説明

画像形成装置

【課題】クリーニングモジュールの潜像担持体対向部に付着する付着物がクリーニングモジュールの外部へこぼれ落ちるのを抑制することを課題とする。
【解決手段】クリーニングモジュールは、作像ユニットのユニット枠体に固定されている状態(a)では下シール部材55の横方向位置よりも感光体21側に位置していて感光体表面に接触して対向する均しブレード53が、クリーニングモジュールの固定が解除された状態(b)では、下シール部材の横方向位置よりもクリーニングモジュール側の規定位置へ移動可能なように支持されており、かつ、その規定位置への移動途中の位置ではクリーニングモジュールの取り外しが規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、回転する潜像担持体の表面にトナー像を作像し、作像されたトナー像を該潜像担持体から被転写材上に転写することで画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置は、感光体等の潜像担持体を備えた潜像担持体モジュール、潜像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置を備えたクリーニングモジュール、潜像担持体表面に対して現像処理を行う現像装置を備えた現像モジュールのうち、少なくとも2つの交換モジュールを単一の枠体で一体的に支持したプロセスカートリッジ(作像ユニット)を備えたものが知られている。中でも、特許文献1に記載された画像形成装置のように、作像ユニットに支持された潜像担持体モジュール、クリーニングモジュール、現像モジュールをそれぞれ個別に交換可能な交換モジュールとした構成のものが存在する。上記特許文献1に記載された画像形成装置は、作像ユニットが画像形成装置本体内部にセットされるセット位置と、画像形成装置外部に露出する露出位置との間で、作像ユニットを潜像担持体回転軸方向へスライド移動可能に支持する構成になっている。この画像形成装置は、作像ユニットをスライド移動させて画像形成装置外部の露出位置まで引き出した状態で作像ユニットを保持することが可能な構成を有し、その状態のまま各交換モジュールの交換作業を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された画像形成装置のように、クリーニングモジュールが作像ユニットに対して着脱自在な構成である場合、次のような問題が生じる。
クリーニングモジュールは、潜像担持体表面にクリーニング部材を対向させ、そのクリーニング部材により除去した転写残トナー等をクリーニング装置の内部に回収するために、潜像担持体表面に向けて開口するモジュール開口を備えている。このようなクリーニングモジュールを作像ユニットから取り外す場合、潜像担持体表面に向けて開口していたモジュール開口が、これを塞いでいた潜像担持体から離れ、外部に露出することになる。ここで、クリーニングモジュールが作像ユニットにセットされているときに潜像担持体表面に接触又は近接して対向していたクリーニングモジュールのクリーニング部材やシール部材等の潜像担持体対向部には、多くの転写残トナーが付着している。また、クリーニングモジュールが潜像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材を備えたものである場合には、その潤滑剤供給部材や潜像担持体表面に供給された潤滑剤を均す潤滑剤均し部材などの潜像担持体対向部には、多くの転写残トナーや潤滑剤が付着する。このような潜像担持体対向部に付着した転写残トナー等の付着物は、クリーニングモジュールの取り外し時に加わる僅かな衝撃でクリーニングモジュールの外部へこぼれ落ち、作業者の衣服に付着したり床に落ちたりして汚れを生じさせ得るという問題がある。
なお、この問題は、潜像担持体対向部に転写残トナー等の付着物が付着した状態のクリーニングモジュールを作像ユニットに取り付ける際にも同様に生じ得る。
【0004】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、クリーニングモジュールの潜像担持体対向部に付着する付着物がクリーニングモジュールの外部へこぼれ落ちるのを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転する潜像担持体の表面にトナー像を作像し、作像されたトナー像を該潜像担持体から被転写材上に転写することで画像形成を行うとともに、転写後に該潜像担持体の表面に残留した転写残トナーをクリーニング部材で除去する画像形成装置において、上記潜像担持体を備えた潜像担持体モジュールと、該潜像担持体の表面に向けて開口するモジュール開口から上記クリーニング部材を露出させた状態で該クリーニング部材をモジュール枠体で支持するクリーニングモジュールとを、共通のユニット枠体で一体的に支持するとともに、少なくとも該クリーニングモジュールについては該ユニット枠体に対して着脱自在に支持する作像ユニットと、上記作像ユニットが画像形成装置本体内部にセットされるセット位置と、該作像ユニットが画像形成装置外部に露出する露出位置との間で、該作像ユニットを移動可能に支持するユニット支持手段と、少なくとも上記作像ユニットが上記セット位置にセットされた状態で、上記クリーニング部材が上記潜像担持体の表面上の転写残トナーを除去し得る正規位置に位置する姿勢で上記クリーニングモジュールを上記ユニット枠体に固定するとともに、少なくとも該作像ユニットが上記露出位置に位置する状態で、該クリーニングモジュールの該ユニット枠体に対する固定を解除可能なモジュール固定手段とを有し、上記ユニット枠体は、上記モジュール固定手段による上記クリーニングモジュールの固定が解除された状態では、該上記モジュール固定手段により該クリーニングモジュールが固定されているときに該クリーニングモジュールのモジュール開口の下端部の水平方向位置よりも上記潜像担持体の表面側である第1位置に位置していて該潜像担持体の表面に接触又は近接して対向する該クリーニングモジュールの潜像担持体対向部が、該下端部の水平方向位置よりもクリーニングモジュール側である第2位置へ移動可能に該クリーニングモジュールを支持し、該潜像担持体対向部が該第2位置への移動途中の位置に位置する状態では、該クリーニングモジュールの取り外しを規制し、該潜像担持体対向部が該第2位置に位置する状態では、該クリーニングモジュールの取り外し及び取り付けを可能とする構成を有していることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記モジュール固定手段は、潜像担持体回転軸方向に平行な第1軸線上に位置するように上記クリーニングモジュールの潜像担持体回転軸方向両端に設けられた2つの第1被連結部材に対し、上記ユニット枠体に設けられた2つの第1連結部材をそれぞれ連結させることで該クリーニングモジュールを該ユニット枠体に固定し、該第1連結部材と該第1被連結部材とを分離させることで該クリーニングモジュールの該ユニット枠体に対する固定を解除するものであり、かつ、潜像担持体回転軸方向に平行な第2軸線上に位置するように該クリーニングモジュールの潜像担持体回転軸方向両端に設けられた2つの第2被連結部材に対し、該ユニット枠体に設けられた2つの第2連結部材をそれぞれ連結させることで、上記第1軸線を中心とする該クリーニングモジュールの回転を規制する構成を有しており、更に、該クリーニングモジュールの固定を解除した状態では上記第2軸線を中心に該クリーニングモジュールを回転可能に支持する構成となっており、上記2つの第2被連結部材は、上記第2軸線を中心に該クリーニングモジュールが回転したときに上記潜像担持体対向部が上記第2位置へ移動する箇所に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記第2軸線の水平方向位置は、上記クリーニングモジュールの重心位置よりも下方かつ潜像担持体が位置する側であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記モジュール固定手段による上記クリーニングモジュールの固定が解除された状態でも上記クリーニング部材が上記正規位置に位置する姿勢で該クリーニングモジュールを仮保持するモジュール仮保持手段を有し、上記モジュール仮保持手段は、上記クリーニングモジュールに対し、上記潜像担持体対向部が上記第1位置から上記第2位置へ移動する方向へ所定以上の力が加わることで、上記仮保持が解除される構成を有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記モジュール仮保持手段は、上記クリーニングモジュールの重心位置と上記第2軸線との距離よりも該第2軸線との距離が遠い箇所で該クリーニングモジュールを仮保持することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の画像形成装置において、上記モジュール仮保持手段は、上記クリーニングモジュールに設けられた第1被連結部材を仮保持することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記クリーニング部材は、上記潜像担持体の表面に当接して該潜像担持体の表面に残留した転写残トナーを除去するクリーニングブレードであり、上記潜像担持体対向部が上記第2位置に位置するとき、該クリーニングブレードと該潜像担持体の表面とが離間した状態になるように構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
潜像担持体対向部がクリーニングモジュールのモジュール開口の下端部の水平方向位置よりも潜像担持体の表面側(第1位置)に位置している状態でクリーニングモジュールを取り外したり取り付けたりすると、その潜像担持体対向部から転写残トナー等の付着物が落下したとき、クリーニングモジュールのモジュール開口内部へ回収されることなく、クリーニングモジュールの外部に落下してしまう。本発明において、モジュール固定手段によりクリーニングモジュールが作像ユニットのユニット枠体に固定されているときには第1位置に位置している潜像担持体対向部は、モジュール固定手段によるクリーニングモジュールの固定が解除された状態では、当該下端部の水平方向位置よりもクリーニングモジュール側(第2位置)へ移動可能となっている。そして、本発明では、クリーニングモジュールの取り外し及び取り付けは、潜像担持体対向部が当該第2位置に位置する姿勢でなければ行うことができない構成になっている。したがって、モジュール固定手段によりクリーニングモジュールが固定されているときには第1位置に位置していた潜像担持体対向部も、クリーニングモジュールの取り外し及び取り付け時には、第2位置に位置した状態となる。よって、クリーニングモジュールの取り外し及び取り付け時に当該潜像担持体対向部からこぼれ落ちた付着物を、クリーニングモジュールのモジュール開口内部へ回収することができ、その付着物がクリーニングモジュールの外部に落下してしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0007】
以上、本発明によれば、クリーニングモジュールの潜像担持体対向部に付着する付着物がクリーニングモジュールの外部へこぼれ落ちるのを抑制できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】同画像形成装置に設けられる4つ作像ユニットのうちの1つについて、その概略構成を示す模式図である。
【図3】同作像ユニットを画像形成装置本体から水平方向へ引き出した状態を示す斜視図である。
【図4】セット位置にセットされている状態の作像ユニットを前面側から見た正面図である。
【図5】図4における作像ユニットの前面カバーを取り外した状態の正面図である。
【図6】同作像ユニットがセット位置に位置するときの連結箇所を示す拡大斜視図である。
【図7】同作像ユニットが交換可能位置に位置するときの連結箇所を示す拡大斜視図である。
【図8】同作像ユニットに搭載されている全交換モジュールを取り出した状態の当該作像ユニットを示す斜視図である。
【図9】セット位置にセットされた状態の作像ユニットを感光体軸方向に沿って切断したときの断面図である。
【図10】同作像ユニットから帯電モジュールを取り外すときの様子を示す説明図である。
【図11】(a)及び(b)は、同帯電モジュールのロック機構の動作を示す説明図である。
【図12】同帯電モジュールの概略構成を示す模式図である。
【図13】同帯電モジュールを下方から見たときの斜視図である。
【図14】同帯電モジュールの後面側部分を下方から見たときの拡大斜視図である。
【図15】同帯電モジュールの後面側部分が取り付けられる作像ユニットの後面側部分を上方から見たときの斜視図である。
【図16】(a)及び(b)は、同帯電モジュールの後面側部分を作像ユニットに取り付ける動作を説明するための断面図である。
【図17】同帯電モジュールの前面側部分を下方から見たときの拡大斜視図である。
【図18】同帯電モジュールの前面側部分が取り付けられる作像ユニットの前面側部分を上方から見たときの斜視図である。
【図19】同帯電モジュールの前面側部分を作像ユニットに取り付ける動作を説明するための斜視図である。
【図20】同帯電モジュールの前面側部分を作像ユニットに取り付けた状態の断面図である。
【図21】(a)及び(b)は、作像モジュールに対してセットできない帯電モジュールの構成例を示す説明図である。
【図22】(a)及び(b)は、作像モジュールに対してセットできない帯電モジュールの他の構成例を示す説明図である。
【図23】(a)及び(b)は、作像モジュールに対してセットできる実施形態に係る帯電モジュールを示す説明図である。
【図24】作像ユニットから取り外した状態のクリーニングモジュールを示す斜視図である。
【図25】余剰潤滑剤及び転写残トナーを画像形成装置本体に設けられた廃トナー搬送路へ搬送する搬送経路を説明するための同クリーニングモジュールの断面図である。
【図26】同クリーニングモジュールの後面側部分を示す拡大斜視図である。
【図27】作像ユニットに対する同クリーニングモジュールの後面側部分のロック機構を説明するために、画像形成装置本体内部のセット位置にセットした状態の作像ユニットの後面側部分を切断したときの部分断面図である。
【図28】作像ユニットに対する同クリーニングモジュールの前面側部分のロック機構を説明するために、同クリーニングモジュールが装着された状態の作像ユニットの前面側部分を切断したときの部分断面図である。
【図29】(a)は、同クリーニングモジュールがロック状態であるときのロック操作レバーの姿勢を示す説明図であり、(b)は、同クリーニングモジュールのロックが解除された解除状態であるときのロック操作レバーの姿勢を示す説明図である。
【図30】同クリーニングモジュールを取り外した状態の作像ユニットにおける前面側部分の内壁側から見たときの斜視図である。
【図31】同クリーニングモジュールを取り外した状態の作像ユニットにおける後面側部分の内壁側から見たときの斜視図である。
【図32】(a)及び(b)は、作像ユニットから同クリーニングモジュールを取り外すときの様子を示す斜視図である。
【図33】(a)は、同クリーニングモジュールが作像ユニットにセットされたセット位置に位置する状態の説明図であり、(b)は、同クリーニングモジュールがセット位置から約10°回転して付着物落下防止姿勢になった状態の説明図である。
【図34】(a)は、同クリーニングモジュールがセット位置に位置する状態を説明するために、作像ユニットの前面側部分の内側面を示す説明図であり、(b)は、同クリーニングモジュールが付着物落下防止姿勢である状態を説明するための説明図である。
