説明

画像形成装置

【課題】複数の部門へ配布する資料をコピーする場合において、部門ごとに配布数が異なる場合のコピー作業の手間および配布作業の手間を極力省く。
【解決手段】CPUは、コピーモードにおいて目的コード選択が要求されると(S1020にてYES)、目的コード管理テーブルを読み出して(S1030)目的コード選択画面を表示するステップ(S1040)と、目的コードが選択されると(S1050にてYES)、選択された目的コードに対応する配布数をコピー部数に加算するステップ(S1060)と、加算されたコピー部数だけ画像形成するステップ(S1120)と、配布先についての情報が印字されたレポートを出力するステップ(S1140)とを含むプログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式等を用いて画像データに基づいて記録媒体(代表的には記録用紙)に画像を形成(代表的にはコピー)する画像形成装置であって、特に、複数の部門に配布する資料をユーザがコピーする場合に、コピーの総部数を容易に設定したり、配布を容易にかつ確実に行なったりすることができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ機能またはコピー機能等を備えた画像形成装置をネットワークに接続し、これらを複数のユーザで共用するケースが多くなっている。また、複合機(MFP(Multifunction Peripheral))のように、コピー機能、ファクシミリ機能(以下、ファクシミリをFAXまたはファクスと記載する場合がある。)、ネットワーク対応のプリンタ機能、およびスキャナ機能のように複数の基本的な機能(モード)を有するものも多くなってきている。
【0003】
このような複合機において(ネットワークに接続されていることは必須ではないが)、複数のグループ(たとえば、部門)に配布する資料をユーザがコピーする場合がある。複数の部門で画像形成装置が共用される場合には、部門ごとの予算管理との関係から、無関係な者の使用を排除するとともに、部門ごとにコピー回数等を管理する必要が求められている。なお、「グループ」とは、複合機を共用する人的集合の単位であって、たとえば、会社等の組織における、部、課または係(以上をまとめて「部門」と記載する。)であるとする。
【0004】
このように、予算管理が異なる複数の部門で複合機を共用する場合の管理手法として、コピー動作の開始にあたって、操作者が属する部門に割り当てられた暗証番号をその操作者に入力させてからコピー操作を許可することが行なわれている。操作者が属する部門ごとに実行されたコピー回数を累積的にカウントして、定期的にそのカウント値に応じてコピー費用を計算し、操作者が属する部門に請求することが行なわれている。
【0005】
しかしながら、このように管理すると、操作者が属する部門に対して複合機の使用が許可された場合に、入力された操作者が属する部門にのみ関連付けられてコピー回数が記憶される。このため、他の部門に配布するために操作者がコピーする場合には、不都合が生じる。すなわち、他の部門にコピーを配布する操作者は、自己である操作者が属する部門の識別子を複合機に入力してその使用が許可された後、コピーを配布する配付先部門のためのコピーを行なう。この場合には、上述のように、操作者が属する部門に関係付けてコピー回数が記憶されてしまうため、そのコピーに対する費用が、実際にコピーの利益を受ける配付先部門に請求されず、コピーを行なった操作者が属する部門に請求されてしまう結果となる。このように受益者(配付先部門)と被請求人(操作者部門)の不一致が生じることが、コピー費用の管理上好ましくない。
【0006】
特開平11−95621号公報(特許文献1)は、このような問題点に鑑みた画像形成管理装置を開示する。この画像形成管理装置は、グループごとに画像形成回数の管理が可能であって、グループごとの画像形成回数を記憶する記憶部と、グループごとの識別子を入力する入力部と、識別子に関連付けて予め登録された他のグループに関する情報を保持する保持部と、識別子の入力があると、入力された識別子に関連付けて予め登録された他のグループに関する情報を一覧表示するように制御する表示制御部と、一覧表示された他のグループに関する情報の中から少なくとも1以上の情報を操作者が選択する選択部と、他のグループに関する情報が選択されると、その後に処理される画像形成回数をその選択された他のグループの画像形成回数として記憶部に記憶するように制御する記憶制御部とを備える。
【0007】
この画像形成管理装置によると、配付先部門の識別子を記憶しておく煩雑さおよび配付先部門の識別子を入力する煩雑さをなくし、本来配布することがあり得ないような配付先部門に余計なカウントをしてしまうおそれが少なくなる。このため、他の部門に配布するために操作者がコピーする場合であっても、画像形成に係る費用を受益者に正確に請求することができる。
【0008】
さらに、他の部門のために画像形成処理を行なう場合における費用請求の適正化を図ることのできる、画像形成装置が特開平10−39703号公報(特許文献2)に、部門管理制御システムが特開2004−282273号公報(特許文献3)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−95621号公報
【特許文献2】特開平10−39703号公報
【特許文献3】特開2004−282273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1〜特許文献3に開示された技術は、画像形成処理のカウントを容易にかつ正確に行なうものに過ぎない。このため、資料(たとえば複数の部門に属する者が参加した会議の議事録)を、複数の部門に配布するために複数の部数をコピーするような場合、コピー作業者は、配布する部門がどこであるのか、その部門ごとに何部ずつ配布しなければならないのかに基づいて総部数を算出してコピー処理を実行しなければならない。コピー処理後は、複数の部数から構成される議事録のコピーを、配布する部門ごとに、決められた部数ごとに仕分けして配布する必要がある。この場合、1部門に1部ずつ配布するとは限らない。
