説明

画像形成装置

【課題】ブロッキング現象の発生を有効に抑制して、高い印刷品質が得られる画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置11と、定着済みの用紙8を冷却する媒体冷却手段13と、用紙8を積載するスタック台26と、媒体冷却手段13から出た用紙8の温度を検出するセンサ14と、スタック台スタック台角度調整手段18〜21と、スタック状態制御手段30を備え、センサ14によって検出された温度に基づいて、スタック状態制御手段30によりスタック台角度調整手段18〜21を通してスタック台26の角度を変更することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、特に加熱定着後の用紙(被記録媒体)を積載するスタック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置の画像形成装置において、トナーを用紙に定着させる手段としては、熱定着方式が主流であり、トナーに熱を加えることによりトナーが融解し用紙の繊維に入り込むことで定着させている。
【0003】
このため、用紙は定着の処理後すぐに排出されることから、用紙自身が熱を保持したまま排出される。用紙が熱を保持したまま排出され、その熱を持った用紙が積み重なると、『半融解状態となっているトナー』と『用紙が積み重なることによる圧力』の2つの要因により、触れ合っている用紙のトナーが張り付くブロッキングを引き起こす。
【0004】
このことから、排出用紙の温度を極力下げてブロッキングを発生させないよう、用紙排出部にヒートパイプを備え、定着後の用紙をヒートパイプに接触させることで、用紙温度を低下させるヒートパイプ冷却方法が既に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、今までのブロッキング対策として採用されているヒートパイプ冷却方式を採用した画像形成装置では、通常、ヒートパイプは装置に合ったものを搭載している。しかし、コストの問題やスペースの問題で、放熱容量の大きいヒートパイプを採用するには限界がある。
【0006】
このため、装置に合わせたヒートパイプを搭載していても、大量に連続で印刷する場合にはヒートパイプ自身も温度が上がってしまい、十分に用紙の温度を下げることができない。また、印刷の速度が上がると、ヒートパイプに接触する時間が短くなるため、これも用紙の温度が下がらない原因となり、熱を持ったまま用紙を排出してしまう。
【0007】
こうして熱を持ったままの用紙が大量に短時間で排出され積載されてしまうと、積み重なった用紙の束からは熱が逃げ辛くなり、また、大量に印刷した用紙自身による圧力も増すため、ブロッキングが発生してしまうという問題があった。
【0008】
特開2009−251056号公報(特許文献1)には、トナーが十分に固まっていない状態での媒体同士が積載されブロッキングとなることを防ぐ目的で、印刷した媒体の温度分布を測定し、排出された媒体において高温部がある場合には、その媒体が出力される直前に積載された媒体の高温部との情報を記憶しておき、高温部同士が重複して積載されないように排出する媒体の積載制御が開示されている。
【0009】
しかし、前述したブロッキングが発生する要因の一つ目である現像剤が十分固まっていない部分に重なり合うことと、さらに要因の二つ目として、上から媒体が積載される媒体自身の重さによる圧力が、十分に固まっていない現像剤部分が押し付けあうことで発生するという条件に対して、特開2009−251056号公報では、この媒体自身の圧力を軽減することでブロッキングが発生しないようにすることについての考慮はなされておらず、媒体の高温部分を検出しトナーが搭載されている媒体の部分を避けるように媒体を積載する方法についてだけ述べられている。
【0010】
このため、例えば、印刷用紙の全面に印刷画像があり、さらに印刷面全面の温度が高い場合には重なり合わないように積載する方法が見つからないため、そのまま積載してしまうことになり、これまでと同様に積載することになることからブロッキングを軽減するという問題は解消できていない。
【0011】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、被記録媒体上における画像剥がれなどのブロッキング現象の発生を有効に抑制して、高い印刷品質が得られる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、本発明は、例えば用紙などの被記録媒体上に転写されたトナー像を加熱して前記被記録媒体に定着する定着装置と、
前記定着装置から出た定着済みの被記録媒体を冷却する例えば後述のヒートパイプなどの媒体冷却手段と、
前記媒体冷却手段から出た被記録媒体を排出口から排出して積載するスタック台を備えた画像形成装置を対象とするものである。
【0013】
そして本発明の第1の手段は、前記媒体冷却手段から出た被記録媒体の温度を検出する温度検出センサと、
前記スタック台の角度を調整する例えば後述の支持脚とスタック台角度調整モータからなるスタック台角度調整手段と、
