説明

画像形成装置

【課題】画像の転写の際に生じる衝撃力を良好に低減することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、トナー画像を担持する中間転写ベルト21と、転写部50と、当該転写部50を移動する駆動部とを備える。また、転写部50は、中間転写ベルト21に対向する転写ローラ51と、転写ローラ51に対して略平行に設けられるローラ部材52と、転写ローラ51とローラ部材52とに巻き掛けられるベルト部材53とを有する。転写部50が位置PG2に存在する状態では、2次転写ローラ51が中間転写ベルト21の対向位置から外れ且つベルト部材53の張架部分が中間転写ベルト21に対向する。用紙PAの後端部は、転写部50が位置PG2に移動された状態で、中間転写ベルト21とベルト部材53の張架部分との対向部分から離脱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、感光体上に形成された画像を直接的もしくは間接的に用紙(転写材)に転写することによって最終的な画像が用紙上に形成される。
【0003】
例えば、タンデム型電子写真方式のプリンタとして、複数の感光体上の各色成分の画像を重畳させて中間転写ベルトに転写し、当該中間転写ベルト上の画像(フルカラー画像)を用紙に転写する装置が存在する(特許文献1参照)。
【0004】
このような画像形成装置においては、転写ローラ(2次転写ローラ)と中間転写ベルトの駆動ローラとの対向部であるニップ部を用紙が通過する際に、2次転写ローラの電圧印加によって中間転写ベルト上の画像が用紙に転写される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−317627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなニップ部を用紙が通過する際、詳細には用紙の後端部が当該ニップ部を抜ける時点において、大きな衝撃力が生じることがある。特に、用紙が比較的厚いものである場合には、用紙の後端部はニップ部に弾かれるようにして当該ニップ部から離脱し、比較的大きな衝撃力が生じる。このような衝撃力は、画像の乱れを引き起こし画像形成に悪影響を及ぼす要因となる。具体的には、用紙衝突時の衝撃力が、転写部の下流側に設けられた定着部へと当該用紙を介して伝達され、定着部での用紙ずれが発生し画像の乱れを引き起こすことがある。あるいは、用紙PAへの転写が完了した画像の次の画像が中間転写ベルト上に形成される期間において、当該衝撃力が中間転写ベルトに伝達されるときには、中間転写ベルト上での(当該次の画像に関する)画像形成に悪影響を及ぼすことがある。なお、特許文献1の技術では、当該衝撃力は充分には低減されない。
【0007】
そこで、この発明の課題は、画像の転写の際に生じる衝撃力を良好に低減することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置であって、トナー画像を担持する像担持体と、前記像担持体上の前記トナー画像を転写材に転写する転写部と、前記転写部と前記像担持体とを相対的に移動する駆動手段とを備え、前記転写部は、転写ローラと、前記転写ローラに対して略平行に設けられる第1のローラと、前記転写ローラと前記第1のローラとを含む複数のローラに巻き掛けられるベルト部材とを有し、前記転写部は、前記駆動手段の駆動動作によって第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記転写部が前記第1の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記像担持体に対向し、前記転写部が前記第2の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記像担持体の対向位置から外れ且つ前記ベルト部材の張架部分が前記像担持体に対向し、前記駆動手段は、前記転写部を前記第2の位置に移動させ、前記像担持体と前記ベルト部材の張架部分との対向部分から前記転写材の後端部を離脱させることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記駆動手段は、前記転写材の厚さが所定の閾値よりも大きい場合に、前記転写部を前記第2の位置に移動させ、前記像担持体と前記転写ローラとの対向部分から前記転写材の後端部を離脱させることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記像担持体は、感光体からの前記トナー画像を一時的に担持する中間転写ベルトであり、前記中間転写ベルトは、第2のローラを含む複数のローラに巻き掛けられており、前記転写部が前記第1の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記第2のローラに対向し、前記転写部が前記第2の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記第2のローラの対向位置から外れ且つ前記ベルト部材の張架部分が前記第2のローラに対向し、前記駆動手段は、前記転写部を前記第2の位置に移動させ、前記第2のローラと前記ベルト部材の張架部分との対向部分から前記転写材の後端部を離脱させることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