説明

画像形成装置

【課題】現像装置内のトナーの劣化の程度に応じてトナー強制消費動作を実施する。
【解決手段】画像形成手段100の制御部1は、現像装置24におけるトナー消費量を求める。また、制御部1は、現像装置24に対するトナー供給量を求める。そして、制御部1は、トナー消費量とトナー供給量との差(トナー実質消費量)を求める。トナー実質消費量求めると、制御部1は、この消費量が示す値と閾値Th2とを比較する。この比較の結果、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2以上である場合には、制御部1は現像装置24に対して残留トナーの強制消費動作を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の現像装置において、トナーとキャリアからなる二成分現像剤の攪拌時間が長くなると、キャリア表面へのトナーの付着やトナー表面への外添剤の埋まり込みといった現象が生じ(すなわち、トナーが劣化し)、現像剤の帯電能力や転写性能が低下してしまう。そこで、このような不良トナーを強制的に消費するための技術が近年提案されている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、静電潜像を形成する際に用いられる画素数が所定のトナー消費量以下である場合に、該所定のトナー消費量との差分に相当するトナーが強制的に消費される。この際、強制的に消費されるトナーの量は、トナーの補給開始までの間に実行されるプリント枚数や現像装置の駆動時間に応じて補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4077224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像装置内のトナーの劣化の程度に応じてトナー強制消費動作を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、現像剤を収容、攪拌し、前記露光手段により形成された静電潜像に前記現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像手段により形成された現像像を媒体に転写する第1の転写手段と、前記現像手段により収容される現像剤の消費量を特定する第1の特定手段と、前記現像手段に供給される現像剤の供給量を特定する第2の特定手段と、前記第1の特定手段により特定された現像剤の消費量と、前記第2の特定手段により特定された現像剤の供給量との差が、第1の閾値以上である場合に、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して現像剤を供給するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記制御手段は、前記差が第2の閾値よりも小さい場合には、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、第1の量だけ、現像剤を供給するように制御し、前記差が第2の閾値以上である場合には、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、前記第1の量よりも多い量である第2の量だけ、現像剤を供給するように制御することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記制御手段は、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して複数の現像像を形成するように制御する制御手段であって、前記差が第2の閾値よりも小さい場合には、前記現像手段が前記複数の現像像を構成する各現像像を、第1の時間間隔で形成するように制御し、前記差が第2の閾値以上である場合には、前記現像手段が前記複数の現像像を構成する各現像像を、前記第1の時間間隔よりも短い時間間隔である第2の時間間隔で形成するように制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記現像手段により形成された現像像を記録媒体に転写する第2の転写手段と、前記制御手段は、前記第2の転写手段により現像像が転写された記録媒体の枚数が、予め定められた枚数以上となった場合に、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して現像剤を供給するように制御し、前記第1の特定手段は、それぞれ異なるタイミングで複数の現像剤消費量を特定し、前記第2の特定手段は、それぞれ前記第1の特定手段によって特定された複数の現像剤消費量に対応する複数の現像剤供給量を特定し、前記制御手段は、前記第1の特定手段により特定された複数の現像剤消費量と、前記第2の特定手段により特定された複数の現像剤供給量との差であって、互いに対応するもの同士の差のうち、前記第2の閾値以上である差の個数と、前記第2の閾値未満である差の個