説明

画像形成装置

【課題】像担持体と転写体との間に挾持した記録体、または、転写体自らに像担持体上のトナー像を転写する転写装置を採用し、強制トナー消費モードを有する画像形成装置において、強制トナー消費モード実施による時間のロスを短縮できるとともに、転写体クリーニング装置のクリーニング性能を良好に維持する。
【解決手段】感光体上の画像形成領域外にトナー消費パターンを形成して現像装置内のトナーを消費するトナー消費モードを有する画像形成装置において、転写体としての中間転写体または転写搬送ベルトが感光体から接離可能であり、トナー消費モードとして、転写体が感光体に当接しているときにトナー消費を行う第一のトナー消費モードと、転写体が感光体から離間しているときにトナー消費を行う第二のトナー消費モードとを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記画像形成装置で、現像装置内のトナーが劣化した状態であるとトナーの均一な帯電が阻害されて画像劣化を引き起こす。これを防止するために、現像装置内のトナーを強制的に消費させ、新たなトナーを補給してトナーの入れ替えをおこなうものが知られている。
【0003】
トナーが劣化する要因は種々挙げられるが、その一つとして、印字率が低い画像(低画像面積)が多く消費されるトナーが少ない場合に、トナーが現像装置内で長期間ストレスをうけることがある。この低画像面積によるトナー劣化に対応するために、現像装置の動作時間に対して画像面積が基準以下の場合に、像担持体上の画像形成領域外に強制的にトナーを消費させるトナー消費パターンを作成するものが知られている(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
画像形成装置の転写装置として、像担持体に当接するように配置され表面移動する転写体を有し、像担持体と転写体との間に挾持した記録体、または、転写体自らに像担持体上のトナー像を転写するものが知られている。
【0005】
このような転写体を有する転写装置を用いた画像形成装置で強制的にトナー消費する強制トナー消費モードを実施すると、像担持体上の画像形成領域外に形成されるトナー消費パターンは当接する転写体上に転写される。そして、転写体上のトナーを除去するクリーニングブレードを有する転写体クリーニング装置で回収されることになる。ここで、転写体クリーニング装置は、転写体上の残トナーをクリーニングするよう設計されたものであり、強制トナー消費用のトナー量の多いトナー消費パターンをクリーニングするとクリーニングブレードに対する負荷が大きくなり過ぎてしまう。このため、転写体クリーニング装置は良好なクリーニング性能を維持することが難しくなってしまう。特に、複数の像担持体を備えたフルカラー画像形成装置では、各色のトナー消費パターンを全て一つの転写体クリーニング装置で回収することになるため、負荷が大きくなり過ぎてクリーニング性能が維持できない状況となりやすい。
【0006】
そこで、転写体を像担持体から接離させる接離手段を設け、転写体を像担持体から離間させて停止させた状態で強制トナー消費モードを実施するものがある。これは、トナー消費パターンを転写体に転写することなく、像担持体クリーニング装置で回収することにより、転写体クリーニング装置の負担を軽減する。また、転写体の無駄な駆動を省いて転写装置の長寿命化を図ることができる。しかしながら、接離動作に時間がかかり、強制トナー消費モードの実施による時間のロスが大きくなってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開平11−295976号公報
【特許文献2】特開2006−171521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、強制トナー消費モードの実施に際しては、トナー量が多いトナー消費パターンが転写体クリーニング装置に入ってくることにより、転写体クリーニンング装置で除去するトナー量が過剰になってしまうことを抑制して、転写体クリーニング装置の良好なクリーニング性能を維持することが望まれる。
【0009】
一方、環境によっては転写体の表面摩擦係数が大きくなり過ぎて、転写体クリーニング装置のクリーニングブレードめくれが発生してしまうことがある。これは、転写体とクリーニングブレードとの間にトナーがあると起こり難くなるため、ある程度の量のトナーを転写体クリーニング装置に入れてやることが望まれる。
【0010】
また、強制トナー消費モード実施による時間のロスをできるだけ短縮することが望まれる。
【0011】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体に当接するように配置され表面移動する転写体を有し、像担持体と転写体との間に挾持した記録体、または、転写体自らに像担持体上のトナー像を転写する転写装置を採用し、強制トナー消費モードを有する画像形成装置において、強制トナー消費モード実施による時間のロスを短縮できるとともに、転写体クリーニング装置のクリーニング性能を良好に維持できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上にトナー像を現像する現像装置と、該像担持体に当接するように配置され表面移動する転写体を有し、該像担持体と該転写体との間に挾持した記録体、または、該転写体自らに該像担持体上のトナー像を転写する転写装置と、該像担持体上のトナーを除去する像担持体クリーニング装置と、該転写体上のトナーを除去する転写体クリーニング装置とを備え、該像担持体上の画像形成領域外にトナー消費パターンを形成して該現像装置内のトナーを消費するトナー消費モードを有する画像形成装置において、上記転写体が上記像担持体から接離可能であり、上記トナー消費モードとして、該転写体が該像担持体に当接しているときにトナー消費を行う第一のトナー消費モードと、該転写体が該像担持体から離間しているときにトナー消費を行う第二のトナー消費モードとを設けることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記現像装置が消費したトナー量を記憶する第一の記憶手段と、該現像装置が動作した時間を記憶する第二の記憶手段とを備え、該第二の記憶時間が記憶した現像装置の動作時間に対して、該第一の記憶手段が記憶した消費トナー量が少ないと判断される場合に、上記第一のトナー消費モードまたは第二のトナー消費モードを実施することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、作像環境の温湿度情報を取得する温湿度情報取得手段を設け、該温湿度情報取得手段により取得した温湿度情報に基づき、上記第一のトナー消費モードか上記第二のトナー消費モードかを選択して実施することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記温湿度情報取得手段により取得した温湿度情報より算出される絶対湿度が所定の値以上の場合に、上記第一のトナー消費モードのみを実施することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記温湿度情報取得手段により取得した温湿度情報より算出される絶対湿度が所定の値未満の場合に、上記第二のトナー消費モードのみを実施することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の何れかの画像形成装置において、複数の像担持体と、各像担持体にトナー像を形成する複数の現像装置と、上記転写体を該複数の像担持体のうち画像形成に使