説明

画像形成装置

【課題】帯電器に異物が付着するのを抑制することで、帯電性能を維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置(カラープリンタ1)は、一方向に並んで設けられる複数のプロセスカートリッジ50と、複数のプロセスカートリッジ50を間に挟むように支持する一対のフレーム(側壁61)とを備える。一対のフレームの一方(側壁61)には、一対のフレーム外の空気を当該一対のフレーム内に吸入するための複数の第1開口部61Aが設けられ、一対のフレームの他方には、一対のフレーム内の空気を当該一対のフレーム外に排出するための複数の第2開口部62Aが設けられる。そして、左右方向から見て、第1開口部61Aは、帯電器支持壁56の感光ドラム51とは反対側に設けられ、第2開口部62Aは、帯電器支持壁56の感光ドラム51側に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラムを帯電させる帯電器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置として、帯電された感光ドラムにレーザ光を照射して感光ドラム上に静電潜像を形成し、その静電潜像に現像剤を供給することで形成した現像剤像を用紙に転写して、用紙に画像を形成するものが知られている。
【0003】
このような画像形成装置としては、従来、感光ドラムと、感光ドラムを帯電させる帯電ワイヤを有するコロナ放電方式の帯電器と、帯電器を支持するフレームとを有するプロセスカートリッジを複数備える装置が知られている(特許文献1参照)。この技術によれば、帯電ワイヤに電圧をかけると帯電ワイヤでイオンが発生し、このイオンがイオン風となって感光ドラムに向かって移動して、感光ドラムに当たることで、感光ドラムが帯電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−72421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、帯電ワイヤで感光ドラムを帯電する場合には、帯電ワイヤから発生するイオン風を制御する必要がある。特に、帯電ワイヤで発生したイオン風が感光ドラムに当たるときに、感光ドラムに付着した異物でイオン風が汚れた場合には、このイオン風が感光ドラムから帯電ワイヤに向けて逆流してくると、帯電ワイヤに異物が付着して帯電性能が落ちてしまうといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、帯電器に異物が付着するのを抑制することで、帯電性能を維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、感光ドラムと、当該感光ドラムを帯電させる帯電器と、当該帯電器を支持する帯電器支持壁と、を有し、一方向に並んで設けられる複数のプロセスカートリッジと、前記感光ドラムの軸方向外側に配置され、前記複数のプロセスカートリッジを間に挟むように支持する一対のフレームと、を備えた画像形成装置であって、前記一対のフレームの一方には、各プロセスカートリッジに対応して設けられ、前記一対のフレーム外の空気を当該一対のフレーム内に吸入するための複数の第1開口部が設けられ、前記一対のフレームの他方には、各プロセスカートリッジに対応して設けられ、前記一対のフレーム内の空気を当該一対のフレーム外に排出するための複数の第2開口部が設けられ、前記軸方向から見て、前記第1開口部は、前記帯電器支持壁の前記感光ドラムとは反対側に設けられ、前記第2開口部は、前記帯電器支持壁の前記感光ドラム側に設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1開口部から一対のフレーム内に入った空気が、帯電器を通って感光ドラム側に向かった後、第2開口部から一対のフレーム外に排出される、といった空気の流れを作ることができるので、感光ドラムから帯電器に向かう空気の逆流を抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、空気の逆流を抑えることができるので、帯電器に異物が付着するのを抑制することができ、帯電性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタを示す説明図である。
【図2】帯電器周りの構造を示す拡大図である。
【図3】ドロワを示す説明図(A)と、ダクトを示す説明図(B)である。
【図4】ダクト内のギヤ機構等を示す説明図である。
【図5】一対の側壁内の空気の流れを示す説明図である。
【図6】一対のフレームを装置本体内に設けた形態を示す説明図である。
【図7】第1開口部が軸方向から見てプロセスカートリッジと重なる形態を示す説明図である。
【図8】装置本体の一対の側壁でダクトを形成する形態を示す説明図である。
【図9】第1開口部と第2開口部の位置関係を示す説明図である。
【図10】図8の形態での空気の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0012】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側(手前側)」、紙面に向かって左側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0013】
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体10内に用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30とを備えている。
