説明

画像形成装置

【課題】画像を形成する場合に、秘匿性を高くすることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合に、文書データに基づく文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、文書の画像を形成する。画像形成装置は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、文書データに基づく文書と、所定の情報との画像を用紙に形成する。画像形成装置は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、文書データに基づく文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、所定の情報との画像を用紙に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の被画像形成媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、用紙に形成された画像(原稿)を複写する場合に、原稿における秘密にしたい領域を隠蔽して、複写するものがある。例えば、画像形成装置は、原稿の秘密にしたい領域が予め指定されることにより、原稿読取部によって読み取られた原稿の画像を用紙に形成する(複写する)場合に、読み取られた画像のうち秘密にしたい領域を他の画像に置き換えて複写する(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−98153号公報
【特許文献2】特開2007−251929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2に記載された発明は、原稿を複写する場合に、原稿の秘密にしたい領域を指定しない場合には、秘密にしたい領域は原稿の画像のまま複写されてしまう。したがって、特許文献1,2に記載された発明は、原稿を作成した本人を除く第三者が原稿を複写する場合でも、秘密にしなければならない領域が他の画像に置き換わることなく、原稿読取部によって読み取られた原稿をそのまま複写してしまう。また、特許文献1,2に記載された発明は、第三者が原稿を複写した場合には、原稿を作成した本人が、第三者が複写したことを知ることができなかった。
なお、端末装置から画像形成装置に送信された文書データに基づいて、画像形成装置が文書を印刷する場合にも、上記と同様のことがいえる。
【0005】
本発明は、画像を形成する場合に、秘匿性を高くすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、文書データに基づく文書の中から予め登録された用語を検索する検索部と、前記検索部により検索された用語を所定の符号に変換するための変換コード情報と、パスワード情報とを文書データに付加する情報付加部と、前記情報付加部によって変換コード情報とパスワード情報とが付加された文書データに基づく文書の画像を形成する場合に、文書の画像を形成するよう指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する第1判断部と、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断された場合に、文書データに付加されたパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断する第2判断部と、前記第1判断部によって各ユーザが異なると判断された場合に、文書データに基づく文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、当該文書の画像を被画像形成媒体に形成する一方、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、文書データに基づく文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成し、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、文書データに基づく文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成するエンジン部と、前記検索部によって検索された文書の中に用語が存在した場合において、前記エンジン部によって文書データの画像が被画像形成媒体に形成された場合には、前記エンジン部によって文書の画像が被画像形成媒体に形成されたことの通知を行う通知部と、を備える画像形成装置に関する。
【0007】
画像形成装置は、被画像形成媒体に形成された画像を読み取る原稿読取部を備え、前記検索部は、前記原稿読取部によって読み取られた画像に文書と変換コード情報とパスワード情報とが含まれる場合に、当該文書の中から予め登録された用語を検索し、前記第1判断部は、前記検索部により前記文書の中の用語を検索した場合に、前記文書の画像を複写するために画像の読み取りを指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断し、前記第2判断部は、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれるパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断し、前記エンジン部は、前記第1判断部によって各ユーザが異なると判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれる文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、当該文書の画像を被画像形成媒体に形成する一方、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成し、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれる文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成し、前記通知部は、前記通知を行うことが好ましい。
【0008】
