画像形成装置
【課題】作業者に蓄積された静電気によって電子部品が破壊するのを抑制することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置では、蓋部を開いた状態で、作業者から見て装置側電極70よりも手前に接地電極80を設けるようにした。この接地電極80は金属製の支持板を介して接地されている。作業者が不用意に装置側電極70に触れそうになった場合でも、作業者の指先が装置側電極70に近づく前に接地電極80に近づくため、指先から接地電極80に放電が起こり、静電気が接地面に流れる。放電後、作業者が装置側電極70に接触しても、電子部品を破壊する等の不具合を起こす可能性が小さい。
【解決手段】画像形成装置では、蓋部を開いた状態で、作業者から見て装置側電極70よりも手前に接地電極80を設けるようにした。この接地電極80は金属製の支持板を介して接地されている。作業者が不用意に装置側電極70に触れそうになった場合でも、作業者の指先が装置側電極70に近づく前に接地電極80に近づくため、指先から接地電極80に放電が起こり、静電気が接地面に流れる。放電後、作業者が装置側電極70に接触しても、電子部品を破壊する等の不具合を起こす可能性が小さい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、装置本体に対して着脱自在なトナーカートリッジやプロセスカートリッジ等の部品ユニットを備えている。部品ユニットには、その部品ユニットの使用状況を記憶するメモリ等の電子部品が搭載されている(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265252号公報
【特許文献2】特開2004−138775号公報
【特許文献3】特開2002−72826号公報
【特許文献4】特開平11−194682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、作業者に蓄積された静電気によって電子部品が破壊されるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、装置本体と、電子部品を含んで構成され、前記装置本体に対し或る方向に案内されて装着可能な部品ユニットと、前記部品ユニットに設けられ、前記電子部品に電気的に接続されるユニット側電極と、前記装置本体に設けられ、前記部品ユニットが前記装置本体に装着された状態で、前記ユニット側電極と電気的に接続される装置側電極と、前記装置本体に設けられ、接地された接地電極であって、前記或る方向において前記装置側電極よりも上流側の位置に設けられた接地電極と、を具備することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記ユニット側電極および前記装置側電極は、一方向に並ぶ端子群からなり、前記接地電極は、前記端子群の前記一方向における全幅よりも長く延びる部位を有していることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記部品ユニットは、画像を形成する像形成手段を備え、前記部品ユニットの電子部品は、前記像形成手段の使用状況を記憶する記憶手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、作業者が装置側電極に触れようとする際に、前記接地電極は、当該接地電極と前記指先との距離が、前記指先と前記装置側電極との距離よりも短くなる位置に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の画像形成装置によれば、接地電極を設けていない装置に比べて、作業者に蓄積された静電気によって電子部品が破壊するのを抑制することができる。
請求項2記載の画像形成装置によれば、このような構成となっていない場合に比べて、一方向に並ぶ端子群からなる装置側電極に作業者が触れる可能性があるときに、その作業者に溜まった静電気を放電し易くなる。
請求項3記載の画像形成装置によれば、接地電極を設けていない装置に比べて、像形成手段の使用状況を記憶した電子部品が静電気によって破壊するのを抑制することができる。
請求項4記載の画像形成装置によれば、このような構成となっていない場合に比べて、接地電極への静電気の放電を行い易くする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】蓋部を開いた状態を示す断面図である。
【図4】感光体ユニットを示す斜視図である。
【図5】蓋部および側面側開閉部を開いた状態を示す斜視図である。
【図6】ガイド板を示す平面図である。
【図7】接地電極を構成する線状部材を示す斜視図である。
【図8】図6中の矢視VIII−VIII方向から見た断面図である。
【図9】図5中のa部を拡大して示す図である。
【図10】感光体ユニットを外した状態を示す図9と同じ位置から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.実施形態>
本実施形態では、例えばプリンターやコピー機或いはファクシミリなどの画像形成装置を例に挙げて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図、図2は蓋部を開いた状態を示す断面図である。以下、作業者が画像形成装置1を正面から見たときの幅方向の右方向をX(+)・左方向をX(−)、前後方向の奥方向をY(+)・手前方向をY(−)、重力方向の上方をZ(+)・下方をZ(−)として説明する。
【0012】
