説明

画像形成装置

【課題】本発明は、本体部から張り出した操作パネルを有していても、ユーザフレンドリー性や梱包サイズを維持しつつ、画像形成装置の輸送や搬入を容易に実施可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成条件を受け付ける操作パネルユニット5を備える画像形成装置であって、操作パネルユニット5は、パネル背面から延出したブラケット11を介して装置本体のフレーム22に取り付けられる構成を有し、ブラケット11とフレーム22との一方に係合ピン23aが立設されると共に、他方に係合ピン23aが挿嵌される貫通孔111cが形成されてなり、操作パネルユニット5をフレーム22に取り付けるに際して、操作パネルユニット5を上方から降ろしてブラケット11をフレーム22に当接させる動作を行うと、その動作の中で、係合ピン23aが貫通孔111cに挿嵌されるように、係合ピン23aの立設方向が決定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、画像形成装置の本体部から張り出して設けられた操作パネルの取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの画像形成装置においても、身長や身体障害の如何を問わずに良好な操作性を維持するため、いわゆるユニバーサルデザインの思想が普及しつつある。
そのため、特に、操作パネルを画像形成装置の本体部から正面側に張り出すように配置し、左右上下に角度変更自在な可動式にして、例えば、車椅子利用者に対しても良好な視認性と操作性が得られるようにしている。
【特許文献1】特開平08−39894号公報
【特許文献2】特開2003−143339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、操作パネルが、画像形成装置の本体部から張り出していると、画像形成装置を輸送または搬入する際、取り扱いに注意を要するだけでなく、梱包サイズを大きくしてしまい、省資源化にも反するという問題がある。
そこで、輸送時には操作パネルを本体部から取り外しておき、ユーザの使用場所に納品して設置する際に、操作パネルを取り付けるようにすることが合理的であるが、従来、複数のねじで操作パネルを本体部のフレームに取り付ける構成となっているため、操作パネルの取付け作業に手間がかかり、納品完了に時間を要してしまう。
【0004】
また、納品完了後であっても、画像形成装置の置き場所を変更することも考えられ、このような場合、ユーザが、移動の際に操作パネルを疵付けないように、操作パネルを装置本体から一時的に取り外す際にも時間を要してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、操作パネルを備えた画像形成装置において、その輸送時等における利便性を向上させるため、当該操作パネルへの画像形成装置本体への着脱を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、画像形成条件を受け付ける操作パネルを備える画像形成装置であって、前記操作パネルは、パネル背面から延出したブラケットを介して装置本体のフレームに取り付けられる構成を有し、前記ブラケットと前記フレームとの一方に係合ピンが立設されると共に、他方に前記係合ピンが挿嵌される係合穴が形成されてなり、前記操作パネルを前記フレームに取り付けるに際して、前記操作パネルを上方から降ろして前記ブラケットを前記フレームに当接させる動作を行うと、その動作の中で、前記係合ピンが係合穴に挿嵌されるように、当該係合ピンの立設方向が決定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、操作パネルを取り付ける際に、そのブラケットをフレームに対して上方から降ろして、係合ピンを係合穴に挿嵌させるだけで良いので、操作パネルを装置本体に簡単に取り付けることができる。
逆に、支持部材とフレームとの係合を解除する場合には、操作パネルを持上げて、このブラケットを上方に移動させれば良い。
【0007】
これにより、操作パネルの着脱作業が極めて容易に、かつ短時間で行える。
また、前記挿嵌が、フレームの2つ以上の箇所で行われており、そのうちの少なくとも1箇所が、他の挿嵌の箇所と鉛直方向に異なる位置にあることが望ましい。
これにより、操作パネルが上下方向の力を受けても、当該操作パネルをしっかりと装置本体に保持できる。
【0008】
また、前記挿嵌の位置は、上下2段に分かれ、前記挿嵌が行われる箇所の数が、上段よりも下段が多いか、もしくは、等しいことが望ましい。
