説明

画像形成装置

【課題】側面カバー部材の開方向への移動を抑制できる画像形成装置の提供。
【解決手段】ケース体Cは、ケース本体C1と、筐体Mの内部を露出させない第1閉位置と内部を露出させる第1開位置とに回動可能な側面カバー部材65と、ケース本体C1に形成される第1集積面71と、側面カバー部材65に形成される第2集積面72と、横臥した第1位置と起立した第2位置とに回動移動可能で、第1位置にある場合に第1集積面71と連続する第1面102と、第2位置にある場合に集積部M1に集積された被転写材の移動を規制する第2面103とを有するストッパ部材101と、第1面102に形成され、ストッパ部材101が第2位置にある場合、第1閉位置にある側面カバー部材65の第2集積面72に当接して側面カバー部材65における第1開位置側への回動移動を規制する第1規制部104と、を有するケース体Cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としてのコピー機等において、コンパクト化が進んでいる。ここで、コンパクト化されたコピー機等においては、トナー画像が形成された後に排紙された用紙を集積する集積部も小さくなるため、排紙された用紙が集積部からはみ出して床に落下する場合があった。
【0003】
これに対し、排紙された用紙の落下を抑制するため、排紙部に対向するようにストッパ部材を設けたコピー機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−40513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のコピー機において、ストッパ部材が延びる側にトナー等の交換のために開閉する側面カバー部材が配置されている場合、ストッパ部材は、側面カバー部材における開閉移動の邪魔となる場合があった。
これに対し、ストッパ部材を、横臥位置から立ち上がって排紙をストップする位置に回動可能となるよう本体に配置することで、ストッパ部材が側面カバー部材の開閉移動の邪魔とならないように構成することができる。
【0006】
しかし、回動して立ち上がったストッパ部材が側面カバー部材に当接するように配置されると、ストッパ部材の自重やストッパ部材の上に積層される用紙の重さは、側面カバー部材に対して側面カバー部材を回動させる方向に伝わる場合があった。この場合、側面カバー部材は、ユーザの意図しないタイミングで開いてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、ケース本体と、ケース本体に回動可能に連結される側面カバー部材と、ケース本体から排出された被転写材の落下を抑制する位置に配置可能なストッパ部材とを備える画像形成装置において、ストッパ部材が被転写材の落下を抑制する位置に配置された場合に側面カバー部材が開方向へ移動することを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、筐体と、前記筐体の内部に配置されシート状の被転写材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成された前記被転写材を前記筐体の内部から外部に排出する排出部と、前記排出部から排出された前記被転写材が集積される集積部と、前記筐体の外形を構成するケース体であって、ケース本体と、前記ケース本体における垂直方向下側に配置される第1回動軸により前記筐体の内部を露出させない第1閉位置と前記内部を露出させる第1開位置とに回動可能に前記ケース本体と連結される側面カバー部材と、前記ケース本体に形成され、前記集積部の一部を構成する第1集積面と、前記側面カバー部材に形成され、前記側面カバー部材が前記第1閉位置にある場合に前記第1集積面と連続して前記集積部を構成する第2集積面と、前記ケース本体に直接的又は間接的に配置される第2回動軸を中心に横臥した第1位置と起立した第2位置とに前記ケース本体に回動移動可能に連結され、前記第1位置にある場合に前記第1集積面と連続して前記集積部の一部を構成する第1面と、前記第2位置にある場合に前記集積部に集積された前記被転写材の移動を規制する第2面とを有するストッパ部材と、前記ストッパ部材における前記第1面に形成され、前記ストッパ部材が前記第2位置にある場合、前記第1閉位置にある前記側面カバー部材の前記第2集積面に当接して前記側面カバー部材における第1開位置側への回動移動を規制する第1規制部と、を有するケース体と、を備える画像形成装置に関する。
【0009】
また、前記第1規制部は、凸状であって、自由端側に形成される第1傾斜部と、前記第2回動軸側に形成され前記第1傾斜部よりも傾きが大きい第2傾斜部とを備えることが好ましい。
【0010】
また、前記第2傾斜部は、前記ストッパ部材が前記第2位置にある場合、前記側面カバー部材における前記第2集積面に面接触して当接されることが好ましい。
【0011】
また、前記ケース体は、一端側に配置される前記第2回動軸により前記ストッパ部材を回動可能に連結させると共に、他端側が第3回動軸により前記筐体における内部を露出させない第2閉位置と前記内部を露出させる第2開位置とに回動可能に前記ケース本体と連結される上面カバー部材と、を備えることが好ましい。
【0012】
また、前記上面カバー部材は、前記ストッパ部材が前記第2位置よりも更に前記第1位置と反対方向へ回動移動した第3位置にある前記ストッパ部材の前記第1規制部に当接して、前記ストッパ部材における前記第1位置と反対方向への更なる回動移動を規制する第2規制部と、を備えることが好ましい。
【0013】
また、前記ストッパ部材は、前記第2規制部により前記第1規制部が当接された状態において、該ストッパ部材における自由端が垂直方向において前記第2回動軸よりも上側に位置するよう配置されることが好ましい。
【0014】
また、前記集積部における垂直方向上側に配置され垂直方向下側の面により前記集積部における上面を形成する読み取り部と、を更に備え、前記第2規制部により前記第1規制部が当接された状態にある場合、前記ストッパ部材は、前記読み取り部における前記垂直方向下側の面に沿うように配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ケース本体と、ケース本体に回動可能に連結される側面カバー部材と、ケース本体から排出された被転写材の落下を抑制する位置に配置可能なストッパ部材とを備える画像形成装置において、ストッパ部材が被転写材の落下を抑制する位置に配置された場合に側面カバー部材が開方向へ移動することを抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態のコピー機1の斜視図である。
