説明

画像形成装置

【課題】樹脂で構成された樹脂フレームと画像形成用ユニットと定着ユニットとを備えた画像形成装置であって、前記樹脂フレームを成型する金型を簡素化しつつ、前記定着ユニットから前記画像形成用ユニットへの熱の伝達を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】樹脂で構成された樹脂フレーム300と画像形成用ユニット200と定着ユニット7とを備えた画像形成装置100は、画像形成用ユニット200と定着ユニット7との間で空気を流通させるダクト400を備え、樹脂フレーム300は、画像形成用ユニット200を取り付ける本体フレーム310と、本体フレーム310とは別体で定着ユニット7を取り付ける定着ユニット取付け用フレーム320とを含み、定着ユニット取付け用フレーム320は、ダクト400の少なくとも一部を構成するダクト部321を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂で構成された樹脂フレームと画像形成用ユニットと定着ユニットとを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター、ファクシミリ装置或いはデジタル複合機等の画像形成装置の骨組みとなるフレームは、従来から金属のプレス部品や金属系の鋼材を締結や溶接により組立てた金属フレームの構造となっていた。
【0003】
昨今の画像形成装置に対するコストダウン化の流れの中、従来の金属フレームでは、十分な採算を取れない。また、小型化、軽量化の流れの中、構造の簡素化、部品点数の削減等が求められているが、金属フレームの構造では、小型化、軽量化に限界がある。
【0004】
フレームの構造に対するコストダウン化、小型化、軽量化を考慮すると、樹脂で構成された樹脂フレームを採用する方法が考えられるが、この場合、次のような課題がある。
【0005】
すなわち、樹脂フレームを採用すると、樹脂フレームを成型する金型が複雑になる。特にA3サイズ以上の大きい画像形成サイズに対応した画像形成装置にてフレームを樹脂化すると、金型の大型化により、金型起工時間、金型費用などが多くかかるという課題がある。
【0006】
一方、感光体用ユニット、帯電用ユニット、現像用ユニットなどの画像形成用ユニット(プロセスユニット)や定着ユニットを備えた画像形成装置においては、定着ユニットから画像形成用ユニットへの熱の伝達を抑制する構成が提案されている。
【0007】
例えば、特許文献1,2は、画像形成用ユニットと定着ユニットの間にダクトが設けられた画像形成装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−143053号公報
【特許文献2】特開平9−222760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1,2に記載の画像形成装置では、定着ユニットから画像形成用ユニットへの熱の伝達を抑制できるものの、樹脂フレームを大型化した場合での樹脂フレームを成型する金型が複雑化するという課題については何ら考慮されていない。
【0010】
そこで、本発明は、樹脂で構成された樹脂フレームと画像形成用ユニットと定着ユニットとを備えた画像形成装置であって、前記樹脂フレームを成型する金型を簡素化しつつ、前記定着ユニットから前記画像形成用ユニットへの熱の伝達を抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するために、樹脂で構成された樹脂フレームと画像形成用ユニットと定着ユニットとを備えた画像形成装置であって、前記画像形成用ユニットと前記定着ユニットとの間で空気を流通させるダクトを備え、前記樹脂フレームは、前記画像形成用ユニットを取り付ける本体フレームと、該本体フレームとは別体で前記定着ユニットを取り付ける定着ユニット取付け用フレームとを含み、前記定着ユニット取付け用フレームは、前記ダクトの少なくとも一部を構成するダクト部を有していることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、前記樹脂フレームは、前記画像形成用ユニットを取り付ける前記本体フレームと、該本体フレームとは別体で前記定着ユニットを取り付ける前記定着ユニット取付け用フレームとを含んでいるので、前記樹脂フレームを構成する前記本体フレームは、該本体フレームの金型で成型することができ、前記樹脂フレームを構成する前記定着ユニット取付け用フレームは、前記本体フレームの金型とは別体の該定着ユニット取付け用フレームの金型で成型することができる。これにより、前記樹脂フレームを成型する金型の構造を簡素化することが可能となる。しかも、前記画像形成用ユニット、例えば、前記定着ユニットの近傍の画像形成用ユニットと前記定着ユニットとの間で空気を流通させる前記ダクトを備えているので、前記定着ユニットから前記画像形成用ユニットへの熱の伝達を抑制することが可能となる。さらに、前記定着ユニット取付け用フレームは、前記ダクトの少なくとも一部を構成する前記ダクト部を有しているので、前記定着ユニット取付け用フレームの強度を向上させることができる。
【0013】
本発明において、前記本体フレームと、前記定着ユニット取付け用フレームとは同一種類の樹脂で形成されている態様を例示できる。
【0014】
この特定事項では、前記本体フレームと前記定着ユニット取付け用フレームとを同一種類の樹脂で形成することで、前記本体フレームと前記定着ユニット取付け用フレームとを同じ収縮率にすることができ、これにより、前記本体フレームと前記定着ユニット取付け用フレームとの間で、前記定着ユニット取付け用フレームの熱による歪を軽減することが可能となる。
