説明

画像形成装置

【課題】 画像形成部を支持する一対の上部側板フレームとその上部側板フレームを支持する一対の底部側板フレームとを備えるものにおいて、上部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じることを少なくし、被記録媒体に正確な画像を形成する。
【解決手段】 左右一対の側壁は、上部側板フレーム210L、210Rとその下の底部側板フレーム250L、250Rとからなる。一対の上部側板フレーム210L、210R間は、スキャナプレート270およびその他の連結部材242,243,244により連結され、枠状体を構成する。上部側板フレーム210L、210Rは複数の突出片215L,215Rを底部側板フレーム250L、250Rの台部255L,255Rの上面に当接させて載置状態で支持される。底部側板フレーム250L、250Rは各突出片215L,215Rよりも前後方向外方へ延在し、その先に脚264を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置に関し、詳しくは、上記画像形成部などを支持するフレーム構造に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の画像形成装置では、感光体,スキャナユニットなどの画像形成部をその左右両側に配置した側壁により支持することが行われている。例えば、特許文献1に記載された構成では、側壁を、板金フレームと樹脂フレームとを板厚方向(左右方向)に重ねたもので構成し、感光体とスキャナユニットとを板金フレームに支持してそれらの相対位置を規定するとともに、樹脂フレームに、被記録媒体の搬送を行うベルト、その被記録媒体に対してトナー像の定着を行う定着器およびその被記録媒体の排出を行う排出装置などを支持している。つまり、板金フレームに板金加工で多くのモジュールを支持する支持部を形成することが困難なため、位置精度を必要とするモジュールのみを板金フレームに支持し、他のモジュールを樹脂フレームに支持するようにしている。
ここでは、樹脂フレームで側壁の高さ方向全体を構成し、その上方部分のみに板金フレームを配置している。そして、一対の上部側板フレームの上端間をスキャナ支持プレートで連結し、板金フレームよりも下方へ延びている一対の樹脂フレームの中間部間を台板で連結し、下端間を底板で連結している。
【0003】
また、特許文献2に記載された構成では、画像形成部としてのトナー像形成装置を支持するトナー像形成装置支持フレームの下面に3個の脚を設け、そのトナー像形成装置支持フレームとは別体の下部フレームの上面にその3個の脚を当接させて、トナー像形成装置支持フレームを下部フレームによって支持することが提案されている。
この場合、下部フレームに歪があっても、トナー像形成装置支持フレームを3個の脚で安定して支持し、かつ下部フレームの歪がトナー像形成装置支持フレームに伝達されるのを抑制する。このため、トナー像形成装置を構成する各部の位置関係を正確に維持して、用紙等の被記録媒体に正確な画像を形成することができる。
【特許文献1】特開2007−148142号公報
【特許文献2】特開2000−330351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成の場合、画像形成装置が平らでない設置面に置かれたり、画像形成装置の上面に大きな力が加わったり、装置全体を少し落下させ下方向から衝撃が加わるなどして樹脂フレームに撓みや捩れなどの歪が生じると、一対の板金フレーム自体はその上端間のみで連結されているから、一対の板金フレームの相対位置もその影響をうけ、感光体とスキャナユニットとの相対位置が変化し、用紙等の被記録媒体に正確な画像を形成することができなくなる。
また、特許文献2に記載された構成の場合、トナー像形成装置支持フレームの下面に3個の脚を設けるために、トナー像形成装置支持フレームをその下面に底板、下部フレームをその上面に天板をそれぞれ有する箱型に形成する必要があり、大型化するのみならず、構成が複雑化して製造コストが上昇してしまう。
【0005】
本発明は、画像形成部を支持する一対の上部側板フレームとその上部側板フレームを支持する一対の底部側板フレームとを備えるものにおいて、上部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じることを少なくし、被記録媒体に正確な画像を形成することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達するため、請求項1に記載の発明は、感光体ユニットとその感光体ユニットを走査露光するスキャナユニットとを含む画像形成部を備え、前記感光体ユニットに対して搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、前記感光体ユニットおよび前記被記録媒体の搬送路を挟んでその両側で互いにほぼ平行に上下方向に立ち上がりその上下方向と直交する前後方向に延びる左右一対の上部側板フレームと、前記一対の上部側板フレームの下でその一対の上部側板フレームとほぼ平行に前後方向に延び、前記各上部側板フレームの下端と当接しその各上部側板フレームを載置状態で支持する上面、およびその上壁とは反対側で画像形成装置を支持する設置面と対向する下面を有する左右一対の底部側板フレームと、前記一対の上部側板フレームに設けられ、前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部と、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定し、前記スキャナユニットを支持するスキャナ支持プレートと、前記スキャナ支持プレートとは前記感光体ユニットを挟んで反対側において、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定するフレーム連結部材とを備え、前記一対の底部側板フレームを除く前記一対の上部側板フレームと前記スキャナ支持プレートと前記フレーム連結部材とで、前記前後方向とほぼ直交する面内において前記感光体ユニットを囲む枠状体を構成し、前記上部側板フレームは、上下方向に沿うほぼ面方向おいて、前記底部側板フレームの、前記上部側板フレームを支持する前記上面の部分と前記設置面と接する前記下面の部分との間の部分の部分の上下方向の剛性よりも、高い剛性を有していることを特徴とする。
【0007】
このように構成された画像形成装置では、スキャナユニットにより感光体ユニットを走査露光し、感光体ユニットによる被記録媒体への画像形成が実行される。ここで、感光体ユニットおよび被記録媒体の搬送路を挟んでその両側で立ち上がる左右一対の上部側板フレームは、左右一対の底部側板フレームの上面に載置状態で支持される。また、一対の上部側板フレームは、感光体ユニットを挟む位置で、スキャナ支持プレートとフレーム連結部材とでそれぞれ連結固定され、一対の底部側板フレームを除く一対の上部側板フレームとスキャナ支持プレートとフレーム連結部材とで、感光体ユニットを囲む枠状体が構成されている。そして、上部側板フレームは、上下方向に沿うほぼ面方向おいて、底部側板フレームの、上部側板フレームを支持する上面の部分と設置面と接する下面の部分との間の部分の部分の上下方向の剛性よりも、高い剛性を有している。このため、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、その歪が上部側板フレームに対し高い剛性の方向つまりほぼ面方向に沿って作用すること、および上部側板フレームとスキャナ支持プレートとフレーム連結部材とが枠状構造をなしていることにより、上部側板フレームに支持されたスキャナユニットと感光体ユニットの位置精度を良好に保ち、正確な画像を被記録媒体に形成することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記感光体ユニット、前記スキャナユニット、前記一対の上部側板フレーム、前記スキャナ支持プレート、前記フレーム連結部材、および前記感光体ユニットのための駆動部を含むユニットの重心は、前記一対の上部側板フレーム間の中間位置よりも一方の上部側板フレームに近接して位置するとともに、平面視において、前記各底部側板フレームの上面が前記各上部側板フレームを支持する複数の箇所を結ぶ輪郭線の内側に位置し、前記一方の底部側板フレームの上面が前記一方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅は、他方の底部側板フレームの上面が他方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
