説明

画像形成装置

【課題】組み立て精度を向上させることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体(用紙P)に画像を形成するために必要な機能を分割して備える複数のユニットとして、発光ダイオードを光源として感光体の表面を露光する露光ユニット(U300)と、感光体(感光体ドラム28)を備える感光体ユニット(U61)と、露光ユニットによって感光体に形成される静電潜像に基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成ユニット(U70)と、記録媒体の供給および搬送を行う給紙搬送ユニット(紙送りユニットU2)とを少なくとも含み、当該複数のユニットを相互に位置決めさせて連結させることによってのみ構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式等を採用する画像形成装置においては、画像情報に基づく光を感光体に照射することにより静電潜像を形成する手段として、複数の発光ダイオード(LED)等の発光素子を感光体の軸方向に沿う方向(主走査方向)に列状に配置し、その各発光素子から出射される光を収束用のレンズ等の光学素子を通して感光体の表面に照射して潜像の書き込みを行う光書込み装置を採用するものがある。
【0003】
このような光書込み装置を採用する画像形成装置は種々提案されている。
【0004】
例えば、実開平5−15051号公報には、感光体ドラムを回動自在に架設するサイドフレームに、LEDアレイを取り付けた構造の画像形成装置が開示されている。
【0005】
この画像形成装置では、感光体ドラムの取り付けは、その両端部におけるフランジに形成された中心孔に、サイドフレームに設けられた支持軸を通すことで支持するか、あるいは、ドラムの両端部の露出面外周をサイドフレームに設けた摺動孔に支持することで行われている。
【0006】
ところで、従来においては、前述の光書込み装置、トナー等を用いて画像を現像する現像装置、画像を印刷用紙に定着させる定着装置等を筐体内に設けられるフレームに固定して画像形成装置を構成している。
【0007】
このようにフレームによって各装置の位置決めを行う構成では、各装置の取り付けにおける累積公差が大きくなるという不都合があった。
【0008】
一方で、画像形成装置の価格競争の激化等により、各装置をユニット化して部品点数を減らし、コスト低減を図りたいという要望もある。
【0009】
フレームにユニットを組み込んで構成する画像形成装置に関する技術は種々提案されている。
【0010】
例えば、特開平9−43929号公報には、給紙ユニットと画像処理ユニットと定着排出部とを下方からこの順にほぼ縦型に配置した画像処理搬送ユニットと、基盤の一端両側に立設した断面略コ字状のユニット保持部および他端に柱状体が一体形成された樹脂フレームとで画像処理ユニットの現像ユニットを保持し、樹脂フレームの上端部に露光光学ユニットを取付け、露光光学ユニットの第2反射手段が走査しない領域部分に画像処理搬送ユニットの最上部が来るように配置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開平5−15051号公報
【特許文献2】特開平9−43929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、組み立て精度を向上させることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成するために必要な機能を分割して備える複数の組立体として、予め設定された電位に帯電される感光体を備える感光体組立体と、発光ダイオードを光源として前記感光体の表面を露光する露光組立体と、前記露光組立体によって前記感光体に形成される静電潜像に基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成組立体と、前記記録媒体の供給および搬送を行う給紙搬送組立体とを少なくとも含み、当該複数の組立体は、枠体を用いることなく相互に位置決めして連結されることを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明に係る画像形成装置は、請求項1に記載の発明について、少なくとも前記露光組立体は、他の組立体との連結により着脱不能な状態で保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0016】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、枠体(フレーム)を用いることなく相互に位置決めし累積公差を低減して組み立て精度を向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、少なくとも露光組立体を着脱不能な状態で保持される構成とし、剛性を確保することのできる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置PR1の組立工程の例を示す説明図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置PR1の組立工程の例の続きを示す説明図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置PR1に用いられる像形成ユニットU10の組立工程の例を示す説明図である。
【図4】実施の形態に係る画像形成装置PR1の組立工程の他の例を示す説明図である。
【図5】実施の形態に係る画像形成装置PR1の組立工程の他の例を示す説明図である。
【図6】実施の形態に係る画像形成装置PR1の構成の概略を示す概略構成図である。
【図7】実施の形態に係る画像形成装置PR1の外観を示す斜視図である。
【図8】実施の形態に係る画像形成装置PR1に用いられる像形成ユニットU10の構成の概略を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0020】