【図2】コピー機1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。
【図3】ストッパ部材101を説明する拡大斜視図である。
【図4】第1位置にあるストッパ部材101を説明する拡大断面図である。
【図5】第1開位置に移動した側面カバー部材65を説明する断面図である。
【図6】第1閉位置にある側面カバー部材65と、第1位置にあるストッパ部材101とを説明する断面図である。
【図7】第2位置に移動したストッパ部材101を説明する斜視図である。
【図8】第1閉位置にある側面カバー部材65と、第2位置に移動したストッパ部材101を説明する断面図である。
【図9】第1閉位置にある側面カバー部材65と、第2位置に移動したストッパ部材101を説明する拡大断面図である。
【図10】第1開位置に移動した側面カバー部材65と、第2開位置に移動した上部カバー部材110とを説明する斜視図である。
【図11】第2開位置に移動した上部カバー部材110と、第3位置に移動したストッパ部材101を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2により、本発明の画像形成装置の実施形態としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本発明の実施形態のコピー機1の斜視図である。図2は、コピー機1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。
【0018】
本実施形態においては、後述する側面カバー部材65が配置された側をコピー機1の前側とする。また、左右方向、前後方向(奥行き方向)及び上下方向(垂直方向)をそれぞれ「X」、「Y」及び「Z」で示す。主走査方向は、左右方向Xと一致し、副走査方向は、前後方向Yと一致する。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態のコピー機1は、コピー機1における上方側に配置される画像読取装置200と、下方側に配置される筐体としての装置本体Mと、を備える。装置本体Mは、画像読取装置200からの画像情報に基づいて、シート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する。
【0020】
画像読取装置200は、蓋部材70と、原稿Gの画像を読み取る読み取り部201と、を備える。
蓋部材70は、読み取り部201に対して不図示の連結部により開閉可能に連結される。蓋部材70は、後述する読取面202Aを保護する機能を有する。
【0021】
読み取り部201は、XY平面に延びる読取面202Aと、装置本体Mの内部に配置され読取面202Aと平行に前後方向Yに移動するキャリッジ210と、を備える。読取面202Aは、原稿Gが載置されるコンタクトガラス202の垂直方向Zの上面に沿って形成される。読み取り部201は、排紙集積部M1(後述)における垂直方向Zの上側に離間して配置される。
【0022】
キャリッジ210は、光路を形成する複数のミラー(不図示)と、結像レンズ(不図示)と、読取手段としてのCCD(不図示)と、CCDにより読み取られた画像データに対して所定の処理をすると共に該画像データを装置本体M側に出力させるCCD基板(不図示)と、を備える。キャリッジ210は、読取面202Aに載置される原稿Gの表面に略平行に、副走査方向(前後方向Y)に一定速度で移動する。
これにより、読取面202Aに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
【0023】
次に、装置本体Mについて説明する。図1及び図2に示すように、装置本体Mにおける外形は、ケース体Cにより構成される。
ケース体Cは、ケース本体C1と、ケース本体C1の前側に回動可能に連結される側面カバー部材65と、ケース本体C1における垂直方向Zの上面側に回動可能に連結されるストッパ部材101と、を備える。
【0024】
また、装置本体Mは、後述する排紙部50における開口側に、集積部としての排紙集積部M1を備える。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける垂直方向Zの上面側(外面側)に形成される。排紙集積部M1における垂直方向Zの上側には、画像読取装置200の読み取り部201が配置される。
【0025】
排紙集積部M1は、排紙部50から排出された用紙Tが集積する集積面73を有する。集積面73は、排紙集積部M1の一部を構成し、ケース体Cにおける垂直方向Zの上面側に形成される。集積面73は、ケース本体C1における上面であって集積面73の一部を構成する第1集積面71と、側面カバー部材65における上面であって集積面73の一部を構成する第2集積面72と、を有する。
【0026】
第1集積面71は、ケース本体C1の垂直方向Zの上面に形成される。第1集積面71は、排紙部50側から装置本体Mの前側に向かって上り勾配となる傾斜面又は湾曲面である。
第2集積面72は、第1閉位置に位置する側面カバー部材65の垂直方向Zの上面である上部端面65aにより構成される。側面カバー部材65の上部端面65aは、第2集積面72として機能する。第2集積面72は、側面カバー部材65が第1閉位置(図1参照)にある場合に、第1集積面71と前後方向Yに連続して配置され、排紙集積部M1を構成する集積面73の一部を形成する。
【0027】
ケース本体C1には、ストッパ部材101が回動可能に連結される。ストッパ部材101は、ケース本体C1に、後述する上部カバー部材110に配置される第2回動軸J2を中心に、横臥した横臥位置(第1位置)と起立した起立位置(第2位置)とに回動移動可能に間接的に連結される。ストッパ部材101は、起立位置にある場合、排紙部50から排出された用紙Tが排紙集積部M1からはみ出して床等に落下することを抑制する。
ストッパ部材101については、後に詳述する。
【0028】
側面カバー部材65は、ケース体Cの一部を構成する。側面カバー部材65は、ケース本体C1の前側に回動可能に連結される。側面カバー部材65は、ケース本体C1における垂直方向Zの下側に配置される第1回動軸J1により、装置本体Mの内部を露出させない第1閉位置(図1参照)と、装置本体Mの内部を露出させる第1開位置(図2参照)とに回動可能に、ケース本体C1に連結される。