【図35】(a)及び(b)は、同クリーニングモジュールを付着物落下防止姿勢のまま作像ユニットから斜め上方へ取り外されている途中の様子を説明するための説明図である。
【図36】同クリーニングモジュールの後面側部分に設けられた後側主基準部材の周辺を拡大した拡大斜視図である。
【図37】(a)〜(c)は、作像ユニットから感光体モジュールを取り外すときの様子を示す説明図である。
【図38】同感光体モジュールがロック状態であるとき、クリーニングモジュールに対向していて多くのトナーや潤滑剤が付着している感光体表面部分の位置を示す説明図である。
【図39】同感光体モジュールが解除状態であるとき、クリーニングモジュールに対向していて多くのトナーや潤滑剤が付着している感光体表面部分の位置を示す説明図である。
【図40】(a)〜(d)は、同感光体モジュールのモジュール筐体をロック状態から解除状態へ回動させるときの感光体モジュールの前面側部分に設けられた連結部とユニット枠体の被連結部との位置関係を示す説明図である。
【図41】同感光体モジュールがロック状態であるとき、作像ユニットの内部空間が同モジュール筐体によって帯電モジュール用空間とクリーニングモジュール用空間とに明確に区画される様子を示す説明図である。
【図42】同感光体モジュールの同モジュール筐体に設けられる誤セット防止突起を示す説明図である。
【図43】同誤セット防止突起によって、帯電モジュールがセットできない様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、4つの作像ユニット100Y,100M,100C,100Kが並列に配置された画像形成部1を有している、各作像ユニット100Y,100M,100C,100Kは、潜像担持体であるドラム状の感光体21Y,21M,21C,21Kを備えた潜像担持体モジュールである感光体モジュール20Y,20M,20C,20Kと、帯電装置を備えた帯電モジュール30Y,30M,30C,30Kと、2成分現像方式の現像装置40Y,40M,40C,40Kと、ドラムクリーニング装置を備えたクリーニングモジュール50Y,50M,50C,50Kとを共通のユニット枠体で支持したものである。これらの作像ユニット100Y,100M,100C,100Kは、それぞれ個別に、画像形成装置本体に対して脱着可能な構成になっている。
【0010】
なお、本実施形態では、感光体モジュール20Y,20M,20C,20Kと、帯電モジュール30Y,30M,30C,30Kと、クリーニングモジュール50Y,50M,50C,50Kとが、交換モジュールであり、現像装置40Y,40M,40C,40Kは交換モジュールではないが、現像装置40Y,40M,40C,40Kも交換モジュールとして構成してもよい。
【0011】
画像形成部1の上方には、潜像形成手段としての露光ユニット9が設けられている。また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置10が設けられている。画像形成部1の下方には、被転写体である中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に無端移動する。転写ユニット2の下方には二次転写装置4が設けられている。二次転写装置4は、二次転写ローラ17を備えており、二次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ17には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。また、転写対向ローラ16は、電気的に接地されている。これにより、二次転写ニップ内に二次転写電界が形成される。二次転写装置4の図中左方には、用紙上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着ユニット7が設けられている。また、二次転写装置4と定着ユニット7との間には、トナー像転写後の用紙を定着ユニット7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、図示しない給紙収容部から1枚ずつ分離して給送された用紙を二次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着ユニット7を通過した用紙を機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0012】
この画像形成装置でコピーをとるときは、読取装置10により原稿を読み取る。この原稿読み取りに並行して、中間転写ベルト15が図中時計回り方向に移動する。これと同時に、画像形成部1では、各帯電モジュール30Y,30M,30C,30Kの帯電装置によって表面が一様に所定の帯電電位に帯電せしめられた各感光体21Y,21M,21C,21K上に、読み取った原稿内容に基づきイエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いて露光ユニット9によりそれぞれ露光して潜像を形成する。次いで、各感光体21Y,21M,21C,21K上の潜像を現像装置40Y,40M,40C,40Kにより現像し、単色のトナー像を形成する。そして、各感光体21Y,21M,21C,21K上のトナー像を中間転写ベルト15上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト15上に合成トナー像を形成する。
【0013】
トナー像転写後の各感光体21Y,21M,21C,21Kは、クリーニングモジュール50Y,50M,50C,50Kのドラムクリーニング装置で、感光体21Y,21M,21C,21K上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0014】
このようなトナー像形成に並行して、図示しない給紙収容部から1枚ずつ用紙を繰り出し、レジストローラ対14に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト15上の合成トナー像が二次転写ニップに到達するタイミングを合わせてレジストローラ対14を回転し、二次転写ニップに用紙を送り込み、二次転写装置4で転写して用紙上に合成トナー像を転写する。トナー像転写後の用紙は、搬送ベルト6で搬送して定着ユニット7へと送り込み、定着ユニット7で熱と圧力とを加えてトナー像を定着した後、排紙ユニット8へ送り込む。
【0015】
排紙ユニット8では切換爪で切換えて、機外(装置左側)の図示しない排紙トレイまたは下方の両面ユニット5へ案内する。両面ユニット5では、用紙を反転して再び二次転写ニップへと導き、裏面にも画像を記録した後、排紙ユニット8で排紙トレイ上に排出する。なお、画像転写後の中間転写ベルト15は、中間転写ベルトクリーニングユニット90で、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0016】
次に、4つ作像ユニット100Y,100M,100C,100Kについて詳しく説明する。
なお、4つの作像ユニット100Y,100M,100C,100Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっているので、以下の説明では、色分け符号であるY、M、C、Kを省略して、1つの作像ユニットについて説明する。
【0017】
図2は、4つ作像ユニット100Y,100M,100C,100Kのうちの1つについて、その概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、感光体21は、図中反時計回り方向に回転しながら、その表面を帯電モジュール30の帯電ローラ31により帯電される。本実施形態の帯電装置は、図示しない電源から所定の帯電バイアスが印加された帯電部材としての帯電ローラ31を感光体21の表面に接触又は近接して配置することにより、感光体21の表面を一様に帯電する接触・近接帯電方式の帯電装置であるが、これに限られない。帯電モジュール30の詳しい説明については後述する。
【0018】
帯電された感光体21の表面には不図示の露光ユニット9より照射されたレーザ光により静電潜像が形成され、この静電潜像に現像装置40からトナーを供給され、トナー像が形成される。現像装置40は、図2中時計回り方向に表面移動しながら感光体21の表面上の静電潜像に現像剤収容容器に収容された現像剤を供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ45を有している。現像ローラ45は回転可能な現像スリーブを備え、その内部に複数の磁極からなる不図示の磁性体が配置されている。磁性体は現像ローラ45の表面上で現像剤を保持するために必要である。
【0019】
また、現像ローラ45に現像剤を供給しながら現像ローラ45の軸線方向に沿って図2の手前方向へ現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュー48を有している。現像ローラ45の供給スクリュー48との対向部に対して表面移動方向下流側には、現像ローラ45に供給された現像剤を現像に適した層厚に規制する現像剤規制手段としてのドクタブレード42を備えている。現像ローラ45の感光体21との対向部である現像領域よりも表面移動方向下流側では、現像領域を通過し、現像ローラ45の表面から離脱した現像済みの現像剤を回収する回収搬送路47が現像ローラ45と対向している。回収搬送路47は、回収した回収現像剤を現像ローラ45の軸線方向に沿って供給スクリュー48と同方向に搬送する回収搬送部材として、軸線方向に平行に配置された螺旋状の回収スクリュー46を備えている。供給スクリュー48を備えた供給搬送路49は、現像ローラ45の横方向に、回収スクリュー46を備えた回収搬送路47は現像ローラ45の下方に並設されている。
【0020】
なお、現像ローラ45からの現像剤の離脱は、先に述べた現像スリーブ内部にある磁性体を、離脱させたい箇所のみ磁極がない状態に設定することにより、現像剤の分離・離脱を可能としている。また、離脱させたい箇所に反発磁界が形成されるような磁極配置の磁性体を用いてもよい。
【0021】
現像装置40は、供給搬送路49の下方で回収搬送路47に並列して攪拌搬送路44を設けている。攪拌搬送路44は、現像ローラ45の軸線方向に沿って現像剤を攪拌しながら供給スクリュー48とは逆方向である図中奥側へ搬送する攪拌搬送部材として、軸線方向に平行に配置された、攪拌軸部に螺旋状の攪拌羽部を固定したスクリュー形状の攪拌スクリュー43を備えている。
【0022】
供給搬送路49と攪拌搬送路44とは仕切り壁としての第一仕切り壁41aによって仕切られている。第一仕切り壁41aの供給搬送路49と攪拌搬送路44とを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路49と攪拌搬送路44とが連通している。なお、供給搬送路49と回収搬送路47とも第一仕切り壁41aによって仕切られているが、第一仕切り壁41aの供給搬送路49と回収搬送路47とを仕切る箇所には開口部を設けていない。また、攪拌搬送路44と回収搬送路47との2つの現像剤搬送路は仕切り部材としての第二仕切り壁41bによって仕切られている。第二仕切り壁41bは、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路44と回収搬送路47とが連通している。
【0023】
現像剤搬送部材である供給スクリュー48、回収スクリュー46及び攪拌スクリュー43は樹脂もしくは金属のスクリューからなっている。また、現像ローラ45上にステンレスからなるドクタブレード42によって薄層化された現像剤を感光体21との対抗部である現像領域まで搬送し現像を行う。現像ローラ45の表面はV溝あるいはサンドブラスト処理されており、アルミニウムもしくはステンレス鋼(SUS)素管で現像スリーブが構成されている。
【0024】
現像後の現像剤は回収搬送路47にて回収を行い、図2中の手前側に搬送され、画像領域外に設けられた第二仕切り壁41bの開口部で、攪拌搬送路44へ現像剤が移送される。なお、攪拌搬送路44における現像剤搬送方向上流側の第二仕切り壁41bの開口部の付近で攪拌搬送路44の上側に設けられた、図示しないトナー補給口から攪拌搬送路44にトナーが補給される。なお、現像装置40の現像剤収容容器は、攪拌搬送路44、回収搬送路47、供給搬送路49などを形成する壁部材で形成されるものである。
【0025】
攪拌搬送路44から現像剤の供給を受けた供給搬送路49では、現像ローラ45に現像剤を供給しながら、供給スクリュー48の現像剤搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ45に供給されずに供給搬送路49の現像剤搬送方向下流側端部まで搬送された余剰現像剤は第一仕切り壁41aの余剰開口部92より攪拌搬送路44に供給される。一方、現像ローラ45に供給された現像剤は現像領域で現像に用いられた後、現像ローラ45から分離・離脱して、回収搬送路47に受け渡される。現像ローラ45から回収搬送路47に受け渡され、回収スクリュー46によって回収搬送路47の現像剤搬送方向下流側端部まで搬送された回収現像剤は第二仕切り壁41bの回収開口部93より攪拌搬送路44に供給される。そして、攪拌搬送路44は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュー43の現像剤搬送方向下流側であり、供給スクリュー48の現像剤搬送方向上流側に搬送し、第一仕切り壁41aの供給開口部91より供給搬送路49に供給される。
【0026】
攪拌搬送路44では攪拌スクリュー43によって、回収現像剤、余剰現像剤及び移送部で必要に応じて補給されるトナーを、回収搬送路47及び供給搬送路49の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、現像剤搬送方向下流側で供給開口部91によって連通している供給搬送路49の現像剤搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。
【0027】
本実施形態の現像装置40では、供給搬送路49と回収搬送路47とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が供給搬送路49に混入することがない。このため、供給搬送路49の現像剤搬送方向下流側ほど現像ローラ45に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収搬送路47と攪拌搬送路44とを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。これにより、十分に攪拌がなされた現像剤が供給搬送路49に供給されるため、供給搬送路49に供給される現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。このように、供給搬送路49内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給搬送路49内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
ただし、本実施形態の現像装置は、これに限られることはない。
【0028】
