説明

画像形成装置

【課題】画像を記録材上に形成可能な画像形成装置において、画像形成の実行中に画像形成をキャンセルする場合に、装置の使い勝手を向上する。
【解決手段】外部から取り込んだ画像データに基づく画像を記録材上に形成する画像形成部50と、画像を表示する表示部22と、記録材上への画像形成中にエラーが発生すると、記録材上への画像形成を次回の電源オン時に継続するか否かの選択を促す選択画像を表示部22に表示する表示制御手段71とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録材上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙などの記録材上に画像を形成するプリンターなどの画像形成装置により、デジタルスチルカメラで撮影された画像を記録材上に形成する際には、画像データを記憶するメモリーカードをデジタルスチルカメラから取り出して画像形成装置に挿入したり、デジタルスチルカメラと画像形成装置とを直接接続していた(特許文献1参照)。そして、特許文献1に記載の装置では、ユーザーが画像形成対象の画像ファイル名などを指定し、その指定した情報に基づき画像形成動作が行われている。ここで、例えば画像形成の途中でインクや記録材がなくなると、一旦画像形成動作を中断してインクや記録材を補給した後、画像形成を再開していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−51339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、予備のインクや記録材がなかった場合には、画像形成をキャンセルし、そのまま画像形成装置の電源をオフにする以外に選択の余地がなかった。また、時刻が遅くなったり急用ができるなど、ユーザーの都合で画像形成を中止したい場合にも、画像形成をキャンセルし、そのまま画像形成装置の電源をオフにせざるを得なかった。そこで、画像形成の実行中に、インクや記録材が切れたりユーザーの都合などによって、画像形成をキャンセルする場合に、そのまま画像形成装置の電源がオフとなるだけではなく選択の余地をユーザーに与えるなど、装置の使い勝手を向上することが望まれていた。
【0005】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、画像を記録材上に形成可能な画像形成装置において、画像形成の実行中に画像形成をキャンセルする場合に、装置の使い勝手を向上する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、外部から取り込んだ画像データに基づく画像を記録材上に形成する画像形成部と、画像を表示する表示部と、記録材上への画像形成中にエラーが発生すると、記録材上への画像形成を次回の電源オン時に継続するか否かの選択を促す選択画像を表示部に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
このように構成された発明によれば、記録材上への画像形成中にエラーが発生すると、記録材上への画像形成を次回の電源オン時に継続するか否かの選択を促す選択画像が表示部に表示される。したがって、ユーザーは表示された選択画像を見て選択すればよいため、装置の使い勝手を向上することができる。なお、画像形成中のエラーとしては、ユーザーによる印刷キャンセル操作、インクやトナー切れ、記録材切れなどが含まれる。
【0008】
また、外部から操作される操作部を備え、表示制御手段は、エラーの発生後、操作部に対して電源オフ操作が行われた後で、選択画像を表示部に表示するとしてもよい。このように構成された発明によれば、エラーの発生後、操作部に対して電源オフ操作が行われた後で、選択画像が表示されるため、そのまま装置の電源がオフになる前に、ユーザーに選択の余地が与えられることから、装置の使い勝手を向上することができる。また、電源オフ操作が行われた後で選択画像が表示されるため、画像形成が中止されて電源がオフとなることが確実になった適切なタイミングで、選択画像を表示することができる。
【0009】