【0029】
側面カバー部材65は、垂直方向Zの上側に形成される上部端面65aを有する。上部端面65aは、前述の通り、側面カバー部材65が第1閉位置に位置する場合、ケース本体C1に形成される第1集積面71と連続して集積面73を形成する第2集積面72として機能する。
【0030】
側面カバー部材65は、側面カバー部材65の外面の上部に、取手部65dを有する。側面カバー部材65は、ユーザにより取手部65dが矢印B方向(図1参照)に引かれることで、第1閉位置(図1参照)から第1開位置(図2参照)に回動移動される。
図2に示すように、側面カバー部材65が第1開位置に位置する場合、装置本体Mの内部が露出され、後述するトナーカートリッジ5等の内蔵部材が交換可能となる。
側面カバー部材65は、図2に示す第1開位置に位置させると、後述する第2給紙部64として利用可能になる。第2給紙部64としての構成及び動作は、後述の装置本体Mの内部の搬送経路の説明において詳述する。
【0031】
側面カバー部材65は、ユーザにより取手部65dに矢印B方向に力を加えられる場合のみならず、上部端面65aに矢印B方向に所定の力が加えられることによっても、第1閉位置から第1開位置に回動移動される。この場合、側面カバー部材65は、取手部65dに力を加える場合と比べて弱い力で、第1閉位置から第1開位置に回動移動される。しかし、後で詳述するように、ストッパ部材101が第2位置にある場合(図9参照)には、第1閉位置から第1開位置への側面カバー部材65の移動は抑制される。
【0032】
図2に示すように、装置本体Mは、装置本体Mの内部に配置され、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定の画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共に画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部とを有する。
【0033】
次に、画像形成部GKについて詳述する。図2に示すように、画像形成部GKは、感光体ドラム2と、帯電部10と、レーザスキャナユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給装置6と、転写ローラ8と、定着部9とを備える。
また、給排紙部は、給紙カセット52と、レジストローラ対80と、用紙Tの搬送路Lと、排出部としての排紙部50と、を備える。
【0034】
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、像担持体として機能する。感光体ドラム2は、左右方向Xに延びる回転軸を中心に回転可能な態様で、装置本体Mに配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成される。
【0035】
帯電部10は、感光体ドラム2の上方に配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に正(プラス極性)帯電させる。
【0036】
レーザスキャナユニット4は、感光体ドラム2の上方に感光体ドラム2から離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4は、画像読取装置200から出力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることによって、感光体ドラム2の表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
【0037】
現像器16は、感光体ドラム2の前方に配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナー画像を現像する。現像器16は、感光体ドラム2に対向配置可能な現像ローラ17と、トナー攪拌用の攪拌ローラ18とを有して構成される。
【0038】
トナーカートリッジ5は、現像器16に供給されるトナーを収容する。
トナー供給装置6は、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを、現像器16に供給する。トナーカートリッジ5は、交換できるように、装置本体Mに着脱可能に取り付けられる。
トナーカートリッジ5は、前述の側面カバー部材65が第1開位置(図2参照)に回動移動されることで、外部に露出されるよう配置される。言い換えると、トナーカートリッジ5を交換する場合、側面カバー部材65における上部端面65aは、トナーカートリッジ5が交換可能な程度に外部に露出されるように、前側に移動される。
【0039】
図2に示すように、側面カバー部材65は、その内面側に用紙Tを載置可能に構成される。側面カバー部材65が第1開位置に位置する場合、側面カバー部材65の内面側は、後述する搬送路Lに給紙可能な第2給紙部64として機能する。
第1開状態にされた側面カバー部材65における下端側には、第2給紙部64に載置されている用紙Tを搬送路Lに繰り出す繰り出しコロ66が配置される。
【0040】
ドラムクリーニング装置11は、感光体ドラム2の後方に配置される。ドラムクリーニング装置11は、感光体ドラム2の表面に残留したトナーや付着物を除去する。
【0041】
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
【0042】
転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して接近又は離間可能に構成される。具体的には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。
【0043】
感光体ドラム2と転写ローラ8とによって挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面(トナー画像が現像された側)に押し当てられる。このようにして転写ニップNが形成され、感光体ドラム2に現像されたトナー画像は、用紙Tに転写される。
【0044】
