画像形成装置
【課題】シート後端が搬送部を抜ける際のシートの速度変動を低減することで、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生もシートの速度変動に起因した画像ブレの発生も低減可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送部31では、従動ローラ54が、第1〜第3ローラ本体51,52,53を軸方向に有した状態で搬送ローラ5と平行に対向し且つ搬送ローラ5に圧接された状態でローラ保持部材57により回転自在に保持されている。このローラ保持部材は、第1〜第3ローラ本体と搬送ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置が異なっている。これにより、シートの速度変動を複数段階に分けて発生させて低減し、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。
【解決手段】搬送部31では、従動ローラ54が、第1〜第3ローラ本体51,52,53を軸方向に有した状態で搬送ローラ5と平行に対向し且つ搬送ローラ5に圧接された状態でローラ保持部材57により回転自在に保持されている。このローラ保持部材は、第1〜第3ローラ本体と搬送ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置が異なっている。これにより、シートの速度変動を複数段階に分けて発生させて低減し、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やレーザビームプリンタ等の従来の画像形成装置では、給送トレイに積載されたシートは、給送ローラと分離部材とからなる給送部によって装置本体内に給送される。給送されたシートは、搬送ローラと、搬送ローラに対向して押圧された複数の従動ローラとからなる転写前搬送部により、転写ローラと感光ドラムとからなる転写部に搬送され、この転写部で未定着トナー像を転写される。通常、転写前搬送部はレジストローラ対を備えており、このレジストローラ対は、搬送されてくるシートの斜行を補正する機能と、転写部での画像とシートとの位置が合うようにタイミングを合わせてシートを送り出す機能とを備えている。
【0003】
未定着トナー像を転写されたシートは、定着前搬送部によって、加圧ローラと加熱ローラとからなる定着部に搬送され、転写された未定着トナー像が定着部で定着される。画像を定着されたシートは、駆動ローラと従動ローラとからなる排紙部により排紙トレイに排紙される。
【0004】
ところで、レジストローラ対と転写部との間で搬送されているシートの後端がレジストローラ対を抜けるときに、シートと転写部で転写される未定着トナー像に部分的にブレが発生することがある。その要因として、以下のことが考えられる。
【0005】
シートの後端が、レジストローラ対を抜けた直後に跳ねるなどしてシートの挙動に変化が生じ、その挙動の変化によって、シートと転写される未定着トナー像にブレが発生する。また、レジストローラ対におけるシート搬送速度と転写部におけるシート搬送速度とに差があり、レジストローラ対をシートの後端が抜ける前後でシートの速度が変化し、その速度変化によってシートの挙動や転写部の感光ドラムの挙動に変化が発生する。このため、その挙動の変化によって、シートと転写される画像にブレが発生する。
【0006】
従来の画像形成装置では、上記画像ブレを回避するための構成として、レジストローラ対の直後の部位にシート後端の跳ねを防止する跳ね防止部材を配置したものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−232567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1記載の技術では、シート後端の跳ねによるシートの挙動の変化は防止できるとしても、シートの速度変動に起因したシートと未定着トナー像のブレを防止することはできなかった。
【0009】
そこで本発明は、シート後端が搬送部を抜ける際のシートの速度変動を低減することで、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生も、シートの速度変動に起因した画像ブレの発生も低減可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、駆動源からの駆動力を受けて回転する駆動ローラと前記駆動ローラの回転に従動する従動ローラとを有し、前記駆動ローラと前記従動ローラとが圧接するニップ部でシートを挟持して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるシートを搬送する下流側搬送部と、を備えた画像形成装置において、前記従動ローラが、複数のローラ本体で構成され、各ローラ本体が前記駆動ローラと対向し且つ前記駆動ローラに圧接された状態でローラ保持部材により回転自在に保持され、前記ローラ保持部材が、前記複数のローラ本体のうちの少なくとも1つと前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置と、他の前記ローラ本体と前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置とを異ならせるように前記従動ローラを保持することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、駆動ローラと従動ローラとの複数のニップ部をシートの後端が抜ける際、シート後端は、下流端位置の異なる各ニップ部を順番に抜けながら通過することになる。これにより、シートの速度変動を複数段階に分けて発生させて低減することができ、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した複写機等の画像形成装置の全体構成を模式的に示す断面図。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における搬送部を示す平面図。
【図3】第1の実施形態における搬送部を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態における搬送部を軸方向に見た状態で示す模式図。
【図5】本発明に係る第2の実施形態における搬送部を示す平面図。
【図6】本発明に係る第2の実施形態における搬送部を示す斜視図。
【図7】第2の実施形態における搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図。
【図8】本発明に係る第3の実施形態における搬送部を示す斜視図。
【図9】第3の実施形態における搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図。
【図10】第3の実施形態における搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図。
【図11】第3の実施形態における搬送部を示す平面図。
【図12】本発明の比較例における搬送部を示す平面図。
【図13】本発明の比較例における搬送部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に沿って、本発明に係る画像形成装置について説明する。まず、図1を参照して、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置1の概略構成について説明する。
【0014】