このように構成された画像形成装置では、上部側板フレームを一方の底部側板フレームの上面が支持する箇所の前後方向の幅は、他方の底部側板フレームの上面が他方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅よりも大きい。つまり、感光体ユニットおよび
スキャナユニットを含む上部側板フレームが底部側板フレーム上に、ほぼ三角形に近似した配列の複数箇所で支持されるので、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、感光体ユニットおよびスキャナユニットを含む上部側板フレームを安定して支持しやすい。しかも、重心が、一方の幅広の、上部側板フレームを支持する箇所に近接しているから、重心が、上部側板フレームを支持する複数の箇所を結ぶ輪郭線の内側から外へ移動することが少なく、感光体ユニットおよびスキャナユニットを含む上部側板フレームを安定して支持することができる。
また、底部側板フレームが上部側板フレームを支持する箇所が、左右一対の上部側板フレームと底部側板フレームとの間で構成されるから、支持構造を複雑化することなく、小型に構成することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、画像形成部に対して搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、前記画像形成部を挟んでその両側で互いにほぼ平行に上下方向に立ち上がりその上下方向と直交する前後方向に延び、前記画像形成部を支持する左右一対の上部側板フレームと、前記一対の上部側板フレームの下でその一対の上部側板フレームとほぼ平行に前後方向に延び、前記各上部側板フレームの下端と当接しその各上部側板フレームを載置状態で支持する上面、およびその上壁とは反対側で画像形成装置を支持する設置面と対向する下面を有する左右一対の底部側板フレームと、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定する連結部材とを備え、前記上部側板フレームは、上下方向に沿うほぼ面方向おいて、前記底部側板フレームの、前記上部側板フレームを支持する前記上面の部分と前記設置面と接する前記下面の部分との間の部分の上下方向の剛性よりも、高い剛性を有しており、前記画像形成部、前記一対の上部側板フレーム、前記フレーム連結部材、および前記画像形成部のための駆動部を含むユニットの重心は、前記一対の上部側板フレーム間の中間位置よりも一方の上部側板フレームに近接して位置するとともに、平面視において、前記各底部側板フレームの上面が前記各上部側板フレームを支持する複数の箇所を結ぶ輪郭線の内側に位置し、前記一方の底部側板フレームの上面が前記一方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅は、他方の底部側板フレームの上面が他方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
このように構成された画像形成装置では、画像形成部を挟んでその両側で立ち上がる左右一対の上部側板フレームは、左右一対の底部側板フレームの上面に載置状態で支持される。また、一対の上部側板フレーム間は、連結部材で連結固定されている。そして、上部側板フレームは、上下方向に沿うほぼ面方向おいて、底部側板フレームの、上部側板フレームを支持する上面の部分と設置面と接する下面の部分との間の部分の上下方向の剛性よりも、高い剛性を有している。このため、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、その歪が上部側板フレームに対し高い剛性の方向つまりほぼ面方向に沿って作用するので、上部側板フレームに支持された画像形成部の位置精度を良好に保つことができる。
さらに、上部側板フレームを一方の底部側板フレームの上面が支持する箇所の前後方向の幅は、他方の底部側板フレームの上面が他方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅よりも大きい。つまり、画像形成部を含む上部側板フレームが底部側板フレーム上に、ほぼ三角形に近似した配列の複数箇所で支持されるので、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、画像形成部を含む上部側板フレームを安定して支持しやすい。しかも、重心が、一方の幅広の、上部側板フレームを支持する箇所に近接しているから、重心が、上部側板フレームを支持する複数の箇所を結ぶ輪郭線の内側から外へ移動することが少なく、画像形成部を含む上部側板フレームを安定して支持することができる。その結果、画像形成部の位置精度を良好に保ち、正確な画像を被記録媒体に形成することができる。
また、底部側板フレームが上部側板フレームを支持する箇所が、左右一対の上部側板フレームと底部側板フレームとの間で構成されるから、支持構造を複雑化することなく、小型
に構成することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記画像形成部は、感光体ユニットとその感光体ユニットを走査露光するスキャナユニットとを含み、前記一対の上部側板フレームは、前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部を有し、前記連結部材は、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定し前記スキャナユニットを支持するスキャナ支持プレート、およびそのスキャナ支持プレートとは前記感光体ユニットを挟んで反対側において、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定するフレーム連結部材を含むことを特徴とする。
【0013】
このように構成された画像形成装置では、一対の上部側板フレームは、画像形成部として感光体ユニットとスキャナユニットとを支持し、感光体ユニットを挟む位置で、スキャナ支持プレートとフレーム連結部材とでそれぞれ連結固定されている。このため、一対の上部側板フレーム、スキャナ支持プレート、およびフレーム連結部材で、感光体ユニットを囲む枠状体が構成されるので、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、スキャナユニットと感光体ユニットの位置精度を良好に保ち、正確な画像を被記録媒体に形成することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の構成において、前記各底部側板フレームは、前記上面を有するほぼ水平方向に延びる上壁、その上壁から下方に間隔をおき前記下面を有するほぼ水平方向に延びる下壁、および前記上壁と下壁とを連結するほぼ上下方向に延びる側壁を含み、前記上壁と下壁と側壁とに囲まれる側方に開放した内部空間を有することを特徴とする。
【0015】
このように構成された画像形成装置では、底部側板フレームは、上壁、下壁、および側壁によって側方に開放した内部空間を有し、上部側板フレームに沿って前後方向に長い形状に構成されるので、上部側板フレームおよびそれに支持した装置の重量を常態では安定して支持することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の構成において、前記底部側板フレームの下面は、下方へ突出し前記設置面と接する脚を含み、前記上部側板フレームは、前記底部側板フレームの、前記上部側板フレームを支持する前記上面の部分と前記脚との間の部分よりも、上下方向において高い剛性を有していることを特徴とする。
【0017】
このように構成された画像形成装置では、底部側板フレームは下方へ突出した脚により設置面と接し、その脚のない部分を設置面から離間させることによって、上部側板フレームよりも底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じやすくでき、上部側板フレームへの撓みや捩れなどの影響を少なくして、画像形成部の位置精度を良好に保ち、正確な画像を被記録媒体に形成することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の構成において、前記各底部側板フレームは、前記上面が前記上部側板フレームを支持する箇所よりも前記上部側板フレームの前後方向外方へ延在しており、その延在部分は、前記箇所をほぼ中心として上方へ、前記上部側板フレームよりも低い剛性をもって変形可能であることを特徴とする。
【0019】
