説明

画像形成装置

【課題】シートに画像を形成する際、供給トレイ及び排出トレイに対してユーザが行う作業を簡略化することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】連動機構50において、第1変位部10は、供給トレイ110と係合して供給口閉鎖位置に保持する一方、駆動手段71に駆動されて変位して供給トレイ110との係合を解除する。第2変位部20は、排出トレイ120と係合して排出口閉鎖位置に保持する一方、駆動手段71に駆動されて変位して排出トレイ120との係合を解除する。供給トレイ開放手段30は、第1変位部10との係合が解除された供給トレイ110を付勢して供給口開放位置に変位させる。排出トレイ開放手段40は、第2変位部20との係合が解除された排出トレイ120を付勢して排出口開放位置に変位させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の例が開示されている。この画像形成装置は、外部に連通する開口である供給口及び排出口が設けられた筐体と、筐体内に設けられ、供給口から排出口に至る搬送経路に沿って搬送されるシートに画像を形成する画像形成部とを備えている。
【0003】
また、特許文献1には図示されていないが、一般的に、上記従来の画像形成装置は、装置を起動させるスイッチを備えている。
【0004】
さらに、この画像形成装置は、供給トレイと、排出トレイと、連動部材とを備えている。供給トレイは、供給口を塞ぐ供給口閉鎖位置と、供給口を開放する供給口開放位置とに変位し、供給口開放位置では、供給口に供給されるシートを下方から支持する。排出トレイは、排出口を塞ぐ排出口閉鎖位置と、排出口を開放する排出口開放位置とに変位し、排出口開放位置では、排出口から排出されるシートを下方から支持する。連動部材は、棒状体であり、一方の端部が供給トレイに連結され、他方の端部が排出トレイに連結されている。
【0005】
上記構成である従来の画像形成装置では、供給トレイ及び排出トレイの一方を開閉すれば、その開閉動作が連動部材を介して供給トレイ及び排出トレイの他方に伝達され、供給トレイ及び排出トレイの他方も同時に開閉するようになっている。これにより、この画像形成装置は、供給トレイを開く一方、排出トレイを開き忘れたままでシートに画像を形成を行ってしまう結果、排出口でシートがつまる不具合の抑制を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58−38152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来の画像形成装置に対しては、シートに画像を形成する際、供給トレイ及び排出トレイに対してユーザが行う作業を簡略化することが求められていることから、供給トレイと排出トレイとの開閉を連動させる連動部材に対しても、更なる改良が求められている。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、シートに画像を形成する際、供給トレイ及び排出トレイに対してユーザが行う作業を簡略化することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、外部に連通する開口である供給口及び排出口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記供給口から前記排出口に至る搬送経路に沿って搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記供給口を塞ぐ供給口閉鎖位置と、前記供給口を開放する供給口開放位置とに変位し、前記供給口開放位置では、前記供給口に供給される前記シートを下方から支持する供給トレイと、
前記排出口を塞ぐ排出口閉鎖位置と、前記排出口を開放する排出口開放位置とに変位し、前記排出口開放位置では、前記排出口から排出される前記シートを下方から支持する排出トレイと、
装置を起動させるスイッチとを備える画像形成装置であって、
前記スイッチが入ることに連動して、前記供給トレイを前記供給口開放位置に向けて変位させるとともに、前記排出トレイを前記排出口開放位置に向けて変位させる連動機構を備え、
前記連動機構は、前記筐体に変位可能に支持される第1変位部及び第2変位部と、前記筐体及び前記供給トレイの少なくとも一方に設けられる供給トレイ開放手段と、前記筐体及び前記排出トレイの少なくとも一方に設けられる排出トレイ開放手段と、前記スイッチによる起動時に前記第1変位部及び/又は前記第2変位部に駆動力を伝達する駆動手段とを有し、
前記第1変位部は、前記供給トレイに設けられた被係合部と係合して前記供給トレイを前記供給口閉鎖位置に保持する一方、前記駆動手段から直接又は前記第2変位部を介して前記駆動力を伝達されることにより変位して前記供給トレイとの係合を解除し、
前記第2変位部は、前記排出トレイに設けられた被係合部と係合して前記排出トレイを前記排出口閉鎖位置に保持する一方、前記駆動手段から直接又は前記第1変位部を介して前記駆動力を伝達されることにより変位して前記排出トレイとの係合を解除し、
前記供給トレイ開放手段は、前記第1変位部との係合が解除された前記供給トレイを付勢して前記供給口開放位置に向けて変位させ、
前記排出トレイ開放手段は、前記第2変位部との係合が解除された前記排出トレイを付勢して前記排出口開放位置に向けて変位させるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成装置では、不使用時、供給トレイが供給口閉鎖位置に変位して供給口を塞ぎ、排出トレイが排出口閉鎖位置に変位して排出口を塞ぐ。これにより、不使用時の占有スペースを小さくでき、供給口及び排出口が塞がれることで、埃等が装置内部に入り込むことを防ぐことができる。また、供給トレイ及び排出トレイが筐体の外装を構成し、外観品位が向上する。
【0011】
その一方、使用時、例えば、ユーザの動作により、装置を起動させるスイッチが入る。そうすると、駆動手段は、スイッチによる起動時に第1変位部及び/又は第2変位部に駆動力を伝達する。
【0012】
第1変位部は、駆動手段から直接又は第2変位部を介して駆動力を伝達されることにより変位して供給トレイとの係合を解除する。そして、供給トレイ開放手段は、第1変位部との係合が解除された供給トレイを付勢して、供給口開放位置に向けて変位させる。供給トレイ開放手段が供給トレイを少しでも開けば、ユーザがその変位を認知して、手動で供給トレイを供給口開放位置まで変位させることができる。また、供給トレイ開放手段が供給トレイを供給口開放位置まで変位させれば、ユーザは、供給トレイを開く動作を行う必要がなくなる。
【0013】
また、第2変位部は、駆動手段から直接又は第1変位部を介して駆動力を伝達されることにより変位して排出トレイとの係合を解除する。そして、排出トレイ開放手段は、第2変位部との係合が解除された排出トレイを付勢して、排出口開放位置に向けて変位させる。排出トレイ開放手段が排出トレイを少しでも開けば、ユーザがその変位を認知して、手動で排出トレイを排出口開放位置まで変位させることができる。また、排出トレイ開放手段が排出トレイを排出口開放位置まで変位させれば、ユーザは、排出トレイを開く動作を行う必要がなくなる。その結果、この画像形成装置は、排出トレイの開き忘れを防止でき、ひいては、排出口でシートがつまることを防止できる。また、装置を使用する際には、通常、スイッチを操作して、装置を起動させるため、このスイッチの操作に連動して供給トレイ及び排出トレイが開くことで、装置の使用時に必ず、供給トレイが供給口開放位置にあり、かつ排出トレイが排出口開放位置にある状態とすることができる。
【0014】
したがって、本発明の画像形成装置によれば、シートに画像を形成する際、供給トレイ及び排出トレイに対してユーザが行う作業を簡略化することができる。
【0015】