用されない像担持体から離間させた状態とする接離手段とを備え、画像形成に使用される像担持体への画像形成中に、画像形成に使用されない像担持体にトナー像を形成する現像装置に対して上記第二のトナー消費モードを実施することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの画像形成装置において、上記現像装置で使用するトナーの平均円形度が0.90〜0.99であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかの画像形成装置において、上記現像装置で使用するトナーの形状係数SF−1が120〜180であり、形状係数SF−2が120〜190であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の何れかの画像形成装置において、上記現像装置で使用するトナーの体積平均粒径をDv(μm)、個数平均粒径をDn(μm)としたとき、Dv/Dnが1.05〜1.30の範囲であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、トナー消費モードとして第一のトナー消費モードと第二のトナー消費モードとを設けて併用することにより、以下の作用を得る。トナー消費モードが、転写体が像担持体から離間している第二のトナー消費モードのみである画像形成装置に比べ、転写体が像担持体に接触している第一のトナー消費モードを併用することで、必要に応じてトナー消費パターンを用いて適量のトナーを転写体クリーニング装置に入れることができ、かつ、トナー消費モードによる時間のロスを短縮することができる。また、トナー消費モードが、第一のトナー消費モードのみである画像形成装置に比べ、第二のトナー消費モードを併用することで、トナー消費パターンによる過剰な量のトナーが転写体クリーニング装置に入ることを抑制して転写体クリーニング装置の負荷を低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明によれば、像担持体に当接するように配置され表面移動する転写体を有し、像担持体と転写体との間に挾持した記録体、または、転写体自らに像担持体上のトナー像を転写する転写装置を採用し、強制トナー消費モードを有する画像形成装置において、強制トナー消費モード実施による時間のロスを短縮できるとともに、転写体クリーニング装置のクリーニング性能を良好に維持できるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタに適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るカラーレーザプリンタの構成及び動作について説明する。
【0016】
カラーレーザプリンタとしては、像担持体として1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置で一つの感光体上にトナーを付着させて、そのトナー画像を転写してシートにカラー画像を記録する、いわゆる1ドラム型のものがある。また、像担持体として複数の感光体を並列に配置し、それぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写してシートに合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものとがある。1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者は、感光体が1つであるから比較的小型化でき、コストも低減できる利点はあるものの、1つの感光体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画像を形成するため、画像形成の高速化には困難である。後者は、逆に大型化し、コスト高となる欠点はあるものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。最近は、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
【0017】
また、タンデム型カラーレーザプリンタには、各感光体上で顕像化された画像を一旦中間転写体である中間転写ベルトに順次転写して後、中間転写ベルト上の画像をシートに一括転写する間接転写方式がある。また、各感光体上で顕像化された画像を転写搬送ベルト等で搬送されるシートに順次転写する直接転写方式がある。
【0018】
図1は、本実施形態に係るタンデム型カラーレーザプリンタ(以下、レーザプリンタという)で間接転写方式を採用するものの概略構成図である。このレーザプリンタは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y、C、M、K(以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロ−、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す)が、後述する中間転写ベルト30における上流側から順に配置されている。各トナー像形成部1Y、C、M、Kは、それぞれ像担持体としてのドラム状の感光体10Y、C、M、Kを備えている。各トナー像形成部1Y、C、M、Kの配置は、各感光体10Y、C、M、Kの回転軸が平行で等間隔になるように配置されている。また、トナー像形成部1Y、M、C、Kのほか、光書込ユニット2、中間転写ユニット3、給紙ユニット4、定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、手差しトレイ42、トナー補給容器57等を備えている。
【0019】
光書込ユニット2はトナー像形成部1Y、C、M、Kの下方に配置されており、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像情報に基づいて発したレーザ光を、それぞれの感光体10Y、M、C、Kに向けて発射して感光体表面を露光走査する。
【0020】
中間転写体ユニット3は、トナー像形成部1Y、C、M、Kの上方に配置され、ローラ31、32、33、34により図中反時計回りに回転可能に張架される中間転写体としての中間転写ベルト30を備えている。また、感光体10Y、C、M、Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト30に転写する4つの一次転写ローラ35Y、C、M、Kと、中間転写ベルト30上に転写されたトナー像を記録紙100に転写する二次転写ローラ36とを備えている。さらに、中間転写ベルト30の回転方向に関して二次次転写ローラ36よりも下流部には、転写体クリーニング装置としてのベルトクリーニング装置37を備えている。
【0021】
給紙ユニット4は、装置下方に配置され、用紙を収容する給紙カセット41から記録紙100を二次転写領域に搬送する給紙ローラ43、レジストローラ44等を備えている。また、定着ユニット7が、二次転写領域よりも記録紙100の搬送方向下流部に配置され、定着ローラ71及び加圧ローラ72を備えている。定着ユニット7は、記録紙100上のトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う。さらに、定着後の記録紙100を排紙される排紙トレイ8が設けられている。
【0022】
各色のトナー像形成部1Y、C、M、Kは、画像形成物質として、互いに異なる色(M,C,Y,K)のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。このため、以下、添字のM,C,Y,Kを省略して構成・動作を説明する。