【0015】
本発明において、前記定着ユニット取付け用フレームは、前記本体フレームに取り付けられるための本体フレーム用取付け部と、該本体フレーム用取付け部とは異なる位置で前記定着ユニットを取り付けるための定着ユニット用取付け部とを有している態様を例示できる。
【0016】
この特定事項では、前記定着ユニット取付け用フレームが、前記本体フレーム用取付け部と、該本体フレーム用取付け部とは異なる位置における前記定着ユニット用取付け部とを有していることで、前記定着ユニット取付け用フレームは、前記本体フレーム用取付け部により前記本体フレームに取り付けられ、前記定着ユニット用取付け部により前記本体フレーム用取付け部とは異なる位置で前記定着ユニットを取り付けることができる。これにより、前記定着ユニットの構成が異なる機種間で前記本体フレームを共通部品とすることができ、それだけコストダウンを実現することができる。
【0017】
本発明において、前記定着ユニット取付け用フレームには、前記定着ユニットを回転駆動する駆動部材が設けられている態様を例示できる。
【0018】
この特定事項では、前記定着ユニット取付け用フレームに前記駆動部材を設けることで、プロセス速度が異なる機種間で前記駆動部材を変更することにより、プロセス速度が異なる機種間であっても前記本体フレームを共通部品とすることができ、それだけコストダウンを実現できる。
【0019】
本発明において、前記定着ユニット取付け用フレームは、前記ダクトを構成する少なくとも一つの面を有し、該少なくとも一つの面が補強部を兼ねている態様を例示できる。
【0020】
この特定事項では、前記定着ユニット取付け用フレームにおいて前記ダクトを構成する前記少なくとも一つの面が兼ねる前記補強部によって、該定着ユニット取付け用フレームの強度をさらに向上させることができる。
【0021】
本発明において、前記ダクト部は、一方向が開放した箱形状のダクト部とされている態様を例示できる。
【0022】
この特定事項では、前記ダクト部を一方向が開放した箱形状のダクト部とすることで、該箱形状のダクト部を有する前記定着ユニット取付け用フレームの強度を向上させることができる。
【0023】
本発明において、前記定着ユニットは、定着ローラを有し、かつ、該定着ローラの軸線方向に長尺な形状とされており、前記ダクトは、前記定着ユニットの長手方向に沿って延び、かつ、該定着ユニットに隣接して設けられる態様を例示できる。
【0024】
この特定事項では、前記定着ユニットの長手方向に沿って延びており、かつ、該定着ユニットに隣接して設けられる前記ダクトにより、該定着ユニットを長手方向に沿って全体的に冷却することが可能となる。
【0025】
本発明において、前記ダクトの内側には、空気の流れ方向に曲率を持ったリブが設けられており、前記リブと前記ダクト部とが一体的に形成されている態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記リブが空気の流れ方向に曲率を持っているので、該リブによって送風が阻害され難い構成とすることができると共に、該リブの表面積を増やしつつ、該リブの表面に風を効率よくあてることができ、これにより、該リブによる放熱効果を向上させることができる。しかも、前記リブと前記ダクト部とが一体的に形成されていることにより、前記ダクトの強度と共に前記定着ユニット取付け用フレームの強度を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置によると、前記樹脂フレームは、前記画像形成用ユニットを取り付ける前記本体フレームと、該本体フレームとは別体で前記定着ユニットを取り付ける前記定着ユニット取付け用フレームとを含んでいるので、前記樹脂フレームを構成する前記本体フレームは、該本体フレームの金型で成型することができ、前記樹脂フレームを構成する前記定着ユニット取付け用フレームは、前記本体フレームの金型とは別体の該定着ユニット取付け用フレームの金型で成型することができる。これにより、前記樹脂フレームを成型する金型の構造を簡素化することが可能となる。しかも、前記画像形成用ユニットと前記定着ユニットとの間で空気を流通させる前記ダクトを備えているので、前記定着ユニットから前記画像形成用ユニットへの熱の伝達を抑制することができる。さらに、前記定着ユニット取付け用フレームは、前記ダクトの少なくとも一部を構成する前記ダクト部を有しているので、前記定着ユニット取付け用フレームの強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置を正面より視た概略断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置においてダクトを構成する樹脂フレームを正面左斜め上から視た概略斜視図である。
【図3】図2において、定着ユニットを装着した状態での樹脂フレームを背面右斜め上から視た概略斜視図である。
【図4】図2に示す樹脂フレームを正面左斜め上から視た概略分解斜視図である。
【図5】図4に示す定着ユニット取付け用フレームを正面左斜め下から視た概略斜視図である。
【図6】図1から図5に示すダクトの内側に設けられたリブの部分を拡大した拡大した概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0030】
<画像形成装置の全体構成の説明>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100を正面より視た概略断面図である。