さらに、この画像形成装置によれば、第2変位部と排出トレイとの係合が解除されると、排出トレイと、第1変位部、第2変位部、及び供給トレイとの間には何の接続関係も無くなるので、排出トレイを供給トレイとは独立して排出口開放位置に変位させ、又は排出口開放位置から排出口閉鎖位置に変位させることができる。このため、例えば、第2変位部との係合が解除されて排出口開放位置に向けて変位する排出トレイが障害物に当て止まった場合でも、その反力を排出トレイ開放手段が支持するだけであり、第1変位部、第2変位部及び供給トレイには、その反力の影響が及ばない。すなわち、第2変位部と排出トレイとの係合が解除された状態では、排出トレイにおいて発生した不具合が、第1変位部、第2変位部及び供給トレイに影響を与えることが無い。これにより、この画像形成装置は、連動部材により供給トレイと排出トレイとが遊びなく連動する上記従来の画像形成装置と比較して、連動機構に過度の力が作用し難い。その結果、この画像形成装置は、連動機構の破損を抑制でき、ひいては、連動機構の耐久性を向上させることができる。
【0016】
駆動手段は、ソレノイドであることが望ましい。この構成によれば、簡素なソレノイドにより、装置の小型化及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0017】
第1変位部は、筐体に揺動可能に支持された第1部材であることが望ましい。また、第2変位部は、第1部材とは別体であり、筐体に揺動可能に支持された第2部材であることが望ましい。この構成によれば、別体である第1変位部及び第2変位部により、設計自由度が向上する。
【0018】
第1部材と第2部材とは、同一の第1揺動軸芯周りに揺動可能に支持されていることが望ましい。この構成によれば、同軸周りに揺動する第1部材及び第2部材の設置スペースが嵩張らない。
【0019】
筐体と第1部材との間には、供給口閉鎖位置にある供給トレイと第1部材との係合を維持するように第1部材を付勢し、かつ、第1部材が供給トレイとの係合を解除した場合には、第2部材が排出トレイとの係合を解除するように第2部材を間接的に付勢する第1付勢手段が設けられていることが望ましい。この構成によれば、第1付勢手段により、第1部材と第2部材とが確実に連動して、排出口閉鎖位置にある排出トレイを排出口開放位置に向けて変位させることができる。また、簡素な構成により、製造コストの低廉化を確実に実現できる。
【0020】
第1部材は、供給トレイとの係合を解除した後に第1揺動軸芯周りに第1方向に揺動し、第1部材には、第2部材が第1揺動軸芯周りに第1方向とは逆向きの第2方向に揺動することを規制する規制面が形成されていることが望ましい。そして、第1部材が第1揺動軸芯周りに第1方向に揺動すると、規制面が第2部材に当接して第2部材も第1揺動軸芯周りに第1方向に揺動し、排出トレイとの係合を解除するように構成されていることが望ましい。この構成によれば、規制面により、第1部材と第2部材との連動をより確実に実現できる。また、より簡素な構成を実現できる。
【0021】
第1部材と第2部材との間には、第2部材が規制面に当接するように付勢する第2付勢手段が設けられていることが望ましい。この構成によれば、第2付勢手段により、第2部材が規制面に確実に当接できるので、第1部材と第2部材とは、スムーズに連動して、第1揺動軸芯周りに第1方向に揺動できる。さらに、第2部材は、第1部材が供給トレイと係合して揺動できない場合でも、第2付勢手段の付勢力に抗して、第1揺動軸芯周りに第1方向に揺動できる。このため、第2部材は、閉じる排出トレイに対して一旦、第1方向に揺動して退避した後、第2方向に揺動して排出トレイに係合でき、閉じる排出トレイを妨げることがない。
【0022】
供給口は、筐体の前面の下方に位置し、排出口は、筐体の上面に位置することが望ましい。また、供給トレイは、筐体の前面の下端側に設けられた第2揺動軸芯周りに揺動して前方に開くことにより供給口開放位置に変位するように構成されていることが望ましい。さらに、排出トレイは、筐体の上面に設けられ、第2揺動軸芯と平行な第3揺動軸芯周りに揺動して前方に開くことにより排出口開放位置に変位するように構成されていることが望ましい。この構成によれば、供給トレイと排出トレイとが比較的に離れた位置にある。このため、仮に、本発明に係る連動機構がない場合には、ユーザが供給トレイを開いた後に排出トレイを開くことを忘れ易い。この点、本発明によれば、連動機構により、供給トレイに連動して排出トレイを排出口開放位置に向けて変位させることができるので、排出トレイの開き忘れにより排出口でシートがつまることを確実に防止できる。
【0023】
本発明の画像形成装置は、筐体内における供給口近傍に、供給トレイに支持されたシートを搬送経路に送り出す送り出しローラを備え、筐体内における送り出しローラの上方に画像形成部を備え、筐体内における画像形成部の上方、かつ排出口の近傍に、シートを排出トレイに排出する排出ローラを備えることが望ましい。この構成によれば、供給口から画像形成部を経て排出口に至る搬送経路が装置の小型化に適した略C形状となるので、装置の小型化を確実に実現できる。また、供給トレイ及び排出トレイは前方に開放するため、供給トレイにシートをセットする作業、及び排出トレイからシートを取り除く作業を行い易い。さらに、装置の背面と壁との間に隙間を確保する必要がないので、占有スペースを確実に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】実施例1の画像形成装置の正面図である。
【図3】実施例1の画像形成装置に係り、図2のIII−III断面を示す断面図である(供給口閉鎖位置にある供給トレイと、排出口閉鎖位置にある排出トレイとを示す)。
【図4】実施例1の画像形成装置に係り、図2のIII−III断面を示す断面図である(供給トレイが供給口開放位置に変位し、排出トレイが排出口開放位置に変位した状態を示す)。
【図5】実施例1の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(供給トレイの被係合部と係合する第1変位部と、排出トレイの被係合部と係合する第2変位部とを示す)。
【図6】実施例1の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(供給トレイとの係合を解除した第1変位部を示す)。
【図7】実施例1の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(供給トレイとの係合を解除した後に第1方向に揺動した第1変位部と、第1変位部に連動して、排出トレイとの係合を解除した第2変位部とを示す)。
【図8】実施例1の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(排出口閉鎖位置に向けて変位する排出トレイと係合する途中の第2変位部を示す)。
【図9】実施例2の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(一部材からなる第1変位部及び第2変位部を示す)。
【図10】変形例1の画像形成装置を示す模式断面図である。
【図11】変形例2の画像形成装置を示す模式断面図である。
【図12】変形例2の画像形成装置を示す模式断面図である。
【図13】変形例3の画像形成装置を示す模式断面図である。
【図14】変形例3の画像形成装置を示す模式断面図である。
【図15】変形例4の画像形成装置を示す模式断面図である。
【図16】実施例3の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(スイッチによる起動時に第1、2変位部に機械的に駆動力を伝達する駆動手段を示す)。
【図17】実施例3の画像形成装置に係り、図16のA−A断面を示す断面図である。
【図18】実施例3の画像形成装置に係り、(a)〜(d)は、機械的な駆動手段の動作を説明する説明図である。
【図19】実施例3の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(供給トレイとの係合を解除した第1変位部を示す)。
【図20】実施例3の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(供給トレイとの係合を解除した後に第1方向に揺動した第1変位部と、第1変位部に連動して、排出トレイとの係合を解除した第2変位部とを示す)。
【図21】実施例4の画像形成装置に係り、図2のV−V断面を示す断面図である(スイッチによる起動時に、一部材からなる第1、2変位部に機械的に駆動力を伝達する駆動手段を示す)。
【図22】実施例4の画像形成装置に係り、駆動手段の動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施例実施例1〜4及び変形例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