前記温度検出センサからの検出信号を入力して、前記スタック台角度調整手段にスタック台の角度調整信号を出力する例えば後述するトナー状態判定・制御部などからなるスタック状態制御手段を備えて、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度に基づいて、前記スタック状態制御手段により前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台の角度が変更できるようになっていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値以下の場合は、前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は水平状態に維持され、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値を超えていると、前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は傾斜状態に維持される構成になっていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記スタック台の傾斜状態が例えば30度と45度の複数段に切り替え可能になっていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第4の手段は前記第1の手段において、
前記スタック台に積載された被記録媒体の側面に向けて送風する冷却ファンが設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第5の手段は前記第4の手段において、
前記冷却ファンが前記スタック状態制御手段に接続されており、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値以下の場合は、前記スタック状態制御手段から前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は水平状態に維持されるとともに、前記冷却ファンは駆動を停止し、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値を超えている場合は、前記スタック状態制御手段から前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は傾斜状態に維持されるとともに、前記冷却ファンが駆動される構成になっていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第6の手段は前記第1ないし第5の手段において、
前記スタック台角度調整手段が、前記スタック台を下方で支持するとともに、そのスタック台側に向けて伸縮可能か上下動可能な支持脚を複数本有し、
各支持脚の頭部と前記スタック台の下面との間が例えば後述するコイルスプリングなどの屈曲可能な柔軟体で連結されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第7の手段は前記第4または第5の手段において、
前記スタック台の、当該スタック台が傾斜したときに下側になる端部近くに前記被記録媒体の端部が当接する積載ガイド部材が立設され、
前記積載ガイド部材の内面から積載される前記被記録媒体の上方に向けて延びた吹き飛び防止部材を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は前述のような構成になっており、被記録媒体上における画像剥がれなどのブロッキング現象の発生を有効に抑制して、高い印刷品質が得られる画像形成装置の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザービームプリンタの概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態において、用紙が画像形成装置本体から排出された後、水平状態のスタック台に積載される状態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態において、用紙が画像形成装置本体から排出された後、30度傾斜したスタック台に積載される状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態において、用紙が画像形成装置本体から排出された後、45度傾斜したスタック台に積載される状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態において、水平状態のスタック台に積載される用紙の荷重に説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態において、30度傾斜したスタック台に積載される用紙の荷重に説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態において、45度傾斜したスタック台に積載される用紙の荷重に説明するための図である。
【図8】用紙の積載枚数とブロック発生率との関係を示す特性図である。
【図9】本発明の実施形態において、スタック台の側面に冷却ファンを取り付けて、スタック台を水平状態にした場合の用紙の状態を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態において、スタック台の側面に冷却ファンを取り付けて、45度傾斜した場合の用紙の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
