説明

画像形成装置

【課題】本発明は、露光ヘッドを用いた画像形成装置において、簡易な構成でプロセスカートリッジが着脱可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スコロトロン型帯電器21は、出射部143を通りプロセスカートリッジ8の着脱方向に沿う直線L2に対し、上下方向において、LEDアレイヘッド141とは反対側に位置している。従ってプロセスカートリッジ8は、LEDアレイヘッド141と接触することなく、プリンタ1に対して着脱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、例えば、感光ドラムは、帯電器によって一様に帯電される。帯電された感光ドラムの表面は、露光装置からの光で露光されることにより、静電潜像が形成される。そして、感光ドラムの表面の静電潜像は、現像剤が供給されることで現像剤像となる。その後、現像剤像は、用紙に転写される。
【0003】
このような画像形成装置では、露光装置として露光ヘッドが備えられたものが知られている。また、このような画像形成装置においては、感光ドラムを有し、画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジが設けられたものがある。露光ヘッドは、感光ドラムの表面と対向する部分に、有機EL(Electro Luminescent)素子やLED(Light Emitting Diode)などからなる複数の発光素子とレンズがアレイ状に配列されている。静電潜像は、発光素子からの光がレンズによって感光ドラムの表面で結像され、感光ドラムの表面に形成される。
【0004】
このような露光ヘッドは、レンズの焦点距離が短いため、感光ドラムの表面と近接して配置される必要がある。そのため、露光ヘッドは、プロセスカートリッジの着脱の妨げになることがある。
【0005】
そこで、露光ヘッド(LEDアレイヘッド)が、装置本体の前面に外装カバーの開閉に連動して、感光ドラムから接離される構成が提案されている(特許文献1)。具体的には、LEDアレイヘッドは、上下方向に延びるアーム状のホルダの上端部に固定されている。アーム状のホルダは、装置本体に回転可能に設けられている。ホルダのLEDアレイヘッドは、トップカバーの開閉動作と連動してアーム状のホルダが回転することで、感光ドラムから接離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5‐249767
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置のように、LEDアレイヘッドがトップカバーの動きに連動して感光ドラムに対して接離する構成とすると、装置本体の構成が複雑になるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、露光ヘッドを用いた画像形成装置において、簡易な構成でプロセスカートリッジが着脱可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の画像形成装置は、装置本体と、回転する感光体と、前記感光体の表面と対向し前記感光体の表面を帯電する帯電器と、を有し、前記感光体の回転軸線と直交する方向に沿って前記装置本体に対して着脱可能に装着されるプロセスカートリッジと、前記回転軸線方向に沿って複数配列される発光素子を有し、前記プロセスカートリッジが装着された状態において前記感光体を露光するための露光装置と、を備えた画像形成装置であって、前記帯電器は、前記感光体に対して、前記プロセスカートリッジの装着方向下流側に前記感光体と隣り合って配置され、前記露光装置は、前記プロセスカートリッジが装着された状態において、前記回転軸線方向から見て、前記回転軸線を通り前記装着方向に垂直な直線である第一直線上に位置し、前記露光装置は、前記プロセスカートリッジが装着された状態において、前記回転軸線方向から見て、最も前記感光体側に位置し前記感光体の表面と対向する対向部を有し、前記帯電器は、前記回転軸線方向から見て、前記装着方向と平行でありかつ前記対向部を通る直線である第二直線に対して、前記露光装置とは反対側に位置していることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記露光装置は、複数の前記発光素子と、前記発光素子から出射された光を結像させるレンズアレイと、を有し、前記対向部は、前記プロセスカートリッジが装着された状態において、前記レンズアレイが前記感光体と対向する前記レンズアレイの先端部であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記装置本体は、前記プロセスカートリッジが着脱可能に装着される装着部を備え、前記装着部は、前記回転軸線方向において、互いに対向して配置される一対の側壁を有し、前記露光装置は、前記側壁に対して配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、一対の前記側壁には、前記装着方向に沿う方向であって、前記感光体と前記対向部とが対向する位置まで、前記プロセスカートリッジを案内する案内部が形成されることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記案内部は、前記感光体と前記対向部とが対向する位置において、前記プロセスカートリッジを位置決めする位置決め部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記露光装置は、前記発光素子を有する露光ヘッドと、前記回転軸線方向における前記露光ヘッドの両側に配置され、前記プロセスカートリッジと当接することで前記露光ヘッドと前記感光体との間隔を一定に保つ間隔保持部材とを有し、前記装置本体は、前記感光体と前記露光ヘッドが対向する位置において前記プロセスカートリッジを前記間隔保持部材に向けて押圧する第一押圧部材を有し、前記間隔保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記第一押圧部材により押圧されることで前記プロセスカートリッジと当接することