説明

画像形成装置

【課題】用紙カセットに積層された用紙間の摩擦力や密着力が大きい用紙に印刷する場合であっても、給紙を円滑に行う手段を提供する。
【解決手段】多数の用紙を積層して収納する用紙カセット4を備える画像形成装置において、用紙カセット4は、用紙カセット4の挿抜と連動して積層された用紙を部分的に上昇させる捌きプレート23と、用紙カセット4の挿抜と連動して積層された用紙の、用紙カセット4の引抜き方向の後端を押圧する後端押え28とを有し、捌きプレート23による用紙の上昇と後端押え28による後端の押圧とを同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用の用紙を積層して収納する用紙カセットを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、その装置内部に、画像を印刷するための多数の用紙を積層して収納する用紙カセットが配設されており、印刷時に用紙カセットから現像装置へ用紙を1枚ずつ給紙するように構成されている。
【0003】
この給紙時に、積層された用紙同士の摩擦力や、静電気帯電等による電気的吸引力が大きい場合には、用紙カセットの繰出口付近に設けられた用紙を1枚毎に分離するための分離機構が十分に機能せず、複数の用紙が重なって給紙される重送や、多数の用紙が一度に繰出されて紙詰まりが生ずる不送り等の給紙異常が発生する場合がある。
【0004】
このため、従来の画像形成装置は、昇降可能に構成された用紙を積層するためのホッパテーブルと、最上位の用紙を繰出すためのローラと、繰出す用紙の給紙方向の前端を傾斜させる供給ガイドとを備え、用紙が供給されないことを検知した場合に、給紙動作を停止させ、用紙を積層したホッパテーブルを一旦下降させて、用紙の前端を供給ガイドの傾斜に沿わせてずらしながら沈下させ、再び上昇させた後に給紙を再開する回復動作を繰返して、用紙とローラとの摩擦力を回復させている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−165118号公報(段落0011、0014−0016、第2図、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術においては、給紙中に給紙異常が生じた場合に、用紙とローラとの摩擦力を回復させる回復動作を繰返し行うため、印刷処理の実行時における処理効率が低下するという問題がある。
【0007】
また、用紙の前端部のみを供給ガイドの傾斜に沿わせてずらしているため、用紙間の摩擦力や密着力を十分に除去することができないという問題がある。
【0008】
このことは、近年増加している特殊な用紙、例えばミシン目やプレカット等の加工が施されている用紙への印刷を行う場合に、用紙表面の凹凸が引掛ることにより用紙間の摩擦力が増加するため、特に問題となる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、用紙間の摩擦力や密着力が大きい用紙に印刷する場合であっても、給紙を円滑に行う手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、多数の用紙を積層して収納する用紙カセットを備える画像形成装置において、前記用紙カセットは、前記用紙カセットの挿抜と連動して、積層された前記用紙を部分的に上昇させる捌きプレートと、前記用紙カセットの挿抜と連動して、積層された前記用紙の、前記用紙カセットの引抜き方向の後端を押圧する後端押えとを有し、前記捌きプレートによる用紙の上昇と、前記後端押えによる後端の押圧とを、同時に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
これにより、本発明は、用紙間の摩擦力や密着力が大きい用紙を給紙する場合であっても、用紙間の密着を除去して給紙を円滑に行うことができ、給紙異常の発生を防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のプリンタの概略構成を示す説明図
【図2】実施例1のカセット装着部の概略構成を示す斜視図
【図3】実施例1のカセット装着部の断面を示す斜視図
【図4】実施例1のカセット装着部の側方断面を示す説明図
【図5】実施例1の用紙カセットの挿入状態を示す説明図
【図6】実施例1の用紙カセットの挿入状態を示す説明図
【図7】実施例1の用紙カセットの装着状態を示す説明図
【図8】実施例1の用紙カセットの引抜き状態を示す説明図
【図9】実施例2のカセット装着部の断面を示す斜視図
【図10】実施例2のカセット装着部の側方断面を示す説明図