【0026】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の画像形成装置A1は、本発明の画像形成装置の具体的態様の一例である。図1では、画像形成装置A1の供給トレイ110側を装置の前側と規定し、供給トレイ110に向かって左を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像形成装置A1の具体的構成を説明する。
【0027】
<全体構成>
図1〜図3に示すように、画像形成装置A1は、筐体9と、スイッチ90と、画像形成部8と、送り出しローラ6と、排出ローラ7と、供給トレイ110と、排出トレイ120とを備える。
【0028】
図1に示すように、筐体9は、略箱形状とされて、画像形成装置A1の外形を形成している。図2及び図3に示すように、筐体9の前面の下方には、外部に連通する開口である供給口119が設けられている。供給口119は、画像形成装置A1の幅方向、すなわち、左右方向に長い略矩形状とされている。その一方、筐体9の上面には、前方から後方に向けて下り傾斜しながら凹む傾斜壁部128と、傾斜壁部128の後端縁から上方に屈曲して、筐体9の上面に接続される屈曲壁部127とが形成されている。そして、屈曲壁部127には、外部に連通する開口である排出口129が設けられている。排出口129は、左右方向に細長い略矩形状とされている。
【0029】
図3に示すように、筐体9内には、供給口119から排出口129に至る搬送経路P1が形成されている。搬送経路P1は、側面視した場合、筐体9の底壁に沿って後方に進んだ後、筐体9の後壁に沿って立ち上がり、さらに、筐体9の上面に沿って前方に進む略C形状とされている。
【0030】
図1に示すように、スイッチ90は、筐体9の右壁の下方に設けられている。ユーザがスイッチ90を入れると、外部から画像形成装置A1に対して給電が開始されて、画像形成装置A1を起動させることができる。
【0031】
図4に示すように、送り出しローラ6は、筐体9内の下方に設けられており、供給口119より後方に位置している。排出ローラ7は、筐体9内の上方に設けられており、排出口129より後方に位置している。送り出しローラ6及び排出ローラ7は、周知の構成であるので説明は簡略する。送り出しローラ6は、供給口119から供給されるシート99に当接しつつ回転することにより、シート99を搬送経路P1に送り出す。排出ローラ7は、搬送経路P1に沿って搬送されるシート99を排出口129を介して外部に排出する。
【0032】
画像形成部8は、筐体9内の中央に設けられており、送り出しローラ6の上方、かつ排出ローラ7の下方に位置している。画像形成部8は、電子写真方式、インクジェット方式その他の周知の画像形成方式を採用するものであるので説明は簡略する。実施例1では、画像形成部8は、スキャナ8A、プロセスカートリッジ8B、転写ローラ8C及び定着器8D等を有する電子写真方式を採用している。画像形成部8は、搬送経路P1に沿って搬送される途中のシート99に画像を形成する。
【0033】
図1及び図2に示すように、供給トレイ110は、略矩形平板形状とされている。供給トレイ110の下端縁側は、筐体9の前面の下端縁側に設けられた第2揺動軸芯X2周りに揺動可能に支持されている。第2揺動軸芯X2は、供給口119の下端縁に沿って左右方向に延びている。
【0034】
図3に示すように、供給トレイ110が垂直に立ち上がった状態では、供給トレイ110の第1面110Aが前方を向いて筐体9の前面に沿う状態となって、供給口119を塞ぐ。供給トレイ110のこの位置が本発明の供給口閉鎖位置である。供給トレイ110は、この供給口閉鎖位置において、筐体9とともに画像形成装置A1の外形を形成する。
【0035】
その一方、図4に示すように、供給トレイ110の上端縁が第2揺動軸芯X2周りに前方に揺動して、供給トレイ110が水平に延在する状態では、供給トレイ110の第2面110Bが上方を向いて筐体9の底壁に連続する平面を形成する状態となって、供給口119を開放する。供給トレイ110のこの位置が本発明の供給口開放位置である。供給トレイ110は、この供給口開放位置において、筐体9の底壁とともに、供給口119に供給されるシート99を下方から支持する。図1に、供給口開放位置にある供給トレイ110を二点斜線で図示する。なお、供給トレイ110には、一般的に、シート99の前後方向及び左右方向の位置決めをするガイド等が設けられるが、本実施例では図示及び説明を省略する。
【0036】
図1及び図2に示すように、排出トレイ120は、略矩形平板形状とされている。排出トレイ120の前端縁側は、筐体9の上面の前方に設けられた第3揺動軸芯X3周りに揺動可能に支持されている。第3揺動軸芯X3は、筐体9の上面の前端縁に沿って、第2揺動軸芯X2と平行な左右方向に延びている。
【0037】
図3に示すように、排出トレイ120が水平に延在する状態では、排出トレイ120の第1面120Aが上方を向いて筐体9の上面に沿う状態となって、排出口129を塞ぐ。排出トレイ120のこの位置が本発明の排出口閉鎖位置である。排出トレイ120は、この排出口閉鎖位置において、傾斜壁部128及び屈曲壁部127を隠蔽し、筐体9とともに画像形成装置A1の外形を形成する。
【0038】
その一方、図4に示すように、排出トレイ120の上端縁が第2揺動軸芯X3周りに前方に揺動して、排出トレイ120が斜めに傾斜する状態では、排出トレイ120の第2面120Bが斜め上方を向いて傾斜壁部128の上面に連続する平面を形成する状態となって、排出口129を開放する。排出トレイ120のこの位置が本発明の排出口開放位置である。排出トレイ120は、この排出口開放位置において、傾斜壁部128とともに、排出口129から排出されるシート99を下方から支持する。図1に、排出口開放位置にある排出トレイ120を二点斜線で図示する。
【0039】
<連動機構>
画像形成装置A1は、図2に示すように、筐体9内の右側に設けられた連動機構50を備える。図5に示すように、連動機構50は、第1部材10と、第2部材20と、ソレノイド71と、供給トレイ開放手段30と、排出トレイ開放手段40とを有する。第1部材10は、本発明の第1変位部の一例である。第2部材20は、本発明の第2変位部の一例である。ソレノイド71は、本発明の駆動手段の一例である。
【0040】
第1部材10は、前後方向に細長く伸びる板形状の第1部材本体11と、第1部材本体11の後端に一体に形成された略直方体形状の伝達部12とからなるレバー部材である。伝達部12は、左右方向の厚みが第1部材本体11の左右方向の厚みよりも大きく、高さ方向の寸法も第一部材本体11の高さ寸法よりも大きくされている。第1部材本体11の後端側は、筐体9(又は、筐体9と結合された図示しない内部フレーム。以下、同様。)に第1揺動軸芯X1周りに揺動可能に支持されている。第1揺動軸芯X1は、左右方向に延びている。側面視した場合、第1揺動軸芯X1は、筐体9の略中央に位置している。
【0041】
第1部材本体11は、前端側に下方に向かって略三角形状に突出する係合突起13を有する。図1、図2及び図5に示すように、供給トレイ110の下端縁と対向する上端縁の右端には、後方に鍵爪状に突出する被係合部111が設けられている。そして、図5に示すように、第1部材本体11の係合突起13が供給トレイ110の被係合部111と係合することにより、第1部材10が供給トレイ110を供給口閉鎖位置に保持する。
【0042】
図5に示すように、伝達部12は、第1部材本体11との境界部分に規制面19を有している。具体的に、規制面19は、伝達部12の前面であり、第1部材本体11の左右方向の厚みよりも、左右方向の厚みが大きく、高さ方向の寸法が第一部材本体11の高さ寸法よりも大きい部分によって構成される平面である。規制面19は、第1部材本体11よりも右方(図5の紙面手前側)にせり出している。また、伝達部12の上面の後方には、上方に突出する小片12Aが形成されている。
【0043】
筐体9と第1部材10との間には、第1付勢手段61が設けられている。第1付勢手段61は周知の引っ張りコイルバネからなる。第1付勢手段61は、一端が第1部材本体11における前後方向の中間部に連結され、他端が筐体9の第1部材10よりも下側の位置に連結されている。これにより、第1付勢手段61は、第1部材10が第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1(図5の紙面に向かって反時計周り)に揺動するように付勢する。図5に示すように、第1部材10の係合突起13が供給トレイ110の被係合部111と係合する場合、第1付勢手段61は、その係合を維持するように第1部材10を付勢する。