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、前記装置本体は、前記露光装置を、前記プロセスカートリッジの装着方向と交差する向きに移動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を前記感光体に向けて押圧する第二押圧部材を有し、前記露光装置は、前記発光素子を有する露光ヘッドと、前記回転軸線方向における前記露光ヘッドの両側に配置され、前記プロセスカートリッジと当接することで、前記露光ヘッドと前記感光体との間隔を一定に保つ間隔保持部材とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置において、前記間隔保持部材は、前記感光体と当接することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項6から請求項8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記間隔保持部材は、前記感光体との当接により回転可能なコロであることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記プロセスカートリッジは、前記感光体を挟んで前記帯電器とは反対側に、前記感光体の表面に供給される現像剤が収容される現像剤収容部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の画像形成装置によると、プロセスカートリッジは、感光体と、感光体の表面を帯電する帯電器と、を有する。感光体を露光する露光装置は、プロセスカートリッジが装着された状態において、回転軸線方向から見て、回転軸線を通り装着方向に垂直な直線である第一直線上に位置する。帯電器は、プロセスカートリッジの装着方向と平行であり前記対向部を通る直線に対して、前記露光装置とは反対側に位置している。これにより、露光装置は、プロセスカートリッジの着脱過程において、帯電器と接触することが無い。従って、露光装置を用いた画像形成装置において、画像形成装置の構成を簡易なものとしてプロセスカートリッジの着脱を行うことが出来る。
【0020】
請求項2に記載の画像形成装置によると、プロセスカートリッジの着脱時にレンズアレイと帯電器とが接触することを防ぐことが出来る。従って、レンズアレイがプロセスカートリッジと接触して傷つくことを低減できる。
【0021】
請求項3に記載の画像形成装置によると、プロセスカートリッジが着脱される装着部には、一対の側壁が設けられる。露光装置は、側壁に対して配置されている。これにより、装置本体の構成を簡易にしつつプロセスカートリッジの着脱を行え、露光装置を感光体に対して位置決めすることが出来る。
【0022】
請求項4に記載の画像形成装置によると、側壁にはプロセスカートリッジの装着方向に沿う方向であって、感光体と対向部とが対向する位置まで、プロセスカートリッジを案内する案内部が形成される。これにより、プロセスカートリッジを感光体と対向部とが対向する位置にむけて容易に装着することができる。
【0023】
請求項5に記載の画像形成装置によると、プロセスカートリッジは、感光体と対向部が対応する位置において、露光装置に対して位置決めされる。従って、感光体は、より正確に露光装置に対して位置決めされる。
【0024】
請求項6に記載の画像形成装置によると、プロセスカートリッジは、感光体と露光ヘッドが対向する位置において、押圧部材によって間隔保持部材に向けて押圧される。これにより、感光体の回転軸線に対する振れ公差に依存することなく、感光体と露光ヘッドとの間隔を一定に保つことが出来る。
【0025】
請求項7に記載の画像形成装置によると、支持部材は、第二押圧部材によって感光体にむけて押圧される。これにより、装置本体の構成を簡易にしつつ、感光体と露光ヘッドとの間隔を精度良く保つことが出来る。
【0026】
請求項8に記載の画像形成装置によると、間隔保持部材が感光体と当接することで、感光体と露光装置との間隔をより正確に保つことが出来る。
【0027】
請求項9に記載の画像形成装置によると、間隔保持部材に回転するコロ部材を用いる。これにより、コロ部材の当接部と感光体との接触により、感光体の表面に傷がつくことを低減できる。
【0028】
請求項10に記載の画像形成装置によると、プロセスカートリッジは、感光体を挟んで帯電器とは反対側に、感光体の表面に供給される現像剤が収容される現像剤収容部を備える。これにより、プロセスカートリッジの装着方向と交差する向きに、画像形成装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、プリンタの模式的な側断面図である。
【図2】図2は、露光ユニットとプロセスカートリッジとを後側から見た模式的な図である。
【図3】図3は、プロセスカートリッジと露光ユニットの模式的な拡大側断面図である。
【図4(a)】図4(a)は、装着部に対するプロセスカートリッジの装着途中の状態を表す模式的な図である。
【図4(b)】図4(b)は、装着部に対するプロセスカートリッジの装着完了時の状態を表す模式的な図である。
【図5】図5は、変形例1に係るプロセスカートリッジと露光ユニットとを後側から見た図である。
【図6】図6は、変形例1に係るプロセスカートリッジと露光ユニットの模式的な側断面図である。
【図7(a)】図7(a)は、変形例1において装着部に対するプロセスカートリッジの装着途中の状態を表す模式的な図である。
【図7(b)】図7(b)は、変形例1において装着部に対するプロセスカートリッジの装着完了時の状態を表す模式的な図である。
【図8】図8は、変形例2に係るプリンタの模式的な側断面図である。
【図9(a)】図9(a)は、変形例2に係るプロセスカートリッジおよび露光ユニットを後側から見た模式的な図である。
【図9(b)】図9(b)は、プロセスカートリッジが装着部から取り除かれた状態において、露光ユニットを後側から見た図である。
【図10(a)】図10(a)は、変形例2において本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着途中の状態を表す模式的な図である。