【図11】図10のB−B断面線に沿った断面を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1において、1は画像形成装置としての電子写真方式のプリンタである。
【0015】
プリンタ1には、搬送ローラ2等を有する概ねS字状の用紙P搬送路3が設けられており、用紙P搬送路3の一端には画像を印刷する印刷用の媒体としての用紙Pを収納する用紙カセット4が、他端には印刷を終えた用紙Pを集積するスタッカ5が設けられている。
【0016】
用紙搬送路3には、用紙カセット4から用紙Pを用紙搬送路3へ1枚毎に繰出す繰出ローラとしてのホッピングローラ6と高摩擦部材からなる分離パッド7a(図4参照)が設けられた分離フレーム7とにより構成される分離機構8と、用紙Pを搬送する搬送ベルト9と、用紙P上のトナー像を熱により定着させる定着装置10と、定着を終えた用紙Pをスタッカ5上に排出する排出ローラ11等が設けられている。
【0017】
また、転写ローラ12と用紙搬送路3を挟んで対向する位置には、K色(ブラック)、Y色(イエロー)、M色(マゼンダ)、C色(シアン)を呈する現像剤としてのトナーをそれぞれ装着したトナーカートリッジや感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、供給ローラ等を有する4つの現像装置13が搬送方向に沿ってトナー像を現像する順に配置されている。
【0018】
14は露光ヘッドであり、LED(Light Emitting Diode)光等の光を発する発光体を複数1列に並べて構成され、現像装置13の感光体ドラムに対向配置されており、感光体ドラムを露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する機能を有している。
【0019】
16はカセット装着部であり、プリンタ1の下部に配置され、用紙カセット4を挿抜可能に装着する矩形の筐体である。
【0020】
カセット装着部16の底板16aには、図2、図3に示すように、その挿抜方向(図1における左右方向)の直交方向(幅方向という。)の中央部に、挿抜方向に沿った溝18が設けられ、その引抜き方向(図1における左方向)の後端(以下、単に後端という。)部には、引抜き方向の前端(以下、単に前端という。)側に傾斜面を有する突起部19が設けられている。
【0021】
また、カセット装着部16の前端部には、用紙カセット4を挿入する挿入口16bが設けられている。
【0022】
21は前端押圧部材としてのシートレシーブであり、用紙カセット4の引抜き方向の前端側に設けられた板状部材であって、図示しないリフトアップ機構により、シートレシーブ21の後端部に設けられた回転支点21aを中心に回動し、用紙Pの前端側を傾斜させて持上げ、ホッピングローラ6に用紙Pの前端部を押圧する機能を有している。
【0023】
図2、図3において、23は捌きプレートであり、用紙カセット4に収納される用紙Pの幅と同等の長手方向の長さを有する長円断面形状の板状部材であって、用紙カセット4の底板4aの挿抜方向の中央部に設けられた窓部24内に配置され、捌きプレート23の長手方向(上記幅方向と同じ)の両端面の短手方向の一の端部に設けられたポスト部23aを中心に回動する。
【0024】
25は小ギヤとしてのピニオンギヤであり、捌きプレート23のポスト23a側の半円弧面の長手方向の両端部に形成された、カセット装着部16の底面16aに設けられたギヤ部としてのラック部26に噛合うギヤであって、用紙カセット4の挿抜に連動してラック部26に噛合って捌きプレート23を略180度回動させる。
【0025】
28は後端押えであり、用紙カセット4に収納される用紙Pの位置決めを行う矩形断面形状の板状部材であって、用紙カセット4の底板4aの後端部の幅方向の中央部に設けられた窓部29内に配置され、後端押え28の幅方向の両端面に設けられたポスト部28aを中心に回動し、その前端側の面が、用紙カセット4の挿入時における後端押え28の回動時に用紙Pの後端を斜めに押圧する押圧面28bとして機能する。
【0026】
図4において、31は後端押え28を回動させるリンク機構であり、用紙カセット4の底板4aの裏面に形成されたリンク溝32内に配置され、後端押え28のポスト28a側の端部に設けられた段部に固定された連結ピン33に一端が回動自在に連結するリンクアーム34と、リンクアーム34の他端に設けられた連結ピン35に一端が回動自在に連結するレバー36とで構成され、リンクアーム34に形成された長穴に遊嵌する2つのガイドピン37と、レバー36に形成された長穴に遊嵌する支持ピン38とをガイドとしてレバー36が回動し、用紙カセット4の挿抜に連動して後端押え28をポスト部28aを中心に回動させる。