【0044】
ソレノイド71は、電磁コイルからなるソレノイド本体71Aと、棒状の可動部71Bとからなる周知の構成であるので、説明は簡略する。ソレノイド本体71Aは、筐体9に固定されている。可動部71Bは、ソレノイド本体71A内に収容され、上下方向に往復動可能とされている。可動部71Bの下端は、第1部材本体11における前後方向の中間部に連結されている。駆動手段として簡素なソレノイド71を採用することにより、装置の小型化及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0045】
本実施例では、スイッチ90が入って装置が起動されると同時に、所定の時間(例えば、1〜数秒程度)、ソレノイド本体71Aに通電されるようになっている。この場合、可動部71Bは引き上げられて、第1部材本体11に駆動力を伝達する。その結果、第1部材10は、図6に示すように、第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1とは逆方向の第2方向D2に揺動する。この際、第1付勢手段61は伸びて、第1部材10が第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動することを許容する。その結果、係合突起13が被係合部111を回避して、第1部材10が被係合部111との係合を解除する。この状態では、供給トレイ110は、供給口開放位置に向けて変位可能となる。
【0046】
そして、所定の時間が経過すると、ソレノイド本体71Aに通電されなくなる。この場合、可動部71Bは引き上げられなくなって、第1部材本体11に駆動力が伝達されなくなる。その結果、第1部材10は、第1付勢手段61に付勢されて、第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動する。この場合において、図7に示すように、係合突起13に対して被係合部111が前方に変位して接触しなくなる場合、第1付勢手段61に付勢された第1部材10は、さらに第1方向D1に揺動し、図示しないストッパに当て止まって、図7に示す姿勢をとる。
【0047】
図5に示すように、第2部材20は、上下方向に細長く伸びる板形状とされたレバー部材である。第2部材20の下端側は、筐体9に第1揺動軸芯X1周りに揺動可能に支持されている。すなわち、第1部材10と第2部材20とは別体であり、同一の第1揺動軸芯X1周りに揺動可能に支持されている。
【0048】
第2部材20は、第1部材10に対して第1揺動軸芯X1方向の右側(図5の紙面手前側)に位置している。これにより、第2部材20の上下方向に延びる後端縁29は、伝達部12の規制面19に対して前後方向で対向している。
【0049】
第2部材20は、上端部に後方に向かって鍵爪形状に突出する係合突起23を有する。図1、図2及び図5に示すように、排出トレイ120の右端縁には、排出トレイ120が排出口閉鎖位置にある状態において下方に鍵爪状に突出する被係合部121が設けられている。そして、図5に示すように、第2部材20の係合突起23が排出トレイ120の被係合部121と係合することにより、第2部材20が排出トレイ120を排出口閉鎖位置に保持する。
【0050】
第1部材10と第2部材20との間には、第2付勢手段62が設けられている。第2付勢手段62も、第1付勢手段61と同様、周知の引っ張りコイルバネからなる。第2付勢手段62は、一端が第2部材20における上下方向の中間部に連結され、他端が第1部材10の小片12Aに連結されている。これにより、第2付勢手段62は、第1部材10に対して相対的に、第2部材20を第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に付勢する。その結果、第2部材20の後端縁29が規制面19に当接する。
【0051】
図6に示すように、第1部材10が第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動する場合において、係合突起23が被係合部121と係合していると、第2部材20は、第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動し難い。この場合でも、第2付勢手段62が伸びて、規制面19と後端縁29とが離間することにより、第2部材20が揺動しないままで、第1部材10が第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動できる。
【0052】
その一方、図7に示すように、第1部材10が第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動する場合、当接し合う規制面19及び後端縁29を介して、その揺動が第2部材20に伝達される。そうすると、第2部材20も第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動し、係合突起23が被係合部121に対して前方に離間して、排出トレイ120との係合を解除する。
【0053】
また、図8に示すように、第1部材10が供給トレイ110と係合して揺動できない場合でも、第2部材20は、第2付勢手段62が伸びて、規制面19と後端縁29とが離間することにより、第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動できる。
【0054】
図5に示すように、供給トレイ開放手段30は、周知の捩りコイルばねからなり、第2揺動軸芯X2近傍に設けられている。供給トレイ開放手段30は、一端が筐体9の底壁に係止され、他端が供給トレイ110に係止されている。
【0055】
図7に示すように、供給トレイ開放手段30は、第1部材10との係合が解除された供給トレイ110を付勢して供給口開放位置に向けて変位させる。本実施例では、供給トレイ開放手段30は、供給トレイ110を供給口開放位置まで完全に変位させることが可能とされている。
【0056】
図5に示すように、排出トレイ開放手段40は、周知の捩りコイルばねからなり、第3揺動軸芯X3近傍に設けられている。排出トレイ開放手段40は、一端が筐体9の傾斜壁部128に係止され、他端が排出トレイ120に係止されている。
【0057】
図7に示すように、排出トレイ開放手段40は、第2部材20との係合が解除された排出トレイ120を付勢して排出口開放位置に向けて変位させる。本実施例では、排出トレイ開放手段40は、排出トレイ120を排出口開放位置まで完全に変位させることが可能とされている。
【0058】
<作用効果>
実施例1の画像形成装置A1では、図5に示すように、不使用時、供給トレイ110が供給口閉鎖位置に変位して供給口119を塞ぎ、排出トレイ120が排出口閉鎖位置に変位して排出口129を塞ぐ。これにより、画像形成装置A1の不使用時の占有スペースを小さくでき、供給口119及び排出口129が塞がれることで、埃等が筐体9の内部に入り込むことを防ぐことができる。また、供給トレイ110及び排出トレイ120が筐体9の外装を構成することにより、供給口119、排出口129、傾斜壁部128及び屈曲壁部127等が隠蔽され、画像形成装置A1の外観品位が向上する。
【0059】
その一方、図6に示すように、使用時、ユーザの動作により、スイッチ90が入ると、装置が起動され、それと同時に所定の時間、ソレノイド本体71Aに通電される。これにより、ソレノイド71は、第1部材10に駆動力を伝達する。
【0060】
第1部材10は、ソレノイド71から直接駆動力を伝達されることにより、一旦、第1付勢手段61の付勢力に抗しつつ、第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動する。そして、係合突起13が被係合部111から離れる方向に回避することにより、第1部材10は、供給トレイ110との係合を解除する。その結果、第1部材10は、供給トレイ110が開くことを許容する。そして、供給トレイ開放手段30は、第1部材10との係合が解除された供給トレイ110を付勢して供給口開放位置まで完全に変位させる。これにより、ユーザが供給トレイ110を完全に開く手間を省くことができる。その後、第1部材10は、第1付勢手段61に付勢されて第1方向D1に揺動して、図7に示す姿勢をとる。