【図10(b)】図10(b)は、変形例2において本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着完了時の状態を表す模式的な図である。
【図11】切り欠き部に関して、その他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<プリンタの全体構成>
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタの模式的な断面図である。
【0031】
図1に示すように、このプリンタ1は、装置本体の一例として、例えば前後方向に長手でボックス形状の本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、記録媒体の一例としての用紙3を給紙するための給紙部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5と、画像が形成された用紙を排紙するための排紙部6とが備えられている。
【0032】
図1に示すように、本体ケーシング2の一方側の側面には、カバー7が開閉自在に設けられている。本体ケーシング2は、内部に後述するプロセスカートリッジ8を着脱自在に装着する装着部30を備える。装着部30は、本体ケーシングの内部であって、左右方向においてプロセスカートリッジ8を挟むように配置される側壁31を備える(図2参照)。プロセスカートリッジ8は、カバー7を開放して、装着部30に着脱可能に装着される。
【0033】
なお、以下の図面において、カバー7が設けられる側を前側(正面側)とし、その反対側を後側(背面側)とする。また、このプリンタ1を前面から見たときを左右の基準とする。プロセスカートリッジ8は、特に言及が無い限り、本体ケーシング2に対する装着状態での方向を基準として説明する。
【0034】
図1に示すように、給紙部4は、用紙3を積載状態で収容する給紙トレイ9と、給紙ローラ10と、レジストローラ11とを備えている。
【0035】
用紙3は、給紙ローラ10の回転によりレジストローラ11へ一枚ずつ送り出される。その用紙3は、レジストローラ11によりレジストされた後、画像形成部5(後述する感光ドラム20と転写ローラ22との間)に向けて搬送される。
【0036】
画像形成部5は、露光装置の一例としての露光ユニット14と、上述したプロセスカートリッジ8と、定着ユニット15とを備えている。
【0037】
露光ユニット14は、本体ケーシング2の上部に配置されている。露光ユニット14は、露光ヘッドの一例としてのLEDアレイヘッド141と、LEDアレイヘッド141を支持するヘッド支持部材142とを備える。
【0038】
LEDアレイヘッド141は、発光素子の一例としてのLED素子50と対向部の一例としてのレンズアレイ149とを備える。LED素子50は、プリンタ1の解像度に応じた個数が左右方向にそって並べられている。
【0039】
レンズアレイ149は、LED素子50の下方であり、感光ドラム20と対向する位置に備えられている。レンズアレイ149は、各LED素子50から出射された光Yを感光ドラム20の表面において結像する。レンズアレイ149の感光ドラム20と対向する部分は、対向面149Aが形成され(図2参照)、本実施形態においては、当該面は前後方向にそって延びている。
【0040】
LEDアレイヘッド141は、プロセスカートリッジ8が本体ケーシング2装着された状態において、感光体の一例としての感光ドラム20の表面に対して上方から所定の間隔を空けて近接して対向配置される。レンズアレイ149と感光ドラム20の表面との距離は、2〜3mm程度である。
【0041】
本実施形態における露光位置は、プロセスカートリッジ8が装着部30に完全に装着された状態において、LEDアレイヘッド141が感光ドラム20に表面に静電潜像を形成可能な、LEDアレイヘッド141と感光ドラム20との位置関係を言う。即ち、露光位置とは、図1に示すLEDアレイヘッド141と感光ドラム20との位置関係のことを示す。
【0042】
プロセスカートリッジ8は、ドラムカートリッジ17とドラムカートリッジ17に対して着脱可能な現像カートリッジ18とを備える。
【0043】
ドラムカートリッジ17は、ドラムフレーム19、感光ドラム20および帯電器の一例としてのスコロトロン型帯電器21を備える。感光ドラム20は、左右方向に延びる回転軸20Aの回転軸線(回転中心)Xについてドラムフレーム19に対して回転自在に設けられている。回転軸20Aは、ドラムフレーム19から、左右方向において外側に突出している。
【0044】
感光ドラム20の下側外周面は、ドラムフレーム19の底面から下方に露出されている。感光ドラム20の下側外周面は、図1に示すように、転写ローラ22と接触して配置される。転写ローラ22は、本体ケーシング2において、左右方向に延びる中心軸を中心として回転自在に設けられている。
【0045】
感光ドラム20は、感光ドラム20の上側部分でありレンズアレイ149と対向するドラム側対向部452を有する(図3参照)。スコロトロン型帯電器21は、感光ドラム20に対してプロセスカートリッジ8の装着方向下流側に配置されている。
【0046】
現像カートリッジ18は、現像剤収容部の一例としての現像ケーシング23、現像ローラ24、供給ローラ25および層厚規制ブレード26を備える。現像ローラ24および供給ローラ25は、現像ケーシング23に対して左右方向に延びる中心軸を中心として回転可能に支持されている。
【0047】
現像ケーシング23には、トナーが収容されている。このトナーは、画像形成時において、供給ローラ25に供給され、この供給ローラ25から現像ローラ24に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ25と現像ローラ24との間で正極性に摩擦帯電される。そして、現像ローラ24上のトナーは、現像ローラ24の回転に伴って、層厚規制ブレード26によって薄層化される。
【0048】
一方、感光ドラム20の表面は、スコロトロン型帯電器21がコロナ放電することにより、一様に正に帯電される。そして、正に帯電した感光ドラム20の表面には、露光ユニット14からのからの光が照射されることで、静電潜像が形成される。