【0027】
39は板バネ等で形成されたバネ部材としてのスプリングであり、後端押え28のポスト28a側の端部の押圧面28bの反対側の面と、その面に対向する窓部29の側面との間に配置され、後端押え28を直立位置(図4に示す、用紙カセット4の底板4aから開口に向かって鉛直方向に延在する位置をいう。)に保持すると共に、後端押え28のポスト28a側の端部で圧縮されたときに、後端押え28を直立位置へ戻す方向に付勢力を発揮する。
【0028】
上記の用紙カセット4をカセット装着部16に挿入して収納する場合は、利用者は、図5に示すように、用紙カセット4の開口から多数枚の用紙Pを投入し、用紙カセット4の前端の面と後端押え28の押圧面28aとの間に載置して、用紙カセット4の底板4aと平行に位置するシートレシーブ21(シートレシーブ21の平行位置という。)上に用紙Pの前端側を、底板4a上に用紙Pの後端側を積層し、底板4aの裏面から突出するレバー36の先端を、カセット装着部16の底板16aに形成された溝18に合せて、用紙カセット4をその後端からカセット装着部16の挿入口16bに挿入する。
【0029】
このとき、捌きプレート23の先端は用紙カセット4の底板4aの裏面から垂れ下がった状態になっているが、用紙カセット4の挿入に伴って捌きプレート23が、カセット装着部16の挿入口16bの底板16aの角に当接して回動し、底板16aにガイドされてその先端を前端側に向けて底板16aと略平行(捌きプレート23の平行位置という。)になる。
【0030】
この状態で、用紙カセット4を更に挿入すると、捌きプレート23のピニオンギヤ25がカセット装着部16の底板16aに設けられたラック部26に噛合う(図5に示す状態)。
【0031】
捌きプレート23のピニオンギヤ25がラック部26に噛合った後に、用紙カセット4を更に挿入すると、図6に示すように、用紙カセット4の移動に伴ってピニオンギヤ25がラック部26に駆動されて捌きプレート23の先端がポスト23aを中心に平行位置から直立位置に向けて回動すると同時に、リンク機構31のレバー36の先端が、底板16aの溝18に設けられた突起部19の傾斜面に係合して支持ピン38をガイドとして回動し、スプリング39の付勢力に抗してガイドピン37にガイドされたリンクアーム34を後端側へ移動させ、後端押え28の先端をポスト28aを中心に前端側へ回動させて、押圧面28bを直立位置から前端側に傾斜させる(図6に示す状態)。
【0032】
用紙カセット4の挿入を装着位置(図4に示す位置)に向けて更に続けると、図7に示すように、用紙カセット4の移動に伴って捌きプレート23が直立位置から更に回動して、その先端を後端側に向けた平行位置になる。
【0033】
また、レバー36が突起部19を乗越えてレバー36と突起部19との係合が解除され、スプリング39の付勢力によって後端押え28を後端側へ回動させ、後端押え28が直立位置に戻る(図7に示す状態)。
【0034】
この後端押え28の押圧面28bを前端側へ回動させ、用紙Pの後端を斜めに押圧して積層された用紙Pの前端の最下位から最上位までの位置を変化させる傾斜押圧動作を行いながら、捌きプレート23の先端を前端側に向けた平行位置から直立位置を経て先端を後端側に向けた平行位置まで回動させて用紙Pの挿抜方向の中央部を持上げ、再び平行位置のシートレシーブ21上および底板4a上に戻して用紙Pの中央部を昇降させる捌き動作により、用紙P間の密着が除去される。
【0035】
そして、用紙カセット4が装着位置まで挿入されると、用紙カセット4が図示しないロック機構によりロックされると同時に図示しないリフトアップ機構によりシートレシーブ21の先端が回転支点21aを中心にホッピングローラ6の方向に回動し、積層された用紙Pの最上位の用紙Pの前端部をホッピングローラ6に押圧し、用紙カセット4の装着が終了する。
【0036】
上記のようにして用紙カセット4が装着されたプリンタ1が、図示しないホストコンピュータ等の上位装置からの印刷指示を受信すると、用紙Pへの印刷処理が開始され、ホッピングローラ6が回転を開始して最上位の用紙Pを繰出方向(引抜き方向と同じ)に繰出す。
【0037】