高速で大量に印刷することが可能な画像形成装置において、用紙を現像剤が十分に固まるレベルの温度まで下げることができないまま排出した場合に、排出された用紙の温度および用紙の種類や暑さに合わせて積載方向に角度をつけることで、ブロッキングが発生する要因である『積載用紙の圧力』を、通常真下に順々に積み上げていく方式に比べ、圧力を分散させることができることからブロッキングを軽減することができる。
【0023】
また、排出された用紙の温度が高く、現像剤がまだ固まっていない用紙温度である場合、排出した用紙の側面付近からファンなどで冷風を吹きつける機構を設け、用紙と用紙との隙間に空気層を作ることで用紙冷却構造を持たせたとき、通常の積載方法では、用紙の荷重は真下方向にかかるが、積載方法に角度をつける方法では用紙1枚の重さが分散されているため、ブロッキングに影響する垂直方向への重さが真下にかかる重さに比べ軽減でき、ついては、用紙の荷重も見かけ上軽減されるので、用紙1枚を浮き上がらせる力も小さくなる。そのため、用紙を浮き上がらせて空気層を作ることが出来る用紙枚数を増やすことが出来ることから、用紙が効率よく冷却させることができる。
【0024】
用紙の積載の仕方を、排出される用紙の温度にあわせてスタック台に角度をつける積載方法にすることで、ブロッキングが低減できる効果が発生する理由を、3つ説明する。
【0025】
1つ目は、通常の積載方法(スタック台に角度をつけないで積載する方法)では、用紙自身の重力は真下方向にかかっている圧力が、用紙の傾斜方向と傾斜に対して垂直の方向とに分解することができる。ブロッキングに影響する圧力は用紙の傾斜方向に対して垂直方向であるため、これまでの積載方法である真下にかかる圧力よりも軽減される。
【0026】
2つ目は、用紙の積載角度を水平に対して角度を与えることで、用紙が用紙に与える力は、傾きを与えない場合は真下にかかるのに比べ、傾きをつけることで、傾斜方向に対する垂直方向の圧力(ブロッキングに影響する力)が小さくなることから、ブロッキングを引き起こす2つの要因のうちの1つである『上から媒体が積載される媒体自身の重さによる圧力』を軽減することができる。
【0027】
3つ目は、用紙1枚あたりに対してもブロッキングに影響する力(圧力)は1つ目の理由と同様分解することが出来、用紙一枚あたりの重さが軽減される。これにより、排出された用紙を浮き上がらせるために必要な力も小さな風の力で可能となり、スタック台を傾けた場合と傾けない場合で同じファン風量とした場合、浮き上がらせる用紙の枚数が増えることから、用紙の冷却時間が長く出来、ブロッキングを起き難くすることができる。
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るレーザービームプリンタの概略構成図である。
【0029】
図1に示すように無端状の転写ベルト10の回転方向Aに沿ってイエローの画像形成ユニット1aと、マゼンタの画像形成ユニット1bと、シアンの画像形成ユニット1cと、ブラックの画像形成ユニット1dが順番に配置されている。各画像形成ユニット1a、1b、1c、1dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、その周囲に帯電器3a、3b、3c、3d、露光装置4a、4b、4c、4d、現像器5a、5b、5c、5d、一次転写器6a、6b、6c、6dならびにクリーニング装置7a、7b、7c、7dなどをそれぞれ備えている。
【0030】
矢印B方向に回転している感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面は帯電器3a、3b、3c、3dによって一様に帯電され、その帯電された感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面には露光装置4a、4b、4c、4dからのレーザービームの照射により記録すべき画像の静電潜像が形成される。そして現像器5a、5b、5c、5dにより現像剤が前記静電潜像上に静電気的に付着され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像がそれぞれ形成される。
【0031】
各色のトナー像は一次転写器6a、6b、6c、6dにより回転する転写ベルト10上に重ねて転写されてカラー画像が形成され、転写後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dはクリーニング装置7a、7b、7c、7dによって清掃され、次のトナー像形成に備えられる。
【0032】
前記カラー画像は転写ベルト10の回転に伴って二次転写器9の位置まで移動して、矢印C方向から搬送されて来た用紙8上に転写され、その後用紙8は転写ベルト10から分離される。転写が終わった転写ベルト10は、ベルト清掃機12によって清掃され、次の画像形成に備えられる。
【0033】
カラー画像が転写された用紙10は用紙搬送路を経由し、定着装置11に運ばれる。この定着装置11は、用紙10に熱を伝達するための定着ベルト11cと、その定着ベルト11cを回転駆動させるための加熱ローラ11bならびに従動ローラ11dと、用紙10を加熱ローラ11b(定着ベルト11c)側に押圧する加圧ローラ11aを有している。
前記加熱ローラ11bは定着ベルト11cを一定の温度に制御するためのもので、通常、定着ベルト11cは180〜200℃程度に制御されている。