【0011】
このように処理するために、コピー作業者自らが配布数を数えて総部数を複合機に設定しなければならない。このため、コピー作業者は、配布部門ごとに異なる配布部数を確認して総部数を計算する必要があったため(配布部門ごとに同じ配布部数であれば乗算により総部数を算出できるのであるが)計算を間違えてしまうことがある。また、総部数を計算する場合に、部門ごとの配布部数をいちいち確認しなければならないという手間がある。さらに、配布部数が異なる部門ごとに、配布部数に応じて仕分けして、配布部門ごとに所定の部数の議事録のコピーを配布しなければならない。
【0012】
このような作業は、非常に手間がかかる作業となる。配布部数が部門ごとに決まっている場合であっても(たとえば人事異動がない限り配布部数が部門ごとに決まっているような場合が想定できる)、複数の部門に配布する資料をコピーする依頼があるごとに、このような作業を行なわなければならないのは、非常に手間がかかる。特に、総部数を少なく間違えてしまうと、追加コピーが必要になる等、非効率的である。
【0013】
したがって、本発明の目的は、複数の部門へ配布する資料を複写する場合において、部門ごとに配布数が異なる場合であっても、総部数を間違えることなく画像形成装置に設定し、複写作業の手間および配布作業の手間を極力省くことのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、複写物を配布する部門を示す複数の部門情報と、各部門情報に関連付けされた配布部数とを記憶するための記憶手段と、記憶手段に記憶された部門情報を表示するための表示手段と、表示された複数の部門情報の中から、複写物を配布する1以上の部門をユーザが選択するための選択手段と、選択された部門についての配布部数に基づいて算出された総部数を、複写部数として設定するための総部数設定手段と、予め読み込まれた原稿データに基づいて、設定された総部数の分だけ記録用紙に画像を形成するための画像形成手段とを含む。
【0015】
この画像形成装置によると、複数の部門へ配布する資料を複写する場合において、ユーザは表示された複数の部門情報の中から複写物を配布する部門を選択する。部門に関連付けて配布部数が記憶されているので、ユーザにより選択された部門についての配布部数を加算して総部数が算出される。この総部数が画像形成装置の複写部数として設定され、設定された複写部数だけ、原稿データに基づく画像が記録用紙に形成される。このため、部門ごとに配布数が異なる場合であっても、総部数を間違えることなく画像形成装置により複写される。その結果、ユーザは、配布部門ごとに異なる配布部数を確認して総部数を計算する必要がないので計算を間違えることがなく、複写作業の手間を極力省くことができる。
【0016】
記憶手段は、部門情報および配布部数に加えて、各部門情報に関連付けされた追加部数を記憶するための手段を含み、表示手段は、部門情報に加えて、部数を追加する要求をユーザが選択可能に表示するための手段を含むように構成することができる。この場合において、総部数設定手段は、部数の追加がユーザにより選択されると、総部数に、配布することが選択された全ての部門についての追加部数を加えた部数を複写部数として設定するための手段を含むように構成することができる。
【0017】
このようにすると、記憶された情報を変更することなく、配布することが選択された全ての部門についての追加部数を反映させて、必要な複写部数だけ、原稿データに基づく画像を記録用紙に形成することができる。
【0018】
記憶手段は、部門情報および配布部数に加えて、各部門情報に関連付けされた追加部数を記憶するための手段を含み、表示手段は、部門情報に加えて、部数を追加する要求を、部門毎にユーザが選択可能に表示するための手段を含むように構成することができる。この場合において、総部数設定手段は、部数の追加がユーザにより選択されると、総部数に、追加することが選択された部門についての追加部数を加えた部数を複写部数として設定するための手段を含むように構成することができる。
【0019】
このようにすると、記憶された情報を変更することなく、追加することが選択された部門についての追加部数を反映させて、必要な複写部数だけ、原稿データに基づく画像を記録用紙に形成することができる。
【0020】
画像形成手段は、総部数の分だけ記録用紙に画像を形成するとともに、配布先についての情報が形成された情報を記録用紙に形成するための手段を含むように構成することができる。この配布先についての情報は、ユーザにより選択された複数の部門についての情報と、部門に関連付けされた配布部数についての情報とであるように構成することができる。
【0021】
このようにすると、原稿データに基づく画像を記録用紙とは別に、配布先についての情報が形成された情報が記録用紙(レポート)に形成される。このレポートには、ユーザにより選択された複数の部門についての情報と、部門に関連付けされた配布部数についての情報とが印字されているので、このレポートを見ながら、配布部数が異なる部門ごとに、配布部数に応じて複写物を容易に仕分けすることができる。その結果、ユーザの配布作業の手間を極力省くことができる。
【0022】
画像形成手段は、各記録用紙に、原稿データに基づく画像に加えて、配布先についての情報を形成するための手段を含むように構成することができる。この配布先についての情報は、ユーザにより選択された配布先を示す部門についての各記録用紙に形成される情報であるように構成することができる。
【0023】
このようにすると、原稿データに基づく画像が形成された各記録用紙に、配布先についての情報が形成される。各記録用紙の情報を見ながら、配布部数が異なる部門ごとに、配布部数に応じて複写物を容易に仕分けすることができる。その結果、ユーザの配布作業の手間を極力省くことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る画像形成装置によると、複数の部門へ配布する資料をコピーする場合において、部門ごとに配布数が異なる場合であっても、総部数を間違えることなく画像形成装置に設定し、コピー作業の手間および配布作業の手間を極力省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置150の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置150の内部構成を簡略化して示す図である。