このような現像装置40による現像処理で形成された感光体21上のトナー像は、中間転写ベルト15上に転写される。トナー像転写後に感光体21の表面に残留した転写残トナーは、クリーニングモジュール50のクリーニングブレード51によって感光体21上から除去される。本実施形態のクリーニングモジュール50には、クリーニングブレード51のほか、少なくともチッ化ホウ素とステアリン酸亜鉛とを含んだ潤滑剤を固めた固形潤滑剤54から削り取った粉体状の潤滑剤を感光体21の表面に供給する潤滑剤供給部材としての潤滑剤塗布ブラシ52と、感光体21の表面に供給された潤滑剤を均す均しブレード53とが設けられている。クリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53は、この順序で感光体表面移動方向上流側から順に配置されている。なお、クリーニングモジュール50の構成は、これに限定されることはない。特に、潤滑剤の材料はこれに限定されることはなく、また、潤滑剤供給部材もブラシ状のものに限定されず例えばスポンジ状のものを採用できる。クリーニングモジュール50の詳しい説明については後述する。
【0029】
図3は、作像ユニット100を画像形成装置本体から水平方向へ引き出した状態を示す斜視図である。
本実施形態において、作像ユニット100を画像形成装置本体から水平方向へ引き出す際、作業者は、まず、画像形成装置本体の外壁を構成する図示しない開閉扉を開状態にする。この開閉扉は、作像ユニット100が画像形成装置本体内部にセットされるセット位置から、その作像ユニット100に支持された交換モジュール20,30,50の交換作業が可能な交換作業位置まで、その作像ユニット100をスライド移動させる際に先頭側(以下、「前面側」という。)となる当該作像ユニット100の先頭端面(前面)と対向する位置に配置されている。
【0030】
開閉扉を開いた作業者は、続いて、作像ユニット100の前面に設けられた取手103に親指を除く4本の指を掛けた状態で、ロック解除操作レバー106を親指で押し下げる。これにより、画像形成装置本体に対する作像ユニット100のロック状態が解除され、作像ユニット100を前面側に水平方向へ引き出すことが可能となる。そして、作業員は、ロック解除操作レバー106を親指で押し下げつつ取手103を前面側に引いて、作像ユニット100を前面側に引き出す。これにより、図3に示すように、作像ユニット100を交換作業位置までスライド移動させることができる。本実施形態においては、作像ユニット100を支持するユニット支持手段として、2つのスライドレール105が設けられている。2つのスライドレール105は、作像ユニット100のスライド方向両側部に取り付けられ、作像ユニット100が図3に示す交換作業位置までスライド移動した状態でも、作像ユニット100を落下させずに当該交換作業位置に保持する。したがって、本実施形態によれば、作像ユニット100を交換作業位置に引き出した状態のまま、その作像ユニット100の交換モジュール20,30,50の交換作業を行うことができる。
【0031】
本実施形態においては、作像ユニット100をセット位置から交換作業位置までスライド移動する作像ユニットの進路を阻害する部材は開閉扉のみであり、この開閉扉は開状態になると当該進路から退避した箇所に位置する。したがって、作業者は、開閉扉を開いたら、その他の部材を当該進路から退避させる作業を行うことなく、作像ユニット100を引き出すことができる。
【0032】
ここで、本実施形態においては、作像ユニット100上の現像装置40に対するトナー補給を行うトナー補給口が、現像装置40の攪拌搬送路44の現像剤搬送方向上流側端部に設けられている。このトナー補給口から現像装置40へ補給される補給用トナーは、画像形成装置本体に設けられた図示しないトナーボトルからトナー搬送路を通じて搬送される。そのため、トナー搬送路は、作像ユニット100側のトナー搬送路(ユニット側トナー搬送路)と、画像形成装置本体側のトナー搬送路(本体側トナー搬送路)とに分割され、作像ユニット100がセット位置に位置するときにユニット側トナー搬送路と本体側トナー搬送路とが連結するように構成する必要がある。このとき、その連結箇所を作像ユニットの後面側に設ければ、本体側トナー搬送路が前面側に配置されず、本体側トナー搬送路が作像ユニット100の進路を阻害する部材とはなり得ない。しかしながら、この場合には、現像装置のトナー補給口を後面側に配置する必要や、もしくは前面側のトナー補給口まで補給用トナーを搬送するトナー搬送路を形成する必要が生じる。前者の場合、後面側に配置される現像装置の駆動部材や給電部材等のスペースの制約から、トナー補給口を適切な位置に配置することが困難となる。また、後者の場合、後面側に設けた連結箇所から前面側のトナー補給口まで、作像ユニット100上のユニット側トナー搬送路によって補給用トナーを搬送しなければならなくなる。そのため、作像ユニット100上にユニット側トナー搬送路のスペースを確保する必要が生じるだけでなく、そのユニット側トナー搬送路内のトナーをトナー補給口まで搬送するための搬送機構を駆動する駆動力が必要となり、作像ユニット100の大型化、複雑化が避けられない。
【0033】
そこで、本実施形態においては、ユニット側トナー搬送路と本体側トナー搬送路との連結箇所を作像ユニットの前面側に設けている。以下、図面を用いて具体的に説明する。
図4は、セット位置にセットされている状態の作像ユニット100を前面側から見た正面図である。
図5は、図4における作像ユニット100の前面カバー104を取り外した状態の正面図である。
本実施形態においては、現像装置40の攪拌搬送路44の現像剤搬送方向上流側端部の上面でトナー補給口61aが開口している。このトナー補給口61aは、図5に示すように、前面側のユニット枠体101よりも前面側に配置されている。このトナー補給口61aには、鉛直方向に延びるユニット側トナー搬送路61の下端が接続されている。ユニット側トナー搬送路61の上端であるトナー受口61bは、作像ユニット100がセット位置にあるとき、画像形成装置本体側に設けられた本体側トナー搬送路62の排出口62aと係合する。本実施形態において、このトナー受口61bと排出口62aとが係合する箇所、すなわち、ユニット側トナー搬送路61と本体側トナー搬送路62との連結箇所は、作像ユニット100の進路から退避した箇所に配置されている。これにより、本体側トナー搬送路62は、作像ユニット100の進路から退避した箇所に位置するので、この本体側トナー搬送路62によって作像ユニット100のスライド移動が妨げられることはない。
【0034】
図6は、作像ユニット100がセット位置に位置するときの連結箇所を示す拡大斜視図である。
図7は、作像ユニット100が交換可能位置に位置するときの連結箇所を示す拡大斜視図である。
本実施形態では、本体側トナー搬送路62の排出口62aが下向きに開口しているため、作像ユニット100が交換可能位置へ引き出されてユニット側トナー搬送路61のトナー受口61bが排出口62aから離れると、その排出口62aからトナーがこぼれてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、作像ユニット100の引き出し動作及び押し込み動作に連動して開閉する排出口62aのシャッター63が設けられている。このシャッター63は、図示しないスプリング等の付勢手段により、前面側へ付勢されている。作像ユニット100がセット位置に向けてスライド移動してくると、その作像ユニット100のユニット側トナー搬送路61のトナー受口61bがシャッター63に接触する。そして、作像ユニット100がセット位置に向けて更に押し込まれると、その押し込み力によってトナー受口61bがシャッター63を上記付勢手段の付勢力に抗して後面側へ押し込む。これにより、排出口62aを塞いでいた閉状態のシャッター63が後面側にスライド移動して開状態になる。そして、作像ユニット100がセット位置にセットされた状態では、図6に示すように、ユニット側トナー搬送路61のトナー受口61bが本体側トナー搬送路62の排出口62aと係合するとともに、シャッター63はトナー受口61bによって押し込まれた状態(開状態)のまま維持される。
一方、作像ユニット100がセット位置から交換可能位置に向けてスライド移動すると、シャッター63を開状態に維持していた押し込み力が解除され、シャッター63は上記付勢手段の付勢力により前面側へスライド移動する。これにより、シャッター63は排出口62aを塞ぐ閉状態となり、排出口62aからのトナーのこぼれが防止される。
【0035】
次に、作像ユニット100に搭載されている各種機器の位置決め構成について説明する。
図8は、すべての交換モジュール20,30,50を取り出した状態の作像ユニット100を示す斜視図である。
図9は、セット位置にセットされた状態の作像ユニット100を感光体軸方向に沿って切断したときの断面図である。
本実施形態において、作像ユニット100に搭載されている交換モジュール20,30,50及びその他の装置(現像装置40等)は、作像ユニット100の共通のユニット枠体101によって一体的に支持されている。共通のユニット枠体101の前面側部分には、その前面側に金属製の前面板102が取り付けられ、これによりユニット枠体101の前面側部分についての強度及び位置決め精度を高めている。なお、共通のユニット枠体101の後面側部分については、作像ユニット100がセット位置にセットされた際に、作像ユニット100の後面側部分に設けられる各種駆動系の連結部と画像形成装置本体側の被連結部とが複数箇所で連結されることで、強度及び位置決め精度が高まるようになっている。
【0036】
作像ユニット100上の各交換モジュール20,30,50は、ユニット枠体101に対して着脱可能であり、装着時には後述する各ロック機構によってユニット枠体101に固定され、位置決めされる。作像ユニット100に搭載されている交換モジュール20,30,50及びその他の装置(現像装置40等)は、それぞれ共通のユニット枠体101に対して位置決めされる結果、共通のユニット枠体101を高い寸法精度で製造することで、作像ユニット100上の各種装置間における相対的な位置関係を高い精度で位置決めすることができる。
【0037】
また、作像ユニット100のユニット枠体101は、作像ユニット100がセット位置にあるとき、画像形成装置本体側に設けられた感光体駆動軸221及びその軸受222によって画像形成装置本体に対して位置決めされる。具体的に説明すると、感光体モジュール20の感光体21には、画像形成装置本体側に設けられた感光体駆動軸221が挿入される挿入孔21aが設けられている。この挿入孔21aに対して感光体駆動軸221が完全に挿入されると、図9に示すように、感光体駆動軸221上の感光体駆動ジョイント223が感光体21の挿入孔21aの被ジョイント部21bと連結し、感光体21は、感光体駆動軸221と一体的に回転できる状態になる。また、感光体駆動軸221が感光体21の挿入孔21aに完全に挿入されると、感光体駆動軸221の前面側端部がユニット枠体101の前面側部分に設けられる前面嵌合部101aに嵌合するとともに、感光体駆動軸221上に設けられた軸受222がユニット枠体101の後面側部分に設けられる後面嵌合部101bに嵌合する。これにより、作像ユニット100のユニット枠体101は、画像形成装置本体側の感光体駆動軸221に対して、その前面側と後面側の2箇所で位置決めされる。
【0038】
ここで、本実施形態の画像形成装置はいわゆるタンデム型の画像形成装置であるため、4つの作像ユニット100Y,100M,100C,100Kの感光体21Y,21M,21C,21Kの相対位置が高い精度で位置決めされていない場合、その位置ズレが色ズレとなって画像に顕著に表れてしまう。一方で、感光体21を除いた作像ユニット100上の各種機器(帯電モジュール30、現像装置40、クリーニングモジュール50等)は、感光体21に対する相対的な位置関係が画質の上で重要であり、他の作像ユニット100Y,100M,100C,100Kとの間の相対位置は直接的には画質に影響しない。したがって、作像ユニット100上の感光体21については画像形成装置本体に対して高い精度で位置決めし、作像ユニット100上の帯電モジュール30、現像装置40、クリーニングモジュール50等については、感光体21に対する相対的な位置を高い精度で位置決めできれば、高い画質を維持できる。
【0039】
本実施形態における位置決め構成においては、作像ユニット100上の感光体21は、画像形成装置本体側に設けられた感光体駆動軸221に対して直接的に位置決めされるので、画像形成装置本体に対して高い位置決め精度が得られる。一方、作像ユニット100上の帯電モジュール30、現像装置40、クリーニングモジュール50等は、感光体駆動軸221のほか、少なくともユニット枠体101を介して画像形成装置本体に位置決めされるので、感光体21ほど画像形成装置本体に対する位置決め精度が得られない。しかしながら、作像ユニット100上の帯電モジュール30、現像装置40、クリーニングモジュール50等は、作像ユニット100上において感光体21を位置決めしているユニット枠体101によって位置決めされているので、感光体21に対しては高い位置決め精度が得られる。
【0040】
次に、作像ユニット100上の帯電モジュール30について説明する。
図10は、作像ユニット100から帯電モジュール30を取り外すときの様子を示す説明図である。
図11(a)及び(b)は、帯電モジュール30のロック機構の動作を示す説明図である。
作像ユニット100から帯電モジュール30を取り外す場合、作業者は、まず、作像ユニット100の前面側部分に設けられている帯電モジュール用のロック部材131の摘み131aを摘んで、ロック部材131を図11(a)に示すロック状態から図11(b)に示す解除状態へ回動させる。ロック部材131が解除状態になると、帯電モジュール30の前面側部分30aの上規制が無くなるので、帯電モジュール30の前面側部分30aを、図10に示すように上方へ持ち上げることが可能となる。
【0041】
図12は、帯電モジュール30の概略構成を示す模式図である。
図13は、帯電モジュール30を下方から見たときの斜視図である。
本実施形態における帯電モジュール30において、帯電ローラ31及びこれをクリーニングするクリーニングローラ32は、これらの回転軸の両端を支持する共通の回転軸支持部33a,33bを介して、モジュール枠体34に取り付けられている。帯電ローラ31の後面側における回転軸上には被駆動ギヤ35が固定されており、作像ユニット100が画像形成装置本体内部のセット位置にセットされたときに、被駆動ギヤ35の下方に位置する図示しない駆動ギヤと噛み合うことになる。そして、この駆動ギヤからの駆動力が被駆動ギヤ35に伝達されることで、帯電ローラ31が回転駆動する。クリーニングローラ32は、回転軸支持部33a,33bに対して回転自在に取り付けられており、帯電ローラ31の回転に連れ回り回転する。
【0042】
帯電ローラ31及びこれをクリーニングするクリーニングローラ32を支持する回転軸支持部33a,33bは、モジュール枠体34に設けられた付勢手段である加圧バネ36によって、感光体21側へ付勢されている。これにより、ロック部材131を図11(a)に示すロック状態にして帯電モジュール30の前面側部分30aをロック部材131で上方から押圧し、帯電モジュール30を作像ユニット100にセットすると、加圧バネ36の付勢力により回転軸支持部33a,33bを介して帯電ローラ31が感光体21側へ付勢される。帯電ローラ31は、その外周面の両端領域に、その全周にわたって帯電ローラ31の外周面中央領域よりも径が大きいスペーサ31aが設けられている。このスペーサ31aは、帯電モジュール30を作像ユニット100にセットした状態では、上述した加圧バネ36の付勢力によって感光体21の表面の非画像領域に当接する。これにより、帯電ローラ31の外周面中央領域と感光体21の表面との間にはギャップが形成され、そのギャップは帯電ローラ31が回転駆動してもスペーサ31aによって安定して維持される。このように、本実施形態においては、帯電ローラ31を感光体表面に近接配置して帯電処理を行う近接帯電方式を採用しているが、帯電ローラ31を感光体表面に接触するように配置して帯電処理を行う接触帯電方式を採用してもよい。