さらに、トナーを定着させるには、効率よく用紙8に熱を伝達させるためにはある最適な圧力が必要であり、そのために加圧ローラ11aが用いられている。この加圧ローラ11aと加熱ローラ11b(定着ベルト11c)との間を定着させる用紙8が通過することで、用紙8に熱が加わり、トナーが融解し用紙8へ定着するが、その際の加圧ローラ11aと加熱ローラ11bの圧力調節を加圧ローラ11aで行い、用紙8へのトナー定着性能の向上を図っている。
【0034】
定着装置11を通過した用紙8は用紙搬送路を経由し、用紙冷却機構13へ運ばれる。この用紙冷却機構13はヒートパイプ13aを搭載しており、定着装置11で熱を与えられた定着後の用紙8をこのヒートパイプ13aに接触させることで、用紙8の温度を低下させる。また、ヒートパイプ13aの側面に向けてヒートパイプ13aを冷却するための冷却ファン13bが設置されており、ヒートパイプ13aの温度上昇を抑制している。
【0035】
前記定着装置11を通過後の用紙8の温度は65℃程度あったが、用紙冷却機構13のヒートパイプ13aに接触させることで、用紙8の温度は45℃程度まで低下することができ、トナーが凝固する。
【0036】
しかし、用紙冷却機構13内のヒートパイプ13aにおいては、用紙8の熱から奪い取ることが出来る熱の量は決まっているため、画像形成装置において大量に印刷する場合には、ヒートパイプ13a自身も温度が上がってしまい、用紙8から熱を効率よく奪い取ることが出来なくなってしまう。その場合に、画像形成装置から排出される用紙8の温度はトナーを凝固させる程度の温度まで下げることが出来なくなり、排出された用紙8の上に載っているトナーは半融解状態となっている。
【0037】
この状態でさらに大量に印刷されると、半融解状態のトナーが載ったままの用紙8が次々と画像形成装置から排出されて積載され、さらに用紙自身の圧力が垂直方向に用紙全体にかかることになる。この状態にて積載され続けた場合、ブロッキングが発生する2つの条件に当てはまることになる。
【0038】
そもそもブロッキングとは次の条件が揃った場合に発生する。
1つ目の条件は『トナーの状態が半融解状態または、融解状態となっている』であり、具体的には印刷のプロセスにて実施される画像生成において、用紙8にトナーを定着させる際に、トナーが載った用紙8を高温の定着装置11を通過させ用紙8に熱を与える。
【0039】
その熱により用紙8に載っているトナーが融解し、用紙8の繊維に入り込むことでトナーは定着する。このトナーを用紙8に定着させる一連の過程において用紙8には大きな熱量が加わるが、通常、熱量を加えられた用紙8は排出前に用紙8の温度を下げるモジュール(用紙冷却機構11)を通過させ、用紙8に載ったトナーが凝固する温度まで下げる仕組みになっている。その際に、用紙冷却機構11にて凝固する温度まで下げることが出来ず、トナーが半分固まった状態(半融解状態)となった場合が、前述の状態を指す。
【0040】
また、2つ目の条件としては『用紙8が積み重なることによる圧力が加わる』である。具体的には、画像形成装置が印刷を連続して実施される場合、一般的に装置から排出される用紙8は、水平な場所に順々に上へと積み上げていく。
【0041】
このため、印刷される量が多くなればなるほど、装置から排出後積載される用紙束は多くなり、さらに積載用紙の下部には用紙枚数相当分の荷重が垂直方向にかかる。例えば5000枚の印刷がされた場合、最初の1枚目には、最初の用紙1枚を除く用紙8の荷重(4999枚分)全てが用紙全体に掛ることを指す。そして、この2つの条件が共に揃った場合にブロッキングが発生する。
【0042】
図2ないし図4は用紙8が画像形成装置本体15から排出された後、スタック台26に積載される状態を説明するための図であり、これらの図を用いてスタック台26及びスタック台角度制御機構について説明する。
【0043】
用紙排出口27から排出された用紙8は、それをスタックするスタック台26上に順次積載される。積載された用紙8は、スタック台26を傾けた場合に重力で用紙8がずり落ちないようにするため、用紙積載ガイド部材22を用紙8の先端側に、スタック台26から立設するように設置している。
【0044】
さらに、積載している用紙束においては、風などの外的影響にて積載されている用紙8が吹き飛ばされないようにするために、積載用紙吹き飛び防止部材23が前記用紙積載ガイド部材22の内面から積載されている用紙8の上方に向けて設けられている。これら用紙積載ガイド部材22ならびに積載用紙吹き飛び防止部材23によって、用紙8がスタック台26上に安定した状態で積載される。
【0045】
スタック台26の四隅部がそれぞれ4つの支持脚18、19、20、21により支えられており、支持脚18の図面に向って奥側に支持脚20があり、また、支持脚19の図面に向って奥側に支持脚21がある。これら支持脚18、19、20、21は、軸方向に沿って伸縮可能あるいは上下動可能になっている。
【0046】
各支持脚18、19、20、21の頭部とスタック台26の下面との間には、それぞれコイルスプリング17などの屈曲可能な柔軟体が介在されている。後述するようにスタック台26を傾けた際に、そのスタック台26と各支持脚18、19、20、21の間に無理な応力が掛らないように、緩衝用のためにコイルスプリング17などの屈曲可能な柔軟体が介在されている。
【0047】
