説明

画像形成装置

【課題】2つの送風経路上にそれぞれ設けられたファンの数の違いによって生じる風量差を低減することができる。
【解決手段】第1流通管321における風量と第2流通管322における風量との風量差が小さくなるように、第1ファン335と第2ファン336とを異なる回転数で、第1ファン335及び第2ファン336の各駆動モータが駆動するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置としては、特許文献1に開示される画像形成システムが公知である。特許文献1に開示される画像形成システムは、画像形成装置本体と、本体電源201と、本体に標準で内蔵される第一のユニットと、本体にオプションで増設可能な第二のユニットと、第二のユニットが追加される際に追加される本体電源に比較して電源容量の小さなオプション電源205と、本体電源とオプション電源の冷却に兼用される電源ファン209と、電源ファンの駆動を制御するファン駆動制御手段1222とを備えた画像形成システムにおいて、第二のユニットとオプション電源を増設した場合、第一のユニットはオプションの電源から電力供給され、第二のユニットは本体電源から電力供給されるように構成され、ファン駆動制御手段は、本体電源の消費電力に応じて前記電源ファンにより本体の電源とオプションの電源を冷却するように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−276104号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、通風抵抗が異なる2つの送風経路で生じる風量差を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、画像を形成する複数の第1画像形成部と、画像を形成し、前記第1画像形成部よりも少ない数の第2画像形成部と、各一端が前記複数の第1画像形成部のそれぞれと通じ、前記第1画像形成部からの空気を前記各一端から各他端へ流通させる複数の第1流通管と、前記複数の第1流通管の他端と通じ、その他端からの空気を合流させる合流部と、一端が前記合流部と通じ、他端が画像形成装置の外部と通じ、前記合流部からの空気を前記画像形成装置の外部へ排出する第1排出管と、前記複数の第1流通管のそれぞれに設けられ、回転して前記第1流通管から前記合流部へ空気を送る第1送風機と、一端が前記第2画像形成部と通じ、前記第2画像形成部からの空気を前記一端から他端へ流通させ、前記第2画像形成部と同数の第2流通管と、一端が前記第2流通管の他端と通じ、他端が画像形成装置の外部と通じ、前記第2流通管からの空気を前記画像形成装置の外部へ排出する第2排出管と、前記第2流通管に設けられ、回転して前記第2流通管から前記第2排出管へ空気を送る第2送風機と、前記第1流通管における風量と前記第2流通管における風量との風量差が小さくなるように、前記第1送風機と前記第2送風機とを異なる回転数で駆動する駆動部と、を備える画像形成装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記第2画像形成部は、複数で構成され、前記第2流通管は、各一端が複数の前記第2画像形成部のそれぞれと通じ、前記第2画像形成部からの空気を前記各一端から各他端へ流通させる複数の流通管で構成され、複数の前記第2流通管の他端には、前記合流部としての第1合流部と容積が異なり、前記複数の第2流通管の他端からの空気を合流させる第2合流部が設けられ、前記第2排出管は、前記一端が前記第2合流部と通じ、前記第2合流部からの空気を前記画像形成装置の外部へ排出し、前記第2送風機は、複数の前記第2流通管のそれぞれに設けられ、回転して前記第2流通管から前記第2合流部へ空気を送る請求項1に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記複数の第1画像形成部は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色によって画像を形成する4つの画像形成部で構成され、前記第2画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色である特別色によって画像を形成する特別色用の画像形成部で構成され、前記複数の第1流通管は、前記各一端が前記4つの画像形成部のそれぞれに通じ、前記第2流通管は、前記一端が、前記特別色用の画像形成部に通じている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1の構成によれば、第1送風機と第2送風機とを同じ回転数で駆動する場合に比べ、通風抵抗が異なる2つの送風経路で生じる風量差を低減することができる。
【0009】
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を備えない場合に比べ、第1合流部と第2合流部との流通方向の長さの違いによって生じる風量差を低減することができる。
【0010】
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を備えない場合に比べ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像形成部と通じる送風経路と、特別色の画像形成部と通じる送風経路との風量差を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る画像形成ユニットの構成を示す概略図である。
【図3】図3は、画像形成装置の第1筐体へ取り付けられた取付状態の排気装置を示す斜視図である。
【図4】図4は、第1筐体及び第2筐体において、すべてのカバーを取り外した状態の排気装置を示す斜視図である。
【図5】図5は、後面カバーを取り外した状態の排気装置を後方側から見た概略図である。