トナー像形成部1は、感光体10と、これに作用するプロセス手段として、感光体10を帯電する帯電装置13、感光体10に残留した現像剤等を除去する感光体クリーニング装置14が一体的に構成されており、これに感光体10に形成された潜像を現像する現像装置15が連結する構成になっている。なお、本実施形態では、各トナー像形成部1は、図示しない開閉式面板の開閉方向に(感光体10の回転軸方向)に画像形成装置本体に対して着脱自在な構成になっている。
【0023】
また、装置上方には、各トナー像形成部1の現像装置15に新しいトナーを供給するために、トナーボトル57Y、C、M、Kが配設されている。
【0024】
このような構成のレーザプリンタにおけるフルカラー画像形成動作について説明する。図2は、フルカラー画像形成時の中間転写ユニット3周り説明図である。フルカラー画像形成時には、中間転写ベルト30は感光体1Y、C、M、Kと当接するように配置される。スタート信号とともに、中間転写ベルト30は、図2中時計回り方向に表面移動するよう回転駆動され、それと同時に各トナー像形成部1においてトナー像形成を順次開始する。例えば、イエローのトナー像形成部1Yにおいては、感光体10Yが帯電装置13Yによって一様に帯電された後、光書込ユニット2から照射されたレーザ光によって潜像が形成され、現像装置15Yによって潜像が現像されてトナー像が形成される。感光体10Y上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ35Yの作用によって中間転写ベルト30上に転写される。一次転写が終了した感光体10Yは感光体クリーニング装置14Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備える。感光体クリーニング装置14Yによって回収された残留トナーは、トナー像形成部1Yの取り出し方向(感光体10Yの回転軸方向)に設置された図示しない廃トナー回収ボトルに貯蔵される。廃トナー回収ボトルが満杯になると交換できるように画像形成装置本体に対し着脱自在になっている。同様のトナー像形成動作がシアン、マゼンタ、黒のトナー像形成部1C、M、Kにおいても行われ、先に形成された中間転写ベルト30上のイエローのトナー像に順次重ねて転写され、フルカラートナー像が形成される。
【0025】
一方、給紙ユニット4の給紙カセット41または手差し給紙トレイ42から記録紙100が二次転写領域に搬送され、二次転写ローラ36の作用によって中間転写ベルト30上に形成されたフルカラートナー像が記録紙100上に転写される。トナー像を転写された記録紙100は定着ユニット7に搬送され、定着ユニット7の定着ローラ71と加圧ローラ72のニップ部にてトナー像が定着され、排紙トレイ8に排紙される。なお、画像転写後の中間転写ベルト30は、ベルトクリーニング装置37で、中間転写ベルト30上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0026】
また、各トナー像形成部1Y、C、M、Kに新しいトナーを供給するために、トナーボトル57Y、C、M、Kを回転させ、図示しないパイプを通してトナーを搬送する。
【0027】
次に、上記レーザプリンタにおけるモノクロ画像形成動作について説明する。図3は、モノクロ画像形成時の中間転写ユニット3周り説明図である。モノクロ画像形成時には、中間転写ベルト30はカラー用の感光体12Y、C、Mから離間し、黒トナー像を形成する感光体10Kのみと当接するように配置される。このとき、カラー用の感光体10Y、C、Mは停止状態にある。スタート信号とともに、中間転写ベルト30は、図3中時計回り方向に表面移動するよう回転駆動され、それと同時に黒用のトナー像形成部1Kにおいてトナー像形成を開始する。黒トナー像は、上述のフルカラー画像形成時と同様に、中間転写ベルト30上に転写され、次いで二次転写ローラ36の作用によって記録紙100上に転写される。そして、定着ユニット7にて黒トナー像が定着され、排紙トレイ8に排紙される。なお、画像転写後の中間転写ベルト30は、ベルトクリーニング装置37で、中間転写ベルト30上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0028】
次に、本実施形態のレーザプリンタの特徴部であるトナー消費モードについて説明する。上記レーザプリンタでは、現像装置15内のトナーが長期間のストレスにより劣化してトナーの均一な帯電が阻害されて画像劣化を引き起こすことがある。これを防止するために、トナー消費パターンを作成して現像装置15内のトナーを強制的に消費させる強制トナー消費モードを設ける。本実施形態のレーザプリンタでは、トナー消費モードとして、中間転写ベルト30が感光体10に当接しているときにトナー消費を行う第一のトナー消費モードと、中間転写ベルト30が感光体10から離間しているときにトナー消費を行う第二のトナー消費モードとを設ける。以下、第一のトナー消費モードと第二のトナー消費モードとについて詳しく説明する。
【0029】
フルカラー画像形成動作時に強制トナー消費モードを行う場合は、感光体10Y、C、M、Kと中間転写ベルト30とが当接している。ここで、必要な色の現像装置15Y、C、M、Kのトナー強制消費をおこなうため、対応する感光体10Y、C、M、K上にトナー消費パターンを作成すると、感光体10Y、C、M、K上に形成されたトナー消費パターンは中間転写ベルト30に転写される。なお、中間転写ベルト30に移動するトナーの割合は、1次転写ローラ35Y、C、M、Kに印加するバイアスにより制御することが可能であり、9割以上が転写可能である。中間転写ベルト30に転写したトナー消費パターンは中間転写ベルト30のベルトクリーニング装置37で回収される。この強制トナー消費動作を第一のトナー消費モードとする。第一のトナー消費モードは、第二のトナー消費モードに比べ、必要に応じてトナー消費パターンを用いて適量のトナーをベルトクリーニング装置37に入れることができる。また、中間転写ベルト30を接離するものに比べ、強制トナー消費モードによる時間のロスを短縮できる。
【0030】
一方、モノクロ画像形成時には、図示しない接離手段により、カラー用の感光体10Y、C、Mと中間転写ベルト30とを離間させている。黒用のトナー像形成部1Kでモノクロ画像形成最中に、必要な色の感光体10Y、C、Mを駆動し、必要な色の現像装置15Y、C、Mのトナー強制消費を行う。必要な色のトナー消費パターンを対応する感光体10上に作成し、感光体クリーニング装置14で回収する。この強制トナー消費動作を第二のトナー消費モードとする。
【0031】
この第二のトナー消費モードでは、モノクロ画像形成動作と同時に、独立してカラートナーの強制消費を行うことができる。また、モノクロ画像を形成しているため、カラーの感光体10Y、C、Mを駆動してもユーザーが異常に感じることがない。この第二のトナー消費モードは、第一のトナー消費モードに比べ、トナー消費パターンによる過剰な量のトナーがベルトクリーニング装置37に入ることを抑制してベルトクリーニング装置37の負荷を低減することができる。また、トナー強制消費動作を、第一のトナー消費モードだけで行うためには、画像形成動作時以外のタイミングで行うことが必要であるが、第二のトナー消費モードでカラートナーのトナー強制消費動作を行うことにより、装置全体としてトナー強制消費の時間を別に取る必要が少なくなるため、時間短縮ができ効率的である。なお、図3に示すモノクロ画像形成時には、黒用の感光体10Kと中間転写ベルト30とが当接しているため、黒用の現像装置15Kのトナー強制消費動作に関しては第二のトナー消費モードを行えない。しかし、後述する黒用の感光体10Kと中間転写ベルト30とを離間する手段を設けたものでは、離間させたタイミングで第二のトナー消費モードを実施することが可能である。