このように構成された画像形成装置では、底部側板フレームは、その上面が上部側板フレームを支持する箇所よりも上部側板フレームの前後方向外方へ延在しているので、設置面が平らでなかったり、底部側板フレームに衝撃が加わるなどしたとき、その延在部分を、前記箇所をほぼ中心として上方へ変形させることができる。このとき、延在部分は、上部側板フレームよりも低い剛性をもって変形可能であるので、底部側板フレームの変形が
上部側板フレームへ影響することを少なくし、画像形成部の位置精度を良好に保ち、正確な画像を被記録媒体に形成することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の構成において、前記底部側板フレームの上面が前記上部側板フレームを支持する箇所は、前記上部側板フレームの前後方向の両端から内側に間隔をあけて存在し、その支持箇所よりも前後方向外方の、前記上部側板フレームの下端と前記底部側板フレームの上面との間に、前記底部側板フレームの変形を許容する隙間を備え、その隙間を超える前記底部側板フレームの変形を阻止するように前記上部側板フレームの下端を前記底部側板フレームの上面と対向させていることを特徴とする。
【0021】
このように構成された画像形成装置では、底部側板フレームの前記延在部分は、上方へ変形するとき、上部側板フレームの下端との間の隙間分は変形可能であるが、その隙間を超えて変形しようとするとき、上部側板フレームの下端と当接して変形を阻止される。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の構成において、前記各底部側板フレームの下壁は、下方へ突出し前記設置面と接する脚を含み、その脚近傍の前記下壁は、前記内部空間へ向け、前記上部側板フレームよりも低い剛性をもって変形可能であることを特徴とする。
【0023】
このように構成された画像形成装置では、底部側板フレームは下方へ突出した脚により設置面と接し、その脚のない部分を設置面から離間させることによって、脚に作用する重量や衝撃により脚近傍のほぼ水平方向に延びる下壁を内部空間へ向け変形させることができる。しかも、その下壁は、上部側板フレームよりも低い剛性をもって変形可能であるから、上部側板フレームへの変形の影響を少なくして、画像形成部の位置精度を良好に保ち、正確な画像を被記録媒体に形成することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1または4に記載の構成において、前記一対の上部側板フレームが板金製であり、少なくとも前記スキャナ支持手段との結合部と前記感光体ユニットの位置決め部との間が、平面状に構成されていることを特徴とする。
【0025】
このように構成された画像形成装置では、一対の上部側板フレームの、スキャナ支持手段との結合部と感光体ユニットの位置決め部との間に、折り曲げ加工部がないので、スキャナユニットと感光体ユニットとの位置精度を一層良好に確保でき、正確な画像を形成することができる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の構成において、前記上部側板フレームに設けられ前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部は、前記一対の上部側板フレームに互いに対向するようにそれぞれ穿設された一対の穴であり、その一対の穴間に橋渡された軸部材に、前記感光体ユニットを当接させていることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【0027】
このように構成された画像形成装置では、一対の上部側板フレームに互いに対向するように一対の穴を穿設するので、感光体ユニットを位置決めするために折り曲げ加工をしない。このため、感光体ユニットを正確に位置決めすることができる。また、一対の穴間に橋渡された軸部材に、感光体ユニットを当接させるので、感光体ユニットを上部側板フレームに対して容易に装着してスキャナユニットと感光体との位置精度を良好に確保し、一層正確な画像を形成することができる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の構成において、前記上部側板フレームに設けられ前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部は、前記一対の上部側板フレー
ムに互いに対向するようにそれぞれ穿設された一対の穴であり、前記感光体ユニットから左右に突出した軸部材を、その一対の穴に当接させていることを特徴とする。
【0029】
このように構成された画像形成装置では、一対の上部側板フレームに互いに対向するように一対の穴を穿設するので、感光体ユニットを位置決めするために折り曲げ加工をしない。このため、感光体ユニットを正確に位置決めすることができる。また、感光体ユニットから左右に突出した軸部材を、その一対の穴に当接させるので、感光体ユニットを上部側板フレームに対して容易に装着してスキャナユニットと感光体との位置精度を良好に確保し、一層正確な画像を形成することができる。
【0030】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の構成において、前記上部側板フレームの、前記底部側板フレームの上面で支持される箇所は、前記スキャナユニットとの結合部および前記感光体ユニットの位置決め部と、同一平面状に構成されていることを特徴とする。
【0031】
このように構成された画像形成装置では、上部側板フレームの、底部側板フレームの上面で支持される箇所が、スキャナユニットとの結合部および感光体ユニットの位置決め部と、同一平面状に構成されるので、底部側板フレームに対してスキャナユニットおよび感光体ユニットを正確に位置決めすることができる。したがって、画像形成装置全体における画像形成部の位置を正確に規定し、被記録媒体に正確な画像を形成することができる。
【0032】
請求項14に記載の発明は、請求項1から13のいずれかに記載の構成において、前記底部側板フレームは、前記上部側板フレームの、前記底部側板フレームの上面で支持される箇所に隣接する位置から前記上部側板フレームの側面に沿って上方に突出した複数の取付片を備え、その各取付片と前記上部側板フレームとは、前記上部側板フレームと前記底部側板フレームとの、前後および上下方向の相対移動を許容する程度に緩やかに締結手段により固定されていることを特徴とする。
【0033】
このように構成された画像形成装置では、上部側板フレームが底部側板フレームの上面に載置状態で支持され、底部側板フレームの上面から上方に突出した複数の取付片と上部側板フレームとは、上部側板フレームと底部側板フレームとの、前後および上下方向の相対移動を許容する程度に緩やかに締結手段により固定されるから、上部側板フレームを底部側板フレームに対し所定の位置に位置決めして固定してもその位置決め状態に影響を与えないから、上部側板フレームは底部側板フレームに対し所定の位置に正確に固定される。また、底部側板フレームの歪が上部側板フレームにそのまま伝達されることが少なく、被記録媒体に正確な画像を形成することができる。
【0034】
請求項15に記載の発明は、請求項1または4に記載の構成において、前記感光体ユニットは、前記スキャナユニットとそれぞれ対向して複数個配列され、その複数の感光体ユニットの配列方向に沿って、前記感光体ユニット上に形成された画像を前記被記録媒体に転写するためのベルトが配置され、そのベルトが前記一対の上部側板フレーム間に支持されていることを特徴とする。
【0035】
このように構成された画像形成装置では、複数個の感光体ユニットが上部側板フレームによって正確な位置に配置され、さらに、その複数の感光体ユニットの配列方向に沿ってベルトも上部側板フレームによって正確な位置に配置される。
【0036】
請求項16に記載の発明は、請求項1、4または15に記載の構成において、前記一対の上部側板フレーム間の空間は、前後方向の少なくとも一方を開放され、前記感光体ユニットは、複数個存在し、その複数の感光体ユニットは、前記一対の上部側板フレーム間か
ら一体に引き出し可能な引き出しユニットとして構成され、前記一対の上部側板フレームに設けられたレール部材上に前後方向に摺動可能に支持され、前記スキャナユニットとそれぞれ対向する位置において前記位置決め部に位置決めされていることを特徴とする。
【0037】
このように構成された画像形成装置では、引き出しユニットとして構成された複数の感光体ユニットは、前述のように枠状体に構成された一対の上部側板フレームのレール部材上に前後方向に摺動可能に支持され、スキャナユニットとそれぞれ対向する位置において位置決め部に位置決めされ、正確に画像形成される。また、複数の感光体ユニットは引き出しユニットとして、一対の上部側板フレーム間から外部に容易に引き出される。