また、各支持脚18、19、20、21の中間部にはスタック台角度調整モータ24、25、28、29が取り付けられており、このスタック台角度調整モータ24、25、28、29の回転により支持脚18、19、20、21の長さを調整することで、その上に設置されているスタック台26の傾きを調整することが出来る。
【0048】
図2は、スタック台26に角度をつけず水平な状態(傾斜角=0度)を示している。図3は、用紙8の先端部(用紙積載ガイド部材22)側が低くなるようにスタック台26を30度傾けた状態を示している。図4は、用紙8の先端部(用紙積載ガイド部材22)側が低くなるようにスタック台26を45度傾けた状態を示している。本実施形態ではこのように、スタック台26の傾斜角が複数段(本実施形態では前述のように2段)にわたって設定可能になっている。
【0049】
図5ないし図7はスタック台26に積載される用紙8の荷重について説明するための図であり、図5はスタック台26が水平な状態を、図6はスタック台26を30度傾けた状態を、図7はスタック台26を45度傾けた状態を、それぞれ示している。
【0050】
図5ないし図7において、スタック台26上に用紙8が多数枚積載されているとき、垂直方向に掛る重さは同じベクトルaで示される。ここで、前記用紙8の総重量が5Kgであったとすると、図5のようにスタック台26が水平状態のとき、前記ブロッキングに影響する力の方向は矢印aであり、スタック台26(積載用紙の一番下の用紙8)に掛る重さは5Kgである。
【0051】
これに対して図6に示すようにスタック台26を30度傾けた場合、前記ベクトルaは、スタック台26に対して水平な方向であるベクトルdと、スタック台26に対して垂直な方向のベクトルeに分解することができる。この場合、ブロッキングに影響する力の方向は矢印eであり、その大きさは5Kg×√3/2=4.33Kgとなり、スタック台26(積載用紙の一番下の用紙8)に掛る重さを前記図5の場合よりも0.67Kg(13.4%)軽減することができる。
【0052】
また、図7に示すようにスタック台26を45度傾けた場合、前記ベクトルaは、スタック台26に対して水平な方向であるベクトルbと、スタック台26に対して垂直な方向のベクトルcに分解することができる。この場合、ブロッキングに影響する力の方向は矢印cであり、その大きさは5Kg×1/√2=3.5Kgとなり、スタック台26(積載用紙の一番下の用紙8)に掛る重さを前記図5の場合よりも1.5Kg(30%)軽減することができる。
【0053】
次に用紙8の積載枚数とブロック発生率との関係について説明する。
図8は用紙8の積載枚数とブロック発生率との関係を示す特性図で、横軸に用紙温度、縦軸にブロック発生率をとっている。
【0054】
前述したトナーの半融解状態の開始点は、そのトナーのガラス転移点(Tg)を指している。図中に点線の四角で示しているように、用紙8の温度がトナーのガラス転移点(Tg)よりも下がっていると、ブロック現象を引き起こすことはない。
【0055】
これに対して用紙8の温度がトナーのガラス転移点(Tg)を超えていると、用紙8に荷重が掛った場合にブロックが発生する要因になる。図8は用紙8をスタック台26上に100枚スタックした場合(点線)、1000枚スタックした場合(実線)、5000枚スタックした場合(一点鎖線)にスタックされた用紙8のブロック発生率を纏めたものである。
【0056】
例えば5000枚スタックした場合(一点鎖線)と100枚スタックした場合(点線)とでは、スタックの束の一番下の用紙8に掛る荷重は、5000枚スタックした場合(一点鎖線)の方が100枚スタックした場合(点線)よりも当然大きくなる。このため用紙8の温度がトナーのガラス転移点(Tg)を超えた図中A点では、5000枚スタックした場合(一点鎖線)のブロック発生率は90%程度であるが、100枚スタックした場合(点線)のブロック発生率は30%で、1/3である。この実験結果から、ブロックを発生させる要因は、用紙8に掛る荷重が大きく影響していることが判明した。
【0057】
そして図5〜図7で説明したように、用紙8のスタック量が同じでも、スタック台26を水平にした場合よりも、スタック台26を30度あるいは45度傾けた場合の方がスタックの束の一番下の用紙8に掛る荷重を軽減することができるから、それによりブロック発生率を低く抑えることが可能である。
【0058】
図1に示すように、画像形成装置本体15の用紙排出口27付近に温度検出センサ14が設置されており、排出される用紙8の温度を検出している。この温度検出センサ14からの温度検出信号は、画像形成装置本体15内に設置されているトナー状態判定・制御部30に入力される。
【0059】
このトナー状態判定・制御部30のメモリ31には、排出される用紙8の温度とスタック台26の傾斜角度との関係を纏めたテーブルが予め記憶されている。
【0060】
前記温度検出センサ14による検出結果、用紙排出口27から排出された用紙8の温度が、トナーを凝固させる温度(本実施形態では、49℃以下に設定)である場合には、前記トナー状態判定・制御部30から傾斜角度0度の制御信号が各スタック台角度調整モータ24、25、28、29に出力され、図2に示すようにスタック台26は水平状態に維持される。そして用紙排出口27から排出された用紙8は、スタック台26上に順次積載される。
【0061】