【0032】
また、フルカラー画像形成動作が終了してから、中間転写ベルト30を全ての感光体10Y、C、M、Kから離間した状態とし、第二のトナー消費モードで必要な色の感光体10Y、C、M、Kを駆動し、必要な色の現像装置15Y、C、M、Kのトナー強制消費を行うこともできる。この場合も、トナー消費パターンは各感光体10Y、C、M、Kの感光体クリーニング装置14Y、C、M、Kで回収されるので、トナー消費パターンによる過剰な量のトナーがベルトクリーニング装置37に入ることを抑制してベルトクリーニング装置の負荷を低減することができる。また、全ての感光体10Y、C、M、Kが中間転写ベルト30から離間した状態であるので、中間転写ベルト30の駆動を停止することができる。よって、無駄な中間転写ベルト30の駆動を省いて中間転写ユニット3の長寿命化を図ることができる。なお、感光体10Y、C、M、Kの離間は、最下流にある感光体10K上の画像の転写が終了した後に実施する。その前に、中間転写ベルト30を上流側の感光体から離間し始めると、転写中の画像が乱れるため注意を要する。図10に、フルカラー画像形成動作が終了してから第二のトナー消費モードを行う場合のフローチャートを示す。
【0033】
また、モノクロ画像形成動作が終了してから、中間転写ベルト30を感光体10Kから離間した状態とし、第二のトナー消費モードで感光体10Kを駆動し、黒用の現像装置15Kのトナー強制消費を行うこともできる。
【0034】
また、トナー消費モードで消費させるトナーの量は、トナーの劣化度合いにより決まる。そこで、各現像装置15のトナー消費量を記憶する第一記憶手段と、各現像装置15が動作した時間を記憶する第二記憶手段を備える。そして、第一記憶手段と第二記憶手段とにより、各現像装置15の動作時間に対して、トナー消費量が閾値以下である場合にトナー消費モードを実施する。本実施形態では、2枚連続通紙時に転写紙1枚あたりの画像面積が3%以下であればトナー消費モードを実施し、消費量が2%以下である場合は消費モードの面積を大きくし、消費トナー量を多くしている。なお、トナー消費モードのトナー消費量調整は、露光面積調整、現像バイアス調整、地肌ポテンシャル調整による地汚れでの吐き出し等により制御可能であり、どの方式を用いてもかまわない。また、2成分現像方式の場合はトナー消費により消費したトナーと同量のトナーを補給し、トナー濃度(トナーとキャリアの割合)を一定に保つようにする。
【0035】
このようなトナー消費モードは、上記間接転写方式以外でも、直接転写方式のレーザプリンタにも適用可能であり、同様の効果が得られる。以下、直接転写方式のレーザプリンタの構成及び動作について説明する。
図4は、レーザプリンタで直接転写方式を採用するものの概略構成図である。このレーザプリンタは、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y、M、C、Kを、後述する記録紙100の移動方向(図4中の矢印Aに沿って転写搬送ベルト60が走行する方向)における上流側から順に配置されている。また、トナー像形成部1Y、M、C、Kのほか、光書込ユニット2、転写ユニット6、給紙ユニット4、定着ユニット7(図4ではベルト定着方式)、排紙トレイ8等を備えている。このトナー像形成部1Y、M、C、K、光書込ユニット2、給紙ユニット4、定着ユニット7については、図1の間接転写方式のレーザプリンタと類似の構成であり、同様の機能を果たすため、その説明は省略する。以下、直接転写方式に用いる転写ユニット6の構成、動作について詳しく説明する。
【0036】
転写ユニット6は、各トナー像形成部1Y、M、C、Kの下方に配置され、記録紙100を担持して各トナー像形成部1Y、M、C、Kの転写位置を通過するように搬送する転写搬送部材としての転写搬送ベルト60を有するベルト駆動装置である。また、転写ユニット6は、図示していない廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども二点鎖線で示したスペースSの中に備えている。
【0037】
図5は、転写ユニット6の概略構成を示す拡大図である。転写ユニット6で使用した転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が10〜1011Ω・cmの高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。転写搬送ベルト60は、各トナー像形成部の感光体ドラム11Y、M、C、Kに接触対向する各転写位置を通過するように、支持ローラ61〜68に掛け回されている。これらの支持ローラのうち、転写紙移動方向上流側の入口ローラ61には、電源65aから所定電圧が印加された静電吸着ローラ80が対向するように転写搬送ベルト60の外周面に配置されている。この2つのローラ61,65の間を通過した記録紙100は転写搬送ベルト60上に静電吸着される。ローラ63は転写搬送ベルト60を摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されていて矢印方向に回転する。
【0038】
各転写位置において転写電界を形成する転写電界形成手段として、感光体10Y、M、C、Kに対向する位置には、転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材67Y、M、C、Kを設けている。これらはスポンジ等を外周に設けたバイアスローラであり、各転写バイアス電源9Y、M、C、Kからローラ心金に転写バイアスが印加される。この印加された転写バイアスの作用により、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において該転写搬送ベルト60と感光体10Y、M、C、Kとの間に所定強度の転写電界が形成される。また上記転写が行なわれる領域での記録紙100と感光体10Y、M、C、Kの接触を適切に保ち、最良の転写ニップを得るために、バックアップローラ68Y、M、C、Kを備えている。
【0039】
なお、カラー用の転写バイアス印加部材67Y、M、Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68Y、M、Cは、回転可能に揺動ブラケット93に一体的に保持され、回動軸94を中心として回動が可能である。この回動は、カム軸97に固定されたカム96が矢印の方向に回動することで時計方向に回動する。また、入口ローラ61と吸着ローラ80は一体的に、入口ローラブラケット90に支持され、軸91を回動中心として、図5の状態から時計方向に回動可能である。揺動ブラケット93に設けた穴95と、入口ローラブラケット90に固植されたピン92が係合しており、揺動ブラケット93の回動と連動して回動する。これらのブラケット90、93の時計方向の回動により、カラー用のバイアス印加部材67Y、M、Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68Y、M、Cは感光体10Y、M、Cから離され、入口ローラ61と吸着ローラ80も下方に移動する。これにより、モノクロ画像形成時に、感光体10Y、M、Cと転写搬送ベルト60を離間させることが可能となっている。
【0040】
