説明

画像形成装置

【課題】ユーザから入力された要求精度に対して画像形成の正常終了が可能か否かを判断し、当該判断の結果をユーザに対して通知する。
【解決手段】画像形成装置1のプリンタ部40は、操作パネル12から入力されたジョブに基づいて用紙に画像を形成し、当該形成された画像の印刷精度を印刷精度検出部13によって検知し、当該検知された印刷精度を印刷精度テーブルT1に格納し、記憶部112に記憶する。操作パネル12から入力されたJOB設定と印刷精度テーブルT1の内容に基づいて画像形成装置1がJOB実行の際の印刷精度の予想値を算出し、要求精度と比較することによって、当該JOBを保留にするか否かを決定する。保留にされたJOBは操作パネル12からの入力により実行するか破棄するかの指示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置において発生する障害を予測する技術が考えられている。例えば、画像形成装置において発生するジャムの原因や発生時刻等の情報(以下、ジャム情報という)を作成し、ジャム発生の予防等に役立てる技術等がある。具体的には、ネットワークを介して接続されたホストコンピューターに対して、画像形成装置は自己が作成したジャム情報を送信する。このジャム情報は、ホストコンピューターの記憶装置に格納される。ホストコンピューターにおいては、記憶装置に格納されたジャム情報を基に、各画像形成装置のジャム発生の管理及び予測を行うことになる。例えば、ホストコンピューターのオペレーターは、記憶装置に格納されたジャム情報を参照することにより、各画像形成装置の状態(ジャムが頻繁に発生しているか等)を把握することができる。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置からホストコンピューターに対して送信されるジャム情報に基づいて、ホストコンピュータが自動的にジャム診断及び予測を行う技術が開示されている。
特許文献2には、画像形成装置において発生したジャムの原因毎に一意に割り当てられたコードに基づいて、当該画像形成装置のジャム発生の危険度の判定をホストコンピューターにより行う技術が開示されている。
特許文献3には、画像形成装置のジャム発生の危険度と所定の閾値とを比較することにより画像形成装置の状態をホストコンピューターが判断し、この判断結果を画像形成装置のユーザーに対して通報する技術が開示されている。
特許文献4には、画像形成装置からホストコンピューターに対して通報されたジャム発生の頻度によって、画像形成装置のジャム発生の危険度を判断するための閾値を変更し、当該変更された閾値に基づいて画像形成装置の危険度を判定する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平10−198103号公報
【特許文献2】特開平10−198230号公報
【特許文献3】特開平10−198234号公報
【特許文献4】特開平10−198235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1〜4に記載の技術の場合、画像形成装置からホストコンピューターに対して送信されたジャム情報を基に算出された危険度と閾値を比較することによって、ジャム発生の可能性を判断し、画像形成装置のユーザに対して通知するだけであった。つまり、このジャム発生を予測する情報は画像形成装置やホストコンピュータの判断により、一方的にユーザに対して通知するのみであった。
【0005】
したがって、画像形成の際にユーザが入力した情報、例えば、画像形成装置が満たすべき印刷の精度(以下、要求精度という)やJOBの設定内容等に対して、正常終了する可能性があるか否かを画像形成装置やホストコンピュータが判断することはできない。つまり、ユーザから入力される内容毎に正常終了の可否を判断し、当該判断結果をユーザに対して通知することはできなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、ユーザから入力された要求精度に対して画像形成の正常終了が可能か否かを判断し、当該判断の結果をユーザに対して通知することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
ジョブに基づいて用紙に画像形成を行う画像形成手段と、
前記画像形成手段によって用紙に形成された画像の印刷精度を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された画像の印刷精度を記憶する記憶手段と、
前記画像形成手段に対してジョブと、前記画像形成手段が用紙に形成する画像が満たすべき印刷精度を示す要求精度とを入力する入力手段と、
前記記憶手段に記憶された画像の印刷精度に基づいて、前記画像形成手段が前記入力手段によって入力されたジョブに基づいて行う画像形成の印刷精度の予測値を算出する精度算出手段と、
前記精度算出手段によって算出された予測値と前記入力手段によって入力された要求精度を比較し、当該要求精度を満たすか否かを判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザから入力された要求精度に対して画像形成の正常終了が可能か否かを判断し、当該判断の結果をユーザに対して通知することができ、ユーザは画像形成装置が画像形成可能な印刷精度を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を画像形成装置1に適用した第1の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、画像形成装置1及びこれに接続された後処理装置2の機械的構成を模式的に示す。
【0010】
