説明

画像形成装置

【課題】被清掃部材上の用紙範囲外の位置に残留する現像剤を良好に清掃する。
【解決手段】現像剤を担持する被清掃部材(中間転写ベルト12)と、被清掃部材上に残留する現像剤を拡散させる現像剤拡散部材(トナー拡散部材33)と、現像剤拡散部材によって拡散された被清掃部材上の現像剤を被清掃部材から除去する清掃部材(クリーニングブラシ36)とを有し、現像剤拡散部材は、清掃部材の上流側の位置に配置されており、さらに、被清掃部材の搬送方向に対して傾斜するように配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関し、特に、被清掃部材上の用紙範囲外の位置に残留する現像剤を良好に清掃する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置(特に、電子写真方式の画像形成装置)において、ブラシクリーニング機構によって、被清掃部材上に残留した現像剤を清掃する装置がある(例えば、特許文献1参照)。ブラシクリーニング機構は、清掃部材の長寿命化を達成するために、清掃部材としてクリーニングブラシを用いた機構である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−91554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のブラシクリーニング機構を用いる画像形成装置は、縁(ふち)なし印刷を行う場合に、現像剤が被清掃部材上の用紙範囲外の位置に多量に残留するため、残留した現像剤を良好に清掃できない場合がある、という課題があった。なお、「縁なし印刷」とは、余白部を設けずに、記録媒体の全面に画像を印刷する動作を意味している。
【0005】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、被清掃部材上の用紙範囲外の位置に残留する現像剤を良好に清掃する画像形成装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、現像剤を担持する被清掃部材と、前記被清掃部材上に残留する前記現像剤を拡散させる現像剤拡散部材と、前記現像剤拡散部材によって拡散された前記被清掃部材上の前記現像剤を前記被清掃部材から除去する清掃部材とを有し、前記現像剤拡散部材は、前記清掃部材の上流側の位置に配置されており、さらに、前記被清掃部材の搬送方向に対して傾斜するように配設されている構成とする。
【0007】
一般に、画像形成装置は、縁なし印刷を行った場合に、現像剤が被清掃部材上の同一箇所(特に、記録媒体の外形の周囲)に多量に集中して残留する。そのため、画像形成装置は、清掃部材が同一箇所で現像剤と長時間接触してしまい、これによって、清掃部材のクリーニング効率が低下する。
【0008】
これに対して、この画像形成装置は、清掃部材の上流側の位置に、被清掃部材上に残留する現像剤を拡散させる現像剤拡散部材を有している。しかも、その現像剤拡散部材は、被清掃部材の搬送方向に対して傾斜するように配設されている。この画像形成装置は、現像剤が清掃部材に到達するまでの間に、現像剤拡散部材が、被清掃部材上に残留する現像剤を拡散させる。そのため、この画像形成装置は、被清掃部材上の用紙範囲外の位置に残留する現像剤を良好に清掃することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被清掃部材上の用紙範囲外の位置に残留する現像剤を良好に清掃する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施形態1で用いる現像剤拡散部材の構成を示す図である。
【図3】実施形態1で用いる現像剤拡散部材の変形例の構成を示す図である。
【図4】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】縁なし印刷時の残留現像剤の残留状況を示す分布図である。
【図6】残留現像剤の長さとクリーニング効率との関係を示す図(1)である。
【図7】残留現像剤の長さとクリーニング効率との関係を示す図(2)である。
【図8】実施形態1に係る画像形成装置の残留現像剤の拡散状況を示す分布図である。
【図9】実施形態2に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図10】実施形態2に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施形態2で用いるトナー検出センサの移動範囲を示す図である。
【図12】実施形態2で用いるトナー検出センサの構成を示す模式図である。
【図13】残留現像剤の残量と実施形態2で用いるトナー検出センサの出力電圧との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
[実施形態1]
<画像形成装置の構成>
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態1に係る画像形成装置の構成につき説明する。なお、図1は、実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。また、図2は、実施形態1で用いる現像剤拡散部材の構成を示す図である。図3は、実施形態1で用いる現像剤拡散部材の変形例の構成を示す図である。図4は、実施形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態1に係る画像形成装置1は、図示せぬホストコンピュータ等の上位装置から入力された印刷データに基づいて、電子写真プロセスによって記録媒体に画像を形成する装置である。画像形成装置1としては、例えば、プリンタや、ファクシミリ装置、複写機、MFP等の形態がある。なお、「MFP」とは、Multi Function Peripheralの略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
【0014】
ここでは、画像形成装置1としてタンデム型の中間転写方式のカラープリンタを想定して説明する。以下、画像形成装置1を「プリンタ1」と称する。また、ここでは、プリンタ1がカラー画像を印刷する場合を想定して説明する。さらに、以下に説明する「上流」及び「下流」は、用紙Pの搬送方向、又は、中間転写ベルト12の走行(搬送)方向を基準にしている。
【0015】
なお、図1に示す構成において、中間転写ベルト12、2次転写ローラ22、トナー拡散部材33、クリーニングブラシ36、及び、回収ローラ38は、それぞれ、特許請求の範囲に記載された「被清掃部材」、「転写部材」、「現像剤拡散部材」、「清掃部材」、及び、「回収部材」に相当する。
【0016】
(画像形成装置の機構系の構成)
まず、図1〜図3を参照して、プリンタ1の機構系の構成につき説明する。
図1に示すように、プリンタ1は、筐体の上部に、スタッカ31を有している。スタッカ31は、印刷済みの用紙Pを集積する集積部である。また、プリンタ1は、筐体の内部に、搬送路14、給紙機構Me1、印刷機構Me2、転写機構Me3、定着機構Me4、及び、クリーニング機構Me5を有している。
【0017】
搬送路14は、記録媒体としての用紙Pが搬送される通路である。搬送路14は、ガイド19の略平坦な面によって構成されている。ガイド19は、用紙Pを所定の位置に案内する部材である。図1に示す例では、ガイド19は、3種類のガイド19A,19B,19Cによって構成されている。ガイド19Aは、ピンチローラ17と2次転写対向ローラ23との間、及び、レジストローラ18と2次転写ローラ22との間に設けられている。ガイド19Bは、2次転写ローラ22と加圧ローラ27との間に設けられている。ガイド19Cは、ヒートローラ26とスタッカ31との間、及び、加圧ローラ27とスタッカ31との間に設けられている。
【0018】
給紙機構Me1は、用紙Pを転写機構Me3に供給する機構である。なお、ここでは、「用紙P」は、現像剤画像が最終的に転写される記録媒体であるものとして説明する。給紙機構Me1は、用紙収容カセット15、ホッピングローラ16、ピンチローラ17、レジストローラ18、ガイド19A、及び、給紙センサ21を備えている。
【0019】
用紙収容カセット15は、用紙Pを収容する収容部である。
ホッピングローラ16は、用紙Pを用紙収容カセット15から搬送路14に繰り出す部材である。ホッピングローラ16は、用紙収容カセット15の給紙口付近の直上の位置に設けられている。ホッピングローラ16は、ホッピングモータ45(図4参照)によって駆動されて回転する。
【0020】
ピンチローラ17は、用紙Pがスキューされた場合に、用紙Pのスキューを修正する部材である。なお、「スキュー」とは、用紙Pが斜め送りされた状態を意味している。ピンチローラ17は、ホッピングローラ16の下流側に設けられている。
【0021】
レジストローラ18は、用紙Pを2次転写ローラ22に送り出す部材である。レジストローラ18は、搬送路14を介してピンチローラ17と対向するように、ホッピングローラ16の下流側に設けられている。レジストローラ18は、レジストモータ46(図4参照)によって駆動されて回転する。
【0022】
ガイド19Aは、用紙Pを2次転写ローラ22に案内する部材である。
給紙センサ21は、用紙Pがピンチローラ17とレジストローラ18との間に到達したか否かを監視するためのセンサである。給紙センサ21は、ピンチローラ17及びレジストローラ18に対して、用紙Pの搬送方向の直前の位置に設けられている。
【0023】
給紙機構Me1は、印刷時に、ホッピングローラ16が、用紙Pを用紙収容カセット15から搬送路14に繰り出す。ホッピングローラ16の下流側には、給紙センサ21が設けられている。給紙センサ21は、用紙Pがピンチローラ17とレジストローラ18との間に到達したか否かを監視する。用紙Pがピンチローラ17とレジストローラ18との間に到達すると、ピンチローラ17が、用紙Pのスキューを修正する。そして、レジストローラ18が、用紙Pをガイド19Aに送り出し、用紙Pを2次転写ローラ22及び2次転写対向ローラ23の位置まで搬送する。
【0024】