なお、スタック台26が最初から傾いていると、用紙8のスタック精度(整列して積載する精度)が良くないこと、また、積載された用紙8をスタック台26から取り出す場合においても、スタック台26が傾いていると整列状態が崩れてしまい、取り出しづらいなどの難点があるから、排出された用紙8の温度がトナーを凝固させる温度である場合には、スタック台26は水平状態に維持されている。
【0062】
前記温度検出センサ14による検出結果、用紙排出口27から排出された用紙8の温度が、トナーが半融解状態である温度(本実施形態では、50〜55℃の範囲に設定)である場合には、前記トナー状態判定・制御部30から傾斜角度30度の制御信号が各スタック台角度調整モータ24、25、28、29に出力される。
【0063】
その結果、支持脚18と支持脚20の長さが図2に示す水平状態のときの長さより短くなり、一方、支持脚19と支持脚21の長さは図2に示す水平状態のときと同じ長さを維持し、図3に示すようにスタック台26は用紙8の先端側が低くなるように30度傾いた状態になる。そして用紙排出口27から排出された用紙8は、このスタック台26上に順次積載される。
【0064】
前記温度検出センサ14による検出結果、用紙排出口27から排出された用紙8の温度が、トナーが融解状態である温度(本実施形態では、56℃以上に設定)である場合には、前記トナー状態判定・制御部30から傾斜角度45度の制御信号が各スタック台角度調整モータ24、25、28、29に出力される。
【0065】
その結果、支持脚18と支持脚20の長さは図3に示す30度傾斜状態のときと同じ長さを維持し、一方、支持脚19と支持脚21の長さは図3に示す30度傾斜状態のときの長さよりさらに伸長して、図4に示すようにスタック台26は用紙8の先端側が低くなるように45度傾いた状態になる。そして用紙排出口27から排出された用紙8は、このスタック台26上に順次積載される。
【0066】
前述のように排出される用紙8の温度を温度検出センサ14で監視し、その検出信号はトナー状態判定・制御部30(図1参照)に入力される。そしてトナー状態判定・制御部30では、入力された温度検出信号に基づいて用紙8上のトナーの状態が凝固状態であるか、半融解状態であるか、融解状態であるかを判断する。
【0067】
そして、判断したトナーの状態に合わせて、前記伸縮式の支持脚18〜21ならびにそれに連結されたスタック台角度調整モータ24、25、28、29から構成されるスタック台角度調整機構によりスタック台26の角度を変更するシステムになっている。
【0068】
前述のようにスタック台26を傾斜させる制御は、温度検出センサ14によって検出した連続した複数枚(本実施形態では5枚)分の用紙温度の平均値を、スタック台26を傾斜させる傾斜判断情報としている。
【0069】
また、物理的にスタック台26を傾斜させるために必要な時間は、1.5〜2.0秒程度である。そのため温度検出センサ14がブロッキングが発生する温度を検出し、スタック台26を傾斜させるまでに必要な時間は5〜6秒程度である。しかし、この時間は、印刷する画像形成装置の線速から考えると僅かであり、どれだけ高速の画像形成装置であっても、スタック台26を傾斜させる前記時間の間にブロッキングが起こることはあり得ない。通常、ブロッキングは30分から1時間以上、ガラス転移点以上で圧力を掛け続けていないとブロッキングは起こらない。
【0070】
さらに、スタック台26を傾斜させると判断する温度は、画像形成装置の操作画面上で変更させることが可能になっており、ブロッキングが発生するガラス転移点の温度に対して2〜3度程度のマージンを持たせた温度を設定することが可能となっている。
【0071】
このことにより、ブロッキングが発生する温度(ガラス転移点)に到達する少し手前の温度のタイミングでスタック台26を傾斜させる制御を開始することができ、ガラス転移点の温度になった時点では既にスタック台26の傾斜制御は完了している制御とすることも可能である。
【0072】
スタックされた用紙束はスタック台26が傾いたままの状態では取出しが難しく、また、うまく取り出せたとしても整列したまま取り出しづらく、整列状態が崩れてしまう恐れがある。そのため本実施形態では、用紙8を取り出す場合、印刷が完了し、用紙8の温度がブロッキングを起こさない温度まで下がると、スタック台26が自動的に水平状態に戻る。
【0073】
また、排出された用紙8を印刷終了後すぐに欲しい場合は、用紙の排出機構部の付近に「用紙取り出し」ボタンを備えており、そのボタンを押下するとスタック台26が自動的に水平状態に戻るシステムになっている。ただ、印刷中に現在印刷されている分だけでも欲しい場合は、スタック台26が傾いたままの状態で取り出すことになる。
【0074】
さらに本実施形態では、図9、図10に示すようにスタック台26の側面には排出用紙冷却ファン32が取り付けられている。次にこのスタック台26の側面に冷却ファン32を取り付けた場合の用紙8の状態について説明する。
【0075】
図1で説明したように、定着装置11を通過した用紙8の温度を下げるため用紙冷却機構13が設置されているが、印刷速度が高速の場合などのときに用紙冷却機構13による冷却が不十分な場合がある。
【0076】
そのため画像形成装置本体15から排出された後に用紙8の温度を低下させる目的で、スタック台26の側面に排出用紙冷却ファン32が設置されている。この排出用紙冷却ファン32は図9、図10に示すように、スタック台26に積載されている用紙束の上部数枚に風が当たる位置に設置されている。
【0077】