即ち、画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成装置本体(以下、装置本体という)1aに、複数のシートPを収納した給送トレイ10と、給送ローラ11と分離部材12とからなる給送部13と、レジストローラ対を備える搬送部31とを備えている。搬送部31は、駆動ローラである搬送ローラ5と、この搬送ローラ5に対向し圧接されて搬送ローラ5の回転に従動する従動ローラ4と、を有している。搬送部31は、駆動ローラである搬送ローラ5と従動ローラ4とが圧接するニップ部でシートPを挟持して搬送する。そして、搬送ローラ5と従動ローラ4とで搬送されてくるシートの斜行を補正し、後述する画像形成部の転写部16にトナー像とシートPとの位置が合うようにタイミングを調整してシートPを搬送するように構成されている。転写部16は、搬送部31により搬送されるシートPを搬送する下流側搬送部を構成している。搬送ローラ5は、モータ等の不図示の駆動源からの駆動力を、一端部に固定された駆動ギヤ25に受けて回転する。さらに、装置本体1aは、搬送部31により搬送されるシートPに未定着トナー像を転写する転写部16と、加圧ローラ18と加熱ローラ19とからなる定着部20と、排紙ローラ21,22からなる排紙部23と、排紙トレイ24とを備えている。画像形成部を構成する転写部16は、感光ドラム14と転写ローラ15とにより構成されている。
【0015】
上記構成を備えた画像形成装置1において、給送トレイ10に積載されたシートPは、給送部13によって給送された後、搬送部31によって転写部16に搬送され、この転写部16によって未定着トナー像を転写される。さらに、未定着トナー像を転写されたシートPは、定着部20に搬送され、転写部16で転写された未定着トナー像を定着される。そして、画像を定着されたシートPは、排紙部23によって排紙トレイ24に排紙される。なお、本実施の形態では、シートの搬送経路におけるシート搬送方向と直交する方向の中央とシートの幅方向の中央とを一致させてシートを搬送する、所謂中央基準でシートを搬送する画像形成装置を例として説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
ここで、本発明に係る第1の実施形態について説明する。図2及び図3は、第1の実施形態における搬送部の構成を示す平面図及び斜視図である。
【0017】
図2及び図3に示すように、本実施形態の搬送部31は、図1の従動ローラ4に相当する従動ローラ54と搬送ローラ(駆動ローラ)5とで構成されている。従動ローラ54は、複数の第1〜第3ローラ本体51,52,53で構成され、第1〜第3ローラ本体51〜53が搬送ローラ(駆動ローラ)5と平行に対向して配置されている。これら第1ローラ本体51、第2ローラ本体52、第3ローラ本体53は、搬送ローラ5の各対向するローラ本体5a,5b,5cにそれぞれ圧接された状態で、ローラ保持部材57に設けられた軸によって回転自在に保持されている。なお、第1〜第3ローラ本体51,52,53とローラ本体5a,5b,5cは中央に対して左右対象に配置されている。
【0018】
搬送部枠体59は、搬送ローラ5及び従動ローラ54の軸方向に沿って延在するローラ保持部材57を有している。ローラ保持部材57は、壁部57a,57b,57c,57d,57e,57fによって複数の収納部に分割されており、各収納部には、それぞれ第1〜第3ローラ本体51,52,53がそれぞれ軸によって回転自在に支持されて収納されている。
【0019】
すなわち、壁部57cと壁部57dとで仕切られた収納部には、2つの第1ローラ本体51がこれら壁部57c,57dに支軸40を介して回転自在に支持されて収納されている。また、壁部57bと壁部57cとで仕切られた収納部には、第2ローラ本体52がこれら壁部57b,57cに支軸41を介して回転自在に支持されて収納されている。さらに、壁部57dと壁部57eとで仕切られた収納部には、第2ローラ本体52がこれら壁部57d,57eに支軸41を介して回転自在に支持されて収納されている。また、壁部57aと壁部57bとで仕切られた収納部には、第3ローラ本体53がこれら壁部57a,57bに支軸42を介して回転自在に支持されて収納されている。さらに、壁部57eと壁部57fとで仕切られた収納部には、第3ローラ本体53がこれら壁部57e,57fに支軸42を介して回転自在に支持されて収納されている。
【0020】
図2に示すように、支軸40は、2つの第1ローラ本体51,51を支持している。この支軸40は、ローラ本体5a,5aに対してシート搬送方向の下流側(図2の下側)に位置して、搬送ローラ5の中心と同軸の円A(図4に図示)上に位置するように壁部57c,57d間に支持されている。第1ローラ本体51の両隣りで夫々第2ローラ本体52を支持する支軸41は、ローラ本体5bに対してシート搬送方向の中側に位置して、上記円A上に位置するように壁部57b,57c間と壁部57d,57e間に夫々支持されている。第2ローラ本体52の隣りで夫々第3ローラ本体53を支持する支軸42は、ローラ本体5cに対してシート搬送方向の上流側に位置して、上記円A上に位置するように壁部57a,57b間と壁部57e,57f間に夫々支持されている。
【0021】
図3に示すように、搬送部枠体59の両端部に位置する支持部59a,59bには、ローラ保持部材57の両端部に位置する壁部57a,57fを摺動自在に収納する開口部59c,59cがそれぞれ形成されている。開口部59c,59cには、ローラ保持部材57の両端部がそれぞれ摺動可能に挿入されている。これら両端部は、弾性部材やバネ部材等からなる付勢部材56を介して搬送ローラ5に向かって押圧されている。これにより、従動ローラ54の第1〜第3ローラ本体51,52,53が、それぞれ対向するローラ本体5a,5b,5cに弾性的に圧接される。
【0022】
搬送ローラ5と従動ローラ54との位置関係を図4に示す。同図に示すように、矢印で示すシート搬送方向の上流から第3のローラ本体53、第2のローラ本体52、第1のローラ本体51の順に位置してそれぞれがローラ本体5c,5b,5aに圧接できるように配置されている。従動ローラ54は、シート搬送方向に対しては第1〜第3ローラ本体51〜53が異なる位置にあるが、搬送ローラ5に対しては、これらローラ本体51〜53の各中心は、搬送ローラ5の中心と同軸の円A上にある。これにより、第1〜第3ローラ本体51,52,53は、ローラ本体5a,5b,5cとの間で、それぞれ第1ニップ部B、第2ニップ部C、第3ニップ部Dを形成する。なお、ニップ部とは、第1〜第3ローラ本体51,52,53とローラ本体5a,5b,5cとが圧接する部分であり、ローラが潰れることにより面で圧接しているが、説明上、圧接している中央部分をニップ部として説明する。
【0023】
以上の搬送部31では、ローラ保持部材57が、第1〜第3ローラ本体51,52,53と搬送ローラ5のローラ本体5a,5b,5cとでなす第1〜第3ニップ部B,C,Dのシート搬送方向での下流端の位置を互いに異ならせるように保持している。即ち、本実施形態において、ローラ保持部材57は、第1〜第3ローラ本体51,52,53とローラ本体5a,5b,5cとの第1〜第3ニップ部B,C,Dの搬送ローラ5に対する周方向位置を異ならせるように従動ローラ54を保持している。
【0024】
なお、本実施形態では、第1〜第3ローラ本体51,52,53の全てが、搬送ローラ5とでなす第1〜第3ニップ部B,C,Dのシート搬送方向での下流端の位置(つまり、搬送ローラ5に対する周方向位置)を異ならせている。しかし、上記ローラ本体51〜53の内の少なくとも1つと搬送ローラ5とのニップ部の下流端の位置(搬送ローラ5に対する周方向位置)と、他のローラ本体と搬送ローラ5とのニップ部の下流端の位置とが異なっていれば、本発明は成立する。このことは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0025】
以上のように本画像形成装置1では、上記搬送部31を備えるので、シートPの後端が搬送ローラ5と従動ローラ54とのニップ部を抜ける際、シート後端が、第3ニップ部Dを通過し、次に第2ニップ部Cを通過し、最後に第1ニップ部Bを通過する。これにより、従来技術では1段階で発生していたシートPの速度変動を3段階に分けて発生させて低減することができ、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。これにより、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生も、シートの速度変動に起因した画像ブレの発生も大幅に低減することができる。
