説明

画像形成装置

【課題】画像形成部の筐体の側板の狭い範囲に力がかかるのを抑制しつつ、画像読取部を支持する支持体を側板に固定し、より簡単な構成で画像読取部を画像形成部の上面に片持状で間隔を持って配置する。
【解決手段】第一支柱500は、第一支持部502が側板402に固定され、水平方向に延びた第二支持部504が側板402に固定されている箱部410に固定されている。よって、箱部410も第一支柱500と一体となって、画像読取部200を支持している。したがって、第一支持部502及び第二支持部504で構成する三角形領域と箱部410の四角領域との広い領域で画像読取部200を支えるので、第一支柱500を側板402に固定しても、側板402に歪が生じにくい。よって、第一支柱500を側板402に固定しても、画像形成部100の筐体400の歪みに起因する画像の品質の低下が生じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙給紙ユニットの上面に画像形成ユニットが搭載され、この画像形成ユニットの上方に画像読取ユニットを配置した画像形成装置がある。そして、用紙給紙ユニットの背面に画像読取ユニットを支持する支持体を固定する構成が提案されている。
【0003】
このような構成とすることで、画像形成ユニット及び用紙給紙ユニットの移動に伴い、支持体に支持された画像読取ユニットも一体となって移動することができる。また、用紙給紙ユニットは、画像形成装置の最下部に位置しており、更に、内部に用紙を収容するので、画像読取ユニットに比較して十分に重い。よって、支持体を介して画像読取ユニットは安定した状態となる。更に、支持体には画像形成ユニット及び用紙給紙ユニットの重量は作用しないので、支持体は画像読取ユニットの重量のみを支持する強度を備えれば良い。よって、支持体の構造を単純にすることができる。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−203840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、より簡単な構成とするため、画像形成ユニットの筐体の側板に、特開2001−203840号公報のような柱状の連結部材を側板に固定すると、狭い範囲に力がかかるので、画像読取ユニットの重さで筐体の側板が歪み、例えば、画像形成ユニットで用紙上に形成された画像の品質が低下したり、用紙と用紙上に形成された画像の位置にずれが生じるなどの問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、画像形成部の筐体の側板の狭い範囲に力がかかるのを抑制しつつ、画像読取部を支持する支持体を側板に固定し、より簡単な構成で画像読取部を画像形成部の上面に片持状で間隔を持って配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、画像形成部の上面に対し間隔を持って配置されると共に、片持状に支持された画像読取部を有する画像形成装置であって、前記画像形成部の上面を構成し、前記画像形成部で画像が形成された記録紙が排紙される排紙トレイと、前記画像形成部の筐体と、前記筐体を構成し、一方側と他方側とに対向して設けられた一対の側板と、前記筐体を構成する一方側の前記側板に固定され、前記画像読取部を支持する第一支持体と、前記筐体を構成する他方側の前記側板に固定され、前記画像読取部を支持する第二支持体と、前記筐体を構成する一方側の前記側板に固定された駆動モータと、前記画像読取部の一方側に設けられ、原稿を読み取る読取バーを走査する走査駆動機構と、前記筐体を構成する一方側の前記側板に設けられた受部と、を有し、前記第一支持体は、前記筐体を構成する一方側の前記側板に固定され、前記画像読取部を支持する第一支持部と、前記第一支持部から前記片持状に支持された前記画像読取部と同方向に延び、前記受部に固定される第二支持部と、を備え、前記画像形成部の前記上面と前記画像読取部との間における前記第一支持体の水平断面の面積が、前記第二支持体の水平断面の面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、当該画像形成装置における一方側から他方側に向かう方向を幅方向とし、幅方向と直交する方向の一方を奥側とし、奥側と反対側を手前側とすると、前記第一支持体及び前記第二支持体は、前記側板の奥側に固定され、前記画像読取部は、前記第一支持体及び前記第二支持体とヒンジで連結され、幅方向を軸方向として、手前側が略水平状態から上方に回動可能に構成され、前記排紙トレイは、奥側に設けられた回転軸を中心に回動して手前側が開くように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