【0061】
この際、第1部材10と同じ第1揺動軸芯X1周りに揺動可能な第2部材20は、その後端縁29が、第2付勢手段62により引っ張られて規制面19に当接している。このため、第1部材10が第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動すると、その揺動が規制面19及び後端縁29を介して、第2部材20に伝達され、第2部材20も、第1部材10と一体となって、第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動して、排出トレイ120との係合を解除する。この際、第1付勢手段61は、間接的に、第2部材20を第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に付勢する。その結果、第2部材20は排出トレイ120が開くことを許容する。そして、排出トレイ開放手段40は、第2部材20との係合が解除された排出トレイ120を付勢して排出口開放位置まで完全に変位させる。これにより、ユーザは、排出トレイ120を開く動作を行う必要がなくなる。その結果、この画像形成装置A1は、排出トレイ120の開き忘れを防止でき、ひいては、排出トレイ120が閉じた状態で画像形成動作を実行して排出口129でシート99がつまることを防止できる。また、装置を使用する際には、通常、スイッチ90を操作して、装置を起動させるため、このスイッチ90の操作に連動して供給トレイ110及び排出トレイ120が開くことで、装置の使用時に必ず、供給トレイ110が供給口開放位置にあり、かつ排出トレイ120が排出口開放位置にある状態とすることができる。
【0062】
したがって、実施例1の画像形成装置A1によれば、シート99に画像を形成する際、供給トレイ110及び排出トレイ120に対してユーザが行う作業を簡略化することができる。
【0063】
さらに、この画像形成装置A1では、第2部材20と排出トレイ120との係合が解除されると、排出トレイ120と、第1部材10、第2部材20、及び供給トレイ110との間には何の接続関係も無くなるので、排出トレイ120を供給トレイ110とは独立して図7に示す排出口開放位置に変位させ、又は排出口開放位置から図5に示す排出口閉鎖位置に変位させることができる。このため、例えば、第2部材20との係合が解除されて排出口開放位置に向けて変位する排出トレイ120が障害物に当て止まった場合でも、その反力を排出トレイ開放手段40が支持するだけであり、第1部材10、第2部材20及び供給トレイ110には、その反力の影響が及ばない。すなわち、第2部材10と排出トレイ120との係合が解除された状態では、排出トレイ120において発生した不具合が、第1部材10、第2部材20及び供給トレイ110に影響を与えることが無い。また、例えば、図8に示すように、第1部材10が供給口閉鎖位置にある供給トレイ110と係合して揺動できない場合でも、第2部材20が閉じる排出トレイ120の被係合部121に対して一旦、第1方向D1に揺動して回避した後、第2方向D2に揺動して被係合部121に係合できるので、閉じる排出トレイ120を妨げることがない。これらにより、この画像形成装置A1は、連動部材により供給トレイと排出トレイとが遊びなく連動する上記従来の画像形成装置と比較して、連動機構50に過度の力が作用し難い。その結果、この画像形成装置A1は、連動機構50の破損を抑制できる。
【0064】
また、第1部材10と第2部材20とは、別体であることにより設計自由度が向上するとともに、同一の第1揺動軸芯X1周りに揺動することにより設置スペースが嵩張らない。
【0065】
さらに、第1付勢手段61、規制面19及び第2付勢手段62により、第1部材10と第2部材20とが確実に連動して、排出口閉鎖位置にある排出トレイ120を排出口開放位置に向けて変位させることができる。また、簡素な連動機構50により、製造コストの低廉化を確実に実現できる。
【0066】
また、実施例1では、筐体9の前面下方の供給トレイ110と、筐体9の上面の排出トレイ120とが比較的に離れた位置にある。このため、仮に、本実施例に係る連動機構50がない場合には、ユーザが供給トレイ110を開いた後に排出トレイ120を開くことを忘れ易い。この点、この画像形成装置A1によれば、連動機構50により、供給トレイ110に連動して排出トレイ120を排出口開放位置に向けて変位させることができるので、排出トレイ120の開き忘れにより排出口129でシート99がつまることを確実に防止できる。
【0067】
さらに、この画像形成装置A1では、供給口119から画像形成部8を経て排出口129に至る搬送経路P1が装置の小型化に適した略C形状となるので、装置の小型化を確実に実現できる。また、供給トレイ110及び排出トレイ120は前方に開放するため、供給トレイ110にシート99をセットする作業、及び排出トレイ120からシート99を取り除く作業を行い易い。さらに、装置の後壁と、設置場所近傍の室内壁等との間に隙間を確保する必要がないので、画像形成装置A1の占有スペースを確実に小さくできる。
【0068】
(実施例2)
図9に示すように、実施例2の画像形成装置A2は、実施例1における連動機構50の代わりに、連動機構250を採用している。その他の構成は、実施例1の画像形成装置A1と同様である。このため、実施例1の画像形成装置A1と同一の構成については同一の符号を付して説明を簡略又は省略する。
【0069】
実施例2の画像形成装置A2において、連動機構250は、L型部材200と、ソレノイド72と、供給トレイ開放手段30と、排出トレイ開放手段40とを有する。ソレノイド72は、本発明の駆動手段の一例である。
【0070】
L型部材200は、第1揺動軸芯X1周りに揺動可能に支持された中間部230と、中間部230から前方、かつ下方に向かって傾斜しつつ延在する第1変位部210と、中間部230から上方に向かって延在する第2変位部220とを有する。すなわち、中間部230、第1変位部210及び第2変位部220は一部材であり、第1揺動軸芯X1周りに一体に揺動する。
【0071】
第1変位部210は、前端側に下方に向かって略三角形状に突出する係合突起213を有する。係合突起213が供給トレイ110の被係合部111と係合することにより、第1変位部210が供給トレイ110を供給口閉鎖位置に保持する。
【0072】
第2変位部220は、上端側に後方に向かって略三角形状に突出する係合突起223を有する。係合突起223が排出トレイ120の被係合部121と係合することにより、第2変位部220が排出トレイ120を排出口閉鎖位置に保持する。係合突起223の下面223Aは、第1揺動軸芯X1を中心する円弧面とされており、第2変位部220が第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動する際、排出トレイ120の被係合部121に当て止まらないようになっている
【0073】
筐体9と第1変位部210との間には、第1付勢手段261が設けられている。第1付勢手段261も周知の引っ張りコイルバネからなる。第1付勢手段261は、一端が第1変位部210における前後方向の中間部に連結され、他端が筐体9の第1変位部210よりも下側の位置に連結されている。これにより、第1付勢手段261は、第1変位部210及び第2変位部220が第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1(図9の紙面に向かって反時計周り)に揺動するように付勢する。図9に示すように、第1変位部210の係合突起213が供給トレイ110の被係合部111と係合する場合、第1付勢手段261は、その係合を維持するように第1変位部210を付勢する。
【0074】
ソレノイド72は、実施例1のソレノイド71と同様に、ソレノイド本体72Aと、可動部72Bとからなる。ソレノイド本体72Aは、筐体9に固定されている。可動部72Bの下端は、第1変位部210における前後方向の中間部に連結されている。
【0075】
画像形成装置A2の使用時、ユーザの動作により、スイッチ90が入ると、装置が起動され、それと同時に所定の時間、ソレノイド本体72Aに通電される。これにより、ソレノイド72は、第1変位部210に駆動力を伝達する。
【0076】