【0026】
<第2の実施形態>
次に、図5乃至図7に沿って、本発明に係る第2の実施形態の画像形成装置1における搬送部31について説明する。本実施形態では、画像形成装置におけるシートの給送から排紙までの基本構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。なお、図5は本実施形態における搬送部31を示す平面図、図6は本実施形態における搬送部31を示す斜視図、図7は本実施形態における搬送部31の従動ローラ74の一部を拡大して示す斜視図である。
【0027】
すなわち、本実施形態では、搬送部枠体60が、複数(本実施形態では6つ)のローラ保持部材77a,77b,77c,77d,77e,77fを搬送ローラ5の軸方向にて互いに結合したローラ保持部材77を有している。そして、ローラ保持部材77a〜77fはそれぞれ、複数(本実施形態では6つ)の支軸40a,40b,41,41,42,42をローラ保持部材77に対して個別に保持する複数(本実施形態では6個)のローラ保持補助部材78を備えている。
【0028】
図7に示すように、ローラ保持部材77a〜77fは夫々、互いに隣接する壁部分に図の上下方向に形成されたスライド溝80を有している。ローラ保持部材77a〜77fの各内部に移動可能に収容されたローラ保持補助部材78には、支軸40a,40b,41,42を夫々支持する支持溝78aが形成されている。図7においては、ローラ保持補助部材78の支持溝78aに支持された支軸40a,40b,41,42を、ローラ保持部材77a〜77fの各スライド溝80に摺動自在に収容した状態となっている。この状態で、各ローラ保持補助部材78と、その対応するローラ保持部材77a〜77fとの間には、弾性部材やバネ部材等からなる付勢部材76が配設されている。
【0029】
付勢部材76は、各ローラ保持補助部材78に保持した第1〜第3ローラ本体71,72,73をローラ本体5a,5b,5cに対して異なる付勢力でそれぞれに付勢する。これにより、従動ローラ74の第1〜第3ローラ本体71,72,73が、それぞれ対向するローラ本体5a,5b,5cに弾性的に圧接される。なお、図7では、ローラ保持部材77a〜77fにそれぞれ保持されて従動ローラ74の第1〜第3ローラ本体71,72,73を支持するローラ保持補助部材78の状態が視認し易くなるように、手前側の壁部分は図示を省略している。
【0030】
図6に示すように、搬送部枠体60の両端の支持部60a,60bには、ローラ保持部材77a〜77fを一体にした長尺のローラ保持部材77の両端部が嵌め込まれている。本実施形態でも図5に示すように、ローラ保持部材77は、第1〜第3ローラ本体71,72,73とローラ本体5a,5b,5cとでなす第1〜第3ニップ部(図4と同様)の搬送ローラ5に対する周方向位置を異ならせるように従動ローラ74を保持している。
【0031】
即ち、図5に示すように、中央で隣接して第1ローラ本体51を夫々支持する支軸40a,40bは、ローラ本体5a,5aに対してシート搬送方向の下流側(図5の下側)に位置している。そして、支軸40a,40bは、搬送ローラ5の中心と同軸の円上に位置するようにローラ保持部材77c,77dに夫々支持されている。第1ローラ本体71,71の両隣りで夫々第2ローラ本体72を支持する支軸41,41は、ローラ本体5b,5bに対してシート搬送方向の中側に位置して、上記円上に位置するようにローラ保持部材77b,77eに夫々支持されている。第2ローラ本体72,72の隣りで夫々第3ローラ本体73,73を支持する支軸42,42は、ローラ本体5c,5cに対してシート搬送方向の上流側に位置して、上記円上に位置するようにローラ保持部材77a77fに夫々支持されている。
【0032】
以上のように本実施形態では、従動ローラ74の第1〜第3ローラ本体71,72,73が、付勢部材76で個別に加圧されるローラ保持補助部材78を介して、ローラ本体5a,5b,5cに夫々に圧接されている。これにより、本実施形態の搬送部31においても、シートPの速度変動を3段階に分けて発生させて低減し、速度変動の急激な発生を緩和し、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生もシートの速度変動に起因した画像ブレの発生も大幅に低減できる。また、上記構成を採用したことで、第1の実施形態、後述する第3の実施形態とは異なり、第1〜第3ローラ本体71〜73の圧接力を個別に簡単に設定することができる。これにより、画像ブレを低減しながら、さらに圧分布の設定を容易かつ詳細に調整できるという効果も得ることができる。
【0033】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態においても、画像形成装置におけるシートの給送から排紙までの基本構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。なお、図8は本実施形態の搬送部を示す斜視図、図9は本実施形態の搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図、図10は本実施形態の搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図、図11は本実施形態の搬送部を示す平面図である。また、図8及び図11では便宜上符号を付していないが、従動ローラ64の第1〜第3ローラ本体61,62,63に対向する搬送ローラ5は、図2及び図3と同様に、搬送ローラ5のローラ本体5a,5b,5cに対向して圧接するように配置されている。
【0034】
本実施形態では、第1の実施形態や第2の実施形態で説明したローラ保持部材57やローラ保持部材77に相当するものが無く、搬送部枠体59や搬送部枠体60に対応する形状の部材がそのままローラ保持部材69を構成している。つまり、このローラ保持部材69は、図8、図11に示すように、搬送ローラ(駆動ローラ)5に対する周方向位置が異なるように複数(本実施形態では6つ)の円筒部材68を支持した従動ローラ軸67を搬送ローラ5と平行に対向する状態に支持している。複数の円筒部材68は、複数のローラ本体61,62,63をそれぞれ回転自在に支持している。
【0035】
図8及び図11に示すように、ローラ保持部材69の長手方向両端部に配置された支持部69a,69bには夫々、従動ローラ軸(従動ローラ64の軸)67を図の下向に付勢する弾性部材やバネ部材等からなる押圧部66が配設されている。この押圧部66が配設された支持部69a,69bのスライド溝には夫々、従動ローラ軸67の両端部がスライド自在に支持されている。支持部69a,69bには、従動ローラ64の下側に搬送ローラ5の軸が回転自在に支持されている。
【0036】
図9に示すように、Eは、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心であり、Fは、円筒部材68外周部と第3ローラ本体63の中心である。円筒部材68外周部と第3ローラ本体63の中心Fは、従動ローラ軸67が支持部69a,69bに支持された状態で、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心Eに対して搬送方向上流側に位置するように構成されている。このように、第3ローラ本体63の中心Fが、従動ローラ軸67の中心Eに対して搬送方向上流側に位置される。
【0037】
図10に示すように、Eは、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心であり、Gは、円筒部材68外周部と第1ローラ本体61の中心である。円筒部材68外周部と第1ローラ本体61の中心Gは、従動ローラ軸67が支持部69a,69bに支持された状態で、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心Eに対して搬送方向下流側に位置するように構成されている。このように、第1ローラ本体61の中心Gが、従動ローラ軸67の中心Eに対して搬送方向下流側に位置される。