また、記憶部と、表示制御手段による選択画像の表示後に、操作部により画像形成継続の操作が行われると、エラーの発生時点で画像形成が行われていない画像データを記憶部に格納する記憶制御手段と、画像形成が行われていない画像データを記憶制御手段が記憶部に格納した後に、電源オフ操作に対応する電源オフ処理を行う画像形成制御手段とを備えたとしてもよい。このように構成された発明によれば、選択画像の表示後に、操作部により画像形成継続の操作が行われると、エラーの発生時点で画像形成が行われていない画像データが記憶部に格納され、その格納後に、電源オフ操作に対応する電源オフ処理が行われる。したがって、画像形成が行われていない画像データが記憶部に格納されるまで電源オフ処理が行われないことから、画像形成が行われていない画像データを確実に記憶部に格納することができる。
【0010】
また、記憶制御手段は、装置の電源がオンにされると、画像形成が行われていない画像データが記憶部に格納されているか否かを判定し、表示制御手段は、画像形成が行われていない画像データが記憶部に格納されていると判定されたときは、画像形成が行われていない画像データに基づく画像形成を継続するか否かの選択を促す第2選択画像を表示部に表示するとしてもよい。このように構成された発明によれば、装置の電源がオンにされると、画像形成が行われていない画像データが記憶部に格納されているか否かが判定され、格納されていると判定されたときは、画像形成が行われていない画像データに基づく画像形成を継続するか否かの選択を促す第2選択画像が表示部に表示される。したがって、ユーザーは表示された第2選択画像を見て選択すればよいことから、装置の使い勝手を向上することができる。
【0011】
また、画像形成制御手段は、表示制御手段による第2選択画像の表示後に、操作部により画像形成継続の操作が行われると、記憶部に格納されている画像形成が行われていない画像データに基づき、記録材への画像形成を行うとしてもよい。このように構成された発明によれば、第2選択画像の表示後に、操作部により画像形成継続の操作が行われると、記憶部に格納されている画像形成が行われていない画像データに基づき、記録材上への画像形成が行われる。したがって、ユーザーは、操作部により画像形成継続の操作を行うだけで、画像形成対象の画像を再度指定することなく、続きの画像から画像形成を継続することができる。従来、大量の写真の中から一部の写真を指定して画像形成を行っていた場合、画像形成対象として指定した写真をメモしておかない限り、どの写真の画像形成を行おうとしていたのか判別できなくなることも考えられる。これに対して、この発明によれば、画像形成対象の画像を再度指定することなく、続きの画像から画像形成を継続できるので、装置の使い勝手を向上できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態であるフォトプリンターを示す斜視図。
【図2】フォトプリンターの内部構成の概略を示す図。
【図3】フォトプリンターの電気的構成の要部を示すブロック図。
【図4A】動作手順を示すフローチャート。
【図4B】動作手順を示すフローチャート。
【図4C】動作手順を示すフローチャート。
【図5A】表示部の表示画面の一例を示す図。
【図5B】表示部の表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の一実施形態であるフォトプリンターを示す斜視図である。また、図2はフォトプリンターの内部構成の概略を示す図である。このフォトプリンター10では、プリンター本体12の内部にはプリント機構50が内蔵されており、このプリント機構50の制御を司るコントローラー70からの動作指令に応じて用紙Pへの印刷を実行する。そして、こうして印刷された用紙Pがプリンター本体12の前面に排紙される。
【0014】
このプリンター本体12の前面には、前面扉14が開閉自在に取り付けられている。この前面扉14はプリンター本体12の前面を開閉するための蓋である。そして、開状態のときには、プリント機構50から排紙される用紙Pを受けるための排紙トレイとして機能する。また、プリンター本体12の前面に設けられた各種のメモリーカードスロット16をユーザーが利用可能な状態となる。つまり、この状態でユーザは印刷対象となる画像ファイルを記憶したメモリーカードMをメモリーカードスロット16に差し込むことができる。さらに、この実施形態では、記憶媒体としてメモリーカード以外にCD−R(Compact Disc Recordable:書き込み可能なコンパクトディスク)や映像DVD(Digital Versatile Disc:デジタル多用途ディスク)などのディスクを利用可能となっている。つまり、プリンター本体12のベース部分に光ディスクドライブ(Optical Disc Drive)13が設けられている。
【0015】