これにより、より外力が加わり易い下段の個々の挿嵌箇所における応力が小さくなり、各係合ピンおよび係合穴の耐久性が向上する。
また、前記挿嵌が行われる箇所の数は、全部で3つであることが望ましい。
【0009】
これにより、3点支持することができるので、ガタつきなくしっかりと操作パネルを装置本体に保持させることができる。
さらに、前記フレーム及び前記ブラケットは、それぞれ、上下方向にほぼ等しい間隔で対向配置された1対の平板部を有し、前記フレーム及び前記ブラケットの、上段側の平板部同士の組と下段側の平板側同士の組の、それぞれで前記嵌挿が行われように、各組における一方の平板部に係合穴が設けられると共に他方の平板部にこれに嵌挿される係合ピンが立設されており、前記フレーム側の上段側平板部と下段側平板部との間に前記ブラケット側の下段側平板部が挿入されるように水平方向に移動して、対応する係合ピンと係合穴とを同一鉛直線上に位置合わせしてから、前記ブラケットを下方に降ろすことにより、前記操作パネルの装置本体への装着がなされるように構成することが望ましい。
【0010】
単に、ブラケットを上方から降ろしただけでは、ブラケットの下段側平板部がフレームの上段側平板部に干渉してしまうが、フレームの上段側平板部と下段側平板部との間に、ブラケットの下段側平板部を水平方向に差し込み可能な構成となっているので、差し込んだ後は、操作パネルを上方から降ろすだけで前記係合が行なわれるため、操作パネルを円滑に着脱することができる。
【0011】
また、前記ブラケット及びフレームのそれぞれは、互いに相反する方向に立設される係合ピンを有していることが望ましい。
また、前記ブラケットは、前記操作パネルの姿勢を変更する姿勢変更手段を有すると共に、前記係合ピンが前記係合穴から抜け出すことを防止するために、前記ブラケットと前記フレームとを締結する1の締結部材を備えることが望ましい。
【0012】
これにより、操作パネルの姿勢を変更する際に、外力が加えられても、しっかりと操作パネルを保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、デジタル式複写機に適用した場合を例にして説明する。
図1は、当該デジタル式複写機(以下、単に「複写機」と言う。)1の外観斜視図である。
同図に示すように、複写機1は、プリンタ部2の上に画像読取部8および原稿搬送部9を順に積設してなる。
【0014】
本複写機1は、プリンタ部2と画像読取部8の間のスペースを排紙トレイ2aとして利用する、いわゆる胴内排紙型の複写機である。
原稿搬送部9は、原稿を搬送しながらその画像を読み取る、いわゆるシートスルー方式の画像読取りを実行する際に使用されるものであり、原稿給紙トレイ9aにセットされた原稿束の最上のものから1枚ずつ繰り出して画像読取部8の原稿読取位置まで搬送した後に、原稿排紙トレイ9b上に排出する。
【0015】
画像読取部8は、光源(不図示)と、折り返しミラーを保持するスキャナ部(不図示)を備え、当該折り返しミラーにより反射された原稿画像を、光学レンズを介してCCDセンサ(不図示)に受光させて、画像データを生成する公知の構成を有する。
プリンタ部2は、電子写真式のものであって、感光体ドラムの露光、現像、一次転写、二次転写及び定着などの一連の動作を実施して、画像読取部8から出力された画像データを用紙に印刷し、筐体上面に形成された胴内排紙トレイ2aに排紙するものである。
【0016】
また、操作パネルユニット5が、プリンタ部2上部の画像読取部8に近い位置に着脱可能に設けられている。
図2は、複写機1から操作パネルユニット5を取り外した状態を示す図である。
複写機1の本体部20には、開口部21aが設けられており、この開口部21a内に、後述する操作パネルユニット5のブラケット110と係合して、操作パネルユニット5を支持するフレーム22が設けられている。
【0017】
フレーム22は、ブラケット110を固定するための座となる、上面が平板状の第1サブフレーム23と第2サブフレーム24とを有している。
ここで、第1サブフレーム23は、第2サブフレーム24よりも低い位置にあり、さらに、X軸と平行する線上の2箇所からZ方向に向かって係合ピン23a,23bが立設されている。
【0018】
一方、第2サブフレーム24には、貫通孔24a,24bが設けられており、このうちのX方向側にある貫通孔24bの裏側には、例えば、プロジェクションナット24dが接合されている。
また、操作パネルユニット5に接続される給電及び通信用のハーネス25が、開口部21aを通って複写機1の本体部20の外方へ導出されている。