【図3】図1に示す画像形成装置150のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1に示す画像形成装置150に記憶される目的コード管理テーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その1)を示す図である。
【図7】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その2)を示す図である。
【図8】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その3)を示す図である。
【図9】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その4)を示す図である。
【図10】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その5)を示す図である。
【図11】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その6)を示す図である。
【図12】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その7)を示す図である。
【図13】図3に示す表示パネル172に表示される画面例(その8)を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る画像形成装置から出力される記録用紙(会議議事録コピー)の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る画像形成装置から出力されるコピー結果レポートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明において、同一の部品には同一の参照番号を付す。それらの機能および名称も同一である。したがって、それらに関する詳細な説明は繰返さない。また、以下においては、本発明に係る画像形成装置は、MFPであるとして説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、複数の部門へ配布する資料をコピーする場合において、部門ごとに配布数が異なる場合であっても、総部数を間違えることなく画像形成装置に設定してコピー作業の手間を削減したり、コピーした配布物の配布作業の手間を削減したりすることのできる装置であればよく、MFPに限定されるものではない。すなわち、複合機でなくてもコピー機能を備える画像形成装置でありさえすればよい。また、これ以降の説明においては、「ファクシミリ」、「ファクス」および「FAX」を特に区別しないで使用する。
【0027】
以下に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置(MFP、複合機)について説明する。
【0028】
[画像形成装置(ハードウェア)]
図1は、画像形成装置150の外観構成を示す図である。図2は、画像形成装置150の内部構成を簡略化して示す図である。図3は、画像形成装置150のハードウェア構成を示す機能ブロック(制御ブロック)図である。
【0029】
図1および図2を参照して、画像形成装置150は、原稿読取部152、画像形成部154、給紙部156、および排紙処理装置158を備える。ここで、画像形成装置(MFP)150の基本的な機能であるコピーモードにおける動作を説明することによって、画像形成装置150の内部構成の説明とする。なお、この画像形成装置150は、コピー機能(コピーモード)、ファクシミリ機能(ファクス/イメージ送信モード)およびスキャナ機能(ドキュメントファイリングモード)を備えるものとする。
【0030】
このコピーモードにおいては、主として、原稿読取部(以下、スキャナ部と記載する場合がある。)152および画像形成部154が動作することによりコピー機能が実現される。
【0031】
画像形成装置150においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部152により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで、この画像形成装置150へログインしたユーザが指定した機能により画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部154へと出力される。
【0032】
画像形成部154は、画像データによって示される原稿の画像を記録媒体(多くの場合、記録用紙)に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
【0033】
画像形成部154には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部156から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部156は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差トレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部154の主搬送路236へと送り出す。
【0034】
画像形成部154の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、更に定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0035】
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
【0036】