記第1のローラと前記転写ローラ側との相対移動を許容しつつ、前記第1のローラを弾性支持する弾性支持手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記ベルト部材は、導電性弾性材料で構成される弾性層を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、画像形成装置であって、トナー画像を担持する像担持体と、前記像担持体上の前記トナー画像を転写材に転写する転写部と、前記転写部と前記像担持体とを相対的に移動する駆動手段とを備え、前記転写部は、転写ローラと、前記転写ローラに対して前記転写材の搬送方向上流側に設けられる第1のローラと、前記転写ローラと前記第1のローラとを含む複数のローラに巻き掛けられるベルト部材とを有し、前記転写部が前記駆動手段によって前記転写材の搬送方向下流側に向けて前記像担持体に対して相対的に移動されることにより、前記転写ローラが前記像担持体に対向する第1の状態から、前記ベルト部の張架部分が前記像担持体に対向する第2の状態へ遷移した後において、前記像担持体と前記ベルト部の張架部分との両者に挟まれて通過する前記転写材の後端部が前記両者の対向部分から離脱することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6の発明に係る画像形成装置において、前記転写部は、前記駆動手段によって、前記ベルト部材の前記張架部分の略伸延方向において前記転写材の搬送方向下流側に向けて移動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし請求項7に記載の発明によれば、転写材が転写部と像担持体との間から離脱する際に、ベルト部材の撓みによって転写材離脱の衝撃力が緩和される。すなわち、画像の転写の際に生じる衝撃力を良好に低減することが可能である。
【0016】
特に、請求項4に記載の発明によれば、ベルト部材の弾性のみならず、弾性力付与手段による弾性にも応じてベルト部材が撓むので、転写材離脱の衝撃力がさらに適切に低減される。
【0017】
また特に、請求項5に記載の発明によれば、転写材が転写部と像担持体との間から離脱する際に、ベルト部材の弾性層の変形を伴うベルト部材の撓みによって転写材離脱の衝撃力が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】転写部を示す側面図である。
【図3】転写部を示す斜視図である。
【図4】用紙の先端が転写部のベルト部材に衝突する様子を示す図である。
【図5】用紙の先端がニップ部に突入する様子を示す図である。
【図6】用紙がニップ部を通過する様子を示す図である。
【図7】用紙の後端がニップ部から離脱する様子を示す図である。
【図8】用紙の後端がニップ部から離脱しベルト部材に案内される様子を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る転写部を示す図である。
【図10】第2実施形態に係るベルト部材の断面を示す一部拡大図である。
【図11】変形例に係る転写部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
<1.第1実施形態>
<1−1.装置概要>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、像担持体上の静電潜像を現像して画像を形成する装置である。ここでは、画像形成装置として、電子写真装置、より詳細には、タンデム方式のフルカラー電子写真装置を例示する。
【0021】
図1に示すように、画像形成装置1は、複数(具体的には4つ)のイメージングユニット10(詳細には、10Y,10M,10C,10K)を備えている。画像形成装置1は、具体的には、イエローのイメージングユニット10Yと、マゼンタのイメージングユニット10Mと、シアンのイメージングユニット10Cと、ブラックのイメージングユニット10Kとを備えている。各イメージングユニット10は、それぞれ、最終出力画像のうちの各色成分(具体的には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各成分)の画像を電子写真方式によって形成し、中間転写ベルト(中間転写体とも称される)21に転写する。そして、中間転写ベルト21上に重畳された各色成分の画像が、さらに用紙(転写材)PAに転写されることによって、用紙PAにフルカラー画像が形成される。なお、中間転写ベルト21は、各感光体11(後述)から転写されたトナー画像を一時的に担持する像担持体であるとも表現される。
【0022】
4つのイメージングユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、駆動ローラ23と巻き掛けローラ24とに巻き掛けられた中間転写ベルト21の下側直線部分の主に下部において、当該下側直線部分に沿って直列に配置されている。各イメージングユニット10は、それぞれ、感光体11と帯電器12と露光器13と現像器14と第1転写器(1次転写器)15とイレーサ(除電器)16とクリーナ17とを有している。詳細には、各イメージングユニット10において、略円柱状の感光体11の外周を囲むように、帯電器12と露光器13と現像器14と第1転写器15とイレーサ16とクリーナ17とがこの順序で時計回りに配置されている。このうち、第1転写器15(詳細には転写ローラ)は、中間転写ベルト21を隔てて、感光体11と対向する位置に配置されている。