【0038】
図11に示すように、第2ローラ本体62は、従動ローラ軸67に円筒部材68を介して回転自在に支持された状態で、円筒部材68外周部と第2ローラ本体62の中心が、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心に一致するように構成されている。
【0039】
以上の従動ローラ軸67は、弾性部材やバネ部材等からなる不図示の付勢部材により搬送ローラ5側に弾性的に押圧されている。これにより、従動ローラ64の第1〜第3ローラ本体61,62,63は、それぞれに対向するローラ本体5a,5b,5cに対し、円筒部材68を介して弾性的に圧接される。
【0040】
本実施形態では以上の構成により、第1〜第3ローラ本体61,62,63は、ローラ本体5a,5b,5cとの間で夫々に形成される第1ニップ部、第2ニップ部、第3ニップ部が、シート搬送方向での下流端の位置を互いに異ならせている。即ち、ローラ保持部材69は、第1〜第3ローラ本体61,62,63とローラ本体5a,5b,5cとでなす第1〜第3ニップ部の搬送ローラ5に対する周方向位置を異ならせるように従動ローラ64を保持している。これにより、図11に示すように、矢印の搬送方向上流から、第3ローラ本体63のニップ部、第2ローラ本体62のニップ部、第1ローラ本体61のニップ部の順に配置される。なお、従動ローラ64の搬送ローラ5に対するによって画像ブレへの影響が変化することについては、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0041】
本実施形態の画像形成装置1によると、シートPの後端が搬送ローラ5と従動ローラ54とでなすニップ部を抜ける際、シートPの後端は、まず第3ニップ部Dを通過し、次に第2ニップ部Cを通過し、最後に第1ニップ部Bを通過することになる。このため、従来技術においては1段階で発生していたシートPの速度変動を3段階に分けて発生させて低減することができ、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。これにより、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生もシートの速度変動に起因した画像ブレの発生も大幅に低減することができる。
【0042】
また、1本の従動ローラ軸67に複数の円筒部材68を付け加えるだけで、従動ローラ64の第1〜第3ローラ本体61,62,63の各中心を同一軸上からずらした構成とすることができる。従って、図2や図5を用いて説明したローラ保持部材57,77の各構成よりもシンプルなローラ保持部材69を実現することができ、部品構成を大きく変えることなく、また小さいスペースで画像ブレの発生を低減することができる。
【0043】
ここで、図12及び図13を参照して、本発明を適用した前述の画像形成装置1との比較例における搬送部について説明する。
【0044】
すなわち、比較例における搬送部の搬送部枠体9では、従動ローラ軸7に回転自在に支持された第1〜第3ローラ本体1,2,3を有する従動ローラ4が、押圧部6によって弾性的に押圧されて搬送ローラ5に圧接されている。この構成において、駆動ギヤ25に受けた駆動力によって搬送ローラ5が回転すると、従動ローラ4が搬送ローラ5に従って従動回転し、搬送ローラ5と従動ローラ4とからなる搬送部31によってシートPが搬送される。
【0045】
比較例では、図12に示すように、第1ローラ本体1と第2ローラ本体2と第3ローラ本体3の中心が全て同軸上に位置するため、シートPの後端が搬送部を通過する際には、従動ローラ4と搬送ローラ5との各ニップ部を全て同時に通過する。このため、シートPの速度変動が大きくなり、画像ブレが発生しやすくなる可能性がある。
【0046】
なお、第1〜第3の実施形態では、同程度の硬度を有する搬送ローラ5と従動ローラ54,74,64とを用いたことで、軸方向に見た際に第1〜第3ニップ部が点状(図4参照)になってニップ部のシート搬送方向での下流端位置が異なる構成となっていた。しかし、両ローラの一方の硬度を他方より低くして他方が一方に食い込むような構成にすると、シート搬送方向でのニップ幅が面状に広がり、ニップ部のシート搬送方向でのニップ幅が変わる。このように、ニップ幅を広げることで、ニップ部の下流端の位置を異ならせるように構成しても、本発明が成立することは勿論である。
【0047】
また、本実施形態では、レジストローラ対を備える搬送部31に本発明を適用した例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ローラ対をシート後端が抜けるときに良くない影響が生じる箇所であれば適用することが可能である。例えば、シートを搬送するための複数の搬送ローラ対においてそれぞれのローラ対に本発明を適用すれば、シートの後端が抜けるときのシートの跳ねを抑えることができるため、シートを安定して搬送することが可能となる。すなわち、シートがローラ対から抜けるときにシートの後端が跳ねることによって生じるおそれがあるシートの位置ずれやシートが斜めになる等の問題を防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…画像形成装置、5…駆動ローラ(搬送ローラ)、5a,5b,5c…ローラ本体、16…下流側搬送部(転写部)、31…搬送部、40,40a,40b,41,42…支軸、51,52,53…ローラ本体(第1〜第3ローラ本体)、54,74,64…従動ローラ、57,69,77…ローラ保持部材、61,62,63…ローラ本体(第1〜第3ローラ本体)、67…従動ローラの軸(従動ローラ軸)、68…円筒部材、71,72,73…ローラ本体(第1〜第3ローラ本体)、76…付勢部材、78…ローラ保持補助部材、B,C,D…第1〜第3ニップ部、P…シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やレーザビームプリンタ等の従来の画像形成装置では、給送トレイに積載されたシートは、給送ローラと分離部材とからなる給送部によって装置本体内に給送される。給送されたシートは、搬送ローラと、搬送ローラに対向して押圧された複数の従動ローラとからなる転写前搬送部により、転写ローラと感光ドラムとからなる転写部に搬送され、この転写部で未定着トナー像を転写される。通常、転写前搬送部はレジストローラ対を備えており、このレジストローラ対は、搬送されてくるシートの斜行を補正する機能と、転写部での画像とシートとの位置が合うようにタイミングを合わせてシートを送り出す機能とを備えている。
【0003】
未定着トナー像を転写されたシートは、定着前搬送部によって、加圧ローラと加熱ローラとからなる定着部に搬送され、転写された未定着トナー像が定着部で定着される。画像を定着されたシートは、駆動ローラと従動ローラとからなる排紙部により排紙トレイに排紙される。
【0004】
ところで、レジストローラ対と転写部との間で搬送されているシートの後端がレジストローラ対を抜けるときに、シートと転写部で転写される未定着トナー像に部分的にブレが発生することがある。その要因として、以下のことが考えられる。
【0005】
シートの後端が、レジストローラ対を抜けた直後に跳ねるなどしてシートの挙動に変化が生じ、その挙動の変化によって、シートと転写される未定着トナー像にブレが発生する。また、レジストローラ対におけるシート搬送速度と転写部におけるシート搬送速度とに差があり、レジストローラ対をシートの後端が抜ける前後でシートの速度が変化し、その速度変化によってシートの挙動や転写部の感光ドラムの挙動に変化が発生する。このため、その挙動の変化によって、シートと転写される画像にブレが発生する。
【0006】