記受部は、一方側の前記側板から立設する枠体とされ、前記枠体の上方に前記駆動モータが固定され、前記第一支持体を構成する前記第一支持部は前記筐体の一方側の前記側板における前記駆動モータの横側を上下方向に沿って配置されて前記側板に固定され、前記第二支持部は一方側の前記側板における前記駆動モータの下側に配置されて前記枠体の上端部に固定され支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、画像形成部の筐体の側板に画像読取部を支持する第一支持体を固定しても側板が歪みにくいので、画像形成部の筐体の側板の狭い範囲に力がかかるのを抑制しつつ、画像読取部を支持する第一支持体を側板に固定し、より簡単な構成で画像読取部を画像形成部の上面に片持状で間隔を持って配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1、図3に示すように、本発明の実施形態の画像形成装置の一例としてのデジタル複写機10は、画像形成部100の上面である排紙トレイ40に間隔を持って、片持状に画像読取部200が配置されている構成となっている。画像読取部200は、原稿を読み取り、デジタル画像データに変換する。画像形成部100は、画像読取部200で読み取られたデジタル画像データに基づいて、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)及びブラック(K)の各色トナーを用いて、公知の電子写真プロセスによって、記録紙Pにフルカラー画像を形成する。また、図3に示すユーザーが各種操作を行う操作パネル11側が正面側であり、反対側が奥側である。
【0011】
まず、画像読取部200について説明する。
【0012】
図2、図3に示すように、画像読取部200は、平面視すると略四角形状をし、奥側の二つの隅部が、画像形成部100の奥側隅部に立設する2本の第一支柱部300と第二支柱部302の上に取り付けられている。
【0013】
図2に示すように、画像読取部200の上部の押さえ板202は回動して開く。押さえ板202の下には、上面に原稿を載置するプラテンガラス等からなる透明な原稿台208が備えられている。また、押さえ板202の上部には、自動原稿送り装置206が設けられている。原稿台208の下方には原稿台208に載置された原稿を読み取るCCD等からなる読取バー210を備えている。読取バー210は、正面側から奥側に細長い。また、走査駆動機構212によって、矢印W方向に走査し、原稿台208に載置された原稿の画像を読み取る。
【0014】
また、図4と図5とに示すように、画像読取部200と突出部220、222とは、ヒンジ224、226(図12(A)参照)によって連結され、画像読取部200は、略水平状態(図4)と開いた状態(図5)とに回動する。そして、図5に示すように、この画像読取部200全体が回動して開くと、画像形成部100の正面側の上方から退避し、正面側の上方に空間ができる。
【0015】
図2に示すように、画像読取部200の側端部に沿って、側端部が底辺となる逆三角形状の垂下部204、205が形成されている。
【0016】
そして、図4に示すように、画像読取部200が略水平状態(閉じた状態)では、画像読取部200の隅部の下面200Aを第一支柱部300の上面300Aが受け、更に、垂下部204の側面部204Bを第一支柱部300の側面300Bが受ける構成となっている。なお、図示は省略するが、反対側の側面も、同様に、画像読取部200の隅部の下面200Aを第二支柱部302の上面302Aが受け、更に、垂下部205の側面部205Bを第二支柱部302の側面302Bが受ける構成となっている。
【0017】
つぎに、画像形成部100の構成の概要と記録紙Pにカラー画像の形成を行うプロセスの概要とを説明する。
【0018】
図1に示すように、画像形成部100の略中心に、感光体ドラム12が回転可能に配設されている。そして、画像形成部100の正面側(右側)に、回転式現像装置50が配設されている。
【0019】
感光体ドラム12は、矢印A方向に回転する。また、感光体ドラム12の表面は、感光体ドラム12の下側に配置された帯電器14によって、所定の電位に帯電された後、感光体ドラム12の下方に配置された光走査装置16から出射されたレーザビームLによって露光が行われ、前述した画像読取部200で読み取った原稿のデジタル画像データに基づいた潜像が形成される。
【0020】
感光体ドラム12の表面に形成された潜像は、回転式現像装置50の周方向に沿って配置され、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の現像器52Y,52M,52C,52Kによって現像され、所定の色のトナー像となる。なお、各現像機52Y,52M,52C,52Kは、交換可能なトーカートリッジ54Y,54M,54C,54Kを備えている。