印刷機構Me2は、現像剤によって画像を形成する画像形成プロセスユニットである。印刷機構Me2は、プリンタ1に対して装着及び取り外しが自在な構成になっている。印刷機構Me2は、帯電ローラ3、感光ドラム4、現像ローラ5、現像ブレード6、供給ローラ7、除電光源8、トナーカートリッジ9、及び、LEDヘッド11を備えている。ただし、LEDヘッド11は、印刷機構Me2とは別体の独立した構成要素であってもよい。
【0025】
帯電ローラ3は、感光ドラム4の表面を一様に帯電させる部材である。帯電ローラ3は、感光ドラム4に連れ回されて回転する。
感光ドラム4は、像を担持する像担持体である。感光ドラム4は、円柱状の図示せぬシャフトの表面に、有機光半導体から成る円筒状の図示せぬ感光体層が設けられた構成となっている。感光ドラム4は、ドラムモータ48(図4参照)によって駆動されて回転する。このとき、感光ドラム4は、帯電ローラ3によって表面が一様に帯電され、その後に、LEDヘッド11によって部分的に露光される。これにより、感光ドラム4は、表面に静電潜像が形成される。
【0026】
現像ローラ5は、現像剤(以下、「トナーTN」と称する)によって、感光ドラム4上に形成された静電潜像を現像剤画像(以下、「トナー画像」と称する)として現像する部材である。現像ローラ5は、現像ブレード6及び供給ローラ7とともに現像部を構成している。
【0027】
現像ブレード6は、供給ローラ7によって現像ローラ5に供給されたトナーTNの層厚を一定に調整する部材である。現像ブレード6は、ステンレススチール等の金属を研磨することによって形成されており、先端が現像ローラ5と平行に接触するように、現像ローラ5の軸方向に沿って設けられている。
供給ローラ7は、トナーTNを現像ローラ5に供給する部材である。
【0028】
除電光源8は、感光ドラム4の表面を露光することによって除電する露光手段である。
トナーカートリッジ9は、現像部(現像ローラ5、現像ブレード6、及び、供給ローラ7)に供給するトナーTNを収容する収容部である。現像部に供給されたトナーTNは、供給ローラ7によって現像ローラ5に供給されて、現像ローラ5の表面に付着する。そして、現像ローラ5の表面に付着したトナーTNは、現像ブレード6によって一定の層厚に調整される。
【0029】
LEDヘッド11は、図示せぬホストコンピュータ等の上位装置から入力された印刷データから取得される画像データに従って、感光ドラム4の表面を部分的に露光して、感光ドラム4の表面に静電潜像を形成する露光装置である。LEDヘッド11は、それぞれ図示せぬLEDアレイ、ドライブIC、基板、及び、セルフォックレンズアレイを備えている。LEDアレイは、発光素子が集積された露光手段である。ドライブICは、LEDアレイを駆動する駆動手段である。基板は、画像データを保持するレジスタ群を搭載する部材である。セルフォックレンズアレイは、LEDアレイの光をそれぞれ集光する部材である。
【0030】
LEDヘッド11は、コマンド/画像処理部42(図4参照)によって印刷データから取得されるカラー画像データ信号の中で、対応する色の画像データ信号が入力される。LEDヘッド11は、入力された画像データ信号に対応してLEDアレイを発光させて、光を感光ドラム4の表面に照射する。これによって、LEDヘッド11は、静電潜像を感光ドラム4上に形成する。
【0031】
図1に示す例では、印刷機構Me2は、印刷時に、感光ドラム4が時計回り方向に回転するとともに、帯電ローラ3、現像ローラ5、及び、供給ローラ7が反時計回り方向に回転する。
【0032】
このとき、印刷機構Me2は、帯電ローラ3が、感光ドラム4の表面を一様に帯電させ、その後に、LEDヘッド11が、印刷データから取得される画像データに従って、感光ドラム4の表面を部分的に露光する。これにより、印刷機構Me2は、感光ドラム4の表面に静電潜像を形成する。また、このとき、供給ローラ7が、トナーTNを現像ローラ5に供給するとともに、現像ブレード6が、現像ローラ5に付着したトナーTNの層厚を一定に調整し、さらに、現像ローラ5が、トナーTNを感光ドラム4に供給する。これにより、印刷機構Me2は、感光ドラム4の表面に形成された静電潜像をトナー画像として現像する。
【0033】
なお、感光ドラム4上のトナー画像は、転写機構Me3の1次転写ローラ10によって、中間転写ベルト12に1次転写される。この後、除電光源8が、感光ドラム4の表面を露光することによって除電する。
【0034】
タンデム型の中間転写方式のカラープリンタとして構成されたプリンタ1は、印刷機構Me2を4つ有している。4つの印刷機構Me2は、互いに独立しており、中間転写ベルト12の走行方向に沿って、中間転写ベルト12上に並べて配置されている。4つの印刷機構Me2は、それぞれ、例えば、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色のトナーTNを用いて、各色に対応するトナー画像を感光ドラム4上に形成する。
【0035】
4つの印刷機構Me2は、トナーカートリッジ9の内部に収容されたトナーTNの色が異なる以外は、同じ構成となっている。以下、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色に対応する構成要素を区別する場合に、各構成要素に与えられた符号の末尾に、英文字「(K)」、「(Y)」、「(M)」、及び、「(C)」のいずれか1つを付して説明する。
【0036】
転写機構Me3は、印刷機構Me2の感光ドラム4上に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する機構である。転写機構Me3は、1次転写ローラ10、中間転写ベルト12、駆動ローラ13、2次転写ローラ22、2次転写対向ローラ23、用紙監視センサ24、クリーニングブレード63、及び、廃トナータンク64を備えている。
【0037】
1次転写ローラ10は、印刷機構Me2の感光ドラム4上に形成されたトナー画像を、感光ドラム4から中間転写ベルト12上に転写する部材である。1次転写ローラ10は、感光ドラム4に連れ回されて回転する。プリンタ1は、4つの印刷機構Me2に対応して4つの1次転写ローラ10を有している。各1次転写ローラ10は、中間転写ベルト12の内周側でかつ各感光ドラム4と対向する位置に設けられている。
【0038】
なお、転写機構Me3は、1次転写ローラ10以外にも、トナー画像の転写を行う転写ローラとして、2次転写ローラ22を備えている。以下、1次転写ローラ10による転写動作と2次転写ローラ22による転写動作とを区別する場合に、1次転写ローラ10による転写動作を「1次転写」と称し、2次転写ローラ22による転写動作を「2次転写」と称する。
【0039】
中間転写ベルト12は、印刷機構Me2の感光ドラム4上に形成された各トナー画像を最終的に用紙Pに転写するための中間転写媒体である。中間転写ベルト12は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムによって、継目のないエンドレスな形状に形成されている。
【0040】
中間転写ベルト12は、感光ドラム4と1次転写ローラ10との間、2次転写ローラ22と2次転写対向ローラ23との間、プレ帯電ブラシ34と金属プレート35との間、及び、クリーニングブラシ36とクリーニングブラシ対向ローラ37との間に掛け渡されている。また、中間転写ベルト12は、駆動ローラ13、2次転写対向ローラ23、及び、クリーニングブラシ対向ローラ37によって走行自在に張架されている。
【0041】
中間転写ベルト12は、駆動ローラ13がベルトモータ47(図4参照)によって回転駆動されることによって、矢印a方向に走行する。その際に、中間転写ベルト12は、4つの感光ドラム4上に形成された各トナー画像が、1次転写ローラ10によって、表面に重ねて1次転写される。これによって、カラーのトナー画像が、中間転写ベルト12上に形成される。
そして、中間転写ベルト12は、カラーのトナー画像を担持する像担持体となり、カラーのトナー画像を2次転写ローラ22まで搬送する。この後、カラーのトナー画像は、2次転写ローラ22によって中間転写ベルト12から用紙Pに2次転写される。
【0042】
例えば、中間転写ベルト12は、4つの1次転写ローラ10によって4つの感光ドラム4に押し当てられている。これにより、中間転写ベルト12は、表面が各感光ドラム4と接触して、各感光ドラム4との間に転写ニップ部(以下、「1次転写ニップ部」と称する)N1を形成している。プリンタ1は、1次転写電圧発生部57(図4参照)から1次転写用の所定の直流電圧(以下、「1次転写電圧」と称する)を各転写ローラ10に印加する。これによって、プリンタ1は、各感光ドラム4上の各トナー画像を各感光ドラム4から中間転写ベルト12に順次重ねて1次転写する。
【0043】
また、中間転写ベルト12は、2次転写ローラ22によって2次転写対向ローラ23に押し当てられている。これにより、中間転写ベルト12は、表面が2次転写ローラ22と接触して、転写ニップ部(以下、「2次転写ニップ部」と称する)N2を形成している。プリンタ1は、2次転写電圧発生部58(図4参照)から2次転写用の所定の直流電圧(以下、「2次転写電圧」と称する)を2次転写ローラ22に印加する。これによって、プリンタ1は、中間転写ベルト12上のトナー画像を中間転写ベルト12から用紙Pに2次転写する。
【0044】
駆動ローラ13は、中間転写ベルト12を走行させる部材である。駆動ローラ13は、ベルトモータ47(図4参照)によって駆動されて回転し、これにより、中間転写ベルト12を矢印a方向に走行させる。
【0045】
2次転写ローラ22は、中間転写ベルト12上のトナー画像を用紙Pに転写する部材である。2次転写ローラ22は、ピンチローラ17及びレジストローラ18の下流側でかつ中間転写ベルト12の外周側の位置に設けられている。2次転写ローラ22は、2次転写モータ49(図4参照)によって駆動されて回転することにより、中間転写ベルト12を走行させるとともに、用紙Pを搬送する。
【0046】
2次転写対向ローラ23は、中間転写ベルト12を走行自在に支持する部材である。2次転写対向ローラ23は、中間転写ベルト12を介して2次転写ローラ22と対向するように、ピンチローラ17及びレジストローラ18の下流側でかつ中間転写ベルト12の内周側の位置に設けられている。2次転写対向ローラ23は、2次転写ローラ22に連れ回されて回転する。
【0047】