【0038】
請求項17に記載の発明は、請求項1から16のいずれかに記載の構成において、前記一対の底部側板フレーム間の空間は、前後方向の少なくとも一方を開放され、前記被記録媒体を収容するための供給トレイが、その空間内に位置し、かつ前記一対の底部側板フレームに設けられたレール部材上に前後方向に摺動可能に支持されていることを特徴とする。このように構成された画像形成装置では、画像形成部を支持する一対の上部側板フレームを下から支持する一対の底部側板フレーム間を利用して被記録媒体を収容するための供給トレイを配置しているから、装置全体を小型に構成することができるとともに、前述のように、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、上部側板フレームにその影響がおよぶのを少なくして画像形成部の位置精度を良好に保つことができる。
【0039】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の構成において、前記一対の底部側板フレームは、前記供給トレイが位置する前記空間の下方において、連結部材により相互に連結固定されていることを特徴とする。このように構成された画像形成装置では、前述のように枠状体に構成された一対の上部側板フレームの下に位置する一対の底部側板フレーム間をさらに連結部材により相互に連結固定するので、全体として所定の強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
[レーザプリンタの全体構成]
以下、本発明をレーザプリンタ100に適用した実施の形態を説明する。図1はレーザプリンタ100の内部構成を表す斜視図である。なお、以下の説明において、図1における左手前側を前方とする。レーザプリンタ100は、略箱型に構成された本体フレーム200を備え、さらにその本体フレーム200内に後述する画像形成部300などを支持している。なお、図示省略したが、本体フレーム200の外面には、樹脂製の外装カバーが覆い付けられている。
【0041】
[画像形成部の構成]
図2は、画像形成部300の構成を概略的に表す断面図である。画像形成部300は、大略、たとえばブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各色に対応した複数の画像形成ユニット320と、スキャナユニット330と、ベルトユニット310とからなる。複数の画像形成ユニット320は、レーザプリンタ100の前面側からブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順で前後方向に並んで配置され、タンデム方式のカラー画像形成部を構成している。また、この複数の画像形成ユニット320は、本体フレーム21に引き出し可能に装着された引き出しユニット350に設けられた複数の収納部(図示省略)に、個々に着脱可能に保持されている。
【0042】
各画像形成ユニット320は、円筒ドラム状の感光体ユニット321と、スコロトロン型帯電器322と、現像カートリッジ324とを備えて構成されている。感光体ユニット321は、接地された金属製のドラム本体を備え、その表層をポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層で被覆することにより構成されている。なお、感光体ユニット321
は、無端ベルト状のものであってもよい。
【0043】
スコロトロン型帯電器322は、感光体ユニット321の後側斜め上方において、感光体ユニット321と接触しないように所定間隔を隔てて、感光体ユニット321と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器322は、タングステン等の帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させることにより、感光体ユニット321の表面を一様に正極性に帯電させる。現像カートリッジ324は、内部にトナー収容室325を備え、その中に収容されたブラック,シアン,マゼンタ,またはイエローの正帯電性非磁性1成分トナーを正に摩擦帯電させた上で現像ローラ326を介して感光体ユニット321に供給する周知のものである。
【0044】
ベルトユニット310は、駆動ローラ311と従動ローラ312との間に搬送ベルト313を架設して構成されている。搬送ベルト313は、複数の画像形成ユニット320の感光体ユニット321の配列方向に沿って延びており、駆動ローラ311の回転によって、同方向に回転駆動される。さらに、ベルトユニット310は、搬送ベルト313を挟んで各感光体ユニット321と対向する位置に複数の転写ローラ314を備えている。搬送ベルト313上には、後述する供給トレイ267から、被記録媒体たとえば用紙Pが給紙ローラ等の各種ローラ(図示省略)によって供給され、その用紙Pは各感光体ユニット321との対向部を通ってレーザプリンタ100の後方へ搬送される。
【0045】
スキャナユニット330は、複数の画像形成ユニット320の上方に配置され、各色の画像データに対応するレーザ光Lk,Ly,Lm,Lcを発生する半導体レーザ、およびそのレーザ光Lを偏向するポリゴンミラー(いずれも図示省略)を備え、各感光体ユニット321を走査露光する周知のものである。このため、各感光体ユニット321の表面は、その回転時、先ずスコロトロン型帯電器322により一様に正帯電される。その後、スキャナユニット330からのレーザ光Lの高速走査により露光されて、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。次いで、現像ローラ326の回転により、現像ローラ326上に担持され正帯電されているトナーが、感光体ユニット321に対向して接触するときに、感光体ユニット321の表面上に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ユニット321の静電潜像は可視像化され、感光体ユニット321の表面には、露光部分にトナーが付着したトナー像が担持される。
【0046】
その後、各感光体ユニット321の表面上に担持されたトナー像は、搬送ベルト313によって搬送される用紙Pが感光体ユニット321と転写ローラ314との間を通るときに、転写ローラ314に定電流制御で印加される負極性の転写バイアスによって、用紙Pに順次転写される。なお、トナー像をベルト313上に転写し、そのベルト313から用紙Pに画像を転写するようにしてもよい。
こうしてトナー像が転写された用紙Pは、次いで、ベルトユニット310の後方に配設された定着器340に搬送される。
【0047】
定着器340は、ハロゲンランプ等の熱源を備えて回転駆動される加熱ローラ341と、加熱ローラ341の下方において、加熱ローラ341を押圧するように対向配置され従動回転される加圧ローラ342とを備えている。この定着器340では、4色のトナー像を坦持した用紙Pを、加熱ローラ341と加圧ローラ342とによって狭持搬送しながら加熱することにより、トナー像を用紙Pに熱定着させる。そして、トナー像が熱定着された用紙Pは、図示省略した各種ローラにより、レーザプリンタ100の上面に設けられた排紙トレイ(図示省略)に排出される。
【0048】
[本体フレームの全体構成]
本体フレーム200は、大略、左右一対の側壁を構成する上部側板フレーム210L,
210Rおよび底部側板フレーム250L,250Rと、その一対の側壁間を相互に連結固定する連結部材241,242,243,244,252,253,270とからほぼ箱型に構成されている。
【0049】
各上部側板フレーム210L,210Rは、鋼板などからなる板金製であり、画像形成部300を挟んでその両側で互いにほぼ平行に上下方向に立ち上がりその上下方向と直交する前後方向(ベルト313上で用紙Pを搬送する方向と平行な方向)に延びる平板状に形成され、その外周において、剛性を高めるためその平板部分から直交する方向に折り曲げた折曲縁を有している。
【0050】
各底部側板フレーム250L,250Rは、樹脂製であり、上部側板フレーム210L,210Rの下においてそれと平行に前後方向に延び、またそれと前後方向にほぼ同等あるいはそれよりも少し長い長さを有している。さらに各底部側板フレーム250L,250Rは、ほぼ水平方向に延びる上壁261と、その上壁から下方に間隔をおきほぼ水平方向に延びる下壁262と、およびその上壁と下壁とを連結するほぼ上下方向に延びる側壁263とを一体に成形して有し、その上壁、下壁および側壁に囲まれる側方に開放した内部空間を備えている。この形状は、断面係数を大きくして、上部側板フレームおよび画像形成部の重量を常態で安定して支持するためのものであり、必要により上壁と下壁との間を複数のリブで連結して強度を高めることができる。