【図6】図6は、側面カバーを取り外した状態の排気装置を側方側から見た概略図である。
【図7】図7は、排気装置を前方側から見た概略図である。
【図8】図8は、排気装置の合流部の構成を示す断面斜視図である。
【図9】図9は、排気装置の第1ファン及び第2ファンの駆動制御を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0013】
本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するものであり、図1に示すように、水平方向一側(図1における左側)部分を構成する第1筐体10Aと、第1筐体10Aと分割可能に接続され、水平方向他側(図1における右側)部分を構成する第2筐体10Bとを備えている。
【0014】
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
【0015】
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
【0016】
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0017】
また、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。6つの画像形成ユニット16のうち、画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kが第1画像形成部の一例であり、画像形成ユニット16V、16Wが第2画像形成部の一例である。各トナーカートリッジ14と画像形成ユニット16との間には、露光ユニット40が設けられている。
【0018】
画像形成ユニット16毎に設けられた露光ユニット40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した露光光L(図2参照)を後述の感光体18(図2参照)へ照射するように構成されている。
【0019】
各画像形成ユニット16は、図2に示すように、一方向(図2における時計回り方向)に回転駆動される感光体18を備えている。各露光ユニット40から各感光体18へ露光光Lが照射されることにより、各感光体18には静電潜像が形成される。
【0020】
各感光体18の周囲には、感光体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光ユニット40によって感光体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の感光体18に残留する現像剤を除去する除去部材としてのブレード24と、転写後の感光体18に光を照射して除電を行う除電装置26が設けられている。
【0021】
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、感光体18の表面と対向して、感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0022】
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを感光体18に供給する現像ロール22Bを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
【0023】
図1に示すように、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各感光体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各感光体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写部材としての一次転写ロール36とを含んで構成されている。
【0024】
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
【0025】
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の感光体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、感光体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
【0026】
中間転写ベルト34を挟んだ駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
【0027】
転写部32の下方には、用紙等の記録媒体が収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
【0028】
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
【0029】
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
【0030】
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
【0031】
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを一枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
【0032】
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
【0033】
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
【0034】
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込むようになっている。
【0035】
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