画像形成装置1は、操作パネル12、ADF(Auto Document Feeder)30、画像読取部31、プリンタ部40、給紙部50等を備えている。
【0011】
操作部12は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示部122を備え、各種操作入力画面、装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
【0012】
ADF30は、画像読取部31の上部に開閉可能に取り付けられ、原稿トレイT0に載置された原稿を1枚ずつ画像読取部31のプラテンガラス上の原稿読取位置に自動給送し、画像読取部31での読み取りが完了すると、当該原稿を原稿排紙トレイT1に排出する。
【0013】
画像読取部31は、プラテンガラス、光源、CCD(Charge Coupled Device)等により構成され、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換器によりデジタル画像データに変換する。ここで、画像は、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0014】
プリンタ部40は、画像形成手段として機能し、画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって用紙上に形成する。以降では、プリンタ部40によって画像が形成された用紙を転写紙Pという。プリンタ部40は、レーザ部410、画像形成部420、定着部430、搬送部440等を含んで構成されている。
レーザ部410は、入力された画像データに基づいて、画像形成部420の帯電器42により帯電された感光体ドラム41表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。
画像形成部420は、像担持体としての感光体ドラム41、感光体ドラム41表面を所定の電荷に帯電させる帯電器42、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を供給して現像する現像器44、給紙部50から給紙された用紙に感光体ドラム41に形成されたトナー像を転写する転写部45、感光体ドラム41の表面に残留したトナーを除去するクリーニング部46等を備えて構成される。
定着部430は、画像形成部420において用紙上に形成されたトナー像を加熱定着する。
搬送部440は、搬送ローラ48、搬送ベルト49、搬送路切換板401、両面搬送ユニット402、排紙ローラ403等を備え、給紙部50から給紙された用紙を搬送し、画像形成部420、定着部430を介して後処理装置2に排出する。また、本実施の形態における画像形成装置1においては、搬送部440の搬送路等に印刷精度検出部13(図2参照)が設置されており、画像形成がされた転写紙Pの印刷精度を検出する。
なお、本実施の形態において、印刷精度とは画像形成装置1が転写紙Pに対して形成した画像の印刷の精度を意味する。具体的には、転写紙Pの曲がり、転写紙Pに印刷された画像の表裏精度、及び転写紙Pの濃度ムラを示す。なお印刷精度は機械精度とも呼ばれ、画像形成装置1が検知できる印刷の精度であればよく、これに限られない。
【0015】
ここで、プリンタ部40は着脱可能な書き込みユニット14(図2参照)を一又は複数用いて構成されている。書き込みユニット14は、一又は複数の部品または部材を集約して個々のアセンブリにまとめたものである。例えば、画像形成部420を構成する各部品または部材をまとめた画像形成ユニット、定着部430及び搬送部440を構成する各部品または部材をまとめたADUユニット(Automatic Duplex Copy Unit)の如くである。書き込みユニット14はそのユニットごとに画像形成装置1の筐体、書き込みユニット同士あるいは他の部品と接続部(図示せず)を介して着脱可能に構成されている。書き込みユニットは一又は複数存在するので、説明を簡単にするため、図2では書き込みユニット14として一般化した表現で示してある。
【0016】
給紙部50は、画像を転写するための用紙を収納する給紙トレイである。本実施の形態において、給紙部50は、上段、中段、下段、の3つの給紙トレイにより構成されている。
【0017】
後処理装置2は、各種製本機能を有する後処理装置であり、搬送部63、サブコンパイル部64、クランプ部65、糊塗布部66、角背成形部67、冊子収容部68等を備えている。
【0018】
搬送部63は、画像形成装置1から搬入された用紙を排出トレイT2、サブコンパイル部64、又は角背成形部67に搬送する。
サブコンパイル部64は、画像形成装置1から搬入された画像形成済みの用紙を1部分の用紙の束としてスタック集積する。
クランプ部65は、サブコンパイル部64においてスタック集積された用紙を取得して集積し、所定枚数に到達した時点でクランプ(固める)処理を実施する。
糊塗布部66は、装置後方側に位置しており、糊塗布時に前進し、後退する時にクランプ処理された用紙束の下部に糊を塗布する。
角背成形部67は、クランプ部65の下方に位置しており、画像形成装置1から供給された表紙の用紙を載せて上昇し、糊が塗布された用紙束の下部に表紙を貼り付け、用紙束に貼付された表紙を角背に成形した後、成形された冊子を冊子収容部68に搬送する。
冊子収容部68は、完成した冊子を搭載する。
【0019】
なお、以上の説明では、後処理装置2を各種製本機能を備えた後処理装置とした場合を例にとり説明したが、パンチ穴処理、中綴じ処理、折処理等他の機能を備えた後処理装置としてもよい。
【0020】
次に、図2を参照して、第1の実施の形態における画像形成装置1の制御系の構成例について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1の制御系は、装置制御部11、操作パネル12、印刷精度検出部13、書き込みユニット14、メカコン15、画像読取部31等から構成される。