【0023】
中間転写ベルト21は、駆動ローラ23の駆動によって矢印AR1の向きに移動する。また、駆動ローラ23に対向する位置には、中間転写ベルト21を隔てて、転写部50が設けられている。転写部50については後に詳述する。
【0024】
また、各イメージングユニット10および転写部50の下側(搬送経路上において上流側)には給紙部30が設けられている。給紙部30は、給紙トレイ31とフィードローラ32と給紙ローラ33とサバキローラ34とを備えており、タイミングローラ41,42、および転写部50に向けて、用紙PAを供給するように構成されている。また、転写部50の転写ローラ(2次転写ローラ)51の位置を通過した用紙PAの搬送方向下流側には定着器45が設けられており、さらにその搬送方向下流側には排紙部46が設けられている。
【0025】
画像形成装置1は、ネットワーク等を介して接続された他の情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)から伝送されてきた画像データに基づく画像を、上述のような印刷機構を用いて印刷出力することによって、カラーページプリンタとして機能する。
【0026】
また、上述の転写部50は、用紙搬送経路(転写材搬送経路)において、中間転写ベルト21と2次転写ローラ51との対向位置付近よりも上流側(且つ、タイミングローラ41,42の位置よりも下流側)の位置から当該対向位置付近にわたって設けられている。次に、この転写部50の構成等について詳述する。
【0027】
<1−2.転写部50>
図2および図3は、第1実施形態に係る転写部50(50Aとも称する)の構成を示す図である。図2は、転写部50を示す側面図であり、図3は、転写部50を示す斜視図である。なお、図3では、2次転写ローラ51および従動ローラ52の一端側(図2の紙面手前側)の構成のみを示しているが、他端側(図2の紙面奥側)においても同様の構成が設けられている。
【0028】
図2および図3に示すように、転写部50は、2次転写ローラ51と、当該2次転写ローラ51に略平行に配置された従動ローラ52と、両ローラ51,52に巻き掛けられた無端状のベルト部材53とを備えている。従動ローラ52は、2次転写ローラ51に対して、用紙PAの搬送方向上流側に設けられている。また、ベルト部材53において、2次転写ローラ51と従動ローラ52との間の張架部分PT1(次述)は、2次転写ローラ51に対して搬送方向上流側に設けられている。
【0029】
部分PT1は、図2に示すように、ベルト部材53において2次転写ローラ51と従動ローラ52とに張架された部分のうち用紙搬送経路側の部分であり、接点CP2と接点CP1との間の略直線部分である。ここで、接点CP1は2次転写ローラ51とベルト部材53の略直線部分との接点であり、接点CP2は従動ローラ52とベルト部材53の略直線部分との接点である。部分PT1は、2つのローラ51,52に張架された部分であることから、張架部分であるとも表現される。また、この部分PT1は、2次転写ローラ51の外周部分に接しておらず且つ従動ローラ52の外周部分にも接していない。換言すれば、部分PT1は、2次転写ローラ51および従動ローラ52のいずれにも支持されていない。そのため、部分PT1は、非支持部分とも称される。あるいは、部分PT1は、外力の付加に応じて撓むことが可能な部分、すなわち可撓部分であるとも表現される。
【0030】
2次転写ローラ51および従動ローラ52は、搬送される用紙の幅方向(図2の紙面奥行方向)に伸びる回転軸をそれぞれ有しており、当該各回転軸を中心にそれぞれ回動する。2次転写ローラ51は、回転駆動用のモータ(駆動装置)に機械的に接続されており、当該モータの回転駆動動作に応じて回転する。すなわち、2次転写ローラ51は転写ローラであるとともに駆動ローラでもある。2次転写ローラ51が回転すると、当該2次転写ローラ51と従動ローラ52とに巻き掛けられたベルト部材53が周回状に回転する。ベルト部材53は、例えば、ポリイミド(PI)あるいはポリフェニレン−サルファイド(PPS:Polyphenylene-sulfide)などの樹脂材料で構成される。また、ベルト部材53には、導電性を付与する物質(例えばカーボンブラック等)が含有される。ベルト部材53に導電性を付与することにより、2次転写ローラ51による電圧印加に応じて中間転写ベルト21上のトナー画像が適切に用紙PAに転写される。
【0031】
また、2次転写ローラ51と従動ローラ52とは相互間の距離を伸縮する方向に相対的に移動することが可能である。そして、2次転写ローラ51と従動ローラ52との相対距離を増大させる向きにバネ54による弾性力を付与することによって、2次転写ローラ51と従動ローラ52とに巻き掛けられたベルト部材53に張力Fが付与されている。換言すれば、バネ54は、搬送方向下流側(2次転写ローラ51側)への従動ローラ52の移動を許容しつつ、従動ローラ52を当該移動前の位置に復帰させる向きの弾性力を従動ローラ52に付与して、従動ローラ52を弾性支持する。
【0032】