【0043】
また、帯電ローラ31の後面側における回転軸端面には、モジュール枠体34に設けられた電極37が接触している。この電極37は、画像形成装置本体側の図示しない給電部と連結する被給電部37aに接続されている。これにより、作像ユニット100がセット位置にセットされ、画像形成装置本体側の給電部と被給電部37aとが接続されることで、電極37を通じて帯電ローラ31に所定の帯電バイアスを印加することが可能になる。
【0044】
ここで、作像ユニット100に対する帯電モジュール30の位置決め構成としては、例えば、帯電モジュール30の長手方向(前後方向)の両端底面を受ける台座を作像ユニット100に設け、その台座にピンを立てて固定し、帯電モジュール30の両端底面に設けた嵌合孔に当該ピンを嵌合させた後、帯電モジュール30の両端底面が台座に当接した状態が維持されるように帯電モジュールをロックすることで、位置決めする構成が考えられる。このような構成であれば、帯電モジュール30の鉛直方向の位置決めは帯電モジュール30の両端底面と作像ユニット100の台座によって行われ、水平方向(前後方向、前後方向に対して直交する方向(以下「横方向」という。)、水平面上の回転)の位置決めは帯電モジュール30の嵌合孔と作像ユニット100のピンによって行われる。しかしながら、このような構成では、作業者が帯電モジュール30を作像ユニット100に取り付ける際、帯電モジュール30を作像ユニット100に対して真上から真っ直ぐ下に下ろすようにしてセットする必要がある。このとき、作業者は、通常、帯電モジュール30の長手方向両端を両手で把持するが、帯電モジュール30は、前後方向への移動、横方向への移動、及び、帯電モジュール30の回転のいずれも、何ら規制を受けていない状態である。そのため、作業者の取り扱いによって自由に移動あるいは回転させることができてしまうので、作業者は、この移動及び回転をすべて自分の手で調整して、帯電モジュール30の嵌合孔に作像ユニット100上のピンが嵌合するように取り付けることが必要になる。そのため、その取り付け作業が困難である。
【0045】
本実施形態では、帯電モジュール30の取り付け時における作業者の負担軽減のため、作像ユニット100に対する帯電モジュール30の位置決め構成として、次のような構成をとっている。
図14は、帯電モジュール30の後面側部分30bを下方から見たときの拡大斜視図である。
図15は、帯電モジュール30の後面側部分30bが取り付けられる作像ユニット100の後面側部分を上方から見たときの斜視図である。
図16(a)及び(b)は、帯電モジュール30の後面側部分30bを作像ユニット100に取り付ける動作を説明するための断面図である。
帯電モジュール30の後面側部分30bには、高さ方向及び横方向の位置決めを行うための後側位置決め部材38が設けられている。この後側位置決め部材38は、帯電モジュール30の後面側部分30bを作像ユニット100に取り付ける際に作像ユニット100のユニット枠体101の後面側部分に設けられた仮位置決め用台座132に載置されることで帯電モジュール30の後面側部分30bを仮位置決めする仮位置決め部38aと、仮位置決め部38aの下方に設けられた帯電モジュール長手方向外側に突出する突出部38bと、ユニット枠体101の後面側部分に設けられた下規制部133に当接することで帯電モジュール30の後面側部分30bの高さ方向を位置決めする底面部38cと、底面部38cに設けられた窪み38dとを備えている。この窪み38dは、図14に示すように、帯電モジュール長手方向外側から内側に向けて窪んでおり、ユニット枠体101の後面側部分に設けられた位置決め突起134がこの窪み38dに嵌合することで、帯電モジュール30の後面側部分30bにおける横方向の位置決めがなされる。
【0046】
本実施形態の帯電モジュール30を作像ユニット100に取り付ける場合、まず、帯電モジュール30の後面側部分30bの仮位置決め部38aを、図10や図16(a)に示すように、作像ユニット100のユニット枠体101の後面側部分に設けられた仮位置決め用台座132に置く。これにより、仮位置決め用台座132とこれに接触する仮位置決め部38aの接触部分とで高さ方向の仮位置決めがなされる。また、ユニット枠体101の後面側部分には、仮位置決め部38aの各側面(横方向端面)とそれぞれ接触することで横方向の仮位置決めを行う2つの仮位置決め用壁部135が設けられている。2つの仮位置決め用壁部135の間隔は、仮位置決め部38aの横方向長さ(仮位置決め部38aの側面間の距離)よりも僅かに広く形成されており、この横方向の仮位置決めでは遊びが存在するようになっている。これにより、作業者は、帯電モジュール30の後面側部分30bについて横方向のおおよその位置を手で調整するだけで、その後面側部分30bの仮位置決め部38aを仮位置決め用台座132上に容易に置くことができる。
【0047】
続いて、作業者は、このように帯電モジュール30の後面側部分30bが仮位置決めされた状態で、仮位置決め用台座132上で仮位置決め部38aを摺動させながら帯電モジュール30の全体を図16(a)中矢印Aで示すように後面側へずらすとともに、帯電モジュール30の前面側部分30aを図16(a)中矢印Bで示すように下方へ下ろす作業を行う。この作業は後面側部分30bが仮位置決めされているので簡単に行うことができる。この作業により、後側位置決め部材38の突出部38bがユニット枠体101の後面側部分に設けられた位置決め用開口136に入り込むとともに、後側位置決め部材38の底面部38cがユニット枠体101の下規制部133上に載置され、図16(b)に示す状態になる。
【0048】
図16(b)に示す状態においては、突出部38bの上端がユニット枠体101の位置決め用開口136の上部内壁に当接した状態になり、帯電モジュール30の後面側部分30bが上方向へ移動することが規制される。したがって、帯電モジュール30の後面側部分30bは、後側位置決め部材38の底面部38cがユニット枠体101の下規制部133上に載置されることで下方向への移動が規制され、かつ、後側位置決め部材38の突出部38bがユニット枠体101の位置決め用開口136の上部内壁に当接することで上方向への移動が規制される。これにより、帯電モジュール30の後面側部分30bの高さ方向の位置決めがなされる。
一方、図16(b)に示す状態においては、後側位置決め部材38の底面部38cに設けられた窪み38dにユニット枠体101の位置決め突起134が嵌合した状態になる。これにより、帯電モジュール30の後面側部分30bにおける横方向の位置決めがなされる。
【0049】
本実施形態では、図16(b)に示すように、帯電モジュール30の後面側部分30bが上方向へ移動するのを規制する上規制箇所C1の水平方向位置が下方向へ移動するのを規制する下規制箇所C2の水平方向位置よりも、後面側に位置している。このような構成により、図16(a)に示すように帯電モジュールの後面側部分30bが下がった姿勢から図16(b)に示す水平の姿勢にする作業を行うだけで、帯電モジュール30の後面側部分30bの高さ方向の位置決めを完了することができる。
【0050】
図17は、帯電モジュール30の前面側部分30aを下方から見たときの拡大斜視図である。
図18は、帯電モジュール30の前面側部分30aが取り付けられる作像ユニット100の前面側部分を上方から見たときの斜視図である。
図19は、帯電モジュール30の前面側部分30aを作像ユニット100に取り付ける動作を説明するための断面図である。
図20は、帯電モジュール30の前面側部分30aを作像ユニット100に取り付けた状態の断面図である。
帯電モジュール30の前面側部分30aには、前後方向、横方向及び高さ方向の位置決めを行うための前側位置決め部材39が設けられている。この前側位置決め部材39は、作像ユニット100のユニット枠体101の前面側部分に設けられた位置決め用台座137に載置される底面部39aと、底面部39aに設けられた位置決め用開口39bと、作像ユニット100の前面側部分に設けられたロック機構のロック部材131が当接する被ロック部39cとを備えている。位置決め用開口39bは、ユニット枠体101の前面側部分に設けられた位置決め突起138がこの位置決め用開口39bに嵌合することで、帯電モジュール30の前面側部分30aにおける横方向の位置決めがなされる。
【0051】
ユニット枠体101の前面側部分には、前側位置決め部材39の各側面(横方向端面)とそれぞれ接触することで横方向の仮位置決めを行う2つの仮位置決め用壁部139が設けられている。2つの仮位置決め用壁部139の間隔は、位置決め部材39の横方向長さ(位置決め部材39の側面間の距離)よりも僅かに広く形成されており、この横方向の仮位置決めでは遊びが存在するようになっている。これにより、作業者は、帯電モジュール30の前面側部分30aについて横方向のおおよその位置を手で調整するだけで、その前面側部分30aの底面部39aをユニット枠体101の位置決め用台座137上へ適切に下ろすことができる。その結果、帯電モジュール30の底面部39aに設けられた位置決め用開口39bにユニット枠体101の位置決め突起138を嵌合させるのが容易である。
【0052】
この作業により、帯電モジュール30の位置決め用開口39bにユニット枠体101の位置決め突起138が嵌合した状態で、帯電モジュール30の前面側部分30aにおける底面部39aがユニット枠体101の位置決め用台座137上に載置されると、その嵌合により帯電モジュール30の前面側部分30aにおける横方向の位置決めがなされる。
また、底面部39aがユニット枠体101の位置決め用台座137上に載置されると、図20に示すように、前側位置決め部材39の前面側に突起した突起部39dが、ユニット枠体101の隙間を介して、ユニット枠体101の前面側に取り付けられた前面板102に当接する。これにより、帯電モジュール30の前面側部分30aが前方向へ移動することが規制される。また、底面部39aがユニット枠体101の位置決め用台座137上に載置されると、図20に示すように、前側位置決め部材39に設けられた位置決め用開口39bの前面側内壁がユニット枠体101に設けられた位置決め突起138に当接する。これにより、帯電モジュール30の前面側部分30aが後方向へ移動することが規制される。
この結果、底面部39aがユニット枠体101の位置決め用台座137上に載置されて、帯電モジュール30の位置決め用開口39bにユニット枠体101の位置決め突起138が嵌合した状態になると、帯電モジュール30の前面側部分30aは、横方向及び前後方向の位置決めがなされることになる。
【0053】
このようにして、帯電モジュール30の底面部39aをユニット枠体101の位置決め用台座137上に載置したら、作業者は、帯電モジュール用のロック部材131を、図11(b)に示す解除状態から図11(a)に示すロック状態になるように回転軸131cを中心に回動させる。これにより、ロック部材131の押し当て部131bが帯電モジュール30の前側位置決め部材39における被ロック部39cに当接し、帯電モジュール30の前面側部分を位置決め用台座137上に押し付けるようにしてロック部材131がロック状態になる。これにより、帯電モジュール30の前面側部分30aは、高さ方向の位置決めがなされることになる。
【0054】
本実施形態では、図20に示すように、帯電モジュール30の前面側部分30aが前方向へ移動するのを規制する前規制箇所D1の鉛直方向位置が後方向へ移動するのを規制する後規制箇所D2の鉛直方向位置よりも、上側に位置している。このような構成により、図19に示すように帯電モジュールの前面側部分30aが上がった姿勢から図20に示す水平の姿勢に回動させる作業を行うだけで、帯電モジュール30の前面側部分30aの前後方向の位置決めを容易に完了することができる。仮に、図21や図22に示すように前規制箇所D1と後規制箇所D2の鉛直方向位置が同じであると、本実施形態のように図21(a)や図22(a)中の矢印のように回動させて取り付ける場合、図21(b)や図22(b)に示すように取り付け途中で引っ掛かってしまう。これに対し、本実施形態のように、前規制箇所D1の鉛直方向位置が後規制箇所D2の鉛直方向位置よりも上側に位置している場合、図23(a)中の矢印のように回動させて取り付ける際に、取り付け途中で引っ掛かることなく、図23(b)に示すようにスムーズに取り付けが完了できる。
【0055】
次に、作像ユニット100上のクリーニングモジュール50について説明する。
図24は、作像ユニット100から取り外した状態のクリーニングモジュール50を示す斜視図である。
本実施形態のクリーニングモジュール50は、感光体21の表面に向けて開口するモジュール開口からクリーニングブレード51及び潤滑剤塗布ブラシ52を露出させた状態でこれらをモジュール枠体の前面側部分50a及び後面側部分50bで支持している。モジュール開口の下端には下シール部材55が設けられており、モジュール開口の上端には均しブレード53が設けられている。したがって、下シール部材55、クリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53は、感光体表面移動方向上流側(鉛直方向下側)から順に、感光体21の表面に接触して対向する。本実施形態のクリーニングモジュール50は、感光体表面上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング部と、感光体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部とに大別できる。
【0056】
クリーニング部について説明すると、クリーニングブレード51は、感光体表面に対してカウンター方向から当接するように配置されている。このクリーニングブレード51によって掻き取られた転写残トナーは、重力によって下に落下し、クリーニング筐体内部に収容される。このとき、クリーニングブレード51によって掻き取られた転写残トナーがクリーニング筐体と感光体表面との間の隙間からこぼれないように、下シール部材55が設けられている。この下シール部材55は、感光体軸方向にわたって感光体表面に対してトレーリング方向に当接するように配置された可撓性の高いマイラーである。クリーニング筐体内部には、図2に示すように廃トナー搬送スクリュー56aが設けられている。この廃トナー搬送スクリュー56aは、スクリュー軸に螺旋状の羽根部が固定されたもので、クリーニングブレード51によって掻き取られてクリーニング筐体内部に落下した転写残トナーを、スクリュー軸の軸線方向に沿って後面側へ搬送する。
【0057】
潤滑剤供給部について説明すると、潤滑剤塗布ブラシ52は、図2に示すように、感光体表面と固形潤滑剤54の両方に当接するように配置され、感光体表面に対してカウンター方向に回転駆動する。潤滑剤塗布ブラシ52が回転駆動することで固形潤滑剤54が潤滑剤塗布ブラシ52によって削り取られ、これにより得られる粉体状の潤滑剤が潤滑剤塗布ブラシ52に付着する。潤滑剤塗布ブラシ52に付着した粉体状の潤滑剤は、潤滑剤塗布ブラシ52の回転駆動に伴って感光体表面との接触位置へ搬送され、感光体表面に塗布される。感光体表面に塗布された粉体状の潤滑剤は、感光体の表面移動に伴って均しブレード53との当接位置を通過する。このとき、感光体表面上の潤滑剤が均され、潤滑剤塗布ブラシ52による塗布ムラが解消される。固形潤滑剤54は、潤滑剤ホルダ54aによってガイドされた状態で、スプリング54bにより潤滑剤塗布ブラシ52に向けて付勢されている。これにより、固形潤滑剤54の量が減少しても、固形潤滑剤54と潤滑剤塗布ブラシ52との当接圧を一定に保つことができ、一定量の固形潤滑剤54が安定して削り取ることができる。なお、本実施形態における固形潤滑剤54の潤滑剤塗布ブラシ52による削れ量は、感光体21の走行距離(km)あたり120mg/km〜150mg/kmとなるように調整されている。