【0021】
装置制御部11は、メインCPU111、記憶部112、演算部113、センサ出力処理部114、表示制御部115等から構成される。
メインCPU111は、装置制御部11の内部を統括して制御するCPU(Central Processing Unit)である。メインCPU111は、操作パネル12の操作に応じて、記憶部112に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出して演算部113内に展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置1各部の動作を集中制御する。
【0022】
記憶部112は、記憶手段として機能し、ハードディスク等のメモリであり、メインCPU111により用いられる各種プログラムやプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶している。本実施の形態においては、記憶部112は、後述する精度可否判断処理に必要なプログラムやパラメータや、後述する印刷精度検出部13において検知された印刷精度を記憶する印刷精度テーブルT1等を記憶する。
演算部113は、CPUやRAM(Random Access Memory)等により構成され、メインCPU111から受信したデータを基に、メインCPU111の指示に従って各種演算処理を行う。
センサ出力処理部114は、印刷精度検出部13によって検知された各種信号を受信し、当該受信した信号を対応するデジタルデータに変換してメインCPU111に対して出力する。
表示制御部115は、操作パネル12の表示を制御し、メインCPU111から受け取ったデータを表示部122に表示させたり、操作パネル12から入力された入力信号をメインCPU111に対して送信する。
【0023】
操作パネル12は、操作パネル制御部121、表示部122等から構成される。
操作パネル制御部121は、CPU、RAM等により構成され、表示制御部115からの制御信号を受信して、表示部122における表示制御を行う。また、表示部122上のタッチパネルから入力される操作信号を表示制御部115へ出力する。
表示部122は、操作パネル制御部121から入力される表示信号の指示に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。表示部122の画面上は、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルが構成されており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作パネル制御部121に出力する。
【0024】
印刷精度検出部13は、搬送部440の内部に設置され、曲がり検出部131、表裏精度検出部132、濃度ムラ検出部133等から構成される。印刷精度検出部13は、搬送部440の内部を搬送される転写紙Pの印刷精度を検知する検知手段として機能する。
曲がり検出部131、表裏精度検出部132、濃度ムラ検出部133は、それぞれ転写紙Pの曲がり、表裏精度、濃度ムラを検出する。これらの検出方法は数々考案されている公知の技術であればよく、例えば以下に説明するような構成が挙げられる。
【0025】
曲がり検出部131は、ホトインタラプタやホトセンサ等から構成される紙検知センサ等から構成される。紙検知センサは、搬送部440を搬送される転写紙Pによって押されて回転するアクチュエータ等の回転を検知し、転写紙Pの曲がりを検知する。転写紙Pの曲がりとは、転写紙Pの向きが搬送方向からどの程度曲がっているかを示す値である。
【0026】
図3(a)に、曲がり検出部131の構成を詳細に示す。図3(a)に示すように、本実施の形態においては、曲がり検出部131は、2つの紙検知センサ(それぞれを紙検知センサ131aと紙検知センサ131bという)から構成される。
紙検知センサ131aと紙検知センサ131bは、転写紙Pが搬送される位置の上部または下部に設置され、転写紙Pの両端の位置と重なる位置に設置される。つまり、紙検知センサ131aと紙検知センサ131bは、先述のようにアクチュエータ等の回転を検知することにより転写紙Pを検知することができる。したがって、転写紙Pを検知している間は、対応する信号をセンサ出力処理部114に対して出力することになる。
【0027】
図3(b)に、センサ出力処理部114が、紙検知センサ131aと紙検知センサ131bから受信した信号の出力値を模式的に示す。紙検知センサ131aと紙検知センサ131bの出力値が一定値を示している場合は、紙検知センサ131aと紙検知センサ131bは転写紙Pを検知しているということを示している。
図3(b)に示すように、紙検知センサ131aと紙検知センサ131bの検知タイミングの差が少ない場合は、転写紙Pの曲がりがないことを示している。紙検知センサ131aと紙検知センサ131bの検知タイミングの差がある場合は、転写紙Pが曲がっていることを示している。
センサ出力処理部114においては、紙検知センサ131aと紙検知センサ131bの検知タイミングの時間位相の差と、搬送部440の搬送速度等により転写紙Pの曲がりを検出する。なお、本実施の形態においては曲がりの単位をmmとし、検知タイミングの時間位相差と搬送速度等から算出される。
【0028】
表裏精度検出部132は、転写紙Pに印刷された断裁マークMを検知するセンサから構成される。断裁マークMとは転写紙Pに印字され、当該転写紙Pを断裁する際の目印となるマークである。