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0037】
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0038】
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
【0039】
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。この定着装置234へ供給される電力によりヒータを温めて加熱ローラ248の温度が定着に適した温度になるように制御されている。
【0040】
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれる。
【0041】
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれる。
【0042】
上述のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置158の各排紙トレイ168のいずれかに排出される。
【0043】
排紙処理装置158では、仕上げ機能を指定することにより仕上げ処理が実行されて、複数の記録用紙を各排紙トレイ168に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および各記録用紙にステープルする処理が施される。たとえば、総部数が2以上の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ168に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ168に仕分けして排出し(ソート機能を指定)、排紙トレイ168ごとに、排紙トレイ168上の各記録用紙にパンチング処理(パンチ機能を指定)またはステープル処理(ステープル機能を指定)を施して、印刷物を作成する。
【0044】
本実施の形態に係る画像形成装置150は、複数の部門へ配布する資料をコピーする場合において、部門ごとに配布数が異なる場合であっても、総部数を間違えることなく画像形成装置150に設定してコピー作業の手間を削減したり、コピーした配布物の配布作業の手間を削減したりすることができる。このように、本実施の形態に係る画像形成装置150においては、コピー作業者(ユーザ)が容易に複数の部門へ配布する資料をコピーすることができるように、部門ごとの配布部数に基づいて総部数を算出して画像形成装置150へ設定するとともに、ユーザが資料を容易にかつ的確に配布するためのレポートを出力することおよび記録用紙へ配布先についての情報を出力することができるという特徴を備える。
【0045】
このような特徴は、画像形成装置150におけるハードウェア構成ならびに画像形成装置150を制御するハードウェアおよびソフトウェアにより実現されている。以下、この制御を実行するための、画像形成装置150に含まれるハードウェア構成(制御ブロック)について説明した後に、ソフトウェア構成(プログラム)について説明する。
【0046】
[画像形成装置(制御ブロック)]
図3を参照して、画像形成装置150は、コピー機能、ファクシミリ機能およびスキャナ機能に関する設定が可能な操作装置166と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶領域であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。なお、画像形成装置150の電源が投入されるとハードディスク302に記憶されたデータがRAM308へ転送される場合があり、後述する目的コード管理テーブルは、ハードディスク302またはRAM308に記憶されていることになる。
【0047】
画像形成装置150はさらに、原稿読取部152、画像形成部154、FAX通信部155、操作装置166、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するためのCPU300とを含む。
【0048】
ROM306には、画像形成装置150の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置150の制御を行なうとともに画像形成装置150の各機能に関する制御を実行する。
【0049】
図3に示すように、この画像形成装置150のFAX通信部155には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークIF304にはネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置150をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、インターネットを介してメール送受信可能なコンピュータ等が接続されたりする。
【0050】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0051】
原稿読取部152、画像形成部154、操作装置166の板状の操作パネル170および表示パネル172、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。
【0052】
操作装置166は、操作装置166の表面の右側の領域に配置された、テンキー、およびその他の種々の操作ボタンであるハードウェアキーが備えられている板状の操作パネル170と、操作装置166の中央部から左側の領域に配置された、小型のタッチパネル一体型液晶表示装置から構成されている表示パネル172とを含む。操作パネル170と表示パネル172とは一つの筐体に保持され、操作装置166は全体として一体となるように構成されている。
【0053】