各底部側板フレーム250L,250Rは、上壁261の上面に、対応する上部側板フレーム210L,210Rを後述するように載置状態で支持し、下壁262の下面を画像形成装置を支持する設置面265(図7)と対向させる。下壁262の下面は、長手方向の前後両端近傍にそれぞれ、設置面265に接する脚264(図7)を下方に突出して有している。
【0051】
側壁間を連結する連結部材の1つは、スキャナユニット330を支持する板金製のスキャナプレート270である。そのスキャナプレート270の左右両側の端縁272は、上方に直角に屈曲されて、左右一対の上部側板フレーム210L,210Rの内側面の上端部にそれぞれ、前後方向の複数箇所でビス273により固定されている。これによって、スキャナプレート270は一対の上部側板フレーム210L,210Rの間に水平に支持される。スキャナプレート270は、上面にスキャナユニット330を載置状態に支持し、各感光体ユニット321に対応する位置にレーザ光Lを透過する複数のスリット271(図3(A),図4(A))を有している。
スキャナユニット330の前半分を上方から覆う板金製のスキャナカバー241は、一対の上部側板フレーム210L,210Rの上端から外側に折り曲げられた折曲縁にビスにより固定されている。このスキャナカバー241も側壁間を連結する連結部材の1つを兼ねる。
【0052】
他の一部の連結部材は、左右一対の上部側板フレーム210L,210Rの内側面の、前上角部、後上角部および前下方部間を連結固定する、フロントビーム242、リアビーム243およびフレーム連結部材244である。さらに他の連結部材は、左右一対の底部側板フレーム250L,250Rの下壁262間を連結固定するフロントビーム252,リアビーム253である。それらの連結部材242,243,244,252,253は、板金を折り曲げ加工または強化樹脂により製作され、その左右両端は、上部側板フレーム210L,210Rの内側面または底部側板フレーム250L,250Rの下壁にビスにより固定されている。なお、強化樹脂としては、例えば、ガラス,フィラー,その他の添加剤等によって強化した樹脂が用いられる。
フレーム連結部材244は、引き出しユニット350よりも下方に位置する。なお、フレーム連結部材244は、供給トレイ267から搬送ベルト313へ被記録媒体を供給するローラ等を備えたユニットの筐体を兼用するようにしてもよい。
また、前上角部のフロントビーム242は、スキャナカバー241またはスキャナプレート270の前端に一体に製作したものであってもよい。
【0053】
一対の上部側板フレーム210L,210Rおよびそれらを連結する連結部材241,242,243,244,270は、前後方向と直交する面内において(つまり前後方向から見て)引き出しユニット350を囲む枠状体を構成する。また、その枠状体の下に、ビーム252,253により相互に連結固定された一対の底部側板フレーム250L,250Rが接続され、前記の枠状体と協働してもう1つの枠状体を構成している。換言すると、枠状体に構成された一対の上部側板フレーム210L,210Rの下に位置する一対の底部側板フレーム250L,250R間をさらにビーム252,253により相互に連結固定し、全体として所定の強度を確保している。
前者および後者の枠状体内の空間は、前後方向に開口しているが、引き出しユニット350および供給トレイ267の引き出しのためには、前方のみ開口していてもよい。
【0054】
一対の上部側板フレーム210L,210Rには、その互いに対向する内面に沿ってそれぞれ、内側支持板265L,265R(図3,図9)が固定されている。内側支持板265L,265Rの上端面は、前後方向にほぼ直線状に延びるレール部材266として形成され、そのレール部材266の上方には、レール部材266と協働してガイド空間を形成するガイド部材267が上部側板フレーム210L,210Rの内面に固定されている。引き出しユニット350は、左右一対のレール部材266上に前後摺動可能に支持されている。画像形成ユニット320は、引き出しユニット350を上部側板フレーム210L,210Rから前方へ引き出すことにより、引き出しユニット350に対して着脱することができる。
【0055】
引き出しユニット350は、その前端近傍には、左右方向に突出した軸部材351(図1)を有し、またその後端には、後方へ向け開放した切欠部352(図2)を有する。引き出しユニット350の本体フレーム200内への装着時に、軸部材351は、一対の上部側板フレーム210L,210Rの前端に形成された一対の穴211に係合され、切欠部352は、一対の上部側板フレーム210L,210Rの間に架け渡された軸部材220に係合される。
【0056】
前端の穴211は、前方に開口するとともに下部壁面を水平方向に延在させて形成され、その穴211の下部壁面に支持軸351を載せることにより、引き出しユニット350の前端を上下方向に位置決めする。後方の軸部材220は、一対の上部側板フレーム210L,210Rの互いに対向する位置に穿設された一対の矩形の穴212に、両端を挿入して支持され、穴212の後下側の角部に向かって線状のバネ230によって付勢されている。引き出しユニット350の後端は、その穴212の角部に、切欠部352および軸部材220を介して上下方向及び前後方向に位置決めされる。
これにより、複数の感光体ユニット321は、引き出しユニット350の本体フレーム200内への装着状態において、スキャナユニット330に対し所定の間隔でかつ前後方向において所定の位置に位置決めされる。
【0057】
左側の上部側板フレーム210Lおよびその内側の内側支持板265Lには、感光体ユニット321および現像ローラ326を駆動するための駆動カップリング(図示省略)が挿通される丸穴213,214が穿設されている。図3に仮想線で示すように、左側の上部側板フレーム210Lの外側には、その各駆動カップリングをモータによって駆動する駆動部500が固定される。なお、このような駆動カップリングおよび駆動部500の構成は、例えば特開2007−101635号公報および特開2008−9262号公報などにより公知であるので詳細な説明は省略する。
また右側の内側支持板265Rと対向する引き出しユニット350の側面には、画像形
成ユニット320に接続された電気接点(図示省略)が配置され、右側の内側支持板265Rには、その電気接点と接触する電気接点が配置されている。それらの電気接点の接触をとおして画像形成ユニット320内の各部に給電、あるいは接地することができる。
【0058】
そして、前述の穴211,212は、丸穴213,214や前述のビス273が挿通されるビス穴(図示省略)などとともに、プレス加工などによって上部側板フレーム210L,210Rに同時穿設されている。しかも、各ビス穴と穴211,212との間に配設される上部側板フレーム210L,210Rは、折り曲げ加工部を有さない平面状に構成されている。このため、レーザプリンタ100では、スキャナユニット330と引き出しユニット350との位置精度を良好に確保することができ、延いては、スキャナユニット330と各感光体ユニット321との位置精度を良好に確保して正確な画像を形成することができる。
【0059】
ベルトユニット310は、一対の内側支持板265L,265Rの下方部分間に橋渡して着脱可能に取り付けられ、この取り付け位置において、各感光体ユニット321と対向する。定着器340は、一対の上部側板フレーム210L,210Rの後方部分間に橋渡して取り付けられる。なお、ベルトユニット310および定着器340は、一対の底部側板フレーム250L,250R間に取り付けられてもよい。
【0060】
用紙Pを収容した供給トレイ267(図10)は、一対の底部側板フレーム250L,250R間に配置され、その互いに対向する側面に設けたレール部材268上に前後方向に摺動可能に支持されている。供給トレイ267を一対の底部側板フレーム250L,250R間から前方へ引き出したとき、その供給トレイ267に用紙Pを補給することができ、供給トレイ267をベルトユニット31下の所定位置に装着したとき、供給トレイ267内の用紙Pに公知のローラを接触させ、その用紙Pをベルトユニット31に供給することができる。
【0061】
[上部側板フレームの底部側板フレームへの支持構造]
一対の上部側板フレーム210L,210Rの下端縁は、一部を、内側に折曲せずに下方へ突出した矩形の突出片215L,215Rとしている。底部側板フレーム250L,250Rは、突出片215L,215Rと対応する位置に、上面を平坦として突出した台部255L,255Rを有する。一対の上部側板フレーム210L,210Rは、突出片215L,215Rの下端を台部255L,255Rの上面に当接状態に載置される。