【0058】
ここで、固形潤滑剤54から削り取られて潤滑剤塗布ブラシ52に付着した粉体状の潤滑剤のうちの余剰分は、フリッカー59や固形潤滑剤54との接触箇所においてフリッキングされ、潤滑剤供給部の筐体内部に落下する。なお、本実施形態におけるフリッカー59は、クリーニング筐体と一体成形されているが、クリーニング筐体とは別部材であってもよい。また、クリーニングブレード51のクリーニング箇所をすり抜けた転写残トナーも潤滑剤塗布ブラシ52に僅かに付着するが、これもフリッカー59や固形潤滑剤54との接触箇所においてフリッキングされ、潤滑剤供給部の筐体内部に落下する。筐体内部に落下した余剰潤滑剤は、自重によって潤滑剤供給部の筐体内部の底面に滞留することになるため、潤滑剤塗布ブラシ52に再付着し、感光体表面に塗布される。よって、この余剰潤滑剤は、適量であれば、固形潤滑剤54から削り取った潤滑剤の感光体表面への塗布効率を高めることに寄与する。しかしながら、余剰潤滑剤が多く蓄積してしまった場合、均しブレードを通過する潤滑剤や転写残トナーが過剰となり、帯電部材の汚染による画像欠陥や、機内汚染等の不具合を引き起こすおそれがある。
そこで、本実施形態では、潤滑剤供給部の筐体内部の余剰潤滑剤を潤滑剤供給部の筐体内部から排出するために、図2に示すように余剰潤滑剤搬送スクリュー56bが設けられている。この余剰潤滑剤搬送スクリュー56bは、スクリュー軸に螺旋状の羽根部が固定されたもので、余剰潤滑剤をスクリュー軸の軸線方向に沿って前面側へ搬送する。
【0059】
図25は、余剰潤滑剤及び転写残トナーを画像形成装置本体に設けられた廃トナー搬送路210へ搬送する搬送経路を説明するためのクリーニングモジュール50の断面図である。
本実施形態のクリーニングモジュール50は、クリーニング部で発生した転写残トナーと、潤滑剤供給部で発生した余剰潤滑剤とを、クリーニングモジュール50の外部にある画像形成装置本体側に設置された図示しない廃トナーボトルへ搬送する必要がある。クリーニングモジュール50は、作像ユニット100上に設けられ、画像形成装置本体に対して着脱されるものであるため、転写残トナー及び余剰潤滑剤を搬送する搬送路については、作像ユニット100の装着時に作像ユニット100側の搬送路と画像形成装置本体の搬送路とを連結させなければならず、そのためこれらの搬送路間の位置決めが必要である。よって、このような搬送路の連結箇所が多いと、位置決めを行う必要がある箇所が増える結果、製造コストが高くなる。また、作像ユニット100の着脱時に搬送路の連結箇所において搬送路内に残留している転写残トナーや潤滑剤がこぼれる危険性が高く、搬送路の連結箇所が多いほどこの危険性は高くなる。
【0060】
そこで、本実施形態では、図25に示すように、転写残トナーを搬送する下搬送路50cと余剰潤滑剤を搬送する上搬送路50dとを、クリーニングモジュール50内の前面側で連結通路50eにより連結した。これにより、潤滑剤供給部の筐体内部に残留した余剰潤滑剤は、余剰潤滑剤搬送スクリュー56bにより上搬送路50dの前側端部まで搬送されると、連絡通路50eを通じて下搬送路50c内に落下する。下搬送路50c内に落下した余剰潤滑剤は、廃トナー搬送スクリュー56aにより、クリーニング部筐体内部の転写残トナーとともに、下搬送路50cの後側端部まで搬送される。下搬送路50cの後側端部は、クリーニングモジュール50の後面側部分50bでモジュール外部に後面側へ突出した単一の排出部50fに接続されている。この排出部50fの端部底面には、排出口50gが開口しており、下搬送路50cを通じて排出部50fの内部まで搬送された転写残トナー及び余剰潤滑剤(以下、これらを「廃トナー」という。)は、排出口50gから落下することで、廃トナー搬送路210内へ受け渡される。
【0061】
ただし、下搬送路50c及び上搬送路50dが合流する連結通路50eが、感光体表面上の画像領域(トナー像が形成され得る感光体表面上の領域)の感光体回転軸方向内側に位置する場合、次のような不具合が生じ得る。すなわち、合流地点では下搬送路50c内に上搬送路50dからの余剰潤滑剤が流入するため、その合流地点における下搬送路50c内の箇所に存在する転写残トナーや余剰潤滑剤の量は局部的に多くなる。そのため、例えば上搬送路50dからの流入量が一時的に多くなるなどして下搬送路50c内の当該箇所の転写残トナーや余剰潤滑剤の量が過剰に多くなった場合、その箇所の転写残トナーや余剰潤滑剤が感光体表面側まで迫り出し、感光体表面上の画像領域に付着してしまうおそれがある。この場合、感光体表面のフィルミングやキズ発生を引き起こしたり、感光体表面に接触又は近接するクリーニングブレード51、帯電ローラ3等の各種部材に入力されるトナーや潤滑剤の量が増大して当該部材の寿命低下を引き起こしたり、画像形成装置内部に飛散するトナーや潤滑剤の量が増大して種々の不具合を引き起こしたりする。
そこで、本実施形態においては、下搬送路50c及び上搬送路50dとが合流する連結通路50eは、画像領域の感光体回転軸方向外側の箇所である連結通路50eで連結している。これにより、このような不具合の発生を抑制している。
【0062】
本実施形態において、廃トナー搬送スクリュー56aは、外径φが10mm、スクリューピッチが8mm、回転数が180rpmである搬送スクリューである。一方、余剰潤滑剤搬送スクリュー56bは、外径φが10mm、スクリューピッチが8mm、回転数が100rpmである搬送スクリューである。ここでは、クリーニングブレード51で除去された転写残トナーを搬送する廃トナー搬送スクリュー56aよりも、余剰潤滑剤を搬送する余剰潤滑剤搬送スクリュー56bの回転数を小さくして、潤滑剤の搬送能力を落としている。これは、余剰潤滑剤を再び潤滑剤塗布ブラシに付着させて感光体表面に供給される潤滑剤の再利用効率を高めるためである。
【0063】
図26は、クリーニングモジュール50の後面側部分50bを示す拡大斜視図である。
排出部50fには、排出口50gを開閉するためのシャッター50hが備わっている。このシャッター50hは、作像ユニット100がセット位置にセットされていない状態では、スプリング50iの付勢力によって後面側へ付勢され、排出口50gを閉塞する閉状態に維持される。一方、作像ユニット100がセット位置にセットされた状態では、図25に示すように、クリーニングモジュール50における後面側部分50bの排出部50fが画像形成装置本体の廃トナー搬送路210の上方に配置された被連結部211の内部に挿入された状態になる。作像ユニット100がセット位置に向けてスライド移動する際、排出部50fのシャッター50hの後面側の端面が画像形成装置本体における被連結部211の前面側の端面に当接して移動が阻止される。これにより、作像ユニット100とともに後面側へ移動する排出部50fに対し、シャッター50hは、スプリング50iの付勢力に抗して前面側へ相対的に移動し、作像ユニット100がセット位置にセットされた状態では、図25に示すように、排出口50gを開口させる開状態に維持される。このとき、排出口50gは、画像形成装置本体の廃トナー搬送路210に設けられた受け入れ口に対面し、排出口50gから落下した廃トナーが廃トナー搬送路210内へ収容可能となる。
【0064】
本実施形態のクリーニングモジュール50は、その前面側部分50a及び後面側部分50bのそれぞれに主基準部材57a,58a及び従基準部材57b,58bが1つずつ設けられている。主基準部材57a,58aには、作像ユニット100のユニット枠体101に設けられる後述の主基準ピン152,153が嵌合する嵌合孔が設けられており、この嵌合孔に主基準ピン152,153が嵌合して主基準部材57a,58aと主基準ピン152,153とが連結すると、作像ユニット100に対するクリーニングモジュール50の鉛直方向及び横方向の位置決めがなされる。また、従基準部材57b,58bは、作像ユニット100のユニット枠体101に設けられる後述の従基準凹部156a,157aに嵌り込む。このような従基準を設けることで、主基準を中心としたクリーニングモジュール50の回転が規制され、主基準を中心とした回転方向位置の位置決めもなされる。
【0065】
図27は、作像ユニット100に対するクリーニングモジュール50の後面側部分のロック機構を説明するために、画像形成装置本体内部のセット位置にセットした状態の作像ユニット100の後面側部分を切断したときの部分断面図である。
本実施形態では、作像ユニット100を画像形成装置本体から引き出した状態において、作像ユニット100の後面側部分に設けられた後側主基準ピン153は、スプリング155の付勢力によって後面側に向けて変位した状態に維持される。これにより、後側主基準ピン153は、その後面側端部が作像ユニット100の後面側部分から後方へ突出し、前面側端部はクリーニングモジュール50の後面側部分50bに設けられた後側主基準部材58aの嵌合孔から退避した箇所に位置する。よって、クリーニングモジュール50の後側主基準部材58aは、作像ユニット100を画像形成装置本体から引き出した状態においては、常に、作像ユニット100に対するロックが解除された解除状態になっている。
一方、作像ユニット100を画像形成装置本体内部のセット位置に向けてスライド移動させると、作像ユニット100の後側主基準ピン153の後面側端部が画像形成装置本体の本体フレーム230に接触し、これにより後側主基準ピン153の後面側への移動が阻止される。その結果、作像ユニット100が更に後面側へスライド移動することで、後側主基準ピン153が作像ユニット100に対して前面側へ移動し、その後側主基準ピン153の前面側端部がクリーニングモジュール50の後側主基準部材58aの嵌合孔に入り込む。そして、作像ユニット100がセット位置にセットされた状態では、図27に示すように、作像ユニット100の後側主基準ピン153がクリーニングモジュール50の後側主基準部材58aの嵌合孔に入り込んでロック状態になるとともに、クリーニングモジュール50の後面側部分50bにおける位置決めがなされる。
【0066】
図28は、作像ユニット100に対するクリーニングモジュール50の前面側部分のロック機構を説明するために、クリーニングモジュール50が装着された状態の作像ユニット100の前面側部分を切断したときの部分断面図である。
図29(a)は、クリーニングモジュール50がロック状態であるときのロック操作レバー151の姿勢を示す説明図であり、図29(b)は、クリーニングモジュール50のロックが解除された解除状態であるときのロック操作レバー151の姿勢を示す説明図である。
作像ユニット100を画像形成装置本体から交換可能位置まで引き出すと、上述したように、作像ユニット100に対するクリーニングモジュール50の後面側部分のロックが解除された状態となるので、あとはクリーニングモジュール50の前面側部分のロックを解除すれば、クリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り出すことが可能となる。作像ユニット100からクリーニングモジュール50を取り外す場合、作業者は、まず、作像ユニット100の前面側部分に設けられているクリーニングモジュール用のロック操作レバー151を摘んで、ロック操作レバー151を図29(a)に示すロック状態から図29(b)に示す解除状態へ回す。
【0067】
ロック操作レバー151は、その回転中心軸上に前側主基準ピン152が固定されており、スプリング154の付勢力によって作像ユニット100のユニット枠体101に対して前面側へ付勢されている。そのため、ロック操作レバー151が図29(b)に示す解除状態にあるとき、ロック操作レバー151は、スプリング154の付勢力によって作像ユニット100から前面側へ突出した状態に維持される。このとき、ロック操作レバー151に固定された前側主基準ピン152が前面側に移動するため、クリーニングモジュール50の前面側部分50aにおける主基準部材57aの嵌合孔から退避した箇所に位置する。よって、クリーニングモジュール50の前側主基準部材57aは、ロック操作レバー151を解除状態に回すことで、作像ユニット100に対するロックが解除された解除状態になる。
【0068】
一方、クリーニングモジュール50の前側主基準部材57aは作像ユニット100に対してロックする場合、作業者は、まず、スプリング154の付勢力に抗してロック操作レバー151を作像ユニット100内へ押し込むように後面側へ移動させる。そして、この状態からロック操作レバー151を図29(a)に示すロック状態まで回して、ロック操作レバー151から手を離す。これにより、ロック操作レバー151はスプリング154の付勢力によって前面側への付勢力を受けるが、ロック操作レバー151がロック状態まで回してある姿勢ではロック操作レバー151の図示しない突起部の前面側端面が作像ユニット100の図示しないストッパに突き当たり、ロック状態は維持される。また、ストッパには、ロック操作レバー151が図29(b)に示す解除状態に向かって回転するのを防止するために、ロック操作レバー151の突起部に当接して規制する規制部が設けられている。なお、作業者がロック操作レバー151を解除状態に向かって回す際に、ロック操作レバー151をスプリング154の付勢力に抗して僅かに作像ユニット100内へ押し込むことで、ロック操作レバー151の突起部はストッパの規制部を乗り越えることができるので、作業者がロック操作レバー151を解除状態に向かって回すことができる。
図30は、クリーニングモジュール50を取り外した状態の作像ユニット100における前面側部分の内壁側から見たときの斜視図である。
図31は、クリーニングモジュール50を取り外した状態の作像ユニット100における後面側部分の内壁側から見たときの斜視図である。
なお、図30及び図31では、クリーニングモジュール50が作像ユニット100から取り外された状態ではあるが、説明のため、前側主基準ピン152及び後側主基準ピン153が見えるように、これらの主基準ピン152,153がロック状態の箇所に位置している様子を図示している。
【0069】
クリーニングモジュール50を作像ユニット100に取り付けられた状態では、クリーニングモジュール50の前側従基準部材57bは、図30に示すように、作像ユニット100の前面側部分における内壁に設けられた従基準ガイド溝156の下端部で形成される前側従基準凹部156aに嵌り込んだ状態になる。これにより、前側従基準部材57bは、前側従基準凹部156aによって従基準ガイド溝156に沿った方向以外の方向への移動が規制された状態になる。その結果、クリーニングモジュール50の前面側部分50aが主基準部材57aを中心とした回転方向へ移動することが規制される。
また、クリーニングモジュール50の後側従基準部材58bは、図31に示すように、作像ユニット100の後面側部分における内壁に設けられた従基準ガイド上壁157の下端に設けられた後側従基準凹部157aに嵌り込んだ状態になる。これにより、後側従基準部材58bは、後側従基準凹部157aによって従基準ガイド上壁157に沿った方向以外の方向への移動が規制された状態になる。その結果、クリーニングモジュール50の後面側部分50bが主基準部材58aを中心とした回転方向へ移動することが規制される。
【0070】
図32(a)及び(b)は、作像ユニット100からクリーニングモジュール50を取り外すときの様子を示す斜視図である。