【0014】
給紙部20は、用紙Pを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙搬送装置22とを備えている。
【0015】
画像形成部30は、スキャナユニット40と、4つ(複数)のプロセスカートリッジ50と、4つのプロセスカートリッジ50を一体的に支持する感光ドラム支持体の一例としてのドロワ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0016】
スキャナユニット40は、装置本体10内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。そして、スキャナユニット40では、レーザビームが図の2点鎖線で示す経路を通って、各プロセスカートリッジ50の各感光ドラム51の表面上に高速走査にて照射される。
【0017】
プロセスカートリッジ50は、給紙部20の上方で前後方向(一方向)に並列されており、感光ドラム51と、帯電器52と、現像ローラ53と、供給ローラ54と、層厚規制ブレード(図示略)と、トナー収容室55とを備えて構成されている。そして、各プロセスカートリッジ50は、ドロワ60内に着脱可能に設けられている。
【0018】
ドロワ60は、装置本体10に前後方向に移動可能に支持されており、装置本体10の前面に配置されたフロントカバー11を開放することによって形成される開口10Aを通して装置本体10の外側に引き出すことが可能となっている。なお、ドロワ60は、装置本体10に対して着脱可能に構成されていてもよいし、工具などを用いない限り装置本体10から取り外しができないように構成されていてもよい。
【0019】
転写ユニット70は、給紙部20とプロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写ローラ74とを備えている。
【0020】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0021】
定着ユニット80は、プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の奥側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0022】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム51の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、スキャナユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ53によって、トナー収容室55内のトナー(現像剤)が、感光ドラム51上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム51上にトナー像が担持される。
【0023】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム51と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム51上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0024】
なお、定着ユニット80で熱定着された用紙Pは、定着ユニット80の下流側に配設される排紙ローラ91に搬送され、排紙ローラ91から排紙トレイ12上に排出される。
【0025】
<帯電器52周りの構造>
次に、帯電器52周りの構造について詳細に説明する。
図2に示すように、帯電器52は、帯電ワイヤ52Aと、当該帯電ワイヤ52Aとの間でコロナ放電を発生させる断面視コ字状のグリッド電極52Bとを備え、感光ドラム51の後斜め上方に配置される帯電器支持壁56によって支持されている。帯電器支持壁56は、プロセスカートリッジ50の一部であり、感光ドラム51を覆うように形成されている。具体的には、帯電器支持壁56は、感光ドラム51の上部、かつ、中央部付近から、前側から後側に向かって斜めに傾斜するように感光ドラム51を覆っている。また、帯電器支持壁56の下端部は、感光ドラム51の下部付近まで延設され、感光ドラム51の全体を覆うような形状になっている。また、帯電器支持壁56には、プロセスカートリッジ50の内外に連通する支持孔56Aが形成されており、この支持孔56A内に位置するように帯電ワイヤ52Aおよびグリッド電極52Bが設けられている。また、支持孔56Aは、感光ドラム51Aの軸方向に沿って形成されている(図5参照)。
【0026】
また、グリッド電極52Bは、帯電ワイヤ52Aと感光ドラム51との間に配置され、その下壁部(感光ドラム51に対向する壁)には、帯電ワイヤ52Aとの間でコロナ放電を発生させるための複数のスリットB1が形成されている。また、複数のスリットB1は、感光ドラム51Aの軸方向に沿って形成されている(図示省略)。これにより、帯電ワイヤ52Aでイオンが発生すると、そのイオンがスリットB1を通って感光ドラム51に向かうようになっている。
【0027】
図3(a)に示すように、ドロワ60は、一対のフレームとしての左右一対の板状の側壁61,62と、各側壁61,62の前後端を連結する板状の前壁63および後壁64と、前壁63の前面に設けられる取っ手部65とを備えて構成されている。
【0028】