【0062】
突出片215L,215Rは各上部側板フレーム210L,210Rに複数個ずつ設けられている。たとえば、突出片215L,215Rは右側の上部側板フレーム210Rには前後方向に間隔をあけて2個設けられ、上述するように大きな重量が作用する左側の上部側板フレーム210Lには3個設けられている。図7、図8に示すように、各上部側板フレーム210L,210Rの前後方向の両端に位置する突出片215L,215Rは、各上部側板フレーム210L,210Rの前後方向の両端よりも内側に距離L1を置いて位置し、その突出片215L,215Rよりも前後方向の外側において上部側板フレーム210L,210Rの下端と底部側板フレーム250L,250Rとの間に隙間を置いている。
【0063】
一対の上部側板フレーム210L,210R、連結部材241,242,243,244,270、画像形成部300(引き出しユニット350,スキャナユニット330定着器340およびベルトユニット310を含む)、およびその画像形成部のための駆動部500を含むユニットの重量は、突出片215L,215Rを介して台部255L,255Rの上面に作用する。また、その重心は、一対の上部側板フレーム210L,210R間の中間位置よりも、駆動部500を有する左側の上部側板フレーム210Lに近接して位
置するとともに、平面視において、最外側に位置する複数の突出片215L,215Rと台部255L,255Rとの当接部を結ぶ輪郭線の内側に位置している。
左側の上部側板フレーム210Lにおける前後両端の2つの突出片215Lの間隔L2は、右側の上部側板フレーム210Rにおける前後両端の2つの突出片215Rの間隔L3よりも大きく設定されている。
【0064】
底部側板フレーム250L,250Rに設けた各脚264は、各上部側板フレーム210L,210Rにおける前後両端の2つの突出片215L,215Rよりも前後方向外側に距離LAをおいて位置する。換言すると、底部側板フレーム250L,250Rは、突出片215L,215Rよりも前後方向外側へ延在していることになり、その延在部分を、突出片215L,215Rの下方部分をほぼ中心として上方へ弾性変形可能にしている。
【0065】
上部側板フレーム210L,210Rの前端近傍の下端縁には、円弧部を上にしたU字状の切欠部218が形成され、底部側板フレーム250L,250Rの上記切欠部218との対向位置には、断面が円弧部を上にしたU字状の突起258が形成されている。各切欠部218と突起258との係合によって上部側板フレーム210L,210Rの底部側板フレーム250L,250Rに対する前後方向の位置が規定される。
【0066】
また、各底部側板フレーム250L,250Rは、台部255L,255Rの近傍において、上部側板フレーム210L,210Rの外側側面に沿って上方へ突出した複数の取付片256を有している。各取付片256には、ビス251の挿通孔257が穿設されている。上部側板フレーム210L,210Rには、各突出片215L,215Rが各台部255L,255Rに当接しかつ切欠部218と突起258とが係合したときに、挿通孔穴257と対向する位置に、ビス穴217が穿設されている。ビス251が挿通孔257をとおってビス穴217に螺合されることにより、各底部側板フレーム250L,250Rに上部側板フレーム210L,210Rが固定される。
【0067】
図9に示すように、ビス251はいわゆる段付きネジとして構成され、挿通孔257は、その段部の径よりも上下方向の幅および前後方向の長さが十分に大きく形成されている。これにより、ビス251は、取付片256を上部側板フレーム210L,210Rに対して強く押しつけず、前後および上下方向に相対移動を許容する程度に緩やかに固定している。これにより、突出片215L,215Rと台部255L,255Rとの当接、および切欠部218と突起258との係合位置に影響することなく底部側板フレーム250L,250Rと上部側板フレーム210L,210Rとを固定することができる。また、その固定は突出片215L,215Rの近傍において行われるので、後述するように底部側板フレーム250L,250Rが変形するとき、その変形を妨げるのを少なくすることができる。さらに、底部側板フレーム250L,250Rと上部側板フレーム210L,210Rとの線膨張係数が異なったとしても、温度変化による膨張または収縮の差を吸収することができる。
【0068】
[本実施の形態の効果]
上記のように構成された本実施の形態の装置では、一対の上部側板フレーム210L,210Rを含む枠状体、画像形成部300、および駆動部500を含むユニットの重量は、突出片215L,215Rを介して台部255L,255Rの上面に作用している。底部側板フレーム250L,250Rに設けた複数の脚264は、各上部側板フレーム210L,210Rにおける前後両端の2つの突出片215L,215Rよりも前後方向外側に位置している。このため、前記重量は、前後2つの脚264間において底部側板フレーム250L,250Rの弾性により受けられる。
【0069】
上部側板フレーム210L,210Rに上方から衝撃が加わったり、あるいは任意の1つの脚264が設置面の凹凸などにより持ち上げられたとき、底部側板フレーム250L,250Rの、突出片215L,215Rよりも前後方向外側へ延在している部分が、脚264をほぼ中心として内側(上部側板フレームの側)を下方へ、あるいは相対的には図7に二点鎖線で示すように、突出片215L,215Rの下方部分をほぼ中心として上方へ弾性変形する。このとき、その底部側板フレーム250L,250Rの延在部分の上面と、上部側板フレーム210L,210Rの下端との間には、隙間が存在するので、底部側板フレーム250L,250Rに作用した捩りモーメントなどの影響は、上部側板フレーム210L,210Rにはきわめて小さくなる。また、前記衝撃が過大になるなどして底部側板フレーム250L,250Rの変形量が隙間の高さを超える場合、底部側板フレーム250L,250Rの延在部分の上面がそれと対向する上部側板フレーム210L,210Rの下端と当接し、その変形を抑え、底部側板フレーム250L,250Rの塑性変形あるいは破壊を防止することができる。
【0070】
上部側板フレーム210L,210Rに、底部側板フレーム250L,250Rから撓みや捩りモーメントなどが作用したとしても、それは、上部側板フレーム210L,210Rには上下方向つまりその面方向に沿って作用する。上部側板フレーム210L,210Rは面方向には、底部側板フレーム250L,250Rの延在部分の上下方向の剛性よりも高い剛性を有しているので、画像形成部の各部、特にスキャナユニット330と引き出しユニット350との間の位置精度を良好に保つことができ、色ずれなどの少ない正確な画像を形成することができる。また、上部側板フレーム210L,210Rは、連結部材241,242,243,244,270によって枠状体をなしているので、他の方向にも高い剛性をもち、画像形成部の各部の位置精度をいっそう良好に保つことができる。
【0071】
また、一対の上部側板フレーム210L,210Rのうち重心に近い左側の上部側板フレーム210Lにおける前後両端の2つの突出片215Lの間隔L2が、右側の上部側板フレーム210Rにおける前後両端の2つの突出片215Rの間隔L3よりも大きく設定されている。このため、最外側の4つの突出片215L,215Rがほぼ三角形に近似した配列をなすので、底部側板フレームに撓みや捩れなどの歪が生じても、上部側板フレームを安定した状態に保つことが容易となる。しかも、重心が、一方の幅広の2つの突出片215R側に近接しているから、上部側板フレーム210L,210Rが多少揺れても、その重心が、4つの突出片215L,215Rを結ぶ輪郭線の内側から外へ移動することが少なく、画像形成部を含む上部側板フレームを安定して支持することができる。
【0072】
さらに、最外側の4つの突出片215L,215Rがほぼ三角形に近似した配列であっても、前述のように、突出片215L,215Rから外側へ底部側板フレーム250L,250Rが延在し、その先に脚264を備えているので、画像形成装置を設置面に対して広い面積で、安定して支持することができる。
【0073】
また、上下に対応する左右一対の上部側板フレームと底部側板フレームとの間で、突出片215L,215Rの上記配列を実現するから、支持構造を複雑化することなく、小型に構成することができる。しかも、突出片215L,215Rおよび切欠部218は、スキャナユニット330を支持する上部側板フレーム210L,210Rの内面、および引き出しユニット350を支持する穴211,212と同一平面状に構成されている。このため、スキャナユニット330および引き出しユニット350の重量を台部255L,255Rの上面で良好に受けることができ、さらに、画像形成部300の底部側板フレーム250L,250Rに対する画像形成部300の位置を正確に規定することができる。