定着部9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融させて、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。用紙Tが加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融し、定着する。
【0045】
給紙カセット52は、装置本体Mの下部に配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの前側に前後方向Yに引き出し可能に配置される。給紙カセット52は、用紙Tが載置される載置板60を備えている。給紙カセット52には、載置板60に用紙Tが積層された状態で、用紙Tが収容される。カセット給紙部51は、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(前側の端部)に配置される。カセット給紙部51は、給紙カセット52に収容された用紙Tを搬送路Lに送り出す。
カセット給紙部51は、載置板60に載置された用紙Tを取り出す前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
【0046】
カセット給紙部51と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路Lが形成される。搬送路Lは、カセット給紙部51から第2合流部P2までの第1搬送路L1と、第2合流部P2からレジストローラ対80までの第2搬送路L2と、レジストローラ対80から転写ローラ8までの第3搬送路L3と、転写ローラ8から定着部9までの第4搬送路L4と、定着部9から分岐部P3までの第5搬送路L5と、分岐部P3から排紙部50までの第6搬送路L6と、繰り出しコロ66から第1合流部P1までの第7搬送路L7と、を有している。
【0047】
第1合流部P1は、第2合流部P2に近接して設けられる。第7搬送路L7は、第1合流部P1を介して、第2搬送路L2に合流する。
分岐部P3には、用紙Tを第6搬送路L6から第2合流部P2に戻す戻し搬送路Lbが装備されている。第2合流部P2は、戻し搬送路Lbと第2搬送路L2との合流部である。
【0048】
レジストローラ対80は、転写ローラ8に対して用紙Tの搬送方向における上流側(装置本体Mの前側)に配置されている。レジストローラ対80は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や、トナー画像とのタイミング調整を行うためのローラ対である。
【0049】
戻し搬送路Lbは、用紙Tの両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、分岐部P3から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2搬送路L2に戻すことができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tは、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0050】
排紙部50は、第6搬送路L6の端部に形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの前方側に向けて開口している。排紙部50は、定着部9によりトナーが定着された用紙Tを装置本体Mの内部から外部に排紙する。排紙部50は、開口側に形成される排紙集積部M1に、画像が形成された用紙Tを排出(排紙)する。排紙部50から排出された用紙Tは、排紙集積部M1に積層されて集積される。
【0051】
次いで、図3から図11により、排紙集積部M1に設けられたストッパ部材101及び上部カバー部材110の構成について詳述する。図3は、ストッパ部材101を説明する拡大斜視図である。図4は、第1位置にあるストッパ部材101を説明する拡大断面図である。図5は、第1開位置に移動した側面カバー部材65を説明する断面図である。図6は、第1閉位置にある側面カバー部材65と、第1位置にあるストッパ部材101とを説明する断面図である。
【0052】
図7は、第2位置に移動したストッパ部材101を説明する斜視図である。図8は、第1閉位置にある側面カバー部材65と、第2位置に移動したストッパ部材101を説明する断面図である。図9は、第1閉位置にある側面カバー部材65と、第2位置に移動したストッパ部材101を説明する拡大断面図である。図10は、第1開位置に移動した側面カバー部材65と、第2開位置に移動した上部カバー部材110とを説明する斜視図である。図11は、第2開位置に移動した上部カバー部材110と、第3位置に移動したストッパ部材101を説明する断面図である。
【0053】
図3及び図4に示すように、ケース本体C1における垂直方向Zの上側に、上面壁109が形成される。上面壁109における上面は、排紙集積部M1の第1集積面71を構成する。
上部カバー部材110は、上面壁109の前側であって左右方向Xの中央部分に配設される板状の部材である。
【0054】
図3から図7に示すように、ストッパ部材101は、上部カバー部材110に配置された第2回動軸J2により、上部カバー部材110に回動可能に連結される。上部カバー部材110は、ケース本体C1に配置された第3回動軸J3(後述)により、ケース本体C1に回動自在に連結される。これにより、ストッパ部材101は、第2回動軸J2及び上部カバー部材110を介して、ケース本体C1に回動可能に連結され、横臥した横臥位置(第1位置、図3参照)と起立した起立位置(第2位置。図7参照)とに移動可能となっている。
【0055】
上部カバー部材110は、第2回動軸J2により、ストッパ部材101を回動可能に連結させる。第2回動軸J2は、上部カバー部材110の先端(一端)110b側に配置されている。第2回動軸J2は、左右方向Xに延びており、後述する第1回動軸J1及び第3回動軸J3と平行に配置されている。
【0056】
図3から図11に示すように、上部カバー部材110は、その基端(他端)110a側が、第3回動軸J3により、装置本体Mにおける内部を露出させない第2閉位置(図3、図4参照)と、内部を露出させる第2開位置(図5、図10参照)とに回動可能になっている。上部カバー部材110の先端110bは上面壁109の前端に位置する。上部カバー部材110の基端110aは、上面壁109の前後方向Yにおける中央部に位置する。
【0057】