数の比率が、第3の閾値よりも小さい場合に、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、第1の量だけ、現像剤を供給するように制御する一方、前記比率が前記第3の閾値以上である場合には、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、前記第1の量よりも多い量である第2の量だけ、現像剤を供給するように制御することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、現像剤を収容、攪拌し、前記露光手段により形成された静電潜像に前記現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像手段により形成された現像像を媒体に転写する転写手段と、前記現像手段により収容される現像剤の消費量を特定する第1の特定手段と、前記現像手段に供給される現像剤の供給量を特定する第2の特定手段と、前記第1の特定手段により特定された現像剤の消費量の、前記第2の特定手段により特定された現像剤の供給量に対する比率が、第1の閾値以上である場合に、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して現像剤を供給するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、トナーの強制消費動作の要否を判定するにあたって、現像手段に供給されるトナーの量を参照しない構成と比較して、トナーの劣化の程度に応じてトナーの強制消費動作を実施することができる。
請求項2に係る発明によれば、トナーの強制消費動作の際のトナー消費量を設定するにあたって、現像手段に供給されるトナーの量を参照しない構成と比較して、トナーの劣化の程度に応じた、トナーの強制消費時のトナー消費量を設定することができる。
請求項3に係る発明によれば、トナーの強制消費動作の際のトナーの消費間隔を設定するにあたって、現像手段に供給されるトナーの量を参照しない構成と比較して、トナーの劣化の程度に応じた、トナーの強制消費時の消費間隔を設定することができる。
請求項4に係る発明によれば、トナーの強制消費動作のタイミングを設定するにあたって、それぞれ異なるタイミングで特定された複数のトナー供給量を参照しない構成と比較して、トナーの劣化の程度により応じた、トナーの強制消費時のトナー消費量を設定することができる。
請求項5に係る発明によれば、トナーの強制消費動作の要否を判定するにあたって、現像手段に供給されるトナーの量を参照しない構成と比較して、トナーの劣化の程度に応じてトナーの強制消費動作を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す図である。
【図2】画像形成部2の構成を示す図である。
【図3】現像装置24とその周辺の装置を拡大して示す図である。
【図4】本実施形態に係る残留トナー強制消費処理を示すフローチャートである。
【図5】変形例に係る残留トナー強制消費処理を示すフローチャートである。
【図6】変形例に係る残留トナー強制消費処理を示すフローチャートである。
【図7】トナー残量率の分布の例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(1)実施形態の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す図である。同図に示されるように、画像形成装置100は、制御部1と、画像形成部2と、操作部3と、通信部4と、記憶部5とを備える。
【0013】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。制御部1のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムを実行して、画像形成装置100の各部を制御する。特に本実施形態では、CPUは、後述する残留トナー強制消費処理用のプログラムを実行して、画像形成装置100の各部を制御する。この制御部1は、本発明に係る「制御手段」の一例である。
【0014】
画像形成部2は、色材としてトナーを用いて記録媒体に画像を形成する。記録媒体は、例えば記録用紙であるが、OHPシート等のプラスチック製のシートやその他の素材のシートであってもよい。画像形成部2は、面積階調方式を採用した画像形成手段であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて、電子写真プロセスにより画像を形成する。
【0015】
操作部3は、ボタン等の操作手段を備え、ユーザの操作に応じてその操作内容を表す操作情報を制御部1に供給する。通信部4は、外部装置との間でデータを送受信するためのインタフェースを備える。記憶部5は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、例えば画像を形成するための画像データを記憶する。