【0049】
感光ドラム20の回転に伴い、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像が現像ローラ24と対向すると、現像ローラ24上に担持されているトナーが、その静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光ドラム20の表面に現像剤像の一例としてのトナー像が担持される。
【0050】
トナー像は、転写ローラ22に印加される転写バイアスによって、感光ドラム20と転写ローラ22と間に搬送されてくる用紙3に転写される。こうしてトナー像が転写された用紙3は、定着ユニット15に向けて搬送される。
【0051】
定着ユニット15は、プロセスカートリッジ8の後方に設けられる。この定着ユニット15は、互いに接触する加熱ローラ27および加圧ローラ28を備える。用紙3に転写されたトナー像は、加熱ローラ27および加圧ローラ28の間を通過する間に、用紙3に定着される。
【0052】
また、装着部30の側壁31には、プロセスカートリッジ8の着脱時において、回転軸20Aを前後方向に沿って案内する案内部の一例としての案内溝32が形成される。案内溝32は、側壁31の前端から後側に向かって直線的に延びている。
【0053】
案内溝32は、プロセスカートリッジ8の装着方向最下流側において、回転軸20Aを位置決めする側面視略U字形状の位置決め部33を有する。回転軸20Aが位置決め部33に位置決めされることで、LEDアレイヘッド141と感光ドラム20は、所定の間隔に保たれる。また、LEDアレイヘッド141と感光ドラム20とは、回転軸20Aが位置決め部33にて位置決めされることで、LEDアレイヘッド141が感光ドラム20に静電潜像を形成可能な露光位置をとる。
【0054】
<露光ユニットの支持構造>
次に、図2を用いて露光ユニット14の支持構造について説明する。図2は、露光ユニット14とプロセスカートリッジ8とを後側から見た図である。
【0055】
図2に示すように、ヘッド支持部材142は、左右方向における長さがLEDアレイヘッド141よりも長い板状の部材である。ヘッド支持部材142は、LEDアレイヘッド141の上側面を支持している。ヘッド支持部材142は、左右方向においてLEDアレイヘッドより外側に位置する延出部146が設けられている。延出部146は、側壁31の上側端面31Aに対して、前後方向および上下方向において所定の位置に位置決め固定されている。
【0056】
<プロセスカートリッジの構成>
次に図2と図3を用いてプロセスカートリッジ8の説明をする。図3は、プロセスカートリッジ8と露光ユニット14の模式的な拡大側断面図である。図3に示す状態では、プロセスカートリッジ8は、装着部30に対して装着が完了している。以下、プロセスカートリッジ8の断面図においては、図を簡略化し見やすくするため、現像ローラ24、供給ローラ25、層厚規制ブレード26の図示を省略する。
【0057】
図3に示すように、ドラムフレーム19は、前側に現像カートリッジ18が装着される現像カートリッジ装着部40と、後側に感光ドラム20およびスコロトロン型帯電器21が支持されるドラム支持部41が設けられる。
【0058】
図2と図3に示すように、ドラム支持部41は、左右方向において、互いに間隔を隔てて対向配置される一対の側板42と、スコロトロン型帯電器21を支持する帯電器支持部41Aを有する。帯電器支持部41Aは、プロセスカートリッジ8の装着方向において、ドラム支持部41の下流側部分に配置されている。一対の側板42は、感光ドラム20と帯電器支持部41Aを左右方向から挟むように配置されている。
【0059】
図2、図3に示すように帯電器支持部41Aは、一対の側板42の後端部を連結する後面部43と、後面部43の上端部から前方に向かって延びる上面部44と、後面部43の下端から後方に向かって延びる下面部45と、を備える。帯電器支持部41Aは、上面部44、後面部43および下面部45によって、スコロトロン型帯電器21を上下方向および後方から覆うように配置されている。
【0060】
図2、図3に示すように、一対の側板42は、回転軸20Aの左右方向両端部を側板42に対して外側に突出させて、回転軸20Aを回転可能に支持している。
【0061】
図2に示すように、下面部45は、前後方向の幅が、プロセスカートリッジ8を下方から見る平面視において、感光ドラム20の一部を覆い、感光ドラム20の下側外周面を露出させる寸法に設計されている。
【0062】
上面部44は、前後方向の幅が、プロセスカートリッジ8を上方から見る平面視において、感光ドラム20の一部を覆い、その残余の部分を露出させるような寸法に設計されている。上面部44は、一対の側板42を左右方向に渡って架設している。図3に示すように、上面部44は、プロセスカートリッジ8の装着方向において、下流側の端部である下流側端部451を有する。
【0063】
ここで、回転軸20Aの回転軸線Xと、レンズアレイ149の先端部149Bとを垂直に結ぶ第一直線の一例としての直線を直線L1とする。直線L1は、プロセスカートリッジ8の装着方向に対して垂直である。本実施形態においてレンズアレイ149の感光ドラム20と対向する部分が対向面149Aであることから、先端部149Bは、軸心20Bと対向面149Aとを最短距離で結んだときの、対向面149Aと直線L1との交点とする。露光ユニット14は、回転軸線X方向から見て、直線L1上に位置している。また、先端部149Bを通り直線L1に垂直な直線、すなわち、プロセスカートリッジ8装着方向に沿う直線を第二直線の一例としての直線L2とする。
【0064】
このとき、プロセスカートリッジ8の装着方向において、直線L1より下流側に位置するプロセスカートリッジ8は、直線L2に対して露光ユニット14とは反対側(感光ドラム20側)にある。
【0065】
つまり、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、直線L2に対してLEDアレイヘッド141とは反対側にある。即ち、帯電器支持部41Aの上面部44は、直線L2より下側(感光ドラム20側)に位置している。ここで、直線L2とプロセスカートリッジ8の装着方向は、回転軸20Aに直交する断面上において平行である。