この操作装置166においては、表示パネル172に、この画像形成装置150の動作状態、ユーザが所望の機能を選択するために複数の機能が表示されるメニューおよびサブメニュー(メニューのさらに下位階層のメニュー)等が表示される。表示パネル172の液晶表示装置の表示領域上には選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネルがその押された位置を検出する。プログラム上で選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置とを照合することにより、画像形成装置150の機能設定および動作指示等が行なわれる。以下において、表示パネル172をタッチパネルディスプレイ172と記載する場合がある。
【0054】
本実施の形態に係る画像形成装置150は、この画像形成装置150が備えるコピー機能を用いて複数の部門に配布する資料をコピーする場合に、総部数を自動的に設定する機能を備える。このため、ハードディスク302またはRAM308には、図4に示すフィールドを備えた目的コード管理テーブルが記憶される。
【0055】
図4を参照して、この目的コード管理テーブルは、目的コードを一意に特定することのできる登録ID(たとえば3桁の連続する自然数)ごとに、少なくとも、目的コード名称を記憶するフィールドと、資料の配布数を記憶するフィールドと、その部門に所属する担当者の人数を記憶するフィールドと、その部門に所属する管理職の人数を記憶するフィールドとで構成されている。この目的コード管理テーブルは、コピーされた会議議事録を配布する部門を示す複数の部門情報(目的コード名称)と、各部門情報に関連付けされた配布部数(配布数)と、各部門情報に関連付けされた追加部数(担当者の人数、管理職の人数)とを記憶している。
【0056】
この目的コード管理テーブルにおける目的コード名称としては、この画像形成装置150を共用する部門名(たとえば、総務部、経理部、資材部・・・)が記憶される。たとえば、コピー処理を行なうユーザにより、これらの目的コードの中で総務部と経理部とが選択されると、総務部の配布部数である1部と経理部の配布部数である1部とが加算されて、総部数は2部となる。さらに、総務部と経理部とが選択されている状態で、担当者に配布することが選択されると、総務部の担当者数である3人と経理部の担当者数である5人とが先ほどの総部数である2部に加算されて、総部数は10部となる。さらに、総務部と経理部とが選択され、かつ、担当者に配布することが選択されている状態で、管理職に配布することが選択されると、総務部の管理職数である1人と経理部の管理職数である2人とが先ほどの総部数である10部に加算されて、総部数は13部となる。算出された総部数が画像形成装置150にコピー部数として設定される。
【0057】
なお、図4に示す目的コード管理テーブルは、システム管理者によりメンテナンスされる。たとえば、組織変更があり部門が改編された場合、人事異動があり管理職数が変更された場合に、システム管理者は目的コード管理テーブルをメンテナンスする。
【0058】
本実施の形態に係る画像形成装置150は、目的コード管理テーブルを用いて、コピー処理を行なうユーザにより選択された目的コードに対応する総部数を画像形成装置150に設定する総部数設定部を備える。このような総部数設定部は、ハードウェアとして構成されても構わないが、本実施の形態においては、以下に示すソフトウェアにより実現される。
【0059】
[ソフトウェア構成]
図5は、画像形成装置150のCPU300で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。このフローチャートに基づいて、コピー処理を行なうユーザにより選択された目的コードに対応して、画像形成装置150に総部数を設定する処理および配布先についての情報を出力する処理について説明する。なお、画像形成装置150のCPU300は、このようなプログラムと並行して、コンピュータまたは画像形成装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行する。しかしながら、そのプログラムは、本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、その詳細についてはここでは説明しない。
【0060】
図5を参照して、ステップ(以下、ステップをSと記載する。)1000にて、画像形成装置150のCPU300(以下、単にCPU300と記載する。)は、この画像形成装置150を使用するユーザがコピーモードを選択したか否かを判定する。この画像形成装置150においては、上述したように、コピーモード、ファクス/イメージ送信モードおよびドキュメントファイリングモードの3つのモードが備えられており(さらに、プリンタモードを備えていても構わない。)、CPU300は、たとえば、タッチパネルディスプレイ172の最上部に表示された3つのモードに対応するソフトウェアボタン(タグボタン)のコピーボタンが押下されると、ユーザによりコピーモードが選択されたと判定する。CPU300は、このようにユーザによりコピーモードが選択されると(S1000にてYES)、処理はS1010へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、この処理は終了する。
【0061】
S1010にて、CPU300は、タッチパネルディスプレイ172に、コピー初期画面を表示する。このとき、タッチパネルディスプレイ172には、コピー部数として初期値である「0」が表示される。
【0062】
S1020にて、CPU300は、ユーザにより目的コードを選択することが要求されたか否かを判定する。たとえば、この画像形成装置150のコピーモードのメインメニュー画面(機能選択画面)が表示されている状態において、タッチパネルディスプレイ172に表示された「目的コード選択」に対応するソフトウェアボタンが押下されると、ユーザにより目的コードを選択することが要求されたと判定する。ユーザにより目的コードを選択することが要求されたと判定されると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、この処理はS1150へ移される。
【0063】