【0019】
図3は、操作パネルユニット5が、複写機1の本体部20に取り付けられている状態を示す斜視図である。
操作パネルユニット5は、ユーザに対して情報を表示すると共に、ユーザからプリント枚数や濃度などの画像形成条件を受け付けるものであって、操作パネル本体部51と、姿勢変更機構61と、ブラケット110などからなる。
【0020】
操作パネル本体部51は、液晶タッチパネル52、テンキーなどの複数の入力受付ボタン53及びハーネス25と接続するパネルコネクタ54(図4参照)などを有している。
ブラケット110は、姿勢変更機構61を複写機1の本体部20に取り付けるためのものであり、操作パネル本体部51の背面から延出されている。
より具体的には、ブラケット110は、図4に示すように、上下方向で対向する下段平板部111と上段平板部112とを有するブラケットであって、Z軸方向に延びた垂直軸部102を介して姿勢変更機構61の二軸揺動部100(後述)に揺動自在に軸支されている。
【0021】
下段平板部111には、X軸方向に2つの貫通孔111b,111cが設けられており、うちX’方向側の貫通孔111bが、X軸方向に延びる長穴になっている。
これは、係合ピン23a,23bのX軸方向における位置精度が多少低くても、これらの係合ピンを円滑に貫通孔111b,111cに挿嵌できるようにするためである。
また、上段平板部112には、貫通孔111cと略対向する位置に、Z’方向に向かって係合ピン112aが立設し、さらに、これよりもX方向及びY’方向寄りの位置に貫通孔112bが設けられている。
【0022】
なお、上段平板部112の上方には、ブラケット110を覆うカバー部材113が設けられている。
このカバー部材113には、底面にねじ穴(不図示)が設けられた筒状の穴部113aが設けられている。
ブラケット110をフレーム22に締結するに際し、ねじ120が、カバー部材113の筒状の穴部113aに設けられたねじ穴(不図示)と貫通孔112bを挿通して、第2サブフレーム24のプロジェクションナット24dに螺合するため、カバー部材113自体も固定される。
(複写機1の本体部20への操作パネルユニット5の装着について)
図5は、複写機1の本体部20への操作パネルユニット5の装着方法を示す図である。
【0023】
先ず、操作パネルユニット5のブラケット110の下段平板部111を、第1サブフレーム23と第2サブフレーム24との隙間に水平方向(Y’方向)差し込んだ後に、上方から下方に向かって2センチほど降下させることにより、係合ピン23a,23b(不図示)が、それぞれ貫通孔111c,111b(不図示)に嵌入し、さらに、係合ピン112aが、貫通孔24aに嵌入する。
【0024】
なお、同図では、係合ピン23b及び貫通孔111bは、それぞれ係合ピン23aと貫通孔111cの紙面の奥側に位置しているため、図示されていない。
上記嵌入後において、操作パネルユニット5は、重力の作用によって前記嵌入を加勢する方向に力が加わっており、しかも異なる3点で支持されているので、ガタつきがなくしっかりと支持される。
【0025】
また、上述のように、係合ピン23a,23b,112aが、それぞれ対応する貫通孔に嵌入すると、上段平板部112の貫通孔112bは、第2サブフレーム24の貫通孔24bと対向する位置へと自然に案内され、その後に重なり合う。
このような状態にした後に作業者は、カバー部材113に設けられた筒状の穴部113aにねじ120を挿入し、さらに、穴部113aの底部に設けられたねじ穴112bに挿通して、第2サブフレーム24の貫通孔24bの下面に設けられたプロジェクションナット24dに螺合するだけで、さらにブラケット110とフレーム22とを強固に締結することができる。
【0026】
逆に、操作パネルユニット5を複写機1の本体部20から取り外す場合には、上記と逆の手順を実施すればよい。
つまり、一本のねじ120を取り外し、操作パネルユニット5を上方に2センチほど持上げた状態で、プリンタ部2の正面側(ユーザからみると手前側)に引き寄せるだけで、操作パネルユニット5を複写機1の本体部20から簡単に取り外すことができる。
(姿勢変更機構61の構成)
図6(a)は、姿勢変更機構61の構造を示す図である。
【0027】
この姿勢変更機構61は、レバー部82を手前に引くことにより、上下の角度の位置規制が解除されて、上下角度が変更可能となる。
また、水平方向に外力を加えることにより、左右に揺動するようになっている。
より具体的には、姿勢変更機構61は、ベース部70と、スライド部80と、水平回動部90と、二軸揺動部100とからなる。