図1に示すように、一対の側壁61,62(右側の側壁61のみ図示)は、各感光ドラム51の左右方向外側(軸方向外側)に配置され、複数のプロセスカートリッジ50を間に挟むように支持している。そして、右側の側壁61には、一対の側壁61,62よりも左右方向外側にある空気を当該一対の側壁61,62内(一対の側壁61,62間)に吸入するための複数の第1開口部61Aが設けられ、左側の側壁62には、一対の側壁61,62内の空気を当該一対の側壁61,62よりも左右方向外側に排出するための複数の第2開口部62A(図3(a)参照)が設けられている。
【0029】
第1開口部61Aは、各プロセスカートリッジ50に対応して設けられる矩形の貫通孔であり、左右方向から見て、帯電器支持壁56の上側(感光ドラム51とは反対側)に設けられている。より具体的には、第1開口部61Aは、4つのプロセスカートリッジに対応して4つ設けられており、帯電器52よりも上側で、かつ、左右方向から見てプロセスカートリッジ50とは重ならない位置に設けられている。これにより、第1開口部61Aから一対の側壁61,62内に空気をスムーズに入れることができるので、第1開口部61Aから一対の側壁61,62内に入った空気が帯電器52の長手方向一端から他端まで流れた後、帯電器支持壁56の支持孔56Aの方向(下方)に向かい、帯電器52に向けて一斉に吸引されるといった流れを作りやすくなっている(図5参照)。
【0030】
第2開口部62Aは、各プロセスカートリッジ50に対応して設けられる矩形の貫通孔であり、左右方向から見て、帯電器支持壁56の下側(感光ドラム51側)に設けられている。より具体的には、第2開口部62Aは、帯電器52よりも下側(感光ドラム51の回転方向上流側)に配置されており、傾斜した帯電器支持壁56の下端部と感光ドラム51との間に配置されている。これにより、第1開口部61Aから一対の側壁61,62内に取り入れた空気が帯電器52を通った後第2開口部62Aから排出されるといった空気の流れを作ることができ、感光ドラム51から帯電器52に向かう空気の逆流を抑えることが可能となっている。
【0031】
なお、プロセスカートリッジ50の左側の側壁(第2開口部62Aと対向する側壁)には、第2開口部62Aに対向する孔や切り欠きなどを設けるのが望ましい。これによれば、プロセスカートリッジ50内の空気を第2開口部62Aから吸い込み易くすることができる。ただし、この孔や切り欠きは、必ずしも必要ではなく、プロセスカートリッジ50内の空気は、例えばプロセスカートリッジ50の下側の開口(感光ドラム51を外部に露出するための開口)などを通しても第2開口部62Aから吸い込むことができる。
【0032】
また、装置本体10内には、図3(b)に示すようなダクト100が設けられている。ダクト100は、前後方向に延びる中空の直方体状に形成されており、装置本体10に装着されたドロワ60の左側の側壁62の左側に隣接するように配置されている(図5参照)。
【0033】
そして、ダクト100の右側壁110には、各第2開口部62Aに対向する複数の第3開口部111が形成されている。これにより、一対の側壁61,62内とダクト100内とが連通するようになっている。
【0034】
また、ダクト100内には、ダクト100内(装置本体10内)の空気を装置本体10外に排出する排気ファン200が設けられている。具体的に、排気ファン200は、ダクト100の左側壁120の後側下部に形成されたファン用開口121から外部に臨むように左側壁120に固定されており、ファン用開口121と対向するように装置本体10の左側壁(図示略)に形成された排気用開口を介してダクト100内の空気を装置本体10外に排出するようになっている。
【0035】
言い換えると、ダクト100は、排気ファン200と各第2開口部62Aとを繋ぐ通路として形成されている。そのため、排気ファン200によりダクト100内を略真空状態にして、一対の側壁61,62内の空気を各第2開口部62Aから略均等にダクト100内に吸い込むことが可能となっている。
【0036】
また、図4に示すように、ダクト100内には、複数の感光ドラム51を駆動するための第1ギヤ機構310と、複数の現像ローラ53等を駆動するための第2ギヤ機構320と、第1ギヤ機構310および第2ギヤ機構320を駆動するための駆動源の一例としての第1モータ330および第2モータ340とが設けられている。
【0037】
第1ギヤ機構310は、各感光ドラム51に対応した出力ギヤ311と、隣接する出力ギヤ311に噛み合う中間ギヤ312を有し、中間ギヤ312の1つが第1モータ330に噛み合っている。第2ギヤ機構320は、各現像ローラ53に対応した出力ギヤ321と、隣接する出力ギヤ321に噛み合う中間ギヤ322を有し、中間ギヤ322の1つが第2モータ340に噛み合っている。
【0038】
そして、各出力ギヤ311,321と、各感光ドラム51および各現像ローラ53とは、公知のカップリング機構によって連結・解除されるようになっており、このカップリング機構を介して駆動力が伝達されるようになっている。そのため、ドロワ60の左側の側壁62とダクト100の右側壁110には、各カップリング機構に対応した孔が適宜形成されている。
【0039】
そして、このようにダクト100内に各ギヤ機構310,320を配置することで、各ギヤ機構310,320を収容するためのギヤボックスとしてダクト100を利用することができるので、部品点数の削減を図ることが可能となっている。また、ダクト100内に各モータ330,340を設けたので、ダクト100内を流れる空気によって各モータ330,340を冷却することが可能となっている。
【0040】
<帯電器52周りの空気の流れ>