用紙監視センサ24は、2次転写ローラ22への用紙Pの巻き付きや中間転写ベルト12からの用紙Pの分離の失敗を監視するためのセンサである。用紙監視センサ24は、2次転写ローラ22の下流側に設けられている。
【0048】
クリーニングブレード63は、2次転写ローラ22の表面に付着したトナーTNを廃トナータンク64に掻き落とす部材である。クリーニングブレード63は、可撓性のゴム材又はプラスチック材によって構成されており、先端が2次転写ローラ22と平行に接触するように、2次転写ローラ22の軸方向に沿って設けられている。
廃トナータンク64は、クリーニングブレード63によって掻き落とされたトナーTNを収容する収容部である。
【0049】
図1に示す例では、転写機構Me3は、印刷時に、2次転写ローラ22が時計回り方向に回転するとともに、1次転写ローラ10、駆動ローラ13、及び、2次転写対向ローラ23が反時計回り方向に回転する。
【0050】
このとき、転写機構Me3は、各色に対応する4つの1次転写ローラ10が、それぞれに対応する感光ドラム4上のトナー画像を引き寄せて、トナー画像を中間転写ベルト12上に重ねて1次転写する。この後、転写機構Me3は、2次転写ローラ22が、中間転写ベルト12上のトナー画像を引き寄せて、トナー画像を用紙Pに2次転写する。
【0051】
例えば、タンデム型の中間転写方式のカラープリンタとして構成されたプリンタ1は、印刷データに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色のトナーTNを用いて、各色に対応するトナー画像を4つの印刷機構Me2の各感光ドラム4上に形成する。そして、プリンタ1は、転写機構Me3の1次転写ローラ10によって、4つの感光ドラム4上に形成された各トナー画像を、順次、各感光ドラム4から中間転写ベルト12上に重ねて1次転写する。これによって、プリンタ1は、カラーのトナー画像を中間転写ベルト12上に形成する。この後、プリンタ1は、用紙Pを中間転写ベルト12上のカラーのトナー画像に位置合わせして、転写機構Me3の2次転写ローラ22によって、カラーのトナー画像を中間転写ベルト12から用紙P上に2次転写する。
【0052】
なお、2次転写ローラ22を通過した用紙Pは、中間転写ベルト12から分離されて、用紙Pを定着機構Me4へと案内するガイド19Bへ搬送される。
【0053】
ところで、トナーTNは、2次転写後に、一部が2次転写ローラ22の表面に付着するとともに、一部が中間転写ベルト12に残留する。そこで、プリンタ1は、2次転写ローラ22をクリーニングするとともに、中間転写ベルト12をクリーニングする。2次転写ローラ22のクリーニングは、クリーニングブレード63が2次転写ローラ22の表面に付着したトナーTNを廃トナータンク64に掻き落とすことによって、行われる。また、中間転写ベルト12のクリーニングは、トナー拡散部材33が中間転写ベルト12に残留したトナー(以下、「残留トナーRTN」と称する)を拡散させ、その後に、クリーニング機構Me5が残留トナーRTNを除去することによって、行われる。
【0054】
定着機構Me4は、用紙Pに転写されたトナー画像を用紙Pに定着させる機構である。定着機構Me4は、用紙Pを加熱及び加圧して、用紙Pに転写されたトナー画像を溶融させることによって、トナー画像を用紙Pに定着させる。定着機構Me4は、ヒートローラ26、加圧ローラ27、ヒータ28、サーミスタ29、及び、排出センサ30を備えている。
【0055】
ヒートローラ26は、用紙Pに熱を伝達する部材である。ヒートローラ26は、ヒータ28を内蔵する構成となっている。ヒートローラ26は、2次転写対向ローラ23の下流側に設けられている。ヒートローラ26は、ヒートローラモータ50(図4参照)によって駆動されて回転することにより、用紙Pを搬送する。
【0056】
加圧ローラ27は、用紙Pをヒートローラ26に押し付けて、用紙Pを加圧する部材である。加圧ローラ27は、搬送路14を介してヒートローラ26と対向するように、2次転写ローラ22の下流側に設けられている。加圧ローラ27は、ヒートローラ26に連れ回されて回転する。
【0057】
ヒータ28は、用紙Pを加熱する熱源である。ヒータ28は、例えば、ハロゲンランプによって構成されている。
サーミスタ29は、ヒートローラ26の温度を監視するためのセンサである。
排出センサ30は、定着機構Me4における用紙Pのジャムや用紙Pのヒートローラ26への巻き付きを監視するためのセンサである。
【0058】
定着機構Me4は、印刷時に、ヒートローラ26及び加圧ローラ27によって、用紙Pをスタッカ31に向けて搬送しながら、用紙Pを加熱及び加圧して、用紙P上のトナー画像を溶融させて、トナー画像を用紙P上に定着させる。なお、ヒートローラ26の表面近くには、サーミスタ29が設けられている。サーミスタ29は、ヒートローラ26の温度を監視している。また、ヒートローラ26の下流側には、排出センサ30が設けられている。排出センサ30は、定着機構Me4における用紙Pのジャムや用紙Pのヒートローラ26への巻き付きを監視している。また、排出センサ30の下流側には、用紙Pをスタッカ31に案内するガイド19Cが設けられている。定着機構Me4は、トナー画像を用紙P上に定着させると、ヒートローラ26及び加圧ローラ27によって、印刷済みの用紙Pをスタッカ31に向けて搬送し、用紙Pをスタッカ31に排出する。
【0059】
クリーニング機構Me5は、2次転写後に、中間転写ベルト12に残留する残留トナーRTNを除去して、中間転写ベルト12をクリーニングする機構である。クリーニング機構Me5は、2次転写ローラ22及び2次転写対向ローラ23の下流側でかつ印刷機構Me2(K)の上流側の位置に設けられている。クリーニング機構Me5は、プレ帯電ブラシ34、金属プレート35、クリーニングブラシ36、クリーニングブラシ対向ローラ37、回収ローラ38、クリーニングブレード39、及び、廃トナータンク40を備えている。
【0060】
プレ帯電ブラシ34は、中間転写ベルト12上に残留するトナーTNの帯電極性を任意の極性に揃える部材である。プレ帯電ブラシ34は、中間転写ベルト12との接触部となるブラシ部34aと、そのブラシ部34aを保持するブラシ保持部34bとを備えた構成となっている。なお、ブラシ部34aは、導電性の部材によってブラシ状に構成されている。プレ帯電ブラシ34は、プレ帯電電圧発生部59(図4参照)から、プレ帯電用の所定の直流電圧(以下、「プレ帯電電圧」と称する)が印加された状態で、ブラシ部34aが中間転写ベルト12と接触することにより、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNの帯電極性を任意の極性に揃える。
【0061】
金属プレート35は、中間転写ベルト12を走行自在に支持する部材である。金属プレート35は、中間転写ベルト12を介してプレ帯電ブラシ34と対向するように設けられており、グランド接続されている。
【0062】
クリーニングブラシ36は、中間転写ベルト12をクリーニングする部材である。クリーニングブラシ36は、芯金36aにブラシ布36bを螺旋状に巻き貼り付けたローラ状の構成となっている。クリーニングブラシ36は、中間転写ベルト12をクリーニングブラシ対向ローラ37に所定量押し込むように、中間転写ベルト12を介してクリーニングブラシ対向ローラ37に対向して設けられている。
【0063】
クリーニングブラシ36は、ブラシモータ51(図4参照)によって中間転写ベルト12の走行方向とは逆方向に駆動され、さらに、クリーニング電圧発生部60(図4参照)から、中間転写ベルト12のクリーニング用の所定の直流電圧(以下、「クリーニング電圧」と称する)が印加されて、機械的及び電気的な力によって中間転写ベルト12から残留トナーRTNを除去する。以下、中間転写ベルト12から除去された残留トナーRTNを「除去トナーrtn(図示せず)」と称する。
【0064】
クリーニングブラシ対向ローラ37は、中間転写ベルト12を走行自在に支持する部材である。クリーニングブラシ対向ローラ37は、中間転写ベルト12を介してクリーニングブラシ36に対向して設けられている。
【0065】
回収ローラ38は、クリーニングブラシ36によって中間転写ベルト12から除去され、かつ、クリーニングブラシ36に付着した除去トナーrtnを回収する部材である。回収ローラ38は、クリーニングブラシ36に所定量押し込まれた状態で設けられている。回収ローラ38は、回収モータ52(図4参照)によってクリーニングブラシ36の回転方向と同じ方向に駆動され、さらに、回収電圧発生部61(図4参照)から、除去トナーrtnの回収用の所定の直流電圧(以下、「回収電圧」と称する)が印加されて、電気的な力によってクリーニングブラシ36から除去トナーrtnを回収する。
【0066】
クリーニングブレード39は、回収ローラ38に付着した除去トナーrtnを廃トナータンク40に掻き落とす部材である。クリーニングブレード39は、可撓性のゴム材又はプラスチック材によって構成されており、先端が回収ローラ38と平行に接触するように、回収ローラ38の軸方向に沿って設けられている。
廃トナータンク40は、クリーニングブレード39によって掻き落とされた除去トナーrtnを収容する収容部である。
【0067】
図1に示す例では、クリーニング機構Me5は、印刷時に、クリーニングブラシ36、クリーニングブラシ対向ローラ37、及び、回収ローラ38が、共に、反時計回りに回転する。
【0068】
このとき、クリーニング機構Me5は、印刷時に、プレ帯電ブラシ34のブラシ部34aが、プレ帯電電圧発生部59(図4参照)からプレ帯電電圧を印加された状態で、中間転写ベルト12と接触することにより、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNの帯電極性を任意の極性に揃える。そして、クリーニングブラシ36のブラシ布36bが、クリーニング電圧発生部60(図4参照)からクリーニング電圧を印加された状態で、中間転写ベルト12と接触することにより、機械的及び電気的な力によって中間転写ベルト12から残留トナーRTNを除去する。この後、回収ローラ38が、回収電圧発生部61(図4参照)から回収電圧を印加された状態で、クリーニングブラシ36と接触することにより、電気的な力によってクリーニングブラシ36から除去トナーrtnを回収する。そして、クリーニングブレード39が、回収ローラ38から除去トナーrtnを廃トナータンク40に掻き落とす。