【0036】
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
【0037】
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pの表面に転写されたトナー画像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
【0038】
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
【0039】
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
【0040】
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
【0041】
図1に示すように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
【0042】
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された記録媒体Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
【0043】
冷却ユニット110は、記録媒体Pの熱を吸収する吸収装置112と、記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
【0044】
吸収装置112は、記録媒体Pと接触し、記録媒体Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
【0045】
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
【0046】
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
【0047】
記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、記録媒体Pを吸収ベルト116へ押し付けながら記録媒体Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
【0048】
冷却ユニット110の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
【0049】
矯正装置140の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。
【0050】
検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
【0051】
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
【0052】
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。
【0053】
反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス202Cが設けられている。
【0054】
この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
【0055】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0056】
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光ユニット40に送られる。各露光ユニット40では、画像データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各感光体18に露光し、静電潜像が形成される。このとき、スコロトロン帯電器20が放電することにより、オゾンが発生する。
【0057】
図2に示すように、感光体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
【0058】
図1に示すように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
【0059】
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
【0060】
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
【0061】
湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
【0062】
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
【0063】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光ユニット40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザーの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
【0064】
(本実施形態に係る排気装置の構成)
次に、本実施形態に係る排気装置の構成について説明する。図3は、画像形成装置の第1筐体10Aへ取り付けられた取付状態の排気装置を示す斜視図である。
【0065】
本実施形態に係る排気装置300は、画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの各感光体18の周辺から、トナー及びオゾンを含んだ空気を吸い込み、その空気中のトナー及びオゾンを除去して排気装置300(画像形成装置10)の外部へ排出する装置である。図3に示すように、排気装置300は、画像形成装置10の第1筐体10Aの後面11Bに取り外し可能に取り付けられている。