図1から図8を参照して、本発明についての実施の形態に係る画像形成装置PR1について説明する。
【0021】
まず、図1および図2を参照して、画像形成装置PR1の組立工程について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態では、組立体をユニット、枠体をフレームと呼称する。
【0023】
図1に示すように、組立工程が開始されると、まず、ステップS1において、用紙を送る機構がユニット化された紙送りユニット(給紙搬送ユニットの一例)U2が画像形成装置PR1の前部を構成する前部ユニットU1に、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0024】
次いで、ステップS10において、感光体ドラム等を備える像形成ユニットU10にギア等の駆動機構をユニット化したドライブユニットU20、U21が取り付けられる。
【0025】
続いてステップS11では、低圧電源、高圧電源、電源コントローラ等をユニット化した電源ユニットU30が像形成ユニットU10に取り付けられる。
【0026】
次いで、ステップS2において、ステップS10S、11で各種ユニットが取り付けられた像形成ユニットU10が紙送りユニットU2の上方に、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0027】
ステップS3では、ステップS2で組み立てられたユニットの集合体の上方にトナー供給の制御ユニットU40が、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0028】
次いで、ステップS4において、ステップS3で組み立てられたユニットの集合体に、ギア等の駆動機構をユニット化したドライブユニットU50、U51、U52が取り付けられる。
【0029】
続いて、図2に示すステップS5では、ステップS4で組み立てられたユニットの集合体に、電源回路ユニットと露光装置のインターフェースボードが取り付けられる。
【0030】
次いで、ステップS6では、ステップS5で組み立てられたユニットの集合体に、印刷用紙への定着を行う加熱定着ユニットU60および排熱の排出を行うファンユニットU200が取り付けられる。
【0031】
ステップS7では、ステップS5で組み立てられたユニットの集合体を覆うカバー類が取り付けられて画像形成装置PR1の組み立てが完了する。
【0032】
ステップS8では、4色のトナーカートリッジT1Y、T1M、T1C、T1Kが、画像形成装置PR1のトナーカートリッジ収容部に差し込まれて同梱されて、出荷状態とされる。
【0033】
このように、本発明に係る画像形成装置PR1によれば、フレームを用いることなく、複数のユニットを相互に位置決めして組み立てているので、フレームに各種装置を取り付けていた場合に比べて累積公差を低減して組み立て精度が向上される。
【0034】
また、印刷用紙(記録媒体の一例)に画像を形成するために必要な機能を分割して複数のユニットとしているので、部品点数が低減されコストが低廉化される。
【0035】
次に、図3を参照して、前出の像形成ユニットU10の組立工程について説明する。
【0036】
図3に示すように、組立工程が開始されると、まず、ステップS20で、感光体ドラムを備える感光体ユニットU61に、発光ダイオード(LED)を光源として感光体ドラムの表面を露光する露光ユニットU300が、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0037】
なお、露光ユニットU300は、感光体ユニットU61との連結により着脱不能な状態で保持され、剛性が確保される。
【0038】
次いで、ステップS21では、ステップS20で組み立てられたユニットの集合体に、トナーを用いて現像を行う現像ユニットU62が、相互に位置決めされて取り付けられて画像形成ユニットU70が形成される。
【0039】
ステップS22では、上述のようにして形成された画像形成ユニットU70を4色(YMCK)に対応させて4つ並列状態で組み合わせて、YMCK対応画像形成ユニットU80が形成される。
【0040】
次いで、ステップS23では、ステップS22で形成されたYMCK対応画像形成ユニットU80に、画像の転写を行う転写ユニットU63が、相互に位置決めされて取り付けられて像形成ユニットU10が組み立てられる。
【0041】
ここで、上述の露光ユニットU300は、感光体ユニットU61等との連結により着脱不能な状態で保持され、剛性が確保される。
【0042】
なお、像形成ユニットU10を設計する際には、感光体ドラム28Y、28M、28C、28K(後述の図6、図8参照)、現像ユニットU62(70Y、70M、70C、70K:後述の図6、図8参照)などの主要部品の寿命と、画像形成装置PR1の本体の寿命とを実質的に合わせ、定期的に部品交換しない構成にするとよい。
【0043】
例えば5万枚の印刷を行ったら主用部品及び画像形成装置本体の寿命が尽きるような仕様にする。なお、非定期的な部品修理が必要な場合(例えば誤って部品に傷を付けた場合)を想定して部品交換される構成にする。
【0044】
次に、図4を参照して、画像形成装置PR1の装置本体M2の他の組立工程について説明する。
【0045】
まず、感光体ユニットU61で感光体の支軸を抜いたものを現像ユニットU62と、連結軸と連結孔(図示せず)とで連結したのち、図示しないラッチ構造で仮止めする。
【0046】
そして、転写ユニットU63を画像形成ユニットU70に上側から連結させる。
【0047】
次いで、感光体の支軸を感光体、中ハウジングの貫通孔部及び上ハウジングの貫通孔部に挿通させる。
【0048】
像形成ユニットU10を組み立てた後には、さらに紙送りユニットU2に組み付けて、機構部M1が構成される。
【0049】
さらに、機構部M1に、加熱定着ユニットU60、ファンユニットU200等が、相互に位置決めされて取り付けられて、画像形成装置PR1の本体M2が組み立てられる。
【0050】