【0074】
[変形例]
上記実施の形態において、図7および図8に示すように、底部側板フレーム250L,
250Rの前後方向中間部分下面に、補助脚284を設けてもよい。この補助脚284は、上部側板フレーム210L,210Rに上方から衝撃が加わったとき、上部側板フレーム210L,210Rとともに底部側板フレーム250L,250Rの中間部分も下降するので、その下降量を制限するためのものである。補助脚284は、脚264よりも下壁262からの突出量が少なく、常態では設置面265と接しない。
【0075】
上記実施の形態では、底部側板フレーム250L,250Rの突出片215L,215Rよりも外方へ延在した部分を上下方向に弾性変形させるようにしたが、底部側板フレーム250L,250Rの壁の一部のみを弾性変形させるようにしてもよい。たとえば、図11に示す変形例では、脚264近傍の下壁262を弾性変形させる。この場合、上壁261と下壁262とを結ぶ縦リブ281のうち、脚264近傍のものは、下壁262に直接接続しないように、下壁262と間隔をおいて平行に形成した横リブ282に接続し、横リブ282と平行な下壁262部分を、底部側板フレーム250L,250Rの内方向へ弾性変形可能にする。その横リブ282の前後方向中間位置と対応する下壁262の下面に脚264を配置する。
これにより、前述のように上部側板フレーム210L,210Rに上方から衝撃が加わったり、あるいは設置面に凹凸があっても、脚264近傍の下壁262部分が弾性変形し、上部側板フレーム210L,210Rにはその影響を少なくすることができる。
なお、駆動部500の一部が底部側板フレーム250L,250R内の空間に配置される場合、前述の実施の形態のように底部側板フレーム250L,250Rの延在部分全体が変形すると、その駆動部500の一部が底部側板フレームの延在部分と干渉するおそれがあるが、この変形例では、下壁262の一部のみを弾性変形させることで、その干渉を回避することができる。
【0076】
上記変形例では、下壁262が変形しやすい長さを確保して脚264を配置するため、底部側板フレーム250L,250Rの前後両端から所定距離おいた内側に脚264を配置する必要があり、画像形成装置に外力が作用したときに、画像形成装置が前後方向に傾きやすくなる可能性がある。この場合、脚264よりも前後方向外側に補助脚283を設ける。補助脚283は、脚264よりも下壁262からの突出量が少なく、常態では設置面265と接しないが、画像形成装置が前後方向に傾きはじめたとき、設置面265と接し、大きく傾くのを抑える。
【0077】
上記実施の形態では、上部側板フレーム210L,210Rに突出片215L,215Rを設けたが、底部側板フレーム250L,250Rに突出片を設け、それに当接する上部側板フレーム210L,210Rの下端を平坦にしてもよい。
上記実施の形態では、固定手段あるいは締結手段としてビス251,273を用いたが、樹脂の弾性を利用して部品を固定する樹脂ピンなど公知の各種のものを用いることができる。
上記実施の形態では、感光体ユニット321をが引き出しユニット350を介して上部側板フレーム210L,210Rに支持したが、上部側板フレーム210L,210Rに直接支持するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、上部側板フレーム210L,210Rの内側に内側支持板265L,265Rを配置して、引き出しユニット350およびベルトユニット310をその内側支持板265L,265Rに支持しているが、内側支持板265L,265Rを省略してそれらを上部側板フレーム210L,210Rに直接支持するようにしてもよい。
本発明はモノクロのレーザプリンタやファクシミリ装置,コピー機等の各種画像形成装置にも同様に適用することができる。本発明がモノクロの画像形成装置に適用された場合は、色ずれ防止の効果は得られないが、長方形の図形が菱形になるなどの画像の乱れを良好に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明が適用されたレーザプリンタの構成を表す斜視図である。
【図2】そのレーザプリンタの画像形成部の構成を概略的に表す断面図である。
【図3】(A)はそのレーザプリンタの、引き出しユニット及びスキャナユニットを取り外した状態の本体フレームの構成を左前上方から見た斜視図、(B)はA部拡大図である。
【図4】(A)はその本体フレームの構成を右後上方から見た斜視図、(B)はB部拡大図である。
【図5】(A)は図3において上部側板フレームと底部側板フレームとを隔離して見た分解斜視図、(B)はC部拡大図である。
【図6】(A)は図4において上部側板フレームと底部側板フレームとを隔離して見た分解斜視図、(B)はD部拡大図である。
【図7】図3におけるE−E線断面図である。
【図8】図3におけるF−F線断面図である。
【図9】底部側板フレームの取付片と上部側板フレームとの固定部分を示す水平断面図である。
【図10】本体フレームの構成を左右方向の面で断面にした断面図である。
【図11】変形例を示し、(A)は底部側板フレームの一部側面図、(B)はその底部側板フレームの一部を下方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
100…レーザプリンタ 200…本体フレーム 210…上部側板フレーム211…穴 212…穴 215…突出片
241…スキャナカバー 242…フロントビーム 243…リアビーム
244…フレーム連結部材 250…底部側板フレーム 251,273…ビス
255…台部 256…取付片 270…スキャナプレート300…画像形成部 310…ベルトユニット 314…転写ローラ
321…感光体ユニット 322…スコロトロン型帯電器 324…現像カートリッジ325…トナー収容室 326…現像ローラ 330…スキャナユニット340…定着器 350…引き出しユニット 500…駆動部
L…レーザ光 P…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ユニットとその感光体ユニットを走査露光するスキャナユニットとを含む画像形成部を備え、前記感光体ユニットに対して搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記感光体ユニットを挟んでその両側で互いにほぼ平行に上下方向に立ち上がりその上下方向と直交する前後方向に延びる左右一対の上部側板フレームと、
前記一対の上部側板フレームの下でその一対の上部側板フレームとほぼ平行に前後方向に延び、前記各上部側板フレームの下端と当接しその各上部側板フレームを載置状態で支持する上面、およびその上面とは反対側で画像形成装置を支持する設置面と対向する下面を有する左右一対の底部側板フレームと、
前記一対の上部側板フレームに設けられ、前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部と、
前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定し、前記スキャナユニットを支持するスキャナ支持プレートと、
前記スキャナ支持プレートとは前記感光体ユニットを挟んで反対側において、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定するフレーム連結部材と
を備え、前記一対の底部側板フレームを除く前記一対の上部側板フレームと前記スキャナ支持プレートと前記フレーム連結部材とで、前記前後方向とほぼ直交する面内において前記感光体ユニットを囲む枠状体を構成し、
前記上部側板フレームは、上下方向に沿うほぼ面に沿う方向において、前記底部側板フレームの、前記上部側板フレームを支持する前記上面の部分と前記設置面と接する前記下面の部分との間の部分の上下方向の剛性よりも、高い剛性を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ユニット、前記スキャナユニット、前記一対の上部側板フレーム、前記スキャナ支持プレート、前記フレーム連結部材、および前記感光体ユニットのための駆動部を含むユニットの重心は、前記一対の上部側板フレーム間の中間位置よりも一方の上部側板フレームに近接して位置するとともに、平面視において、前記各底部側板フレームの上面が前記各上部側板フレームを支持する複数の箇所を結ぶ輪郭線の内側に位置し、