具体的には、2次転写ローラ51(および従動ローラ52)の両端側には、板状のスライド部材55が設けられている。そして、2次転写ローラ51と従動ローラ52との間には、スライド部材55と当該スライド部材55に固定された立設部材56とを介してバネ54が設けられており、両ローラ51,52相互間に適度の弾性力(付勢力)が付与されている。詳細には、図3に示すように、2次転写ローラ51の軸部材は、スライド部材55の円孔55cを貫通して配置され、従動ローラ52の軸部材は、スライド部材55の長孔55dを貫通して配置される。従動ローラ52は、長孔55dの伸延方向に移動可能であり、従動ローラ52と2次転写ローラ51とは相互間の距離を伸縮する方向に相対的に移動することが可能である。そして、立設部材56と従動ローラ52の軸受部52cとの間にバネ54が設けられている。バネ54は、自然長よりも縮んだ状態で設けられており、当該バネ54によって2次転写ローラ51と従動ローラ52との間の相対距離をさらに増大させる向きの力が作用する。そして、このようなバネ54の弾性力等によって、2次転写ローラ51と従動ローラ52とに巻き掛けられたベルト部材53には適度の張力(テンション)Fが作用する。
【0033】
また、転写部50は、方向AR3に沿って全体的に平行移動可能に設けられている。詳細には、転写部50のスライド部材55の軸部材はスライド軸受機構58によって方向AR3に沿って摺動可能に支持されており、スライド部材55は方向AR3に沿って平行移動可能である。このスライド部材55の平行移動動作(スライド移動動作)に伴って、転写部50の他の構成要素(具体的には、2次転写ローラ51、従動ローラ52およびベルト部材53等)も、当該AR3に沿って平行移動する。このように、転写部50の各要素は、方向AR3に沿って一体的に平行移動する。なお、方向AR3は、ベルト部材53の張架部分PT1の略伸延方向であるとも表現される。
【0034】
このスライド部材55は、駆動部70によって駆動される。駆動部70はモータ71とギア(ピニオン)72とを有している。モータ71の駆動軸はギア72に接続されており、ギア72は、スライド部材55の側部に設けられた平面状の歯車(ラック)55fに噛み合っている。モータ71の回転駆動はギア72を介してラック55fに伝達され、モータの回転運動がスライド部材55の直線運動に変換される。すなわち、ラック・アンド・ピニオン機構によってスライド部材55が方向AR3に沿って駆動される。その結果、転写部50が方向AR3に沿って平行運動する。換言すれば、転写部50は、駆動部70によって、中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)に対して相対的に移動される。
【0035】
また、この転写部50は、方向AR3に沿って、少なくとも次の2つの位置PG1(図4)および位置PG2(図6)の相互間で移動可能である。
【0036】
転写部50の位置PG1は、転写部50の2次転写ローラ51が駆動ローラ23に対向する位置である。転写部50が位置PG1に存在する状態では、図4に示すように、2次転写ローラ51が中間転写ベルト21(詳細には駆動ローラ23)に対向している。
【0037】
一方、転写部50の位置PG2は、転写部50の2次転写ローラ51が駆動ローラ23の対向位置(対向接触位置ないし対向近接位置とも称する)から搬送方向下流側に外れた位置である。転写部50が位置PG2に存在する状態では、図6に示すように、2次転写ローラ51が中間転写ベルト21の対向位置(および駆動ローラ23の対向位置)から外れ且つベルト部材53の張架部分PT1が中間転写ベルト21に対向している。
【0038】
<1−3.動作>
つぎに、この転写部50を用いた転写動作について詳細に説明する。なお、当該転写動作等は、画像形成装置1に内蔵されたコントローラ(制御部)によって制御される。
【0039】
給紙部30により供給され搬送経路の上流側から搬送されてきた用紙PAがタイミングローラ41,42の位置を通過すると、用紙搬送経路において転写部50よりも上流側に設けられた紙厚センサ61(図1参照)によって紙の厚さDが検出される。
【0040】
この実施形態においては、検出された厚さDに応じて、以後の動作が異なる。具体的には、当該厚さDが所定の閾値DT(例えば、0.5mm(ミリメートル))よりも大きい場合と当該閾値DTよりも小さい場合とで、以後の動作が異なる。なお、厚さDが閾値DTに等しい場合には、以下の2つの動作のうち、いずれの動作が実行されてもよい。
【0041】
まず、用紙PAの厚さDが閾値DTよりも小さい場合について説明する。
【0042】
用紙PAがタイミングローラ41,42(図1参照)の位置を通過した後、2次転写ローラ51は適宜のタイミングで回転駆動を開始する。これにより、ベルト部材53は、用紙PAの搬送経路側においては、図2の矢印AR2に示すように、搬送経路の上流側(図2の下側)から下流側(図2の上側)に向けて進行する。ここでは、ベルト部材53の搬送速度は、中間転写ベルト21の搬送速度と略同一であるものとする。
【0043】
また、タイミングローラ41,42は、トナー画像の転写対象である用紙PAをベルト部材53の部分PT1に向けて搬送する。そして、図2にも示すように上流側から搬送されてきた用紙PAが搬送経路に沿ってさらに進行する。用紙PAが搬送経路に沿ってさらに進行すると、衝突角度θを有する状態でベルト部材53の部分PT1に衝突する。なお、薄い用紙PAの先端部からベルト部材53の部分PT1に作用する衝撃力は、厚い用紙PAの先端部からベルト部材53の部分PT1に作用する衝撃力に比べて小さい。また、このような衝撃力は、部分PT1が撓むことおよびバネ54がさらに縮むことなどによって吸収される。