上部カバー部材110における先端110bは、上面壁109の前端部分と左右方向Xに並んで配置される。上部カバー部材110における先端110bは、上面壁109の前端部分と共に、側面カバー部材65の上部端面65aに前後方向Yに隣接して配置される。
【0058】
図5に示すように、上部カバー部材110は、基端110a側がケース本体C1に配置された第3回動軸J3に回動可能に連結される。第3回動軸J3は、左右方向に延び、第1回動軸J1と平行に配置される軸である。
上部カバー部材110は、第3回動軸J3を中心として矢印R1方向に回動可能にケース本体C1に連結される。上部カバー部材110は、第3回動軸J3を中心として、基端110a側において、第3回動軸J3により装置本体Mにおける内部を露出させない第2閉位置(図4参照)と、内部を露出させる第2開位置(図5参照)とに回動可能に、ケース本体C1に連結される。
【0059】
図4に示すように、上部カバー部材110は、先端110bに、側面カバー部材65側に向かって突出した係合用突起部111を有する。側面カバー部材65は、上部端面65a側の内面(後ろ側)に、係合用突起部111が嵌入可能な凹部65cを有する。
図4に示すように、上部カバー部材110が第2閉位置に位置すると共に、側面カバー部材65が第1閉位置に位置している場合、係合用突起部111は、側面カバー部材65の凹部65cと係合し、これにより、上部カバー部材110は、第2閉位置に位置した状態が維持される。
【0060】
一方、図5に示すように、側面カバー部材65が第1開位置に移動した場合、側面カバー部材65の凹部65cと上部カバー部材110の係合用突起部111との係合は解除され、これにより、上部カバー部材110は、第2閉位置から回動移動可能な状態となる。
また、側面カバー部材65が第1開位置に回動移動した場合、上部カバー部材110は、不図示のリンク機構により、側面カバー部材65の回動移動に連動して、第2開位置に回動移動する。
【0061】
このように、上部カバー部材110が第2開位置に位置すると共に、側面カバー部材65が第1開位置に位置する。これにより、装置本体Mの内部は、露出した状態となる。
上部カバー部材110は、先端110b側に連結されたストッパ部材101が横臥位置にある場合及び起立位置にある場合の両方において、第2閉位置から第2開位置に回動移動が可能である。
【0062】
図5に示すように、第2開位置に位置する上部カバー部材110は、排紙集積部M1に集積されている用紙Tが装置本体Mの前端側に落下しないように、自由端101bが基端101aよりも垂直方向Zの上方に位置するよう傾斜して配置される。
第2開位置に移動した上部カバー部材110は、垂直方向Zの上方に位置する読み取り部201の下部壁220に、所定の間隔で接近して配置される。
【0063】
図6に示すように、上部カバー部材110は、第2規制部112を備える。第2規制部112は、第3位置(図3参照)にあるストッパ部材101の第1規制部104に当接して、ストッパ部材101における横臥位置(第1位置)と反対方向への更なる回動移動を規制する。第3位置は、ストッパ部材101が起立位置(第2位置)よりも更に横臥位置(第1位置)と反対方向へ回動移動した位置である。
【0064】
図5に示すように、ストッパ部材101が起立位置(第2位置)に位置した状態で上部カバー部材110が第2閉位置から第2開位置に回動移動した場合、上部カバー部材110は、ストッパ部材101の回動を規制して、ストッパ部材101を読み取り部201における垂直方向Zの下側の面(下面)221に沿うように配置させる。
【0065】
図3及び図4に示すように、ストッパ部材101は、上部カバー部材110が第2閉位置に位置した状態において、上部カバー部材110の上に重なる横臥位置(図3、図4参照)と上部カバー部材110から起立した起立位置(図7から図9参照)とに回動可能に、上部カバー部材110に連結される。言い換えると、ストッパ部材101は、第1集積面71と略平行な横臥位置と、第1集積面71から起立した起立位置とに回動移動可能に、ケース本体C1に連結される。
なお、第2回動軸J2は、上部カバー部材110の基端110aに一体的に形成された軸部材でもよく、あるいは、上部カバー部材110の基端110aに装着された別部材からなる軸部材であってもよい。
【0066】
ストッパ部材101は、第2回動軸J2を中心に回動する板状部材である。ストッパ部材101は、ストッパ部材101が横臥位置(第1位置)にある場合に垂直方向Zの上方側に配置される第1面102(図4参照)と、ストッパ部材101が起立位置(第2位置)にある場合に排紙部50側に配置される第2面103(図8参照)とを有する。
【0067】
図4及び図6に示すように、第1面102は、ストッパ部材101が横臥位置(第1位置)に位置している場合、第1集積面71と略平行となる。第1面102は、ストッパ部材101が横臥位置(第1位置)に位置している場合、第1集積面71と連続して排紙集積部M1の一部を構成する。
図7から図9に示すように、第2面103は、ストッパ部材101が起立位置(第2位置)にある場合、排紙部50側に配置される。
【0068】
図7及び図8に示すように、ストッパ部材101は、起立位置(第2位置)にある場合、自由端101bが第1集積面71における前外縁71aを越えて前側に延出するように配置される。ストッパ部材101が起立位置にある場合、第2面103は、第1集積面71の前端側から斜め上方に屈曲した前上がりの傾斜面を形成し、排紙集積部M1に集積された用紙Tの移動を規制し、用紙Tが排紙集積部M1から落下することを抑制する。
【0069】
図8及び図9に示すように、ストッパ部材101は、第1面102に第1規制部104を有する。ストッパ部材101が起立位置(第2位置)にある場合、第1規制部104は、第1閉位置に位置する側面カバー部材65における第2集積面72に当接して、第1開位置側(図8の矢印E方向)への側面カバー部材65の回動移動を規制する。
【0070】
具体的には、第1規制部104は、第2回動軸J2による支持位置よりもストッパ部材101の自由端101b側に寄った位置に、凸状に形成されている。図3に示すように、第1規制部104は、第1面102における左右方向Xの両側部にそれぞれ形成されている。
図6に示すように、第1規制部104は、ストッパ部材101の自由端101b側に形成される第1傾斜部104aと、ストッパ部材101における第2回動軸J2側(基端101a側)に形成される第2傾斜部104bとを有し、3角形の凸状に形成されている。第2傾斜部104bは、第1傾斜部104aよりも傾きが大きくなっている。