表裏精度検出部132は、転写紙Pに印字された表裏の画像のずれを検出する。具体的には、表裏精度検出部132は、転写紙Pに印字された断裁マークMの位置から表裏の画像のずれを検出する。したがって、表裏精度検出部132を構成するセンサは、搬送部440の内部を搬送される転写紙Pの両面を挟むようにして設置されることになる。
【0029】
図4(a)に、転写紙Pの表面に印字された断裁マークMと表面入力画像G1との位置関係を模式的に示す。転写紙Pの表面に表面入力画像G1が形成され(図4(a)に斜線で示した領域である)、当該表面入力画像G1の領域を断裁する際の目印として図4(a)に示すような位置に断裁マークMが付されることになる。当該断裁マークMは、転写紙Pの表面だけでなく、裏面についても同様に付されることになる。
【0030】
図4(b)に、転写紙Pの表裏の断裁マークのずれを模式的に示す。図4(b)に示す例では、転写紙Pの表面に付された断裁マークMを断裁マークM1aとし(図4(b)に、実線で示したマークである)、転写紙Pの表面に付された断裁マークMを断裁マークM1bとする(図4(b)に、一点鎖線で示したマークである)。本実施の形態においては、表裏精度検出部132が検出した断裁マークM1aと断裁マークM1bの搬送方向のずれを表裏精度(単位をmmとする)として検出する。図4(a)には4つの断裁マークMを記載しているが、表裏制度検出部133が検出する断裁マークMは4つのうちどれか一つでもよいし、4つの表裏精度の平均値をセンサ出力処理部114に対して出力してもよい。なお、表裏精度として検出するのはこれに限られず、断裁マークM1aと断裁マークM1bの搬送方向と垂直方向のずれを表裏精度として検出したりしてもよい。
【0031】
濃度ムラ検出部133は、例えば感光体ドラム41の基準位置を検出するためのセンサや、トナー像の濃度を検出するためのセンサ等を備えて構成され、各センサによる検出結果をセンサ出力処理部114に対して出力する。これらのセンサは、例えば光センサが適用できる。つまり、センサによって検出された感光体ドラム41の基準位置と、トナー像の濃度を示す反射光量によって転写紙Pの濃度が検出される。当該検出された転写紙Pの濃度と、画像読取部31によって読み取られた原稿の濃度を比較すること等によって濃度ムラ(単位は例えば%等)が算出されることになる。
【0032】
メカコン15は、CPU、ROM、RAM等により構成され、メインCPU111からの制御信号を受信して、プリンタ部40を構成する各部を制御する。
【0033】
次に、画像形成装置1の動作について説明する。
図5に、画像形成装置1において行われる精度可否判断処理のフローチャートを示す。当該処理は、操作パネル12からの入力によりメインCPU111に対して画像形成の指示がされた際に、メインCPU111と記憶部112に記憶されたプログラムとの協働により実行される。当該処理では、操作パネル12から入力された要求精度と画像形成装置1の記憶部112に記憶された印刷精度とが比較されることにより、画像形成の正常終了可否を判断する。
なお、以下における処理はメインCPU111によって実行される。
【0034】
図5に示すように、画像形成装置1のユーザの操作によって、操作パネル12からJOBの設定内容(以下、単にJOB設定という)と要求精度がメインCPU111に対して入力される(ステップS101)。具体的には、操作パネル12の表示部122にJOB設定の入力のための項目の表示とともに、要求精度の入力のための項目が同一画面上に表示される。本実施の形態においてはJOB設定として、画像形成を行う紙種、画質、枚数等が入力される。紙質とは、転写紙Pの紙質であり、画質とは転写紙Pに形成される画像の画質を示し、設定される画質毎に予め定められた斤量等の項目が設定されることになる。また、要求精度として、印刷精度(曲がり、表裏精度、濃度ムラ)の少なくとも一つの項目の値が入力される。ステップS101における処理によって、操作パネル12は入力手段として機能する。
なお、JOB設定として入力される項目は、画像形成のJOBの実行に必要な項目であればよく、本実施の形態におけるものに限られない。また、先述したように印刷精度は本実施の形態におけるものに限られないので、ステップS101において入力されるべき要求精度についても本実施の形態におけるものに限られない。
【0035】
次いで、記憶部112に記憶された印刷精度テーブルT1が参照され、印刷精度の予測値が算出される(ステップS102)。
【0036】
図6に、本実施の形態における印刷精度テーブルT1のデータ構成例を示す。図6に示すように、印刷精度テーブルT1は、「JOB_NO」フィールド、「番号」フィールド、「紙種」フィールド、「画質」フィールド、「曲がり」フィールド、「表裏精度」フィールド、「濃度ムラ」フィールドから構成される。印刷精度テーブルT1には、過去に画像形成装置1において実行されたJOBによって形成された画像の印刷精度検出部13によって検知された印刷精度の履歴が格納される。
なお、本実施の形態においては、説明の便宜上、「紙種」フィールドと「画質」フィールドの2つをまとめて「設定条件」と記載する。同様に、「曲がり」フィールド、「表裏精度」フィールド、「濃度ムラ」フィールドの3つをまとめて「印刷精度」と記載する。
【0037】
「JOB_NO」フィールドには、ステップS101において操作パネル12から入力されるJOBに一意に割り当てられた識別番号が格納される。JOBの番号は、画像形成装置1に対して入力されたJOBに連番に付された番号である。図6に示す「JOB(1)」という値は、「1」番目のJOBという意味である(以下同じ)。
「番号」フィールドには、1つのJOBの中の印刷単位(転写紙Pのそれぞれを示す)に連番に付与された番号が格納される。つまり、1つのJOBの中の1枚目は「1」、2枚目は「2」・・・のように番号が付される。したがって、例えば図6に示す例でいえば、JOB(1)は100枚の転写紙Pに対して画像形成がなされ、JOB(2)は500枚の転写紙Pに対して画像形成がなされたことを示している。