この後、前出の図2のステップS7、S8の組立工程を経て、画像形成装置PR1が完成される。
【0051】
なお、像形成ユニットU10を組み立てる際に、引張コイルバネをそれぞれ現像ロール78Y、78M、78C、78K(図8参照)の支軸とフック部(図示せず)とに係止させるようにしてもよい。
【0052】
これにより、引張コイルバネの付勢力によって現像ユニットU62と転写ユニットU63とで感光体ユニットU61を挟んで保持する像形成ユニットU10が形成される。
【0053】
また、各感光体28Y、28M、28C、28K(図8参照)に対する各現像ロール78Y、78M、78C、78K(図8参照)の位置決めと、上ハウジングに現像ユニットU62(70Y、70M、70C、70K:図8参照)を保持させることとが同時に行われることになる。
【0054】
これにより、良好な組立性を有し、構造が簡単な像形成ユニットU10が組み立てられる。また、弾性体として引張コイルバネを用いる場合には、装置の構造がさらに簡単となる。
【0055】
次に、図5を参照して、画像形成装置PR1の装置本体M3の他の組立工程について簡単に説明する。
【0056】
図5に示すように、組立工程が開始されると、まず、像形成ユニットU10の側方からトナー供給ユニットU40が、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0057】
その後、トナー供給ユニットU40に対して、4色(YMCK)に対応したトナーカートリッジT2が、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0058】
また、像形成ユニットU10には、二次転写ユニットU101が、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0059】
また、シャフト500が挿通された転写ユニットU63が、YMCK対応画像形成ユニットU80の上方に、相互に位置決めされて取り付けられる。
【0060】
そして、前記トナー供給ユニットU40が取り付けられた側とは反対の側方から、上述の転写ユニットU63とYMCK対応画像形成ユニットU80の集合体が、相互に位置決めされて取り付けられて、画像形成装置PR1の装置本体M3が組み立てられる。
【0061】
この後、前出の図2のステップS7、S8の組立工程を経て、画像形成装置PR1が完成される。
【0062】
以上述べたように、本発明に係る画像形成装置PR1は、フレームを用いることなく、複数のユニットを相互に位置決めして組み立てられるので、フレームに各種装置を取り付けていた場合に比べて累積公差を低減して組み立て精度が向上される。
【0063】
また、印刷用紙(記録媒体の一例)に画像を形成するために必要な機能を分割して複数のユニットとしているので、部品点数が低減されコストが低廉化される。
【0064】
本発明者の試算によれば、従来に比して、部品点数が約22%低減され、コスト(製造原価)が約33%低減された。
【0065】
次に、図6〜図8を参照して、上述のような組立工程で組み立てられた画像形成装置PR1の構成の概要について説明する。
【0066】
図6には、組み立て後の画像形成装置PR1が示されている。
【0067】
画像形成装置PR1は、カラー画像または白黒画像を形成するデジタルプリンタであり、内部に画像処理装置(図示省略)が設けられている。
【0068】
画像形成装置PR1は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに画像処理を施すようになっている。
【0069】
図7に示すように、画像形成装置PR1内部の側方部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが取付けられている。
【0070】
そして、画像形成装置PR1の内部の側方部には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kをそれぞれ着脱自在に収容するカートリッジ収容部8Y、8M、8C、8Kが、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの寸法に応じて形成されている。
【0071】
この構成により、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kがプリンタ本体に着脱自在に設けられている。
【0072】
なお、以後の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(黒)の各色に対応する部材の符号にY、M、C、Kを付与して区別する。
【0073】
また、図6に示すように、画像形成装置PR1内部の中央には、Y、M、C、Kの現像剤に対応する4つの画像形成ユニットU70(12Y、12M、12C、12K)が配置されている。
【0074】
現像剤は、例えば非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合されたものである。
【0075】
各画像形成ユニットU70(12Y、12M、12C、12K)の上方には、転写ユニットU63が設けられている。
【0076】
画像形成ユニットU70(12Y、12M、12C、12K)と転写ユニットU63とによって像形成ユニットU10が構成されている。
【0077】
転写ユニットU63は、中間転写体の一例としての中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニットU70(12Y、12M、12C、12K)の各トナー像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー像を、記録用紙Pに転写させる二次転写ロール20とを有している。
【0078】
中間転写ベルト16は、二次転写ロール20と対向配置され図示しないモータで駆動される駆動ロール26と、テンションロール22との間に、一定の張力で巻き掛けられており、駆動ロール26により、図6の矢印X方向循環駆動されるようになっている。