図9はスタック台26を水平に配置した状態を示しており、排出用紙冷却ファン32を駆動して送風すると、上部り用紙8と用紙8の間に空気層ができ、用紙束の上部5枚程度が0.5mm程度ファンの風力で用紙8が浮き上がっている状態の浮動領域Xと、その下の用紙8が浮き上がっていない状態の静止領域Yに分かれる。
【0078】
これに対して図10はスタック台26を45度傾斜した状態を示しており、排出用紙冷却ファン32を駆動して送風すると、ファンの風力で用紙束の上部7〜8枚程度の用紙8が浮き上がり、枚数が増加して風の通りが良くなり、用紙8の冷却効果が図9よりも良好である。
【0079】
なお、排出用紙冷却ファン32はスタック台26の側面に取り付けられているため、図10に示すようにスタック台26が傾斜すれば、それと一緒に排出用紙冷却ファン32も傾斜する。
【0080】
また、図10において前記静止領域Yのベクトルaの大きさを1とすると、スタック台26が45度傾斜しているから、ベクトルc(スタック面に対して垂直な方向)の大きさは約0.7程度に軽減でき、前述のようにブロッキングの発生を抑制している。
【0081】
特開2008−32765号公報(特許文献2)には、通常の積載状態において用紙束の側面に風を当てて、用紙を冷却することが記載されている。しかし、この提案のものでは、水平状態に積載された用紙束の上部数枚に風があたるだけであり、殆どが、一番上の用紙の上面のみが冷やされるだけであり、次の用紙が排出されてしまうと、先ほどまで冷却していた用紙は冷却されなくなり、冷却効率が悪い。
【0082】
この提案では本発明のように、スタック台26を例えば図10に示すように45度傾斜させて、ベクトルc(スタック面に対して垂直な方向)の大きさを軽減することにより、一枚の用紙8の重さを実質的に軽くして、この状態で用紙束の側面に風を当てて、風力で用紙束の上部7〜8枚程度の用紙8を浮き上がらせ、風の通りを良くして、用紙8をより長く冷却するということについては、考慮されていない。
【0083】
本発明の実施形態において、回転速度が例えば2段に切り替えられる排出用紙冷却ファン32を使用して、前記用紙温度検出センサ14からの検出信号に基づいてトナー状態判定制御部30が、用紙排出口27から排出された用紙8上のトナーの状態がトナーを凝固させる温度状態であると判断すると、制御信号を前記各スタック台角度調整モータ24、25、28、29と前記排出用紙冷却ファン32に出力して、図2に示すようにスタック台26を水平状態に維持すると共に、前記排出用紙冷却ファン32の停止状態を維持する。
【0084】
また、トナー状態判定制御部30が、用紙排出口27から排出された用紙8上のトナーの状態が半融解状態であると判断すると、制御信号を前記各スタック台角度調整モータ24、25、28、29と前記排出用紙冷却ファン32に出力して、図3に示すようにスタック台26を30度傾斜させると共に、前記排出用紙冷却ファン32を第1の回転速度で駆動する。この第1の回転速度は、本実施形態では排出用紙冷却ファン32の最大出力風量の80%に設定されている。
【0085】
さらに、トナー状態判定制御部30が、用紙排出口27から排出された用紙8上のトナーの状態が融解状態であると判断すると、制御信号を前記各スタック台角度調整モータ24、25、28、29と前記排出用紙冷却ファン32に出力して、図4に示すようにスタック台26を45度傾斜させると共に、前記排出用紙冷却ファン32の回転速度を前記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度で駆動するシステムになっている。前記第2の回転速度は、本実施形態では排出用紙冷却ファン32の最大出力風量(100%)に設定されている。
【0086】
前記実施形態では、被記録媒体として用紙を使用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばOHPなど他の種類の被記録媒体を使用する場合にも適用可能である。
【0087】
前記実施形態では、被記録媒体の温度情報に基づいてスタック台の設置角度を変更(調整)する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば被記録媒体の種類や厚さなどの被記録媒体自体の情報、あるいは外気の温度や湿度などの環境情報なども加味して、スタック台の設置角度を変更(調整)することも可能である。
【0088】
前記実施形態では、用紙冷却機構13の冷却手段としてヒートパイプ13aを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばペルチェ素子(電子冷却素子)など他の冷却手段を用いることも可能である。
【0089】
前記実施形態では、スタック台26の角度を調整する調整機構の駆動手段としてモータを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば油圧回路や空気圧回路など他の駆動手段を用いることも可能である。
【0090】
前記実施形態では、スタック台26の傾斜角度を複数段(実施形態では30度と45度の2段)に分けて調整する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スタック台26の傾斜角度を1段(例えば45度だけ)に設定することも可能である。
【0091】