また、プリンター本体12の上面には操作パネル20が設けられる一方、プリンター本体12の上面の奥の一辺に対してカバー30が開閉自在に取り付けられている。このカバー30は、プリンター本体12の上面を覆うことのできる大きさに成形された樹脂板であり、開状態では操作パネル20の表面を外部に露出する。一方、カバー30が閉状態に閉じられると、操作パネル20全体を覆う。
【0016】
この操作パネル20には、文字や図形、記号などを表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)により構成された表示部22と、この表示部22の周囲に配置されたボタン群24とを備えている。ボタン群24は、図2に示すように、電源のオンオフを行うための電源ボタン24a、メインメニュー画面を呼び出すためのメニューボタン24b、操作を途中でキャンセルしたり用紙Pへの印刷を途中で中断したりするためのキャンセルボタン24c、用紙Pへの印刷実行を指示するための印刷ボタン24d、メモリーカードスロット16に挿入されたメモリーカードMに編集画像等を保存するための保存ボタン24e、表示部22に表示された複数の選択肢の中から所望の選択肢を選択したりカーソルを移動したりするときに操作される上下左右の各矢印ボタン24f〜24i、この上下左右の各矢印ボタン24f〜24iの中央に配置され各矢印ボタン24f〜24iによって選択されている選択肢に決定したことを指示するためのOKボタン24j、表示部22での画面表示を切り替えるための表示切替ボタン24k、表示部22に表示される左ガイドを選択する左ガイド選択ボタン24l、表示部22に表示される右ガイドを選択する右ガイド選択ボタン24m、排紙トレイとしての機能を備えた前面扉14を開く排紙トレイオープンボタン24nなどで構成されている。
【0017】
また、表示部22の表示内容を確認するために、カバー30には表示部22と同じ大きさの窓32が設けられている。つまり、カバー30が閉状態にあるときにはユーザーはこの窓32を介して表示部22の表示内容を確認することができる。一方、カバー30は開状態のときには、表示部22を図1に示すように好みの角度に調整することが可能となっている。
【0018】
このようにカバー30を開状態としたときには、操作パネル20に対して斜め後方に傾斜した状態でカバー30は保持され、用紙Pをプリント機構50へ供給するためのトレイとして利用可能となっている。また、操作パネル20の奥には、プリント機構50の給紙口28が設けられるとともに、ガイド幅が用紙の幅に合うように左右方向にスライド操作される一対の用紙ガイド29が設けられている。
【0019】
そして、給紙口28を介して用紙Pがプリント機構50に送り込まれて印刷が実行される。このプリント機構50には、図2に示すように、キャリッジ53が左右方向にループ状に架け渡されたタイミングベルト51により駆動されガイド52に沿って左右に往復動する。このキャリッジ53には、センサー57が設けられ、用紙Pの左右端や上下端を検出する。つまり、センサー57は、給紙口28にセットされた用紙に対して印刷前にキャリッジ53が左右方向に走査したときにその用紙の左右端を検出して用紙幅の認識を可能にしたり、印刷途中で用紙の後端を検出して用紙長さの認識を可能にする。
【0020】
また、このキャリッジ53には、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック等の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ54が搭載されている。これらのインクカートリッジ54はそれぞれ印刷ヘッド55に接続されている。そして、印刷ヘッド55はインクカートリッジ54からのインクに圧力をかけてノズル(図示省略)から用紙Pに向かってインクを吐出する。この実施形態では、印刷ヘッド55は圧電素子に電圧をかけることにより該圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒーターなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。こうして印刷された用紙Pは搬送ローラー56によって開状態の前面扉(排紙トレイ)14へ送り出される。また、画像形成のために、インクに代えてトナーや現像剤を用いてもよい。
【0021】
図2に示すキャリッジ53をその可動範囲内で最も右側のキャップ位置まで移動させたときに印刷ヘッド55と対向する位置には、キャップ58が設けられている。キャップ58は、長時間印刷動作を行わないときに印刷ヘッド55のノズルに被せられることにより、インクの乾燥に起因するノズルの目詰まりを防止する。また、装置が電源オフ状態にあるときにも、キャリッジ53はキャップ位置に位置決めされノズルにキャップが施されている。