従来の画像形成装置では、上記画像ブレを回避するための構成として、レジストローラ対の直後の部位にシート後端の跳ねを防止する跳ね防止部材を配置したものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−232567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1記載の技術では、シート後端の跳ねによるシートの挙動の変化は防止できるとしても、シートの速度変動に起因したシートと未定着トナー像のブレを防止することはできなかった。
【0009】
そこで本発明は、シート後端が搬送部を抜ける際のシートの速度変動を低減することで、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生も、シートの速度変動に起因した画像ブレの発生も低減可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、駆動源からの駆動力を受けて回転する駆動ローラと前記駆動ローラの回転に従動する従動ローラとを有し、前記駆動ローラと前記従動ローラとが圧接するニップ部でシートを挟持して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるシートを搬送する下流側搬送部と、を備えた画像形成装置において、前記従動ローラが、複数のローラ本体で構成され、各ローラ本体が前記駆動ローラと対向し且つ前記駆動ローラに圧接された状態でローラ保持部材により回転自在に保持され、前記ローラ保持部材が、前記複数のローラ本体のうちの少なくとも1つと前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置と、他の前記ローラ本体と前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置とを異ならせるように前記従動ローラを保持することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、駆動ローラと従動ローラとの複数のニップ部をシートの後端が抜ける際、シート後端は、下流端位置の異なる各ニップ部を順番に抜けながら通過することになる。これにより、シートの速度変動を複数段階に分けて発生させて低減することができ、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した複写機等の画像形成装置の全体構成を模式的に示す断面図。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における搬送部を示す平面図。
【図3】第1の実施形態における搬送部を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態における搬送部を軸方向に見た状態で示す模式図。
【図5】本発明に係る第2の実施形態における搬送部を示す平面図。
【図6】本発明に係る第2の実施形態における搬送部を示す斜視図。
【図7】第2の実施形態における搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図。
【図8】本発明に係る第3の実施形態における搬送部を示す斜視図。
【図9】第3の実施形態における搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図。
【図10】第3の実施形態における搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図。
【図11】第3の実施形態における搬送部を示す平面図。
【図12】本発明の比較例における搬送部を示す平面図。
【図13】本発明の比較例における搬送部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に沿って、本発明に係る画像形成装置について説明する。まず、図1を参照して、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置1の概略構成について説明する。
【0014】
即ち、画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成装置本体(以下、装置本体という)1aに、複数のシートPを収納した給送トレイ10と、給送ローラ11と分離部材12とからなる給送部13と、レジストローラ対を備える搬送部31とを備えている。搬送部31は、駆動ローラである搬送ローラ5と、この搬送ローラ5に対向し圧接されて搬送ローラ5の回転に従動する従動ローラ4と、を有している。搬送部31は、駆動ローラである搬送ローラ5と従動ローラ4とが圧接するニップ部でシートPを挟持して搬送する。そして、搬送ローラ5と従動ローラ4とで搬送されてくるシートの斜行を補正し、後述する画像形成部の転写部16にトナー像とシートPとの位置が合うようにタイミングを調整してシートPを搬送するように構成されている。転写部16は、搬送部31により搬送されるシートPを搬送する下流側搬送部を構成している。搬送ローラ5は、モータ等の不図示の駆動源からの駆動力を、一端部に固定された駆動ギヤ25に受けて回転する。さらに、装置本体1aは、搬送部31により搬送されるシートPに未定着トナー像を転写する転写部16と、加圧ローラ18と加熱ローラ19とからなる定着部20と、排紙ローラ21,22からなる排紙部23と、排紙トレイ24とを備えている。画像形成部を構成する転写部16は、感光ドラム14と転写ローラ15とにより構成されている。
【0015】
上記構成を備えた画像形成装置1において、給送トレイ10に積載されたシートPは、給送部13によって給送された後、搬送部31によって転写部16に搬送され、この転写部16によって未定着トナー像を転写される。さらに、未定着トナー像を転写されたシートPは、定着部20に搬送され、転写部16で転写された未定着トナー像を定着される。そして、画像を定着されたシートPは、排紙部23によって排紙トレイ24に排紙される。なお、本実施の形態では、シートの搬送経路におけるシート搬送方向と直交する方向の中央とシートの幅方向の中央とを一致させてシートを搬送する、所謂中央基準でシートを搬送する画像形成装置を例として説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
ここで、本発明に係る第1の実施形態について説明する。図2及び図3は、第1の実施形態における搬送部の構成を示す平面図及び斜視図である。
【0017】
図2及び図3に示すように、本実施形態の搬送部31は、図1の従動ローラ4に相当する従動ローラ54と搬送ローラ(駆動ローラ)5とで構成されている。従動ローラ54は、複数の第1〜第3ローラ本体51,52,53で構成され、第1〜第3ローラ本体51〜53が搬送ローラ(駆動ローラ)5と平行に対向して配置されている。これら第1ローラ本体51、第2ローラ本体52、第3ローラ本体53は、搬送ローラ5の各対向するローラ本体5a,5b,5cにそれぞれ圧接された状態で、ローラ保持部材57に設けられた軸によって回転自在に保持されている。なお、第1〜第3ローラ本体51,52,53とローラ本体5a,5b,5cは中央に対して左右対象に配置されている。
【0018】
搬送部枠体59は、搬送ローラ5及び従動ローラ54の軸方向に沿って延在するローラ保持部材57を有している。ローラ保持部材57は、壁部57a,57b,57c,57d,57e,57fによって複数の収納部に分割されており、各収納部には、それぞれ第1〜第3ローラ本体51,52,53がそれぞれ軸によって回転自在に支持されて収納されている。
【0019】