前記実施形態では、各支持脚18〜21とスタック台26との間をコイルスプリング17で接続したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各支持脚18〜21とスタック台26との間を、例えば所定の高さ(厚さ)を有するゴム体などの他の屈曲可能な柔軟体で接続することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
1a,1b,1c,1d・・・画像形成ユニット、
8・・・用紙、
10・・・転写ベルト、
11・・・定着装置、
11a・・・加圧ローラ、
11b・・・加熱ローラ、
11c・・・定着ベルト、
11d・・・従動ローラ、
13・・・用紙冷却機構、
13a・・・ヒートパイプ、
13b・・・冷却ファン、
14・・・排出口用紙温度検出センサ、
15・・・画像形成装置本体、
17・・・コイルスプリング、
18〜21・・・支持脚、
22・・・用紙積載ガイド部材、
23・・・積載用紙吹き飛び防止部材、
24、25、28、29・・・スタック台角度調整モータ、
26・・・スタック、
27・・・用紙排出口、
30・・・トナー状態判定・制御部、
31・・・メモリ、
32・・・排出用紙冷却ファン。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2009−251056号公報
【特許文献2】特開2008−32765号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体上に転写されたトナー像を加熱して前記被記録媒体に定着する定着装置と、
前記定着装置から出た定着済みの被記録媒体を冷却する媒体冷却手段と、
前記媒体冷却手段から出た被記録媒体を排出口から排出して積載するスタック台を備えた画像形成装置において、
前記媒体冷却手段から出た被記録媒体の温度を検出する温度検出センサと、
前記スタック台の角度を調整するスタック台角度調整手段と、
前記温度検出センサからの検出信号を入力して、前記スタック台角度調整手段にスタック台の角度調整信号を出力するスタック状態制御手段を備えて、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度に基づいて、前記スタック状態制御手段により前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台の角度が変更できるようになっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値以下の場合は、前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は水平状態に維持され、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値を超えていると、前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は傾斜状態に維持される構成になっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記スタック台の傾斜状態が複数段に切り替え可能になっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記スタック台に積載された被記録媒体の側面に向けて送風する冷却ファンが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記冷却ファンが前記スタック状態制御手段に接続されており、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値以下の場合は、前記スタック状態制御手段から前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は水平状態に維持されるとともに、前記冷却ファンは駆動を停止し、
前記温度検出センサによって検出された被記録媒体の温度が規定値を超えている場合は、前記スタック状態制御手段から前記スタック台角度調整手段を通して前記スタック台は傾斜状態に維持されるとともに、前記冷却ファンが駆動される構成になっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記スタック台角度調整手段が、前記スタック台を下方で支持するとともに、そのスタック台側に向けて伸縮可能か上下動可能な支持脚を複数本有し、
各支持脚の頭部と前記スタック台の下面との間が屈曲可能な柔軟体で連結されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4または5に記載の画像形成装置において、
前記スタック台の、当該スタック台が傾斜したときに下側になる端部近くに前記被記録媒体の端部が当接する積載ガイド部材が立設され、
前記積載ガイド部材の内面から積載される前記被記録媒体の上方に向けて延びた吹き飛び防止部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−137631(P2012−137631A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290219(P2010−290219)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】