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1は、画像形成ユニットが中間転写ベルトに沿って直列配置されたタンデム型のカラープリンターである。この画像形成装置1の内部には、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、或いは電話回線等から送られてくる画像データに対して画像処理を行う画像処理装置(図示せず)が設けられているほか、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kが設けられる。画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、中間転写ベルトに最初に転写されるイエロー(Y)の画像形成ユニット2Yが相対的に高く、中間転写ベルトに最後に転写される黒(K)の画像形成ユニット2Kが相対的に低くなるように、水平方向に対してある角度(例えば、20度)だけ傾斜した状態で、ある間隔を隔てて並列に配置されている。このように、4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを、ある角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを水平に配置した場合に比較して、画像形成装置1の幅方向(X軸方向)の距離が短くなる。
【0013】
これらの4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、基本的に同じ構成であるため、以下、これらを特に識別して説明する必要のない場合には画像形成ユニット2と総称する。
画像形成ユニット2は、像保持体となる感光体ドラム4や帯電装置などを備えた感光体ユニット3と、現像器5とを具備している。感光体ユニット3は装置本体40に対して着脱自在となる、部品の集合体となる部品ユニットとなり、現像器5はフレーム(図示せず)を介して装置本体40側に固定され、感光体ユニット3が装着されるユニット収容部となる。
【0014】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部には、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kに共通の画像露光装置6が設けられる。この画像露光装置6は、Y,M,C,Kの各色の画像データに応じて変調されたレーザービームを射出する半導体レーザー(いずれも図示せず)を4つ備えている。これらの半導体レーザーから射出された4本のレーザービームは、ポリゴンミラーによって偏向され、レンズやミラー(いずれも図示せず)を介して、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4の表面を走査し、静電潜像を書き込む。感光体ドラム4に形成された静電潜像は、現像器5Y,5M,5C,5Kによって、各色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー像となる。各々の画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4に順次形成された各色のトナー像は、各画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの上方に配置される中間転写体としての中間転写ベルト10の下方の外周面に、それぞれ一次転写ロール11によって多重に転写される。
【0015】
中間転写ベルト10は、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14などの複数のロールによって張架された無端のベルト状部材であり、駆動モーター(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール12により、矢印A方向に循環駆動されるようになっている。この中間転写ベルト10は、その下辺に相当する領域は、その走行方向の下流側が重力方向の下方、且つ上流側が重力方向の上方となるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。中間転写ベルト10は、この下辺に相当する領域において、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kに接触している。この中間転写ベルト10としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フイルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フイルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
これらの中間転写ベルト10、各一次転写ロール11、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14等は、中間転写ユニット9を構成する。
【0016】
記録媒体としての記録用紙18は、画像形成装置1の内部に配置された用紙収容部24から規定のサイズおよび材質のものが、各ロールによって形成された搬送路21に沿って搬送される。この搬送路21では、用紙収容部24内の記録用紙18が、給紙ロール25および用紙分離搬送用のロール26により1枚ずつ分離された状態でレジストロール28まで一旦搬送され、停止される。そして、この記録用紙18は、予め決まったタイミングで回転駆動されるレジストロール28によって中間転写ベルト10の二次転写位置へ送出される。この二次転写位置には、中間転写ベルト10の表面に突き当たった状態で接触する二次転写ロール17が配置される。中間転写ベルト10上に多重に転写されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像は、ドライブロール12に押し付ける二次転写ロール17によって、押付力および静電気力で記録用紙18上に二次転写される。この二次転写を経て各色のトナー像が転写された記録用紙18は、定着器19によって熱および圧力が加えられる定着処理を経た後、排出ロール20によって画像形成装置1の上部に設けられた用紙排出部23上に排出される。なお、搬送路21には、記録用紙18の表裏を反転させる反転機構22が備えられている。
【0017】
<画像形成装置の構造>