すなわち、壁部57cと壁部57dとで仕切られた収納部には、2つの第1ローラ本体51がこれら壁部57c,57dに支軸40を介して回転自在に支持されて収納されている。また、壁部57bと壁部57cとで仕切られた収納部には、第2ローラ本体52がこれら壁部57b,57cに支軸41を介して回転自在に支持されて収納されている。さらに、壁部57dと壁部57eとで仕切られた収納部には、第2ローラ本体52がこれら壁部57d,57eに支軸41を介して回転自在に支持されて収納されている。また、壁部57aと壁部57bとで仕切られた収納部には、第3ローラ本体53がこれら壁部57a,57bに支軸42を介して回転自在に支持されて収納されている。さらに、壁部57eと壁部57fとで仕切られた収納部には、第3ローラ本体53がこれら壁部57e,57fに支軸42を介して回転自在に支持されて収納されている。
【0020】
図2に示すように、支軸40は、2つの第1ローラ本体51,51を支持している。この支軸40は、ローラ本体5a,5aに対してシート搬送方向の下流側(図2の下側)に位置して、搬送ローラ5の中心と同軸の円A(図4に図示)上に位置するように壁部57c,57d間に支持されている。第1ローラ本体51の両隣りで夫々第2ローラ本体52を支持する支軸41は、ローラ本体5bに対してシート搬送方向の中側に位置して、上記円A上に位置するように壁部57b,57c間と壁部57d,57e間に夫々支持されている。第2ローラ本体52の隣りで夫々第3ローラ本体53を支持する支軸42は、ローラ本体5cに対してシート搬送方向の上流側に位置して、上記円A上に位置するように壁部57a,57b間と壁部57e,57f間に夫々支持されている。
【0021】
図3に示すように、搬送部枠体59の両端部に位置する支持部59a,59bには、ローラ保持部材57の両端部に位置する壁部57a,57fを摺動自在に収納する開口部59c,59cがそれぞれ形成されている。開口部59c,59cには、ローラ保持部材57の両端部がそれぞれ摺動可能に挿入されている。これら両端部は、弾性部材やバネ部材等からなる付勢部材56を介して搬送ローラ5に向かって押圧されている。これにより、従動ローラ54の第1〜第3ローラ本体51,52,53が、それぞれ対向するローラ本体5a,5b,5cに弾性的に圧接される。
【0022】
搬送ローラ5と従動ローラ54との位置関係を図4に示す。同図に示すように、矢印で示すシート搬送方向の上流から第3のローラ本体53、第2のローラ本体52、第1のローラ本体51の順に位置してそれぞれがローラ本体5c,5b,5aに圧接できるように配置されている。従動ローラ54は、シート搬送方向に対しては第1〜第3ローラ本体51〜53が異なる位置にあるが、搬送ローラ5に対しては、これらローラ本体51〜53の各中心は、搬送ローラ5の中心と同軸の円A上にある。これにより、第1〜第3ローラ本体51,52,53は、ローラ本体5a,5b,5cとの間で、それぞれ第1ニップ部B、第2ニップ部C、第3ニップ部Dを形成する。なお、ニップ部とは、第1〜第3ローラ本体51,52,53とローラ本体5a,5b,5cとが圧接する部分であり、ローラが潰れることにより面で圧接しているが、説明上、圧接している中央部分をニップ部として説明する。
【0023】
以上の搬送部31では、ローラ保持部材57が、第1〜第3ローラ本体51,52,53と搬送ローラ5のローラ本体5a,5b,5cとでなす第1〜第3ニップ部B,C,Dのシート搬送方向での下流端の位置を互いに異ならせるように保持している。即ち、本実施形態において、ローラ保持部材57は、第1〜第3ローラ本体51,52,53とローラ本体5a,5b,5cとの第1〜第3ニップ部B,C,Dの搬送ローラ5に対する周方向位置を異ならせるように従動ローラ54を保持している。
【0024】
なお、本実施形態では、第1〜第3ローラ本体51,52,53の全てが、搬送ローラ5とでなす第1〜第3ニップ部B,C,Dのシート搬送方向での下流端の位置(つまり、搬送ローラ5に対する周方向位置)を異ならせている。しかし、上記ローラ本体51〜53の内の少なくとも1つと搬送ローラ5とのニップ部の下流端の位置(搬送ローラ5に対する周方向位置)と、他のローラ本体と搬送ローラ5とのニップ部の下流端の位置とが異なっていれば、本発明は成立する。このことは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0025】
以上のように本画像形成装置1では、上記搬送部31を備えるので、シートPの後端が搬送ローラ5と従動ローラ54とのニップ部を抜ける際、シート後端が、第3ニップ部Dを通過し、次に第2ニップ部Cを通過し、最後に第1ニップ部Bを通過する。これにより、従来技術では1段階で発生していたシートPの速度変動を3段階に分けて発生させて低減することができ、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。これにより、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生も、シートの速度変動に起因した画像ブレの発生も大幅に低減することができる。
【0026】
<第2の実施形態>
次に、図5乃至図7に沿って、本発明に係る第2の実施形態の画像形成装置1における搬送部31について説明する。本実施形態では、画像形成装置におけるシートの給送から排紙までの基本構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。なお、図5は本実施形態における搬送部31を示す平面図、図6は本実施形態における搬送部31を示す斜視図、図7は本実施形態における搬送部31の従動ローラ74の一部を拡大して示す斜視図である。
【0027】
すなわち、本実施形態では、搬送部枠体60が、複数(本実施形態では6つ)のローラ保持部材77a,77b,77c,77d,77e,77fを搬送ローラ5の軸方向にて互いに結合したローラ保持部材77を有している。そして、ローラ保持部材77a〜77fはそれぞれ、複数(本実施形態では6つ)の支軸40a,40b,41,41,42,42をローラ保持部材77に対して個別に保持する複数(本実施形態では6個)のローラ保持補助部材78を備えている。
【0028】
図7に示すように、ローラ保持部材77a〜77fは夫々、互いに隣接する壁部分に図の上下方向に形成されたスライド溝80を有している。ローラ保持部材77a〜77fの各内部に移動可能に収容されたローラ保持補助部材78には、支軸40a,40b,41,42を夫々支持する支持溝78aが形成されている。図7においては、ローラ保持補助部材78の支持溝78aに支持された支軸40a,40b,41,42を、ローラ保持部材77a〜77fの各スライド溝80に摺動自在に収容した状態となっている。この状態で、各ローラ保持補助部材78と、その対応するローラ保持部材77a〜77fとの間には、弾性部材やバネ部材等からなる付勢部材76が配設されている。
【0029】
付勢部材76は、各ローラ保持補助部材78に保持した第1〜第3ローラ本体71,72,73をローラ本体5a,5b,5cに対して異なる付勢力でそれぞれに付勢する。これにより、従動ローラ74の第1〜第3ローラ本体71,72,73が、それぞれ対向するローラ本体5a,5b,5cに弾性的に圧接される。なお、図7では、ローラ保持部材77a〜77fにそれぞれ保持されて従動ローラ74の第1〜第3ローラ本体71,72,73を支持するローラ保持補助部材78の状態が視認し易くなるように、手前側の壁部分は図示を省略している。
【0030】
図6に示すように、搬送部枠体60の両端の支持部60a,60bには、ローラ保持部材77a〜77fを一体にした長尺のローラ保持部材77の両端部が嵌め込まれている。本実施形態でも図5に示すように、ローラ保持部材77は、第1〜第3ローラ本体71,72,73とローラ本体5a,5b,5cとでなす第1〜第3ニップ部(図4と同様)の搬送ローラ5に対する周方向位置を異ならせるように従動ローラ74を保持している。
【0031】