このとき、最上位の用紙Pの繰出しに伴って、最上部の複数枚の用紙Pが分離機構8のホッピングローラ6と分離フレーム7の分離パッド7a(図4参照)との挟持部に進入するが、上記した傾斜押圧動作を行いながらの捌き動作によって用紙P間の密着が除去された用紙Pは、分離パッド7aの摩擦力により1枚に分離され、ホッピングローラ6により用紙搬送路3へ繰出され、図1に矢印Aで示す搬送方向へ搬送され、現像装置13と転写ローラ12との間を通過する際に、現像装置13の感光体ドラムの表面に形成されたトナー像が用紙P上に転写され、定着装置10による熱と圧力によりトナー像が用紙P上に定着され、トナー像を定着した用紙Pが排出ローラ11によりスタッカ5上に排出されて印刷処理が終了する。
【0038】
なお、用紙カセット4への用紙Pの補充等の際に、用紙カセット4を引抜く場合は、以下のように作動する。
【0039】
すなわち、用紙カセット4の引抜きが開始されると、図示しないロック機構のロックが解除されると同時に図示しないリフトアップ機構によりシートレシーブ21の先端が底板4aの方向に回動して平行位置に移動し、用紙Pの最上位の用紙Pの前端部のホッピングローラ6による押圧が解除される。
【0040】
ロックの解除後に、用紙カセット4の引抜きを続けると、図8に示すように、用紙カセット4の移動に伴って捌きプレート23のピニオンギヤ25がラック部26に噛合い、先端を後端側に向けた平行位置にある捌きプレート23が直立位置に向けて回動すると同時に、リンク機構31のレバー36の先端が、底板16aの溝18に設けられた突起部19の後端側の面に係合して支持ピン38をガイドとしてレバー36が回動し、ガイドピン37にガイドされたリンクアーム34を前端側へ移動させ、後端押え28の先端を後端側へ回動させて直立位置から後端側に傾斜させる(図8に示す状態)。これによりレバー36と突起部19とが係合したときの用紙カセット4の引抜き力が軽減される。
【0041】
更に用紙カセット4の引抜きを続けると、用紙カセット4の移動に伴って捌きプレート23が直立位置から更に回動して、その先端を前端側に向けた平行位置になる。
【0042】
また、レバー36が突起部19を乗越えてレバー36と突起部19との係合が解除され、後端押え28が前端側へ回動して、スプリング39によって直立位置に保持される(図5に示す状態)。
【0043】
このようにして、用紙カセット4が引抜かれ、用紙Pの補充等の後に、上記した用紙カセット4の装着が行われる。
【0044】
以上説明したように、本実施例では、用紙カセットの挿抜動作に連動させて、後端押えによる用紙Pの後端の傾斜押圧動作と、捌きプレートにより用紙Pを昇降させる捌き動作を同時に行うので、用紙P間の摩擦力や密着力が大きい用紙Pを給紙する場合であっても、用紙P間の密着を除去して給紙を円滑に行うことができ、通常の分離機構による用紙カセットからの用紙Pの繰出しを容易にして、重送や不送りといった給紙異常を防止することができる。
【0045】
また、最小限の部品で傾斜押圧動作や捌き動作を行わせるので、製造コストの増加を抑制して高性能の給紙機構を実現することができる。
【実施例2】
【0046】
本実施例の説明においては、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図9、図10において、41は後端押えフレームであり、用紙カセット4の底板4aの後端と、窓部24との間の幅方向の中央部を挿抜方向に切欠いた切欠部42内に配置された矩形のブロック部材であって、後端押え28、それを回動させるリンク機構31およびスプリング39(図10参照)が上記実施例1と同様の形態で組込まれている。
【0048】
43はガイドレールであり、切欠溝42の幅方向の両側の側面に挿抜方向に沿って形成された突条であって、後端押えフレーム41の幅方向の両側の側面に設けられたガイド突起44をガイドして、後端押えフレーム41の底板4aの面方向に沿った移動を案内する。
【0049】
46はラッチ溝であり、ガイドレール43が設けられた切欠部42の側面に底板4aの厚さ方向に形成された台形断面形状の凹部であって、後端押えフレーム41の幅方向の両側の側面に取付けられた板バネ等からなるラッチスプリング47(図11参照)を嵌合させて、後端押えフレーム41に回動可能に設けられた後端押え28の位置決めを行う機能を有している。
【0050】
本実施例のラッチ溝46は3箇所設けられ、用紙カセット4に収納する用紙Pのサイズに応じて、いずれかのラッチ溝46にラッチスプリング47を嵌合させて後端押え28を位置決めすれば、当該サイズの用紙Pを所定の位置に積層することが可能なように構成されている。
【0051】
本実施例のカセット装着部16の底板16aに設けられた溝18には、上記実施例1の突起部19と同様の形状を有する突起部48がラッチ溝46間の間隔と同じ間隔で3箇所設けられ、ラッチ溝46にラッチスプリング47を嵌合させて後端押えフレーム41を位置決めしたときに突起部48とレバー36との距離が所定の距離となるように配置されており、後端押えフレーム41がいずれの位置にあっても、上記実施例1の後端押え28による用紙Pの後端の傾斜押圧動作と、捌きプレート23により用紙Pを昇降させる捌き動作とを同時に行うことが可能なように構成されている。