【0021】
感光体ドラム12の表面に形成されたトナー像は、複数のロール18と転写ロール35とで張架され、矢印C方向に回転する中間転写ベルト30に1次転写される。なお、1次転写されずに感光体ドラム12の表面に残った未転写残留トナーは、感光体ドラムクリーニング装置20で除去される。
【0022】
なお、回転式現像装置50は、回転軸Kを中心に矢印B方向に回転し、形成する画像の色に対応する色の現像器52Y,52M,52C、52Kの現像ロール56Y,56M,56Y,56Kを、順次、現像位置Gに移動し、各色の現像を行う。
【0023】
そして、帯電・露光・現像・1次転写・感光体ドラムクリーニングの各工程が、形成する画像の色に応じて、所定の回数だけ繰り返される。このようにして、中間転写ベルト30には各色トナー像が多重転写され重ね合わされてフルカラー画像となる。
【0024】
一方、画像形成部100の下部には、記録紙Pが収容された給紙カセット22が配置されている。
【0025】
記録紙Pは、給紙ローラ24によって送り出され、レジストローラ33によって所定のタイミングで二次転写位置Tに送られ、中間転写ベルト30のフルカラートナー像が、2次転写ロール32と転写ロール35とによって、一括して記録紙Pに2次転写される。なお、2次転写されずに残った中間転写ベルト30の未転写残留トナーは、転写ベルトクリーニング装置37で除去される。
【0026】
フルカラートナー像が転写した記録紙Pは、奥側上部に配置された定着器36に送られる。定着器36は熱と圧力とで記録紙Pにフルカラートナー像を定着する。フルカラートナー像が定着した記録紙Pは、画像形成部100の上部の排紙トレイ40に排紙される。
【0027】
さて、図5に示すように、画像読取部200全体を回動させて、画像形成部100の正面側上方から退避させると、画像形成部100の正面側上方に空間ができる。そして、図11に示すように、排紙トレイ40を奥側端部の回動軸42を中心に回動して開き、トナーカートリッジ54が交換可能となる。なお、図11では、トナーカートリッジ54Yの交換を示しているが、その他のトナーカートリッジ54M,54C,54Kを交換する場合は、回転式現像装置50を回転させ、各現像器52を交換可能な位置に移動させることで、交換できる。
【0028】
つぎに、デジタル複写機10の画像読取部200の支持構造(フレーム構成)について説明する。また、図6,図7,図8等は画像形成部100の各種カバーを外した状態の図である。
【0029】
なお、以降の説明で、ビス99で固定する記述がある。この記述に対応する図において、図が煩雑で見にくくなるのを避けるため、ビス99(及びビス孔)の全ては図示せずに、代表的ないくつかのビス99(及びビス孔)のみを図示し、その他のビス99は省略して図示している。
【0030】
図6と図7とに示すように、画像形成部100の筐体400は、板金からなる対向する側板402,404と、対向する側板402,404の間に架設された複数の橋架板406とで構成されている。
【0031】
一方の側板402には、四つの側辺部412と底面部414とで構成された箱形状の箱部410が固定されている。なお、箱部410の底面部414と側板402とが重ね合さるようにビス99で固定されている。よって、側辺部412は側板402から立設する構成となる。なお、この箱部410の中に電源回路基板(図示略)が取り付けられる。また、電源回路基板は、図4に示す側板402を覆う筐体カバー102から着脱可能な電源カバー104を取り外すことで、客先でも容易に交換可能となっている。
【0032】
図6と図7とに示すように、箱部410の上方には、駆動モータ420が固定される。また、側板402の裏側(筐体400の内部)には、駆動モータ420によって、駆動力が伝達される複数のギアからなるギア機構(図示略)が固定される。
【0033】
更に、側板402には、複数の板金を折り曲げ接合して形成された第一支柱500が固定されている。第一支柱500は、第一支持部502とこの第一支持部502の下部から水平方向(画像読取部20と同方向)に延びる第二支持部504とから構成され、全体として略L字状をしている。第一支持部502は、上部が開口した中空の四角柱形状の第一箱部506と、第一箱部506の下部に設けられ第一箱部506より細い中空の四角柱形状の第二箱部508と、で構成されている。なお、第一箱部506、及び第二箱部508とも上下方向が長手方向(軸方向)である。第二支持部504は板状をし、第二箱部508の下部から水平方向に延びている。