【0066】
本実施形態においては、上面部44は、一対の側板42の上端面421と左右方向に連続して設けられている。これにより、上面部44と上端面421は、上下方向において高さが等しくなるよう設計されている。
【0067】
このようなプロセスカートリッジ8の構成により、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に位置する部分は、プロセスカートリッジ8の装着部30への着脱過程において、常にレンズアレイ149よりも感光ドラム20側に位置している。言い換えると、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に位置する部分は、プロセスカートリッジ8の着脱過程において、LEDアレイヘッド141の下側を通過することが出来る。即ち、帯電器21は、LEDアレイヘッド141の下側を通過できる。
【0068】
<プロセスカートリッジの着脱>
次に図4を用いて、本実施形態におけるプロセスカートリッジ8の着脱について説明する。図4(a)は、装着部30に対するプロセスカートリッジ8の装着途中の状態を表す模式的な図である。図4(b)は、装着部30に対するプロセスカートリッジ8の装着完了時の状態を表す模式的な図である。
【0069】
図4(a)に示すように、プロセスカートリッジ8は、カバー7を開き装着する。プロセスカートリッジ8は、感光ドラム20の回転軸20Aが、案内溝32に嵌めこまれ、後側に向かって押し込まれる。これにより、プロセスカートリッジ8は、前後方向に沿って後側へガイドされる。
【0070】
そして、プロセスカートリッジ8は、上下方向において、LEDアレイヘッド141と上下方向において対向する位置まで押し込まれる。このとき、上面部44は、感光ドラム20の回転軸線方向から見て、LEDアレイヘッド141より感光ドラム20側に位置している。従って、上面部44は、プロセスカートリッジ8の装着過程で、LEDアレイヘッド141の下側を通過する。
【0071】
そして、図4(b)に示すように、プロセスカートリッジ8は、回転軸20Aが案内溝32の最深部まで押し込まれ位置決め部33に嵌められることで、露光ユニット14に対して位置決めされる。
【0072】
また、プロセスカートリッジ8の上面部44は、装着部30から離脱される場合においても、回転軸20Aが案内溝32に沿って後側から前側に移動することから、LEDアレイヘッド141の下側を通過する。
【0073】
以上のように、この実施形態によれば、以下の効果を得ることが出来る。
【0074】
スコロトロン型帯電器21は、直線L1に対してLEDアレイヘッド141と反対側に配置されている。これにより、スコロトロン型帯電器21は、プロセスカートリッジ8の着脱過程において、LEDアレイヘッド141と接触することが無い。従って、LEDアレイヘッド141を用いたプリンタ1において、プリンタ1の構成を簡易にしつつ、プロセスカートリッジ8の着脱を行うことが出来る。
【0075】
また、帯電器支持部41Aの上面部44は、プロセスカートリッジ8が装着部30に装着された状態で、先端部149Bを通りプロセスカートリッジ8の着脱方向に沿う直線L2に対し、上下方向において感光ドラム20側に位置している。
【0076】
このようなプロセスカートリッジ8の構成により、プロセスカートリッジ8の帯電器21は、着脱時において、LEDアレイヘッド141が有するレンズアレイ149の下側を通過することが出来る。従って、プロセスカートリッジ8は、プリンタ1を簡易な構成にして、プリンタ1に対して着脱される。
【0077】
また、LEDアレイヘッド141を支持するヘッド支持部材142は、装着部30を構成する側壁31に対して配置されている。これにより、プリンタ1の構成を簡易にしつつ、露光ユニット14を感光ドラム20に対して位置決めすることが出来る。
【0078】
また、プロセスカートリッジ8は、回転軸20Aが位置決め部33により位置決めされることで、露光ユニット14に対して位置決めされる。従って、感光ドラム20は、より正確に感光ドラム20に対して位置決めされる。
【0079】
また、ドラムフレーム19は、感光ドラム20を挟んで帯電器支持部41Aと反対側に現像カートリッジ装着部40が設けられている。これにより、プリンタ1の上下方向における小型化が可能となる。
【0080】
<変形例1>
次に、図5を用いて変形例1の説明をする。図5は、変形例1にかかるプロセスカートリッジ8と露光ユニット14とを後側から見た図である。図6は、変形例1に係るプロセスカートリッジ8と露光ユニット14の模式的な側断面図である。図5、図6に示すプロセスカートリッジ8は、装着部30に対して装着が完了した状態を表している。以下、上記の実施形態において説明した構成に関しては、同一の番号を付し、説明を省略する。
【0081】
図5に示すように、露光ユニット14は、間隔保持部材の一例としての一対のコロ144と一対のコロ支持部材145とを有する。一対のコロ支持部材145は、側面視矩形状のブロック状の部材で、左右方向においてLEDアレイヘッド141を挟むようにLEDアレイヘッド141と隣接して設けられる。コロ支持部材145の上側端部は、延出部146の感光ドラム20側の面に固定されている。コロ支持部材145は、下側端部において、コロ144の一部を内部に収容する状態でコロ144を回転可能に支持している。
【0082】
ヘッド支持部材142は、コロ支持部材145より左右方向において外側に位置する延出部146において、側壁31に対して固定されている。
【0083】
コロ144は、側面視円形状の部材である。コロ144は、当接部の一例である下端部150を感光ドラム20の表面と当接させることにより、感光ドラム20とLEDアレイヘッド141との間隔を一定に保つ。
【0084】
図5に示すように、案内溝32は、プロセスカートリッジ8の装着方向(前側から後側に向かう方向)最下流部において、回転軸20Aを上下動可能に支持する長穴37が形成される。本体ケーシング2に内部には、側壁31の外側に長穴37と隣り合って、第一押圧部材の一例であるバネ部材38が配置される。
【0085】