【0028】
ベース部70は、姿勢変更機構61を構成する複数の部材を配置するためのものであって、二軸揺動部100を上下方向に回動可能に軸支すると共に、操作パネル本体部51と接合する1対の操作パネル固定部材72a,72bを有している。
二軸揺動部100は、同図に示すように、水平軸部73と垂直軸部102とを有して、上下左右に揺動する横断面がコの字状の部材であって、水平軸部73に遊嵌されたねじりばね74によって上方に付勢されている。
【0029】
ここで、二軸揺動部100の上下方向の揺動位置は、上下方向に設けられた複数の貫通孔101aのいずれかに水平回動部90の爪91cが嵌り込むことによって規制されている。
また、垂直軸部102は、先端にねじが設けられており、ブラケット110に対して二軸揺動部100を左右方向へ揺動可能に締結している。
【0030】
スライド部80は、ベース部70に沿って、手前方向(Y方向)に摺動する摺動部材81と、摺動部材81の端部に付設されたレバー部82を有しており、引張ばね83によって、Y’方向に付勢されている。
また、スライド部80は、Y軸方向に延びる長穴81a,81b,81cが設けられており、これらにそれぞれベース部70に立設されたガイドピン71a,71b,71cが係合することによって、Y軸方向のみへのスライドが可能となっている。
【0031】
さらに、スライド部80には、ガイドピン81dが立設されている。
水平回動部90は、回動部材91がガイドピン71cによって、ベース部70に軸支されてなる。
回動部材91には、スライド部80と接する面にリンク溝91bが設けられており、この中にガイドピン81dが嵌まり込んでいる。
【0032】
これによって、例えば、レバー部82がY方向に引き寄せられた場合、ガイドピン81dがY方向に移動し、図6(b)に示すように、回動部材91が、ガイドピン71cを軸として、時計回りに回動し、回動部材91に設けられた爪91cが、二軸揺動部100に設けられた貫通孔101aから後退し、二軸揺動部100の上下方向への位置規制が解除される。
【0033】
このとき、ユーザは、操作パネル本体部51の角度を自分の好みの角度に調整し直した後、レバー部82を元の位置に戻すことによって、爪91cが別の貫通孔101aに係合して、操作パネル本体部51の上下方向の角度を固定することができる。
なお、操作パネル本体部51の左右方向の角度を変更する場合には、単に動かしたい方向に力を加えるだけでよい。
【0034】
このように、操作パネル本体部51の姿勢を変更する際には、操作パネル本体部51に力を加える必要があるので、フレーム22とブラケット110との係合は、このような力が加わった場合でも、解除されないようにしなければならない。
本実施の形態の複写機1では、操作パネルユニット5が、係合ピンとこれが挿嵌される貫通孔の対を3つ有し、その挿嵌位置のうち2つが挿嵌状態において、上下方向(Z軸方向)における異なる点に位置しているため、操作パネルユニット5に加わる上下方向の力が加えられても、しっかり支持することができる。
【0035】
また、上記3つの対のうちの2つが、左右方向(X軸方向)における異なる点に位置しているので、操作パネルユニット5に加わる左右方向の力が加えられても、しっかり支持することができる。
さらに、図5に示すように、上段平板部112を第2サブフレーム24に1本のねじで締結することで、操作パネルユニット5をさらに強固に支持できる。
【0036】
操作パネルユニット5を複写機1の本体部20から取り外す場合には、一本のねじ120を取り外し、操作パネルユニット5を上方に2センチほど持上げた状態で、プリンタ部2の手前側に引き寄せるだけで、操作パネルユニット5を複写機1の本体部20から簡単に取り外すことができる。
操作パネルユニット5を複写機1の本体部20に取り付けるには、この逆を実施すればよいので、取り付けも簡単に実施できる。
【0037】
本実施の形態では、係合ピンとこれが挿嵌される貫通孔とからなる3つの対のうち2つを、上下2段あるフレームの下段側に設けて、上段側よりも多く設定しているが、これには理由がある。
以下、その理由について説明する。
上下2段あるフレームの下側に上記1対を、上側に2対を設けたものに対して、耐久振動試験を実施したところ、下側の1対の貫通穴に変形および摩耗が確認された。
【0038】
そこで、上下2段あるフレームの下側に上記2対を、上側に1対を配したものに設計変更して、耐久振動試験を実施したところ、いずれの対の貫通穴にも変形や摩耗がほとんど見られなくなった。