画像形成装置は、被画像形成媒体に形成された画像を読み取る原稿読取部を備え、前記第1判断部は、前記原稿読取部によって読み取られた画像に、所定の符号を含む文書と、変換コード情報と、パスワード情報とが含まれる場合に、当該画像を複写するために画像の読み取りを指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断し、前記第2判断部は、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれるパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断し、前記エンジン部は、前記第1判断部によって各ユーザが異なると判断された場合において、さらに前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、前記原稿読取部で読み取られた画像に含まれる文書を被画像形成媒体に形成する一方、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、前記原稿読取部によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書を被画像形成媒体に形成し、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断された場合において、さらに前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、前記原稿読取部で読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを被画像形成媒体に形成する一方、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、前記原稿読取部によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを被画像形成媒体に形成し、前記通知部は、前記通知を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、画像を形成する場合に、秘匿性を高くすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】画像形成装置の一実施形態に係るコピー機の全体構成を説明するための図である。
【図3】コピー機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】文書データに基づく文書の画像を用紙に形成する場合の複合機の動作について説明するフローチャートである。
【図5】画像データに基づく画像を用紙に形成する場合において、その画像に、秘密にしたい部分が隠されていない文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが含まれる場合の複合機の動作について説明するフローチャートである。
【図6】画像データに基づく画像を用紙に形成する場合において、その画像に、秘密にしたい部分が隠されている文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが含まれる場合の複合機の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態について説明する。図1は、画像形成システム300の全体構成を説明するための図である。図2は、画像形成装置の一実施形態に係る複合機1の全体構成を説明するための図である。
【0012】
図1に示すように、画像形成システム300は、画像形成装置の一例としての複合機1と、端末装置200と、サーバ210とを備える。
端末装置200は、パーソナルコンピュータ等で構成される。端末装置200は、ローカルエリアネットワーク等の通信ネットワークNWを介して複合機1及びサーバ210と通信を行う。端末装置200では、ユーザの操作に基づいて文書が作成される。文書を作成した場合、文書データには、文書を作成したユーザの情報(ユーザ情報)が付加される。作成された文書を用紙T(被画像形成媒体)に印刷する場合、端末装置200は、文書に対応する文書データを、通信ネットワークNWを介して複合機1に送信する。
サーバ210は、通信ネットワークNWを介して複合機1及び端末装置200と通信を行う。サーバは、複合機1や端末装置200において使用される種々のデータ等を記憶する。
【0013】
図2に示す複合機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラ12と、ガイド13と、タイミングローラ対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラ12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラ対14に供給する。タイミングローラ対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0014】
原稿読取部20は、用紙Tに形成された画像を読み取る。すなわち、原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図2に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0015】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図2において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0016】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
【0017】
用紙搬送部30は、第2送りローラ31と、第3送りローラ32と、レジストローラ対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラ31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラ32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラ対33は、転写部50にトナー画像が形成されるタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラ対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0018】
画像形成部40は、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザスキャナユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラ47と、中間転写ベルト48と、対向ローラ49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザスキャナユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザスキャナユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0019】
1次転写ローラ47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラ47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラ49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図2に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラである。
【0020】
転写部50は、2次転写ローラ51を備える。2次転写ローラ51は、中間転写ベルト48における対向ローラ49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラ49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラ51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0021】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0022】