【0031】
図1に示す画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等のシート(以下、記録用紙という)に対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置108と、装置本体110とを備えており、装置本体110には、画像形成部102と用紙搬送系103とが設けられている。
【0032】
画像形成部102は、露光ユニット1、複数の現像ユニット2,…、複数の感光体ユニット4,…、中間転写ベルトユニット6、転写前帯電ユニット8、複数のトナーカートリッジユニット21,…及び定着ユニット7を備えている。本実施の形態では、露光ユニット1、現像ユニット2,…、感光体ユニット4,…、中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21,…は、画像形成動作が異なる着脱可能な複数の画像形成用ユニット200として作用する。なお、感光体ユニット4,…は、ここでは、感光体用ユニットと帯電用ユニットとクリーニング用ユニットとを一体的に組み合わせたユニットとされている。
【0033】
また、用紙搬送系103は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82及び排紙トレイ91を備えている。
【0034】
装置本体110の上部には、原稿(シート)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿読取装置108は、装置本体110に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。なお、本実施の形態において、装置本体110の前側は、トナーカートリッジユニット21,…、感光体ユニット4,…、現像ユニット2,…及び転写前帯電ユニット8を着脱する着脱側とされている。
【0035】
原稿読取装置108は、自動的に搬送される原稿又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100の装置本体110へと送られ、装置本体110において画像データに基づき形成された画像が記録用紙に記録される。
【0036】
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2,…、感光体ユニット4,…及びトナーカートリッジユニット21,…は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(ここでは4つ)の画像ステーションが構成されている。
【0037】
感光体ユニット4,…において、帯電器5,…は、感光体ドラム3,…の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0038】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3,…に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
【0039】
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3,…をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3,…の表面に形成する。
【0040】
トナーカートリッジユニット21,…は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2,…の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置100の装置本体110において、トナーカートリッジユニット21,…から現像ユニット2,…の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
【0041】
現像ユニット2,…は、それぞれの感光体ドラム3,…上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、感光体ユニット4,…は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3,…上の表面に残留したトナーを除去、回収するクリーニング機能も有している。
【0042】
感光体ドラム3,…の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64,…及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
【0043】
中間転写ローラ64,…は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62は、中間転写ベルト従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動され、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…が従動回転される。
【0044】
各中間転写ローラ64,…は、感光体ドラム3,…上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