S1030にて、CPU300は、目的コード管理テーブル(図4)を読み出す。S1040にて、CPU300は、読み出した目的コード管理テーブルに基づいて、タッチパネルディスプレイ172に、目的コード選択画面を表示する。このとき、タッチパネルディスプレイ172には、図4の目的コード名称に対応する9個のソフトウェアボタンが表示される。このソフトウェアボタンは、非選択状態で押下すると選択状態に切り換わり、選択状態で押下すると非選択状態に切り換わる。
【0064】
S1050にて、CPU300は、ユーザにより目的コードが選択されたか否かを判定する。たとえば、この画像形成装置150のタッチパネルディスプレイ172に表示された9個の「目的コード名称」に対応するソフトウェアボタンが押下されると、ユーザにより目的コードが選択されたと判定する。ユーザにより目的コードが選択されたと判定されると(S1050にてYES)、処理はS1060へ移される。もしそうでないと(S1050にてNO)、この処理はS1070へ移される。
【0065】
S1060にて、CPU300は、ユーザにより選択された目的コードの配布数を目的コード管理テーブルから引き当てて、コピー部数に加算する。その後、この処理はS1050へ戻される。なお、加算されたコピー部数は、ハードディスク302またはRAM308に記憶される。
【0066】
S1070にて、CPU300は、ユーザにより追加配布者チェックボックスにチェックが入力されたか否か(追加配布者チェックボックスが押下されたか否か)を判定する。たとえば、この画像形成装置150のタッチパネルディスプレイ172に表示された「担当者へ配布」に対応するチェックボックスまたは「管理職へ配布」に対応するチェックボックスにチェックが入力されると(チェックボックスが押下されると)、ユーザにより追加配布者チェックボックスにチェックが入力されたと判定する。ユーザにより追加配布者チェックボックスにチェックが入力されたと判定されると(S1070にてYES)、処理はS1080へ移される。もしそうでないと(S1070にてNO)、この処理はS1090へ移される。
【0067】
S1080にて、CPU300は、選択された全ての目的コードについて、担当者数または/および管理職数をコピー部数に加算する。このとき、CPU300は、ユーザにより選択された目的コードの担当者数または/および管理職数を目的コード管理テーブルから引き当てて、コピー部数に加算する。その後、この処理はS1110へ移される。
【0068】
S1090にて、CPU300は、ユーザにより出力チェックボックスにチェックが入力されたか否か(出力チェックボックスが押下されたか否か)を判定する。たとえば、この画像形成装置150のタッチパネルディスプレイ172に表示された「レポート出力」に対応するチェックボックス、「ヘッダー印刷出力」に対応するチェックボックスまたは「フッター印刷出力」に対応するチェックボックスにチェックが入力されると(チェックボックスが押下されると)、ユーザにより出力チェックボックスにチェックが入力されたと判定する。ユーザにより出力チェックボックスにチェックが入力されたと判定されると(S1090にてYES)、処理はS1100へ移される。もしそうでないと(S1090にてNO)、この処理はS1110へ移される。
【0069】
S1100にて、CPU300は、印刷項目(記録用紙のヘッダー/フッターの有無)および出力項目(レポートの有無)を記憶する。その後、この処理はS1110へ移される。
【0070】
S1110にて、CPU300は、ユーザにより目的コードの選択が完了したことが入力されたか否かを判定する。たとえば、この画像形成装置150のタッチパネルディスプレイ172に表示された9個の目的コード名称(「総務部」ボタン等)とともに表示された「OK」に対応するソフトウェアボタンが押下されると、ユーザにより目的コードの選択が完了したことが入力されたと判定する。ユーザにより目的コードの選択が完了したと判定されると(S1110にてYES)、処理はS1120へ移される。もしそうでないと(S1110にてNO)、この処理はS1050へ移される。
【0071】
S1120にて、CPU300は、加算されたコピー部数だけ、原稿読取部152で読込んだ原稿の画像データに基づいて記録用紙に画像を形成する。このとき、印刷項目として「ヘッダー印刷出力」が記憶されていると、選択された目的コードに対応するコピー部数分について、それらの記録用紙の上方に、配布先として目的コード名称が印字される。印刷項目として「フッター印刷出力」が記憶されていると、選択された目的コードに対応するコピー部数分について、それらの記録用紙の下方に、配布先として目的コード名称が印字される。このとき、たとえば、総部数10部のうちの4部に「配布先:総務部」、6部に「配布先:経理部」が印字される。
【0072】
S1130にて、CPU300は、出力項目が記憶されているか否かを判定する。出力項目が記憶されていると判定されると(S1130にてYES)、処理はS1140へ移される。もしそうでないと(S1130にてNO)、この処理は終了する。
【0073】
S1140にて、CPU300は、コピー結果レポートを画像形成する。このとき、コピー結果レポートには、「コピー日時」、「総コピー部数」および配布先リスト」の各項目が印字される。
【0074】
S1150にて、CPU300は、通常の画像形成処理を実行する。このS1150における画像形成処理は、複数の部門に配布する資料ではない資料をコピーする場合である。
【0075】
なお、S1070の処理およびS1080の処理が実行される前に、少なくとも1個以上の目的コードが選択されていることが好ましい。これは、複数の部門に配布する資料をコピーすることが確定されて初めてS1070の処理およびS1080の処理が意味を有するためである。このため、このように処理されるように、フローチャートは適宜変更されても構わない。
【0076】
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の動作について、図6〜図15を用いて説明する。
【0077】
この画像形成装置150を用いて複数の部門に配布する資料をコピーするユーザが、コピーモードを選択すると(S1000にてYES)、図6に示すようなコピー初期画面が画像形成装置150のタッチパネルディスプレイ172に表示される(S1010)。なお、この図6を含めて、以降で説明する図においては、ボタンが選択されている状態を二重枠線で示す。たとえば、図6においては、モード選択ボタンの「コピー」ボタンが選択されている状態を二重枠線で示している。