【0069】
このような構成のプリンタ1は、図1に示すように、2次転写ローラ22とクリーニング機構Me5との間に、本発明の特徴的な部材であるトナー拡散部材33を有している。トナー拡散部材33は、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNを拡散させる部材である。
【0070】
トナー拡散部材33は、長尺な棒状に構成されている。トナー拡散部材33は、中間転写ベルト12の搬送面と対向する側の面に、中間転写ベルト12との接触部となるブラシ部33aと、そのブラシ部33aを保持するブラシ保持部33bとを備えている。ブラシ部33aの先端部分は、略平坦な形状に形成されており、中間転写ベルト12の搬送面と平行に当接する当接面S1(図2参照)を構成している。その当接面S1は、中間転写ベルト12の走行(搬送)方向に対して、傾斜して交差する方向に延伸して設けられている。ただし、ここでは、中間転写ベルト12との接触部がブラシ状の部材によって構成されていることを想定して説明するが、中間転写ベルト12との接触部は、これに限らず、例えば、フェルト等の布によって構成されていてもよい。
【0071】
トナー拡散部材33は、クリーニングブラシ36(図1参照)の上流側の位置に配置されている。トナー拡散部材33は、中間転写ベルト12の走行(搬送)方向に対して、長手方向中央部が上流側となり、長手方向端部が下流側となるように、傾斜して配置されている。
【0072】
例えば、図2に示す例では、2つのトナー拡散部材33が、中間転写ベルト12の搬送方向の中心に対して、左右2箇所の端部側に分断されて設けられている。以下、右側に設けられたトナー拡散部材33と左側に設けられたトナー拡散部材33とを区別する場合に、右側に設けられたトナー拡散部材33を「トナー拡散部材33R」と称し、左側に設けられたトナー拡散部材33を「トナー拡散部材33L」と称する。そして、図2に示す例では、長さLのトナー拡散部材33R及びトナー拡散部材33Lが、互いに、上流側から下流側に向けて開くように、中間転写ベルト12の長手方向(中間転写ベルト12の走行方向と垂直に交差する方向)に対して、鋭角な傾斜角θ1で、左右対称に傾斜して設けられている。なお、トナー拡散部材33R及びトナー拡散部材33Lは、中間転写ベルト12の走行(搬送)方向を基準にすると、中間転写ベルト12の走行(搬送)方向に対して、鈍角な傾斜角θ2で、左右対称に傾斜して設けられている。ここで、傾斜角θ2は、「傾斜角θ1+90°」の関係となっている。
【0073】
なお、トナー拡散部材33の長さL、傾斜角θ1,θ2、及び、中間転写ベルト12上の取り付け位置は、プリンタ1での印刷が可能な用紙Pの最小用紙幅Lmin及びプリンタ1の印刷速度Vを基にして決定される。
【0074】
また、トナー拡散部材33は、図2に示す構成に限らず、様々な構成に変形することができる。その一例としての構成を図3に示す。図3(a)に示す例では、トナー拡散部材33は、トナー拡散部材33R及びトナー拡散部材33Lが、それぞれ、2つずつ設けられた構成となっている。なお、トナー拡散部材33R及びトナー拡散部材33Lの数は、任意に変更することができ、しかも、互いを異なる数にすることもできる。また、図3(b)に示す例では、トナー拡散部材33は、トナー拡散部材33Rがトナー拡散部材33Lよりも長く形成され、しかも、搬送方向において、互い違いに重なった構成となっている。なお、トナー拡散部材33は、トナー拡散部材33Rとトナー拡散部材33Lとを1つの部材として連結した構成にすることも可能である。
【0075】
(画像形成装置の制御系の構成)
次に、図4を参照して、プリンタ1の制御系の構成につき説明する。
プリンタ1は、ホストインタフェース部41、コマンド/画像処理部42、LEDヘッドインタフェース部43、機構制御部44、高圧制御部53、帯電電圧発生部54、供給電圧発生部55、現像電圧発生部56、1次転写電圧発生部57、2次転写電圧発生部58、プレ帯電電圧発生部59、クリーニング電圧発生部60、及び、回収電圧発生部61を有している。
【0076】
ホストインタフェース部41は、図示せぬホストコンピュータ等の上位装置との物理的階層のインタフェースを担う機能手段である。ホストインタフェース部41は、コネクタ及び通信用チップによって構成される。
【0077】
コマンド/画像処理部42は、プリンタ1全体の動作を制御する機能手段である。コマンド/画像処理部42は、上位装置から送信されるコマンド及び印刷データを解釈する処理や、印刷データに基づく画像データをビットマップデータとしてビットマップメモリに展開する処理等を行う。コマンド/画像処理部42は、マイクロプロセッサ、RAM、及び、画像データの展開用の特別なハードウェア等によって構成される。
【0078】
LEDヘッドインタフェース部43は、LEDヘッド11の発光を制御する機能手段である。LEDヘッドインタフェース部43は、コマンド/画像処理部42によってビットマップメモリに展開されたビットマップデータを各色のLEDヘッド11(K),11(Y),11(M),11(C)のインタフェースに合わせてデータを加工して、LEDヘッド11の発光を制御する。LEDヘッドインタフェース部43は、セミカスタムLSI及びRAMによって構成される。
【0079】
機構制御部44は、プリンタ1の主要部の動作を制御する機能手段である。機構制御部44は、コマンド/画像処理部42からの指示に従って、各センサ21,24,30から出力される出力信号の状態を参照しながら、印刷系の構成要素の動作の制御(具体的には、各モータ(回路)45〜52の駆動制御やヒータ28の温度制御等)、及び、高圧制御部53を介して、高圧電源部(具体的には、帯電電圧発生部54、供給電圧発生部55、現像電圧発生部56、1次転写電圧発生部57、2次転写電圧発生部58、プレ帯電電圧発生部59、クリーニング電圧発生部60、及び、回収電圧発生部61)の動作の制御を行う。機構制御部44は、マイクロプロセッサ、及び、RAMによって構成される。
【0080】
なお、各モータ(回路)45〜52は、各印刷機構Me2、2次転写ローラ22、ヒートローラ26等を動かすための各種モータ及びそれを駆動するドライバによって構成されている。また、ここでは、ヒータ28は、ハロゲンランプによって構成されており、ヒートローラ26の中に設けられているものとする。機構制御部44は、ヒートローラ26の表面近くに設けられたサーミスタ29の出力信号に基づいて、ヒータ28の温度制御を行っている。
【0081】
高圧制御部53は、高圧電源部(具体的には、帯電電圧発生部54、供給電圧発生部55、現像電圧発生部56、1次転写電圧発生部57、2次転写電圧発生部58、プレ帯電電圧発生部59、クリーニング電圧発生部60、及び、回収電圧発生部61)の動作を制御する機能手段である。高圧制御部53は、機構制御部44の指示に従って、高圧電源部の動作を制御する。高圧制御部53は、マイクロプロセッサ又はカスタムLSI等によって構成される。
【0082】
帯電電圧発生部54は、高圧制御部53の指示に従って、帯電ローラ3(K),3(Y),3(M),3(C)に印加する、感光ドラム4の帯電用の所定の直流電圧(以下、「帯電電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
供給電圧発生部55は、高圧制御部53の指示に従って、供給ローラ7(K),7(Y),7(M),7(C)に印加する、現像ローラ5へのトナーTNの供給用の所定の直流電圧(以下、「供給電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
現像電圧発生部56は、高圧制御部53の指示に従って、現像ローラ5(K),5(Y),5(M),5(C)に印加する、静電潜像の現像用の所定の直流電圧(以下、「現像電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
【0083】
1次転写電圧発生部57は、高圧制御部53の指示に従って、転写ローラ10(K),10(Y),10(M),10(C)に印加する、トナーTNの1次転写用の所定の直流電圧(以下、「1次転写電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
2次転写電圧発生部58は、高圧制御部53の指示に従って、2次転写ローラ22に印加する、トナーTNの2次転写用の所定の直流電圧(以下、「2次転写電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
【0084】
プレ帯電電圧発生部59は、高圧制御部53の指示に従って、プレ帯電ブラシ34に印加する、残留トナーRTNの事前の帯電用の所定の直流電圧(以下、「プレ帯電電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
クリーニング電圧発生部60は、高圧制御部53の指示に従って、クリーニングブラシ36に印加する、中間転写ベルト12のクリーニング用の所定の直流電圧(以下、「クリーニング電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
回収電圧発生部61は、高圧制御部53の指示に従って、回収ローラ38に印加する、除去トナーrtnの回収用の所定の直流電圧(以下、「回収電圧」と称する)の生成及び停止を行う高圧電源部である。
【0085】
<画像形成装置の動作>
以下、図5〜図8を参照して、プリンタ1の印刷時の動作につき説明する。なお、図5は、縁なし印刷時の残留現像剤の残留状況を示す分布図である。また、図6及び図7は、それぞれ、残留現像剤の長さとクリーニング効率との関係を示す図である。図6及び図7は、それぞれ、クリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する残留トナーRTNのトナー長とクリーニングブラシ36のクリーニング効率との関係を示している。図8は、実施形態1に係る画像形成装置の残留現像剤の拡散状況を示す分布図である。
【0086】
プリンタ1は、上位装置から印刷データを受信すると、以下のようにして、トナー画像を形成する。