一方、黒用の転写バイアス印加部材67Kとその隣のバックアップローラ68Kは出口ブラケット98に回転可能に支持され、出口ローラ62と同軸の軸99を中心として回動可能にしてある。転写ユニット6を本体に対し着脱する際に、図示していないハンドルの操作により時計方向に回動させ、黒用の感光体10Kから、転写バイアス印加部材67Kとその隣のバックアップローラ68を離間させるようにしてある。
【0041】
駆動ローラ63に巻きつけられた転写搬送ベルト60の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成されたベルトクリーニング装置37が接触するように配置されている。このベルトクリーニング装置37により転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。
【0042】
また、転写搬送ベルト60の走行方向で駆動ローラ63より下流に、転写搬送ベルト60の外周面を押し込む方向にローラ64を設け、駆動ローラ83への巻きつけ角を確保している。ローラ64より更に下流の転写搬送ベルト60のループ内に、押圧部材(ばね)69でベルトにテンションを与えるテンションローラ65を備えている。
【0043】
このような構成の直接転写方式のレーザプリンタにおけるフルカラー画像形成動作について説明する。フルカラー画像形成時には、転写ユニット6のブラケット90、93により、カラー用のバイアス印加部材67Y、M、Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68Y、M、Cが感光体10Y、M、Cに近い位置に配置され、感光体10Kに加え、転写搬送ベルト60と感光体10Y、C、Mとが当接する(図5の状態)。
【0044】
上述の間接転写方式のレーザプリンタと同様にして、各トナー像形成部1Y、M、C、Kで各感光体10Y、M、C、K上に各色のトナー像が形成される。このトナー像形成のタイミングと合わせて、給紙ユニット4により記録紙100が給紙カセット41または手差し給紙トレイ42から給紙され、レジストローラ対44が設けられている一時停止位置に送られる。レジストローラ対44により所定のタイミングで送出された記録紙100は、転写搬送ベルト60に担持され、各トナー像形成部1Y、M、C、Kに向けて搬送され、各転写ニップを通過する。各トナー像形成部1Y、M、C、Kの感光体10Y、M、C、K上で現像された各トナー像は、それぞれ各転写ニップで記録紙100に重ね合わされ、上記転写電界やニップ圧の作用を受けて記録紙100上に転写される。この重ね合わせの転写により、記録紙100上にはフルカラートナー像が形成される。フルカラートナー像が形成された記録紙100は、定着ユニット7で定着された後、排紙される。なお、画像転写後の転写搬送ベルト60は、ベルトクリーニング装置37により転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。
【0045】
一方、モノクロ画像形成動作においては、転写ユニット6のブラケット90、93の時計方向の回動により、カラー用のバイアス印加部材67Y、M、Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68Y、M、Cが感光体10Y、M、Cから離され、感光体10Y、M、Cと転写搬送ベルト60とが離間する。このとき、カラー用の感光体10Y、C、Mは停止状態にある。黒用のトナー像形成部1Kにおいて感光体10K上にトナー像形成を開始し、転写搬送ベルト60で搬送される記録紙100上に転写される。そして、定着ユニット7にて黒トナー像が定着され、排紙トレイ8に排紙される。
【0046】
このような直接転写方式のレーザプリンタにおいても、転写搬送ベルト60が感光体1に当接しているときにトナー消費を行う第一のトナー消費モードと、転写搬送ベルト60が感光体10から離間しているときにトナー消費を行う第二のトナー消費モードとを有するトナー消費モードを設けることができる。
【0047】
第一のトナー消費モードだけでなく、第二のトナー消費モードとを設けることにより、モノクロ画像形成動作と同時に、カラートナーの強制消費を行うことができる。このため、装置全体としてトナー強制消費の時間を別に取る必要が少なくなるため、時間短縮ができ効率的である。第二のトナー消費モードは、第一のトナー消費モードに比べ、トナー消費パターンによる過剰な量のトナーがベルトクリーニング装置37に入ることを抑制してベルトクリーニング装置37の負荷を低減することができる。一方、第一のトナー消費モードは、第二のトナー消費モードに比べ、必要に応じてトナー消費パターンを用いて適量のトナーをベルトクリーニング装置37に入れることができる。
【0048】
次に、上記トナー強制消費モードを必要とする、トナー劣化がおこるプロセスとそれによる不具合について詳しく説明する。
図6は、トナーにストレスがかかる箇所(トナー帯電部)の説明図である。現像装置15では、現像剤規制手段17により、現像領域への入力現像剤量(もしくはトナー量)を規制すると共に、現像剤規制部でトナーにストレスをかけて帯電させている。2成分現像の場合はトナーとキャリアの摩擦により、1成分現像の場合はトナーと現像剤規制手段との摩擦で帯電する。 しかし、過剰なストレスをかけると以下のように添加剤の埋没などが発生しトナーの凝集体ができる。
【0049】
1)1成分現像の場合
1成分現像では現像されないトナーは現像ローラ16上を何回転もする。トナー消費量の少ない画像を出しつづけると、現像剤規制部を同じトナーが何度も通過することになり、ストレスが過剰になる。1成分現像でストレスが過剰になるとトナー表面の添加剤が埋没(または遊離)する。また、トナーが割れて細かな粒子になり、地汚れが悪化したり転写率が低下したりするなどの不具合が発生する。
【0050】
2)2成分現像の場合
2成分現像でもトナー消費量の少ない画像を出しつづけるとトナーとキャリアの摩擦回数が増え、結果的にトナーへのストレスが過剰となる。トナーへのストレスが過剰になると1成分現像方式と同様にトナー表面の添加剤が埋没(または遊離)したり、トナーが割れて微粉が形成されたりしてしまう。
【0051】
図7は、トナー表面の添加剤と添加剤が埋没(または遊離)したものの説明図である。トナーに過剰なストレスを与えると本来トナー表面についているはずの添加剤がトナーの中に埋まってしまったり(埋没)、トナーから離れてしまったり(添加剤の遊離)する。特に、近年低温定着化が進んでいるため、トナーに使われる樹脂のガラス転移温度が低下傾向にある。ガラス転移温度が低い物質はトナーの表面がやわらかい場合が多く、添加剤が埋没しやすい。
【0052】
図8は、添加剤の埋没とトナー−像担持体間付着力との関係の説明図であり、(a)添加剤が埋没していない初期トナー、(b)は添加剤が埋没した劣化トナーの図である。図8(a)に示すように、トナーに添加剤がついている場合はトナーと像担持体が直接触れることはない。そのためトナー−像担持体の非静電的な付着力は小さい。しかし、図8(a)に示すように、添加剤が埋没するとトナーと像担持体が直接接触するため、トナー−像担持体間の非静電的付着力が大きくなる。そのため転写性が悪くなり、中抜け、ボソツキなどの不具合が発生する。
【0053】
次に、トナー消費モードの実施、及び、第一のトナー消費モードか、第二のトナー消費モードかの選択方法について説明する。先ず、トナー消費モードを実施するかどうかは、上述のように作像中の画像面積(消費したトナーの量)によって判定する。また、作像環境の温湿度情報を取得する温湿度情報取得手段としての温湿度センサを設け、温湿度情報に基づき、第一のトナー消費モードが、第二のトナー消費モードかを選択して実施する。