【0016】
図2は、画像形成部2の構成を示す図である。
同図において、符号の末尾に付されたアルファベットは、当該符号が付された要素が取り扱うトナーの色を示している。符号の末尾のアルファベットのみが異なる要素同士は、取り扱うトナーの色は異なるが、構成は同一である。以下の説明において、これらの要素について特に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省いて説明する。
【0017】
同図において、画像形成装置100内を搬送される記録用紙は、破線の矢印C方向に搬送され、この記録用紙に画像が形成される。
感光体ドラム21は、表面に光導電膜を積層した円筒状の部材である。感光体ドラム21は、表面に形成された静電潜像を保持する。感光体ドラム21は、中間転写ベルト26と接触状態にあるときに、中間転写ベルト26の移動に伴って、円筒の中心を軸として図中の矢印Aの方向に回転する。この感光体ドラム21は、本発明に係る「像保持体」の一例である。
【0018】
帯電装置22は、例えばスコロトロン帯電器であり、感光体ドラム21の光導電膜を決められた電位に帯電させる。露光装置23は、帯電装置22により帯電させられた感光体ドラム21を露光して、露光光に応じた静電潜像を形成する。露光装置23は、制御部1から出力される画像データに基づいて当該露光を行う。制御部1は、自己のRAMにカウンタCT1を有し、露光装置23に出力する画像データの有効画素数をカウントする。ここで有効画素数とは、露光装置23の露光により感光体ドラム21上に形成される静電潜像を構成する画素の数(すなわち、トナーによる現像の対象となる画素の数)である。この有効画素数には、外部装置からの指示に基づいて形成される画像の画素数だけでなく、画像形成装置100が画質調整用に形成する画像の画素数も含まれてもよい。制御部1は、この有効画素数をカウントすることにより、現像装置24において消費されるトナー量を特定する。この制御部1は、本発明に係る「第1の特定手段」の一例である。また、露光装置23は、本発明に係る「露光手段」の一例である。
【0019】
また、制御部1は、当該RAMにカウンタCT2を有し、露光装置23に出力する画像データに基づいて、画像形成部2により画像が形成される記録媒体の枚数をカウントする。
【0020】
現像装置24は、Y,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性体キャリアとを含む二成分現像剤を有している。現像装置24は、感光体ドラム21に形成された潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。現像装置24は、トナー補給路を介してトナーカートリッジ25に接続され、図示せぬディスペンスモータの回転駆動によりトナーカートリッジ25からトナーの補給を受ける。制御部1は、自己のRAMにタイマTM1を有し、ディスペンスモータの駆動時間を計時する。ここで計時される駆動時間には、外部の装置からの指示に基づいて画像が形成される際の駆動時間だけでなく、画像形成装置100が画質調整用に画像を形成する際の駆動時間も含まれてもよい。制御部1は、このディスペンスモータの駆動時間を計時することにより、現像装置24に供給されるトナー量を特定する。この制御部1は、本発明に係る「第2の特定手段」の一例である。また、現像装置24は、本発明に係る「現像手段」の一例である。
【0021】
中間転写ベルト26は、無端のベルト状の部材であり、回転ロール27、一次転写ロール28及びバックアップロール29と接触しながら図中の矢印Bの方向に回転する。この中間転写ベルト26は、本発明に係る「媒体」の一例である。回転ロール27は、中間転写ベルト26の移動を支持する円筒状の部材であり、円筒の中心を軸として回転する。一次転写ロール28は、中間転写ベルト26を挟んで感光体ドラム21と対向する円筒状の部材である。一次転写ロール28は、感光体ドラム21との間に電位差を生じさせて感光体ドラム21表面のトナーを中間転写ベルト26表面に転写する。この一次転写ロール28は、本発明に係る「第1の転写手段」の一例である。
【0022】
二次転写ロール30は、現像装置24による現像によって得られた画像を記録用紙に転写する。二次転写ロール30は、中間転写ベルト26を挟んでバックアップロール29と対向する円筒状の部材であり、バックアップロール29との間に電位差を生じさせて、中間転写ベルト26表面のトナーを記録用紙の表面に転写する。この二次転写ロール30は、本発明に係る「第2の転写手段」の一例である。
搬送ロール31は、図示せぬ駆動装置により駆動させられ、図2に示す破線の矢印C方向に記録用紙を搬送する円筒状の部材である。搬送ロール31は、記録用紙が予め定められた搬送速度で搬送されるように回転させられる。
【0023】
定着装置32は、定着ロール321と加圧ロール322とを備えている。定着装置32は、画像が転写されて搬送されてくる記録用紙に対し、定着ロール321と加圧ロール322とにより挟まれた領域Nにおいて熱と圧力とを加える定着処理を施し、画像を記録用紙に定着させる。