「紙種」フィールドと「画質」フィールドには、それぞれ対応するJOBの設定条件として入力された値が格納される。
「曲がり」フィールドには、曲がり検出部131によって検出された転写紙Pの曲がりが格納される。
「表裏精度」フィールドには、表裏精度検出部132によって検出された転写紙Pの表裏精度が格納される。
「濃度ムラ」フィールドには、濃度ムラ検出部133によって検出された転写紙Pの濃度ムラが格納される。
【0038】
つまり、図6に示す印刷精度テーブルT1の例では、「2」番目のJOBである「JOB(2)」は、JOB設定として入力された「紙種」が「追い刷り紙」であり「画質」が「文字」であって、転写紙Pは500枚印刷されていることになる。この500枚の転写紙Pごとに印刷精度検出部13によって印刷精度が検出されている。例えば、このJOBによって画像形成がなされた転写紙Pのうち、2枚目の転写紙Pに対する印刷精度は、曲がりが「0.10」mm、表裏精度が「0.32」mm、濃度ムラが「0.22」であることを示している。
画像形成装置1は、操作パネル12から画像形成の指示が入力され、JOBが終了するごとに、印刷精度テーブルT1に当該JOBによって検出された印刷精度が新たなレコードとして格納され、印刷精度テーブルT1が更新されることになる。
【0039】
以下、ステップS102における処理について説明する。
ステップS102においては、具体的には、印刷精度テーブルT1に格納されているレコードが参照され、印刷精度の値ごとにレコード数がカウントされる等によって印刷精度が算出される。当該カウント数を印刷精度テーブルT1の総レコード数で割った値を、以降では発生率(単位は%)という。つまり、例えば印刷精度テーブルT1のレコード数が1000あり、「曲がり」フィールドの値が「0.03」mmであるレコードが10あった場合には、印刷精度の曲がりが「0.03」mmの発生率は10/1000=1(%)となる。
【0040】
図7に、ステップS102において算出される印刷精度の発生率のヒストグラムを模式的に示す。
図7(a)は、印刷精度のうち、曲がりの発生率のヒストグラムが算出された例である。横軸は曲がり(xとする)を示し、縦軸は曲がりの値に対応する発生率(yとする)を示す。
図7(a)に実線で示す「過去」のヒストグラム(以降、y=A(x)とする)は、印刷精度テーブルT1に格納されている全てのレコードをカウントすることによって算出された発生率を示す。転写紙Pの曲がりは、画像形成装置1の各構成部の磨耗等によって発生するため、一般的には画像形成装置1を使用するほど曲がりが大きくなる傾向にある。つまり、図7(a)に示すヒストグラムが曲がりの値が大きくなる方向(図7(a)に示す図ではx軸の値が大きくなる方向)に移動していくことになる。
【0041】
また、図7(a)に点線で示す「直近」のヒストグラム(以降、y=B(x)とする)は、画像形成装置1において検出された直近の印刷精度である。具体的には、本実施の形態においては、ステップS101において入力されたJOB設定に基づいて直近の印刷精度が算出される。例えば、ステップS101においてJOB設定として入力され、これから画像形成する転写紙Pの枚数が100枚である場合には、印刷精度テーブルT1の直近100レコード(つまり最後のJOBのうち、終わりから100レコード)が参照され、曲がりの値に対応する発生率が算出され、ヒストグラムが作成されることになる。
【0042】
また、ステップS102においては、図7(a)に示す「過去」のヒストグラムと「直近」のヒストグラムに基づいて、「予想」のヒストグラムが算出される。「予想」のヒストグラムとは、ステップS101において入力されたJOB設定によって画像形成がされた場合、どの程度の印刷精度となるかを示す予想値をいう。「予想」のヒストグラムは、図7(a)の一点鎖線で示す。
「予想」のヒストグラムの算出方法は、図7(a)に示す「過去」のヒストグラムと「直近」のヒストグラムに基づいて算出されればどのような方法であってもよいが、例えば、「過去」のヒストグラムのピーク(発生率が最も高い曲がりの値をいう。以下、この曲がりの値をX1とする。)と「直近」のヒストグラムのピーク(以下、この曲がりの値をX2とする。)の差分(つまりX2−X1)だけ「直近」のヒストグラムを全体的にシフトする等によって行われる。つまり、「予想」のヒストグラムをC(x)とすると、y=C(x)=B(x−X2+X1)を「予想」のヒストグラムとする
【0043】
図7(b)は、印刷精度のうち、表裏精度の頻度が算出された例である。図7(c)は、印刷精度のうち、濃度ムラの頻度が算出された例である。図7(b)と図7(c)に示す各ヒストグラムは、印刷精度テーブルT1に基づいて作成される点において、図7(a)に示すヒストグラムと作成方法は略同様であるので説明を省略する。
以上説明したステップS102における処理によって、メインCPU111は精度算出手段として機能する。
【0044】
ステップS103においては、ステップS101において操作パネル12から入力された要求精度とステップS102で算出された印刷精度の予測値が比較される(ステップS103)。ステップS103によって判断された結果に基づいて、要求精度を満足しているか否かが判断される(ステップS104)。具体的には、ステップS101において入力された要求精度に対応する印刷精度の発生率が、予め定められた閾値以上であるか否か等によって判断される。
【0045】
以下、ステップS104の判断について具体例を示して説明する。