【0078】
ユーザが図6に示す画面の「目的コード選択」に対応するソフトウェアボタンを押下すると(S1020にてYES)、ユーザにより目的コードを選択することが要求されたと判定されて目的コード管理テーブル(図4)が読み出され(S1030)、図7に示すような目的コード選択画面が表示される(S1040)。なお、図6に示す画面においても、図7に示す画面においても、コピー部数として、初期値である「0」が表示されている。
【0079】
図7に示すように、タッチパネルディスプレイ172には、図4の目的コード名称に対応する9個のソフトウェアボタン(「総務部」ボタン、「経理部」ボタン、「資材部」ボタン、「企画部」ボタン、「営業部」ボタン、「技術部」ボタン、「開発部」ボタン、「品質部」ボタン、「生産部」ボタン)、2個の追加配布者チェックボックス(「担当者に配布」ボックス、「管理職に配布」ボックス)、3個の出力チェックボックス(「レポート出力」ボックス、「ヘッダー印刷出力」ボックス、「フッター印刷出力」ボックス)が表示される。これらのソフトウェアボタンは、非選択状態で押下すると選択状態に切り換わり、選択状態で押下すると非選択状態に切り換わる。また、これらのチェックボックスは、空欄(非選択)の状態で押下すると選択状態に切り換わりチェックマークが表示され、チェックマークが表示されている選択状態で押下すると空欄(非選択状態)に切り換わる。
【0080】
ユーザが図7に示す画面の「総務部」に対応するソフトウェアボタンを押下すると(S1050にてYES)、ユーザにより選択された目的コードの配布数(ここでは総務部の配布数である「1」)がコピー部数に加算されて(S1060)、図8に示すように、コピー部数が「0」から「1」へ変更される。なお、この図8において「総務部」ボタンが選択されている。
【0081】
さらに、この状態で、ユーザが図8に示す画面の「経理部」に対応するソフトウェアボタンを押下すると(S1050にてYES)、ユーザにより選択された目的コードの配布数(ここでは経理部の配布数である「1」)がコピー部数に加算されて(S1060)、図9に示すように、コピー部数が「1」から「2」へ変更される。なお、この図9において「総務部」ボタンおよび「経理部」ボタンが選択されている。
【0082】
さらに、この状態で、ユーザが図9に示す画面の「担当者に配布」に対応するチェックボックスを押下すると(S1070にてYES)、ユーザにより選択されている全ての目的コードについての担当者数(ここでは総務部の担当者数である「3」と経理部の担当者数である「5」)がコピー部数に加算されて(S1080)、図10に示すように、コピー部数が「2」から「10」へ変更される。なお、この図10において「総務部」ボタンおよび「経理部」ボタンが選択されているともに、「担当者に配布」チェックボックスにチェックが入力されている。また、ユーザが図9に示す画面の「管理職に配布」に対応するチェックボックスを押下すると(S1070にてYES)、ユーザにより選択されている全ての目的コードについての管理職数(ここでは総務部の管理職数である「1」と経理部の管理職数である「2」)がコピー部数に加算されて(S1080)、図11に示すように、コピー部数が「2」から「5」へ変更される。なお、この図11において「総務部」ボタンおよび「経理部」ボタンが選択されているともに、「管理職に配布」チェックボックスにチェックが入力されている。
【0083】
なお、ユーザが図9に示す画面の「担当者に配布」に対応するチェックボックスおよび「管理職に配布」に対応するチェックボックスを押下すると(S1070にてYES)、ユーザにより選択されている全ての目的コードについての担当者数および管理職数(ここでは総務部の担当者数である「3」および管理職数である「1」、と経理部の担当者数である「5」および管理職数である「2」)がコピー部数に加算されて(S1080)、図12に示すように、コピー部数が「2」から「13」へ変更される。なお、この図10において「総務部」ボタンおよび「経理部」ボタンが選択されているともに、「担当者に配布」チェックボックスおよび「管理職に配布」チェックボックスにチェックが入力されている。
【0084】
ユーザが図10に示す画面の「レポート出力」に対応するチェックボックスおよび「フッター印刷出力」に対応するチェックボックスを押下すると(S1090にてYES)、印刷項目として「フッター」が記憶され、出力項目として「レポート」が記憶される(S1100)。このとき、図13に示すように、「総務部」ボタンおよび「経理部」ボタンが選択されているともに、「担当者に配布」チェックボックス、「レポート出力」チェックボックスおよび「フッター印刷出力」チェックボックスにチェックが入力されている。
【0085】
このような動作が、ユーザがタッチパネルディスプレイ172に表示された「OK」ボタンを押下するまで(S1110にてYESになるまで)繰返し行なわれる。上述したように、「目的コード名称」に対応するソフトウェアボタンおよびチェックボックスは、選択状態および非選択状態を任意に切替え可能である。このため、非選択状態の「目的コード名称」に対応するソフトウェアボタンが押下された場合には(選択された場合には)、コピー部数を加算し、選択状態の「目的コード名称」に対応するソフトウェアボタンが押下された場合には(選択状態が解除された場合には)、コピー部数を減算することになる。
【0086】
ユーザがタッチパネルディスプレイ172に表示された「OK」ボタンを押下すると(S1110にてYES)、加算されたコピー部数だけ、記憶された印刷項目とともに印刷される(S1120)。
【0087】
このように目的コードごとに配布部数と担当者数および管理職数とが予め設定されているため、複数の部門に配布する資料をコピーするユーザは、配布する部門に対応した目的コードを選択するだけで、追加配布数を考慮して必要なコピーの総部数が計算され画像形成装置に設定されてコピーが実行される。
【0088】