次に、図5を参照して、帯電器52周りの空気の流れについて詳細に説明する。なお、図5では、便宜上、1つの帯電器支持壁56を代表して図示し、その他のプロセスカートリッジ50の構造は省略している。
【0041】
図5に示すように、排気ファン200を作動させると、ダクト100内が略真空状態となることで、一対の側壁61,62内の空気が各第2開口部62Aからダクト100内に吸い込まれる。一対の側壁61,62内では、帯電器支持壁56の支持孔56Aの下側にある第2開口部62Aから空気が吸引されていくことで、第1開口部61Aから支持孔56Aを通って第2開口部62Aへ流れていく空気の流れが形成される。
【0042】
具体的には、第1開口部61Aから一対の側壁61,62内に入った空気は、帯電器支持壁56の上方を一旦左右方向に沿って左側の側壁62付近まで流れた後、下方にある左右方向に長い支持孔56Aの略全体に向けて一斉に流入する。その後、空気は、支持孔56A内の帯電器52を通って(スリットB1を抜けて)感光ドラム51側に向かった後、第2開口部62Aに向かって、左右方向に沿って流れていき、第2開口部62Aから一対の側壁61,62外に排出される。これにより、感光ドラム51から帯電器52に向かうといった空気の逆流を抑えることが可能となっている。
【0043】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
感光ドラム51から帯電器52に向かうといった空気の逆流を抑えることができるので、感光ドラム51上の異物が帯電ワイヤ52Aに付着して汚れるのを抑えることができ、帯電性能を維持することができる。
【0044】
左右方向から見てプロセスカートリッジ50とは重ならない位置に第1開口部61Aを設けたので、第1開口部61Aから一対の側壁61,62内に空気をスムーズに入れることができる。そのため、第1開口部61Aから一対の側壁61,62内に入った空気が帯電器52の長手方向一端から他端まで流れた後、帯電器52に向けて一斉に吸引されるといった流れがより作りやすくなり、空気の逆流をより抑えることができる。
【0045】
排気ファン200と各第2開口部62Aとを繋ぐダクト100を設けたので、排気ファン200によりダクト100内を略真空状態にして、各第2開口部62Aから空気を吸い込む量を略均等にすることができる。そのため、各帯電器52での空気の流れを略同じ状態にすることができ、各帯電器52における空気の逆流を同じように抑えることができる。
【0046】
各ギヤ機構310,320を収容するためのギヤボックスとしてダクト100を利用したので、部品点数の削減を図ることができる。
【0047】
ダクト100内に各モータ330,340を設けたので、ダクト100内を流れる空気によって各モータ330,340を冷却することができる。
【0048】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0049】
前記実施形態では、第1開口部61A及び第2開口部62Aは、プロセスカートリッジの数(4つ)に対応して4つ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、プロセスカートリッジの数が3つであれば、第1開口部61A及び第2開口部62Aはそれぞれ3つずつであってもよい。
【0050】
前記実施形態では、一対のフレームの一例としてドロワ60の左右の側壁61,62(ドロワ60の一部)を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一対のフレームは、図6に示すように、装置本体10の左右の外壁を構成するサイドパネルよりも内側にある一対のサイドフレーム13,14であってもよい。
【0051】
すなわち、装置本体10を構成する一対のサイドフレーム13,14に対して直接複数のプロセスカートリッジ50を着脱する構成においては、一対のサイドフレーム13,14にそれぞれ第1開口部61Aおよび第2開口部62Aを設ければよい。
【0052】
また、図6に示すように、一対のサイドフレーム13,14のうち一方のサイドフレーム14が、ダクト400の一部を形成するように構成されていてもよい。
【0053】
前記実施形態では、第1開口部61Aを軸方向から見てプロセスカートリッジ50とは重ならない位置に設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば図7に示すように、第1開口部61Bを軸方向から見てプロセスカートリッジ50と重なる位置に配置してもよい。詳しくは、一のプロセスカートリッジ50に対応して形成された第1開口部61Bを、軸方向から見て、当該一のプロセスカートリッジ50の帯電器支持壁56に隣接する他のプロセスカートリッジ50と重なる位置に形成してもよい。この場合であっても、前記実施形態と同じような空気の流れを作ることができる。
【0054】
図6の形態では、一方のサイドフレーム14を中空の直方体状に形成することでダクト400を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図8に示すように、一方(左側)のサイドフレーム14と、その外側に設けたアウターフレーム15と、装置本体10の上下壁および前後壁とによってダクト500を形成してもよい。
【0055】
すなわち、装置本体10を構成する一対の側壁(14,15)を含むように、ダクト500を形成してもよい。なお、サイドフレーム14とアウターフレーム15は、装置本体10の上下壁および前後壁に接触させるのが望ましいが、装置本体10の上下壁および前後壁から僅かに離してもよい。
【0056】