次に、複合機1の機能構成について説明する。図3は、複合機1の機能構成を示すブロック図である。
複合機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図2を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、複合機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90と、インターフェース部100とを備える。
【0023】
操作部70は、タッチパネル71、テンキー(図示せず)、及びスタートキー(図示せず)等を備える。タッチパネル71は、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネル71に表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかを複合機1に実行させるために操作される。タッチパネル71は、表示部としても機能する。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0024】
記憶部80は、第1記憶部81と、第2記憶部82とを備える。
第1記憶部81は、電源が供給されなくともデータを保持することが可能な記憶部である。第1記憶部81の一例は、ハードディスク等である。第1記憶部81は、複合機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
第2記憶部82は、電源が供給されなければデータを保持することができない記憶部である。第2記憶部82の一例は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。第2記憶部82は、端末装置200から送信された文書データや、原稿読取部によって読み取られた原稿Gに基づく画像データ等を一時記憶する。
【0025】
インターフェース部100は、通信ネットワークNWに接続される。
【0026】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
また、制御部90は、検索部91と、情報付加部92と、第1判断部93と、第2判断部94と、画像形成制御部95と、通知部96と、ログイン/ログアウト処理部97とを備える。
検索部91、情報付加部92、第1判断部93、第2判断部94、画像形成制御部95、通知部96及びログイン/ログアウト処理部97は、文書データに基づく文書の画像を用紙Tに形成する場合、及び、画像データに基づく画像(文書)を用紙Tに形成する場合には、それぞれ以下の処理を行う。
【0027】
[1.文書データに基づく文書の画像を用紙Tに形成する(文書を印刷する)場合]
ログイン/ログアウト処理部97は、ユーザの操作に基づいて複合機1に入力された識別情報と、第1記憶部81に予め記憶される識別情報とが一致する場合に、複合機1へのログイン処理を行う。また、ログイン/ログアウト処理部97は、ユーザの操作に基づいて、複合機1からのログアウト処理を実行する。複合機1に入力される識別情報は、例えば、IC(Integrated Circuit)カード読取装置によってICカードに記憶される識別情報を読み取ることにより入力される。
【0028】
検索部91は、文書データに基づく文書の中から予め登録された用語を検索する。すなわち、検索部91は、第1記憶部81に記憶される用語データを参照することにより、第2記憶部82に一時記憶される文書データに基づく文書の中に、用語データに含まれる用語が存在するか否か検索する。ここで、用語は、文書を作成したユーザを除く第三者に対して秘密にしておきたい用語である。
【0029】
情報付加部92は、検索部91により検索された用語を所定の符号に変換するための変換コード情報と、パスワード情報とを文書データに付加する。用語を所定の符号に変換するための変換コードのデータ(変換コードデータ)は、サーバ210に記憶される。用語を所定の符号に変換するための変換コードは、複数用意されている。したがって、サーバ210には、複数種類の変換コードデータが記憶されている。情報付加部92は、検索部91によって文書の中から用語が検索された場合に、複数の変換コードの中からいずれか1つを選択して、選択された変換コードの情報(変換コード情報)を文書データに付加する。変換コード情報は、具体的には、複数の変換コードの中からいずれか1つを特定するための情報である。また、情報付加部92は、操作部を構成するタッチパネル71やテンキーが操作されることにより入力されたパスワードの情報(パスワード情報)を、文書データに付加する。なお、パスワード情報は、文書を作成したユーザによって入力される。また、情報付加部92は、文書を作成したユーザに対して、その文書が印刷されたこと及びその文書が複写されたことを知らせるための通知先情報を文書データに付加する。
【0030】
第1判断部93は、情報付加部92によって変換コード情報とパスワード情報とが付加された文書データに基づく文書の画像を形成する場合に、文書の画像を形成するよう指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する。すなわち、第1判断部93は、ログイン/ログアウト処理部97によってログイン処理を行うときに認証された識別情報と、文書データに付加されたユーザ情報に対応する識別情報とが同一であるか否かを判断する。
【0031】
第2判断部94は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断された場合に、文書データに付加されたパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断する。第2判断部94は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断された場合、ユーザに対してパスワードの入力を求める。ここで、パスワードの入力の求めは、タッチパネル71に表示される。さらに、求めに応じてパスワードが入力される場合には、タッチパネル71やテンキーが利用される。第2判断部94は、ユーザによって入力されたパスワードと、文書データに付加されたパスワード情報に基づくパスワードとが同一であるか否かを判断する。
【0032】
画像形成制御部95は、第三者によって文書データに基づく文書の印刷が指示された場合には、文書のうち秘密にしたい部分を隠して画像形成を行うようエンジン部3を制御する。すなわち、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合に、文書データに基づく文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、その文書の画像を用紙Tに形成するようエンジン部3を制御する。この場合、画像形成制御部95は、所定の符号を用語に変換することが可能な情報(秘密にした部分の復元に必要な情報)の画像形成を行わないように制御する。エンジン部3によって画像が形成された用紙Tは、用紙排出部34から排出される。排出された用紙Tには、文書を構成する文字や数字と共に、所定の符号が記録されている。これにより、文書は、秘密にしたい部分が符号によって隠されているため、秘密性を確保することが可能になる。
【0033】