【0034】
第一支持部502は側板402にビス99で固定されている。第二支持部504は、箱部410の上面となる側辺部412Aに重ね合わせ、ビス99で固定されている。また、第二支持部504は、駆動モータ420と干渉しないように避けて固定されている。
【0035】
他方の側板404には、第二支柱600がビス99で固定されている。なお、側板404には、一方の側板402のように、箱部410や駆動モータ420が固定されていないので、第二支柱600は側板404の下部まで真っ直ぐ延びている。
【0036】
図9に示すように、第二支柱600は、二枚の曲げ加工を施された板金602と板金604とを重ね合わせてビス99で固定し、中空の略四角柱形状としている。また、上部は二つの部屋部610,612に分割されている。また、図9(C)に示すように、一方の板金604の端辺部604Aを曲げ、他方の板金602とで中空の四角柱形状の角柱部614を形成している。なお、第二支柱600、及び角柱部614とも上下方向が長手方向軸方向)である。
【0037】
図10示すように、第一支柱500の第一支持部502の水平断面は、第二支柱600の水平断面より大きい(太い)。なお、前後方向(図10の上下方向)の幅は略同じであるが、左右方向が幅広となっている。本実施形態では、第一支柱500の第一支持部502の幅W1は、第二支柱600の幅W2の約二倍となっている。
【0038】
図8と図12(A)とに示すように、第一支柱500の上部の開口506Aと第二支柱600の上部の開口610Aから、画像読取部200の奥側の隅部から下方に向かって突出した二本の突出部220、222(図12(A)参照)を挿入して、第一箱部506、第一部屋部610に嵌め、ビス99で固定する。よって、第一支柱500と第二支柱600とが、画像読取部200を片持状に支持する構成となる。
【0039】
なお、画像読取部200は、重い原稿台208,走査駆動機構212,自動原稿送り装置206(図2参照)等を支えるために強固に作られているうえに、更に、内部には二本の突出部220、222(図12(A)参照)の間(第一支柱500と第二支柱600との間)に、梁や板金などの強度部材を架橋している。よって、このように二つの隅部で第一支柱500と第二支柱600とで片持状に支持されても撓まない。
【0040】
更に、図3、図4に示すように、画像形成部100と画像読取部200との間の側面部分は、垂下部204、205と第一支柱部300、第二支柱部302以外は、あいている。(図3、図4の点線で囲むR部分)。したがって、デザイン的に優れた構成となっている。
【0041】
また、図2と図3とに示すように、前述した、自動原稿送り装置206及び読取バー210を走査させる走査駆動機構212は、いずれも側板402側に配置されている。よって、図3に示すように、正面から見ると画像読取部200の重心位置Y2は、中心線Y1より側板402側にある。
【0042】
前述したように、ヒンジ224、226(図12(A)参照)によって、図4と図5とに示すように、画像読取部200が回動して開く。
【0043】
図12に示すように、第一支柱500の内部には、前述した箱部410に取り付けられる電源回路基板(図示略)と画像読取部200とを繋ぐ電線530が通る。
【0044】
更に、図13に示すように、第一支柱500の内部には、検知スイッチ550が取り付けられている。この検知スイッチ550は、画像形成部100の奥側上部に配置された定着器36(図1参照)の外側に設けられる開閉カバー552の開閉を検知する。具体的には、図14に示すように、開閉カバー552に形成された突起部554が、開閉カバー552の開閉に伴い検知スイッチ550をオン・オフすることで検知する構成となっている。なお、開閉カバー552を開くと(図14の状態)、電源がオフする。
【0045】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0046】
図15に模式的に示すように、第一支持部502が側板402に固定され、略水平方向に延びた第二支持部504が、側板402に固定されている箱部410に固定されている。よって、箱部410も第一支柱500と一体となって、画像読取部200を支持している。(箱部410も画像読取部200を支持する構成部品となっている)。よって、第一支持部502、及び第二支持部504で構成する三角形領域S1と箱部410の四角領域S2との広い領域Sで画像読取部200を支えるので、第一支柱500を側板402に固定しても、側板402に歪みが生じにくい。よって、第一支柱500を側板402に固定しても、画像形成部100の筐体400の歪みに起因する画像の品質の低下が生じない。
【0047】