第1変位部210は、一旦、第1付勢手段261の付勢力に抗しつつ、第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動する。そして、係合突起213が被係合部111から離れる方向に回避して、供給トレイ110との係合を解除する。その後、第1変位部210は、第1付勢手段261に付勢されて第1方向D1に揺動して、図9に二点鎖線で示す姿勢をとる。
【0077】
この際、第1変位部210と一体である第2変位部220も、まず、第1揺動軸芯X1周りに第2方向D2に揺動する。その後、第2変位部220は、第1変位部210とともに第1方向D1に揺動して、図9に二点鎖線で示す姿勢をとり、排出トレイ120との係合を解除する。
【0078】
そして、供給トレイ開放手段30は、第1変位部210との係合が解除された供給トレイ110を付勢して供給口開放位置まで完全に変位させる。また、排出トレイ開放手段40は、第2変位部220との係合が解除された排出トレイ120を付勢して排出口開放位置まで完全に変位させる。
【0079】
このように動作する実施例2の画像形成装置A2も、実施例1の画像形成装置A1と同様の作用効果を奏することができる。
【0080】
なお、供給口、排出口、供給トレイ及び排出トレイ等のレイアウトは、実施例1、2に限定されず、例えば、変形例1〜3の構成を採用することもできる。
【0081】
(変形例1)
図10に示すように、変形例1の画像形成装置A3では、排出口329が筐体9の上面の後方に設けられている。そして、搬送経路P3は、側面視した場合、筐体9の底壁に沿って後方に進んだ後、筐体9の後壁に沿って立ち上がる略L形状とされている。排出トレイ320は、後端縁側が筐体9に揺動可能に支持されている。図示は省略するが、連動機構は、実施例1、2の連動機構50、250と同様である。
【0082】
供給トレイ110が供給口開放位置(図10に実線で示す。)に変位すると、それに連動して、排出トレイ320は、略水平に延在する排出口閉鎖位置(図10に二点鎖線で示す。)から、前端縁が上方に持ち上がるように揺動することにより、排出口開放位置(図10に実線で示す。)に変位する。
【0083】
(変形例2)
図11に示すように、変形例2の画像形成装置A4では、供給口419が筐体9の前面の上方に設けられている。また、排出口429が筐体9の背面の上方に設けられている。そして、搬送経路P4は、側面視した場合、筐体9の前方から後方に略水平に延びている。
【0084】
供給トレイ410は、下端縁側が筐体9の前面に揺動可能に支持されている。供給トレイ410は図11に示す供給口閉鎖位置において、半分に折り畳まれている。排出トレイ420は、下端縁側が筐体9の前面に揺動可能に支持されている。排出トレイ420は図11に示す排出口閉鎖位置において、半分に折り畳まれている。図示は省略するが、連動機構は、実施例1、2の連動機構50、250と同様である。
【0085】
供給トレイ410が図12に示す供給口開放位置に向けて揺動すると、それに連動して、排出トレイ420が図12に示す排出口開放位置に変位する。そして、供給トレイ410及び排出トレイ420は、折り畳まれた状態からそれぞれ前方又は後方に開かれて使用される。
【0086】
(変形例3)
図13に示すように、変形例3の画像形成装置A5では、実施例1における揺動式の供給トレイ110及び排出トレイ120を、スライド式の供給トレイ510及び排出トレイ520に変更しただけである。図示は省略するが、連動機構は、実施例1、2の連動機構50、250と同様である。
【0087】
供給トレイ510が前方に引き出されて、図14に示す供給口開放位置にスライドすると、それに連動して、排出トレイ520が図14に示す排出口開放位置にスライドする。 この際、排出トレイ520は、例えば、図示しない引っ張りコイルバネに付勢されて、ガイドレール525に沿って、前方にスライドする。
【0088】
(変形例4)
図15に示すように、変形例4の画像形成装置A6では、供給口619が筐体9の上面の後方に設けられ、排出口629が筐体9の前面の下方に設けられている。そして、搬送経路P6は、側面視した場合、筐体9の上方から後壁に沿って下方に進んだ後、筐体9の底壁に沿って前方に進む略L形状とされている。供給トレイ610は、後端縁側が筐体9に揺動可能に支持されている。排出トレイ620は、下端縁側が筐体9に揺動可能に支持されている。図示は省略するが、連動機構は、実施例1、2の連動機構50、250と同様である。
【0089】
供給トレイ610が供給口開放位置(図15に実線で示す。)に変位すると、それに連動して、排出トレイ620は、略垂直に立ち上がる排出口閉鎖位置(図15に二点鎖線で示す。)から、上端縁が前方、かつ下方に揺動することにより、排出口開放位置(図15に実線で示す。)に変位する。
【0090】
ところで、実施例1、2の連動機構50、250は、駆動手段としてソレノイド71、72を有していたが、以下に示すように、本発明の画像形成装置に係る連動機構は、スイッチによる起動時に、第1、2変位部に機械的に駆動力を伝達する駆動手段を有していてもよい。
【0091】
(実施例3)
図16及び図17に示すように、実施例3の画像形成装置A7は、実施例1におけるスイッチ90及び連動機構50の代わりに、スライド式のスイッチ91、及び駆動手段73を有する連動機構750を採用している。その他の構成は、実施例1の画像形成装置A1と同様である。このため、実施例1の画像形成装置A1と同一の構成については同一の符号を付して説明を簡略又は省略する。
【0092】
スイッチ91は、筐体9の右壁9Aの下方に設けられている。図17に示すように、スイッチ91は、筐体9の内側に設けられたスライドスイッチ本体92と、筐体9の右壁9Aとスライドスイッチ本体92との間に設けられたスライダ93とを有する。
【0093】
スライダ93は、スライドスイッチ本体92の可動部92Aに嵌合した状態で、前後方向にスライド可能に右壁9Aに支持されている。スライダ93には、右方にブロック状に突出して、右壁9Aに貫設された開口9Bから筐体9の外部に露出する操作部93Aが形成されている。
【0094】
スライダ93が図17に実線で示す前方の位置にある場合、スライドスイッチ本体92は非通電状態にある。そして、ユーザが操作部93Aを指で押して、スライダ93を図17に二点鎖線で示す後方の位置までスライドさせると、スライドスイッチ本体92の可動部92Aもスライドして、スライドスイッチ本体92が通電状態に切り替わる。その結果、外部から画像形成装置A7に対して給電が開始されて、画像形成装置A7を起動させることができる。
【0095】
図16に示すように、連動機構750は、第1部材10と、第2部材20と、駆動手段73と、供給トレイ開放手段30と、排出トレイ開放手段40とを有する。実施例1のソレノイド71から変更された駆動手段73以外は実施例1の連動機構50と同一である。
【0096】
図16及び図17に示すように、駆動手段73は、スライダ93に形成された作用部74と、筐体9内で、スイッチ91近傍から第1部材10の伝達部12近傍まで上下方向に棒状に延びるリンク部材75とを有する。
【0097】
スライダ93は、操作部93Aから前方に向けて右壁9Aと平行に延びる延設部93Lを有する。作用部74は、延設部93Lから左方に向けて突出する突起である。図18(a)に拡大して示すように、作用部74は、後方、かつ下方を向くように傾斜する第1傾斜面74Aと、前方、かつ上方を向くように傾斜する第2傾斜面74Bと、下方を向き、第1傾斜面74Aの下端縁と第2傾斜面74Bの下端縁とを連結する下面74Cと、上方を向き、第1傾斜面74Aの上端縁と第2傾斜面74Bの上端縁とを連結する上面74Dとを有する。
【0098】
図16に示すように、リンク部材75は、筐体9内に設けられた直動ガイド75Gにより、上下方向に変位可能に支持されている。リンク部材75の上端部には、上下方向に細長い長穴75Bが貫設されている。図16及び図17に示すように、リンク部材75の下端部には、右方に向けて突出する受動部75Aが形成されている。
【0099】
図16に示すように、リンク部材75の上端部及び長穴75Bは、伝達部12に対して右側(図16の紙面手前側)に位置している。長穴75Bには、伝達部12から右方に突出する伝達軸12Bが挿入されている。
【0100】
スライダ93が図17に実線で示す前方の位置にある場合、図18(a)に示すように、作用部74の第1傾斜面74Aに対して、受動部75Aが後方に離間するので、図16に示すように、長穴75Bの上端側が伝達部12の伝達軸12Bに当て止まって、リンク部材75の上下方向の位置が定まる。