この結果から、上下2段あるフレームの下側の方が、上側よりも外力が加わり易くなっているものと考えられる。
【0039】
以上のことから、上下2段あるフレームのそれぞれに係合ピンとこれが挿嵌される貫通孔の対を設けることができ、さらに、全部で3対以上が設定可能な場合には、下側の方が、上側よりも上記対の数を多く設定するか、もしくは、等しく設定することが望ましい。
<変形例>
本発明は上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記実施の形態では、フレーム22とブラケット110との係合に、係合ピンを3つ使用しているが、これに限るものではない。
【0040】
例えば、図7(a)に示すように、ブラケット210に長尺な1本の係合ピン212aを設け、さらに、本体部のフレーム222側に、係合ピン212aとZ軸方向の異なる位置で挿嵌する2つの貫通孔222a,222bを設けてもよい。
ここで、フレーム222は、第1サブフレーム223と、これよりも上方に位置する第2サブフレーム224とから構成されており、第1サブフレーム223と第2サブフレーム224のそれぞれに、貫通孔222a及び貫通孔222bが設けられている。
【0041】
さらに、図7(b)に示すように、係合ピン212aを中心とする回転を防止するために、第2サブフレーム224の端部を折り曲げて、この折り曲げた面を、ブラケット210のX軸方向の両端部に当接させるようにする。
加えて、ねじ120によって、ブラケット210を第2サブフレーム224に締結することにより、より確実にブラケット210とフレーム222を固定することができる。
【0042】
もっとも、貫通孔222bの位置から貫通孔222aの位置に達するほどの深い筒状の穴を第2サブフレーム224に設けることができれば、貫通孔を2つ設ける必要はない。
(2)また、上記実施の形態では、貫通孔に係合ピンが挿嵌するとしたが、貫通孔でなく、貫通していない単なる係合穴であっても構わない。
(3)また、上記実施の形態では、ブラケットとフレームの締結には、ボルトとプロジェクションナットを用いていたが、ボルトの代わりにセルフタッピングねじを用いてもよく、その場合には、上述のプロジェクションナットは不要である。
【0043】
また、上記ボルトに代えて、プッシュプルリベットなどの締結部材を用いてもよく、この場合にも、プロジェクションナットは不要となる。
(4)また、上記実施の形態では、図5に示すように、ブラケットとフレームとを係合する複数の係合ピンの中に、互いに立設方向が相反するものが含まれていたが、ブラケットを上方から降ろしてフレームに当接させるときに、係合ピンが係合穴に挿嵌されさえすれば、どのような方向で立設していても構わない。例えば、全ての係合ピンが同じ方向に立設していてもよい。
(5)上記実施の形態においては、図5に示すように、第1サブフレーム23と第2サブフレーム24とを上下方向に配しているため、単に、ブラケット110を上方から降ろしただけでは、下段平板部111が第1サブフレーム23に干渉してしまうため、下段平板部111を、板状の第1サブフレーム23と第2サブフレーム24との隙間に差し込んだ後に、上方から下方に向かって降下させていたが、このような構成に限らない。
【0044】
例えば、第2サブフレーム24を第1サブフレーム23よりもY’方向寄りに設けることによって、フレーム22の形状を雛壇状にして、また、これと同様に、ブラケット110においても上段平板部112を下段平板部111よりもY’方向寄りに設けることによって、ブラケット110を上方から降ろすだけで、着脱が可能な構成にしてもよい。
(6)上記実施の形態においては、本発明を、複写機について説明したが、これに限らず、プリンタやファクシミリなどであってもよく、要するに、操作パネルを備えた画像形成装置であれば適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、画像形成装置の本体から張り出した位置に設けられた操作パネルを有する画像形成装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る複写機の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリンタ部の本体部から操作パネルユニットを取り外した状態の示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る操作パネルユニットが、プリンタ部の本体部に取り付けられている状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る操作パネルユニットを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る操作パネルユニットとプリンタ部の本体部との取り付け関係を示す部分断面図である。