【0044】
その後、用紙PAの先端部は、ベルト部材53上に接触した状態のまま、ベルト部材53の回転動作にしたがって当該ベルト部材53の速度と略同一の速度で下流側(図の上方)に搬送される。そして、用紙PAは、2次転写ローラ51と中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)との対向部分であるニップ部N3に到達して突入する。換言すれば、中間転写ベルト21の駆動ローラ23に対する巻回部分とベルト部材53の2次転写ローラ51に対する巻回部分との対向部分に用紙PAが突入する。そして、用紙PAは当該ニップ部N3を通過していく。なお、用紙PAがニップ部N3を通過する際には、中間転写ベルト21上に形成されているフルカラートナー画像が、転写部50(特に2次転写ローラ51への電圧印加)によって用紙PA上に転写される。
【0045】
用紙PAが搬送方向下流側にさらに進行すると、用紙PAの後端部がニップ部N3を離脱する。なお、薄い用紙PAの離脱時に作用する衝撃力は、厚い用紙PAの離脱時に作用する衝撃力に比べて小さい。
【0046】
そして、用紙PA上に転写されたトナー画像は、定着器45において加熱され、用紙PAに定着される。その後、用紙PAは排紙部46に排出される。
【0047】
厚さDが閾値DTよりも小さい場合には、以上のような動作が実行される。
【0048】
つぎに、用紙PAの厚さDが閾値DTよりも大きい場合における動作について説明する。
【0049】
用紙PAがタイミングローラ41,42(図1参照)の位置を通過した後、2次転写ローラ51は適宜のタイミングで回転駆動を開始する。これにより、ベルト部材53は、用紙PAの搬送経路側においては、図2の矢印AR2に示すように、搬送経路の上流側から下流側に向けて進行する。
【0050】
そして、タイミングローラ41,42により搬送されてきた用紙PAは、ベルト部材53の部分PT1に向けて搬送され、図4に示すように、衝突角度θを有する状態でベルト部材53の部分PT1に衝突する。なお、衝突時の衝撃力を低減するため、衝突角度θは比較的小さな鋭角(具体的には45度以下)であることが好ましい。また、当該衝突角度θは30度以下であることがさらに好ましい。
【0051】
図4に示すように、用紙PAがベルト部材53の部分PT1に衝突するときには、バネ54の弾性およびベルト部材53の弾性により当該部分PT1が撓む。特に、用紙PAの先端部からベルト部材53の部分PT1に作用する衝突力は、当該部分PT1が撓むことおよびバネ54がさらに縮むことなどによって吸収される。このようにして、用紙PAの衝突による衝撃力が吸収され、2次転写ローラ51と中間転写ベルト21とに伝達される衝撃力は低減される。したがって、画像形成への悪影響を抑制することが可能である。
【0052】
その後、用紙PAの先端部は、ベルト部材53に接触した状態のまま、ベルト部材53の回転動作にしたがって当該ベルト部材53の速度と略同一の速度で下流側(図の上方)に搬送される。なお、用紙PAの衝突時に生じたベルト部材53の撓みは、この搬送動作中において低減される。
【0053】
そして、用紙PAは、図5に示すように、駆動ローラ23と2次転写ローラ51との対向部分であるニップ部N3(図4も参照)に突入する。換言すれば、中間転写ベルト21の駆動ローラ23に対する巻回部分とベルト部材53の2次転写ローラ51に対する巻回部分との対向部分に用紙PAの先端部が突入する。
【0054】
その後、用紙PAの非端部(先端部と後端部との間の部分)が駆動ローラ23付近を通過していく期間において、転写部50は、駆動部70の駆動動作に応じて方向AR3(図3)に沿って搬送方向下流側へ向けて、位置PG1から位置PG2にまでスライド移動する(図6参照)。なお、駆動部70によるこの駆動期間においては、転写部50の搬送方向下流側へのスライド移動に伴うベルト部材53のニップ部N4付近での速度(中間転写ベルト21に対する速度)の増大を、2次転写ローラ51の回転速度の低減により相殺することが好ましい。換言すれば、ベルト部材53のニップ部N4(次述)での移動速度と中間転写ベルト21のニップ部N4での移動速度とが略同一になるように、2次転写ローラ51の回転速度が調整(減速)されることが好ましい。ここで、ニップ部N4は、駆動ローラ23とベルト部材53の部分PT1との対向部分である。
【0055】
転写部50が位置PG2に存在するときには、用紙PAはニップ部N4を通過していく。換言すれば、用紙PAは、中間転写ベルト21(詳細には中間転写ベルト21の駆動ローラ23への巻回部分)とベルト部材53の部分PT1との両者に挟まれ当該両者に接触した状態で通過していく。
【0056】
このように、用紙PAの厚さDが閾値DTよりも大きい場合には、転写部50が駆動部70によって用紙PAの搬送方向下流側に向けて位置PG2にまで移動される。この移動により、中間転写ベルト21と転写部50との関係は、次のように状態ST1から状態ST2へと遷移する。すなわち、2次転写ローラ51が中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)に対向する状態ST1(図4参照)から、ベルト部材53の張架部分PT1が中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)に対向する状態ST2(図6)へと遷移する。そして、図6に示すように、用紙PAは、中間転写ベルト21とベルト部材53の張架部分PT1との両者の対向部分(ニップ部N4)を通過していく。