【0101】
スイッチ91による起動時、スライダ93が図17に二点鎖線で示す後方の位置までスライドする途中に、図18(b)に示すように、作用部74の第1傾斜面74A及び下面74Cが受動部75Aに摺接して、受動部75Aを下方に変位させる。そうすると、図19に示すように、リンク部材75も下方に変位して、長穴75Bにより伝達軸12Bを下方に引き下げる。これにより、第1部材10は、第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1とは逆方向の第2方向D2に揺動し、係合突起13が被係合部111から離れる方向に回避して、第1部材10が被係合部111との係合を解除する。この状態では、供給トレイ110は、供給口開放位置に向けて変位可能となる。
【0102】
そして、スライダ93が図17に二点鎖線で示す後方の位置まで完全にスライドすると、図18(c)に示すように、作用部74が受動部75Aに対して後方に離間する。その結果、図20に示すように、第1部材10及び第2部材20は、第1付勢手段61に付勢されて、第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1に揺動し、リンク部材75も伝達軸12Bにより上方に引き上げられる。これにより、係合突起23が被係合部121から離れる方向に回避して、第2部材20が被係合部121との係合を解除する。この状態では、排出トレイ120は、排出口開放位置に向けて変位可能となる。
【0103】
その後、実施例1と同様に、供給トレイ開放手段30及び排出トレイ開放手段40が動作して、供給トレイ110を供給口開放位置に変位させ、排出トレイ120を排出口開放位置に変位させる。
【0104】
また、画像形成装置A7の電源を切る場合、スライダ93が図17に実線で示す前方の位置までスライドする途中に、図18(d)に示すように、作用部74の第2傾斜面74B及び上面74Dが受動部75Aに摺接して、受動部75Aを上方に変位させる。そうすると、リンク部材75及び長穴75Bも上方に変位する。しかしながら、この場合、伝達軸12bが長穴75B内を滑るように相対移動するだけであり、リンク部材75の変位は第1部材10に伝達されない。
【0105】
このように動作する実施例3の画像形成装置A7も、実施例1、2の画像形成装置A1、A2と同様の作用効果を奏することができる。
【0106】
(実施例4)
図21及び図22に示すように、実施例4の画像形成装置A8は、実施例1におけるスイッチ90及び連動機構50の代わりに、スライド式のスイッチ96、及び駆動手段77を有する連動機構850を採用している。その他の構成は、実施例1の画像形成装置A1と同様である。このため、実施例1の画像形成装置A1と同一の構成については同一の符号を付して説明を簡略又は省略する。
【0107】
スイッチ96は、実施例3のスイッチ91におけるスライダ93に形成された作用部74を後述する作用部78に変更したものである。スイッチ96のその他の構成は実施例3のスイッチ91と同様である。
【0108】
連動機構850は、L型部材800と、駆動手段77と、供給トレイ開放手段30と、排出トレイ開放手段40とを有する。
【0109】
L型部材800は、第1揺動軸芯X1周りに揺動可能に支持された中間部830と、中間部830から前方に向かって延在する第1変位部810と、中間部830から上方に向かって延在する第2変位部820と、中間部830から後方に向かって短く突出する伝達部812とを有する。すなわち、中間部830、第1変位部810、第2変位部820及び伝達部812は一部材であり、第1揺動軸芯X1周りに一体に揺動する。
【0110】
第1変位部810は、前端側に下方に向かって略三角形状に突出する係合突起813を有する。係合突起813が供給トレイ110の被係合部111と係合することにより、第1変位部810が供給トレイ110を供給口閉鎖位置に保持する。
【0111】
第2変位部820は、上端側に前方に向かって略三角形状に突出する係合突起823を有する。係合突起823が排出トレイ120の被係合部121と係合することにより、第2変位部820が排出トレイ120を排出口閉鎖位置に保持する。
【0112】
筐体9と第1変位部810との間には、第1付勢手段861が設けられている。第1付勢手段861も周知の引っ張りコイルバネからなる。第1付勢手段861は、一端が第1変位部810における前後方向の中間部に連結され、他端が筐体9の第1変位部810よりも下側の位置に連結されている。これにより、第1付勢手段861は、第1変位部810及び第2変位部820が第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1(図21の紙面に向かって反時計周り)に揺動するように付勢する。図21に実線で示すように、第1変位部810の係合突起813が供給トレイ110の被係合部111と係合する場合、第1付勢手段861は、その係合を維持するように第1変位部810を付勢する。
【0113】
駆動手段77は、スライダ93に形成された作用部78と、筐体9内で、スイッチ96近傍からL型部材800の伝達部812近傍まで上下方向に棒状に延びるリンク部材79とを有する。
【0114】
作用部78は、スライダ93の延設部93L(図17に示す実施例3の延設部93Lと同じ。図21及び図22では図示を省略する。)から左方に向けて、所定幅を有した枠状に突出している。図22に拡大して示すように、作用部78は、後方、かつ下方を向くように傾斜する傾斜面78Aと、傾斜面78Aの下端縁から前方に向けて水平に延びる下面78Bとを有する。
【0115】
図21に示すように、リンク部材79は、筐体9内に設けられた直動ガイド79Gにより、上下方向に変位可能に支持されている。リンク部材79の上端部には、丸穴79Bが貫設されている。リンク部材79の下端部には、右方に向けて突出する受動部79Aが形成されている。受動部79Aは、枠状の作用部78内に位置する。
【0116】
リンク部材79の上端部及び丸穴79Bは、伝達部812に対して右側(図21の紙面手前側)に位置している。丸穴79Bには、伝達部812から右方に突出する伝達軸812Bが挿入されている。
【0117】
スライダ93が図22に示す位置にある場合、作用部78の傾斜面78Aに対して、受動部79Aが後方に離間している。
【0118】
図示は省略するが、スイッチ96による起動時、スライダ93が図22に示す位置から後方にスライドすると、作用部78の傾斜面78A及び下面78Bが受動部79Aに摺接して、受動部79Aを下方に変位させる。そうすると、リンク部材79も下方に変位して、丸穴79Bにより伝達軸812Bを下方に引き下げる。これにより、図21に二点鎖線で示すように、第1変位部810及び第2変位部820が第1揺動軸芯X1周りに第1方向D1とは逆方向の第2方向D2に揺動する。その結果、係合突起813が被係合部111から離れる方向に回避することにより、第1変位部810が供給トレイ110との係合を解除する。また、係合突起823が被係合部121から離れる方向に回避することにより、第2変位部820が排出トレイ120との係合を解除する。
【0119】
その後、実施例1と同様に、供給トレイ開放手段30及び排出トレイ開放手段40が動作して、供給トレイ110を供給口開放位置に変位させ、排出トレイ120を排出口開放位置に変位させる。
【0120】
なお、画像形成装置A8の電源が入っている間は、スライダ93が図22に示す位置から後方にスライドしている。このため、受動部79Aは、作用部78の下面78Bに当接して下方に変位したままであり、第1変位部810及び第2変位部820が図21に二点鎖線で示す姿勢を維持する。この状態では、供給トレイ110が供給口閉鎖位置に変位したとしても、第1変位部810が供給トレイ110の被係合部111と係合することができない。また、排出トレイ120が排出口閉鎖位置に変位したとしても、第2変位部820が排出トレイ120の被係合部121と係合することができない。つまり、スライダ93を図22に示す位置に復帰させて、スイッチ96を切ってからでないと、供給トレイ110及び排出トレイ120を閉じることができない。このため、スイッチ96の切り忘れを防止でき、ひいては、スイッチ96の切り忘れによる定着器8D等の発熱源の過熱も防止できる。