また、画像形成制御部95は、文書を作成したユーザ本人によってその文書の印刷が指示され、且つ、パスワードの入力があった場合には、文書のうち秘密にしたい部分を隠さずに画像形成を行うよう制御すると共に、所定の符号を用語に変換することが可能な情報(秘密にした部分の復元に必要な情報)の画像形成を行うよう制御する。すなわち、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、文書データに基づく文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成するようエンジン部3を制御する。ここで、画像形成制御部95は、秘密にした部分の復元に必要な情報として、文書データを作成したユーザの情報(ユーザ情報)を用紙Tに画像形成することが可能である。なお、ユーザ情報には、文書が印刷されたり複写されたりしたことをユーザ(文書の作成者)に知らせるための通知先情報が含まれる。
【0034】
なお、変換コード情報及びパスワード情報(秘密にした部分の復元に必要な情報)は、文書を作成したユーザ本人や第三者によって特定することができないような状態にして用紙Tに画像形成される。例えば、複数(一例として、3つ)の変換コードの中から2番の変換コードが利用されることにより、用語が所定の符号に変換されている場合には、2番の変換コードが使用されたことが複合機1のみ特定でき、ユーザ本人や第三者が特定することができないような状態で、変換コード情報の画像が形成される。
【0035】
また、画像形成制御部95は、文書を作成したユーザ本人によってその文書の印刷が指示され、且つ、パスワードの入力がなかった場合には、文書のうち秘密にしたい部分を隠さずに画像形成を行うよう制御すると共に、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像形成を行うよう制御する。すなわち、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、文書データに基づく文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成するようエンジン部3を制御する。
【0036】
通知部96は、検索部91によって検索された文書の中に用語が存在した場合において、エンジン部3によって文書データの画像が用紙Tに形成された場合には、エンジン部3によって文書の画像が用紙Tに形成されたことの通知を行う。すなわち、通知部96は、文書データに付加されている通知先情報に基づいて、文書を作成したユーザに対して通知を行う。なお、通知部96は、ログイン/ログアウト処理部97によってログイン処理時に認証されたユーザの識別情報に基づいて誰が印刷指示を行ったのか特定し、特定されたユーザ名も通知することが可能である。また、通知部96は、印刷処理を行った複合機1を特定する情報も通知することが可能である。
【0037】
[2.画像データに基づく画像を用紙Tに形成する(原稿Gを複写する)場合]
[2−1.秘密にしたい部分が隠されていない文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが画像に含まれる場合]
検索部91は、原稿読取部20によって読み取られた画像に文書と変換コード情報とパスワード情報とが含まれる場合に、その文書の中から予め登録された用語を検索する。すなわち、用紙Tに形成された画像を複写する場合において、原稿読取部20によって読み取られた画像(第2記憶部82に一時記憶される画像データに基づく画像)に、秘密にしたい部分が所定の符号によって隠されていない文書と、秘密にしたい部分の復元に必要な情報とが含まれる場合、検索部91は、第1記憶部81に記憶される用語データを参照することにより、原稿読取部20によって読み取られた画像の中の文書に、用語データに含まれる用語が存在するか否かを検索する。ここで、検索部91は、原稿読取部20によって原稿Gを読み取った画像から情報を認識するために、例えば、光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)機能を利用する。
【0038】
第1判断部93は、検索部91により文書の中の用語を検索した場合に、文書の画像を複写するために画像の読み取りを指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する。すなわち、第1判断部93は、ログイン/ログアウト処理部97によってログイン処理を行うときに認証された識別情報と、原稿Gに画像形成されているユーザ情報に対応する識別情報とが同一であるか否かを判断する。
【0039】
第2判断部94は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれるパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断する。第2判断部94は、ユーザによって入力されたパスワードと、原稿Gに画像形成されたパスワード情報に基づくパスワードとが同一であるか否かを判断する。
【0040】
画像形成制御部95は、第三者によって原稿Gに画像形成されている文書の複写が指示された場合には、検索部91によって行われた検索結果と、原稿Gに画像形成されている変換コード情報とに基づいて、文書のうち秘密にしたい部分を隠して画像形成を行うよう制御する。すなわち、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれる文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、その文書の画像を用紙Tに形成するようエンジン部3を制御する。この場合、画像形成制御部95は、所定の符号を用語に変換することが可能な情報(秘密にした部分の復元に必要な情報)の画像形成を行わないように制御する。
【0041】
また、画像形成制御部95は、文書を作成したユーザ本人によって用紙Tに画像形成されている文書の複写が指示され、且つ、パスワードの入力があった場合には、文書のうち秘密にしたい部分を隠さずに画像形成を行うよう制御すると共に、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像形成を行うよう制御する。すなわち、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成するようエンジン部3を制御する。
【0042】
また、画像形成制御部95は、文書を作成したユーザ本人によって原稿Gに画像形成されている文書の複写が指示され、且つ、パスワードの入力がなかった場合には、文書のうち秘密にしたい部分を隠さずに画像形成を行うよう制御すると共に、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像形成を行うよう制御する。すなわち、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれる文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成するようエンジン部3を制御する。
【0043】