次に、画像形成装置1の構造について、図1、図2および図3を参照しつつ説明する。図2は画像形成装置1の外観を示す斜視図、図3は蓋部を開いたときの画像形成装置1の内部の状態を示す図である。
画像形成装置1の装置本体40の側面側には、支持軸42を中心にして開閉可能な開閉部41が取り付けられる。この開閉部41には、さらに供給用の開閉部43が開閉自在に設けられる。この開閉部43は、通常は開閉部41に対して閉じられているが、用紙収容部24に収納された記録用紙とは異なる種類の記録用紙を用いる際に、開閉部41に対して開かれて、ここからその記録用紙が搬送路21に供給される。
【0018】
また、装置本体40の上面には、支持軸46を中心にして開閉可能な蓋部45が設けられている。蓋部45の上側の面は、トナー像が形成された記録用紙18が排出される用紙排出部23となる。また、装置本体40の上面には、操作部49が取り付けられている。この操作部49は、例えば、記録用紙の枚数などを入力するテンキーなどを有する。
【0019】
蓋部45は、通常は装置本体40に対して閉じられており、感光体ユニット3Y、3M、3C、3Bを装置本体40に対して着脱する際に開かれる。蓋部45の内側に取り付けられた中間転写ユニット9が開閉部41に干渉するのを防止するため、蓋部45を開くのに先立って、まず、開閉部41が装置本体40に対して開かれる。一方、開閉部41を装置本体40に対して閉じる際には、開閉部41を閉じるのに先立って、まず、蓋部45が装置本体40に対して閉じられる。
【0020】
<感光体ユニットの構成>
次に、図4を参照しつつ、感光体ユニット3の構成について説明する。図4は感光体ユニット3の斜視図である。
感光体ユニット3は、樹脂材料によって形成されて両側にフランジ部302,303を有する長尺なユニット本体301を有する。このフランジ部302,303には、感光体ドラム4および帯電ロール304等の両端が回転可能に支持される。感光体ドラム4は、回転軸401を有し、回転軸401の両端には滑り軸受402が設けられる。
【0021】
また、一方のフランジ部302のうち、重力方向の上方位置には、4つの端子を有するユニット側電極305が形成された基板306が設けられる。この基板306には、メモリ機能を備えた電子部品(図示せず)が実装される。この電子部品には、感光体ユニット3の使用状況(例えば、感光体ドラム4の回転数や回転期間、或いは発生した不具合等)が記録される。
また、ユニット本体301の長手方向の中央部分には、作業者が感光体ユニット3を掴みやすいように、凹状の取手部307が形成されている。
【0022】
<ガイド板の構成>
次に、感光体ユニット3を装置本体40に対して着脱する際に利用されるガイド板について説明する。図5は蓋部および側面側開閉部41を開いた状態を示す斜視図、図7はガイド板を示す平面図、図8は図6中の矢視VIII−VIII方向から見た断面図、図9は図5中のa部を拡大して示す図、図10は感光体ユニットを外した状態を示す図9と同じ位置から見た斜視図である。
ガイド板60は、樹脂材料によって形成されて感光体ユニット3Y,3M,3Cの各回転軸401が或る方向(Z軸方向)に案内されるガイド溝61Y,61M,61Cを有する。ガイド溝61で案内されながら、重力方向の上方(Z(+))から挿入される感光体ユニット3は、現像器5に接触した状態で、装置本体40に装着される。また、ガイド板60の裏側には、回転軸401を支持する支持板90(図8参照)が設けられ、この支持板90は金属板によって形成されて、装置本体40の枠体を介して電気的に接地される。これにより、回転軸401が電気的に接地されることになる。
【0023】
ガイド板60には、4つの端子71を有する装置側電極70Y,70M,70Cが設けられる。この端子71は、図8に示すように、板体を折り曲げることによって弾性力を有した突起部72が形成される。これにより、感光体ユニット3が装着された状態で、ユニット側電極305の端子と装置側電極70の端子71とを接触し易くしている。
感光体ユニット3が装着された状態にあっては、ユニット側電極305と装置側電極70の各端子は接続され、ユニット側の電子部品と装置側の電子回路とが電気的に接続される。ユニット側の電子部品は、装置側の電子回路に記憶された感光体ユニット3の動作情報を記憶する。
【0024】
さらに、ガイド板60には、装置側電極70Y,70M,70Cの重力方向の上方(Z(+))(つまり、感光体ユニット3が挿入される際の案内方向(Z(−))に対し、装置側電極70よりも上流側)に、接地電極となる接地電極80が設けられる。
この接地電極80は、図7に示すように、線状部材81を折り曲げることによって形成される。線状部材81は、「L」字状に形成され、横方向(X方向)に延びる横軸部82、縦方向(Z方向)に延びる縦軸部83、縦軸部83の先端を奥方向(Y方向)に折り曲げて形成した折曲部84を有する。
【0025】
また、ガイド板60には接地電極用凹部62が形成され、横軸部82が接地電極用凹部62内に配置される。この横軸部82の長さ寸法L1は、図6に示すように、装置側電極70の端子71が並ぶ方向の全幅寸法L2よりも長く、横軸部82が各端子71を上側で覆うように設けられる。接地電極の横軸部82及び縦軸部83の大部分は露出した状態である。一方、折曲部84は、支持板90に弾性力を持った状態で接触する。これにより、接地電極80が支持板90を介して電気的に接地されることになる。接地電極80をガイド板60の表面に面して配置しないことにより、感光体ユニット3を着脱する際に、感光体ユニット3が接地電極80に引っかからないようにしている。
さらに、ガイド板60には電極凸部63を配置するための装置側電極70が突出形成される。この電極凸部63がガイド板60の面から突出することで、接地電極80と装置側電極70とを離間させるようにしている。
なお、ガイド板60は、装置本体40の奥方向(Y(+))と手前方向(Y(−))に設けられるが、装置側電極および接地電極が設けられていること以外は同じ構成となるため、その説明は省略する。
【0026】