【0066】
なお、画像形成装置10の後面11Bとは、前面11Fとは反対側の面である。画像形成装置10の前面11Fとは、そちら側から画像形成装置10の各種の操作を行うようにされた側であって、例えば、画像形成装置10を操作するための操作部15が配置された側であり、記録媒体収容部48が引き出される側である。
【0067】
排気装置300は、水平方向一側(図3における右上側)部分を構成する第1筐体301と、水平方向他側(図3における左下側)部分を構成する第2筐体302と、を備えている。
第1筐体301及び第2筐体302は、分割可能に接合されると共に、それぞれが、独立して、画像形成装置10の第1筐体10Aに対して着脱可能とされている。
【0068】
なお、以下では、第1筐体10Aに対向する対向面を、排気装置300の前面300Fとし、その反対側の面を後面300Bとし、後面300Bに向かって右側を、排気装置300及びその構成部品の右側とし、後面300Bに向かって左側を、排気装置300及びその構成部品の左側として説明する。なお、排気装置300におけるこれらの方向は、説明の便宜上定めたものであるから、排気装置300における左右方向及び前後方向は、この方向に限られるものではない。
【0069】
第1筐体301及び第2筐体302は、図4に示すように、それぞれ、直方体の枠状に形成されたフレーム303、304を備えている。
【0070】
フレーム303の後面、上面、底面、右側面及び左側面には、図3に示すように、上側の後面カバー305A、下側の後面カバー305B(被覆部材の一例)、上面カバー307、底面カバー(図示省略)、右側面カバー(図示省略)及び左側面カバー(図示省略)が、それぞれ着脱可能に設けられている。
【0071】
従って、上側の後面カバー305A、下側の後面カバー305B、上面カバー307、底面カバー(図示省略)、右側面カバー(図示省略)及び左側面カバー(図示省略)をフレーム303から取り外すことで、図4に示すように、第1筐体301の後面、上面、底面、右側面及び左側面側が開放されるようになっている。
【0072】
フレーム304の後面、上面、底面、右側面及び左側面には、図3に示すように、上側の後面カバー306A、下側の後面カバー306B、上面カバー308、底面カバー(図示省略)、右側面カバー(図示省略)及び左側面カバー310が、それぞれ着脱可能に設けられている。
【0073】
従って、上側の後面カバー306A、下側の後面カバー306B、上面カバー308、底面カバー(図示省略)、右側面カバー(図示省略)及び左側面カバー310をフレーム304から取り外すことで、第2筐体302の後面、上面、底面、右側面及び左側面側が開放されるようになっている。
【0074】
第1筐体301に設けられた上側の後面カバー305A及び第2筐体302に設けられた上側の後面カバー306Aには、それぞれ、外気を吸い込むための吸込口315、316が形成されている。
【0075】
図4及び図5に示すように、第1筐体301内の上部には、鉛直方向に沿って延びる第1流通管321Y、321M、321C、321Kが、水平方向に沿って並んで設けられている。第1流通管321Y、321M、321C、321Kは、画像形成ユニット16(図1参照)に対応して設けられており、それぞれ、画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kに対して用いられるものである。
【0076】
各第1流通管321は、同一構成とされており、具体的には、第1流通管321の上部をなす曲管323と、曲管323の下端部と接続される直管325と、を備えている。各曲管323は、図6に示すように、水平方向に沿った第1直線部323Aと、第1直線部323Aと接続され湾曲する蛇腹状の湾曲部323Bと、湾曲部323Bに接続され鉛直方向に沿った第2直線部323Gと、を備えて構成されている。
【0077】
各曲管323の第1直線部323Aの吸い込み側には、中空構造の吸込部の一例としての吸込部材327が設けられている。各吸込部材327には、図7に示すように、その中空部と通じる複数の吸込口327Aが形成されている。各吸込口327Aは、各画像形成ユニット16の感光体18の周辺、例えば、トナーが飛散する現像装置22やオゾンが発生するスコロトロン帯電器20及び除電装置26の後方側で開口しており、各感光体18の周辺空間と通じている(図1参照)。
【0078】
各吸込部材327は、各複数の吸込口327Aと各曲管323の第1直線部323Aとを通じさせ、各感光体18の周辺空間から各複数の吸込口327Aを通じて吸い込まれた空気を各第1直線部323Aへ流通させるようになっている。
【0079】
そして、各曲管323では、第1直線部323Aが水平方向に沿って後方へ空気を流通させ、湾曲部323Bが第1直線部323Aからの空気を水平方向から鉛直方向下方へ流通方向を変化させ、第2直線部323Gが、湾曲部323Bからの空気を鉛直方向下方へ流通させるようになっている。
【0080】
各直管325は、上端部が各曲管323の第2直線部323Gの下端部と接続されている。各直管325は、図5及び図7に示すように、各吸込部材327(吸込口327A、第1直線部323A)に対して水平方向(左右方向)に沿ってずれた位置で鉛直方向に沿って延びており、各曲管323の第2直線部323Gからの空気を鉛直方向下方へ流通させるようになっている。
【0081】
本実施形態では、湾曲部323Bが左右方向にも変形することにより、第1流通管321の鉛直部をなす直管325の吸込部材327に対するズレを吸収している。このように、曲管323は、左右方向にずれる直管325と吸込部材327とを接続する接続部として機能する。
【0082】