【0071】
図6に示すように、第1傾斜部104aは、ストッパ部材101が横臥状態(第1状態)にあるとき、ストッパ部材101の上に集積する用紙Tの前端を上方に反らせるような緩やかな傾斜を有する。
図9に示すように、第2傾斜部104bは、ストッパ部材101が起立状態(第2状態)となる第2位置にある場合、側面カバー部材65における第2集積面72に面接触して当接する。
【0072】
図9に示すように、側面カバー部材65が第1閉状態にある場合、第2集積面72は、側面カバー部材65の後面側から前面側に向かって下がる前下がりの傾斜面になっている。
第2集積面72に当接する第2傾斜部104bは、第2集積面72に当接した状態では、第2集積面72と同等又は第2集積面72よりも前側への下り傾斜が大きい傾斜面に形成されており、第2集積面72を押さえ付ける面として機能する。
【0073】
図9に示すように、ストッパ部材101が第2位置に回動して起立状態にあるとき、ストッパ部材101の重心位置G2は、第2回動軸J2に対して、第2傾斜部104bよりも前側の位置となる。そのため、図9に示すように、ストッパ部材101の自重F2によって作用する第2回動軸J2回りの回転モーメントは、側面カバー部材65を閉じる方向に付勢する押圧力S2となって、第2傾斜部104bから側面カバー部材65の上部端面65a(第2集積面72)に作用する。この押圧力S2は、第1集積面71に集積された用紙Tがストッパ部材101の第2面103に当たり、用紙Tの重量がストッパ部材101に作用するときには、更に大きくなる。
【0074】
即ち、ストッパ部材101が起立状態となる第2位置に回動して、側面カバー部材65の第2集積面72に第2傾斜部104bが当接しているとき、側面カバー部材65には、第2傾斜部104bから側面カバー部材65を閉じる方向の押圧力S2が作用する。このストッパ部材101の干渉(押圧)によって、側面カバー部材65が意図せず開くことを抑制できる。
【0075】
ところで、図9に示すように、側面カバー部材65が第1閉状態である第1閉位置にあって、ストッパ部材101が起立状態となる第2位置に回動移動して第2集積面72に当接している状態で、側面カバー部材65が開かれると、側面カバー部材65と上部カバー部材110の先端110bとの係合が外れる。その結果、図5及び図10に示すように、上部カバー部材110は、第3回動軸J3を支点として、上方の第2開位置に回動移動する。
【0076】
ストッパ部材101が起立位置(第2位置)に位置している状態で、上部カバー部材110が上方の第2開位置に回動移動すると、それに伴い、ストッパ部材101も上方に移動する。
ストッパ部材101は、上部カバー部材110の第2開位置への回動移動に伴って上方に移動し、側面カバー部材65から離間すると、ストッパ部材101は、第2回動軸J2を支点として、起立位置(第2位置)から更に横臥位置(第1位置)とは反対方向へ、自重による回動を始める。
【0077】
図11に示すように、上部カバー部材110は、先端110bに第2規制部112を有する。第2規制部112は、上部カバー部材110の先端110bの端面からなる。第2規制部112は、上部カバー部材110が第2開位置に回動移動したときに、ストッパ部材101の第1規制部104に当接してストッパ部材101の回動を規制する。第2規制部112は、第1規制部104の第2傾斜部104bに当接することで、ストッパ部材101を第3位置に固定する。
【0078】
ストッパ部材101は、第2規制部112に第1規制部104が当接している状態(即ち、第3位置に位置決めされている状態)にある場合、ストッパ部材101における自由端101bが垂直方向Zにおいて第2回動軸J2よりも上側に位置するように配置される。この状態では、図11に示すように、排紙集積部M1の上方において排紙集積部M1に対向する読み取り部201における垂直方向Zの下側の下面221に沿うように配置される。
【0079】
読み取り部201の下面221は、読み取り部201の前端部において外郭形状となっている下面である。この下面221は、前上がりの傾斜面になっている。そして、第3位置に位置決めされたストッパ部材101の第2面103は、下面221に略平行な姿勢になる。
【0080】
次に、ストッパ部材101及び上部カバー部材110の動作を、図6、図9、図11等を用いて説明する。
図6では、側面カバー部材65は、装置本体Mの内部を露出させない第1閉位置にある。上部カバー部材110は、装置本体Mの内部を露出させない第2閉位置にある。ストッパ部材101は、上部カバー部材110の上に横臥状態となる横臥位置(第1位置)にある。
【0081】
この図6に示す状態では、上部カバー部材110及びストッパ部材101の第1面102は、第1集積面71の一部を構成している。排紙集積部M1に排出され集積される用紙Tにおける排出方向(前後方向Y)の長さが第1集積面71の前後方向Yの長さを超えない場合には、上部カバー部材110及びストッパ部材101は、図6に示す状態で使用することが可能である。つまり、排出方向の長さが第1集積面71の前後方向Yの長さを超えない小サイズの用紙Tの場合には、用紙Tが排出された際、前側に向けて上り勾配となっている第1集積面71の前端側に用紙Tの先端側が当たって、用紙Tの前側への移動が規制される。
【0082】
一方、排紙集積部M1に排出される用紙Tにおける排出方向の長さが第1集積面71の前後方向Yの長さを超えている場合には、図9に示すように、ストッパ部材101を、起立位置(第2位置)に回動移動させる。
図6に示す横臥状態のストッパ部材101を図9に示す起立状態に回動移動させるには、装置本体Mの前側から見て第2回動軸J2よりも前側に位置するストッパ部材101の基端101aを押し下げて、ストッパ部材101の先端(自由端)101b側を上部カバー部材110から立ち上げる。そして、ストッパ部材101の自由端101bを側面カバー部材65側に回動移動させて、ストッパ部材101を、起立状態となる第2位置に配置させる。
【0083】
図4に示すように、ストッパ部材101が第2位置に配置されて起立状態になっているときには、排紙部50から排紙集積部M1に排出された用紙Tは、用紙Tの先端がストッパ部材101の第2面103に当接し、この第2面103により前側への移動が規制される。
【0084】