即ち、図5に示すように、中央で隣接して第1ローラ本体51を夫々支持する支軸40a,40bは、ローラ本体5a,5aに対してシート搬送方向の下流側(図5の下側)に位置している。そして、支軸40a,40bは、搬送ローラ5の中心と同軸の円上に位置するようにローラ保持部材77c,77dに夫々支持されている。第1ローラ本体71,71の両隣りで夫々第2ローラ本体72を支持する支軸41,41は、ローラ本体5b,5bに対してシート搬送方向の中側に位置して、上記円上に位置するようにローラ保持部材77b,77eに夫々支持されている。第2ローラ本体72,72の隣りで夫々第3ローラ本体73,73を支持する支軸42,42は、ローラ本体5c,5cに対してシート搬送方向の上流側に位置して、上記円上に位置するようにローラ保持部材77a77fに夫々支持されている。
【0032】
以上のように本実施形態では、従動ローラ74の第1〜第3ローラ本体71,72,73が、付勢部材76で個別に加圧されるローラ保持補助部材78を介して、ローラ本体5a,5b,5cに夫々に圧接されている。これにより、本実施形態の搬送部31においても、シートPの速度変動を3段階に分けて発生させて低減し、速度変動の急激な発生を緩和し、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生もシートの速度変動に起因した画像ブレの発生も大幅に低減できる。また、上記構成を採用したことで、第1の実施形態、後述する第3の実施形態とは異なり、第1〜第3ローラ本体71〜73の圧接力を個別に簡単に設定することができる。これにより、画像ブレを低減しながら、さらに圧分布の設定を容易かつ詳細に調整できるという効果も得ることができる。
【0033】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態においても、画像形成装置におけるシートの給送から排紙までの基本構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。なお、図8は本実施形態の搬送部を示す斜視図、図9は本実施形態の搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図、図10は本実施形態の搬送部の従動ローラの一部を拡大して示す斜視図、図11は本実施形態の搬送部を示す平面図である。また、図8及び図11では便宜上符号を付していないが、従動ローラ64の第1〜第3ローラ本体61,62,63に対向する搬送ローラ5は、図2及び図3と同様に、搬送ローラ5のローラ本体5a,5b,5cに対向して圧接するように配置されている。
【0034】
本実施形態では、第1の実施形態や第2の実施形態で説明したローラ保持部材57やローラ保持部材77に相当するものが無く、搬送部枠体59や搬送部枠体60に対応する形状の部材がそのままローラ保持部材69を構成している。つまり、このローラ保持部材69は、図8、図11に示すように、搬送ローラ(駆動ローラ)5に対する周方向位置が異なるように複数(本実施形態では6つ)の円筒部材68を支持した従動ローラ軸67を搬送ローラ5と平行に対向する状態に支持している。複数の円筒部材68は、複数のローラ本体61,62,63をそれぞれ回転自在に支持している。
【0035】
図8及び図11に示すように、ローラ保持部材69の長手方向両端部に配置された支持部69a,69bには夫々、従動ローラ軸(従動ローラ64の軸)67を図の下向に付勢する弾性部材やバネ部材等からなる押圧部66が配設されている。この押圧部66が配設された支持部69a,69bのスライド溝には夫々、従動ローラ軸67の両端部がスライド自在に支持されている。支持部69a,69bには、従動ローラ64の下側に搬送ローラ5の軸が回転自在に支持されている。
【0036】
図9に示すように、Eは、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心であり、Fは、円筒部材68外周部と第3ローラ本体63の中心である。円筒部材68外周部と第3ローラ本体63の中心Fは、従動ローラ軸67が支持部69a,69bに支持された状態で、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心Eに対して搬送方向上流側に位置するように構成されている。このように、第3ローラ本体63の中心Fが、従動ローラ軸67の中心Eに対して搬送方向上流側に位置される。
【0037】
図10に示すように、Eは、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心であり、Gは、円筒部材68外周部と第1ローラ本体61の中心である。円筒部材68外周部と第1ローラ本体61の中心Gは、従動ローラ軸67が支持部69a,69bに支持された状態で、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心Eに対して搬送方向下流側に位置するように構成されている。このように、第1ローラ本体61の中心Gが、従動ローラ軸67の中心Eに対して搬送方向下流側に位置される。
【0038】
図11に示すように、第2ローラ本体62は、従動ローラ軸67に円筒部材68を介して回転自在に支持された状態で、円筒部材68外周部と第2ローラ本体62の中心が、従動ローラ軸67と円筒部材68内周部の中心に一致するように構成されている。
【0039】
以上の従動ローラ軸67は、弾性部材やバネ部材等からなる不図示の付勢部材により搬送ローラ5側に弾性的に押圧されている。これにより、従動ローラ64の第1〜第3ローラ本体61,62,63は、それぞれに対向するローラ本体5a,5b,5cに対し、円筒部材68を介して弾性的に圧接される。
【0040】
本実施形態では以上の構成により、第1〜第3ローラ本体61,62,63は、ローラ本体5a,5b,5cとの間で夫々に形成される第1ニップ部、第2ニップ部、第3ニップ部が、シート搬送方向での下流端の位置を互いに異ならせている。即ち、ローラ保持部材69は、第1〜第3ローラ本体61,62,63とローラ本体5a,5b,5cとでなす第1〜第3ニップ部の搬送ローラ5に対する周方向位置を異ならせるように従動ローラ64を保持している。これにより、図11に示すように、矢印の搬送方向上流から、第3ローラ本体63のニップ部、第2ローラ本体62のニップ部、第1ローラ本体61のニップ部の順に配置される。なお、従動ローラ64の搬送ローラ5に対するによって画像ブレへの影響が変化することについては、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0041】
本実施形態の画像形成装置1によると、シートPの後端が搬送ローラ5と従動ローラ54とでなすニップ部を抜ける際、シートPの後端は、まず第3ニップ部Dを通過し、次に第2ニップ部Cを通過し、最後に第1ニップ部Bを通過することになる。このため、従来技術においては1段階で発生していたシートPの速度変動を3段階に分けて発生させて低減することができ、従来に比べて速度変動の急激な発生を緩和することができる。これにより、シート後端の跳ねに起因した画像ブレの発生もシートの速度変動に起因した画像ブレの発生も大幅に低減することができる。
【0042】
また、1本の従動ローラ軸67に複数の円筒部材68を付け加えるだけで、従動ローラ64の第1〜第3ローラ本体61,62,63の各中心を同一軸上からずらした構成とすることができる。従って、図2や図5を用いて説明したローラ保持部材57,77の各構成よりもシンプルなローラ保持部材69を実現することができ、部品構成を大きく変えることなく、また小さいスペースで画像ブレの発生を低減することができる。
【0043】
ここで、図12及び図13を参照して、本発明を適用した前述の画像形成装置1との比較例における搬送部について説明する。
【0044】
すなわち、比較例における搬送部の搬送部枠体9では、従動ローラ軸7に回転自在に支持された第1〜第3ローラ本体1,2,3を有する従動ローラ4が、押圧部6によって弾性的に押圧されて搬送ローラ5に圧接されている。この構成において、駆動ギヤ25に受けた駆動力によって搬送ローラ5が回転すると、従動ローラ4が搬送ローラ5に従って従動回転し、搬送ローラ5と従動ローラ4とからなる搬送部31によってシートPが搬送される。