画像形成装置1にあっては、昨今の事情から小型化に向かう傾向にある。例えば、図1に示すように、蓋部45の内側のデッドスペースにトナー回収ユニット50を配置して装置本体40の小型化を進めている。
一方、装置側の電子回路と感光体ユニット3の電子部品とを電気的に接続するための装置側端子の位置についても、ユーザが作業者として感光体ユニット3を交換することを考慮すると、装置側端子およびユニット側端子は、感光体ユニット3を着脱する際に目に付き難い位置に設けることが望ましい。しかし、小型化を図った状態の装置本体40では、画像露光装置6、現像器5Y,5M,5C,5Kおよび電源ユニット7が配置されているため、作業者の目に付きにくいところ(つまり、装置本体40の奥側)に電極を設けることができない。そこで、画像形成装置1では、図6に示すように、ガイド板60のうち、重力方向の上方(Z(+))となる位置、つまり蓋部45を開いた際に、作業者の目に付きやすいところに装置側電極70を配置しなくてはならないことがある。この場合、装置側電極70の位置に対応して、感光体ユニット3のユニット側電極305も、図4に示すように、感光体ユニット3の端面に設けなくてはならない。
【0027】
このため、ユーザが感光体ユニット3を交換する場合、蓋部45を開いた段階で、装置側電極70が目の前に現れることになり、装置側電極70を触れてみたいという衝動に駆られる場合がある。もし、端子71を手で触れた場合には、作業者の衣服に蓄えられた静電気が装置側電極70を介して電子回路に流れ込み、電子回路を構成する電子部品を破壊したり、電子回路が一時的に静電気を蓄え、感光体ユニット3が装着された段階で、電極70,305を介して感光体ユニット3側の電流が流れ込み、電子部品を破壊する等の不具合を起こすことがある。
【0028】
そこで、画像形成装置1では、蓋部45を開いた状態で、作業者から見て装置側電極70よりも手前に接地電極80を設けるようにした。この接地電極80は金属製の支持板90を介して接地されている。作業者が不用意に装置側電極70に触れそうになった場合でも、作業者の指先が装置側電極70に近づく前に接地電極80に近づくため、指先から接地電極80に放電が起こり、静電気が接地面に流れる。放電後、作業者が装置側電極70に接触しても、電子部品を破壊する等の不具合を起こす可能性が小さい。
【0029】
一方、上記のような不具合は、作業者が取手部307を持って作業する場合には、発生しづらいと言える。しかし、ユーザが感光体ユニット3を交換するときは、印刷等の途中に発生したエラーを解消するためであることが多い。このため、交換作業を行うユーザは、交換用の感光体ユニット3が梱包された箱等の書かれている注意書き等に目を通さずに作業を行ってしまうことがある。例えば、取手部307を持たずに感光体ユニット3の両側を持って交換を行う場合であっても、装置側電極70に手が触れる可能性が高い。このような場合でも接地電極80で放電するから、電子部品の保護が図れる。
【0030】
また、接地電極80の横軸部82が装置側電極70の各端子71を上側で覆うように設けられているから、どの端子71よりも先に作業者の指先に接地電極80が近づくようになり、指先から静電気による放電を接地電極80に起こさせる。
【0031】
さらに、作業者の指と電極70,80との距離関係は、図8に示すように、作業者の指先Fが電極70,80に近づいて電極凸部63に達すると、指先Fと接地電極80との距離が指Fと装置側電極70との距離よりも短くなる。これにより、作業者の静電気は、指先Fから接地電極80に放電を起こさせる。
【0032】
<2.変形例>
上記実施形態を次のように変形してもよい。
接地電極80の形状は線状部材に限らず、作業者の手(指先)が装置側電極70に近づく前に、作業者に蓄えられた静電気を放電することができれば、どのような形状であってもよい。
接地電極80をガイド板60の表面に面して配置しない構成としたが、接地電極をガイド板の表面から突出されて配置してもよく、この場合、感光体ユニット3を着脱する際に、突起した接地電極がガイド板60の表面から奥に潜り込む、或いは折れ曲がる等の機構を持たせればよい。
【符号の説明】
【0033】
1…画像形成装置、2,2Y,2M,2C,2K…画像形成ユニット、3,3Y,3M,3C,3K…感光体ユニット、4,4Y,4M,4C,4K…感光体ドラム、5,5Y,5M,5C,5K…現像器、6…画像露光装置、9…中間転写ユニット(部品ユニット)、10…中間転写ベルト、11…一次転写ロール、12…ドライブロール、17…二次転写ロール、18…記録用紙、19…定着器、40…装置本体、41…側面側開閉部、45…蓋部、60…ガイド板、61…ガイド溝、62…接地電極用凹部、63…電極凸部、70…装置側電極、71…端子、72…突起部、80…接地電極、81…線状部材、82…横軸部、83…縦軸部、84…折曲部、90…支持板、301…ユニット本体、302,303…フランジ部、305…ユニット側電極、306…基板、307…取手部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、装置本体に対して着脱自在なトナーカートリッジやプロセスカートリッジ等の部品ユニットを備えている。部品ユニットには、その部品ユニットの使用状況を記憶するメモリ等の電子部品が搭載されている(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265252号公報
【特許文献2】特開2004−138775号公報
【特許文献3】特開2002−72826号公報