なお、直管325の水平方向に沿った配置間隔及び画像形成ユニット16(感光体18)の水平方向に沿った配置間隔は等間隔とされると共に、直管325の水平方向に沿った配置間隔は、画像形成ユニット16(感光体18)の水平方向に沿った配置間隔よりも狭くされている。吸込部材327は、画像形成ユニット16(感光体18)に対応した配置間隔となっているため、直管325と吸込部材327との水平方向へのズレが、第1流通管321K、第1流通管321C、第1流通管321M、第1流通管321Yの順で徐々に大きくなっている。
【0083】
各直管325の下端部には、図4及び図5に示すように、第1トナーフィルタ331が収容された第1フィルタ収容部333が設けられている。各第1フィルタ収容部333は、中空とされた箱状に形成されており、各直管325と通じている。第1トナーフィルタ331は、空気を下方へ通過させ、その空気中の異物としてのトナーを捕獲して、トナーを除去するようになっている。
【0084】
各第1フィルタ収容部333の下流部には、第1トナーフィルタ331を通過した空気を下流側へ送る第1送風機の一例としての第1ファン335が設けられている。各第1ファン335は、上方から空気を吸い込み、その空気を排出口335Aから左斜め後方側へ排出するようになっている。
【0085】
4つの第1ファン335の下流側には、4つの第1ファン335から排出された空気を合流させる第1合流部341が設けられている。第1合流部341は、板金によって、図4及び図8に示すように、中空とされると共に後方側が開放された箱状に形成されている。具体的には、第1合流部341は、右側壁341Rと、左側壁341Lと、右側壁341Rの上端と左側壁341Lの上端とに連結された上壁341Uと、右側壁341Rの前端と左側壁341Lの前端とに連結された前壁341F(図8参照)と、右側壁341Rの前方側の下部と左側壁341Lの前方側の下部とに連結され下側が後方側に傾斜する傾斜壁341Kと、右側壁341Rの下端と左側壁341Lの下端とに連結された底壁341Bと、を備えて構成されている。第1合流部341の後壁は、下側の後面カバー305Bによって構成されるようになっている。
【0086】
本実施形態では、第1連結部の一例としての第1ブラケット361が上壁341Uに設けられ、第2連結部の一例としての第2ブラケット363が底壁341Bに設けられている。
【0087】
具体的には、第1ブラケット361及び第2ブラケット363は、それぞれ、上壁341Uの水平方向中央部、底壁341Bの水平方向中央部に配置されている。詳細には、第1ブラケット361及び第2ブラケット363は、水平方向において、第1流通管321Mの第1フィルタ収容部333(第1ファン335)と第1流通管321Cの第1フィルタ収容部333(第1ファン335)とに跨った位置に配置されている。
【0088】
第1ブラケット361及び第2ブラケット363は、図8に示すように、それぞれ、板金が屈曲されて断面L字状に形成されている。第1ブラケット361の水平板361Aが上壁341Uの上面に固定されている。第2ブラケット363の水平板363Aが底壁341Bの上面に固定されている。
【0089】
第1ブラケット361の垂直板361B及び第2ブラケット363の垂直板363Aには、それぞれ、固定部材としてのねじ365がねじ込まれるねじ孔367が、第1合流部341の水平方向中央部であって、水平方向における第1流通管321Mと第1流通管321Cとの間の位置に形成されている。これにより、水平方向における第1流通管321Mと第1流通管321Cとの間の位置で、下側の後面カバー305Bと、上壁341U及び底壁341Bとがそれぞれ連結されるようになっている。なお、下側の後面カバー305Bと第1合流部341との間には、密閉度を高めるためのウレタンフォーム等の弾性部材369が設けられている。
【0090】
前壁341Fには、4つの第1ファン335の排出側が差し込まれる差込口343が形成されている。底壁341Bの左側壁341L側には、第1合流部341内の空気が排出される排出口345が形成されている。なお、排出口345は、傾斜壁341Kにわたって形成されている。
【0091】
第1合流部341の排出口345には、図4及び図5に示すように、空気を排気装置300(画像形成装置10)の外部に排出する第1排出管351が、第1流通管321Yの下方位置で接続されている。
【0092】
第1排出管351の排出口351Aは、第1筐体301の底面に形成されている。これにより、第1排出管351の空気は、排出口351Aを通じて、排気装置300が設置された床面へ排出される。
【0093】
第1排出管351には、第1排出管351を流通する空気を通過させ、その空気中のオゾンを分解する第1オゾンフィルタ353が着脱可能に取り付けられている。第1オゾンフィルタ353は、第1排出管351に形成された開口部351Bを通じて、後方側に取り外されるようになっている。第1排出管351の開口部351Bは、下側の後面カバー305Bによって、気密状態で閉鎖されるようになっている。これにより、下側の後面カバー305Bを取り外すことにより、第1オゾンフィルタ353の交換がなされる。なお、第1オゾンフィルタ353の着脱方向は、第1トナーフィルタ331の着脱方向と同一方向とされている。
【0094】
図4及び図5に示すように、第2筐体302の上部には、鉛直方向に沿って延びる第2流通管322V、322Wが、水平方向に沿って並んで設けられている。第2流通管322V、322Wは、画像形成ユニット16(図1参照)に対応して設けられており、それぞれ、画像形成ユニット16V、16Wに対して用いられるものである。
【0095】
各第2流通管322は、第1流通管321と同一構成とされており、第2流通管322の上部をなす曲管323と、曲管323の下端部と接続される直管325と、を備えている。
【0096】
なお、第2流通管322、後述の第2トナーフィルタ332、後述の第2フィルタ収容部334及び後述の第2ファン336は、それぞれ、第1流通管321、第1トナーフィルタ331、第1フィルタ収容部333及び第1ファン335と同一構成とされているので、構成の説明は、適宜省略する。