【0022】
図3はフォトプリンターの電気的構成の要部を示すブロック図である。コントローラー70は、図3に示すように、CPU71を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、システムバス77には、CPU71、ROM72、RAM73、フラッシュメモリー74、VRAM76などが接続され、これらがシステムバス77を介して互いに信号のやり取りをできるようになっている。ROM72は、CPU71の制御に必要なプログラム(ファームウェア)などを記憶する。RAM73には一時的にデータが記憶され、フラッシュメモリー74にはCPU71の制御に必要な各種データや各種テーブルなどが格納され、VRAM76には表示部22に描画すべき画像データが格納される。このコントローラー70に対して、メモリーカードスロット16に差し込まれたメモリーカードMや光ディスクドライブ13に挿入されたディスクの画像ファイルなどが入力されるほか、プリント機構50のセンサー57からの検出信号や操作パネル20のボタン群24からの指令信号が入力される。また、コントローラー70は、メモリーカードMに画像やデータなどを保存するほか、プリント機構50の印刷ヘッド55への制御信号や操作パネル20の表示部22への制御信号を出力する。
【0023】
CPU71のユーザー・インターフェース(UI)入力部701は、ユーザーのボタン群24に対するスイッチ操作に基づく種々の指令信号を受けて、他の機能ブロックに必要な情報を送出する。ジョブ制御部702は、UI入力部701からの情報に基づき、印刷対象の画像ファイル、印刷枚数、用紙種別、用紙サイズ、レイアウト種別、印刷品質、補正種別を指定した印刷ジョブを作成するもので、作成した印刷ジョブをフラッシュメモリー74に格納する。また、ジョブ制御部702は、メモリーカードMの印刷対象の画像ファイルデータを取り込んでフラッシュメモリー74に格納する。また、ジョブ制御部702は、1枚の印刷完了ごとに、残り枚数を1だけ減らすなどフラッシュメモリー74の印刷ジョブを更新する。レイアウト生成部703は、ジョブ制御部702により作成された印刷ジョブやメモリーカードMからのデータなどに基づき、印刷のためのレイアウトデータを生成し、印刷処理部704に送出する。印刷処理部704は、レイアウト生成部703からのレイアウトデータを印刷データに変換し、プリント機構50の動作を制御して印刷処理を実行する。すなわち、キャリッジ53を主走査方向に往復移動させつつ、印刷ヘッド55の駆動を制御してノズルからインクを吐出させる。表示画像制御部705は、UI入力部701からの情報やメモリーカードMからのデータなどに基づき、表示部22の表示内容を制御する。この表示画像制御部705は、例えばメモリーカードMに格納されている画像を表示したり、印刷条件を設定するためのメニュー画像を表示する。
【0024】
判定部706は、UI入力部701およびプリント機構50からの情報に基づき、印刷途中で、キャンセルボタン24cが操作されたり、インクや用紙がなくなるなどのエラー発生の有無を判定する。そして、判定部706によりエラーが発生したと判定され、電源ボタン24aによる電源オフ操作がユーザーによって行われると、各機能ブロックは、印刷を次回の電源オン時に継続可能にすべく、それぞれ特有の機能を果たす。すなわち、表示画像制御部705は、印刷を継続するか否かの選択をユーザーに促す選択画像を表示部22に表示する。また、その選択画像に対してボタン群24の操作により印刷継続が選択されると、ジョブ制御部702は、印刷が行われていない全ての画像データをメモリーカードMから取り込んでフラッシュメモリー74に格納した後、電源オフ操作に対応する電源オフ処理を実行する。一方、印刷継続が選択されないときは、ジョブ制御部702は、フラッシュメモリー74に格納されている印刷ジョブおよび画像データを削除する。また、ジョブ制御部702は、電源ボタン24aによりフォトプリンター10の電源がオンにされたときに、フラッシュメモリー74に印刷途中の印刷ジョブが格納されているか否かを判定する。そして、印刷ジョブが格納されていると判定されると、表示画像制御部705は、続きの印刷を行うか否かの選択をユーザーに促す問合せ画像を表示部22に表示する。これらの具体的な動作手順について、次に説明する。
【0025】