【0045】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3,…に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3,…に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写されることによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
【0046】
感光体ドラム3,…から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64,…によって行われる。中間転写ローラ64,…には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64,…は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64,…は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
【0047】
既述のとおり、各感光体ドラム3,…上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、記録用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって記録用紙上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
【0048】
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で転写ニップが形成された状態で、トナーを記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップが形成される。転写ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
【0049】
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から記録用紙上へのトナー像の転写にあたり、記録用紙上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト64を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
【0050】
転写前帯電ユニット8は、ここでは、プレ転写チャージャ(PCT)を有しており、中間転写ベルト61の移動方向Mにおいて転写ローラ10と中間転写ベルト61との間の転写ニップよりも上流側かつ感光体ユニット4,…よりも下流側の中間転写ベルト61の近傍に設けられている。
【0051】
ところで、感光体ドラム3,…から転写された中間転写ベルト61上のトナー像は、ハーフトーン部やベタ部を含んだり、トナーの重ね合わせ量が異なる部分を含んだりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト61の移動方向Mにおける1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト61上のトナー像内に帯電量のバラツキが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のバラツキは、中間転写ベルト61上のトナー像をシートに転写する際の転写余裕度を低下させてしまう。
【0052】
このため、転写前帯電ユニット8を使用して、シートへ転写する前のトナー像を均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のバラツキを解消し、2次転写における転写余裕度を向上させることが可能となる。
【0053】
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される記録用紙を予め収容しておくトレイであり、装置本体110における露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成(印刷)される記録用紙が載置される。排紙トレイ91は、装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの記録用紙をフェイスダウンで集積する。
【0054】
また、装置本体110には、給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82から送られてきた記録用紙を転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排紙トレイ91に送るための用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72が配置されている。
【0055】
搬送ローラ12a〜12dは、記録用紙の搬送を促進、補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81の用紙供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙トレイ82の用紙供給側の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ82から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0056】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている記録用紙を一旦保持するものである。そして、レジストローラ13は、感光体ドラム3,…上のトナー像の先端と記録用紙の先端を合わせるタイミングで記録用紙を転写ローラ10に搬送する。