【0097】
第2流通管322の各直管325の下端部には、図4及び図5に示すように、第2トナーフィルタ332が収容された第2フィルタ収容部334が設けられている。
【0098】
各第2フィルタ収容部334の下流部には、第2トナーフィルタ332を通過した空気を下流側へ送る第2送風機の一例としての第2ファン336が設けられている。
【0099】
2つの第2ファン336の下流側には、2つの第2ファン336から排出された空気を合流させる第2合流部342が設けられている。第2合流部342は、板金によって、図4に示すように、中空とされると共に後方側が開放された箱状に形成されている。具体的には、第2合流部342は、右側壁342Rと、左側壁342Lと、右側壁342Rの上端と左側壁342Lの上端とに連結された上壁342Uと、右側壁342Rの前端と左側壁342Lの前端とに連結された前壁342Fと、右側壁342Rの前方側の下部と左側壁342Lの前方側の下部とに連結され下側が後方側に傾斜する傾斜壁342Kと、右側壁342Rの下端と左側壁342Lの下端とに連結された底壁342Bと、を備えて構成されている。第2合流部342の後壁は、下側の後面カバー305Bによって構成されるようになっている。
【0100】
前壁342Fには、2つの第2ファン336の排出側が差し込まれる差込口344が形成されている。底壁342Bの左側壁342L側には、第2合流部342内の空気が排出される排出口346が形成されている。なお、排出口346は、傾斜壁342Kにわたって形成されている。
【0101】
第1筐体301内に設けられた第1合流部341が4つのファンからの排気を合流させるのに対して、第2筐体302に設けられた第2合流部342は、2つのファンからの排気を合流させるものであるため、水平方向の長さが第1合流部341よりも短く、また、内部の容積が第1合流部341よりも小さい。また、第2合流部342では、第1合流部341と異なり、第1ブラケット361及び第2ブラケット363による下側の後面カバー305Bへの連結がなされていない。
【0102】
第2合流部342の排出口346には、図4及び図5に示すように、空気を排気装置300(画像形成装置10)の外部に排出する第2排出管352が、第2流通管322Vの下方位置で接続されている。第2排出管352の排出口352Aは、第2筐体302の底面に形成されている。これにより、第2排出管352の空気は、排出口352Aを通じて、排気装置300が設置された床面へ排出される。
【0103】
第2排出管352には、第2排出管352を流通する空気を通過させ、その空気中のオゾンを分解する第2オゾンフィルタ354が着脱可能に取り付けられている。第2オゾンフィルタ354は、第2排出管352に形成された開口部352Bを通じて、後方側に取り外されるようになっている。第2排出管352の開口部352Bは、下側の後面カバー305Bによって閉鎖されるようになっている。なお、第2オゾンフィルタ354の着脱方向は、第2トナーフィルタ332の着脱方向と同一方向とされている。
【0104】
(本実施形態に係る排気装置の作用)
次に、本実施形態に係る排気装置の作用について説明する。
【0105】
本実施形態に係る排気装置300では、各画像形成ユニット16の感光体18の周辺空間から、各吸込部材327の複数の吸込口327Aを通じて、トナー及びオゾンを含んだ空気が吸い込まれる。
【0106】
吸込口327Aを通じて吸い込まれた空気は、各第1流通管321及び各第2流通管322の第1直線部323Aを、水平方向に沿って後方へ流通し、湾曲部323Bで鉛直方向下方へ向きを変え、第2直線部323G及び直管325を鉛直方向下方へ流通する。
【0107】
各第1流通管321及び各第2流通管322を流通した空気は、各第1トナーフィルタ331及び第2トナーフィルタ332を通過し、トナーが除去される。
【0108】
各第1トナーフィルタ331及び各第2トナーフィルタ332を通過した空気は、各第1ファン335及び各第2ファン336へその上方から吸い込まれ、排出口335A及び排出口336Aから左斜め後方側へ排出される。
【0109】
各第1ファン335の排出口335A及び各第2ファン336の排出口336Aから排出された空気は、第1合流部341及び第2合流部342でそれぞれ合流され、第1排出管351及び第2排出管352へ流入する。
【0110】
第1排出管351及び第2排出管352へ流入した空気は、それぞれ、第1オゾンフィルタ353及び第2オゾンフィルタ354を通過してその空気中のオゾンが分解され、排出口351A及び排出口352Aから、排気装置300が設置された床面へ排出される。
【0111】
このように、本実施形態では、複数の第1流通管321及び複数の第2流通管322からの空気を、それぞれ、第1合流部341及び第2合流部342で合流させるので、第1合流部341及び第2合流部342の下流側の構成部品(例えば、第1排出管351及び第1オゾンフィルタ353、第2排出管352及び第2オゾンフィルタ354)の数が、それぞれ、第1流通管321及び第2流通管322の数よりも低減される。これにより、排気装置300の部品点数が低減されるとともに、排気装置300が小型化される。
【0112】
また、第1オゾンフィルタ353及び第2オゾンフィルタ354が、それぞれ、吸込口327Aよりも排出側に位置する第1排出管351及び第2排出管352に設けられているので、第1排出管351及び第2排出管352よりも上流側に設けられる場合に比べ、第1オゾンフィルタ353及び第2オゾンフィルタ354に到達する前に自然分解するオゾンの量が多くなる。これにより、第1オゾンフィルタ353及び第2オゾンフィルタ354の寿命が延びる。
【0113】
また、第1排出管351及び第2排出管352からの空気は、排気装置300が設置された床面へ排出されるので、第1筐体301及び第2筐体302の側面や上面から空気を排出する場合に比べ、空気の排出によって生じる騒音が低減される。