まず、プリンタ1は、コマンド/画像処理部42が、定着機構Me4のウォームアップ開始の指示を機構制御部44に出力するとともに、印刷データに基づいて画像データの展開処理を行い、1ページ毎のビットマップデータを各色に対応して生成する。
【0087】
ここで、コマンド/画像処理部42からウォームアップ開始の指示が機構制御部44に入力されると、機構制御部44は、サーミスタ29から出力される出力信号の状態を参照しながら、ヒートローラ26が予め設定された定着温度になるように、ヒータ28のON/OFFを制御して、ヒートローラ26の温度を調整する。なお、「定着温度」とは、用紙P上のトナー画像が用紙P上に定着可能な温度を意味している。プリンタ1は、ヒートローラ26の温度が予め定められた定着温度に到達すると、印刷動作を開始する。
【0088】
次に、機構制御部44は、ベルトモータ47、ドラムモータ48、2次転写モータ49、ブラシモータ51、及び、回収モータ52の駆動を制御して、駆動ローラ13、各印刷機構Me2(K),Me2(Y),Me2(M),Me2(C)、2次転写ローラ22、クリーニングブラシ36、及び、回収ローラ38を駆動させる。
【0089】
これと同時に、機構制御部44は、電圧生成の指示を高圧制御部53に出力する。これに応答して、高圧制御部53は、帯電電圧発生部54、供給電圧発生部55、現像電圧発生部56に、それぞれに対応する構成要素へ電圧を印加させる。
【0090】
その結果、帯電電圧発生部54が、予め設定された帯電電圧を4つの印刷機構Me2(K),Me2(Y),Me2(M),Me2(C)の各帯電ローラ3に印加する。また、供給電圧発生部55が、予め設定された供給電圧を4つの印刷機構Me2(K),Me2(Y),Me2(M),Me2(C)の各供給ローラ7に印加する。同様に、現像電圧発生部56が、予め設定された現像電圧を4つの印刷機構Me2(K),Me2(Y),Me2(M),Me2(C)の各現像ローラ5に印加する。
【0091】
ここで、印刷機構Me2のトナー画像の形成動作について、ブラック(K)の印刷機構Me2(K)を用いて説明する。なお、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各印刷機構Me2(Y),Me2(M),Me2(C)の動作は、印刷機構Me2(K)と同様であるので、ここでは、ここでは、重複した説明を省略する。
【0092】
帯電電圧発生部54は、例えば、約−1100Vの帯電電圧を帯電ローラ3(K)に印加する。これにより、帯電ローラ3(K)は、感光ドラム4(K)の表面を、約−600Vに一様に帯電させる。
【0093】
また、供給電圧発生部55が、例えば、約−250Vの供給電圧を供給ローラ7(K)に印加し、さらに、現像電圧発生部56が、例えば、約−200Vの現像電圧を現像ローラ5(K)に印加する。その結果、現像ローラ5(K)と供給ローラ7(K)とのニップ部の近傍に、現像ローラ5(K)から供給ローラ7(K)に向かう方向の電界が形成される。
【0094】
印刷機構Me2(K)のトナーカートリッジ9(K)は、ブラック(K)のトナーTNを収容している。トナーカートリッジ9(K)は、トナーTNを供給ローラ7(K)に供給する。供給ローラ7(K)に供給されたトナーTNは、現像ローラ5(K)と供給ローラ7(K)とによって強く擦られる。その結果、トナーTNが、摩擦帯電される。本実施形態1では、トナーTNは、現像ローラ5(K),5(Y),5(M),5(C)、及び、供給ローラ7(K),7(Y),7(M),7(C)の特性により、マイナス極性に帯電される。
【0095】
マイナス極性に帯電されたトナーTNは、現像ローラ5(K)から供給ローラ7(K)の方向を向かう電界から受けるクーロン力によって、現像ローラ5(K)の表面に付着する。
【0096】
現像ローラ5(K)は、回転することにより、表面に付着したトナーTNを、現像ローラ5(K)と現像ブレード6(K)との接触部に搬送する。現像ブレード6(K)は、現像ローラ5(K)の表面に付着したトナーTNを一定の層厚に調整する。その結果、均一な厚さのトナー層が、現像ローラ5(K)上に形成される。この後、現像ローラ5(K)は、さらに回転することにより、表面に付着したトナーTNを、現像ローラ5(K)と感光ドラム4(K)とのニップ部に搬送する。
【0097】
一方、コマンド/画像処理部42は、1ページ毎のビットマップデータをLEDヘッドインタフェース部43に出力する。LEDヘッドインタフェース部43は、ビットマップデータに対応して、LEDヘッド11(K)のLEDを点滅させて、感光ドラム4(K)の表面を部分的に露光させる。これにより、感光ドラム4(K)の表面が、部分的に約−50Vに除電される。その結果、感光ドラム4(K)の表面は、露光された部分(以下、「露光部」と称する)が約−50Vに除電された状態となり、露光されなかった部分(以下、「非露光部」と称する)が約−600Vに帯電されたままの状態となる。これにより、静電潜像が、感光ドラム4(K)の表面に形成される。
【0098】
感光ドラム4(K)は、回転することにより、表面に形成された静電潜像を、感光ドラム4(K)と現像ローラ5(K)とのニップ部に搬送する。ニップ部では、方向の異なる電界が形成される。例えば、感光ドラム4(K)上の露光部では、露光部が約−50Vに除電されているため、感光ドラム4(K)から現像ローラ5(K)に向かう方向の電界が形成される。逆に、感光ドラム4(K)上の非露光部では、非露光部が除電されずに約−600Vに帯電しているため、現像ローラ5(K)から感光ドラム4(K)に向かう方向の電界が形成される。現像ローラ5(K)上のトナーTNは、トナーTNがマイナス極性に帯電しているため、現像ローラ5(K)上のトナー層から感光ドラム4(K)上の露光部にのみ選択的に付着する。その結果、感光ドラム4(K)上の静電潜像が、トナー画像として現像される。
【0099】
次に、プリンタ1は、以下のようにして、1次転写動作及び2次転写動作を行う。
前記した通り、中間転写ベルト12は、4つの1次転写ローラ10(K),10(Y),10(M),10(C)によって4つの感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)に押し当てられている。これにより、中間転写ベルト12は、表面が各感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)と接触して、各感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)との間に1次転写ニップ部N1(図1参照)を形成している。
【0100】
機構制御部44は、4つの感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)上に形成された各トナー画像が1次転写ニップ部N1(図1参照)に順次到達するタイミングに合わせて、1次転写電圧の生成の指示を、高圧制御部53に出力する。これに応答して、高圧制御部53は、1次転写電圧発生部57に、各転写ローラ10(K),10(Y),10(M),10(C)へ1次転写電圧を印加させる。その結果、1次転写電圧発生部57が、予め定められた1次転写電圧を各転写ローラ10(K),10(Y),10(M),10(C)に印加する。
【0101】
本実施形態1では、1次転写電圧値は、例えば、約+2000Vになっているものとする。このとき、1次転写ニップ部N1では、各転写ローラ10(K),10(Y),10(M),10(C)から各感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)に向かう方向の電界が形成される。各感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)上に形成されたトナー画像は、マイナス極性に帯電しているため、各感光ドラム4(K),4(Y),4(M),4(C)から中間転写ベルト12上に重ねて1次転写される。これにより、カラーのトナー画像が、中間転写ベルト12上に形成される。
【0102】
機構制御部44は、中間転写ベルト12上に1次転写されたトナー画像が2次転写ニップ部N2(図1参照)に到達する前に、ホッピングモータ45を駆動して、ホッピングローラ16を回転させる。これにより、ホッピングローラ16が、1枚の用紙Pを用紙収容カセット15からピンチローラ17とレジストローラ18との間に繰り出す。
【0103】
機構制御部44は、給紙センサ21の出力信号を監視し、用紙Pの先端がピンチローラ17とレジストローラ18との間に到達したことを検出すると、ホッピングモータ45の駆動を停止させる。
【0104】
次に、機構制御部44は、中間転写ベルト12上に1次転写されたトナー画像が2次転写ニップ部N2(図1参照)に到達するタイミングに合わせて、レジストモータ46を駆動して、ピンチローラ17とレジストローラ18との間の用紙Pをガイド19Aへと搬送する。これにより、用紙Pは、ガイド19Aに案内されて、2次転写ニップ部N2に到達する。
【0105】
また、機構制御部44は、中間転写ベルト12上に1次転写されたトナー画像が2次転写ニップ部N2に到達するタイミングに合わせて、2次転写電圧の生成の指示を、高圧制御部53に出力する。これに応答して、高圧制御部53は、2次転写電圧発生部58に、2次転写ローラ22へ2次転写電圧を印加させる。その結果、2次転写電圧発生部58が、予め定められた2次転写電圧を2次転写ローラ22に印加する。
【0106】
本実施形態では、2次転写電圧は、例えば、約+2000Vになっているものとする。このとき、2次転写ニップ部N2では、2次転写ローラ22から2次転写対向ローラ23に向かう方向の電界が形成される。中間転写ベルト12上に1次転写されたトナー画像は、マイナス極性に帯電しているため、中間転写ベルト12から用紙P上に2次転写される。また、このとき、上述した縁なし印刷の場合は、トナーTNが2次転写ローラ22に付着するが、2次転写ローラ22に付着したトナーTNは、クリーニングブレード63によって廃トナータンク64に掻き落とされる。
【0107】