図6に示すように、バネ部材38は、回転軸20Aが長穴37に嵌められた状態で、側壁31から外側に向かって突出する回転軸20Aを上側に向かって押圧する。これにより、感光ドラム20は、プロセスカートリッジ8と共に上側に移動し、コロ144と当接する。これにより、感光ドラム20とLEDアレイヘッド141は、上下方向において、所定の間隔に保たれる。
【0086】
次に、図7を用いて、プロセスカートリッジ8の装着部30への装着について説明する。図7(a)は、変形例1において装着部30に対するプロセスカートリッジ8の装着途中の状態を表す模式図である。図7(b)は、変形例1において装着部30に対するプロセスカートリッジ8の装着完了時の状態を表す模式図である。
【0087】
図7(a)に示すように、プロセスカートリッジ8は、カバー7を開き装着する。プロセスカートリッジ8は、感光ドラム20の回転軸20Aが、案内溝32に嵌めこまれ、後側に向かって押し込まれる。これにより、プロセスカートリッジ8は、前後方向に沿って後側へガイドされる。プロセスカートリッジ8は、回転軸20Aが前後方向において長穴37と重なる位置まで押し込まれる。
【0088】
その後、回転軸20Aは、前後方向において、長穴37と重なる位置に配置されている。この位置にいたるまでのプロセスカートリッジ8の装着過程において、上面部44は、左右方向から見て、コロ144の下端部150よりも感光ドラム20側に位置している。即ち、帯電器支持部41Aは、下端部150を通り装着方向に沿う直線L3よりも感光ドラム20側に位置している。ここで、直線L3とプロセスカートリッジ8との装着方向は、回転軸20Aに直交する断面上において平行である。
【0089】
図7(b)は、回転軸20Aがバネ部材38により、上方に向けて押圧されている状態を表す。例えば、バネ部材38は、カバー7が閉じられることに連動して、回転軸20Aを上方に向けて押圧する構成とすることが出来る。
【0090】
図7(b)に示す状態において、プロセスカートリッジ8の装着方向において、直線L1より下流側に位置するプロセスカートリッジ8は、直線L2に対して露光ユニット14とは反対側(感光ドラム20側)にある。つまり、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、直線L2に対してLEDアレイヘッド141とは反対側にある。
【0091】
回転軸20Aは、バネ部材38に押圧されることにより、長穴37に沿って上方に移動する。そして、感光ドラム20は、コロ144の下端部150と当接する。これにより、感光ドラム20とLEDアレイヘッド141の上下方向における間隔は、所定の間隔に保たれる。
【0092】
プロセスカートリッジ8が装着部30から離脱されるときは、回転軸20Aの押圧が解除され、回転軸20Aは下側に移動する。従って、上面部44は、直線L2より下側に位置している。従って、プロセスカートリッジ8の離脱時においても、ドラムフレーム19は、LEDアレイヘッド141と当接することが無い。
【0093】
変形例1においては、以下の効果を得ることが出来る。
【0094】
プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、プロセスカートリッジ8の装着方向に沿う直線であり直線L1に垂直な直線L2に対して、LEDアレイヘッド141とは反対側にある。従って、プロセスカートリッジ8は、LEDアレイヘッド141とスコロトロン型帯電器21とが接触することなく、装着部30に対して着脱できる。
【0095】
また変形例1においては、下端部150を通りプロセスカートリッジ8の装着方向に沿って延びる直線L3に対して、上面部44は、感光ドラム20側に位置している。このようなプロセスカートリッジ8の構成により、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に位置する部分は、プロセスカートリッジ8の装着部30への着脱過程において、常に下端部150よりも感光ドラム20側に位置している。
【0096】
より具体的には、上面部44は、直線L3よりも下側に位置している。このような構成により、上面部44は、プロセスカートリッジ8の着脱時において、コロ144の下端部150の下側を通過することが出来る。従って、プロセスカートリッジ8は、プリンタ1を簡易な構成にして、プリンタ1に対して着脱される。
【0097】
また、感光ドラム20は、回転軸20Aがバネ部材38により上側に向けて押圧されることで、コロ144と当接する。従って、感光ドラム20の回転軸20Aに対する振れ公差および感光ドラム20の外径公差に依存することなく、左右方向に亘って、LEDアレイヘッド141との間隔を精度良く保つことが出来る。
【0098】
また、コロ144が感光ドラム20と当接する構成とすることで、感光ドラム20とLEDアレイヘッド141との間隔を精度良く保ちつつ、感光ドラム20の表面が傷つくことを低減できる。
【0099】
<変形例2>
次に、図8および図9を用いて変形例3の説明をする。図8は、変形例2に係るプリンタ1の模式的な側断面図である。図9(a)は、プロセスカートリッジ8および露光ユニット14を後側から見た模式的な図である。図9(b)は、プロセスカートリッジ8が装着部30から取り除かれた状態において、露光ユニット14を後側から見た図である。
【0100】
図8に示すように、第二押圧部材の一例としての支持ばね147の上側の端部は、本体ケーシング2の上壁148に対して固定されて言いる。
【0101】
図8および図9に示すように、露光ユニット14の支持部材の一例としてのヘッド支持部材142は、LEDアレイヘッド141を本体ケーシング2に対して上下動可能に支持する。一対の支持ばね147は、本体ケーシング2内において、ヘッド支持部材142の上側に配置されている。支持ばね147の下側端部は、延出部146における上側の面に固定される。ヘッド支持部材142は、支持ばね147によって支持されることで、LEDアレイヘッド141とともに弾性的に上下動可能である。
【0102】
また、変形例2においては、図9に示すように、本体ケーシング2内には、ヘッド支持部材142の左右方向両端部と外側に隣り合って、ヘッド支持部材142の上下動を規制する規制部材160が設けられている。