【特許文献4】特開平11−194682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、作業者に蓄積された静電気によって電子部品が破壊されるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、装置本体と、電子部品を含んで構成され、前記装置本体に対し或る方向に案内されて装着可能な部品ユニットと、前記部品ユニットに設けられ、前記電子部品に電気的に接続されるユニット側電極と、前記装置本体に設けられ、前記部品ユニットが前記装置本体に装着された状態で、前記ユニット側電極と電気的に接続される装置側電極と、前記装置本体に設けられ、接地された接地電極であって、前記或る方向において前記装置側電極よりも上流側の位置に設けられた接地電極と、を具備することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記ユニット側電極および前記装置側電極は、一方向に並ぶ端子群からなり、前記接地電極は、前記端子群の前記一方向における全幅よりも長く延びる部位を有していることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記部品ユニットは、画像を形成する像形成手段を備え、前記部品ユニットの電子部品は、前記像形成手段の使用状況を記憶する記憶手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、作業者が装置側電極に触れようとする際に、前記接地電極は、当該接地電極と前記指先との距離が、前記指先と前記装置側電極との距離よりも短くなる位置に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の画像形成装置によれば、接地電極を設けていない装置に比べて、作業者に蓄積された静電気によって電子部品が破壊するのを抑制することができる。
請求項2記載の画像形成装置によれば、このような構成となっていない場合に比べて、一方向に並ぶ端子群からなる装置側電極に作業者が触れる可能性があるときに、その作業者に溜まった静電気を放電し易くなる。
請求項3記載の画像形成装置によれば、接地電極を設けていない装置に比べて、像形成手段の使用状況を記憶した電子部品が静電気によって破壊するのを抑制することができる。
請求項4記載の画像形成装置によれば、このような構成となっていない場合に比べて、接地電極への静電気の放電を行い易くする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】蓋部を開いた状態を示す断面図である。
【図4】感光体ユニットを示す斜視図である。
【図5】蓋部および側面側開閉部を開いた状態を示す斜視図である。
【図6】ガイド板を示す平面図である。
【図7】接地電極を構成する線状部材を示す斜視図である。
【図8】図6中の矢視VIII−VIII方向から見た断面図である。
【図9】図5中のa部を拡大して示す図である。
【図10】感光体ユニットを外した状態を示す図9と同じ位置から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.実施形態>
本実施形態では、例えばプリンターやコピー機或いはファクシミリなどの画像形成装置を例に挙げて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図、図2は蓋部を開いた状態を示す断面図である。以下、作業者が画像形成装置1を正面から見たときの幅方向の右方向をX(+)・左方向をX(−)、前後方向の奥方向をY(+)・手前方向をY(−)、重力方向の上方をZ(+)・下方をZ(−)として説明する。
【0012】
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1は、画像形成ユニットが中間転写ベルトに沿って直列配置されたタンデム型のカラープリンターである。この画像形成装置1の内部には、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、或いは電話回線等から送られてくる画像データに対して画像処理を行う画像処理装置(図示せず)が設けられているほか、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kが設けられる。画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、中間転写ベルトに最初に転写されるイエロー(Y)の画像形成ユニット2Yが相対的に高く、中間転写ベルトに最後に転写される黒(K)の画像形成ユニット2Kが相対的に低くなるように、水平方向に対してある角度(例えば、20度)だけ傾斜した状態で、ある間隔を隔てて並列に配置されている。このように、4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを、ある角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを水平に配置した場合に比較して、画像形成装置1の幅方向(X軸方向)の距離が短くなる。
【0013】
これらの4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、基本的に同じ構成であるため、以下、これらを特に識別して説明する必要のない場合には画像形成ユニット2と総称する。
画像形成ユニット2は、像保持体となる感光体ドラム4や帯電装置などを備えた感光体ユニット3と、現像器5とを具備している。感光体ユニット3は装置本体40に対して着脱自在となる、部品の集合体となる部品ユニットとなり、現像器5はフレーム(図示せず)を介して装置本体40側に固定され、感光体ユニット3が装着されるユニット収容部となる。
【0014】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部には、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kに共通の画像露光装置6が設けられる。この画像露光装置6は、Y,M,C,Kの各色の画像データに応じて変調されたレーザービームを射出する半導体レーザー(いずれも図示せず)を4つ備えている。これらの半導体レーザーから射出された4本のレーザービームは、ポリゴンミラーによって偏向され、レンズやミラー(いずれも図示せず)を介して、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4の表面を走査し、静電潜像を書き込む。感光体ドラム4に形成された静電潜像は、現像器5Y,5M,5C,5Kによって、各色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー像となる。各々の画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4に順次形成された各色のトナー像は、各画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの上方に配置される中間転写体としての中間転写ベルト10の下方の外周面に、それぞれ一次転写ロール11によって多重に転写される。