トナー画像が転写された用紙Pは、中間転写ベルト12から分離され、ガイド19Bに案内されて、定着機構Me4に搬送される。定着機構Me4では、ヒートローラ26が、既に定着可能温度に到達した状態になっている。用紙Pが定着機構Me4に到達すると、ヒートローラ26及び加圧ローラ27が、用紙Pを狭持搬送する。これにより、ヒートローラ26及び加圧ローラ27が、用紙Pを加熱及び加圧して、用紙P上のトナー画像を溶融させる。その結果、トナー画像が、用紙Pに定着される。
【0108】
トナー画像が定着された用紙Pは、ガイド19Cに案内されてスタッカ31に排出される。プリンタ1は、トナー画像の用紙Pへの定着工程と並行して、中間転写ベルト12を走行させる。これによって、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNが、トナー拡散部材33が配置された位置を通過して、クリーニング機構Me5へと搬送される。
【0109】
このとき、トナー拡散部材33は、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNを拡散させる。なお、残留トナーRTNは、縁なし印刷を行った場合にのみ、以下の理由により、多量に発生する。
【0110】
すなわち、本来、縁なし印刷は、用紙Pのサイズと同じ大きさのトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙Pに転写することが好ましい。しかしながら、プリンタ1は、用紙Pのサイズと同じ大きさのトナー画像を用紙Pの所定の位置に一致させて転写することが、機構的及び制御的に難しい。
【0111】
そこで、プリンタ1は、用紙Pのサイズよりも大きなトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙Pに転写することによって、縁なし印刷を行っている。
【0112】
ところが、トナーTNは、トナー画像が用紙Pに転写された後も、残留トナーRTNとして、中間転写ベルト12上に残留する。このとき、残留トナーRTNは、図5に示すように、中間転写ベルト12上の用紙Pのサイズの内側(以下、「用紙範囲内」と称する)の領域よりも、中間転写ベルト12上の用紙Pのサイズの外側(以下、「用紙範囲外」と称する)の領域に、多量に残留する。なお、図5は、縁なし印刷を行った場合の残留トナーRTNの分布を示している。
【0113】
例えば、プリンタ1は、トナー画像と用紙Pとの位置合わせの精度上の関係から、トナー画像のサイズを、横幅及び縦幅をそれぞれW1及びW2とする用紙Pのサイズよりも上下左右方向に所定の寸法(例えば、上下左右方向に10mmずつ)大きく形成する。
【0114】
用紙範囲内に形成されたトナー画像を構成するトナーTNは、その大半が用紙Pに転写される。そのため、用紙範囲内の残留トナーRTN(以下、「用紙範囲内残留トナーRTNin」と称する)は、トナー量が非常に少ない。
【0115】
これに対して、用紙範囲外に形成されたトナー画像を構成するトナーTNは、そのすべてが用紙Pに転写されていない。そのため、用紙範囲外の残留トナーRTN(以下、「用紙範囲外残留トナーRTNout」と称する)は、トナー量が非常に多くなる。
【0116】
したがって、残留トナーRTNは、用紙Pの外形が長方形に形成されているため、図5に示す領域A〜Dのように、用紙範囲外残留トナーRTNoutとして、特に、用紙Pの外形の周囲の長方形のリングの上に、多量に集中して残留する。
【0117】
そこで、プリンタ1は、中間転写ベルト12を走行させて、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNをクリーニングブラシ36(図1参照)の方向に搬送する。そして、プリンタ1は、クリーニングブラシ36を残留トナーRTNに接触させる。このとき、クリーニングブラシ36が、中間転写ベルト12から残留トナーRTNを除去して、中間転写ベルト12をクリーニングする。
【0118】
その際に、クリーニングブラシ36は、領域A及び領域B上の用紙範囲外残留トナーRTNoutがクリーニングブラシ36に向けて次々と搬送されるため、同一箇所で残留トナーRTNと長時間接触する。クリーニングブラシ36は、同一箇所で残留トナーRTNと長時間接触すると、クリーニング効率が低下する。これは、プリンタ1が、クリーニングブラシ36によって中間転写ベルト12から除去された除去トナーrtn(図示せず)を、回収トナーとして回収ローラ38によってクリーニングブラシ36から回収する構成となっているが、その回収ローラ38がクリーニングブラシ36から除去トナーrtnを回収しきれずに、除去トナーrtnがクリーニングブラシ36に蓄積してしまい、その結果、クリーニングブラシ36が中間転写ベルト12上の残留トナーRTNを除去することができなくなるためである。したがって、クリーニングブラシ36は、中間転写ベルト12から残留トナーRTNを良好に除去できなくなる場合がある。なお、クリーニングブラシ36が中間転写ベルト12から残留トナーRTNを良好に除去できなくなると、当然ながら、印刷の品位が低下する。
【0119】
図6は、所定の印刷濃度Aで縁なしの全面印刷を行った場合のクリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する残留トナーRTNのトナー長とクリーニングブラシ36のクリーニング効率との関係を示す図である。なお、「同一箇所に進入する残留トナーRTNのトナー長」とは、中間転写ベルト12の搬送方向に沿って残留する用紙範囲外残留トナーRTNoutの長さを意味しており、具体的には、領域A及び領域B上の用紙範囲外残留トナーRTNoutの長さを意味している。
【0120】
本実施形態1では、印刷濃度Aでの印刷時に中間転写ベルト12に付着する単位面積あたりのトナー量が、最大量であったものとして説明する。したがって、図6に示す「△」印は、中間転写ベルト12に付着する単位面積あたりのトナー量が最大量となる印刷濃度Aで印刷を行った場合の、残留トナーRTNのトナー長とクリーニングブラシ36のクリーニング効率との関係を示している。
【0121】
なお、本実施形態1では、印刷濃度はトナー量で規定されるものとする。印刷濃度Aは、残留トナーRTNが最大量となる場合の濃度である。残留トナーRTNは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の3色を重ねた場合に、最大量となる。そのため、本実施形態1に係るプリンタ1では、各色ともに、単位面積あたりのトナー量を0.50mg/cmとする場合に、印刷濃度Aは、残留トナーRTNが(0.50×3)=1.50mg/cmとなる。
【0122】
図6に「△」印で示すように、印刷濃度Aで印刷を行った場合に、クリーニングブラシ36は、同一箇所に進入する残留トナーRTNのトナー長が長くなると、クリーニング効率が低下する。これは、回収ローラ38(図1参照)がクリーニングブラシ36から除去トナーrtnを回収しきれずに、除去トナーrtnがクリーニングブラシ36に蓄積してしまい、その結果、クリーニングブラシ36が中間転写ベルト12上の残留トナーRTNを除去することができなくなるためである。実験を行ったところ、クリーニング効率が95%以下になると、トナー画像上にクリーニング不良を認識できるレベルになることが判明した。
【0123】
したがって、印刷濃度Aで印刷を行った場合に、クリーニングブラシ36は、領域A及び領域B上の用紙範囲外残留トナーRTNoutのように、中間転写ベルト12の搬送方向と平行に残留している残留トナーRTNと長時間接触していると、クリーニング効率が低下する。
【0124】
ここで、図7に、所定の印刷濃度Bで縁なしの全面印刷を行った場合のクリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する残留トナーRTNのトナー長とクリーニングブラシ36のクリーニング効率との関係を示す。
【0125】
なお、本実施形態1では、印刷濃度Bでの印刷時に中間転写ベルト12に付着する単位面積あたりのトナー量を、印刷濃度Aでの印刷時に中間転写ベルト12に付着する単位面積あたりのトナー量(最大量)の1/2の量としている。したがって、図7に示す「○」印は、中間転写ベルト12に付着する単位面積あたりのトナー量が最大量の1/2の量となる印刷濃度Bで印刷を行った場合の、残留トナーRTNのトナー長とクリーニングブラシ36のクリーニング効率との関係を示している。なお、図7に示す「△」印は、図6に示す「△」印と同様に、印刷濃度Aで印刷を行った場合の、残留トナーRTNのトナー長とクリーニングブラシ36のクリーニング効率との関係を示している。
【0126】
なお、印刷濃度Bは、残留トナーRTNが印刷濃度Aの1/2の量となる場合の濃度である。そのため、各色ともに、単位面積あたりのトナー量を0.50mg/cmとする場合に、印刷濃度Bは、残留トナーRTNが(1.50/2)=0.75mg/cmとなる。
【0127】
図7に「○」印で示すように、印刷濃度Bで印刷を行った場合に、クリーニングブラシ36は、同一箇所に進入する残留トナーRTNのトナー量を最大量の1/2とすると、クリーニング効率の低下を大きく軽減できることが分かる。
【0128】
なお、領域C及び領域D上の用紙範囲外残留トナーRTNoutのように、中間転写ベルト12の搬送方向に対して垂直方向の用紙範囲外残留トナーRTNoutは、クリーニングブラシ36に対して長手方向の同一箇所に進入する。そのトナー長は、0〜20mm程度である。そのため、図6及び図7から分かるように、クリーニングブラシ36は、領域C及び領域D上の用紙範囲外残留トナーRTNoutを、良好に除去することができる。
【0129】
以上の観点から、本実施形態1では、クリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する残留トナーRTNを減らすために、トナー拡散部材33をプリンタ1に設けている。
【0130】
図8は、トナー拡散部材33による、クリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する外残留トナーRTNの拡散状況を示す図である。図8に示すように、トナー拡散部材33は、クリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する用紙範囲外残留トナーRTNoutと接触し、用紙範囲外残留トナーRTNoutをトナーの流れFa,Fbに沿って拡散させる。その結果、用紙範囲外残留トナーRTNoutは、単位面積あたりのトナー量が低下した拡散残留トナーRTNdとなる。したがって、トナー拡散部材33は、クリーニングブラシ36の長手方向の同一箇所に進入する用紙範囲外残留トナーRTNoutを、例えば最大量の約1/2に拡散させることができる。