図4A,4Bは、印刷の動作手順を示すフローチャート、図4Cは、電源オン時の動作手順を示すフローチャート、図5A,5Bは表示部22に表示される表示画像の一例を示す図である。以下、図5A,5Bの表示画像を参照しつつ、図4A〜4Cのステップに沿って動作手順を説明する。まず、図4A,4Bを用いて、印刷の動作手順について説明する。最初に、画像を記憶する外部記憶媒体が挿入されたか否か、すなわちメモリーカードがメモリーカードスロット16に挿入されたか否か、またはディスクが光ディスクドライブ13に挿入されたか否かが判別される(ステップS10)。そして、記憶媒体が挿入されると(ステップS10でYES)、サムネイル画像や印刷条件設定メニューなどが表示部22に表示され、その表示に基づき印刷対象の画像や印刷枚数などがボタン群24の操作により選択されると(ステップS12)、その情報に基づき、画像ファイル、印刷枚数、用紙種別、用紙サイズ、レイアウト種別、印刷品質、補正種別を指定した印刷ジョブが作成されてフラッシュメモリー74に格納される(ステップS14)。なお、ステップS10において、外部記憶媒体が挿入されるまでは(ステップS10でNO)、以降のステップに進まずに、このルーチンを終了する。
【0026】
そして、印刷ボタン24dが操作されると印刷動作が開始され(ステップS16)、この印刷動作と並行して、続きの印刷対象の画像ファイルデータがメモリーカードMから取り込まれてフラッシュメモリー74に保存される動作が行われる(ステップS18)。なお、印刷対象の画像ファイルデータをメモリーカードMから取り込んでフラッシュメモリー74に保存する動作は、ステップS12の選択時点で開始されており、印刷対象の全ての画像ファイルデータがメモリーカードMから取り込まれてフラッシュメモリー74に保存されると、ステップS18の動作は終了する。
【0027】
そして、印刷動作中に、インク切れ、用紙無し、キャンセルボタン24cの操作などのエラーが発生したか否かが判定され(ステップS20)、発生すれば(ステップS20でYES)、ステップS28に進む一方、エラーが発生していなければ(ステップS20でNO)、1枚の印刷が完了したか否かが判定され(ステップS22)、1枚の印刷が完了すれば(ステップS22でYES)、全ての印刷が終了したか否かが判定される(ステップS24)。
【0028】
また、ステップS22において、1枚の印刷が完了していなければ(ステップS22でNO)、ステップS18に戻って、以上の手順を繰り返す。また、ステップS24において、全ての印刷が終了していなければ(ステップS24でNO)、1枚の印刷が完了しているので残り枚数を1枚減らすなど印刷ジョブを更新し、印刷が完了した画像のデータをフラッシュメモリー74から削除して(ステップS26)、ステップS18に戻って、以上の手順を繰り返す。一方、全ての印刷が終了すれば(ステップS24でYES)、このルーチンを終了する。
【0029】
ステップS28では、電源ボタン24aにより電源オフ操作が行われたか否かが判定され、電源オフ操作が行われるまで(ステップS28でNO)、待機し、電源オフ操作が行われると(ステップS28でYES)、図5Aに示す選択画像が表示部22に表示される(ステップS30)。この選択画像は、続きの画像を次回の電源オン時に印刷できる旨を報知するとともに、続きの印刷を行うために印刷ジョブをバックアップするか否かの選択をユーザーに促すものである。すなわち、この選択画像には、「バックアップする」のメニュー22aおよび「バックアップしない」のメニュー22bが表示される。
【0030】
次いで、ユーザーが印刷継続を選択したか否かが判定される(ステップS32)。すなわち、矢印ボタン24f〜24iに対する操作によりカーソルの位置が移動し、OKボタン24jの操作によりカーソル位置のメニューが決定される。図5Aでは、太枠によりカーソル位置を示しており、「バックアップする」のメニュー22aにカーソルが位置している。
【0031】
そして、ユーザーが「バックアップする」のメニュー22aにカーソルを位置させて、OKボタン24jを操作すると(ステップS32でYES)、印刷対象の全ての画像データをメモリーカードMから取り込んでフラッシュメモリー74に格納して(ステップS34)、ステップS38に進む。なお、ステップS16の動作が終了していれば、ステップS34の動作は不要となる。一方、ユーザーが「バックアップしない」のメニュー22bにカーソルを位置させて、OKボタン24jを操作すると(ステップS32でNO)、フラッシュメモリー74に格納されている印刷ジョブおよび画像データを削除し(ステップS36)、電源ボタン24aによる電源オフ操作に対応する電源オフ処理を行って(ステップS38)、このルーチンを終了する。