【0015】
中間転写ベルト10は、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14などの複数のロールによって張架された無端のベルト状部材であり、駆動モーター(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール12により、矢印A方向に循環駆動されるようになっている。この中間転写ベルト10は、その下辺に相当する領域は、その走行方向の下流側が重力方向の下方、且つ上流側が重力方向の上方となるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。中間転写ベルト10は、この下辺に相当する領域において、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kに接触している。この中間転写ベルト10としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フイルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フイルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
これらの中間転写ベルト10、各一次転写ロール11、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14等は、中間転写ユニット9を構成する。
【0016】
記録媒体としての記録用紙18は、画像形成装置1の内部に配置された用紙収容部24から規定のサイズおよび材質のものが、各ロールによって形成された搬送路21に沿って搬送される。この搬送路21では、用紙収容部24内の記録用紙18が、給紙ロール25および用紙分離搬送用のロール26により1枚ずつ分離された状態でレジストロール28まで一旦搬送され、停止される。そして、この記録用紙18は、予め決まったタイミングで回転駆動されるレジストロール28によって中間転写ベルト10の二次転写位置へ送出される。この二次転写位置には、中間転写ベルト10の表面に突き当たった状態で接触する二次転写ロール17が配置される。中間転写ベルト10上に多重に転写されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像は、ドライブロール12に押し付ける二次転写ロール17によって、押付力および静電気力で記録用紙18上に二次転写される。この二次転写を経て各色のトナー像が転写された記録用紙18は、定着器19によって熱および圧力が加えられる定着処理を経た後、排出ロール20によって画像形成装置1の上部に設けられた用紙排出部23上に排出される。なお、搬送路21には、記録用紙18の表裏を反転させる反転機構22が備えられている。
【0017】
<画像形成装置の構造>
次に、画像形成装置1の構造について、図1、図2および図3を参照しつつ説明する。図2は画像形成装置1の外観を示す斜視図、図3は蓋部を開いたときの画像形成装置1の内部の状態を示す図である。
画像形成装置1の装置本体40の側面側には、支持軸42を中心にして開閉可能な開閉部41が取り付けられる。この開閉部41には、さらに供給用の開閉部43が開閉自在に設けられる。この開閉部43は、通常は開閉部41に対して閉じられているが、用紙収容部24に収納された記録用紙とは異なる種類の記録用紙を用いる際に、開閉部41に対して開かれて、ここからその記録用紙が搬送路21に供給される。
【0018】
また、装置本体40の上面には、支持軸46を中心にして開閉可能な蓋部45が設けられている。蓋部45の上側の面は、トナー像が形成された記録用紙18が排出される用紙排出部23となる。また、装置本体40の上面には、操作部49が取り付けられている。この操作部49は、例えば、記録用紙の枚数などを入力するテンキーなどを有する。
【0019】
蓋部45は、通常は装置本体40に対して閉じられており、感光体ユニット3Y、3M、3C、3Bを装置本体40に対して着脱する際に開かれる。蓋部45の内側に取り付けられた中間転写ユニット9が開閉部41に干渉するのを防止するため、蓋部45を開くのに先立って、まず、開閉部41が装置本体40に対して開かれる。一方、開閉部41を装置本体40に対して閉じる際には、開閉部41を閉じるのに先立って、まず、蓋部45が装置本体40に対して閉じられる。
【0020】
<感光体ユニットの構成>
次に、図4を参照しつつ、感光体ユニット3の構成について説明する。図4は感光体ユニット3の斜視図である。
感光体ユニット3は、樹脂材料によって形成されて両側にフランジ部302,303を有する長尺なユニット本体301を有する。このフランジ部302,303には、感光体ドラム4および帯電ロール304等の両端が回転可能に支持される。感光体ドラム4は、回転軸401を有し、回転軸401の両端には滑り軸受402が設けられる。
【0021】
また、一方のフランジ部302のうち、重力方向の上方位置には、4つの端子を有するユニット側電極305が形成された基板306が設けられる。この基板306には、メモリ機能を備えた電子部品(図示せず)が実装される。この電子部品には、感光体ユニット3の使用状況(例えば、感光体ドラム4の回転数や回転期間、或いは発生した不具合等)が記録される。