【0121】
このように動作する実施例4の画像形成装置A8も、実施例1〜3の画像形成装置A1、A2、A7と同様の作用効果を奏することができる。
【0122】
以上において、本発明を実施例1〜4及び変形例1〜4に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0123】
例えば、排出トレイ開放手段は、排出トレイが有する質量体(たとえば、排出トレイの自重や、排出トレイに取り付けられる錘)であってもよい。この場合、第2変位部が排出トレイとの係合を解除すると、排出トレイに対して作用する重力により、排出トレイが鉛直方向下方へ向かうように付勢される。この重力を利用することにより、排出トレイを排出口開放位置に向けて変位させることができる。供給トレイ開放手段も同様である。
【0124】
また、排出トレイ開放手段は、排出トレイと筐体とに互いに反発するように設けられた一対の磁石であってもよい。供給トレイ開放手段も同様である。
【0125】
さらに、第1変位部及び第2変位部の変位は、揺動に限定されず、例えば、往復動してもよい。供給トレイ及や排出トレイに設けられる被係合部、及び第1変位部や第2変位部に設けられる係合突起の形状や組み合わせも、上記実施例の形状や組み合わせに限定されない。
【0126】
また、実施例1において、ソレノイド71とは別のソレノイドを第2部材20に連結して、スイッチ90による装置の起動時、第1部材10及び第2部材20に対して、別々のソレノイドにより駆動力を伝達するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0128】
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8…画像形成装置、8…画像形成部
119、419、619…供給口、129、329、429、629…排出口
9…筐体、P1、P3、P4、P6…搬送経路、99…シート
110、410、510、610…供給トレイ
120、320、420、520、620…排出トレイ
50、250、750、850…連動機構
10、210、810…第1変位部(10…第1部材)
20、210、820…第2変位部(20…第2部材)
30…供給トレイ開放手段、40…排出トレイ開放手段
71、72、73、77…駆動手段(71、72…ソレノイド)
111…供給トレイの被係合部、121…排出トレイの被係合部
61、261、861…第1付勢手段、62…第2付勢手段
D1…第1方向、D2…第2方向、19…規制面
X1…第1揺動軸芯、X2…第2揺動軸芯、X3…第3揺動軸芯
6…送り出しローラ、7…排出ローラ、90、91、96…スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に連通する開口である供給口及び排出口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記供給口から前記排出口に至る搬送経路に沿って搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記供給口を塞ぐ供給口閉鎖位置と、前記供給口を開放する供給口開放位置とに変位し、前記供給口開放位置では、前記供給口に供給される前記シートを下方から支持する供給トレイと、
前記排出口を塞ぐ排出口閉鎖位置と、前記排出口を開放する排出口開放位置とに変位し、前記排出口開放位置では、前記排出口から排出される前記シートを下方から支持する排出トレイと、
装置を起動させるスイッチとを備える画像形成装置であって、
前記スイッチが入ることに連動して、前記供給トレイを前記供給口開放位置に向けて変位させるとともに、前記排出トレイを前記排出口開放位置に向けて変位させる連動機構を備え、
前記連動機構は、前記筐体に変位可能に支持される第1変位部及び第2変位部と、前記筐体及び前記供給トレイの少なくとも一方に設けられる供給トレイ開放手段と、前記筐体及び前記排出トレイの少なくとも一方に設けられる排出トレイ開放手段と、前記スイッチによる起動時に前記第1変位部及び/又は前記第2変位部に駆動力を伝達する駆動手段とを有し、
前記第1変位部は、前記供給トレイに設けられた被係合部と係合して前記供給トレイを前記供給口閉鎖位置に保持する一方、前記駆動手段から直接又は前記第2変位部を介して前記駆動力を伝達されることにより変位して前記供給トレイとの係合を解除し、
前記第2変位部は、前記排出トレイに設けられた被係合部と係合して前記排出トレイを前記排出口閉鎖位置に保持する一方、前記駆動手段から直接又は前記第1変位部を介して前記駆動力を伝達されることにより変位して前記排出トレイとの係合を解除し、
前記供給トレイ開放手段は、前記第1変位部との係合が解除された前記供給トレイを付勢して前記供給口開放位置に向けて変位させ、
前記排出トレイ開放手段は、前記第2変位部との係合が解除された前記排出トレイを付勢して前記排出口開放位置に向けて変位させるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、ソレノイドである請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1変位部は、前記筐体に揺動可能に支持された第1部材であり、
前記第2変位部は、前記第1部材とは別体であり、前記筐体に揺動可能に支持された第2部材である請求項1又は1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1部材と前記第2部材とは、同一の第1揺動軸芯周りに揺動可能に支持されている請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記筐体と前記第1部材との間には、前記供給口閉鎖位置にある前記供給トレイと前記第1部材との係合を維持するように前記第1部材を付勢し、かつ、前記第1部材が前記供給トレイとの係合を解除した場合には、前記第2部材が前記排出トレイとの係合を解除するように前記第2部材を間接的に付勢する第1付勢手段が設けられている請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1部材は、前記供給トレイとの係合を解除した後に前記第1揺動軸芯周りに第1方向に揺動し、
前記第1部材には、前記第2部材が前記第1揺動軸芯周りに前記第1方向とは逆向きの第2方向に揺動することを規制する規制面が形成され、
前記第1部材が前記第1揺動軸芯周りに前記第1方向に揺動すると、前記規制面が前記第2部材に当接して前記第2部材も前記第1揺動軸芯周りに前記第1方向に揺動し、前記排出トレイとの係合を解除するように構成されている請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1部材と前記第2部材との間には、前記第2部材が前記規制面に当接するように付勢する第2付勢手段が設けられている請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記供給口は、前記筐体の前面の下方に位置し、
前記排出口は、前記筐体の上面に位置し、
前記供給トレイは、前記筐体の前面の下端側に設けられた第2揺動軸芯周りに揺動して前方に開くことにより前記供給口開放位置に変位するように構成され、
前記排出トレイは、前記筐体の上面に設けられ、前記第2揺動軸芯と平行な第3揺動軸芯周りに揺動して前方に開くことにより前記排出口開放位置に変位するように構成されている請求項1乃至7のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記筐体内における前記供給口近傍に、前記供給トレイに支持された前記シートを前記搬送経路に送り出す送り出しローラを備え、
前記筐体内における前記送り出しローラの上方に前記画像形成部を備え、
前記筐体内における前記画像形成部の上方、かつ前記排出口の近傍に、前記シートを前記排出トレイに排出する排出ローラを備える請求項8記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−187837(P2012−187837A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53839(P2011−53839)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】