【0045】
比較例では、図12に示すように、第1ローラ本体1と第2ローラ本体2と第3ローラ本体3の中心が全て同軸上に位置するため、シートPの後端が搬送部を通過する際には、従動ローラ4と搬送ローラ5との各ニップ部を全て同時に通過する。このため、シートPの速度変動が大きくなり、画像ブレが発生しやすくなる可能性がある。
【0046】
なお、第1〜第3の実施形態では、同程度の硬度を有する搬送ローラ5と従動ローラ54,74,64とを用いたことで、軸方向に見た際に第1〜第3ニップ部が点状(図4参照)になってニップ部のシート搬送方向での下流端位置が異なる構成となっていた。しかし、両ローラの一方の硬度を他方より低くして他方が一方に食い込むような構成にすると、シート搬送方向でのニップ幅が面状に広がり、ニップ部のシート搬送方向でのニップ幅が変わる。このように、ニップ幅を広げることで、ニップ部の下流端の位置を異ならせるように構成しても、本発明が成立することは勿論である。
【0047】
また、本実施形態では、レジストローラ対を備える搬送部31に本発明を適用した例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ローラ対をシート後端が抜けるときに良くない影響が生じる箇所であれば適用することが可能である。例えば、シートを搬送するための複数の搬送ローラ対においてそれぞれのローラ対に本発明を適用すれば、シートの後端が抜けるときのシートの跳ねを抑えることができるため、シートを安定して搬送することが可能となる。すなわち、シートがローラ対から抜けるときにシートの後端が跳ねることによって生じるおそれがあるシートの位置ずれやシートが斜めになる等の問題を防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…画像形成装置、5…駆動ローラ(搬送ローラ)、5a,5b,5c…ローラ本体、16…下流側搬送部(転写部)、31…搬送部、40,40a,40b,41,42…支軸、51,52,53…ローラ本体(第1〜第3ローラ本体)、54,74,64…従動ローラ、57,69,77…ローラ保持部材、61,62,63…ローラ本体(第1〜第3ローラ本体)、67…従動ローラの軸(従動ローラ軸)、68…円筒部材、71,72,73…ローラ本体(第1〜第3ローラ本体)、76…付勢部材、78…ローラ保持補助部材、B,C,D…第1〜第3ニップ部、P…シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの駆動力を受けて回転する駆動ローラと前記駆動ローラの回転に従動する従動ローラとを有し、前記駆動ローラと前記従動ローラとが圧接するニップ部でシートを挟持して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるシートを搬送する下流側搬送部と、を備えた画像形成装置において、
前記従動ローラが、複数のローラ本体で構成され、各ローラ本体が前記駆動ローラと対向し且つ前記駆動ローラに圧接された状態でローラ保持部材により回転自在に保持され、
前記ローラ保持部材が、前記複数のローラ本体のうちの少なくとも1つと前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置と、他の前記ローラ本体と前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置とを異ならせるように前記従動ローラを保持する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ローラ保持部材は、前記複数のローラ本体のうちの少なくとも1つと前記駆動ローラとのニップ部と、他の前記ローラ本体と前記駆動ローラとのニップ部との、前記駆動ローラに対する周方向位置を異ならせるように前記従動ローラを保持する、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ローラ保持部材は、前記駆動ローラに対する周方向位置が異なるように支持された複数の支軸を有し、かつ前記複数の支軸に前記複数のローラ本体をそれぞれ支持する、ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の支軸を前記ローラ保持部材に対して個別に保持する複数のローラ保持補助部材を備え、
前記複数のローラ保持補助部材のそれぞれと前記ローラ保持部材との間に、各ローラ保持補助部材に保持した各ローラ本体を前記駆動ローラに対して異なる付勢力でそれぞれに付勢する付勢部材を配設する、ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ローラ保持部材は、前記駆動ローラに対する周方向位置が異なるように複数の円筒部材を支持した前記従動ローラの軸を前記駆動ローラと平行に対向する状態に支持し、
前記複数の円筒部材が、前記複数のローラ本体をそれぞれ回転自在に支持する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項1】
駆動源からの駆動力を受けて回転する駆動ローラと前記駆動ローラの回転に従動する従動ローラとを有し、前記駆動ローラと前記従動ローラとが圧接するニップ部でシートを挟持して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるシートを搬送する下流側搬送部と、を備えた画像形成装置において、
前記従動ローラが、複数のローラ本体で構成され、各ローラ本体が前記駆動ローラと対向し且つ前記駆動ローラに圧接された状態でローラ保持部材により回転自在に保持され、
前記ローラ保持部材が、前記複数のローラ本体のうちの少なくとも1つと前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置と、他の前記ローラ本体と前記駆動ローラとのニップ部のシート搬送方向での下流端の位置とを異ならせるように前記従動ローラを保持する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ローラ保持部材は、前記複数のローラ本体のうちの少なくとも1つと前記駆動ローラとのニップ部と、他の前記ローラ本体と前記駆動ローラとのニップ部との、前記駆動ローラに対する周方向位置を異ならせるように前記従動ローラを保持する、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ローラ保持部材は、前記駆動ローラに対する周方向位置が異なるように支持された複数の支軸を有し、かつ前記複数の支軸に前記複数のローラ本体をそれぞれ支持する、ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の支軸を前記ローラ保持部材に対して個別に保持する複数のローラ保持補助部材を備え、
前記複数のローラ保持補助部材のそれぞれと前記ローラ保持部材との間に、各ローラ保持補助部材に保持した各ローラ本体を前記駆動ローラに対して異なる付勢力でそれぞれに付勢する付勢部材を配設する、ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ローラ保持部材は、前記駆動ローラに対する周方向位置が異なるように複数の円筒部材を支持した前記従動ローラの軸を前記駆動ローラと平行に対向する状態に支持し、
前記複数の円筒部材が、前記複数のローラ本体をそれぞれ回転自在に支持する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−190005(P2011−190005A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55678(P2010−55678)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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