作業者がロック操作レバー151を解除状態まで回し、クリーニングモジュール50の前面側部分50aの作像ユニット100に対するロックが解除されても、この状態では、クリーニングモジュール50の従基準部材57b,58bが作像ユニット100の従基準凹部156a,157aに嵌り込んで支持されている。よって、クリーニングモジュール50が作像ユニット100から落下してしまうことはない。本実施形態では、クリーニングモジュール50の主基準部材57a,58aのロックが解除された状態において、従基準部材57b,58bを中心にクリーニングモジュール50を図32(a)の矢印で示す方向へ約10°程度回動させないと、クリーニングモジュール50を図32(b)に示すように作像ユニット100から引き抜いて取り外せないようになっている。
【0071】
この点について説明すると、作像ユニット100に対するクリーニングモジュール50の着脱時には、転写残トナーや潤滑剤が付着しているクリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53等が外部に露出することになる。クリーニングモジュール50の着脱時には、クリーニングモジュール50に多少の衝撃が加わることになるので、これらの部材51,52,53に付着している転写残トナーや潤滑剤が落下する場合がある。落下した転写残トナーや潤滑剤が作像ユニット100に付着すると、交換作業中に作業員の手や服に転写残トナーや潤滑剤が付着して汚してしまうおそれがある。また、落下した転写残トナーや潤滑剤が床に落ちて床を汚してしまうおそれもある。
そこで、本実施形態では、クリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53に付着している転写残トナーや潤滑剤が、クリーニングモジュールのクリーニング部及び潤滑剤供給部の各筐体内部に落下するような付着物落下防止姿勢で、クリーニングモジュール50が作像ユニット100から取り外されるように構成されている。
【0072】
図33(a)は、クリーニングモジュール50が作像ユニット100にセットされたセット位置に位置する状態の説明図である。
図33(b)は、クリーニングモジュール50がセット位置から約10°回転して付着物落下防止姿勢になった状態の説明図である。
本実施形態において、クリーニングモジュールが作像ユニット100にセットされているとき、図33(a)に示すように、クリーニングブレード51及び潤滑剤塗布ブラシ52の横方向位置は、クリーニングモジュール50のモジュール開口の下端部(下シール部材55の上端)の横方向位置よりも感光体21の表面とは反対側(クリーニングモジュール50側)に位置している。よって、これに付着している転写残トナーや潤滑剤は、モジュール開口からクリーニングモジュール50の筐体内部に落下させることができる。しかしながら、均しブレード53については、図33(a)に示すように、その横方向位置Eがクリーニングモジュール50のモジュール開口の下端部(下シール部材55の上端)の横方向位置の真上もしくは感光体21側に位置する。すなわち、均しブレード53については、クリーニングモジュール50がセットさ位置に位置する姿勢では、その横方向位置Eがクリーニングモジュール50のモジュール筐体内部から外れる位置に存在する。そのため、セット位置の姿勢のままクリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り外すように構成すると、均しブレード53に付着している転写残トナーや潤滑剤がクリーニングモジュール50のモジュール筐体内部に落下できず、上述した不具合を引き起こす。
また、クリーニングブレード51及び潤滑剤塗布ブラシ52であっても、その横方向位置は下シール部材55に対してモジュール筐体内部側に僅かにずれた位置である。そのため、セット位置の姿勢のままクリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り外すように構成すると、クリーニングブレード51及び潤滑剤塗布ブラシ52に付着している転写残トナーや潤滑剤も、モジュール筐体内部から外れた位置に落下してしまい、上述した不具合を引き起こすおそれがある。
【0073】
そのため、本実施形態では、クリーニングモジュール50がセット位置に位置するときの姿勢よりもクリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53の横方向位置がモジュール筐体内部側に位置する姿勢(付着物落下防止姿勢)に姿勢変更してから、その付着物落下防止姿勢を維持しつつ、クリーニングモジュール50が作像ユニット100から取り外されるように構成されている。
【0074】
図34(a)は、クリーニングモジュール50がセット位置に位置する状態を説明するために、作像ユニット100の前面側部分の内側面を示す説明図である。
図34(b)は、クリーニングモジュール50が付着物落下防止姿勢である状態を説明するための説明図である。
図35(a)及び(b)は、クリーニングモジュール50を付着物落下防止姿勢のまま作像ユニット100から斜め上方へ取り外されている途中の様子を説明するための説明図である。
【0075】
本実施形態において、作業者がロック操作レバー151を解除状態まで回し、クリーニングモジュール50の前面側部分50aの作像ユニット100に対するロックが解除されると、従基準部材57b,58bを中心にクリーニングモジュール50が感光体から離れる方向へ回動可能になる。このとき、図34(a)に示すセット位置に位置するクリーニングモジュール50の重心Jは、その横方向位置が従基準部材57b,58bよりも感光体から離れる側に位置している。そのため、クリーニングモジュール50には、自重によって、従基準部材57b,58bを中心に感光体から離れる方向へ回動する力が作用する。よって、作業者がロック操作レバー151を回してクリーニングモジュール50のロックを解除するとすぐに、クリーニングモジュール50は図34(b)に示す付着物落下防止姿勢に向けて姿勢変更する。ただし、本実施形態では、クリーニングモジュール50が約10°回転した位置で、クリーニングモジュール50の回転を阻止するように規制されるように、作像ユニット100のユニット枠体101に回転阻止部158が設けられている。クリーニングモジュール50が従基準部材57b,58bを中心に回転すると、約10°回転したときにクリーニングモジュール50の外壁が回転阻止部158に当接し、それ以上回転できない状態になる。これにより、クリーニングモジュール50は、セット位置の姿勢から約10°回転した姿勢で保持され、クリーニングモジュール50が過剰に回転しない。
【0076】
また、本実施形態では、クリーニングモジュール50がセット位置の姿勢のまま作像ユニット100から引き抜かれるのを防止するため、次のような構成を採用している。
すなわち、クリーニングモジュール50の前面側部分50a及び後面側部分50bには、図24及び図26に示すように、それぞれボス57c,58cが設けられている。クリーニングモジュール50がセット位置にあるとき、図34(a)に示すように、前側ボス57cは、ユニット枠体101に設けられた図30に示す前側従基準ガイド溝156のボス用凹部156b内に入り込む。また、後側ボス58cは、クリーニングモジュール50がセット位置にあるとき、ユニット枠体101に設けられた図31に示す従基準ガイド上壁157のボス用凹部157b内に入り込む。したがって、クリーニングモジュール50がセット位置の姿勢のままでは、ボス57c,58cがボス用凹部156b,157bに引っ掛かって、クリーニングモジュール50を引き抜くことができない。一方、従基準部材57b,58bを中心にクリーニングモジュール50を約10°回転して図34(b)に示す付着物落下防止姿勢にすると、クリーニングモジュール50のボス57c,58cはユニット枠体101のボス用凹部156b,157bから抜き出た状態になる。これにより、クリーニングモジュール50のボス57c,58c及び従基準部材57b,58bは前側従基準ガイド溝156及び従基準ガイド上壁157に沿って移動できるようになる。したがって、図35(a)及び(b)に示すように、クリーニングモジュール50を前側従基準ガイド溝156及び従基準ガイド上壁157に沿って作像ユニット100から引き抜いて取り外すことができる。
【0077】
ここで、クリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53に付着した転写残トナーや潤滑剤のこぼれ防止の観点からすると、図34(b)に示す段階(引き抜き始める直前の段階)で、約10°よりももっと回転させた姿勢(より好ましい付着物落下防止姿勢)で保持するようにするのが望ましい。しかしながら、スライドレール105の存在等の種々の制約により、本実施形態では、図34(b)に示す段階ではこれ以上回転させた姿勢とすることができない。そこで、本実施形態においては、クリーニングモジュール50を作像ユニット100から引き抜く動作の途中で徐々にクリーニングモジュール50が従基準部材57b,58b中心で回転するようにして、より好ましい付着物落下防止姿勢となるように構成されている。
【0078】
具体的には、図35(a)及び(b)に示すように、作像ユニット100の前面側部分におけるユニット枠体101に設けられた前側従基準ガイド溝156を、図示のように逆くの字状に形成している。具体的には、前側従基準ガイド溝156は、その下側部分のガイド方向よりも上側部分のガイド方向の方がより水平方向に近い方向となるように形成されている。これにより、クリーニングモジュール50を作像ユニット100から引き抜く際、クリーニングモジュール50の前側従基準部材57bは前側従基準ガイド溝156の下側部分にガイドされ、クリーニングモジュール50の前側ボス57cは前側従基準ガイド溝156の上側部分にガイドされる。このように、クリーニングモジュール50の前側従基準部材57b及び前側ボス57cを互いにガイド方向が異なる部分でガイドすることで、クリーニングモジュール50は回転しながら引き抜かれることになる。よって、図35(b)に示すように、クリーニングモジュール50の前側ボス57cが前側従基準ガイド溝156から抜ける段階までクリーニングモジュール50が引き抜かれた時点では、クリーニングモジュール50の姿勢は、図34(b)に示した姿勢よりも回転して、より好ましい付着物落下防止姿勢となる。
【0079】
なお、本実施形態では、上述したように、クリーニングモジュール50の重心Jと従基準部材57b,58bとの位置関係により、作業者がロック操作レバー151を回してクリーニングモジュール50のロックを解除するとすぐに、クリーニングモジュール50が図34(a)に示す姿勢から図34(b)に示す姿勢に姿勢変更する。このとき、作業者がクリーニングモジュール50を手で支持していない場合、クリーニングモジュール50の外壁がユニット枠体101に回転阻止部158に衝突し、クリーニングモジュール50に大きな衝撃が加わることになる。このような大きな衝撃は、クリーニングモジュール50のクリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53に付着した転写残トナーや潤滑剤を舞い上がらせ、飛散させることにつながる。
【0080】
図36は、クリーニングモジュール50の後面側部分50bに設けられた後側主基準部材58aの周辺を拡大した拡大斜視図である。
本実施形態では、クリーニングモジュール50が作像ユニット100内のセット位置に位置するときにクリーニングモジュール50の後側主基準部材58aを仮位置決めするフック部材159が作像ユニット100のユニット枠体101に設けられている。なお、図示はしないが、クリーニングモジュール50の前面側部分にも前側主基準部材57aを仮位置決めする同様のフック部材が作像ユニット100のユニット枠体101に設けられている。フック部材159は、ユニット枠体101に固定された固定端から感光体側から離れる方向へ略水平に延びるアーム部と、そのアーム部先端で下方に曲がったストッパ部とから構成された略L字状の部材である。クリーニングモジュール50がセット位置に位置するとき、クリーニングモジュール50の後側主基準部材58aがフック部材159のストッパ部に引っ掛かった状態になる。このとき、クリーニングモジュール50の前側主基準部材57aも図示しないフック部材のストッパ部に引っ掛かった状態になる。そのため、作業者がクリーニングモジュール50を手で支持しない状態でクリーニングモジュール50のロックを解除しても、クリーニングモジュール50は、フック部材159によってセット位置に保持される。よって、クリーニングモジュール50のロック解除時に上述した衝撃が加わるのを防止することができる。
【0081】
ロックが解除されたクリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り外す場合、作業者は、クリーニングモジュール50の前面側部分50a及び後面側部分50bの適当な箇所を把持して、クリーニングモジュール50に対し、図34(a)の姿勢から図34(b)の姿勢へ変更する力、すなわち、従基準部材57b,58bを中心に回転させる方向への力を加える。この力によって主基準部材57a,58aが移動することによりフック部材159のアーム部が撓んでストッパ部が上側へ持ち上げられ、主基準部材57a,58aはフック部材159による仮位置決め状態から解除される。
【0082】
次に、作像ユニット100上の感光体モジュール20について説明する。
図37(a)〜(c)は、作像ユニット100から感光体モジュール20を取り外すときの様子を示す説明図である。
作像ユニット100から感光体モジュール20を取り外す場合、作業者は、まず、上述した帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り外す必要がある。このような必要があることで、感光体モジュール20の交換作業の作業負担が増えることになるが、作像ユニット100上の交換モジュールの中でも、感光体モジュール20はより高い位置決め精度が要求される部品であるため、作像ユニット100に対してむやみに着脱されることを規制できる点では有益である。また、感光体モジュール20の感光体表面に傷が付くと画質への影響が大きいこと、他の交換モジュールに比べて高価な部品であること等も考慮すると、感光体モジュール20の交換作業の作業負担が増えてでも、感光体モジュール20が作像ユニット100に対してむやみに着脱されることを規制する方が優先されることが好ましい。
【0083】
ただし、本実施形態では、次のような方法を採用することで、感光体モジュール20の交換作業の負担を軽減している。
すなわち、本実施形態において、他の交換モジュールを作像ユニット100から取り外した後でなければ交換できない感光体モジュール20よりも、他の交換モジュールを作像ユニット100にセットした状態のまま交換できる帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50の方が、交換寿命が短くなるように構成されている。具体的には、帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50は、画像形成枚数に換算して30万枚の交換寿命であるのに対し、感光体モジュール20は、画像形成枚数に換算して120万枚の交換寿命である。なお、このような交換モジュール20,30,50の間における交換寿命の調整は、材料の選定、制御方法の工夫など、公知の方法によって適宜行うことができる。そして、本実施形態では、作像ユニット100上の全交換モジュール20,30,50の交換寿命(画像形成枚数換算。以下同じ。)の最小公倍数である120万枚は、全交換モジュール20,30,50の交換寿命の中で最も長い感光体モジュール20の交換寿命である120万枚と一致する。その結果、感光体モジュール20の交換時期は、寿命途中で故障等がない限り、他の交換モジュール30,50の交換時期と同じになる。本実施形態では、感光体モジュール20を交換するためには他の交換モジュール30,50を取り外さなければならないが、これらの交換時期を一致させることで、実質的な作業負担を軽減できる。
