ，ｂ，ｃ，ｄ 給紙ローラ（給紙駆動部）
２０３ 転写ローラ（印刷部）
２０４ 印刷ドラム（印刷部）
２０５ａ，ｂ，ｃ，ｄ 残量センサ
２０６ 露光装置（印刷部）
２０７ 現像装置（印刷部）
２０８ 転写ローラ（印刷部）
２２０ 手差し給紙トレイ（給紙収容部）
２２１ 給紙ローラ（給紙駆動部）
２３０ 給紙駆動部
２４０ 印刷部
４００ 操作部
４０１ タッチパネル（表示部）
４０１ｓ タッチパネルに表示されたグループ設定画面
４１１ グループ設定キー
４１３ 決定キー
４１５ 上下キー
４２１ 給紙トレイ属性表
４２３ 個別給紙トレイ属性表
４２５ 個別給紙トレイに設定されたグループ名
４３１ 用紙サイズに基づくグループモード設定キー
４３３ 用紙サイズと用紙種類の両方に基づくグループモード設定キー
４３５ 用紙種類に基づくグループモード設定キー
７０１ 用紙残量検知部
７０３ 用紙サイズ検知部（用紙属性検知部）
７０７ 内部Ｗｅｂサーバ（内部ウェブサーバ）
７０９ 給紙切替制御部
７１１ 用紙切れ通知部
７１３ グループ設定保持部
７１５ 自動グループ設定部
９０１ ＰＣ１（Personal Computer）（外部装置）
９０３ ＰＣ２（Personal Computer）（外部装置）
９１１ プリンタ監視ユーティリティ
Ｐ 給紙カセット引出方向
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の給紙収容部から給紙駆動部により印刷部へ給紙可能な画像形成装置であって、
前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、
前記グループ内の給紙収容部の用紙切れを検知する用紙残量検知部と、
前記用紙残量検知部が前記給紙収容部のいずれかの用紙切れを検知すると、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えるよう前記給紙駆動部を制御する給紙切替制御部と、
前記給紙収容部に収容される用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う自動グループ設定部と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
請求項１の画像形成装置であって、
前記用紙の属性を検知する用紙属性検知部を有し、
前記自動グループ設定部は、前記用紙属性検知部の検知する用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項３】
請求項１又は２の画像形成装置であって、
前記グループ設定保持部は、ユーザの入力を受け付けて前記用紙の属性を設定可能であり、
前記自動グループ設定部は、前記グループ設定保持部が保持する前記用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項４】
請求項１から３のいずれかの画像形成装置であって、
前記自動でのグループ分けを開始するグループ設定キーを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項５】
請求項１から４のいずれかの画像形成装置であって、
前記用紙の属性は、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙の給紙方向の少なくともひとつである
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項１】
複数の給紙収容部から給紙駆動部により印刷部へ給紙可能な画像形成装置であって、
前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、
前記グループ内の給紙収容部の用紙切れを検知する用紙残量検知部と、
前記用紙残量検知部が前記給紙収容部のいずれかの用紙切れを検知すると、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えるよう前記給紙駆動部を制御する給紙切替制御部と、
前記給紙収容部に収容される用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う自動グループ設定部と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
請求項１の画像形成装置であって、
前記用紙の属性を検知する用紙属性検知部を有し、
前記自動グループ設定部は、前記用紙属性検知部の検知する用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項３】
請求項１又は２の画像形成装置であって、
前記グループ設定保持部は、ユーザの入力を受け付けて前記用紙の属性を設定可能であり、
前記自動グループ設定部は、前記グループ設定保持部が保持する前記用紙の属性に基づいて前記グループ分けを自動で行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項４】
請求項１から３のいずれかの画像形成装置であって、
前記自動でのグループ分けを開始するグループ設定キーを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項５】
請求項１から４のいずれかの画像形成装置であって、
前記用紙の属性は、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙の給紙方向の少なくともひとつである
ことを特徴とする画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２５６０７４（Ｐ２００９−２５６０７４Ａ）
【公開日】平成２１年１１月５日（２００９．１１．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１０９６４０（Ｐ２００８−１０９６４０）
【出願日】平成２０年４月１８日（２００８．４．１８）
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１１月５日（２００９．１１．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月１８日（２００８．４．１８）
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
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