ここで、変換コード情報及びパスワード情報(秘密にした部分の復元に必要な情報)は、文書を作成したユーザ本人や第三者によって特定することができないような状態にして用紙Tに画像形成される。また、画像形成制御部95は、秘密にした部分の復元に必要な情報として、文書データを作成したユーザの情報(ユーザ情報)を用紙Tに画像形成することが可能である。なお、ユーザ情報には、文書が印刷されたり複写されたりしたことをユーザ(文書の作成者)に知らせるための通知先情報が含まれる。
【0044】
通知部96は、上述の文書データに基づく文書の画像を用紙Tに形成する場合と同様の通知を行う。すなわち、通知部96は、原稿Gに画像形成されていた通知先情報に基づいて、文書の作成者に対して通知を行う。なお、通知部96は、ログイン/ログアウト処理部97によってログイン処理時に認証されたユーザの識別情報に基づいて誰が複写指示を行ったのか特定し、特定されたユーザ名も通知することが可能である。また、通知部96は、複写処理を行った複合機1を特定する情報も通知することが可能である。
【0045】
[2−2.秘密にしたい部分が隠されている文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが画像に含まれる場合]
第1判断部93は、原稿読取部20によって読み取られた画像に、所定の符号を含む文書と、変換コード情報と、パスワード情報とが含まれる場合に、その画像を複写するために画像の読み取りを指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する。すなわち、原稿Gに形成された画像を複写する場合において、原稿読取部20によって読み取られた画像(第2記憶部82に一時記憶される画像データに基づく画像)に、秘密にしたい部分が所定の符号によって隠された文書と、秘密にしたい部分の復元に必要な情報とが含まれる場合、第1判断部93は、ログイン/ログアウト処理部97によってログイン処理を行うときに認証された識別情報と、原稿Gに画像形成されているユーザ情報に対応する識別情報とが同一であるか否かを判断する。
【0046】
第2判断部94は、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれるパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断する。第2判断部94は、ユーザによって入力されたパスワードと、原稿Gに画像形成されたパスワード情報に基づくパスワードとが同一であるか否かを判断する。
【0047】
画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合には、以下のようにエンジン部3を制御する。
画像形成制御部95は、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、原稿読取部20で読み取られた画像に含まれる文書を用紙Tに形成させる。すなわち、画像形成制御部95は、所定の符号によって秘密にしたい部分が隠された文書の画像形成を行わせる。
一方、画像形成制御部95は、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、原稿読取部20によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書を用紙Tに形成させる。すなわち、画像形成制御部95は、所定の符号によって秘密にしたい部分が隠されていない文書の画像形成を行わせる。
ここで、同一のパスワードが入力されていない場合及び同一のパスワードが入力されている場合のいずれの場合でも、画像形成制御部95は、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像形成を行なわないようエンジン部3を制御する。
【0048】
また、画像形成制御部95は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断された場合には、以下のようにエンジン部3を制御する。
画像形成制御部95は、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、原稿読取部20で読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを用紙Tに形成させる。すなわち、画像形成制御部95は、所定の符号によって秘密にしたい部分が隠された文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像形成を行わせる。
一方、画像形成制御部95は、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、原稿読取部20によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを用紙Tに形成させる。すなわち、画像形成制御部95は、所定の符号によって秘密にしたい部分が隠されていない文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像形成を行わせる。
【0049】
通知部96は、上述の文書データに基づく文書の画像を用紙Tに形成する場合と同様の通知を行う。すなわち、通知部96は、原稿Gに画像形成されていた通知先情報に基づいて、文書の作成者に対して通知を行う。なお、通知部96は、ログイン/ログアウト処理部97によってログイン処理時に認証されたユーザの識別情報に基づいて誰が複写指示を行ったのか特定し、特定されたユーザ名も通知することが可能である。また、通知部96は、複写処理を行った複合機1を特定する情報も通知することが可能である。
【0050】
次に、本実施形態における複合機1の動作について説明する。
まず、文書データに基づく文書の画像を用紙Tに形成する(印刷する)場合の複合機1の動作について説明する。図4は、文書データに基づく文書の画像を用紙Tに形成する場合の複合機1の動作について説明するフローチャートである。
【0051】
ステップST101において、インターフェース部100は、通信ネットワークを介して端末装置200から送信された文書データを受信する。
【0052】
ステップST102において、ログイン/ログアウト処理部97は、入力されたユーザの識別情報を認証することに基づいて、ログイン処理を実行する。
【0053】
ステップST103において、検索部91は、文書データに基づく文書の中から予め登録された用語を検索する。なお、文書中に用語が存在しなかった場合には、通常の印刷を行う。
【0054】
ステップST104において、情報付加部92は、ステップST103にて検索された用語を所定の符号に変換するための変換コード情報と、パスワード情報とを文書データに付加する。
【0055】
ステップST105において、第1判断部93は、ステップST102におけるログイン処理時に認証された識別情報と、文書データに付加されたユーザ情報に対応する識別情報とが同一であるか否かを判断することに基づいて、文書データに基づく文書の画像形成を指示するユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する。ユーザが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST106に進む。ユーザが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST107に進む。
【0056】