【0057】
中間転写ベルト21上に形成されているフルカラートナー画像は、用紙PAがニップ部N3,N4を通過していく際に、転写部50(特に2次転写ローラ51およびベルト部材53への電圧印加)によって用紙PA上に転写される。
【0058】
その後、図7および図8に示すように、用紙PAの後端部がニップ部N4から離脱する。
【0059】
用紙PAがニップ部N4を通過する際には、用紙PAは中間転写ベルト21とベルト部材53の張架部分PT1との双方に接触し挟まれた状態で搬送方向下流側に向けて進行する。このとき、図7(および図6等)に示すように、ベルト部材53の張架部分PT1に対して直ぐ右側(駆動ローラ23と反対側)には、2次転写ローラ51が存在しない。すなわち、ベルト部材53の張架部分PT1は2次転写ローラ51によって支持されておらず、当該部分PT1は右側へ移動可能であるそのため、用紙PAがニップ部N4から離脱する前には、ベルト部材53は、その弾性によって右側へ若干撓んだ状態を有している。
【0060】
そして、図8に示すように、用紙PAがニップ部N4から離脱する際には、当該張架部分PT1はベルト部材53の弾性等によって、右側へ移動していた状態から左側へと徐々に復帰する。
【0061】
このようにして用紙PAの後端部はニップ部N4から離脱(図8)する。ここにおいて、用紙PAの後端部がニップ部N4から離脱する際には、主としてベルト部材53の撓みの復元動作が伴う。この復元動作における衝撃力は、用紙PAがニップ部N3から離脱する際の衝撃力(例えば、中間転写ベルト21における駆動ローラ23への巻回部分に向けて2次転写ローラ51が急速に復帰して衝突する際の衝撃力)に比べて、非常に小さい。ベルト部材53が2次転写ローラ51に比べて軽量であることも衝撃力の抑制に寄与する。このように、用紙PAの後端部がニップ部N4から離脱する際の衝撃力は非常に小さい。
【0062】
また、用紙PAの後端部は、ニップ部N4から離脱した後、ベルト部材53に接触し案内された状態でさらに搬送方向下流側へと進行する(図8)。詳細には、用紙PAの後端部は、ベルト部材53に接触した状態のまま、ベルト部材53の回転動作にしたがって当該ベルト部材53の速度と略同一の速度で下流側(図の上方)に搬送される。
【0063】
その後、用紙PAの後端部は、ベルト部材53からも離れてさらに搬送方向下流側へと進行する。
【0064】
用紙PA上に転写されたトナー画像は、定着器45において加熱され、用紙PAに定着される。その後、用紙PAは排紙部46に排出される。また、転写部50は、駆動部70により駆動され、元の位置PG1に復帰する。
【0065】
厚さDが閾値DTよりも大きい場合には、以上のような動作が実行される。
【0066】
上記のように、この画像形成装置1によれば、用紙PAの厚さDが閾値DTよりも大きい場合には、転写部50が位置PG2に移動され、中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)とベルト部材53の部分PT1との対向部分から用紙PAの後端部が離脱する(図7および図8)。上述のように、転写部50が位置PG2に存在する状態においては、中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)に対してベルト部材53の部分PT1が対向しているため、当該ベルト部材53の弾性等によって用紙離脱時の衝撃力が緩和される。すなわち、画像転写の際(詳細には用紙PAの後端部が転写部50から離脱する際)に生じる衝撃力を良好に低減することが可能である。したがって、転写部の下流側に設けられた定着部へと当該用紙PAを介して伝達される衝撃力を低減することによって、画像の乱れを防止することが可能である。また、用紙PAの後端部が転写部50から離脱する時点で、当該用紙PAへ転写が完了した画像の次の画像が中間転写ベルト上に形成されている状況においても、用紙離脱時の衝撃力を低減することによって、中間転写ベルト上での(当該次の画像に関する)画像形成動作に与える影響を低減することが可能である。
【0067】
また、2次転写ローラ51と従動ローラ52とは、相互間にバネ54による弾性力が付与された状態で相対移動可能に設けられている。そのため、ベルト部材53の弾性のみならず、バネ54の弾性にも応じて部分PT1が撓む。これにより、用紙PAの後端部の離脱時における衝撃力がさらに適切に低減される。
【0068】
<2.第2実施形態>
<2−1.概要>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0069】
図9は、第2実施形態に係る転写部50(詳細には50B)を示す側面図である。また、図10は、図9の部分PR1付近の拡大断面図であり、第2実施形態に係るベルト部材53(詳細には53B)の詳細構成を示す図である。
【0070】
図10に示すように、このベルト部材53Bは、ベース層531と弾性層532とを備えている。詳細には、弾性層532がベース層531の外側(外周側)に積層されて形成されている。
【0071】
ベース層531は、例えば、ポリイミド(PI)あるいはポリフェニレン−サルファイド(PPS:Polyphenylene-sulfide)などの樹脂材料で構成される。また、ベルト部材53のベース層531には、導電性を付与する物質(例えばカーボンブラック等)が含有される。