【0114】
また、本実施形態では、第1ブラケット361及び第2ブラケット363によって、第1合流部341の上壁341U及び底壁341Bと下側の後面カバー305Bとがそれぞれ連結されているので、第1合流部341内の空気圧によって、下側の後面カバー305Bが外側に押されても、第1合流部341と下側の後面カバー305Bとの間に隙間ができにくく、第1合流部341内の空気が漏れにくい。
【0115】
また、本実施形態では、下側の後面カバー305Bを取り外すと、第1筐体301の後面及び第1合流部341の後面が開放されると共に、第1排出管351の開口部351Bが開放される。この開放状態で、第1オゾンフィルタ353の交換がなされる。
【0116】
なお、第2筐体302は、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光ユニット40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)が、追加部品として第1筐体10Aに装着された場合に用いられるものである。従って、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成である場合では、第2筐体302を設けない構成とされる。
【0117】
また、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみが、追加部品として第1筐体10Aに装着された場合には、第2流通管322、第2トナーフィルタ332、第2フィルタ収容部334及び第2ファン336を、それぞれ1つで構成してもよい。この構成においては、第2合流部342が不要となり、第2ファン336を直接第2排出管352に接続してもよい。
【0118】
(第1ファン335及び第2ファン336の駆動制御)
次に、第1ファン335及び第2ファン336の駆動制御について説明する。
【0119】
本実施形態では、第1筐体301内に配置された第1流通管321、第1トナーフィルタ331、第1フィルタ収容部333及び第1ファン335と、第2筐体302内に配置された第2流通管322、第2トナーフィルタ332、第2フィルタ収容部334及び第2ファン336とは、共通部品とされているため、第1ファン335及び第2ファン336の空気の流通方向上流側における通風抵抗は同等となる。
しかしながら、第1ファン335は、第2ファン336よりも搭載数が多く、また、第2合流部342よりも第1合流部341の水平方向の長さ(空気の流通方向に沿った長さ)が長いため、第2ファン336の空気の流通方向下流側における通風抵抗よりも、第1ファン335の空気の流通方向下流側における通風抵抗が大きく、第1筐体301内における空気の流通経路での通風抵抗(圧力損失)は、第2筐体302内における空気の流通経路での通風抵抗(圧力損失)よりも大きい。
さらに、第2合流部342と第1合流部341との容積が異なることにも起因して、第1筐体301内における空気の流通経路での通風抵抗(圧力損失)と、第2筐体302内における空気の流通経路での通風抵抗(圧力損失)とにおいて差が生じる。
このため、第1ファン335及び第2ファン336を同一回転数で駆動した場合では、第1筐体301内における空気の流通経路での風量と、第2筐体302内における空気の流通経路での風量とにおいて差が生じる。すなわち、画像形成装置10の本体側の第1筐体10Aから第1筐体301(第1流通管321)に対して排出される空気の排出量と、画像形成装置10の本体側の第1筐体10Aから第2筐体302(第2流通管322)に対して排出される空気の排出量とにおいて差が生じる。
これにより、第1画像形成部の一例としての画像形成ユニット16Y・16M・16C・16Kと、第2画像形成部の一例としての画像形成ユニット16V・16Wとの間で気流が発生し、画像形成装置10の本体側の第1筐体10A内で温度の不均一が生じたり、トナーが舞ったりする場合がある。
【0120】
なお、図9のグラフには、第1筐体301内の空気の流通経路における通風抵抗(インピーダンス)と、第2筐体302内の空気の流通経路における通風抵抗(インピーダンス)とが、太い実線及び太い破線にて示されている。このグラフによれば、第1筐体301内の流通経路におけるインピーダンス曲線のほうが、立ち上がった傾きを有しており、第2筐体302内の流通経路における通風抵抗(圧力損失)より、第1筐体301内の流通経路における通風抵抗(圧力損失)が大きいことが示されている。
【0121】
そこで、本実施形態では、第1流通管321における風量と第2流通管322における風量との風量差が小さくなるように、第1ファン335と第2ファン336とを異なる回転数で、各第1ファン335及び各第2ファン336の駆動モータ(駆動部の一例)355、356が駆動するように構成されている。
【0122】
具体的には、各第1ファン335及び各第2ファン336の駆動モータ355、356への供給電圧のパルス波のデューティ比を変化させて変調させることで、駆動制御を行う。詳細には、各第1ファン335の駆動モータ355におけるデューティ比を65%とし、各第2ファン336の駆動モータ356におけるデューティ比を55%とする。
【0123】
図9のグラフには、各第1ファン335の駆動モータ355におけるデューティ比を65%とした場合の第1ファン335の回転数・電流・静圧(圧力損失)・風量の動作点が、細い実線で示され、第2ファン336の各駆動モータ356におけるデューティ比を55%とした場合の第2ファン336の回転数・電流・静圧(圧力損失)・風量の動作点が、細い点線で示されている。
【0124】
これによれば、第1ファン335の回転数・電流・静圧(圧力損失)・風量は、それぞれ、例えば、回転数:4220rpm、電流: 4220rpm、静圧(圧力損失):560Pa、風量:1.40m3/minとなり、第2ファン335の回転数・電流・静圧(圧力損失)・風量は、それぞれ、例えば、回転数:3780rpm、電流:1000mA、静圧(圧力損失):460Pa、風量:1.40m3/minとなる。