【図6】(a)は、姿勢変更機構61の構造を示す図であり、(b)は、その動作を示す図である。
【図7】(a)は、本発明の実施の形態に係る複写機の変形例を示す横断面図であり、(b)はこれに直交する方向の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 複写機
2 プリンタ部
2a 胴内排紙トレイ
5 操作パネルユニット
8 画像読取部
9 原稿搬送部
20 本体部
21a 開口部
22 フレーム
23 第1サブフレーム
23a,23b 係合ピン
24 第2サブフレーム
24a,24c 貫通孔
24d プロジェクションナット
25 ハーネス
51 操作パネル本体部
52 液晶タッチパネル
53 入力受付ボタン
54 パネルコネクタ
61 姿勢変更機構
112a 係合ピン
112b 貫通孔
113 カバー部材
113a 穴部
113b ねじ穴
120 ねじ
210 ブラケット
212a 係合ピン
222 フレーム
222a 貫通孔
222b 貫通孔
223 第1サブフレーム
224 第2サブフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成条件を受け付ける操作パネルを備える画像形成装置であって、
前記操作パネルは、パネル背面から延出したブラケットを介して装置本体のフレームに取り付けられる構成を有し、
前記ブラケットと前記フレームとの一方に係合ピンが立設されると共に、他方に前記係合ピンが挿嵌される係合穴が形成されてなり、
前記操作パネルを前記フレームに取り付けるに際して、前記操作パネルを上方から降ろして前記ブラケットを前記フレームに当接させる動作を行うと、その動作の中で、前記係合ピンが係合穴に挿嵌されるように、当該係合ピンの立設方向が決定されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記挿嵌が、フレームの2つ以上の箇所で行われており、そのうちの少なくとも1箇所が、他の挿嵌の箇所と鉛直方向に異なる位置にあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記挿嵌の位置は、上下2段に分かれ、前記挿嵌が行われる箇所の数が、上段よりも下段が多いか、もしくは、等しいことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記挿嵌が行われる箇所の数は、全部で3つであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フレーム及び前記ブラケットは、それぞれ、上下方向にほぼ等しい間隔で対向配置された1対の平板部を有し、
前記フレーム及び前記ブラケットの、上段側の平板部同士の組と下段側の平板側同士の組の、それぞれで前記嵌挿が行われように、各組における一方の平板部に係合穴が設けられると共に他方の平板部にこれに嵌挿される係合ピンが立設されており、
前記フレーム側の上段側平板部と下段側平板部との間に前記ブラケット側の下段側平板部が挿入されるように水平方向に移動して、対応する係合ピンと係合穴とを同一鉛直線上に位置合わせしてから、前記ブラケットを下方に降ろすことにより、前記操作パネルの装置本体への装着がなされるように構成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ブラケット及びフレームのそれぞれは、互いに相反する方向に立設される係合ピンを有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ブラケットは、前記操作パネルの姿勢を変更する姿勢変更手段を有すると共に、
前記係合ピンが前記係合穴から抜け出すことを防止するために、前記ブラケットと前記フレームとを締結する1の締結部材を備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−134238(P2010−134238A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310858(P2008−310858)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】