また、この状態において、ストッパ部材101の第1面102に形成された第1規制部104の第2傾斜部104bは、装置本体Mの内部を露出させない第1閉位置に位置する側面カバー部材65の上部端面65aである第2集積面72に面接触している。そして、第2集積面72に面接触する第2傾斜部104bは、側面カバー部材65が第1開位置側へ回動移動することを規制する。
【0085】
第2傾斜部104bが側面カバー部材65の第1開位置側への回動移動を規制する力は、ストッパ部材101の自重による回転モーメントにより発生し、側面カバー部材65を第1閉位置に維持する方向の押圧力S2(図9参照)として側面カバー部材65に作用する。
そのため、排紙集積部M1に集積された用紙Tの重さがストッパ部材101に作用することで、ストッパ部材101の回転モーメントが増加すると、第1開位置側への側面カバー部材65の回動移動を規制する作用が更に高まる。
【0086】
次に、ストッパ部材101が図9に示す第2位置に配置されて起立状態になっているときに、トナーカートリッジ5の交換処理等のために、側面カバー部材65が第1開位置に回動移動される場合について説明する。
【0087】
側面カバー部材65が装置本体Mの内部を露出させる第1開位置に回動移動させられると、それに伴い、図11に示すように、上部カバー部材110は、第3回動軸J3を支点として第2開位置に回動移動して、装置本体Mの内部を露出させる。また、上部カバー部材110が第2開位置へ回動移動すると、上部カバー部材110の先端110bに第2回動軸J2を介して連結されるストッパ部材101は、第2位置よりも更に横臥位置から反対側に回動移動した第3位置に配置される。
即ち、側面カバー部材65を第1開位置に回動移動させて、装置本体Mの内部を露出させるときには、上部カバー部材110及びストッパ部材101は上方に待避して、装置本体M内の露出部分、開口の間口などが広げられる。
【0088】
また、第3位置に回動移動したストッパ部材101は、自由端101bが第1回動軸J1よりも垂直方向Zにおいて上側に位置しており、装置本体Mの前側に向かって上り勾配となる傾斜状態に配置される。
【0089】
以上の構成を有する本実施形態のコピー機1によれば、例えば以下の効果が奏される。
本実施形態においては、ケース体Cは、ストッパ部材101における第1面102に形成され、ストッパ部材101が第2位置にある場合、第1閉位置にある側面カバー部材65の第2集積面72に当接して側面カバー部材65における第1開位置側への回動移動を規制する第1規制部104を有する。
【0090】
そのため、本実施形態によれば、側面カバー部材65が第1閉位置に位置している場合に、ストッパ部材101が第2位置に配置されて、排紙集積部M1に集積される用紙Tの落下を抑制するときには、ストッパ部材101に形成された第1規制部104が側面カバー部材65の上部端面65aである第2集積面72に接触する。そして、第1規制部104が、側面カバー部材65の開位置側への回動移動を規制する力を第2集積面72に付与する。
【0091】
しかも、第1規制部104が第1開位置側への側面カバー部材65の回動移動を規制する力は、ストッパ部材101の回転モーメントである。そのため、排紙集積部M1に集積された用紙Tの重量がストッパ部材101に作用するときには、ストッパ部材101の回転モーメントが増加し、側面カバー部材65の第1開位置側への回動移動を規制する第1規制部104の作用が更に高まる。
【0092】
従って、排紙集積部M1に集積された用紙Tの重量がストッパ部材101に作用しても、その重量が側面カバー部材65を第1開位置側へ回動させる方向に伝達されることはなく、側面カバー部材65がユーザの意図しないタイミングで開いてしまうという問題の発生を抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、ストッパ部材101の第1面102に形成された第1規制部104は、ストッパ部材101の自由端101b側に延びる第1傾斜部104aと、第2回動軸J2側に配置される第2傾斜部104bとを備えている。また、ストッパ部材101において、基端101aと第2傾斜部104bとの傾斜が異なっている。そのため、第1規制部104は、ストッパ部材101の基端101a側から自由端101b側に比較的長く延びた凸状となっている。そのため、第1規制部104は、ストッパ部材101の長手方向の剛性を向上させる補強リブとして有用に機能する。従って、ストッパ部材101の強度確保が容易になり、薄肉化等による軽量化が図り易くなる。
【0094】
また、本実施形態によれば、側面カバー部材65の開位置側への回動移動を規制する第1規制部104の第2傾斜部104bは、側面カバー部材65の第2集積面72に面接触して当接する。そのため、第2傾斜部104bが第2集積面72に作用させる規制力が、例えば第2集積面72上の一点に集中的に作用することがない。従って、第2傾斜部104bからの規制力により、第2集積面72が傷付きにくい。
【0095】
また、本実施形態によれば、ストッパ部材101が第2位置に配置されて図9に示す起立状態になっているときに、トナーカートリッジ5の交換処理等のために、側面カバー部材65が開位置に回動移動されると、それに伴い、上部カバー部材110は図11に示すように、第3回動軸J3を支点として第2開位置に回動移動して、装置本体Mの内部を露出させる。また、ストッパ部材101は、第2位置よりも更に横臥位置から反対側に回動移動した第3位置に配置される。
【0096】
即ち、側面カバー部材65を開位置に回動移動させて、装置本体Mの内部を露出させるときには、上部カバー部材110やストッパ部材101が上方に待避して、装置本体M内の露出部分、開口の間口が広げられる。