ステップST106において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠した文書(暗号化した文書)の画像を用紙Tに形成する。この場合、エンジン部3は、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像を用紙Tに形成しない。
【0057】
ステップST107において、第2判断部94は、ユーザによって入力されたパスワードと、文書データに付加されたパスワード情報に基づくパスワードとが同一であるか否かを判断する。パスワードが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST108に進む。パスワードが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST109に進む。
【0058】
ステップST108において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠していない文書(暗号化していない文書)と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像を用紙Tに形成する。
【0059】
ステップST109において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠した文書(暗号化した文書)と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像を用紙Tに形成する。
【0060】
ステップST110において、通知部96は、文書を作成したユーザに対して、文書データに基づく文書の画像が用紙Tに形成されたことの通知を行う。
【0061】
次に、画像データに基づく画像を用紙Tに形成する(原稿Gを複写する)場合において、その画像に、秘密にしたい部分が隠されていない文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが含まれる場合の複合機1の動作について説明する。図5は、画像データに基づく画像を用紙Tに形成する場合において、その画像に、秘密にしたい部分が隠されていない文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが含まれる場合の複合機1の動作について説明するフローチャートである。
【0062】
ステップST201において、ログイン/ログアウト処理部97は、入力されたユーザの識別情報を認証することに基づいて、ログイン処理を実行する。
【0063】
ステップST202において、原稿読取部20は、原稿搬送部10によって搬送された原稿Gの画像を読み取り、原稿Gに基づく画像データを取得する。
【0064】
ステップST203において、検索部91は、ステップST202にて取得された画像データに基づく画像の中の文書から予め登録された用語を検索する。
【0065】
ステップST204において、第1判断部93は、原稿Gの複写を指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する。すなわち、まず、第1判断部93は、ステップST202において取得された画像データに基づく画像に含まれるユーザ情報を取得する。次に、第1判断部93は、取得されたユーザ情報に対応する識別情報と、ステップST201におけるログイン処理時に認証された識別情報とに基づいて、ユーザが同一であるか否かを判断する。ユーザが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST205に進む。ユーザが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST206に進む。
【0066】
ステップST205において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠した文書(暗号化した文書)の画像を用紙Tに形成する。この場合、エンジン部3は、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像を用紙Tに形成しない。
【0067】
ステップST206において、第2判断部94は、パスワードが同一であるか否かを判断する。すなわち、まず、第2判断部94は、ステップST202において取得された画像データに基づく画像に含まれるパスワード情報を取得する。次に、第2判断部94は、取得されたパスワード情報に基づくパスワードと、ユーザによって入力されたパスワードとが同一であるか否かを判断する。パスワードが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST207に進む。パスワードが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST208に進む。
【0068】
ステップST207において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠していない文書(暗号化していない文書)と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像を用紙Tに形成する。
【0069】
ステップST208において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠した文書(暗号化した文書)と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像を用紙Tに形成する。
【0070】
ステップST209において、通知部96は、文書を作成したユーザに対して、その文書に基づく原稿Gが複写されたことの通知を行う。
【0071】
次に、画像データに基づく画像を用紙Tに形成する(原稿Gを複写する)場合において、その画像に、秘密にしたい部分が隠されている文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが含まれる場合の複合機1の動作について説明する。図6は、画像データに基づく画像を用紙Tに形成する場合において、その画像に、秘密にしたい部分が隠されている文書と、秘密にした部分の復元に必要な情報とが含まれる場合の複合機1の動作について説明するフローチャートである。
【0072】
ステップST301において、ログイン/ログアウト処理部97は、入力されたユーザの識別情報を認証することに基づいて、ログイン処理を実行する。
【0073】
ステップST302において、原稿読取部20は、原稿搬送部10によって搬送された原稿Gの画像を読み取り、原稿Gに基づく画像データを取得する。
【0074】
ステップST303において、第1判断部93は、原稿Gの複写を指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する。すなわち、まず、第1判断部93は、ステップST302において取得された画像データに基づく画像に含まれるユーザ情報を取得する。次に、第1判断部93は、取得されたユーザ情報に対応する識別情報と、ステップST301におけるログイン処理時に認証された識別情報とに基づいて、ユーザが同一であるか否かを判断する。ユーザが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST304に進む。ユーザが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST307に進む。