【0131】
本実施形態1では、例えば、プレ帯電電圧、クリーニング電圧、及び、回収電圧は、それぞれ、約−1200V、約+800V、及び、約+1200Vになっているものとする。本実施形態1では、トナーTNは、印刷機構Me2でマイナス極性に帯電される。しかしながら、中間転写ベルト12上の残留トナーRTNの中には、2次転写ニップ部N2(図1参照)の電界の影響により、プラス極性に帯電された残留トナーRTNも、多く含まれる。
【0132】
そのため、機構制御部44は、プレ帯電ブラシ34によって中間転写ベルト12上の残留トナーRTNの帯電極性をマイナス極性に揃え、中間転写ベルト12の搬送方向とは逆方向に回転駆動するクリーニングブラシ36の機械的な力及び電気的な力によって、残留トナーRTNを中間転写ベルト12から除去する。このとき、中間転写ベルト12から除去された残留トナーRTNが、除去トナーrtnとして、クリーニングブラシ36に付着する。
【0133】
そこで、機構制御部44は、回収ローラ38の電気的な力によって、除去トナーrtnをクリーニングブラシ36から回収する。なお、回収ローラ38がクリーニングブラシ36から回収したトナーTNは、クリーニングブレード39によって廃トナータンク40に掻き落とされる。
【0134】
すべての工程が終了すると、機構制御部44は、ベルトモータ47、ドラムモータ48、2次転写モータ49、ブラシモータ51、及び、回収モータ52を停止し、同時に、電圧印加の停止の指示を高圧制御部53に出力する。これに応答して、高圧制御部53は、帯電電圧発生部54、現像電圧発生部56、及び、供給電圧発生部55に、それぞれに対応する構成要素へ電圧の印加を停止させる。
【0135】
その結果、プレ帯電電圧発生部59が、プレ帯電ブラシ34へのプレ帯電電圧の印加を停止する。また、クリーニング電圧発生部60が、クリーニングブラシ36へのクリーニング電圧の印加を停止する。また、回収電圧発生部61が、回収ローラ38への回収電圧の印加を停止する。これにより、プリンタ1は、印刷動作が完了する。
【0136】
このように、プリンタ1は、トナー拡散部材33を有しており、そのトナー拡散部材33によって、縁なし印刷を行った場合に中間転写ベルト12上に残留する、中間転写ベルト12の搬送方向に対して平行方向の用紙範囲外残留トナーRTNoutのみを拡散することができる。そのため、プリンタ1は、中間転写ベルト12の駆動に対する負荷低減、及び、中間転写ベルト12に対する摺擦による磨耗を軽減しつつ、縁なし印刷を行った場合に、中間転写ベルト12上に残留する用紙範囲外残留トナーRTNoutをクリーニング機構Me5に到達するまでの間に拡散させることができる。したがって、プリンタ1は、残留トナーRTNが中間転写ベルト12上の同一箇所に多量に集中して残留するのを防止することができる。そのため、プリンタ1は、クリーニングブラシ36が同一箇所で残留トナーRTNと長時間接触するのを回避することができ、これによって、クリーニングブラシ36のクリーニング効率の低下を抑制することができる。その結果、プリンタ1は、長期間、用紙範囲外残留トナーRTNoutを良好にクリーニングすることができる。
【0137】
以上の通り、本実施形態1に係るプリンタ1によれば、被清掃部材(中間転写ベルト12)上の用紙範囲外の位置に残留する現像剤(用紙範囲外残留トナーRTNout)を良好に清掃することができる。
【0138】
[実施形態2]
以下、図9及び図10を参照して、本実施形態2に係る画像形成装置の構成につき説明する。なお、図9は、実施形態2に係る画像形成装置の機構系の構成を示す図である。図10は、実施形態2に係る画像形成装置の制御系の構成を示す図である。
【0139】
本実施形態2に係る画像形成装置としてのプリンタ1Bは、実施形態1に係るプリンタ1と比較すると、(1)トナー検出センサ65(図9参照)を有している点、及び、(2)機構制御部44(図4参照)の代わりに、トナー検出判断部67及び記憶手段68を備えた機構制御部66(図10参照)を有する点で相違している。なお、プリンタ1Bはこれら以外の構成が実施形態1に係るプリンタ1の構成と同様になっているので、ここでは、説明を省略する。
【0140】
トナー検出センサ65は、残留トナーRTNの除去結果を検出するためのセンサである。トナー検出センサ65は、特許請求の範囲に記載された「現像剤検出器」に相当する。トナー検出センサ65は、図9に示すように、クリーニング機構Me5の下流側の、クリーニングブラシ36の長手方向の両端側の2箇所に、中間転写ベルト12と対向するように、設けられている。
【0141】
トナー検出センサ65は、図11に示すように、クリーニングブラシ36の長手方向(トナー拡散部材33の長手方向)に対して、移動可能に設けられている。なお、図11は、実施形態2で用いるトナー検出センサの移動範囲を示す図である。トナー検出センサ65の移動範囲が、残留トナーRTNの除去結果の検出範囲となる。本実施形態2では、トナー検出センサ65の移動範囲は、プリンタ1Bでの印刷が可能な用紙Pの最小用紙幅Lminからプリンタ1Bでの印刷が可能な用紙Pの最大用紙幅Lmaxまでの間となっている。
【0142】
トナー検出センサ65は、中間転写ベルト12上の反射光の強度を測定し、中間転写ベルト12上の用紙範囲外残留トナーRTNoutの除去結果を検出するために用いられる。図12は、実施形態2で用いるトナー検出センサの構成を示す模式図である。ここでは、トナー検出センサ65は、発光機構が1系統で、受光機構が1系統の反射型光センサとして構成されているものとして説明する。
【0143】
図12に示す例では、トナー検出センサ65は、赤外LED65a及びフォトトランジスタ65bを備えている。赤外LED65aは、中間転写ベルト12に向けて赤外光を射出する発光手段である。フォトトランジスタ65bは、受光される光量に応じたコレクタ電流を流すトランジスタである。トナー検出センサ65は、赤外LED65aが中間転写ベルト12に向けて赤外光を射出し、フォトトランジスタ65bが中間転写ベルト12で鏡面反射した赤外光を受光して、その光量に応じたコレクタ電流を流す。
【0144】
図13は、残留現像剤の残量と実施形態2で用いるトナー検出センサの出力電圧との関係を示す図である。図13に示すように、トナー検出センサ65は、中間転写ベルト12上の用紙範囲外残留トナーRTNoutの量が少ないと、フォトトランジスタ65bが受光する反射光の強度が強くなるため、フォトトランジスタ65bの出力電圧が大きくなる。逆に、フォトトランジスタ65bは、中間転写ベルト12上の用紙範囲外残留トナーRTNoutの量が多いと、フォトトランジスタ65bが受光する反射光の強度が弱くなるため、フォトトランジスタ65bの出力電圧が小さくなる。
【0145】
機構制御部66は、実施形態1の機構制御部44(図4参照)と同様に、プリンタ1の主要部の動作を制御する機能手段である。ただし、機構制御部66は、コマンド/画像処理部42の指示に従って、トナー検出センサ65を所定の位置に移動させることができる。また、機構制御部66は、トナー検出センサ65の出力信号を監視することができる。
【0146】
トナー検出判断部67は、残留トナーRTNの除去結果を判断するための機能手段である。トナー検出判断部67は、機構制御部66が監視しているトナー検出センサ65の出力信号と記憶手段68が予め記憶しているトナー検出閾値電圧値Vtn(図13参照)とを比較して、比較結果を機構制御部66に通知する。
【0147】
記憶手段68は、トナー検出閾値電圧値Vtn(図13参照)を予め記憶している記憶手段である。
【0148】
以下、本実施形態2に係るプリンタ1Bの動作につき説明する。ここでは、実施形態1に係るプリンタ1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1に係るプリンタ1と同様の動作については、前記した実施形態1に係るプリンタ1の動作を本実施形態2に係るプリンタ1Bの動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
【0149】
プリンタ1Bは、上位装置から印刷データを受信すると、以下のように動作する。
まず、コマンド/画像処理部42は、印刷データに基づいて、印刷に使用される用紙Pの幅情報を機構制御部66に通知する。
【0150】
機構制御部66は、通知された用紙Pの幅情報に基づいて、トナー検出センサ65を所定の位置に移動させる。本実施形態2では、機構制御部66は、例えば、図5に示す用紙範囲外の領域A及び領域B上の位置にトナー検出センサ65を移動させる。
【0151】
次に、機構制御部66は、ベルトモータ47、ドラムモータ48、2次転写モータ49、ブラシモータ51、及び、回収モータ52の駆動を制御して、駆動ローラ13、各印刷機構Me2(K),Me2(Y),Me2(M),Me2(C)、2次転写ローラ22、クリーニングブラシ36、及び、回収ローラ38を駆動させる。
【0152】
これと同時に、機構制御部66は、電圧生成の指示を高圧制御部53に出力する。これに応答して、高圧制御部53は、帯電電圧発生部54、供給電圧発生部55、現像電圧発生部56、1次転写電圧発生部57、2次転写電圧発生部58、プレ帯電電圧発生部59、クリーニング電圧発生部60、及び、回収電圧発生部61に、それぞれに対応する構成要素へ電圧を印加させる。その結果、駆動ローラ13、各印刷機構Me2(K),Me2(Y),Me2(M),Me2(C)、2次転写ローラ22、クリーニングブラシ36、及び、回収ローラ38が駆動する。
【0153】
機構制御部66は、中間転写ベルト12が走行を開始すると、監視しているトナー検出センサ65の出力電圧値をトナー検出判断部67に通知する。
【0154】
トナー検出判断部67は、通知されたトナー検出センサ65の出力電圧値と記憶手段68に予め記憶されているトナー検出閾値電圧値Vtnとを比較する。本実施形態2では、トナー検出閾値電圧値Vtnは、画像としてクリーニング不良を認識できないレベルのトナー量でのトナー検出センサ65の出力電圧値とする。