そのため、上部カバー部材110やストッパ部材101が、トナーカートリッジ5の交換処理等の邪魔になりにくく、メンテナンス性を向上させることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、第3位置に回動移動したストッパ部材101は、自由端101bが第2回動軸J2よりも垂直方向Zの上側に位置しており、装置本体Mの前側に向かって上り勾配となる傾斜状態に配置される。そのため、集積している用紙Tの先端が垂れにくく、集積している用紙Tの落下防止作用を安定的に維持することができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、第3位置に回動移動したストッパ部材101は、ストッパ部材101の上方に配置されている読み取り部201における垂直方向Zの下面221に沿うように配置される。言い換えると、第3位置に回動移動したストッパ部材101は、読み取り部201における垂直方向Zの下面221に対して、略平行な配置となっている。これにより、ストッパ部材101の読み取り部201側への待避により、ストッパ部材101の下方側により大きな開放空間が確保される。その結果、トナーカートリッジ5の交換処理等の作業が更に実施し易くなり、メンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0099】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、ストッパ部材101は、上部カバー部材110を介して間接的にケース本体C1に連結されている。しかし、上部カバー部材110を有していない形態の場合には、ストッパ部材101をケース本体C1に直接的に連結する構成にしてもよい。
また、本実施形態において、トナーカートリッジ5を交換するために側面カバー部材65を閉状態から開状態に回動移動させているが、これに限定されず、他の内部部材や内部ユニット等を交換するために側面カバー部材65を開状態に回動移動させるように構成されていてもよい。
【0100】
本実施形態において、画像形成装置としてコピー機1について説明しているが、これに限定されず、カラーコピー機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1……コピー機(画像形成装置)、50……排紙部(排出部)、65……側面カバー部材、65a……上側端面、71……第1集積面、72……第2集積面、73……集積面、101……ストッパ部材、101b……自由端、102……第1面、103……第2面、104……第1規制部、104a……第1傾斜部、104b……第2傾斜部、110……上部カバー部材、110a……基端(他端)、110b……先端(一端)、112……第2規制部、200……画像読取装置、201……読み取り部、221……下面(下側の面)、C……ケース体、C1……ケース本体、GK……画像形成部、M……装置本体(筐体)、M1……排紙集積部(集積部)、T……用紙(被転写材)、J1……第1回動軸、J2……第2回動軸、J3……第3回動軸、Z……垂直方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されシート状の被転写材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された前記被転写材を前記筐体の内部から外部に排出する排出部と、
前記排出部から排出された前記被転写材が集積される集積部と、
前記筐体の外形を構成するケース体であって、
ケース本体と、
前記ケース本体における垂直方向下側に配置される第1回動軸により前記筐体の内部を露出させない第1閉位置と前記内部を露出させる第1開位置とに回動可能に前記ケース本体と連結される側面カバー部材と、
前記ケース本体に形成され、前記集積部の一部を構成する第1集積面と、
前記側面カバー部材に形成され、前記側面カバー部材が前記第1閉位置にある場合に前記第1集積面と連続して前記集積部を構成する第2集積面と、
前記ケース本体に直接的又は間接的に配置される第2回動軸を中心に横臥した第1位置と起立した第2位置とに前記ケース本体に回動移動可能に連結され、前記第1位置にある場合に前記第1集積面と連続して前記集積部の一部を構成する第1面と、前記第2位置にある場合に前記集積部に集積された前記被転写材の移動を規制する第2面とを有するストッパ部材と、
前記ストッパ部材における前記第1面に形成され、前記ストッパ部材が前記第2位置にある場合、前記第1閉位置にある前記側面カバー部材の前記第2集積面に当接して前記側面カバー部材における第1開位置側への回動移動を規制する第1規制部と、を有するケース体と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1規制部は、凸状であって、自由端側に形成される第1傾斜部と、前記第2回動軸側に形成され前記第1傾斜部よりも傾きが大きい第2傾斜部とを備える
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2傾斜部は、前記ストッパ部材が前記第2位置にある場合、前記側面カバー部材における前記第2集積面に面接触して当接される
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ケース体は、
一端側に配置される前記第2回動軸により前記ストッパ部材を回動可能に連結させると共に、他端側が第3回動軸により前記筐体における内部を露出させない第2閉位置と前記内部を露出させる第2開位置とに回動可能に前記ケース本体と連結される上面カバー部材と、を備える
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記上面カバー部材は、前記ストッパ部材が前記第2位置よりも更に前記第1位置と反対方向へ回動移動した第3位置にある前記ストッパ部材の前記第1規制部に当接して、前記ストッパ部材における前記第1位置と反対方向への更なる回動移動を規制する第2規制部と、を備える
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ストッパ部材は、前記第2規制部により前記第1規制部が当接された状態において、該ストッパ部材における自由端が垂直方向において前記第2回動軸よりも上側に位置するよう配置される
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記集積部における垂直方向上側に配置され垂直方向下側の面により前記集積部における上面を形成する読み取り部と、を更に備え、
前記第2規制部により前記第1規制部が当接された状態にある場合、
前記ストッパ部材は、前記読み取り部における前記垂直方向下側の面に沿うように配置される
請求項5又は6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−75891(P2011−75891A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228011(P2009−228011)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】