また、ユニット本体301の長手方向の中央部分には、作業者が感光体ユニット3を掴みやすいように、凹状の取手部307が形成されている。
【0022】
<ガイド板の構成>
次に、感光体ユニット3を装置本体40に対して着脱する際に利用されるガイド板について説明する。図5は蓋部および側面側開閉部41を開いた状態を示す斜視図、図7はガイド板を示す平面図、図8は図6中の矢視VIII−VIII方向から見た断面図、図9は図5中のa部を拡大して示す図、図10は感光体ユニットを外した状態を示す図9と同じ位置から見た斜視図である。
ガイド板60は、樹脂材料によって形成されて感光体ユニット3Y,3M,3Cの各回転軸401が或る方向(Z軸方向)に案内されるガイド溝61Y,61M,61Cを有する。ガイド溝61で案内されながら、重力方向の上方(Z(+))から挿入される感光体ユニット3は、現像器5に接触した状態で、装置本体40に装着される。また、ガイド板60の裏側には、回転軸401を支持する支持板90(図8参照)が設けられ、この支持板90は金属板によって形成されて、装置本体40の枠体を介して電気的に接地される。これにより、回転軸401が電気的に接地されることになる。
【0023】
ガイド板60には、4つの端子71を有する装置側電極70Y,70M,70Cが設けられる。この端子71は、図8に示すように、板体を折り曲げることによって弾性力を有した突起部72が形成される。これにより、感光体ユニット3が装着された状態で、ユニット側電極305の端子と装置側電極70の端子71とを接触し易くしている。
感光体ユニット3が装着された状態にあっては、ユニット側電極305と装置側電極70の各端子は接続され、ユニット側の電子部品と装置側の電子回路とが電気的に接続される。ユニット側の電子部品は、装置側の電子回路に記憶された感光体ユニット3の動作情報を記憶する。
【0024】
さらに、ガイド板60には、装置側電極70Y,70M,70Cの重力方向の上方(Z(+))(つまり、感光体ユニット3が挿入される際の案内方向(Z(−))に対し、装置側電極70よりも上流側)に、接地電極となる接地電極80が設けられる。
この接地電極80は、図7に示すように、線状部材81を折り曲げることによって形成される。線状部材81は、「L」字状に形成され、横方向(X方向)に延びる横軸部82、縦方向(Z方向)に延びる縦軸部83、縦軸部83の先端を奥方向(Y方向)に折り曲げて形成した折曲部84を有する。
【0025】
また、ガイド板60には接地電極用凹部62が形成され、横軸部82が接地電極用凹部62内に配置される。この横軸部82の長さ寸法L1は、図6に示すように、装置側電極70の端子71が並ぶ方向の全幅寸法L2よりも長く、横軸部82が各端子71を上側で覆うように設けられる。接地電極の横軸部82及び縦軸部83の大部分は露出した状態である。一方、折曲部84は、支持板90に弾性力を持った状態で接触する。これにより、接地電極80が支持板90を介して電気的に接地されることになる。接地電極80をガイド板60の表面に面して配置しないことにより、感光体ユニット3を着脱する際に、感光体ユニット3が接地電極80に引っかからないようにしている。
さらに、ガイド板60には電極凸部63を配置するための装置側電極70が突出形成される。この電極凸部63がガイド板60の面から突出することで、接地電極80と装置側電極70とを離間させるようにしている。
なお、ガイド板60は、装置本体40の奥方向(Y(+))と手前方向(Y(−))に設けられるが、装置側電極および接地電極が設けられていること以外は同じ構成となるため、その説明は省略する。
【0026】
画像形成装置1にあっては、昨今の事情から小型化に向かう傾向にある。例えば、図1に示すように、蓋部45の内側のデッドスペースにトナー回収ユニット50を配置して装置本体40の小型化を進めている。
一方、装置側の電子回路と感光体ユニット3の電子部品とを電気的に接続するための装置側端子の位置についても、ユーザが作業者として感光体ユニット3を交換することを考慮すると、装置側端子およびユニット側端子は、感光体ユニット3を着脱する際に目に付き難い位置に設けることが望ましい。しかし、小型化を図った状態の装置本体40では、画像露光装置6、現像器5Y,5M,5C,5Kおよび電源ユニット7が配置されているため、作業者の目に付きにくいところ(つまり、装置本体40の奥側)に電極を設けることができない。そこで、画像形成装置1では、図6に示すように、ガイド板60のうち、重力方向の上方(Z(+))となる位置、つまり蓋部45を開いた際に、作業者の目に付きやすいところに装置側電極70を配置しなくてはならないことがある。この場合、装置側電極70の位置に対応して、感光体ユニット3のユニット側電極305も、図4に示すように、感光体ユニット3の端面に設けなくてはならない。
【0027】
このため、ユーザが感光体ユニット3を交換する場合、蓋部45を開いた段階で、装置側電極70が目の前に現れることになり、装置側電極70を触れてみたいという衝動に駆られる場合がある。もし、端子71を手で触れた場合には、作業者の衣服に蓄えられた静電気が装置側電極70を介して電子回路に流れ込み、電子回路を構成する電子部品を破壊したり、電子回路が一時的に静電気を蓄え、感光体ユニット3が装着された段階で、電極70,305を介して感光体ユニット3側の電流が流れ込み、電子部品を破壊する等の不具合を起こすことがある。
【0028】
そこで、画像形成装置1では、蓋部45を開いた状態で、作業者から見て装置側電極70よりも手前に接地電極80を設けるようにした。この接地電極80は金属製の支持板90を介して接地されている。作業者が不用意に装置側電極70に触れそうになった場合でも、作業者の指先が装置側電極70に近づく前に接地電極80に近づくため、指先から接地電極80に放電が起こり、静電気が接地面に流れる。放電後、作業者が装置側電極70に接触しても、電子部品を破壊する等の不具合を起こす可能性が小さい。
【0029】