具体的に、この形態において、一対のサイドフレーム13,14は、プロセスカートリッジ50を着脱可能に支持するフレームであり、その内面には、プロセスカートリッジ50を装着位置(画像形成時の位置)まで案内するための案内溝13A,14Aが形成されている。そして、右側のサイドフレーム13の各案内溝13Aの上下方向略中央部には、左右に貫通する第1開口部61Aが複数形成され、左側のサイドフレーム13の各案内溝14Aの下端付近(図9参照)には、左右に貫通する第2開口部62Aが複数形成されている。つまり、この形態でも、図9に示すように、左右方向から見て、第1開口部61Aは、帯電器支持壁56の感光ドラム51とは反対側(上側)に設けられ、第2開口部62Aは、帯電器支持壁56の感光ドラム51側(下側)に設けられている。
【0057】
また、アウターフレーム15の後側下部には、排気ファン200が設けられている。そして、図10に示すように、アウターフレーム15と左側のサイドフレーム14の間、詳しくは、排気ファン200と最も後方の第2開口部62Aとの間には、トナー等の塵埃やオゾンなどを捕捉するためのフィルタFが設けられている。なお、図10では、各開口部61A,62Aの数・配置やプロセスカートリッジ50の形状などを簡略化して図示している。
【0058】
以上、図8〜図10に示した形態によれば、排気ファン200を駆動すると、前記実施形態と同様の空気の流れを作ることができるとともに、フィルタFによって塵埃などを捕捉してから空気を外部に排出することができる。なお、この形態において、右側のサイドフレーム13とアウターフレーム15の左右方向外側には、装置本体10の外観を構成するアウターパネルを設けてもよい。この場合、左側のアウターパネルには、排気ファン200から排出される空気を外部に排出させるための排気孔を設けるのが望ましい。
【0059】
前記実施形態では、ファンとして装置本体10内の空気を外部に排出する排気ファン200を採用したが、本発明はこれに限定されず、外部の空気を装置本体内に吸引する吸気ファンであってもよい。なお、この場合には、吸気ファンを第1開口部が形成されるフレームの外側に設ければよい。
【0060】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 カラープリンタ
10 装置本体
50 プロセスカートリッジ
51 感光ドラム
52 帯電器
52A 帯電ワイヤ
52B グリッド電極
56 帯電器支持壁
56A 支持孔
60 ドロワ
61 側壁
61A 第1開口部
62 側壁
62A 第2開口部
100 ダクト
200 排気ファン
310 第1ギヤ機構
320 第2ギヤ機構
330 第1モータ
340 第2モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、当該感光ドラムを帯電させる帯電器と、当該帯電器を支持する帯電器支持壁と、を有し、一方向に並んで設けられる複数のプロセスカートリッジと、
前記感光ドラムの軸方向外側に配置され、前記複数のプロセスカートリッジを間に挟むように支持する一対のフレームと、を備えた画像形成装置であって、
前記一対のフレームの一方には、各プロセスカートリッジに対応して設けられ、前記一対のフレーム外の空気を当該一対のフレーム内に吸入するための複数の第1開口部が設けられ、
前記一対のフレームの他方には、各プロセスカートリッジに対応して設けられ、前記一対のフレーム内の空気を当該一対のフレーム外に排出するための複数の第2開口部が設けられ、
前記軸方向から見て、前記第1開口部は、前記帯電器支持壁の前記感光ドラムとは反対側に設けられ、前記第2開口部は、前記帯電器支持壁の前記感光ドラム側に設けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1開口部は、前記軸方向から見て前記プロセスカートリッジとは重ならない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記他方のフレームの前記軸方向外側に設けられ、装置本体内の空気を装置本体外に排出するファンと、
前記ファンと前記各第2開口部とを繋ぐダクトとを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ダクト内には、前記感光ドラムまたは前記感光ドラムに現像剤を供給する現像ローラを駆動するためのギヤ機構が収容されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ダクト内には、前記ギヤ機構を駆動するための駆動源が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ダクトは、前記装置本体を構成する一対の側壁を含んで構成されていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ダクト内には、塵埃を捕捉するためのフィルタが設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数のプロセスカートリッジを一体的に支持するとともに、装置本体に移動可能に設けられる感光ドラム支持体を備え、
前記一対のフレームは、前記感光ドラム支持体の一部であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−194527(P2012−194527A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248295(P2011−248295)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】