【0079】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニットU70(12Y、12M、12C、12K)の後述する感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。
【0080】
また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kには、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。なお、二次転写ロール20にも、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0081】
また、中間転写ベルト16の二次転写ロール下流位置の外周面には、クリーニング装置30が設けられている。
【0082】
クリーニング装置30は、廃トナー搬送オーガー32およびクリーニングブレード34を備えており、廃トナーオーガー32およびクリーニングブレード34によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0083】
画像形成装置PR1の記録用紙Pの搬送経路と反対側の側面近傍には、画像形成装置PR1の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。
【0084】
一方、画像形成ユニットU70の下方には、記録用紙Pが収納された給紙カセット46が配置されている。
【0085】
また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、記録用紙Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0086】
用紙搬送路50には、記録用紙Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、記録用紙Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。ここで、給紙カセット46から給紙ロール48によって順次送出された記録用紙Pは、用紙搬送路50を経由して、間欠的に回転する用紙先端位置合わせロール54によって中間転写ベルト16の二次転写位置まで一旦搬送される。
【0087】
二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。
【0088】
ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により定着され、記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられた排出装置の一例としての排紙ロール66によって、画像形成装置PR1の上部に設けられた排出部68に排出されるようになっている。
【0089】
また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト16の表面は、クリーニング装置30によって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0090】
次に、画像形成ユニットU70について説明する。
【0091】
ここでは、一例として、画像形成ユニットU70の一部を構成するユニット12Mについて説明する。
【0092】
なお、画像形成ユニットU70(12Y、12C、12K)は、何れも同様の構造である。
【0093】
また、画像形成ユニット12Mの各構成部材については、符号Mを省略して表示する。
【0094】
画像形成ユニット12Mは、図6および図8に示すように、感光体ユニットU61と、感光体ユニットU61の下側に設けられた現像ユニットU62とから構成される。
【0095】
感光体ユニットU61には、矢印A方向に回転駆動される感光体28が設けられている。
【0096】
感光体28の周囲には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電装置の一例としての帯電ロール72と、感光体28の表面に露光光を照射するLEDプリントヘッド73と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプ74と、除電後の感光体28の表面を清掃するクリーニング部76とが設けられている。
【0097】
帯電ロール72、LEDプリントヘッド73、現像ユニットU62、イレーズランプ74、およびクリーニング部76は、感光体28の表面と対向して、感光体28の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0098】
帯電ロール72の外周面で感光体28と反対側には、帯電ロール72表面に付着したトナー等を取り除くクリーニングロール79が回転自在に設けられている。
【0099】
なお、帯電ロール72は、図示しない通電手段に接続されており、画像形成時に通電されることにより感光体28表面を帯電させる。
【0100】
現像ユニットU62は、露光光により感光体28上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像するユニットであり、現像室82と、現像室82の下側に設けられ、トナーカートリッジ11から供給された現像剤を攪拌(混合)して現像室82に搬送する攪拌搬送室84とを有している。
【0101】
図8に示すように、攪拌搬送室84は、底面から立設された仕切壁93で仕切られ、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bの2条の攪拌路が設けられている。
【0102】
仕切壁93の両端部位置には、開口された第1接続口と第2接続口と(何れも図示せず)が形成されており、この第1接続口と第2接続口によって、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bが接続している。
【0103】