【0155】
トナー検出判断部67は、通知されたトナー検出センサ65の出力電圧値がトナー検出閾値電圧値Vtn以下である場合に、中間転写ベルト12上の用紙範囲外残留トナーRTNoutにより画像異常が発生してしまうと判断し、機構制御部66にトナー検出動作の再実行の指示を出力する。
【0156】
機構制御部66は、トナー検出判断部67からトナー検出動作の再実行の指示を受けると、再び、トナー検出動作を実行する。このとき、クリーニング機構Me5のクリーニングブラシ36は、中間転写ベルト12をクリーニングし続ける。そのため、中間転写ベルト12上の用紙範囲外残留トナーRTNoutのトナー量は、1回目のトナー検出時よりも少なくなる。
【0157】
一方、トナー検出判断部67は、通知されたトナー検出センサ65の出力電圧値がトナー検出閾値電圧値Vtnを超える場合に、用紙範囲外残留トナーRTNoutが中間転写ベルト12上に存在していないと判断し、印刷動作を開始する。なお、印刷動作については、実施形態1と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
【0158】
このように、プリンタ1Bは、通知されたトナー検出センサ65の出力電圧値がトナー検出閾値電圧値Vtnを超えるまでトナー検出動作を繰り返し行う。そのため、プリンタ1Bは、画像としてクリーニング不良を認識できないレベルまで、中間転写ベルト12上の用紙範囲外残留トナーRTNoutを除去することができる。
【0159】
このように、プリンタ1Bは、トナー検出センサ65を有しているため、前回の印刷動作によって、回収ローラ38(図9参照)がクリーニングブラシ36から除去トナーrtnを回収しきれずに、除去トナーrtnがクリーニングブラシ36に蓄積してしまい、その結果、クリーニングブラシ36のクリーニング効率が低下した場合であっても、これを検出して、用紙範囲外残留トナーRTNoutを除去する。そのため、プリンタ1Bは、自動的に、クリーニングブラシ36のクリーニング効率が低下した状態から回復した状態に復帰することができる。
【0160】
以上の通り、実施形態2に係るプリンタ1Bによれば、クリーニングブラシ36のクリーニング効率が低下した場合であっても、これを検出して、用紙範囲外残留トナーRTNoutを除去し、もって、クリーニングブラシ36のクリーニング効率が低下した状態から回復した状態に復帰することができる。

【0161】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0162】
例えば、本実施形態では、潜像形成手段をLEDヘッドとしたが、レーザ光源等でもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0163】
また、例えば、本実施形態では、印刷機構Me2の数が4つの装置について説明したが、印刷機構Me2の数は、4つに限定されない。
【0164】
また、例えば、本実施形態では、中間転写方式の画像形成装置1について説明したが、直接転写方式の画像形成装置でもよく、本実施形態に限定されるものではない。なお、画像形成装置が直接転写方式の装置として構成されている場合に、中間転写ベルト12の代わりに、記録媒体の搬送体としての搬送ベルトが、被清掃部材になる。そのため、この場合に、現像剤拡散部材としてのトナー拡散部材33は、搬送ベルトの表面に付着した現像剤を拡散させるために、搬送ベルトに接触して設けられる。また、この場合に、清掃部材としてのクリーニングブラシ36は、搬送ベルトの表面に付着した現像剤を除去させるために、搬送ベルトに接触して設けられる。
【0165】
また、例えば、本発明は、プリンタに限らず、ファクシミリ装置、複写機、MFP等の画像形成装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0166】
1,1B 画像形成装置(プリンタ)
3 帯電ローラ
4 感光ドラム
5 現像ローラ
6 現像ブレード
7 供給ローラ
8 除電光源
9 トナーカートリッジ
10 1次転写ローラ
11 LEDヘッド
12 中間転写ベルト(被清掃部材)
13 駆動ローラ
14 搬送路
15 用紙収容カセット
16 ホッピングローラ
17 ピンチローラ
18 レジストローラ
19(19A,19B,19C) ガイド
21 給紙センサ
22 2次転写ローラ(転写部材)
23 2次転写対向ローラ
24 用紙監視センサ
26 ヒートローラ
27 加圧ローラ
28 ヒータ
29 サーミスタ
30 排出センサ
31 スタッカ
33 トナー拡散部材(現像剤拡散部材)
33a ブラシ部
33b ブラシ保持部
34 プレ帯電ブラシ
34a ブラシ部
34b ブラシ保持部
35 金属プレート
36 クリーニングブラシ(清掃部材)
36a 芯金
36b ブラシ布
37 クリーニングブラシ対向ローラ
38 回収ローラ(回収部材)
39,63 クリーニングブレード
40、64 廃トナータンク
41 ホストインタフェース部
42 コマンド/画像処理部
43 LEDヘッドインタフェース部
44 機構制御部
45 ホッピングモータ
46 レジストモータ
47 ベルトモータ
48 ドラムモータ
49 2次転写モータ
50 ヒートローラモータ
51 ブラシモータ
52 回収モータ
53 高圧制御部
54 帯電電圧発生部
55 供給電圧発生部
56 現像電圧発生部
57 1次転写電圧発生部
58 2次転写電圧発生部
59 プレ帯電電圧発生部
60 クリーニング電圧発生部
61 回収電圧発生部
65 トナー検出センサ
65a 赤外LED
65b フォトトランジスタ
66 機構制御部
67 トナー検出判断部
68 記憶手段
θ1,θ2 傾斜角
L トナー拡散部材の長さ
Lmin 最小用紙幅
Lmax 最大用紙幅
Me1 給紙機構
Me2 印刷機構(画像形成プロセスユニット)
Me3 転写機構
Me4 定着機構
Me5 クリーニング機構
N1 1次転写ニップ部
N2 2次転写ニップ部
P 用紙(記録媒体)
S1 当接面
TN トナー(現像剤)
RTNin 用紙範囲内残留トナー
RTNout 用紙範囲外残留トナー
RTNd 拡散残留トナー
V 印刷速度
Vtn トナー検出閾値電圧値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持する被清掃部材と、
前記被清掃部材上に残留する前記現像剤を拡散させる現像剤拡散部材と、
前記現像剤拡散部材によって拡散された前記被清掃部材上の前記現像剤を前記被清掃部材から除去する清掃部材とを有し、
前記現像剤拡散部材は、前記清掃部材の上流側の位置に配置されており、さらに、前記被清掃部材の搬送方向に対して傾斜するように配設されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記現像剤拡散部材は、前記被清掃部材の搬送方向に対して、前記被清掃部材の長手方向の中央部が上流側となり、かつ、前記被清掃部材の長手方向の端部が下流側となるように、配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、
前記現像剤拡散部材は、前記被清掃部材の搬送方向の中心に対して、左右に分断されて配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記被清掃部材は、記録媒体と接触する部材であり、
左右に分断された前記現像剤拡散部材は、それぞれ、上流側の端部が、前記被清掃部材と前記記録媒体とが接触する境界上の位置を含む、前記被清掃部材と前記記録媒体との接触範囲内の位置に配置され、かつ、下流側の端部が、前記被清掃部材と前記記録媒体との接触範囲外の位置に配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置において、
左右に分断された前記現像剤拡散部材は、左右のいずれか一方の側又は双方の側に複数配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
左右に分断された前記現像剤拡散部材は、左右のいずれか一方の側が他方の側よりも長く形成されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記現像剤拡散部材は、前記被清掃部材と接触している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記清掃部材は、クリーニングブラシとして構成されており、
さらに、前記クリーニングブラシから前記現像剤を回収する回収部材を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記被清掃部材は、像担持体である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記被清掃部材は、中間転写媒体である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記被清掃部材は、記録媒体の搬送体である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
さらに、前記清掃部材の下流側に、前記清掃部材による前記被清掃部材からの前記現像剤の除去結果を検出する現像剤検出器を有している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、
前記現像剤検出器は、少なくとも記録媒体の最小幅から最大幅までの範囲の除去結果を検出する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載の画像形成装置において、
前記現像剤検出器は、前記被清掃部材の搬送方向に対して交差する方向に移動可能である
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−150174(P2012−150174A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7113(P2011−7113)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】