【0032】
次に、図4Cを用いて、電源ボタン24aの操作によってフォトプリンター10の電源がオンにされたときの動作手順について説明する。最初に、プリント機構50などの初期化処理が行われる(ステップS50)。次いで、フラッシュメモリー74に印刷途中の印刷ジョブが格納されているか否かが判定され(ステップS52)、格納されていなければ(ステップS52でNO)、このルーチンを終了する。一方、フラッシュメモリー74に印刷途中の印刷ジョブが格納されていれば(ステップS52でYES)、図5Bに示す問合せ画像が表示部22に表示される(ステップS54)。この問合せ画像(第2選択画像)は、印刷途中の印刷ジョブがある旨を報知するとともに、続きの印刷を行うか否かをユーザーに選択させるものである。すなわち、この問合せ画像には、「印刷する」のメニュー22cおよび「印刷しない」のメニュー22dが表示される。
【0033】
次いで、ユーザーが印刷ジョブの継続を選択したか否かが判定される(ステップS56)。すなわち、矢印ボタン24f〜24iに対する操作によりカーソルの位置が移動し、OKボタン24jの操作によりカーソル位置のメニューが決定される。図5Bでは、太枠によりカーソル位置を示しており、「印刷する」のメニュー22cにカーソルが位置している。
【0034】
そして、ユーザーが「印刷する」のメニュー22cにカーソルを位置させて、OKボタン24jを操作すると(ステップS56でYES)、印刷ジョブの印刷が実行されて(ステップS58)、このルーチンを終了する。なお、このステップS58では、1枚の印刷完了ごとに印刷ジョブが更新され、その印刷完了画像がフラッシュメモリー74から削除されるなど、図4Aの手順と同様の動作が行われる。一方、ユーザーが「印刷しない」のメニュー22dにカーソルを位置させて、OKボタン24jを操作すると(ステップS56でNO)、フラッシュメモリー74に格納されている印刷ジョブおよび画像データを削除して(ステップS60)、このルーチンを終了する。
【0035】
以上説明したように、この実施形態では、印刷動作中に、インク切れ、用紙無し、キャンセルボタン24cの操作などのエラーが発生し、電源ボタン24aによる電源オフ操作が行われると、続きの画像を次回の電源オン時に印刷できる旨を報知するとともに、続きの印刷を行うために印刷ジョブをバックアップするか否かの選択をユーザーに促す選択画像を表示部22に表示している。したがって、そのままフォトプリンター10の電源がオフになる前に、ユーザーに選択の余地が与えられることから、装置の使い勝手を向上することができる。また、ユーザーは表示部22に表示された選択画像を見て選択すればよいため、ユーザーフレンドリーな装置とすることができる。また、電源ボタン24aによる電源オフ操作が行われた後で選択画像が表示部22に表示されるため、画像形成が中止されて電源がオフとなることが確実になった適切なタイミングで、選択画像を表示することができる。
【0036】
また、この実施形態では、表示部22に表示された選択画像において、印刷の継続を選択すると、印刷が完了していない全ての画像データをフラッシュメモリー74に格納した後に、電源ボタン24aによる電源オフ操作に対応する電源オフ処理を行っている。したがって、電源がオフになる前に、確実に画像データを保存することができる。また、1枚の印刷完了ごとに残り枚数を1枚ずつ減らすなど印刷ジョブを更新しており、印刷の継続が選択されると、そのまま印刷ジョブが不揮発性メモリーであるフラッシュメモリー74に保存されている。したがって、次回の電源オン時には、印刷ジョブに基づき、確実にエラー発生時点の画像から印刷を行うことができることとなる。
【0037】
また、この実施形態では、電源ボタン24aの操作によるフォトプリンター10の電源オン時に、印刷途中の印刷ジョブがフラッシュメモリー74に格納されているか否かを判定し、格納されているときは、続きの印刷を行うか否かの選択をユーザーに促す問合せ画像を表示部22に表示している。したがって、ユーザーは表示された問合せ画像を見て選択すればよいため、装置の使い勝手を向上することができる。
【0038】