【0075】
ステップST304において、第2判断部94は、パスワードが同一であるか否かを判断する。すなわち、まず、第2判断部94は、ステップST302において取得された画像データに基づく画像に含まれるパスワード情報を取得する。次に、第2判断部94は、取得されたパスワード情報に基づくパスワードと、ユーザによって入力されたパスワードとが同一であるか否かを判断する。パスワードが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST305に進む。パスワードが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST306に進む。
【0076】
ステップST305において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠していない文書(暗号化していない文書)と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像を用紙Tに形成する。
【0077】
ステップST306において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠した文書(暗号化した文書)と、秘密にした部分の復元に必要な情報との画像を用紙Tに形成する。
【0078】
一方、ステップST303にて「No」と判断された場合、ステップST307において、第2判断部94は、パスワードが同一であるか否かを判断する。パスワードが同一の場合(Yes)には、処理は、ステップST308に進む。パスワードが同一ではない場合(No)には、処理は、ステップST309に進む。
【0079】
ステップST308において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠していない文書(暗号化していない文書)の画像を用紙Tに形成する。この場合、エンジン部3は、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像を用紙Tに形成しない。
【0080】
ステップST309において、エンジン部3は、画像形成制御部95による制御に基づいて、秘密にしたい部分を所定の符号によって隠した文書(暗号化した文書)の画像を用紙Tに形成する。この場合、エンジン部3は、秘密にした部分の復元に必要な情報の画像を用紙Tに形成しない。
【0081】
ステップST310において、通知部96は、文書を作成したユーザに対して、その文書に基づく原稿Gが複写されたことの通知を行う。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の複合機1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、本実施形態の複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合に、文書データに基づく文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、当該文書の画像を用紙Tに形成する。一方、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、文書データに基づく文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成する。また、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、文書データに基づく文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成する。したがって、複合機1は、画像を形成する場合に、秘匿性を高くすることができる。
【0083】
また、複合機1は、文書データに基づく文書を印刷する場合や、画像データに基づく画像(原稿G)を複写する場合には、文書データや画像データを第2記憶部82のみに一時記憶させ、第1記憶部81やサーバ210には記憶させない。このため、複合機1は、第三者の操作に基づいて、文書データや画像データが読み出されるのを防ぐことができる。
【0084】
また、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれる文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、当該文書の画像を用紙Tに形成する。一方、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成する。また、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像に含まれる文書のうち検索部91によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を用紙Tに形成する。したがって、複合機1は、画像を形成する場合に、秘匿性を高くすることができる。
【0085】
また、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが異なると判断された場合には、以下の処理を行う。すなわち、複合機1は、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、原稿読取部20で読み取られた画像に含まれる文書を用紙Tに形成する一方、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、原稿読取部20によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書を用紙Tに形成する。
また、複合機1は、第1判断部93によって各ユーザが同一であると判断された場合には、以下の処理を行う。すなわち、複合機1は、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、原稿読取部20で読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを用紙Tに形成する一方、第2判断部94によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、原稿読取部20によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを用紙Tに形成する。
したがって、複合機1は、画像を形成する場合に、秘匿性を高くすることができる。
【0086】
また、複合機1は、エンジン部3によって文書データの画像が用紙Tに形成された場合には、所定の通知を行う。したがって、複合機1は、ユーザに、文書データに基づく文書が印刷されたこと、及び、文書が複写されたことを知らせることができる。
【0087】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態の複合機1は、カラー複合機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロ複合機であってもよい。