しかも、これらの交換時期が一致することで、一度の交換作業ですべての交換モジュール20,30,50を交換することができ、各交換モジュール20,30,50を別々の時期に交換する場合に比べて、トータルでの画像形成のダウンタイムを軽減できる。
【0084】
また、本実施形態では、交換寿命が短い帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50については、他の交換モジュールを作像ユニット100にセットした状態のまま交換できるように構成している。これにより、交換頻度の高い交換モジュール30,50の交換作業の負担が軽減される。
また、本実施形態において、帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50の交換寿命は互いに一致するように構成されている。これにより、帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50は、寿命途中で故障等がない限り、その交換時期は同じになり、一度の交換作業で両方を交換することができる。よって、これらを別々の時期に交換する場合に比べて、トータルでの画像形成のダウンタイムを軽減できる。
【0085】
帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り外した後において、作像ユニット100から感光体モジュール20を取り外す場合、作業員は、帯電モジュール30とクリーニングモジュール50との間を区画していた感光体モジュール用のモジュール枠体22の摘み22aを摘んで、モジュール枠体22を図37(a)に示すロック状態から図37(b)に示す解除状態へ回動させる。モジュール枠体22が解除状態になると、感光体モジュール20は、図37(c)に示すように、現像装置40から離れる方向へ斜め上方に持ち上げることが可能となる。
【0086】
ここで、図38に示すように、本実施形態において、感光体21の表面のうちクリーニングモジュール50に対向していた表面部分Fには、多くのトナーや潤滑剤が付着する。これは、例えば、感光体表面と接触していたクリーニングブレード51、潤滑剤塗布ブラシ52、均しブレード53等の接触箇所に堰き止められて溜まっていた転写残トナーや潤滑剤が、クリーニングモジュール50を取り外した際に感光体表面側に付着することによって起こる。本実施形態では、感光体表面に対してクリーニングモジュール50のクリーニングブレード51等が略水平方向から接触しているので、クリーニングモジュール50を取り外した際、感光体表面の側面に、クリーニングモジュール50によるトナーや潤滑剤が付着することになる。その結果、この姿勢のまま感光体モジュール20を作像ユニット100から取り外す構成では、その取り外しの際の振動で、感光体表面の側面に付着しているトナーや潤滑剤が落下してしまう。特に、クリーニングブレード51が当接していた当接部分F’には、トナーや潤滑剤が凝集した状態で付着することがある。このような凝集状態のトナーや潤滑剤は、その取り外しの際のわずかな振動で、感光体表面から簡単に落下してしまう。
【0087】
そこで、本実施形態においては、モジュール枠体22を図37(a)に示すロック状態から図37(b)に示す解除状態へ回動させることに追従して、感光体21も回転するように構成されている。具体的には、感光体モジュール20には、作像ユニット100が交換可能位置に位置する状態では、感光体21の後面側端面とこれに対向するモジュール枠体22の対向面(モジュール枠体22の後面側部分22bの内側面)とを当接させる付勢力を感光体21に付与する図示しないスプリングが設けられている。これにより、作像ユニット100が交換可能位置に位置する状態において、モジュール枠体22と感光体21とは一体回転可能な連結状態となる。一方、作像ユニット100が上記セット位置に位置する状態では、図9に示すように、感光体駆動軸221上の感光体駆動ジョイント223と感光体21の被ジョイント部21bとが感光体回転軸方向から連結する。これにより、感光体21が上記付勢力に抗してモジュール枠体22の後面側部分22bから離間する方向へ変位して、感光体21がモジュール枠体22から独立して回転可能な非連結状態となる。モジュール枠体22の後面側部分22aには、感光体21の被ジョイント部21bの周面を摺動軸受けする軸受用開口が設けられている。感光体駆動時には、感光体21の被ジョイント部21bが回転し、これをモジュール枠体22の軸受用開口で摺動軸受けすることになる。作像ユニット100を画像形成装置本体から交換可能位置まで引き出した状態では、感光体21の挿入孔21aから感光体駆動軸221が引き抜かれているので、感光体21は回転フリーの状態である。このとき、上述したように、感光体モジュール20に設けられたスプリングの付勢力により、感光体21の後面側端面がモジュール枠体22と当接し、モジュール枠体22と感光体21とが一体回転可能な連結状態となる。よっって、この状態でモジュール枠体22を図37(a)に示すロック状態から図37(b)に示す解除状態へ回転させると、感光体21も回転する。
【0088】
その結果、モジュール枠体22を図37(a)に示すロック状態から図37(b)に示す解除状態へ回転させることで、クリーニングモジュール50に対向していた感光体表面部分Fが、図38に示す横向きから、図39に示す上向きになる。具体的には、図38に示す状態では、クリーニングブレード51が当接していた感光体21のブレード当接部分F’から外方へ向かう法線Lとクリーニング対向表面部分F’を通る水平面Kとのなす角度θ0が約−15°であったのに対し、図39に示す状態では、法線Lと水平面Kとのなす角度θ1が約+45°となる。なお、この角度は、鋭角であって、法線Lが水平面Kよりも上側に位置するときに正の値をとり、法線Lが水平面Kよりも下側に位置するときに負の値をとるように定義される。すなわち、図38や図39に示すように感光体21をその回転軸方向から見たときに感光体回転軸を通るように水平面及び鉛直面を規定することで4つの象限を規定した場合、上記角度は、図39に示すようにブレード当接部分F’が右上の第1象限に位置する場合には0°〜+90°の範囲をとり、左上の第2象限に位置する場合には0°〜+90°の範囲をとり、左下の第3象限に位置する場合には0°〜−90°の範囲をとり、図38に示すように右下の第4象限に位置する場合には0°〜−90°の範囲をとることになる。
【0089】
そして、本実施形態では、モジュール枠体22を図37(b)に示す解除状態まで回転させた後、その姿勢を保ったまま感光体モジュール20を作像ユニット100から図37(c)や図39の矢印で示す斜め上方へ引き抜かないと、感光体モジュール20を作像ユニット100から取り外すことができない構成となっている。よって、本実施形態によれば、作業者が感光体モジュール20を作像ユニット100から取り外す作業を行う際、感光体表面上のトナーや潤滑剤が多く付着している表面部分Fを図39に示すような上向きの状態のまま、感光体モジュール20が作像ユニット100から取り外されるようになる。
【0090】
図40(a)〜(d)は、モジュール枠体22をロック状態から解除状態へ回動させるときの感光体モジュール20の前面側部分に設けられた連結部23とユニット枠体101の被連結部121との位置関係を示す説明図である。
なお、感光体モジュール20の後面側部分にも同様のロック機構が存在するが、以下の説明では、図40(a)〜(d)を参照して、感光体モジュール20の前面側部分についてのロック機構のみ説明する。
【0091】
感光体モジュール20の前面側部分における連結部23は、モジュール枠体22と一体成型された部材であり、モジュール枠体22とともに感光体回転軸を中心に回転可能である。感光体モジュール20が作像ユニット100にセットされた状態では、図40(a)に示すように、感光体モジュール20の前面側部分における連結部23は、作像ユニット100の前面側部分におけるユニット枠体101の内壁に設けられた被連結部121と連結する。感光体モジュール20が作像ユニット100にセットされた状態において、ユニット枠体101の被連結部121における2つの円弧部分121a,121bは、感光体モジュール20の連結部23における2つの円弧部分23a,23bとそれぞれ当接した状態となる。これにより、感光体モジュール20は作像ユニット100のユニット枠体101に対してロックされた状態になり、またこれにより鉛直方向及び横方向について仮位置決めされる。
【0092】
モジュール枠体22を図40(a)に示すロック状態から図40(b)に示す解除状態へ回転させると、このモジュール枠体22と一体成型されている連結部23も回転する。ユニット枠体101の被連結部121には、感光体モジュール20を引き抜く方向(斜め上方)に沿って直線状に延びるガイド溝121cが形成されている。このガイド溝の幅は、感光体モジュール20側の連結部23に設けられた被ガイド部23cの幅よりも僅かに広く形成されている。この被ガイド部23cは、モジュール枠体22の姿勢が図40(b)に示す解除状態であるとき、感光体モジュール20を引き抜く方向(斜め上方)に沿って長尺な直線状の部材である。そして、モジュール枠体22の姿勢が解除状態になると、図40(b)に示すように、感光体モジュール側の被ガイド部23cの長尺方向が作像ユニット側のガイド溝121cの溝方向と一致するようになる。これにより、モジュール枠体22をガイド溝121cの溝方向に沿って斜め上方へ引き上げることが可能となる。よって、作業者がモジュール枠体22をガイド溝121cの溝方向に沿って斜め上方へ引き上げることで、図40(c)及び(d)に示すように、感光体モジュール20を作像ユニット100から取り外すことができる。
【0093】
感光体モジュール20を作像ユニット100に取り付ける場合、上述した取り外し手順とは逆の順序で作業すればよい。感光体モジュール20を作像ユニット100へ取り付ける際、感光体モジュール側の被ガイド部23cが挿入される作像ユニット側のガイド溝121cの入口では、図40(d)に示すように、ガイド溝121cの感光体回転軸に近い側のガイド壁に円弧部分121bが連続している。これにより、ガイド溝121cの入口は、被ガイド部23cの挿入方向に向かって先細る形状となり、被ガイド部23cをガイド溝121cの内部へスムーズに案内することができる。
【0094】
また、感光体モジュール20を作像ユニット100に取り付ける際、感光体モジュール20が図40(b)の位置まで完全に入り込む前の段階では、モジュール枠体22を図40(a)に示すロック状態に向けて回転させることができないようになっている。具体的には、図40(c)に示すように、感光体モジュール側の被ガイド部23cが作像ユニット側のガイド溝121cの途中に位置する場合、モジュール枠体22を回転させようとしても、被ガイド部23cがガイド溝121cの内壁に当接してモジュール枠体22の回転が規制される。感光体モジュール20が図40(b)の位置まで完全に入り込むと、被ガイド部23cがガイド溝121cの内部から完全に抜けるため、モジュール枠体22を回転させても、被ガイド部23cがガイド溝121cの内壁に当接することはなく、モジュール枠体22を回転させることができる。
【0095】
また、本実施形態においては、感光体モジュール20を作像ユニット100に取り付けてモジュール枠体22を図40(a)に示すロック状態にしたとき、図41に示すように、作像ユニット100の内部空間がそのモジュール枠体22によって帯電モジュール用空間Gとクリーニングモジュール用空間Hの2つの空間に明確に区画される。よって、作業者が帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50を作像ユニット100に取り付ける際、帯電モジュール30及びクリーニングモジュール50の取付箇所がどこなのかを迷うことが少なくなり、利便性が高い。
【0096】
更に、本実施形態では、感光体モジュール20が作像ユニット100に対してロック状態になっていない状態、すなわち、モジュール枠体22が図40(b)に示す解除状態のままで、作像ユニット100が画像形成装置本体に押し込まれるのを防止する構成が採用されている。具体的には、感光体モジュール20のモジュール枠体22には、図42に示すように、誤セット防止突起24が設けられている。この誤セット防止突起24は、モジュール枠体22が図42に示す解除状態であるときに、帯電モジュール30の前面側部分30aが位置決め用台座137に載置されるのを妨げる箇所に位置する。したがって、この状態で帯電モジュール30を作像ユニット100にセットしようとすると、図43に示すように、帯電モジュール30の前面側部分30aが誤セット防止突起24に突っかかって、位置決め用台座137に載置することができず、帯電モジュール30を作像ユニット100に取り付けることができない。この結果、作業者に、感光体モジュール20がロック状態になっていないことを気付かせることができる。
【0097】
本実施形態において、作像ユニット100上に搭載されるすべての交換モジュール20,30,50のユニット枠体101に対するロック状態と非ロック状態との切り替えは、作業員が把持する、帯電モジュール30用のロック部材131、クリーニングモジュール用のロック操作レバー151、感光体モジュール20用のモジュール枠体22の摘み22aに対する操作のみで行われる構成となっている。よって、これらの交換モジュール20,30,50の交換作業を行うにあたり、作業者は、ドライバー等の工具を用いる必要がない。
【0098】