一方、上記のような不具合は、作業者が取手部307を持って作業する場合には、発生しづらいと言える。しかし、ユーザが感光体ユニット3を交換するときは、印刷等の途中に発生したエラーを解消するためであることが多い。このため、交換作業を行うユーザは、交換用の感光体ユニット3が梱包された箱等の書かれている注意書き等に目を通さずに作業を行ってしまうことがある。例えば、取手部307を持たずに感光体ユニット3の両側を持って交換を行う場合であっても、装置側電極70に手が触れる可能性が高い。このような場合でも接地電極80で放電するから、電子部品の保護が図れる。
【0030】
また、接地電極80の横軸部82が装置側電極70の各端子71を上側で覆うように設けられているから、どの端子71よりも先に作業者の指先に接地電極80が近づくようになり、指先から静電気による放電を接地電極80に起こさせる。
【0031】
さらに、作業者の指と電極70,80との距離関係は、図8に示すように、作業者の指先Fが電極70,80に近づいて電極凸部63に達すると、指先Fと接地電極80との距離が指Fと装置側電極70との距離よりも短くなる。これにより、作業者の静電気は、指先Fから接地電極80に放電を起こさせる。
【0032】
<2.変形例>
上記実施形態を次のように変形してもよい。
接地電極80の形状は線状部材に限らず、作業者の手(指先)が装置側電極70に近づく前に、作業者に蓄えられた静電気を放電することができれば、どのような形状であってもよい。
接地電極80をガイド板60の表面に面して配置しない構成としたが、接地電極をガイド板の表面から突出されて配置してもよく、この場合、感光体ユニット3を着脱する際に、突起した接地電極がガイド板60の表面から奥に潜り込む、或いは折れ曲がる等の機構を持たせればよい。
【符号の説明】
【0033】
1…画像形成装置、2,2Y,2M,2C,2K…画像形成ユニット、3,3Y,3M,3C,3K…感光体ユニット、4,4Y,4M,4C,4K…感光体ドラム、5,5Y,5M,5C,5K…現像器、6…画像露光装置、9…中間転写ユニット(部品ユニット)、10…中間転写ベルト、11…一次転写ロール、12…ドライブロール、17…二次転写ロール、18…記録用紙、19…定着器、40…装置本体、41…側面側開閉部、45…蓋部、60…ガイド板、61…ガイド溝、62…接地電極用凹部、63…電極凸部、70…装置側電極、71…端子、72…突起部、80…接地電極、81…線状部材、82…横軸部、83…縦軸部、84…折曲部、90…支持板、301…ユニット本体、302,303…フランジ部、305…ユニット側電極、306…基板、307…取手部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
電子部品を含んで構成され、前記装置本体に対し或る方向に案内されて装着可能な部品ユニットと、
前記部品ユニットに設けられ、前記電子部品に電気的に接続されるユニット側電極と、
前記装置本体に設けられ、前記部品ユニットが前記装置本体に装着された状態で、前記ユニット側電極と電気的に接続される装置側電極と、
前記装置本体に設けられ、接地された接地電極であって、前記或る方向において前記装置側電極よりも上流側の位置に設けられた接地電極と、を具備する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記ユニット側電極および前記装置側電極は、一方向に並ぶ端子群からなり、
前記接地電極は、前記端子群の前記一方向における全幅よりも長く延びる部位を有している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記部品ユニットは、画像を形成する像形成手段を備え、
前記部品ユニットの電子部品は、前記像形成手段の使用状況を記憶する記憶手段である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、
作業者が装置側電極に触れようとする際に、
前記接地電極は、当該接地電極と前記指先との距離が、前記指先と前記装置側電極との距離よりも短くなる位置に設けられる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
装置本体と、
電子部品を含んで構成され、前記装置本体に対し或る方向に案内されて装着可能な部品ユニットと、
前記部品ユニットに設けられ、前記電子部品に電気的に接続されるユニット側電極と、
前記装置本体に設けられ、前記部品ユニットが前記装置本体に装着された状態で、前記ユニット側電極と電気的に接続される装置側電極と、
前記装置本体に設けられ、接地された接地電極であって、前記或る方向において前記装置側電極よりも上流側の位置に設けられた接地電極と、を具備する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記ユニット側電極および前記装置側電極は、一方向に並ぶ端子群からなり、
前記接地電極は、前記端子群の前記一方向における全幅よりも長く延びる部位を有している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記部品ユニットは、画像を形成する像形成手段を備え、
前記部品ユニットの電子部品は、前記像形成手段の使用状況を記憶する記憶手段である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、
作業者が装置側電極に触れようとする際に、
前記接地電極は、当該接地電極と前記指先との距離が、前記指先と前記装置側電極との距離よりも短くなる位置に設けられる
ことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−175204(P2011−175204A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40949(P2010−40949)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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