また、図2に示すように、第一支柱500は、画像読取部200の奥側の隅部を支えているので、隅部を中心に画像読取部200は正面側に倒れようとする力がかかる。しかし、図15に示すように、水平方向に延びた第二支持部504を、箱部410の上面となる側辺部412Aが受ける構成となっている。よって、第一支柱500が正面側(図15では右側)に倒れようとする力を(画像読取部200が正面側に倒れようとしても)支えることができる。更に、画像読取部200の正面側端部200Aを下方に押す力がかかっても、容易に第一支柱500は倒れない。また、上述したように、側板402も歪みにくい。
【0048】
更に、このように第一支柱500は、側板402に強固に固定される構成となっているので、第一支柱500と第二支柱600とを架設する梁が必要ない。
【0049】
また、第一支柱500を側板402に強固に固定し、画像読取部200の加重のほとんどを支えている。このため、第二支柱600は、第一支柱500ほど強固に固定しなくても良い。したがって、図6に示すように、第二支柱600は第一支柱500のように第二支持部504を備えていなくても問題は生じない。つまり、第二支柱600は、任意の形状にできるので、設計の自由度が高い。
【0050】
また、第一支柱500の第一支持部502、第二支柱600ともに、上下方向が軸方向である中空の筒形状(四角柱形状)になっている。よって、画像読取部200の加重に対して、より強く支えることができる。
【0051】
更に、図3に示すように、画像読取部200の重心位置Y2は側板402側に偏っている。また、図7に示すように、振動を発する駆動モータ420が側板402に取り付けられている。したがって、図10に示すように、側板402に第一支柱500を固定するとともに、第一支持部502の断面を大きくすることで、このような加重と振動とに対応している。なお、第二支柱600は第一支柱500より受ける加重と振動が少なく、また、図9(C)に示すように、一方の板金604の端辺部604Aを曲げて、他方の板金602とで中空の四角柱形状の角柱部614を形成し、強度を向上させているので、断面を細くしても問題は生じない。つまり、設計の自由度が大きい。
【0052】
また、画像形成部100の筐体400の側板402に第一支柱500と第二支柱600とをビス99で固定し、そして、第一支柱500の上部の開口506Aと第二支柱600の上部の開口610Aから、画像読取部200の奥側の隅部から下方に向かって突出した二本の突出部220、222を挿入して嵌め、ビス99で固定することで、容易に組み立てられる。
【0053】
また、画像形成部100の筐体400をそのまま使用して、画像読取部200を取り付けられる。よって、低コストでデジタル複写機10を製造できる。
【0054】
換言すると、画像読取部200、及び第一支柱500,第二支柱600を取り付けないで画像形成部100単体をプリンターとして製品とすることも容易であるし、本実施形態のように画像形成部100に画像読取部200を取り付けてデジタル複写機10にも容易に拡張できる。
【0055】
また、いずれもビス99で固定しているので、容易に着脱可能(分解可能)である。よって、修理やメンテナンスの際に好適である。
【0056】
また、図12に示すように、第一支柱500の内部に電線530が通るとともに、図13に示すように、第一支柱500の内部に検知スイッチ550が取り付けられている。よって、検知スイッチ550の取り付けスペースや電線530の取りまわしスペースが別途必要ない。つまり、省スペース化されている。また、電線530が露出していなので、外観上も好ましい。
【0057】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されない。
【0058】
例えば、上記実施形態の画像形成部100の構成に限定されない。公知の電子写真方式を利用したその他の構成の画像形成部であっても良い。あるいは、電子写真方式以外の画像形成方式、例えば、ノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドで画像形成を行う公知のインクジェット記録方式を利用した画像形成部であっても良い。
【0059】
また、第二支柱600も第一支柱500と同様の構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタル複写機を模式的に示す図である。
【図2】デジタル複写機の画像読取部の押さえ板が開いた状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】デジタル複写機を正面から見た図である。
【図4】デジタル複写機を側面から見た図である。
【図5】デジタル複写機の画像読取部を回動させて開いた状態の側面図である。