以上、本実施形態に係る画像形成装置は、回転する感光体21としての感光体21の表面にトナー像を作像し、作像されたトナー像を感光体21から被転写材としての中間転写ベルト15上に転写することで画像形成を行うとともに、転写後に感光体21の表面に残留した転写残トナーをクリーニング部材としてのクリーニングブレード51で除去する画像形成装置である。この画像形成装置は、感光体21を備えた潜像担持体モジュールとしての感光体モジュール20と、感光体21の表面に向けて開口するモジュール開口からクリーニングブレード51を露出させた状態でクリーニングブレード51をモジュール枠体で支持するクリーニングモジュール50とを、共通のユニット枠体101で一体的に支持するとともに、少なくともクリーニングモジュール50についてはユニット枠体101に対して着脱自在に支持する作像ユニット100と、作像ユニット100が画像形成装置本体内部にセットされるセット位置と、作像ユニット100が画像形成装置外部に露出する露出位置(交換可能位置)との間で、作像ユニット100を移動可能に支持するユニット支持手段としてのスライドレール105と、少なくとも作像ユニット100が上記セット位置にセットされた状態で、クリーニングブレード51が感光体21の表面上の転写残トナーを除去し得る正規位置(当接位置)に位置する姿勢でクリーニングモジュール50をユニット枠体101に固定するとともに、少なくとも作像ユニット100が露出位置(交換可能位置)に位置する状態で、クリーニングモジュール50のユニット枠体101に対する固定を解除可能なモジュール固定手段としてのクリーニングモジュール用ロック機構とを有している。そして、ユニット枠体101は、クリーニングモジュール用ロック機構によりクリーニングモジュール50が固定されているときにクリーニングモジュール50のモジュール開口の下端部(下シール部材55の上端)の水平方向位置(横方向位置)よりも感光体21の表面側である第1位置に位置していて感光体21の表面に接触して対向するクリーニングモジュール50の潜像担持体対向部である均しブレード53が、クリーニングモジュール用ロック機構によるクリーニングモジュール50の固定が解除された状態では、当該下端部の水平方向位置(横方向位置)よりもクリーニングモジュール側である第2位置へ移動可能にクリーニングモジュール50を支持し、かつ、均しブレード53が当該第2位置に位置するまでクリーニングモジュール50の取り外しを規制するとともに、均しブレード53が当該第2位置に位置する姿勢(付着物落下防止姿勢)ではクリーニングモジュール50の取り外し及び取り付けを可能とする構成となっている。これにより、クリーニングモジュール50が作像ユニット100にセットされているときには上記第1位置(転写残トナー等の付着物をクリーニングモジュール50の外部に落下させてしまう位置)に位置していた均しブレード53も、クリーニングモジュールの取り外し及び取り付け時には、第2位置(転写残トナー等の付着物が落下してもクリーニングモジュール50の内部に回収できる位置)に位置した状態となる。よって、クリーニングモジュール50の取り外し及び取り付け時には、均しブレード53からこぼれ落ちた付着物をクリーニングモジュール50の内部へ回収することができ、その付着物がクリーニングモジュール50の外部に落下してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態において、クリーニングモジュール用ロック機構は、感光体回転軸方向に平行な第1軸線(主基準軸線)上に位置するようにクリーニングモジュール50の感光体回転軸方向両端に設けられた2つの第1被連結部材としての主基準部材57a,58aに対し、ユニット枠体101に設けられた2つの第1連結部材としての主基準ピン152,153をそれぞれ連結させることでクリーニングモジュール50をユニット枠体101に固定し、主基準ピン152,153と主基準部材57a,58aとを分離させることでクリーニングモジュール50のユニット枠体101に対する固定を解除するものであり、かつ、感光体回転軸方向に平行な第2軸線(従基準軸線)上に位置するようにクリーニングモジュール50の感光体回転軸方向両端に設けられた2つの第2被連結部材としての従基準部材57b,58bに対し、ユニット枠体101に設けられた2つの第2連結部材としての従基準凹部156a,157aをそれぞれ連結させることで、上記主基準軸線を中心とするクリーニングモジュール50の回転を規制する構成を有しており、更に、クリーニングモジュール50の固定を解除した状態では上記従基準軸線を中心にクリーニングモジュール50を回転可能に支持する構成となっている。そして、従基準部材57b,58bは、上記従基準軸線を中心にクリーニングモジュール50が回転したときに均しブレード53が上記第2位置へ移動する箇所に配置されている。これにより、従基準軸線を回転中心としたクリーニングモジュール50の回転動作によって、クリーニングモジュール50を付着物落下防止姿勢へ姿勢変更することができる。この姿勢変更時には、クリーニングモジュール50はユニット枠体101に下支えされているため、例えばクリーニングモジュール50を持ち上げて付着物落下防止姿勢へ姿勢変更するような場合よりも、その姿勢変更作業が容易である。
また、本実施形態においては、上記従基準軸線の横方向位置が、クリーニングモジュール50の重心位置Jよりも下方かつ感光体21が位置する側であるので、クリーニングモジュール50を付着物落下防止姿勢へ姿勢変更するために従基準軸線を中心にクリーニングモジュール50を回転させるとき、クリーニングモジュールの自重を利用することができる。よって、クリーニングモジュール50の付着物落下防止姿勢への姿勢変更作業が容易になる。
また、本実施形態では、クリーニングモジュール用ロック機構によるクリーニングモジュール50の固定が解除された状態でもクリーニングブレード51が当接位置に位置する姿勢(クリーニングモジュール50がセット位置に位置する姿勢)でクリーニングモジュール50を仮保持するモジュール仮保持手段としてのフック部材159を有しており、このフック部材159は、クリーニングモジュール50に対し、均しブレード53が上記第1位置から上記第2位置へ移動する方向へ所定以上の力が加わることで、上記仮保持が解除される構成を有している。これにより、クリーニングモジュール用ロック機構によるクリーニングモジュール50の固定解除と同時に、クリーニングブレード51が上記解除位置へ位置する姿勢に向けてクリーニングモジュール50が姿勢変化することを防ぐことができる。その結果、当該姿勢変化によってクリーニングモジュール50に衝撃が加わり、転写残トナーや潤滑剤を舞い上がらせるなどの不具合の発生を抑制できる。
また、本実施形態において、フック部材159は、クリーニングモジュール50の重心位置Jと上記従基準軸線との距離よりもその従基準軸線との距離が遠い箇所(主基準軸線の箇所)でクリーニングモジュール50を仮保持しているので、クリーニングモジュール50の重心位置Jと上記従基準軸線との距離よりもその従基準軸線との距離が近い箇所で仮保持する場合よりも、仮保持に必要な力が小さくて済む。その結果、クリーニングモジュール50を作像ユニット100から取り外すときに仮保持を解除する作業や、クリーニングモジュール50を作像ユニット100に取り付けるときに仮保持させる作業を行う際の作業負荷を少なくできる。
また、本実施形態において、フック部材159は、クリーニングモジュール50に設けられた主基準部材57a,58aを仮保持する。これにより、クリーニングモジュール50をユニット枠体101に固定するためにユニット枠体101の主基準ピン152,153と連結する主基準部材57a,58aをフック部材159により直接仮位置決めすることができる。よって、クリーニングモジュール50をユニット枠体101に固定する際あるいは固定を解除する際の主基準ピン152,153と主基準部材57a,58aとの間の仮位置決めの精度が、他の箇所を仮保持する場合よりも高い。よって、主基準ピン152,153と主基準部材57a,58aとの連結や分離を少ない負荷でスムーズに行うことができる。
また、本実施形態においては、均しブレード53が上記第2位置に位置するとき(クリーニングモジュール50が付着物落下防止姿勢であるとき)、クリーニングブレード51と感光体21の表面とが離間した状態になるように構成されている。本実施形態では、クリーニングモジュール50が付着物落下防止姿勢でないとクリーニングモジュール50を作像ユニット100へ取り付けることができない構成になっている。したがって、クリーニングモジュール50を作像ユニット100へ取り付ける際の勢いで、クリーニングブレード51が感光体21の表面に衝突する事態を回避することができる。よって、クリーニングモジュール50を作像ユニット100へ取り付ける際の勢いでクリーニングブレード51が感光体21の表面に衝突することにより、クリーニングブレード51の先端(当接部)が欠けたり、感光体表面が傷ついたりするといった不具合を防止できる。このように、クリーニングモジュール50をユニット枠体101に装着する際は、上記均しブレード53及びクリーニングブレード51が感光体21の表面から離間した状態であるのが望ましいが、更には、その後、クリーニングモジュール50を従基準中心に回転させて感光体21に当接させる際に、均しブレード53及びクリーニングブレード51が共に、ブレード先端(当接部)に隣接して感光体表面に対向する面が感光体表面に略水平で接触開始するように、回転中心(従基準位置)を配置するのが望ましい。これにより、クリーニングブレード51の先端(当接部)が感光体表面に不適切な角度で当接し、クリーニングブレード51の先端(当接部)の欠けや、感光体回転時のブレード捲れなどを発生させ、クリーニング不良による画像欠陥を引き起こす問題を防止することができる。
【0099】
なお、上述した実施形態の説明は、現像装置40を作像ユニット100のユニット枠体101と一体に固定した例について説明したが、これに限定するものでなく、現像装置40も交換モジュールとして作像ユニット100に対して着脱自在に構成してもよいし、上述した実施形態で交換部品であった感光体モジュール20、帯電モジュール30、クリーニングモジュール50をユニット枠体101と一体に固定したものとしてもよい。
また、上述した実施形態では、複数の作像ユニット100Y,100M,100C,100Kを備えた画像形成装置を例に挙げているが、作像ユニットを1つだけ備えた画像形成装置でも同様である。
【符号の説明】
【0100】
15 中間転写ベルト
20 感光体モジュール(交換モジュール)
21 感光体
22 モジュール筐体
23 連結部
24 誤セット防止突起
30 帯電モジュール(交換モジュール)
31 帯電ローラ
34 モジュール枠体
38,39 位置決め部材
40 現像装置
42 ドクタブレード
43 攪拌スクリュー
44 攪拌搬送路
45 現像ローラ
46 回収スクリュー
47 回収搬送路
48 供給スクリュー
49 供給搬送路
50 クリーニングモジュール(交換モジュール)
51 クリーニングブレード
52 潤滑剤塗布ブラシ
53 均しブレード
54 固形潤滑剤
55 下シール部材
56a 廃トナー搬送スクリュー
56b 余剰潤滑剤搬送スクリュー
57a,58a 主基準部材
57b,58b 従基準部材
57c,58c ボス
61 ユニット側トナー搬送路
62 本体側トナー搬送路
100 作像ユニット
101 ユニット枠体
102 前面板
103 取手
105 スライドレール
106 ロック解除操作レバー
121 被連結部
131 ロック部材
132 仮位置決め用台座
133 下規制部
134,138 位置決め突起
135,139 仮位置決め用壁部
136 位置決め用開口
137 位置決め用台座
151 ロック操作レバー
152,153 主基準ピン
156 従基準ガイド溝
157 従基準ガイド上壁
158 回転阻止部
159 フック部材
210 廃トナー搬送路
211 被連結部
221 感光体駆動軸
222 軸受
223 感光体駆動ジョイント
230 本体フレーム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開平1−38760号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する潜像担持体の表面にトナー像を作像し、作像されたトナー像を該潜像担持体から被転写材上に転写することで画像形成を行うとともに、転写後に該潜像担持体の表面に残留した転写残トナーをクリーニング部材で除去する画像形成装置において、
上記潜像担持体を備えた潜像担持体モジュールと、該潜像担持体の表面に向けて開口するモジュール開口から上記クリーニング部材を露出させた状態で該クリーニング部材をモジュール枠体で支持するクリーニングモジュールとを、共通のユニット枠体で一体的に支持するとともに、少なくとも該クリーニングモジュールについては該ユニット枠体に対して着脱自在に支持する作像ユニットと、
上記作像ユニットが画像形成装置本体内部にセットされるセット位置と、該作像ユニットが画像形成装置外部に露出する露出位置との間で、該作像ユニットを移動可能に支持するユニット支持手段と、
少なくとも上記作像ユニットが上記セット位置にセットされた状態で、上記クリーニング部材が上記潜像担持体の表面上の転写残トナーを除去し得る正規位置に位置する姿勢で上記クリーニングモジュールを上記ユニット枠体に固定するとともに、少なくとも該作像ユニットが上記露出位置に位置する状態で、該クリーニングモジュールの該ユニット枠体に対する固定を解除可能なモジュール固定手段とを有し、
上記ユニット枠体は、上記モジュール固定手段による上記クリーニングモジュールの固定が解除された状態では、該上記モジュール固定手段により該クリーニングモジュールが固定されているときに該クリーニングモジュールのモジュール開口の下端部の水平方向位置よりも上記潜像担持体の表面側である第1位置に位置していて該潜像担持体の表面に接触又は近接して対向する該クリーニングモジュールの潜像担持体対向部が、該下端部の水平方向位置よりもクリーニングモジュール側である第2位置へ移動可能に該クリーニングモジュールを支持し、該潜像担持体対向部が該第2位置への移動途中の位置に位置する状態では、該クリーニングモジュールの取り外しを規制し、該潜像担持体対向部が該第2位置に位置する状態では、該クリーニングモジュールの取り外し及び取り付けを可能とする構成を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記モジュール固定手段は、潜像担持体回転軸方向に平行な第1軸線上に位置するように上記クリーニングモジュールの潜像担持体回転軸方向両端に設けられた2つの第1被連結部材に対し、上記ユニット枠体に設けられた2つの第1連結部材をそれぞれ連結させることで該クリーニングモジュールを該ユニット枠体に固定し、該第1連結部材と該第1被連結部材とを分離させることで該クリーニングモジュールの該ユニット枠体に対する固定を解除するものであり、かつ、潜像担持体回転軸方向に平行な第2軸線上に位置するように該クリーニングモジュールの潜像担持体回転軸方向両端に設けられた2つの第2被連結部材に対し、該ユニット枠体に設けられた2つの第2連結部材をそれぞれ連結させることで、上記第1軸線を中心とする該クリーニングモジュールの回転を規制する構成を有しており、更に、該クリーニングモジュールの固定を解除した状態では上記第2軸線を中心に該クリーニングモジュールを回転可能に支持する構成となっており、
上記2つの第2被連結部材は、上記第2軸線を中心に該クリーニングモジュールが回転したときに上記潜像担持体対向部が上記第2位置へ移動する箇所に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記第2軸線の水平方向位置は、上記クリーニングモジュールの重心位置よりも下方かつ潜像担持体が位置する側であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
上記モジュール固定手段による上記クリーニングモジュールの固定が解除された状態でも上記クリーニング部材が上記正規位置に位置する姿勢で該クリーニングモジュールを仮保持するモジュール仮保持手段を有し、
上記モジュール仮保持手段は、上記クリーニングモジュールに対し、上記潜像担持体対向部が上記第1位置から上記第2位置へ移動する方向へ所定以上の力が加わることで、上記仮保持が解除される構成を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
上記モジュール仮保持手段は、上記クリーニングモジュールの重心位置と上記第2軸線との距離よりも該第2軸線との距離が遠い箇所で該クリーニングモジュールを仮保持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は5の画像形成装置において、
上記モジュール仮保持手段は、上記クリーニングモジュールに設けられた第1被連結部材を仮保持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記クリーニング部材は、上記潜像担持体の表面に当接して該潜像担持体の表面に残留した転写残トナーを除去するクリーニングブレードであり、
上記潜像担持体対向部が上記第2位置に位置するとき、該クリーニングブレードと該潜像担持体の表面とが離間した状態になるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2011−197076(P2011−197076A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60817(P2010−60817)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】