例えば、予め記憶部112に定められた発生率の閾値が15%であった場合を説明する。ステップS101において「曲がり」の要求精度が「0.3」mmとして入力され、ステップS102において算出された「予想」のヒストグラムにおいて、「曲がり」の印刷精度の「0.3」mmの発生率が10%であった場合には、印刷精度の発生率が閾値以下であるので、要求精度を満足していると判断される。
ステップS102において算出された「予想」のヒストグラムにおいて、「曲がり」の印刷精度の「0.3」mmの発生率が20%であった場合には、印刷精度の発生率が閾値以上であるので、要求精度を満足しないと判断されることになる。
【0046】
本実施の形態においては、印刷精度として曲がり、表裏精度、濃度ムラがあるので、表裏精度、濃度ムラについても、印刷精度毎に予め定められた発生率の閾値(例えば表裏精度の閾値は7%、濃度ムラは10%等)と比較することにより同様の判断が行われることになる。
本実施の形態においては、印刷精度のうちのいずれか一つが閾値以上であれば、要求精度を満たさないと判断するものとするが、要求精度を満たすか否かの判断はこれに限られず、印刷精度の全ての項目の要求精度を満たしていない場合に、ステップS104において要求精度が満たされないと判断される等してもよい。
以上説明したステップS104における処理によって、メインCPU111は判断手段として機能する。
なお、以上説明した判断方法は一例であり、ステップS101において入力された要求精度とステップS102において算出された印刷精度を比較する方法であればよく、これに限定されない。
【0047】
要求精度を満足していると判断されない場合(ステップS104;NO)、ステップS101において入力されたJOBの内容が記憶部112に記憶され、当該JOBが保留にされる(ステップS105)。ステップS105において保留にされたJOBは、表示部122に表示させてもよいし他の方法によってユーザに通知させてもよい。この時、ステップS102において算出された「予想」のヒストグラムを表示部に表示させてもよい。
【0048】
図8に、ステップS105においてJOBが保留された際に表示部122に表示される通知画面G2の一例を示す。図8に示すように、通知画面G2は、予想ヒストグラム領域G2a、開始指示ボタンG2b,破棄指示ボタンG2c等によって構成される。
図8に示す例では、「曲がり」の印刷精度の予想値が要求精度を満たさなかった場合の例を示している。具体的には、ステップS101において入力された曲がりの要求精度が「0.07」mmであり、ステップS104において判断される発生率の閾値が10%であり、「予想」のヒストグラムにおける曲がり「0.07」mmの発生率が15%であった場合を示す。
図8に示すように、予想ヒストグラム領域G2aに、ステップS102において算出された「予想」のヒストグラムを表示し、ユーザに対して画像形成装置1の実力(つまり印刷精度の「予想」のヒストグラム)を通知する。
ユーザは、開始指示ボタンG2bを選択(操作パネル12から入力指示を行うことを示す)することにより、画像形成開始指示をメインCPU111に対して入力することができる。
同様に、ユーザは、破棄指示ボタンG2cを選択(操作パネル12から入力指示を行うことを示す)することにより、当該JOBの破棄の指示をメインCPU111に対して入力することができる。
【0049】
次いで、操作部パネル12からの入力により、保留にされたJOBの画像形成開始指示がされたか否かが判断される(ステップS106)。ステップS106における処理によって、操作パネル12は指示手段として機能する。
一方、要求精度を満足していると判断された場合(ステップS104;YES)、保留にされたJOBの画像形成開始指示がされたと判断された場合(ステップS106;YES)、ステップS101において入力されたJOB設定に基づいて画像形成開始の指示がなされる(ステップS107)。つまり、ステップS101において入力されたJOB設定に基づいて画像形成が開始され、処理は終了する。
なお、ステップS105及びステップS107における処理によって、メインCPU111は制御手段として機能する。
【0050】
一方、保留にされたJOBの画像形成開始指示がされたと判断されない場合(ステップS106;NO)、ステップS101において入力され、記憶部112に記憶されたJOBが破棄され(ステップS108)、処理は終了する。
【0051】
以上のように、本実施の形態における画像形成装置1によれば、操作パネル12から入力された要求精度と、画像形成装置1が印刷精度テーブルT1に記憶している印刷精度から算出された予測値を比較する。したがって、画像形成装置1のユーザが操作パネル12からの入力によるジョブ(つまり、これから開始しようとするジョブ)に対する要求精度を、画像形成装置1が満たすことができるか否かを判断することができ、ユーザの入力に応じた判断を行うことができる。
【0052】
また、精度可否判断処理によって、印刷精度テーブルT1に基づいて、画像形成装置1が有する印刷精度の発生率の予測値を算出することができ、操作パネル12から入力された要求精度と比較することにより、ユーザが入力したジョブがユーザの要求する精度を満たして正常終了するか否かを、画像形成装置1がユーザのジョブの内容に応じて予想して判断することができる。
【0053】
また、要求精度を満たさないと判断したジョブを保留して通知することにより、ユーザは当該画像形成装置1を使用して画像形成を行うか、他の画像形成装置を使用して当該ジョブを実行するか判断することができる。したがって、ユーザの要求精度を満たさない画像形成装置1によるジョブ実行によって発生する印刷ミスを未然に防ぐことができる。保留にされたジョブは操作パネル12からの入力により実行を指示できるため、要求精度を満たさなくても、ユーザが満足する、ある程度の許容範囲の印刷精度であれば、ユーザは当該保留にされたジョブの実行を行うことができる。