【0054】
ここで、トナー消費パターンを回収するクリーニング装置は、動作環境によりその性能が変化する。具体的には、クリーニング装置のクリーニングブレードは、高温高湿環境では、中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60の表面摩擦係数が大きくなることによりブレードめくれが発生しやすい。そこで、第一のトナー消費モードを選択することにより、ベルトクリーニング装置37のクリーニングブレードと中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60との間に適量のトナーを入れて、めくれを起こし難くする。一方、低温低湿動環境では、クリーニングブレードが硬化してクリーニング能力が低下する。さらに、後述するように、転写性に有利な球形トナーを用いる場合は、ブレードクリーニングがより困難になる。このような場合は、第一のトナー消費モードを実施し、中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60のベルトクリーニング装置37でトナー消費パターンを回収するようにすると、負荷が大きすぎて良好なクリーニング性能がえられないことがある。そこで、第二のトナー消費モードを選択することにより、ベルトクリーニング装置37の良好なクリーニング性能を維持する。
【0055】
図9は、第一のトナー消費モードの実施か、第二のトナー消費モードの実施かを判定するフローチャートの一例を示したものである。作像動作終了後(Jobエンド後)に、画像面積率が閾値以下かを判定する。画像面積率が閾値以下でない場合、トナー消費モードは行わない。画像面積率が閾値以下であり、トナー消費が少ないと判断した場合にはトナー消費モード実施に移るが、トナー消費モードは次のJobで行う。そして、第一と第二のどちらの消費モードで行うかは動作環境取得手段としての温湿度センサを設け、この検出結果で決める。詳しくは、温湿度センサの検出結果より、絶対湿度が閾値以下かを判定する。絶対湿度が閾値よりも大きい場合は、次のJobで第一のトナー消費モードを行う。第一のトナー消費モードは通常の作像後にトナーの消費と補給を行っている。絶対湿度が閾値よりも小さい場合は、なるべく第一トナー消費モードを行いたくないため、次のJobがカラー画像形成かモノクロ画像形成かを判定する。モノクロ画像形成の場合は、第二のトナー消費モードを行うカラー画像形成の場合は、第一のトナー消費モードを行う。
【0056】
なお、図9はフローチャートの一例を示したものである。図9では、トナー消費モードの実施はJob後に行っている。これは、Job前に行うことによりファーストプリント時間が長くなることを防止するためである。
【0057】
また、低画像面積の連続画像形成時のトナー劣化に対応できるよう、連続画像形成中に行っても良い。通常、100枚程度の連続画像形成であれば、Job後にトナー消費モードを実施することで画像劣化を抑制できる。ただし、100枚以上の連続画像形成となると、連続画像形成中にトナー消費モードを実施することもある。この場合、例えば100枚目の画像形成後、トナー消費モードに要する時間のロスの短縮から、感光体10や転写体の駆動はとめずに接触させたまま第一のトナー消費モードを実施する。このような連続画像形成時以外で、且つ、上述のような温湿度センサの検出結果より第一のトナー消費モードが好ましいとされる以外は、第二のトナー消費モードを実施する。これにより、ベルトクリーニング装置37の負荷を抑制し、ベルトクリーニング装置37の良好なクリーニング性能を維持する。
【0058】
なお、連続画像形成中にトナー消費モードを実施する場合は、図11に示すように、転写体に転写した後の処理が直接転写方式と間接転写方式で異なる。間接転写方式の場合はトナー消費パターンが2次転写部材に付着したまま通常作像動作を行うことはできないため、2次転写部材に付着した強制消費トナーは次の作像前に除去される必要がある。この時間を見積もった上で中間転写ベルト30をある時間T駆動した後に次の作像に移行する。
【0059】
次に、上記レーザプリンタに用いられるトナーについて説明する。
【0060】
(円形度および円形度分布)
トナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.90未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.90〜0.99のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。より好ましくは、平均円形度が0.93〜0.97で円形度が0.94未満の粒子が10%以下である。また、平均円形度が0.99を越えた場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い画像を出力する場合、転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、カラー写真画像など画像面積率の高い画像を出力する場合、さらには、給紙不良等で未転写の状態の画像が感光体上に残ってしまった場合、クリーニング不良が発生しやすい。上述したクリーニング不良を頻発するようになると、更には、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
【0061】
(円形度の測定方法)
フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
【0062】
(形状係数SF−1、SF−2)
ここでいう形状係数SF−1とは、図12に示すように、球形物質の形状の丸さの割合を示す値であり、球形物質を2次元平面上に投影して出来る楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じたときの値で表される。
つまり、形状係数SF−1は、
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)
で定義されるものである。このSF−1の値が100の場合には、物質の形状が真球状となり、SF−1の値が大きくなるほど、物質の形状は不定形となる。
【0063】
また、形状係数SF−2は、図13に示すように、物質の形状の凹凸の割合を示す数値であり、物質を2次元平面上に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで割って、100/4πを乗じたときの値で表される。
つまり、形状係数SF−2は、
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)
で定義されるものである。このSF−2の値が100の場合には、物質の表面に凹凸が存在しないことになり、SF−2の値が大きくなるほど、物質の表面の凹凸は顕著となる。
【0064】
なお、本発明の実施形態では、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、トナー像を100回無作為にサンプリングし、その画像情報は、ニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入して解析を行い、上式より算出したものである。トナーの形状が球形に限りなく近づく(SF−1、SF−2ともに100に近づく)と、転写効率が高くなることが本発明者の検討により明らかになった。これは、形状効果によりトナー粒子と該トナー粒子と接触するモノ(トナー粒子同士、像担持体等)との間では点接触しかしないために、トナー流動性が高まったり、像担持体等に対する吸着力(鏡映力)が弱まったりして、転写電界の影響を受けやすくなるためと考えられる。