【0052】
上記の用紙カセット4をカセット装着部16に挿入して収納する場合は、利用者は、用紙カセット4の開口から所望のサイズの用紙Pを投入し、後端押えフレーム41を移動させて、用紙カセット4の前端の面と後端押え28の押圧面28aとの間に載置して、平行位置のシートレシーブ21上に用紙Pの前端側を、底板4a上に用紙Pの後端側を積層する。その後の作動は、上記実施例1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0053】
以上説明したように、本実施例では、後端押えやリンク機構等を組込んだ後端押えフレームを用紙カセットの挿抜方向に移動可能に構成したので、用紙カセットに収納する用紙Pのサイズが変化した場合においても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
なお、上記各実施例においては、画像形成装置は電子写真方式のプリンタであるとして説明したが、画像形成装置は前記に限らず、電子写真方式の複写機、ファクシミリ装置、およびプリンタを含めたこれらの複合機等であってもよい。これらの用紙カセットに本発明を適用すれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、上記各実施例においては、用紙として単票状のカットシートを積層して収納する用紙カセットを例に説明したが、ファンフォールドタイプの連続帳票を用紙として収納する用紙カセットであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 プリンタ
2 搬送ローラ
3 用紙搬送路
4 用紙カセット
4a、16a 底板
5 スタッカ
6 ホッピングローラ
7 分離フレーム
7a 分離パッド
8 分離機構
9 搬送ベルト
10 定着装置
11 排出ローラ
12 転写ローラ
13 現像装置
14 露光ヘッド
16 カセット装着部
16b 挿入口
18 溝
19、48 突起部
21 シートレシーブ
21a 回転支点
23 捌きプレート
23a、28a ポスト
24、29 窓部
25 ピニオンギヤ
26 ラック部
28 後端押え
28b 押圧面
31 リンク機構
32 リンク溝
33、35 連結ピン
34 リンクアーム
36 レバー
37 ガイドピン
38 支持ピン
39 スプリング
41 後端押えフレーム
42 切欠部
43 ガイドレール
44 ガイド突起
46 ラッチ溝
47 ラッチスプリング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の用紙を積層して収納する用紙カセットを備える画像形成装置において、
前記用紙カセットは、
前記用紙カセットの挿抜と連動して、積層された前記用紙を部分的に上昇させる捌きプレートと、
前記用紙カセットの挿抜と連動して、積層された前記用紙の、前記用紙カセットの引抜き方向の後端を押圧する後端押えとを有し、
前記捌きプレートによる用紙の上昇と、前記後端押えによる後端の押圧とを、同時に行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記後端押えの位置を、収納する前記用紙のサイズに応じて移動可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記用紙カセットを装着するカセット装着部にギヤ部を設けると共に、前記捌きプレートの一端に前記ギヤ部に噛合う小ギヤを設け、
前記用紙カセットの挿抜時に、前記ギヤ部で前記捌きプレートを回動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
前記用紙カセットを装着するカセット装着部に突起部を設けると共に、前記後端押えに連結するリンク機構にレバーを設け、
前記用紙カセットの挿抜時に、前記突起部で前記レバーを回動させることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−265090(P2010−265090A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118834(P2009−118834)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】