【0054】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、印刷精度テーブルT1は図6に示す構成を例として挙げたが、印刷精度テーブルT1の構成はこれに限られない。先述したように印刷精度としては、画像形成装置1がセンサ等によって機械的に検知できるものであればよく、他にも転写紙Pに形成された画像の片寄り等を検出することができれば、印刷精度テーブルT1の印刷精度として片寄り等が格納されるようにしてもよい。同様に、ステップS101において入力されるJOB設定も、先述したように本実施の形態に限られるものではないので、JOB設定として入力される内容に応じて印刷精度テーブルT1の構成を変更してもよい。
【0055】
また、印刷精度テーブルT1を使用してJOB実行の際の印刷精度を、本実施の形態においては図7に示すような予想ヒストグラムを算出することによって求めたが、印刷精度の算出方法はこれに限られない。印刷精度テーブルT1とステップS101において入力されたJOB設定に基づいて算出されればよい。同様に、要求精度と印刷精度の比較を本実施の形態においては、算出された「予想」のヒストグラムと閾値を比較することによって行ったが、先述したように比較の方法はこれに限られない。
【0056】
また、本実施の形態における記憶部112以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリのようなフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータや音声データ等の各種データを、搬送波(キャリアウェーブ)に重畳させて通信回線を介して提供することも可能である。
【0057】
その他、画像形成装置1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0058】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を画像形成装置1に適用した第2の実施の形態を詳細に説明する。
第2の実施の形態における画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
第2の実施の形態は、精度可否判断処理のみが第1の実施の形態と異なるので、以下、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0059】
図9に、第2の実施の形態における精度可否判断処理(第1の実施の形態と区別するために精度可否判断処理Bという)のフローチャートを示す。当該処理は、操作パネル12からの入力によりメインCPU111に対して画像形成の指示がされた際に、メインCPU111と記憶部112に記憶されたプログラムとの協働により実行される。当該処理では、操作パネル12から入力された要求精度と画像形成装置1の記憶部112に記憶された印刷精度とが比較されることにより、画像形成の正常終了可否を判断する点については第1の実施の形態と同様である。
なお、以下における処理はメインCPU111によって実行される。
【0060】
ステップS201における処理はステップS101と同様であるので説明を省略する。
ステップS202においては、ステップS201において入力されたJOB設定が、所定のJOB設定を含むか否かが判断される(ステップS202)。具体的には、ステップS201において入力されたJOB設定(本実施の形態においては、紙種、画質、枚数を含む)の値と、印刷精度テーブルT1の設定条件に格納された値と一致するレコードが存在するか否かによって所定のJOB設定を含むか否かが判断される。例えば、ステップS201において、紙種として「光沢紙」が入力され、印刷精度テーブルT1の「紙種」フィールドに「光沢紙」が格納されているレコードがあるか否か等によって判断されることになる。
【0061】
所定のJOB設定の含むと判断された場合(ステップS202;YES)、印刷精度テーブルT1が参照され、印刷精度の予測値が算出される(ステップS203)。
このステップS203における処理は、ステップS102における印刷精度の予測値の算出処理とは異なるので以下説明する。
【0062】
ステップS102においては、印刷精度テーブルT1の全てのレコードについて印刷精度を算出したが、ステップS203においては、ステップS201において入力されたJOB設定と一致するレコードのみが参照されて印刷精度が算出される点で第1の実施の形態と異なる。
つまり、例えば、ステップS201においてJOB設定の紙種が「ラフ紙」であり、画質が「文字」であれば、印刷精度テーブルT1のレコードのうち、紙種が「ラフ紙」であり、かつ、画質が「文字」のレコードのみが参照され、印刷精度の予測値が算出されることになる。ステップS202において参照される印刷精度テーブルT1のレコードは上記判断に限られない。ステップS201において入力されたJOB設定から参照するレコードが判断されればよく、例えば、JOB設定のいずれか一つが一致するレコードが参照されるようにしてもよい。
当該参照されたレコードから印刷精度の予測値を算出する方法については、第1の実施の形態同様である。
第2の実施の形態においては、上記のように印刷精度の予測値が算出されるので、JOB設定として1つの条件を入力する(例えば紙質のみを入力した場合等)よりも複数の条件を入力した方が、同じ印刷精度の数値であっても発生率が低く算出されることも考えられる。つまり、JOB設定として複数の条件を入力した時の方が、画像形成装置1によっては印刷精度が有利に算出されることも考えられる。
【0063】
続くステップS204〜ステップS209における処理は、それぞれステップS103〜ステップS108における処理と略同様であるので、説明を省略する。