【0057】
定着ユニット7は、未定着トナー像を記録用紙に定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に記録用紙を挟持しつつ記録用紙を搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に記録用紙に転写された多色トナー像を記録用紙に熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して記録用紙に対して熱定着させる。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0058】
このように構成された画像形成装置100において、記録用紙にして片面印刷が要求されたときには、各給紙トレイ81,82から供給された記録用紙は、用紙搬送路Sに沿って設けられた搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録用紙の先端と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングで転写ローラ10によって搬送され、記録用紙上にトナー像が転写される。その後、記録用紙は定着ユニット7を通過することによって記録用紙上の未定着トナーが熱で溶融、固着され、搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0059】
また、記録用紙に対して両面印刷が要求されたときには、前記した片面印刷が終了して定着ユニット7を通過した記録用紙の後端が最終の搬送ローラ12bと用紙搬送路Sの分岐部Saとの間に位置する状態で、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録用紙が搬送ローラ12c,12dに導かれる。そして、レジストローラ13を経て転写ニップに搬送されてきた記録用紙は、裏面に印刷された後、排紙トレイ91に排出される。
【0060】
(樹脂フレームについて)
図2は、図1に示す画像形成装置100においてダクト400を構成する樹脂フレーム300を正面左斜め上から視た概略斜視図である。図3は、図2において、定着ユニット7を装着した状態での樹脂フレーム300を背面右斜め上から視た概略斜視図である。また、図4は、図2に示す樹脂フレーム300を正面左斜め上から視た概略分解斜視図である。また、図5は、図4に示す定着ユニット取付け用フレーム320を正面左斜め下から視た概略斜視図である。ここで「左」「右」は、装置本体110の正面から視た状態で表している。また、図中の矢符Xは装置本体110の幅方向を示し、矢符Yは装置本体110の奥行き方向を示し、矢符Zは上下方向を示している。
【0061】
本実施の形態に係る画像形成装置100は、さらに樹脂で構成された樹脂フレーム300と、ダクト400とを備えている。樹脂フレーム300は、合成樹脂で一体的に成型されたものである。
【0062】
図2から図5に示すように、ダクト400は、複数の画像形成用ユニット200のうち少なくとも一つのユニット(ここでは、中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21)と、定着ユニット7との間(図1参照)で空気を流通させるようになっている。すなわち、ダクト400は、画像形成用ユニット200のうち少なくとも一つのユニット(ここでは、特に中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21)に対して定着ユニット7からの熱を遮断するように配置されている。
【0063】
樹脂フレーム300は、画像形成用ユニット200(ここでは、露光ユニット1、現像ユニット2,…、感光体ユニット4,…、中間転写ベルトユニット6、転写前帯電ユニット8及びトナーカートリッジユニット21)を取り付ける本体フレーム310と、本体フレーム310とは別体で定着ユニット7(図2及び図4参照)を取り付ける定着ユニット取付け用フレーム320とからなっている。本体フレーム310と定着ユニット取付け用フレーム320とは、本実施の形態では、ビス等の取付け部材で固定されている。或いは/さらに本体フレーム310と定着ユニット取付け用フレーム320とが嵌合によって固定されていてもよい。
【0064】
そして、定着ユニット取付け用フレーム320は、ダクト400の少なくとも一部を構成するダクト部321を有している。
【0065】
本実施の形態では、本体フレーム310と、定着ユニット取付け用フレーム320とは同一種類の樹脂で形成されている。
【0066】
本体フレーム310及び定着ユニット取付け用フレーム320に用いることができる樹脂材料としては、強度及び耐熱性に優れた樹脂材料、例えば、ポリカーボネート樹脂とABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂とのポリマーアロイにガラス繊維等のガラス材料を混合(具体的には25%混合)したもの(具体的には、樹脂メーカー:帝人社製、品番:DN1525BM)を挙げることができる。
【0067】
本実施の形態では、定着ユニット取付け用フレーム320は、本体フレーム310に取り付けられるための本体フレーム用取付け部320aと、本体フレーム用取付け部320aとは異なる位置で定着ユニット7を取り付けるための定着ユニット用取付け部320bとを有している。
【0068】