【0072】
一方、弾性層532は、導電性弾性材料で構成される。具体的には、弾性層532の材料としては、例えば、NBR、EPDMなどのゴムが用いられる。また、ベルト部材53の弾性層532の材料である当該ゴムには、導電性を付与する物質(例えばカーボンブラック等)が含有される。弾性層532には、このような導電性ゴムが用いられることが好ましい。また、弾性層532の当該導電性ゴムは、発泡により硬度を低減したもの(すなわち発泡性の導電性弾性部材(発泡性の導電性ゴム等))であることが好ましい。
【0073】
ベース層531と弾性層532とが導電性を有することにより、2次転写ローラ51に対する電圧印加に応じて中間転写ベルト21上のトナー画像が適切に用紙PAに転写される。
【0074】
この第2実施形態においては、このようなベルト部材53Bを有する転写部50Bを用いて、上記第1実施形態と同様の動作を実行する。これによれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能であるとともに、次のような効果をも得ることが可能である。具体的には、ベルト部材53Bは、その外周側に弾性層532を有しているので、部分PT1における弾性層532の弾性によって、用紙PAの先端部が部分PT1へ衝突する際の衝撃力が低減されるとともに、用紙PAの後端部がニップ部N4から離脱する際の衝撃力も低減される。また、弾性層532に発泡性ゴムを用いることによれば、好適な衝撃低減作用を得ることができる。
【0075】
<3.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0076】
たとえば、上記各実施形態においては、バネ54によってベルト部材53に張力が付与される場合を例示したが、これに限定されない。具体的には、図11に示すような転写部50Cを設けるようにしてもよい。転写部50Cにおいては、弾性力付与手段としてのバネ54が設けられず、従動ローラ52の軸部材がスライド部材55の円孔55eを貫通して配置されているものとする。すなわち、2次転写ローラ51と従動ローラ52との相対距離が常に同一になるように両ローラ51,52の中心軸の位置が固定されている。このような転写部50Cを用いることによっても、用紙PAの先端部の衝突時に生じる衝撃力を低減すること、および用紙PAの後端部のニップ部N4からの離脱時に生じる衝撃力を低減することが可能である。詳細には、ベルト部材53自体の弾性によってベルト部材53が撓むことによって、これらの衝撃力が低減される。ただし、さらに適切にベルト部材53を撓ませるには、上述の各実施形態のように、バネ54による弾性力(反発力)を付与した状態で2次転写ローラ51と従動ローラ52とを相対移動可能に設けることが好ましい。
【0077】
また、上記各実施形態においては、ベルト部材53の張架部分PT1の略伸延方向である方向AR3に沿って転写部50が移動する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、当該方向AR3に対して所定の傾斜角度を有する方向に沿って、転写部50が搬送方向下流側にスライド移動するようにしてもよい。このような場合においても、中間転写ベルト21(および駆動ローラ23)とベルト部材53の張架部分PT1との両者が互いに対向する状態ST2(図6)において、用紙PAが当該両者に接触しつつ通過していくように当該両者が配置されることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、上記各実施形態においては、用紙PAの厚さDは紙厚センサ61によって検出される場合を例示したが、これに限定されず、他の手法によって厚さDが検出されるようにしてもよい。例えば、印刷出力要求元の情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)から伝送されてきた印刷指示に含まれる印刷設定内容に基づいて、用紙PAの厚さDが取得されるようにしてもよい。詳細には、当該印刷出力要求元の情報処理装置において、当該情報処理装置の操作者がプリンタドライバの設定画面で設定した印刷設定情報(用紙厚さを示す情報(用紙種類情報等を含む))に基づいて、用紙PAの厚さDが取得されればよい。
【0079】
また、上記各実施形態においては、用紙PAの厚さDに応じて異なる動作が行われる場合を例示したが、これに限定されず、用紙PAの厚さDにかかわらず同じ動作が行われるようにしてもよい。
【0080】
また、上記各実施形態においては、用紙PAの先端部が駆動ローラ23と転写部50との対向部分(詳細にはニップ部N3)に突入した後に転写部50が移動する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、用紙PAの先端部が駆動ローラ23と転写部50との対向部分に突入する前に、転写部50が位置PG2に予め移動しておくようにしてもよい。これによれば、用紙PAの先端部が上述のニップ部N4(駆動ローラ23と張架部分PT1との対向部分)に突入するため、用紙PAの先端部が駆動ローラ23と転写部50との対向部分に突入する際の衝撃力を低減することも可能である。
【0081】