また、本実施形態の複合機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態の複合機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0088】
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被画像形成媒体は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバヘッドプロジェクタ)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…複合機(画像形成装置)、3…エンジン部、20…原稿読取部、91…検索部、92…情報付加部、93…第1判断部、94…第2判断部、95…画像形成制御部、96…通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データに基づく文書の中から予め登録された用語を検索する検索部と、
前記検索部により検索された用語を所定の符号に変換するための変換コード情報と、パスワード情報とを文書データに付加する情報付加部と、
前記情報付加部によって変換コード情報とパスワード情報とが付加された文書データに基づく文書の画像を形成する場合に、文書の画像を形成するよう指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断する第1判断部と、
前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断された場合に、文書データに付加されたパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断する第2判断部と、
前記第1判断部によって各ユーザが異なると判断された場合に、文書データに基づく文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、当該文書の画像を被画像形成媒体に形成する一方、
前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、文書データに基づく文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成し、
前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、文書データに基づく文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成するエンジン部と、
前記検索部によって検索された文書の中に用語が存在した場合において、前記エンジン部によって文書データの画像が被画像形成媒体に形成された場合には、前記エンジン部によって文書の画像が被画像形成媒体に形成されたことの通知を行う通知部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
被画像形成媒体に形成された画像を読み取る原稿読取部を備え、
前記検索部は、前記原稿読取部によって読み取られた画像に文書と変換コード情報とパスワード情報とが含まれる場合に、当該文書の中から予め登録された用語を検索し、
前記第1判断部は、前記検索部により前記文書の中の用語を検索した場合に、前記文書の画像を複写するために画像の読み取りを指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断し、
前記第2判断部は、前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれるパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断し、
前記エンジン部は、
前記第1判断部によって各ユーザが異なると判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれる文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えて、当該文書の画像を被画像形成媒体に形成する一方、
前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成し、
前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断され、且つ、前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合に、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれる文書のうち前記検索部によって検索された用語を所定の符号に置き換えた文書と、変換コード情報と、パスワード情報との画像を被画像形成媒体に形成し、
前記通知部は、前記通知を行う
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
被画像形成媒体に形成された画像を読み取る原稿読取部を備え、
前記第1判断部は、前記原稿読取部によって読み取られた画像に、所定の符号を含む文書と、変換コード情報と、パスワード情報とが含まれる場合に、当該画像を複写するために画像の読み取りを指示したユーザと、文書を作成したユーザとが同一であるか否かを判断し、
前記第2判断部は、前記原稿読取部によって読み取られた画像に含まれるパスワード情報に基づくパスワードと同一のパスワードが入力されたか否かを判断し、
前記エンジン部は、
前記第1判断部によって各ユーザが異なると判断された場合において、
さらに前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、前記原稿読取部で読み取られた画像に含まれる文書を被画像形成媒体に形成する一方、
前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、前記原稿読取部によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書を被画像形成媒体に形成し、
前記第1判断部によって各ユーザが同一であると判断された場合において、
さらに前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されていないと判断された場合には、前記原稿読取部で読み取られた画像に含まれる文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを被画像形成媒体に形成する一方、
前記第2判断部によって同一のパスワードが入力されたと判断された場合には、前記原稿読取部によって読み取られた変換コード情報に基づいて所定の符号を用語に変換した文書と、変換コード情報と、パスワード情報とを被画像形成媒体に形成し、
前記通知部は、前記通知を行う
請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−138821(P2012−138821A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290602(P2010−290602)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】