一方、所定のJOB設定の含むと判断されない場合(ステップS202;NO)、処理はステップS208に移行する。
【0064】
以上のように、第2の実施の形態における精度可否判断処理Bによれば、ステップS201において入力されたジョブ設定と一致するレコードを印刷精度テーブルT1から参照して印刷精度を算出する。したがって、ジョブ設定の内容に応じた印刷精度を算出することができ、印刷精度の正確性をより向上させることができる。
【0065】
その他、画像形成装置1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態における画像形成装置及び後処理装置の機械的構成を示す模式図である。
【図2】図1の画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】曲がり検出部を模式的に示す図であり、(a)は曲がり検出部を構成する紙検知センサの位置関係を示し、(b)は紙検知センサが検知した信号の出力値を示す図である。
【図4】表裏精度検出部を模式的に示す図であり、(a)は転写紙に印刷される断裁マークを示し、(b)は転写紙の表裏の断裁マークを示す図である。
【図5】本実施の形態における精度可否判断処理の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態における印刷精度テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態における精度可否判断処理によって算出される印刷精度のヒストグラムの一例であり、(a)は曲がりのヒストグラムであり、(b)は表裏精度のヒストグラムであり、(c)は濃度ムラのヒストグラムである。
【図8】本実施の形態における表示部に表示される通知画面の一例を示す図である。
【図9】第2の形態における精度可否判断処理の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 画像形成装置
2 後処理装置
11 装置制御部
112 記憶部
113 演算部
114 センサ出力処理部
115 表示制御部
12 操作パネル
121 操作パネル制御部
122 表示部
13 印刷精度検出部
131 曲がり検出部
132 表裏精度検出部
133 濃度ムラ検出部
14 書き込みユニット
15 メカコン
30 ADF
31 画像読取部
40 プリンタ部
410 レーザ部
420 画像形成部
41 感光体ドラム
42 帯電器
44 現像器
45 転写部
46 クリーニング部
48 搬送ローラ
49 搬送ベルト
401 搬送路切換板
402 両面搬送ユニット
403 排紙ローラ
430 定着部
440 搬送部
50 給紙部
63 搬送部
64 サブコンパイル部
65 クランプ部
66 糊塗布部
67 角背成形部
68 冊子収容部
T0 原稿トレイ
T1 原稿排紙トレイ
T2 排出トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに基づいて用紙に画像形成を行う画像形成手段と、
前記画像形成手段によって用紙に形成された画像の印刷精度を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された画像の印刷精度を記憶する記憶手段と、
前記画像形成手段に対してジョブと、前記画像形成手段が用紙に形成する画像が満たすべき印刷精度を示す要求精度とを入力する入力手段と、
前記記憶手段に記憶された画像の印刷精度に基づいて、前記画像形成手段が前記入力手段によって入力されたジョブに基づいて行う画像形成の印刷精度の予測値を算出する精度算出手段と、
前記精度算出手段によって算出された予測値と前記入力手段によって入力された要求精度を比較し、当該要求精度を満たすか否かを判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段によって要求精度を満たすと判断された場合には、前記入力手段によって入力されたジョブに基づいて前記画像形成手段に画像形成を行わせ、前記判断手段によって要求精度を満たすと判断されない場合には、前記入力手段によって入力されたジョブに基づいて前記画像形成手段に画像形成を行わせず、当該ジョブの実行を保留にする制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段によってジョブの実行が保留にされた場合には、当該ジョブが保留にされた旨をユーザに対して通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段によって保留されたジョブの実行を指示する指示手段を更に備え、
前記制御手段は、前記指示手段によって実行が指示されたジョブに基づいて前記画像形成手段に画像形成を行わせることを特徴とする請求項2、3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記入力手段によって入力されたジョブに含まれる設定内容と前記検知手段によって検知された画像の印刷精度とを対応付けて記憶し、
前記精度算出手段は、前記入力手段によって入力されたジョブに含まれる設定内容と前記記憶手段に記憶された画像の印刷精度とに基づいて、前記画像形成手段が前記入力手段によって入力されたジョブに基づいて行う画像形成の印刷精度の予測値を算出する
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−2558(P2010−2558A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160144(P2008−160144)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】