また、上記各実施形態においては、画像形成装置としてタンデム方式のカラープリンタを例示しているが、これに限定されず、他の方式のプリンタ(4サイクル方式のカラープリンタあるいはモノクロプリンタ)などに上記の思想を適用するようにしてもよい。また、像担持体は中間転写ベルト21に限定されず、例えば、4サイクル方式のカラープリンタにおける感光体ドラムなどであってもよい。
【0082】
また、画像形成装置は、印刷機能のみを備える装置に限定されず、例えば、スキャン機能および/またはコピー機能等をも備える複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
10,10Y,10M,10C,10K イメージングユニット
21 中間転写ベルト
23 (中間転写ベルトの)駆動ローラ
50,50A,50B,50C 転写部
51 2次転写ローラ
52 従動ローラ
53 ベルト部材
54 バネ
55 スライド部材
61 紙厚センサ
532 弾性層
N3,N4 ニップ部
PA 用紙
PT1 張架部分(可撓部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体上の前記トナー画像を転写材に転写する転写部と、
前記転写部と前記像担持体とを相対的に移動する駆動手段と、
を備え、
前記転写部は、
転写ローラと、
前記転写ローラに対して略平行に設けられる第1のローラと、
前記転写ローラと前記第1のローラとを含む複数のローラに巻き掛けられるベルト部材と、
を有し、
前記転写部は、前記駆動手段の駆動動作によって第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
前記転写部が前記第1の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記像担持体に対向し、
前記転写部が前記第2の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記像担持体の対向位置から外れ且つ前記ベルト部材の張架部分が前記像担持体に対向し、
前記駆動手段は、前記転写部を前記第2の位置に移動させ、前記像担持体と前記ベルト部材の張架部分との対向部分から前記転写材の後端部を離脱させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記駆動手段は、前記転写材の厚さが所定の閾値よりも大きい場合に、前記転写部を前記第2の位置に移動させ、前記像担持体と前記転写ローラとの対向部分から前記転写材の後端部を離脱させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、感光体からの前記トナー画像を一時的に担持する中間転写ベルトであり、
前記中間転写ベルトは、第2のローラを含む複数のローラに巻き掛けられており、
前記転写部が前記第1の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記第2のローラに対向し、
前記転写部が前記第2の位置に存在する状態では、前記転写ローラが前記第2のローラの対向位置から外れ且つ前記ベルト部材の張架部分が前記第2のローラに対向し、
前記駆動手段は、前記転写部を前記第2の位置に移動させ、前記第2のローラと前記ベルト部材の張架部分との対向部分から前記転写材の後端部を離脱させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第1のローラと前記転写ローラ側との相対移動を許容しつつ、前記第1のローラを弾性支持する弾性支持手段、
をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記ベルト部材は、導電性弾性材料で構成される弾性層を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置であって、
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体上の前記トナー画像を転写材に転写する転写部と、
前記転写部と前記像担持体とを相対的に移動する駆動手段と、
を備え、
前記転写部は、
転写ローラと、
前記転写ローラに対して前記転写材の搬送方向上流側に設けられる第1のローラと、
前記転写ローラと前記第1のローラとを含む複数のローラに巻き掛けられるベルト部材と、
を有し、
前記転写部が前記駆動手段によって前記転写材の搬送方向下流側に向けて前記像担持体に対して相対的に移動されることにより、前記転写ローラが前記像担持体に対向する第1の状態から、前記ベルト部の張架部分が前記像担持体に対向する第2の状態へ遷移した後において、前記像担持体と前記ベルト部の張架部分との両者に挟まれて通過する前記転写材の後端部が前記両者の対向部分から離脱することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記転写部は、前記駆動手段によって、前記ベルト部材の前記張架部分の略伸延方向において前記転写材の搬送方向下流側に向けて移動されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−217398(P2010−217398A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62849(P2009−62849)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】