また、この実施形態では、表示部22の問合せ画像に対して印刷継続を選択すると、フラッシュメモリー74に格納されている印刷ジョブおよび画像データに基づき、続きの画像を印刷している。したがって、ユーザーは、問合せ画像に対して、ボタン群24の操作により継続を選択するだけで、印刷対象の画像を再度選択することなく、続きの画像を印刷することができる。特に、大量の写真の中から一部の写真を選んで印刷を行っている途中で電源をオフにした場合、選択した写真をメモしておかない限り、どの写真の印刷を行おうとしていたのか判別できなくなることも考えられる。これに対して、この実施形態によれば、印刷対象の画像を再度選択することが不要になっている。これによって、ユーザーフレンドリーな装置とすることができるとともに、装置の使い勝手を向上することができる。
【0039】
以上説明したように、この実施形態では、ボタン群24が本発明の「操作部」に相当し、プリント機構50が本発明の「画像形成部」に相当し、CPU71が本発明の「表示制御手段」、「記憶制御手段」、「画像形成制御手段」に相当し、フラッシュメモリー74が本発明の「記憶部」に相当する。
【0040】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、印刷途中にエラーが発生した後(図4AのステップS20でYES)、電源ボタン24aにより電源オフ操作が行われた後で(図4BのステップS28でYES)、図5Aに示す選択画像を表示部22に表示しているが、これに限られない。例えば、印刷途中にいきなり電源ボタン24aにより電源オフ操作が行われたときにも、選択画像を表示部22に表示するようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態におけるプリント機構50はインクジェット方式のプリンターであるが、例えば電子写真方式のプリンターであってもよい。また、上記実施形態における表示部22はLCDによって画像を表示するものであるが、EL(エレクトロルミネセンス素子)ディスプレイ等、他の表示方式で画像を表示するものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
22…表示部、24…ボタン群(操作部)、50…プリント機構(画像形成部)、71…CPU(表示制御手段、記憶制御手段、画像形成制御手段)、74…フラッシュメモリー(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取り込んだ画像データに基づく画像を記録材上に形成する画像形成部と、
画像を表示する表示部と、
前記記録材上への画像形成中にエラーが発生すると、前記記録材上への画像形成を次回の電源オン時に継続するか否かの選択を促す選択画像を前記表示部に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
外部から操作される操作部を備え、
前記表示制御手段は、前記エラーの発生後、前記操作部に対して電源オフ操作が行われた後で、前記選択画像を前記表示部に表示する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記憶部と、
前記表示制御手段による前記選択画像の表示後に、前記操作部により画像形成継続の操作が行われると、前記エラーの発生時点で画像形成が行われていない前記画像データを前記記憶部に格納する記憶制御手段と、
前記画像形成が行われていない前記画像データを前記記憶制御手段が前記記憶部に格納した後に、前記電源オフ操作に対応する電源オフ処理を行う画像形成制御手段と
を備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、装置の電源がオンにされると、前記画像形成が行われていない前記画像データが前記記憶部に格納されているか否かを判定し、
前記表示制御手段は、前記画像形成が行われていない前記画像データが前記記憶部に格納されていると判定されたときは、前記画像形成が行われていない前記画像データに基づく画像形成を継続するか否かの選択を促す第2選択画像を前記表示部に表示する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成制御手段は、前記表示制御手段による前記第2選択画像の表示後に、前記操作部により画像形成継続の操作が行われると、前記記憶部に格納されている前記画像形成が行われていない前記画像データに基づき、前記記録材への画像形成を行う請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2011−104879(P2011−104879A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262618(P2009−262618)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】