詳しくは、定着ユニット取付け用フレーム320は、装置本体110の幅方向Xの一方側(ここでは右側(X2側)の上端部)に設けられている。定着ユニット取付け用フレーム320は、さらに、装置本体110の前側に設けられたL字状の前面部材322と、装置本体110の後側に設けられたL字状の背面部材323と、前面部材322及び背面部材323における上端に一体的に連結された上面部材324とを有している。そして、ダクト部321は、前面部材322及び背面部材323における左端(X1側)に一体的に連結されている。そして、前面部材322及び背面部材323の下側には、本体フレーム用取付け部320aが設けられている。また、前面部材322及び背面部材323の内側並びにダクト部321の右側(X2側)には、定着ユニット用取付け部320bが設けられている。
【0069】
本実施の形態では、定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72(図2及び図4参照)の軸線方向(装置本体110の奥行き方向Y)に長尺な形状とされている。そして、ダクト400は、定着ユニット7の長手方向(装置本体110の奥行き方向Y)に沿って延び、かつ、定着ユニット7に隣接して設けられている。
【0070】
本実施の形態では、ダクト部321は、一方向(ここでは下方)が開放した開口部321aを有する箱形状のものとされている。
【0071】
本実施の形態では、定着ユニット取付け用フレーム320は、ダクト400を構成する少なくとも一つの面(ここでは内側上面321b、第1内側面321c及び第2内側面321d)を有し、内側上面321b、第1内側面321c及び第2内側面321dが補強部(ここでは内側上面321bを有する天板、第1内側面321cを有する第1側板及び第2内側面321dを有する第2側板)を兼ねている。具体的には、内側上面321bは、装置本体110の奥行き方向Yに延びており、左側(X1側)の第1内側面321c及び左側(X2側)の第2内側面321dは、内側上面321bの短手方向(装置本体110の幅方向X)の両端部から下側へ垂直又は略垂直に延びている。装置本体110の奥行き方向Yにおいてダクト400の一方側(ここでは前側(Y2側))には、後述する排気ファン380によって空気を吸入する吸入口321eが設けられている。また、装置本体110の奥行き方向Yにおいてダクト400の他方側(ここでは後側(Y1側))には、排気ファン380によって空気を排出する排出口321fが設けられている。なお、ダクト部321を成型するにあたっては、開口部321aから金型を挿通することができる。
【0072】
本実施の形態では、ダクト部321の開口部321aは、ダクト400に隣接する部材(ここでは中間転写ベルトユニット6を構成する部材)の一部(図示せず)によって閉塞される。これにより、ダクト400において、吸入口321eと排出口321fとの間で空気を確実に流通させることができる。なお、ダクト400は、ダクト部321と、ダクト部321の開口部321aを塞ぐ閉塞部材(例えばシールやフィルム等の板状の部材)とを有していてもよい。この場合、例えば、閉塞部材をダクト400の周縁部に付設することにより、開口部321aを閉じることができる。
【0073】
従って、ダクト400では、内側上面321bと、第1内側面321cと、第2内側面321dと、ダクト400に隣接する部材の一部(図示せず)とで囲まれた空間Pが形成され、空間Pにおいて吸入口321eと排出口321fとの間で空気が流通するようになっている。
【0074】
具体的には、感光体ユニット4,…は、本体フレーム310に支持され、装置本体110内の奥行き方向Yに挿脱されるようになっている。本体フレーム310は、基台331及び側板部333を有している。基台331は、感光体ユニット4,…を支持する支持面331aを有している。側板部333は、装置本体110の前側に位置する第1側板部333aと、装置本体110の後側に位置する第2側板部333bと、装置本体110の右側に位置する第3側板部333cと、装置本体110の左側に位置する第4側板部333dとからなっている。
【0075】
本実施の形態では、樹脂フレーム300は、上下方向Zの上端部と下端部との間に板状の基台331を側板部333(ここでは第1から第4側板部333a〜333d)に対し垂直に設けた断面視でH型(H形状)の樹脂フレームとされている。詳しくは、第1から第4側板部333a〜333d(Hの縦線に対応)は、上下方向Zの略中間位置で板状の基台331(Hの横線に対応)が水平方向に沿って一体的に連結されている。
【0076】
複数の現像ユニット2,…は、装置本体110内の幅方向Xにおいて各感光体ユニット4,…を間にして装置本体110内の奥行き方向Yに挿脱されるようになっている(図1参照)。
【0077】
本実施の形態では、感光体ユニット4及び現像ユニット2は、第1側板部333aと第2側板部333bとの間で第1側板部333a及び第2側板部333bに直交する方向(装置本体110の奥行き方向Y)に長尺な形状とされた複数のユニットとされている。複数の感光体ユニット4,…及び複数の現像ユニット2,…は、画像形成方向(中間転写ベルト61の移動方向)M(図1参照)、ここでは装置本体110の幅方向Xに沿って交互に列設されている。
【0078】