【0103】
規制部材160は、側面視において矩形状のブロック状の部材である。規制部材160の露光ユニット14側の面には、左右方向において外側に向かってへこむ凹部161が形成されている。凹部161には、ヘッド支持部材142によってLEDアレイヘッドが支持される面と略平行な面である規制面162が形成される。
【0104】
ヘッド支持部材142の左右方向における両端部は、凹部161に入り込んでいる。即ち、ヘッド支持部材142の左右方向における両端部は、上下方向から見て、規制部材160と重なる位置にある。ヘッド支持部材142は、凹部161において上下動可能である。
【0105】
図9(b)に示すように、プロセスカートリッジ8が取り除かれ、規制面162とヘッド支持部材142とが当接した状態においては、支持ばね147は、上下方向において圧縮されており、ヘッド支持部材142を下方に向けて押圧している。図9(a)に示すように、プロセスカートリッジ8が装着された状態では、コロ144と感光ドラム20が当接することで、ヘッド支持部材142は、支持ばね147の押圧力に抗って上方に移動する。そして、規制面162とヘッド支持部材142とは、離間される。
【0106】
図9に示すように、露光ユニット14は、一対のコロ144と一対のコロ支持部材145とを備える。コロ144とコロ支持部材145は、変形例1で示した構成と同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0107】
次に、図10を用いて、変形例2に係るプロセスカートリッジ8の装着部30に対する着脱について説明する。図10(a)は、変形例2において本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ8の装着途中の状態を表す模式的な図である。図10(b)は、変形例2において本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ8の装着完了時の状態を表す模式的な図である。
【0108】
図10(a)に示すように、プロセスカートリッジ8は、感光ドラム20の回転軸20Aが、案内溝32に嵌めこまれ、後側に向かって押し込まれる。これにより、プロセスカートリッジ8は、前後方向に沿って後側へガイドされる。
【0109】
図10(a)に示すように、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、下端部150を通りプロセスカートリッジ8の装着方向に沿う直線である直線L3に対して、LEDアレイヘッド141とは反対側にある。
【0110】
ここで、直線L3とプロセスカートリッジ8との装着方向は、回転軸20Aに直交する断面上において平行である。また、変形例2におけるドラム側対向部452は、プロセスカートリッジ8が装着部30に装着された状態で、感光ドラム20上の下端部150と感光ドラム20が接触する部分である。
【0111】
従って、プロセスカートリッジ8の装着過程において、上面部44は、下端部150の下方を通過する。また、下端部150は、左右方向からみて、感光ドラム20のドラム側対向部452よりも下側に位置している。感光ドラム20とコロ144とは、このような位置関係で配置されることで、プロセスカートリッジ8の装着に伴い、接触する。
【0112】
プロセスカートリッジ8が更に後方に向けて押し込まれることで、コロ144は、感光ドラム20と当接する。更に、プロセスカートリッジ8が後方に向かって押し込まれることで、露光ユニット14は、支持バネ147の押圧力に抗って上方に移動する。
【0113】
そして、図10(b)に示すように、LEDアレイヘッド141は、回転軸20Aが案内溝32の最深部まで押し込まれることで、感光ドラム20と所定の間隔を保って位置決めされる。図10(b)に示す状態において、プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、プロセスカートリッジ8の装着方向に沿う直線であり直線L1に垂直な直線L2に対して、LEDアレイヘッド141とは反対側にある。
【0114】
変形例2は、以下の効果を得ることが出来る。
【0115】
プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、プロセスカートリッジ8の装着方向に沿う直線であり直線L1に垂直な直線L2に対して、LEDアレイヘッド141とは反対側にある。従って、プロセスカートリッジ8は、LEDアレイヘッド141とスコロトロン型帯電器21とが接触することなく、装着部30に対して着脱できる。
【0116】
プロセスカートリッジ8の下流側端部451とドラム側対向部452との間に亘る部分は、下端部150を通りプロセスカートリッジ8の装着方向に沿う直線である直線L3に対して、LEDアレイヘッド141とは反対側にある。これにより、上面部44は、直線L3より下側に位置している。
【0117】
これによりプロセスカートリッジ8は、帯電器支持部41Aと当接することなく、装着部30に対して着脱される。また、露光ユニット14は、支持バネ147によって感光ドラム20にむけて付勢される。これにより、プリンタ1の構成を簡易にしつつ、感光ドラムとLEDアレイヘッド141との間隔を精度良く保つことが出来る。また、コロ144とプロセスカートリッジ8とが当接しないことから、コロ144の磨耗を低減することが出来る。
【0118】
<他の実施形態>
上記実施形態においては、LEDアレイヘッド141は、ヘッド支持部材142を介して側壁31に固定される構成としたが、直接側壁31に固定されていてもよい。
【0119】
また、本実施形態において、上面部44は、左右方向において、側板42の上端面421にまで亘って仮想線よりも下方に位置している。しかし、上面部44の少なくともLEDアレイヘッド141の左右方向の長さ分、またはコロ144の左右方向における間隔の長さ分が、仮想線に対して下方に位置していれば良い。言い換えると、プロセスカートリッジ8の着脱過程において、少なくとも上面部44の上下方向においてLEDアレイヘッド141と対向する部分が直線L2より下方にあれば良い。
【0120】