【図6】デジタル複写機のフレーム構成を示す分解図である。
【図7】デジタル複写機のフレーム構成を示す図である。
【図8】第一支柱と第二支柱とに画像読取部を取り付ける図である。
【図9】第二支柱を示し、(A)は二枚の板金を接合する前の状態を示し、(B)は二枚の板金の接合後を示し、(C)は(B)のC−C断面の断面図である。
【図10】第一支柱の第一支持部、及び第二支柱の断面の大きさの違いを示す模式図である。
【図11】デジタル複写機の画像読取部を回動させて開いた状態において、排紙トレイを開き、トナーカートリッジを交換する様子を模式的に示す図である。
【図12】第一支柱と第二支柱とに画像読取部を取り付ける様子を示し、(A)は斜め後方から見た図であり、(B)は(A)の四角部分の拡大図である。
【図13】(A)は画像読取部が取り付けられていない状態を示した図であり、(B)は(A)の四角部分の拡大図である。
【図14】定着器の開閉カバーを開いた状態を示す図である。
【図15】デジタル複写機のフレーム構成を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 画像形成装置
40 排紙トレイ(画像形成部の上面)
99 ビス
100 画像形成部
200 画像読取部
400 筐体
402 側板(一方側の側板)
404 側板(他方側の側板)
410 箱部(枠体)
420 駆動モータ(駆動機構)
500 第一支柱(第一支持体)
502 第一支持部
504 第二支持部
530 電線
550 検知スイッチ(インターロック機構)
600 第二支柱(第二支持体)
602 板金
604 板金
614 角柱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部の上面に対し間隔を持って配置されると共に、片持状に支持された画像読取部を有する画像形成装置であって、
前記画像形成部の上面を構成し、前記画像形成部で画像が形成された記録紙が排紙される排紙トレイと、
前記画像形成部の筐体と、
前記筐体を構成し、一方側と他方側とに対向して設けられた一対の側板と、
前記筐体を構成する一方側の前記側板に固定され、前記画像読取部を支持する第一支持体と、
前記筐体を構成する他方側の前記側板に固定され、前記画像読取部を支持する第二支持体と、
前記筐体を構成する一方側の前記側板に固定された駆動モータと、
前記画像読取部の一方側に設けられ、原稿を読み取る読取バーを走査する走査駆動機構と、
前記筐体を構成する一方側の前記側板に設けられた受部と、
を有し、
前記第一支持体は、
前記筐体を構成する一方側の前記側板に固定され、前記画像読取部を支持する第一支持部と、
前記第一支持部から前記片持状に支持された前記画像読取部と同方向に延び、前記受部に固定される第二支持部と、
を備え、
前記画像形成部の前記上面と前記画像読取部との間における前記第一支持体の水平断面の面積が、前記第二支持体の水平断面の面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
当該画像形成装置における一方側から他方側に向かう方向を幅方向とし、幅方向と直交する方向の一方を奥側とし、奥側と反対側を手前側とすると、
前記第一支持体及び前記第二支持体は、前記側板の奥側に固定され、
前記画像読取部は、前記第一支持体及び前記第二支持体とヒンジで連結され、幅方向を軸方向として、手前側が略水平状態から上方に回動可能に構成され、
前記排紙トレイは、奥側に設けられた回転軸を中心に回動して手前側が開くように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記受部は、一方側の前記側板から立設する枠体とされ、
前記枠体の上方に前記駆動モータが固定され、
前記第一支持体を構成する前記第一支持部は前記筐体の一方側の前記側板における前記駆動モータの横側を上下方向に沿って配置されて前記側板に固定され、前記第二支持部は一方側の前記側板における前記駆動モータの下側に配置されて前記枠体の上端部に固定され支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−8300(P2011−8300A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228446(P2010−228446)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【分割の表示】特願2005−37597(P2005−37597)の分割
【原出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】