【0024】
図3は、現像装置24とその周辺の装置を拡大して示す図である。
同図に示されるように、現像装置24は、ケース241内に、現像ロール242と、供給ロール243と、攪拌部材244と、濃度センサ245とを有する。
現像ロール242は、ケース241の感光体ドラム21側の開口部に設けられる円筒状の部材である。現像ロール242は、その内部に固定的に配置されるマグネットロール2421と、マグネットロール2421の外周に回転可能なように設けられる現像スリーブ2422とから構成される。マグネットロール2421は、現像ロール242の周面に現像剤を保持させるための磁界を発生させる。現像スリーブ2422は、非磁性のスリーブであり、予め定められた現像電位の現像バイアス電圧が与えられた状態で、図中の矢印D方向に回転させられる。現像電位は、例えば−600Vである。
【0025】
現像スリーブ2422は、その回転時、マグネットロール2421の磁気吸着力によりその表面に現像剤を保持する。保持される現像剤は、マグネットロール2421により与えられる磁力によって、磁力線に沿って束状に配列される、いわゆる磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシは、その層厚が層厚規制部材2411によって規制される。ケース241を構成するカバー部2412は、現像ロール242や感光体ドラム21からトナーが飛散することを防ぐ。
【0026】
供給ロール243は、ケース241内において現像ロール242よりも奥側に設けられる円筒状の部材である。供給ロール243は、ケース241内の現像剤を攪拌しつつ、現像ロール242の表面に現像剤を供給する。攪拌部材244は、供給ロール243よりもさらに奥側に設けられる螺旋状の回転体である。攪拌部材244は、ケース241内の現像剤を攪拌、搬送する。濃度センサ245は、供給ロール243と攪拌部材244とを隔てる仕切り板に設けられるセンサであって、ケース241内のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)を測定する。より具体的には、トナー濃度を算出するための透磁率を測定する。濃度センサ245は、測定した透磁率を表す信号を制御部1に出力する。
【0027】
制御部1は、濃度センサ245から出力された信号に基づいて、現像装置24内のトナー濃度を制御するための処理を行う。具体的には、以下の処理を行う。
まず、制御部1は、濃度センサ245から出力された信号に基づいて、現像装置24内のトナー濃度の値を特定する。そして、制御部1は、特定したトナー濃度の値と、トナー濃度目標値との差分を算出する。このトナー濃度目標値は、例えば記憶部5に記憶され、現像装置24内のトナー濃度を一定に制御するための基準として設定されるトナー濃度を示す。制御部1は、算出した差分に、予め定められた係数C1を乗算して、トナー補給時間を求める。この予め定められた係数C1は、例えば記憶部5に記憶され、現像装置24内のトナー濃度とトナー濃度目標値との差分をゼロにするために必要とされるディスペンスモータの駆動時間を算出するために設定される値である。トナー補給時間を求めると、制御部1は、その時間分、ディスペンスモータを駆動させ、トナーカートリッジ25から現像装置24に対してトナーを補給する。なお、トナーカートリッジ25から現像装置24に対して補給される現像剤は、トナーのみであってもよいし、トナーとキャリアの両方であってもよい。
【0028】
(2)実施形態の動作
図4は、本実施形態に係る残留トナー強制消費処理を示すフローチャートである。本処理は、制御部1のROMに記憶される当該処理用のプログラムがCPUにより実行されることにより実施される。本処理は、画像形成部2による画像形成処理と並行して実施される。また、本処理は、各色の現像装置24ごとに実施されてよい。
【0029】
まず、ステップSa1において、制御部1は、画像形成部2により画像形成された記録媒体の枚数が閾値Th1以上であるか否かを判定する(ステップSa1)。具体的には、制御部1は、自己のRAMに記憶されたカウンタCT2の値が閾値Th1以上であるか否かを判定する。ここで閾値Th1とは、例えば記憶部5に記憶される閾値であって、その値は、例えば「10」である。
【0030】
ステップSa1の判定の結果が否定的であった場合(ステップSa1;NO)、制御部1は、再度ステップSa1の判定を実行する。一方、ステップSa1の判定の結果が肯定的だった場合(ステップSa1;YES)、制御部1は、現像装置24におけるトナー消費量を求める(ステップSa2)。
【0031】
具体的には、制御部1は、まず自己のRAMに記憶されているカウンタCT1から、出力画像を構成する画素の積算値を読み出す。そして、制御部1は、読み出した積算値に、予め定められた係数C2を乗算して、現像装置24におけるトナー消費量を求める。ここで予め定められた係数C2とは、例えば記憶部5に記憶される係数であって、出力画像を構成する画素の積算値からトナー消費量を求めるために予め設定される係数である。