第2攪拌路84Bの上面は開口となっており、現像室82と接続している。
【0104】
第1攪拌路84Aの一端には、第2攪拌路84Bの端面よりも外側へ向けて突出した突出部90が形成されており、突出部90の上面には、トナーカートリッジ11からのトナーが供給される開口が形成されている。
【0105】
第1攪拌路84Aには、第1攪拌搬送部材91が配置されている。同様に、第2攪拌路84Bには、第2攪拌搬送部材92が配置されている。
【0106】
第1攪拌搬送部材91及び第2攪拌搬送部材92は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって駆動されるようになっている。
【0107】
ここで、第1攪拌搬送部材91が矢印C方向、第2攪拌搬送部材92が矢印D方向(矢印C、Dは異なる方向)にそれぞれ回転することで、攪拌搬送室84内の現像剤は、供給されたトナーと混合され、それぞれ第1攪拌路84A内、及び第2攪拌路84B内を攪拌混合されながら搬送されて、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bとの間を循環するようになっている。
【0108】
図8に示すように、現像室82は第2攪拌路84Bと接続している。また、現像室82は、感光体28の長手方向を軸方向とし、矢印B方向に回転する現像ロール78が設けられている。
【0109】
さらに、現像室82は、層規制部材としての薄層形成ロール97が設けられている。現像ロール78の両端部には、感光体28の表面(円周面)に当たって感光体28と現像ロール78との位置決めする(すなわちギャップを設定する)位置決め部78Gが形成されている。
【0110】
薄層形成ロール97は、現像ロール78の回転方向の感光体28よりも上流側で、現像ロール78外周面と間隔をあけて配置されており、現像ロール78上の現像剤の通過量を規制して、現像ロール78上に予め決められた厚さの現像剤層(薄層)を形成するようになっている。
【0111】
現像ロール78は、現像室82に形成された開口部(図示せず)を介して感光体28の外周面と対向配置されている。また、現像ロール78は、現像室82に固定された磁界発生手段としてのマグネットロール78Bと、中空円筒状でマグネットロール78Bの外回りを回転自在に設けられた筒状の回転体としての現像スリーブ78Aとで構成されている。なお、現像ロール78と感光体28の間には、バイアス電圧が付与されて電界が形成されており、現像時に現像剤中のトナーを感光体28の潜像に向けて移動させるようになっている。
【0112】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0113】
例えば、ユニットの数や機能は、本実施の形態に限定されず、ユニット数を増減したり、他の機能を持つユニットを追加するようにしてもよい。
【0114】
また、組立工程における組立順序も本実施の形態に限定されず、他の順序で相互に位置合わせして組み立てるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明による画像形成装置は、LEDを光源とするプリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0116】
PR1 画像形成装置
U1 前部ユニット
U2 紙送りユニット
U10 像形成ユニット
U20、U21 ドライブユニット
U30 電源ユニット
U40 トナー供給の制御ユニット
U50、U51、U52 ドライブユニット
U60 加熱定着ユニット
U61 感光体ユニット
U62 現像ユニット
U63 転写ユニット
U70 画像形成ユニット
U80 YMCK対応画像形成ユニット
U101 二次転写ユニット
U200 ファンユニット
U300 露光ユニット
T1、T2、11 トナーカートリッジ
16 中間転写ベルト
18 一次転写ロール
20 二次転写ロール
22 テンションロール
26 駆動ロール
28 感光体ドラム
30 クリーニング装置
32 廃トナー搬送オーガー
34 クリーニングブレード
36 制御ユニット
46 給紙カセット
48 給紙ロール
50 用紙搬送路
52 ロール対
54 ロール
60 定着装置
62 加熱ロール
64 加圧ロール
66 排紙ロール
68 排出部
72 帯電ロール
73 プリントヘッド
74 イレーズランプ
76 クリーニング部
78 現像ロール
78A 現像スリーブ
78B マグネットロール
79 クリーニングロール
82 現像室
84 攪拌搬送室
90 突出部
91 攪拌搬送部材
92 攪拌搬送部材
93 仕切壁
97 薄層形成ロール
500 シャフト
M1 機構部
M2 装置本体
M3 装置本体
P 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成するために必要な機能を分割して備える複数の組立体として、予め設定された電位に帯電される感光体を備える感光体組立体と、発光ダイオードを光源として前記感光体の表面を露光する露光組立体と、前記露光組立体によって前記感光体に形成される静電潜像に基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成組立体と、前記記録媒体の供給および搬送を行う給紙搬送組立体とを少なくとも含み、
当該複数の組立体は、枠体を用いることなく相互に位置決めして連結されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
少なくとも前記露光組立体は、他の組立体との連結により着脱不能な状態で保持されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−118437(P2012−118437A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270134(P2010−270134)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】