また、本実施形態では、露光部材としてLEDアレイヘッド141を採用したが、露光部材の光源としては、LEDに限らず、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子や蛍光体などであっても良い。
【0121】
また、本実施形態では、プリンタ1としてモノクロプリンタを採用したが、カラープリンタを採用しても良い。
【0122】
また、本実施形態では、上面部44を案内溝32に沿う直線状とした。しかし、案内溝32が直線状であっても、上面部44は、必ずしも直線状である必要は無い。例えば、図10に示すような、上面部44は、左右方向から見て下方に湾曲した形状であっても良い。
【0123】
また、本実施形態では、露光ユニット14は、プロセスカートリッジ8の上方に配置する構成とした。しかし、プロセスカートリッジ8を挟んで、露光ユニット14は、プロセスカートリッジ8の下方に、転写ローラ8は、上方に配置しても良い。
【符号の説明】
【0124】
8 プロセスカートリッジ
14 露光ユニット
19 ドラムフレーム
20 感光ドラム
31 側壁
32 案内溝
33 位置決め部
38 バネ部材
42 側板
44 上面部
45 切り欠き部
141 LEDアレイヘッド
143 出射部
144 コロ
147 支持ばね
451 下流側端部
452 ドラム対向部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
回転する感光体と、前記感光体の表面と対向し前記感光体の表面を帯電する帯電器と、を有し、前記感光体の回転軸線と直交する方向に沿って前記装置本体に対して着脱可能に装着されるプロセスカートリッジと、
前記回転軸線方向に沿って複数配列される発光素子を有し、前記プロセスカートリッジが装着された状態において前記感光体を露光するための露光装置と、を備えた画像形成装置であって、
前記帯電器は、前記感光体に対して、前記プロセスカートリッジの装着方向下流側に前記感光体と隣り合って配置され、
前記露光装置は、前記プロセスカートリッジが装着された状態において、前記回転軸線方向から見て、前記回転軸線を通り前記装着方向に垂直な直線である第一直線上に位置し、
前記露光装置は、前記プロセスカートリッジが装着された状態において、前記回転軸線方向から見て、最も前記感光体側に位置し前記感光体の表面と対向する対向部を有し、
前記帯電器は、前記回転軸線方向から見て、前記装着方向と平行でありかつ前記対向部を通る直線である第二直線に対して、前記露光装置とは反対側に位置していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記露光装置は、複数の前記発光素子と、前記発光素子から出射された光を結像させるレンズアレイと、を有し、
前記対向部は、前記プロセスカートリッジが装着された状態において、前記レンズアレイが前記感光体と対向する前記レンズアレイの先端部であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体は、前記プロセスカートリッジが着脱可能に装着される装着部を備え、
前記装着部は、前記回転軸線方向において、互いに対向して配置される一対の側壁を有し、
前記露光装置は、前記側壁に対して配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
一対の前記側壁には、前記装着方向に沿う方向であって、前記感光体と前記対向部とが対向する位置まで、前記プロセスカートリッジを案内する案内部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記案内部は、前記感光体と前記対向部とが対向する位置において、前記プロセスカートリッジを位置決めする位置決め部を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記露光装置は、
前記発光素子を有する露光ヘッドと、
前記回転軸線方向における前記露光ヘッドの両側に配置され、前記プロセスカートリッジと当接することで前記露光ヘッドと前記感光体との間隔を一定に保つ間隔保持部材とを有し、
前記装置本体は、前記感光体と前記露光ヘッドが対向する位置において前記プロセスカートリッジを前記間隔保持部材に向けて押圧する第一押圧部材を有し、
前記間隔保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記第一押圧部材により押圧されることで前記プロセスカートリッジと当接することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体は、
前記露光装置を、前記プロセスカートリッジの装着方向と交差する向きに移動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材を前記感光体に向けて押圧する第二押圧部材を有し、
前記露光装置は、
前記発光素子を有する露光ヘッドと、
前記回転軸線方向における前記露光ヘッドの両側に配置され、前記プロセスカートリッジと当接することで、前記露光ヘッドと前記感光体との間隔を一定に保つ間隔保持部材とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記間隔保持部材は、前記感光体と当接することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記間隔保持部材は、前記感光体との当接により回転可能なコロであることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジは、前記感光体を挟んで前記帯電器とは反対側に、前記感光体の表面に供給される現像剤が収容される現像剤収容部を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−189747(P2012−189747A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52494(P2011−52494)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】