制御部1は、また、カウンタCT2をリセットする。
【0032】
次に、制御部1は、現像装置24に対するトナーカートリッジ25からのトナーの供給量を求める(ステップSa3)。具体的には、制御部1は、まず自己のRAMに記憶されているタイマTM1から、ディスペンスモータの駆動時間の積算値を読み出す。そして、制御部1は、読み出した積算値に、予め定められた係数C3を乗算して、現像装置24に対するトナーカートリッジ25からのトナーの供給量を求める。ここで予め定められた係数C3は、例えば記憶部5に記憶される係数であって、ディスペンスモータの駆動時間の積算値からトナーの供給量を求めるために予め設定される係数である。
【0033】
次に、制御部1は、ステップSa2で求めたトナー消費量と、ステップSa3で求めたトナー供給量との差を求める(ステップSa4)。この差(「トナー消費量」−「トナー供給量」)を、以下では「トナー実質消費量」と呼ぶ。トナー実質消費量を求めると、制御部1は、当該消費量を示す値と閾値Th2とを比較する(ステップSa5)。この閾値Th2は、例えば記憶部5に記憶される値であって、現像装置24内に残留するトナーの強制消費のタイミングを決定する値である。現像装置24内に収容されるトナーは、トナーの消費量に対して供給量が少ない場合にその劣化速度が速まることから、許容可能な劣化速度を考慮して閾値Th2(すなわち、トナー消費量と供給量との差分)は設定される。
上記比較の結果、トナー実質消費量を示す値の方が閾値Th2よりも小さい場合には(ステップSa5;NO)、制御部1は、再度ステップSa1を実行する。
【0034】
一方、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2以上である場合には(ステップSa5;YES)、制御部1は、トナー実質消費量を示す値と閾値Th3とを比較する(ステップSa6)。この閾値Th3は、例えば記憶部5に記憶される値であって、残留トナー強制消費時のトナー消費量を決定する値である。当該比較の結果、トナー実質消費量を示す値の方が閾値Th3よりも小さい場合には(ステップSa6;NO)、制御部1は、現像装置24に対し、設定値SV1により定められる量だけ、残留トナーの強制消費を行うよう指示する(ステップSa7)。具体的には、制御部1は、設定値SV1に基づいて現像ロール242の駆動時間を制御する。一方、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3以上である場合には(ステップSa6;YES)、制御部1は、現像装置24に対し、設定値SV2により定められる量だけ、残留トナーの強制消費を行うよう指示する(ステップSa8)。具体的には、制御部1は、設定値SV2に基づいて現像ロール242の駆動時間を制御する。
【0035】
ここで、設定値SV1及びSV2とは、それぞれ記憶部5に記憶される値であって、残留トナー強制消費時のトナー消費量を規定する値である。本実施形態では、設定値SV2により規定されるトナー消費量の方が、設定値SV1により規定されるトナー消費量よりも多くなるように設定される。すなわち、本実施形態では、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3以上である場合の方が、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3未満である場合よりも、強制消費されるトナー消費量が多くなる。
【0036】
制御部1から当該動作の指示を受けた現像装置24は、画像形成の間に、強制消費用の画像パターンを感光体ドラム21上に形成する。この画像パターンは、本発明に係る「現像像」の一例である。
ここで、強制消費用の画像パターンが形成されるタイミングは、画像形成装置100に対して指示された画像形成処理の合間でもよいし、当該画像形成処理を構成する連続する画像形成の合間でもよい。また、連続する画像形成のうちの一の画像形成をスキップして、当該画像形成がなされるタイミングに行われてもよい。要するに、強制消費用の画像パターンは、感光体ドラム21から中間転写ベルト26に対して転写されない領域(「非転写領域」)に形成される。非転写領域に形成された強制消費用の画像パターンは、図示せぬクリーニング装置によって、そのトナーが回収される。
【0037】
制御部1は、現像装置24に対して残留トナーの強制消費動作を指示した後、カウンタCT1とタイマTM1とをリセットする。
以上が、本実施形態に係る残留トナー強制消費処理の内容である。
【0038】
以上説明した残留トナー強制消費処理によれば、現像装置24におけるトナー消費量が求められ、かつ、現像装置24に対するトナーカートリッジ25からのトナー供給量も求められ、これらの差と閾値とを比較することによって、残留トナーの強制消費動作の要否が決定される。すなわち、当該処理によれば、トナー消費量とトナー供給量の両方に基づいて、残留トナーの強制消費動作の要否が決定される。