第1側板部333aには、複数の現像ユニット2及び複数の感光体ユニット4を挿入可能に開口した開口部333eと、複数のトナーカートリッジユニット21,…のそれぞれに対応してトナーカートリッジユニット21,…をそれぞれ挿入可能に開口した複数の開口部333f,…とが設けられている。第3側板部333cには、中間転写ベルトユニット6の一方端部(ここでは右側端部)が幅方向Xにおける外側へ突出可能に開口した開口333gが設けられている。また、第4側板部333dには、制御基板等の各種電装系の部材が配置可能に開口した開口333h(図2及び図4参照)が設けられている。そして、第1側板部333aの右上側には、定着ユニット取付け用フレーム320を前下側部で取り付ける取付け部333iが設けられており、第2側板部333bの右上側には、定着ユニット取付け用フレーム320を後下側部で取り付ける取付け部333jが設けられている。また、取付け部333iと取付け部333jとの間には、定着ユニット取付け用フレーム320を左下側部で取り付ける取付け部333k(図4参照)が架設されている。
【0079】
本実施の形態では、定着ユニット取付け用フレーム320には、定着ユニット7を回転駆動する駆動部材70(図2及び図4参照)が設けられている。駆動部材70としては、装置本体110から定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72への回転駆動を伝達する駆動ギヤユニット等の駆動伝達部材や、前記定着ローラを回転駆動する駆動モータの取付け部材を例示できる。ここでは、定着ユニット取付け用フレーム320には、ヒートローラ71の定着ギヤ74と噛合する駆動ギヤを含む駆動ギヤユニット75が設けられている。
【0080】
本実施の形態では、ダクト400の内側には、空気の流れ方向(ここでは、装置本体110の奥行き方向Yに)に曲率を持ったリブ420(図2から図5では図示せず、図6参照)が設けられている。
【0081】
図6は、図1から図5に示すダクト400の内側に設けられたリブ420の部分を拡大した拡大した概略斜視図である。
【0082】
図6に示すように、リブ420は、空気の流れ方向Wに曲率を有している。リブ420は、奥行き方向Yに長尺で、かつ、奥行き方向Y(空気の流れ方向W)に波打った形状とされており、ここでは、第2内側面321dに立設されている。なお、リブ420は、内側上面321b、第1内側面321c及び第2内側面321dのうち少なくとも一つの面に設けることができる。リブ420は、対向する面に一体的に連結されていてもよい。また、リブ420は、内側上面321b、第1内側面321c及び第2内側面321dのうち少なくとも一つの面において、複数設けられていてもよい。また、リブ420が複数設けられる場合、リブ420が並列に及び/又は直列に設けられていてもよい。
【0083】
本実施の形態では、画像形成装置100は、ダクト400の空間Pにおける空気を排出する排気ファン380を備えている。具体的には、定着ユニット取付け用フレーム320の後側(Y1側)の排出口321fに対向する部分に排出口321fを介して空間Pにおける空気を吸入する排気ファン380(図3参照)が取り付けられている。
【0084】
以上説明した画像形成装置100では、排気ファン380が駆動されると、排気ファン380によって空気が吸入口321eから空間P内に移行し、排出口321fから排気ファン380を経て外部へ排出される。
【0085】
本実施の形態に係る画像形成装置100によれば、樹脂フレーム300は、画像形成用ユニット200を取り付ける本体フレーム310と、本体フレーム310とは別体で定着ユニット7を取り付ける定着ユニット取付け用フレーム320とからなっているので、樹脂フレーム300を構成する本体フレーム310は、本体フレーム310の金型で成型することができ、樹脂フレーム300を構成する定着ユニット取付け用フレーム320は、本体フレーム310の金型とは別体の定着ユニット取付け用フレーム320の金型で成型することができる。これにより、樹脂フレーム300を成型する金型の構造を簡素化することが可能となる。しかも、画像形成用ユニット200、例えば、定着ユニット7の近傍の画像形成用ユニット(ここでは中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21)と定着ユニット7との間で空気を流通させるダクト400を備えているので、定着ユニット7から画像形成用ユニット200への熱の伝達、例えば、定着ユニット7の近傍の画像形成用ユニット(ここでは中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21)は勿論のこと中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21とダクト400とを間にした中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21よりも定着ユニット7から離れた位置にある画像形成用ユニット(例えば、感光体ユニット4,…や現像ユニット2,…等)に対しても熱の伝達を抑制することが可能となる。さらに、定着ユニット取付け用フレーム320は、ダクト400の少なくとも一部を構成するダクト部321を有しているので、定着ユニット取付け用フレーム320の強度を向上させることができる。
【0086】
本実施の形態では、本体フレーム310と定着ユニット取付け用フレーム320とを同一種類の樹脂で形成することで、本体フレーム310と定着ユニット取付け用フレーム320とを同じ収縮率にすることができ、これにより、本体フレーム310と定着ユニット取付け用フレーム320との間で、定着ユニット取付け用フレーム320の熱による歪を軽減することが可能となる。
【0087】