【0065】
一方、トナーの形状が球形に近づくと、メカ的なクリーニング(ブレードクリーニング 等)に対して不利に働く。このことは上述したように、トナー流動性が高まったり、像担持体等に対する吸着力(鏡映力)が弱まったりして、クリーニング部材と像担持体との僅かな間隙を容易にトナーが通過してしまう。よってクリーニング性の面からは、トナーの形状としては、ある程度異形化(SF−1の値が100より大きくなる方向)していたり、ある程度凸凹(SF−2の値が100より大きくなる方向)していたりする方が好ましい。
【0066】
(Dv/Dn(体積平均粒径/個数平均粒径の比))
トナーの体積平均粒径(Dv)が 4〜8μmであり、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.30、好ましくは1.10〜1.25である乾式トナーによると、トナーの粒度分布が狭くなるため、以下のメリットが発生する。
・トナー粒径面での選択現像(画像パターンに応じた(適した)トナー粒径を持つトナー粒子が選択的に現像される)といった現象が発生しにくいため、常時、安定した画像を形成することができる。
・トナーリサイクルシステムを塔載している場合、転写されにくい小サイズのトナー粒子が量的に多くリサイクルされることになるが、もともとトナーの粒度分布が狭いため、上述した作用を受けにくく、このことからも常時、安定した画像を形成することができる。
・二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
・一成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
【0067】
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、上記範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下や、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が上記範囲より多いトナーにおいても同様である。逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.30よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径 が1.05より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、細線部分を小サイズ粒子で現像、一方、ベタ画像を大サイズ粒子を中心に現像するといったトナー粒径による機能分離ができにくくなるため、かえって好ましくない。
【0068】
(トナー粒径に関わる測定方法)
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0069】
以上、本実施形態では、本発明をタンデム型のカラーレーザプリンタを用いて説明したが、本発明は、1ドラム型のカラーレーザプリンタや、モノクロレーザプリンタでも、感光体に転写体を当接させてトナー像を転写する転写装置を採用するものであれば、適用可能であり、同様の効果が得られる。さらに、1ドラム型で第二のトナー消費モードを実施する場合は、転写体の駆動を停止することができるので、無駄な転写体の駆動を省いて転写装置の長寿命化を図ることもできる。
【0070】
以上、本実施形態によれば、感光体10の画像形成領域外にトナー消費パターンを形成して現像装置15内のトナーを消費するトナー消費モードとを備えたレーザプリンタにおいて、中間転写ユニット3の中間転写ベルト30、または、転写ユニット6の転写搬送ベルト60が感光体10から接離可能である。トナー消費モードとして、感光体10が中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60に当接しているときにトナー消費を行う第一のトナー消費モードと、感光体10が中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60から離間しているときにトナー消費を行う第二のトナー消費モードとを設ける。第一のトナー消費モードと第二のトナー消費モードとを併用することにより、第一のトナー消費モードのみであるプリンタに比べ、必要に応じてトナーをベルトクリーニング装置37に入れることができ、且つ、トナー消費モード実施による時間のロスをできるだけ短縮することができる。また、第二のトナー消費モードのみであるプリンタと比べ、トナー消費パターンによる過剰な量のトナーがベルトクリーニング装置37に入ることを抑制してベルトクリーニング装置37の負荷を低減することができる。
また、各現像装置15のトナー消費量を記憶する第一記憶手段と、各現像装置15が動作した時間を記憶する第二記憶手段を備える。そして、第一記憶手段と第二記憶手段とにより、各現像装置15の動作時間に対して、トナー消費量が閾値以下である場合にトナー消費モードを実施する。これにより、トナー消費率が少なくトナーが劣化した場合にのみトナー消費モードをおこなうことができ、無駄なトナー消費を抑えることができる。
また、作像環境の温湿度情報を取得する温湿度情報取得手段としての温湿度センサを設け、温湿度情報に基づき、第一のトナー消費モードか、第二のトナー消費モードかを選択して実施する。トナー消費パターンを回収するベルトクリーニング装置37は、動作環境によりその性能が変化する。具体的には、動作環境によっては、中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60の表面摩擦係数が大きくなるため、ベルトクリーニング装置37のクリーニングブレードのめくれが発生しやすい。そこで、第一のトナー消費モードを選択して、ベルトクリーニング装置37のブレードとのにトナーを入力してブレードめくれを起こし難くする。一方、動作環境によっては、クリーニングブレードが硬化してクリーニング能力が低下する。このような場合は、第一のトナー消費モードを実施し、ベルトクリーニング装置37でトナー消費パターンを回収するようにすると、負荷が大きすぎて良好なクリーニング性能がえられないことがある。そこで、第二のトナー消費モードを選択することにより、ベルトクリーニング装置37の負荷を軽減し、ベルトクリーニング装置37で良好なクリーニング性能が維持できるようにする。
具体的には、高温高湿環境では上述のように中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60の表面摩擦係数が大きくなりやすく、ブレードめくれが発生しやすい。よって、温湿度センサの検知結果より算出される絶対湿度が規定の閾値以上の場合に、第一のトナー消費モードのみを実施する。これにより、中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60とブレードとの間にトナーを入力してブレードめくれを起こし難くする。
また、低温低湿環境でクリーニングブレードは硬化するため、クリーニング能力が低下する。さらに、転写性に有利な球形トナーを用いる場合は低温低湿環境でのブレードクリーニングがより困難になる。よって、温湿度センサの検知結果より算出される絶対湿度が規定の閾値未満の場合に、第二のトナー消費モードのみを実施する。