【0125】
このように、異なるデューティ比によって、各第1ファン335及び各第2ファン336を駆動することにより、第1筐体301及び第2筐体302にそれぞれ設けられたファンの数の違いによって生じる風量差が低減される。仮に、各第1ファン335及び各第2ファン336の両方においてデューティ比を65%で駆動した場合では、消費電力が増加し、騒音が大きくなり、トナーフィルタの寿命に差が生じてしまう。
【0126】
また、各第1トナーフィルタ331(各第2トナーフィルタ332)を交換する際に、各第1ファン335(各第2ファン336)の回転数を通常運転時の回転数より増加させることにより、各第1流通管321(各第2流通管322)の蛇腹部分に溜まったトナーを落としてから、各第1トナーフィルタ331(各第2トナーフィルタ332)を交換する構成としてもよい。具体的には、上記のように、通常運転時に、デューティ比55%で各第1ファン335を駆動し、交換時には、例えば、デューティ比100%で各第1ファン335を駆動するようにしてもよい。
【0127】
なお、図9のグラフにおいて、「65静圧」「65回転数」「65電流」は、それぞれ、第1ファン335(第2ファン336)の駆動モータにおけるデューティ比を65%とした場合における静圧(圧力損失)と風量の関係、回転数と風量の関係、電流と風量の関係を示したものである。
【0128】
また、図9のグラフにおいて、「55静圧」「55回転数」「55電流」は、それぞれ、第1ファン335(第2ファン336)の駆動モータにおけるデューティ比を55%とした場合における静圧(圧力損失)と風量の関係、回転数と風量の関係、電流と風量の関係を示したものである。
【0129】
なお、第1ファン335及び第2ファン336の駆動制御は、デューティ比によるものに限られず、例えば、電圧の高低による制御であっても良い。
【0130】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0131】
10 画像形成装置
16Y、16M、16C、16K 画像形成ユニット(第1画像形成部の一例)
16V、16W 画像形成ユニット(第1画像形成部の一例)
321 第1流通管
322 第2流通管
335 第1ファン(第1送風機の一例)
336 第2ファン(第2送風機の一例)
341 第1合流部(合流部の一例)
342 第2合流部
351 第1排出管
352 第2排出管
355 駆動モータ(駆動部の一例)
356 駆動モータ(駆動部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する複数の第1画像形成部と、
画像を形成し、前記第1画像形成部よりも少ない数の第2画像形成部と、
各一端が前記複数の第1画像形成部のそれぞれと通じ、前記第1画像形成部からの空気を前記各一端から各他端へ流通させる複数の第1流通管と、
前記複数の第1流通管の他端と通じ、その他端からの空気を合流させる合流部と、
一端が前記合流部と通じ、他端が画像形成装置の外部と通じ、前記合流部からの空気を前記画像形成装置の外部へ排出する第1排出管と、
前記複数の第1流通管のそれぞれに設けられ、回転して前記第1流通管から前記合流部へ空気を送る第1送風機と、
一端が前記第2画像形成部と通じ、前記第2画像形成部からの空気を前記一端から他端へ流通させ、前記第2画像形成部と同数の第2流通管と、
一端が前記第2流通管の他端と通じ、他端が画像形成装置の外部と通じ、前記第2流通管からの空気を前記画像形成装置の外部へ排出する第2排出管と、
前記第2流通管に設けられ、回転して前記第2流通管から前記第2排出管へ空気を送る第2送風機と、
前記第1流通管における風量と前記第2流通管における風量との風量差が小さくなるように、前記第1送風機と前記第2送風機とを異なる回転数で駆動する駆動部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第2画像形成部は、複数で構成され、
前記第2流通管は、各一端が複数の前記第2画像形成部のそれぞれと通じ、前記第2画像形成部からの空気を前記各一端から各他端へ流通させる複数の流通管で構成され、
複数の前記第2流通管の他端には、前記合流部としての第1合流部と容積が異なり、前記複数の第2流通管の他端からの空気を合流させる第2合流部が設けられ、
前記第2排出管は、前記一端が前記第2合流部と通じ、前記第2合流部からの空気を前記画像形成装置の外部へ排出し、
前記第2送風機は、複数の前記第2流通管のそれぞれに設けられ、回転して前記第2流通管から前記第2合流部へ空気を送る請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の第1画像形成部は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色によって画像を形成する4つの画像形成部で構成され、
前記第2画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色である特別色によって画像を形成する特別色用の画像形成部で構成され、
前記複数の第1流通管は、前記各一端が前記4つの画像形成部のそれぞれに通じ、
前記第2流通管は、前記一端が、前記特別色用の画像形成部に通じている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−107457(P2011−107457A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262982(P2009−262982)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】