図13に示すように設定した場合、図14に示すように、会議議事録のコピー10部(総務部4部、経理部6部)が画像形成装置150から出力される。この場合、フッター印刷出力が選択されているので、図14に示すように、記録用紙の下方空白部分に「配布先:総務部」と印刷された記録用紙が4部、「配布先:経理部」と印刷された記録用紙が6部である。
【0089】
さらに、図13に示すように設定した場合にはレポート出力が選択されているので、図15に示すコピー結果レポートが画像形成装置150から出力される(S1130にてYES、S1140)。この場合、コピー日時、総コピー部数および配布先についての情報が印刷される。配布先についての情報は、「総務部 4部(担当者を含めて配布)」および「経理部 6部(担当者を含めて配布)」である。なお、この図15に示すコピー結果レポートは、図14に示す10部のコピーの表紙として画像形成装置150から出力されることが好ましい。
【0090】
このコピー結果レポートを用いると、総部数の確認を容易に行なうことができるとともに、配布先を容易に確認して、確実に配布することができる。
【0091】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、(1)複数の部門に配布する資料をコピーするユーザが目的コードを選択するだけでコピーの総部数が算出されて画像形成装置に設定することができ、(2)配布数のデフォルトに加えて「担当者に配布」および「管理職に配布」を選択可能としたので、配布範囲を容易に(目的コード管理テーブルを変更することなく)追加することができ、(3)複数の部数のコピーの表紙にコピー出力レポートが添付されるので、配布先とそれぞれの配布部数とが分かり実際の配布作業時に容易にかつ確実に仕分けすることができ、(4)コピー時(記録用紙への画像形成時)に記録用紙のヘッダーまたはフッターに配布先を印刷したので、実際の配布作業時に容易にかつ確実に仕分けすることができる。
【0092】
<変形例>
なお、上述した実施の形態においては、「担当者に配布」および「管理職に配布」については全部門共通(選択された全ての目的コードの共通)のチェックボックスとしている。しかしながら、それぞれの目的コードの横にチェックボックスを設けたり、目的コード選択時に担当者(および/または管理職)に配布するか否か選択画面を表示したりして、部門ごと(目的コードごと)に選択するようにすることも可能である。
【0093】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0094】
150 画像形成装置
166 操作装置
170 操作パネル
172 表示パネル(タッチパネルディスプレイ)
300 CPU
302 ハードディスク
306 ROM
308 RAM
310 バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写物を配布する部門を示す複数の部門情報と、各前記部門情報に関連付けされた配布部数とを記憶するための記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された部門情報を表示するための表示手段と、
表示された複数の部門情報の中から、複写物を配布する1以上の部門をユーザが選択するための選択手段と、
前記選択された部門についての配布部数に基づいて算出された総部数を、複写部数として設定するための総部数設定手段と、
予め読み込まれた原稿データに基づいて、前記設定された総部数の分だけ記録用紙に画像を形成するための画像形成手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記部門情報および前記配布部数に加えて、各前記部門情報に関連付けされた追加部数を記憶するための手段を含み、
前記表示手段は、前記部門情報に加えて、部数を追加する要求をユーザが選択可能に表示するための手段を含み、
前記総部数設定手段は、部数の追加がユーザにより選択されると、前記総部数に、配布することが選択された全ての部門についての追加部数を加えた部数を複写部数として設定するための手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記部門情報および前記配布部数に加えて、各前記部門情報に関連付けされた追加部数を記憶するための手段を含み、
前記表示手段は、前記部門情報に加えて、部数を追加する要求を、前記部門毎にユーザが選択可能に表示するための手段を含み、
前記総部数設定手段は、部数の追加がユーザにより選択されると、前記総部数に、追加することが選択された部門についての追加部数を加えた部数を複写部数として設定するための手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段は、前記総部数の分だけ記録用紙に画像を形成するとともに、配布先についての情報が形成された情報を記録用紙に形成するための手段を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記配布先についての情報は、ユーザにより選択された複数の部門についての情報と、前記部門に関連付けされた配布部数についての情報とである、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成手段は、各前記記録用紙に、原稿データに基づく画像に加えて、前記配布先についての情報を形成するための手段を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記配布先についての情報は、ユーザにより選択された配布先を示す部門についての各前記記録用紙に形成される情報である、請求項6に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−59253(P2011−59253A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207051(P2009−207051)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】