また、上記レーザプリンタでは、トナー像を形成する感光体10Y、C、M、Kを備え、フルカラー画像形成時には全ての感光体10と中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60に当接させた状態とする。この際、トナー消費モードとしては、第一のトナー消費モードを実施する。一方、モノクロ画像形成時にはカラー用の感光体10Y、C、Mを中間転写ベルト30または転写搬送ベルト60から離間させた状態とする。そして、黒用のトナー像形成部1Kによる画像形成動作と同時に、独立してカラー用のトナー像形成部1Y、C、Mで第二のトナー消費モードを実施する。トナー強制消費動作を、第一のトナー消費モードだけで行うためには、画像形成動作時以外のタイミングで行うことが必要であるが、第二のトナー消費モードでカラートナーのトナー強制消費動作を行うことにより、装置全体としてトナー強制消費の時間を別に取る必要が少なくなるため、時間短縮ができ効率的である。また、第二のトナー消費モードでは、モノクロ画像を形成しているため、カラーの感光体10Y、C、Mを駆動してもユーザーが異常に感じることがない。
また、使用するトナーの平均円形度が0.90〜0.99とすることにより、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である。平均円形度が0.90未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。また、平均円形度が0.99を越えた場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。
また、使用するトナーの形状係数SF−1が120〜180であり、形状係数SF−2が120〜190とする。トナーの形状係数がこの範囲であると、転写効率が高くなると共に、良好なクリーニング性能が得られ、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である。
また、使用するトナーのDv/Dnが1.05〜1.30とすることにより、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態に係るレーザプリンタで間接転写方式を採用するものの概略構成図。
【図2】フルカラー画像形成時の中間転写ユニット周り説明図。
【図3】モノクロ画像形成時の中間転写ユニット周り説明図。
【図4】本実施形態に係るレーザプリンタで直接転写方式を採用するものの概略構成図。
【図5】転写ユニットの概略構成を示す拡大図。
【図6】トナーにストレスがかかるトナー帯電部の説明図。
【図7】トナー表面の添加剤と添加剤が埋没(または遊離)したものの説明図。
【図8】添加剤の埋没とトナー−像担持体間付着力との関係の説明図であり、(a)添加剤が埋没していない初期トナー、(b)は添加剤が埋没した劣化トナーを示す。
【図9】第一のトナー消費モードの実施か、第二のトナー消費モードの実施かを判定するフローチャートの一例。
【図10】フルカラー画像形成動作が終了してから第二のトナー消費モードを実施するフローチャート。
【図11】連続画像形成中に第一のトナー消費モードを実施するフローチャート。
【図12】形状係数SF−1の説明のためのトナーの模式図。
【図13】形状係数SF−2の説明のためのトナーの模式図。
【符号の説明】
【0072】
1 トナー像形成部
2 光書込ユニット
3 中間転写ユニット
4 給紙ユニット
6 転写ユニット
7 定着ユニット
8 排紙トレイ
10 感光体
12 帯電装置
14 感光体クリーニング装置
15 現像装置
30 中間転写ベルト
35 一次転写ローラ
36 二次転写ローラ
37 ベルトクリーニング装置
60 転写搬送ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上にトナー像を現像する現像装置と、該像担持体に当接するように配置され表面移動する転写体を有し、該像担持体と該転写体との間に挾持した記録体、または、該転写体自らに該像担持体上のトナー像を転写する転写装置と、該像担持体上のトナーを除去する像担持体クリーニング装置と、該転写体上のトナーを除去する転写体クリーニング装置とを備え、該像担持体上の画像形成領域外にトナー消費パターンを形成して該現像装置内のトナーを消費するトナー消費モードを有する画像形成装置において、
上記転写体が上記像担持体から接離可能であり、上記トナー消費モードとして、該転写体が該像担持体に当接しているときにトナー消費を行う第一のトナー消費モードと、該転写体が該像担持体から離間しているときにトナー消費を行う第二のトナー消費モードとを設けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、上記現像装置が消費したトナー量を記憶する第一の記憶手段と、該現像装置が動作した時間を記憶する第二の記憶手段とを備え、該第二の記憶時間が記憶した現像装置の動作時間に対して、該第一の記憶手段が記憶した消費トナー量が少ないと判断される場合に、上記第一のトナー消費モードまたは第二のトナー消費モードを実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、作像環境の温湿度情報を取得する温湿度情報取得手段を設け、該温湿度情報取得手段により取得した温湿度情報に基づき、上記第一のトナー消費モードか上記第二のトナー消費モードかを選択して実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、上記温湿度情報取得手段により取得した温湿度情報より算出される絶対湿度が所定の値以上の場合に、上記第一のトナー消費モードのみを実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3の画像形成装置において、上記温湿度情報取得手段により取得した温湿度情報より算出される絶対湿度が所定の値未満の場合に、上記第二のトナー消費モードのみを実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の何れかの画像形成装置において、複数の像担持体と、各像担持体にトナー像を形成する複数の現像装置と、上記転写体を該複数の像担持体のうち画像形成に使用されない像担持体から離間させた状態とする接離手段とを備え、画像形成に使用される像担持体への画像形成中に、画像形成に使用されない像担持体にトナー像を形成する現像装置に対して上記第二のトナー消費モードを実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の何れかの画像形成装置において、上記現像装置で使用するトナーの平均円形度が0.90〜0.99であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかの画像形成装置において、上記現像装置で使用するトナーの形状係数SF−1が120〜180であり、形状係数SF−2が120〜190であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の何れかの画像形成装置において、上記現像装置で使用するトナーの体積平均粒径をDv(μm)、個数平均粒径をDn(μm)としたとき、Dv/Dnが1.05〜1.30の範囲であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−265491(P2009−265491A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117034(P2008−117034)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】