前記一方の底部側板フレームの上面が前記一方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅は、他方の底部側板フレームの上面が他方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成部に対して搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記画像形成部を挟んでその両側で互いにほぼ平行に上下方向に立ち上がりその上下方向と直交する前後方向に延び、前記画像形成部を支持する左右一対の上部側板フレームと、
前記一対の上部側板フレームの下でその一対の上部側板フレームとほぼ平行に前後方向に延び、前記各上部側板フレームの下端と当接しその各上部側板フレームを載置状態で支持する上面、およびその上面とは反対側で画像形成装置を支持する設置面と対向する下面を有する左右一対の底部側板フレームと、
前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定する連結部材と
を備え、
前記上部側板フレームは、上下方向に沿うほぼ面方向おいて、前記底部側板フレームの、前記上部側板フレームを支持する前記上面の部分と前記設置面と接する前記下面の部分との間の部分の上下方向の剛性よりも、高い剛性を有しており、
前記画像形成部、前記一対の上部側板フレーム、前記連結部材、および前記画像形成部のための駆動部を含むユニットの重心は、前記一対の上部側板フレーム間の中間位置よりも一方の上部側板フレームに近接して位置するとともに、平面視において、前記各底部側
板フレームの上面が前記各上部側板フレームを支持する複数の箇所を結ぶ輪郭線の内側に位置し、
前記一方の底部側板フレームの上面が前記一方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅は、他方の底部側板フレームの上面が他方の上部側板フレームを支持する箇所の前後方向の幅よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、感光体ユニットとその感光体ユニットを走査露光するスキャナユニットとを含み、
前記一対の上部側板フレームは、前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部を有し、
前記連結部材は、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定し前記スキャナユニットを支持するスキャナ支持プレート、およびそのスキャナ支持プレートとは前記感光体ユニットを挟んで反対側において、前記一対の上部側板フレームを橋渡して連結固定するフレーム連結部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記各底部側板フレームは、前記上面を有するほぼ水平方向に延びる上壁、その上壁から下方に間隔をおき前記下面を有するほぼ水平方向に延びる下壁、および前記上壁と下壁とを連結するほぼ上下方向に延びる側壁を含み、前記上壁と下壁と側壁とに囲まれる側方に開放した内部空間を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記底部側板フレームの下面は、下方へ突出し前記設置面と接する脚を含み、
前記上部側板フレームは、前記底部側板フレームの、前記上部側板フレームを支持する前記上面の部分と前記脚との間の部分よりも、上下方向において高い剛性を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記各底部側板フレームは、前記上面が前記上部側板フレームを支持する箇所よりも前記上部側板フレームの前後方向外方へ延在しており、その延在部分は、前記箇所をほぼ中心として上方へ、前記上部側板フレームよりも低い剛性をもって変形可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記底部側板フレームの上面が前記上部側板フレームを支持する箇所は、前記上部側板フレームの前後方向の両端から内側に間隔をあけて存在し、
その支持箇所よりも前後方向外方の、前記上部側板フレームの下端と前記底部側板フレームの上面との間に、前記底部側板フレームの変形を許容する隙間を備え、その隙間を超える前記底部側板フレームの変形を阻止するように前記上部側板フレームの下端を前記底部側板フレームの上面と対向させていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記各底部側板フレームの下壁は、下方へ突出し前記設置面と接する脚を含み、その脚近傍の前記下壁は、前記内部空間へ向け、前記上部側板フレームよりも低い剛性をもって変形可能であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記一対の上部側板フレームが板金製であり、少なくとも前記スキャナ支持手段との結合部と前記感光体ユニットの位置決め部との間が、平面状に構成されていることを特徴とする請求項1または4に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記上部側板フレームに設けられ前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部は、前記一対の上部側板フレームに互いに対向するようにそれぞれ穿設された一対の穴であり、その一対の穴間に橋渡された軸部材に、前記感光体ユニットを当接させていることを特徴
とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記上部側板フレームに設けられ前記感光体ユニットを位置決めする位置決め部は、前記一対の上部側板フレームに互いに対向するようにそれぞれ穿設された一対の穴であり、前記感光体ユニットから左右に突出した軸部材を、その一対の穴に当接させていることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記上部側板フレームの、前記底部側板フレームの上面で支持される箇所は、前記スキャナユニットとの結合部および前記感光体ユニットの位置決め部と、同一平面状に構成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記底部側板フレームは、前記上部側板フレームの、前記各底部側板フレームの上面で支持される箇所に隣接する位置から前記上部側板フレームの側面に沿って上方に突出した複数の取付片を備え、
その各取付片と前記上部側板フレームとは、前記上部側板フレームと前記底部側板フレームとの、前後および上下方向の相対移動を許容する程度に緩やかに締結手段により固定されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記感光体ユニットは、前記スキャナユニットとそれぞれ対向して複数個配列され、
その複数の感光体ユニットの配列方向に沿って、前記感光体ユニット上に形成された画像を前記被記録媒体に転写するためのベルトが配置され、そのベルトが前記一対の上部側板フレーム間に支持されていることを特徴とする請求項1または4に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記一対の上部側板フレーム間の空間は、前後方向の少なくとも一方を開放され、
前記感光体ユニットは、複数個存在し、その複数の感光体ユニットは、前記一対の上部側板フレーム間から一体に引き出し可能な引き出しユニットとして構成され、前記一対の上部側板フレームに設けられたレール部材上に前後方向に摺動可能に支持され、前記スキャナユニットとそれぞれ対向する位置において前記位置決め部に位置決めされていることを特徴とする請求項1、4または15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記一対の底部側板フレーム間の空間は、前後方向の少なくとも一方を開放され、
前記被記録媒体を収容するための供給トレイが、その空間内に位置し、かつ前記一対の底部側板フレームに設けられたレール部材上に前後方向に摺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記一対の底部側板フレームは、前記供給トレイが位置する前記空間の下方において、連結部材により相互に連結固定されていることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−44363(P2010−44363A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126124(P2009−126124)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】