また、本実施の形態では、定着ユニット取付け用フレーム320が、本体フレーム用取付け部320aと、本体フレーム用取付け部320aとは異なる位置における定着ユニット用取付け部320bとを有していることで、定着ユニット取付け用フレーム320は、本体フレーム用取付け部320aにより本体フレーム310に取り付けられ、定着ユニット用取付け部320bにより本体フレーム用取付け部320aとは異なる位置で定着ユニット7を取り付けることができる。これにより、定着ユニット7の構成が異なる機種間で本体フレーム310を共通部品とすることができ、それだけコストダウンを実現することができる。
【0088】
また、本実施の形態では、定着ユニット取付け用フレーム320に駆動部材70を設けることで、プロセス速度が異なる機種間で駆動部材70を変更することにより、プロセス速度が異なる機種間であっても本体フレーム310を共通部品とすることができ、それだけコストダウンを実現できる。
【0089】
また、本実施の形態では、ダクト部321を一方向が開放した箱形状のダクト部とすることで、箱形状のダクト部321を有する定着ユニット取付け用フレーム320の強度を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、定着ユニット取付け用フレーム320においてダクト400を構成する少なくとも一つの面が兼ねる補強部(ここでは内側上面321bを有する天板、第1内側面321cを有する第1側板及び第2内側面321dを有する第2側板)によって、定着ユニット取付け用フレーム320の強度をさらに向上させることができる。
【0091】
また、本実施の形態では、定着ユニット7の長手方向(装置本体110の奥行き方向Y)に沿って延び、かつ、定着ユニット7に隣接して設けられるダクト400により、定着ユニット7を長手方向(装置本体110の奥行き方向Y)に沿って全体的に冷却することが可能となる。
【0092】
また、本実施の形態では、リブ420が空気の流れ方向に曲率を持っているので、リブ420によって送風が阻害され難い状態で、リブ420の表面積を増やしつつ、リブ420の表面に風を効率よくあてることができ、これにより、リブ420による放熱効果を向上させることができる。しかも、リブ420とダクト部321とが一体的に形成されていることにより、ダクト400の強度と共に定着ユニット取付け用フレーム320の強度を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
7 定着ユニット
70 駆動部材
71 ヒートローラ
72 加圧ローラ
100 画像形成装置
110 装置本体
200 画像形成用ユニット
300 樹脂フレーム
310 本体フレーム
320 定着ユニット取付け用フレーム
320a 本体フレーム用取付け部
320b 定着ユニット用取付け部
321 ダクト部
321a 開口部
321b 内側上面
321c 第1内側面
321d 第2内側面
400 ダクト
420 リブ
X 装置本体の幅方向
Y 装置本体の奥行き方向
Z 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂で構成された樹脂フレームと画像形成用ユニットと定着ユニットとを備えた画像形成装置であって、
前記画像形成用ユニットと前記定着ユニットとの間で空気を流通させるダクトを備え、
前記樹脂フレームは、前記画像形成用ユニットを取り付ける本体フレームと、該本体フレームとは別体で前記定着ユニットを取り付ける定着ユニット取付け用フレームとを含み、
前記定着ユニット取付け用フレームは、前記ダクトの少なくとも一部を構成するダクト部を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記本体フレームと、前記定着ユニット取付け用フレームとは同一種類の樹脂で形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記定着ユニット取付け用フレームは、前記本体フレームに取り付けられるための本体フレーム用取付け部と、該本体フレーム用取付け部とは異なる位置で前記定着ユニットを取り付けるための定着ユニット用取付け部とを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記定着ユニット取付け用フレームには、前記定着ユニットを回転駆動する駆動部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記定着ユニット取付け用フレームは、前記ダクトを構成する少なくとも一つの面を有し、該少なくとも一つの面が補強部を兼ねていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記ダクト部は、一方向が開放した箱形状のダクト部とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記定着ユニットは、定着ローラを有し、かつ、該定着ローラの軸線方向に長尺な形状とされており、
前記ダクトは、前記定着ユニットの長手方向に沿って延びており、かつ、該定着ユニットに隣接して設けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記ダクトの内側には、空気の流れ方向に曲率を持ったリブが設けられており、
前記リブと前記ダクト部とが一体的に形成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−237579(P2011−237579A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108532(P2010−108532)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】