【0039】
これに対して、現像装置24におけるトナーの消費量のみを求め、この消費量と閾値とを比較することによって、残留トナーの強制消費動作の要否を決定するという判定方法が考えられる。すなわち、トナー消費量のみに基づいて、残留トナーの強制消費動作の要否を決定するという判定方法が考えられる。
【0040】
後者の方法の場合、トナーの消費量のみが考慮され、トナーの供給量については考慮されないため、トナー消費量が同程度の場合には等しく残留トナーの強制消費動作が行われることになる。しかし、仮にトナー消費量が同程度の場合であっても、残留トナーの濃度が異なる場合には、現像装置24に補給されるトナー量が異なる場合がある。これは、濃度センサ245の出力信号に応じて、現像装置24内のトナー濃度が目標値に近づくよう、トナーカートリッジ25から補給されるトナーの量が制御されるからである。そして、補給されるトナー量が異なる場合には、現像装置24内のトナーの劣化速度が異なってくる。従って、トナーの劣化の程度に応じて残留トナーの強制消費動作の要否を決定するにあたっては、トナー消費量のみならずトナー供給量についても考慮する必要がある。
【0041】
また、上記説明した残留トナー強制消費処理によれば、現像装置24におけるトナー消費量が求められ、かつ、現像装置24に対するトナーカートリッジ25からのトナー供給量も求められ、これらの差と閾値とを比較することによって、残留トナーの強制消費動作時のトナー消費量が決定される。すなわち、当該処理によれば、トナー消費量とトナー供給量の両方に基づいて、残留トナーの強制消費動作時のトナー消費量が決定される。
【0042】
(3)変形例
上記の実施形態は、以下に記載するように変形可能である。また、下記の変形例は、互いに組み合わせることが可能である。
【0043】
(3−1)変形例1
上記の実施形態では、画像形成部2により画像形成された記録媒体の枚数が閾値Th1以上である場合に、残量トナーの強制消費動作の要否の判定が行われているが、当該判定は、予め定められた時間が経過したことを契機として行われてもよい。この場合、制御部1は、自己のRAMに計時用のタイマTM2を備え、このタイマTM2の値が閾値Th4以上になった場合に、上記の残量トナーの強制消費動作の要否の判定を行ってもよい。より具体的には、例えば、制御部1は、タイマTM2により、現像ロール242を駆動する駆動モータ(図示せず)の駆動時間を計時して、この駆動時間を示す値が閾値Th4以上になった場合に、上記の残量トナーの強制消費動作の要否の判定を行ってもよい。
【0044】
(3−2)変形例2
上記の実施形態では、ステップSa4で求めたトナー実質消費量を示す値と閾値Th3とが比較され、トナー実質消費量を示す値の方が閾値Th3よりも小さい場合には、設定値SV1で規定される量、トナーが強制消費され、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3以上である場合には、設定値SV2で規定される量、トナーが強制消費されている。すなわち、上記の実施形態では、トナー実質消費量を示す値と閾値Th3との比較結果に基づいて、2つのトナー消費量のうちから一のトナー消費量が選択されている。しかし、強制消費されるトナーの量は、二者択一的に決定される必要はなく、そのトナー実質消費量に応じて決定されてもよい。
【0045】
この場合、記憶部5は、トナー実質消費量の値と、強制消費されるトナー消費量の値とを対応づけて記憶するルックアップテーブルLUT1を記憶し、制御部1は、図4のステップSa6〜Sa8の処理に代えて、ステップSa4で求めたトナー実質消費量に対応するトナー消費量を当該ルックアップテーブルLUT1から読み出し、このトナー消費量分、現像装置24に強制消費させるようにしてもよい。
なお、上記ルックアップテーブルLUT1に記憶されるトナー実質消費量の値と、強制消費されるトナー消費量の値とは、正の相関関係を有するように設定される。
【0046】
(3−3)変形例3
上記の実施形態では、ステップSa4で求めたトナー実質消費量を示す値と閾値Th3とを比較して、当該比較結果に基づいて残留トナー強制消費時のトナー消費量を決定しているが、この決定対象を、トナーの消費間隔としてもよい。ここで、トナーの消費間隔とは、一回分の残留トナー強制消費動作が行われるに際し、感光体ドラム21上に強制消費用の画像パターンが形成される時間的間隔のことである。残留トナーの強制消費動作が実施される場合には、感光体ドラム21上の非転写領域に一以上の回数、強制消費用の画像パターンが形成されることになるが、この画像パターンが形成される時間的間隔(例えば、一の画像形成領域ごとに画像パターンを形成する等)は、トナー実質消費量を示す値と閾値Th3との比較結果に基づいて決定されてもよい。
【0047】
この場合、制御部1は、図4のステップSa7において、現像装置24に対し、設定値SV3により定められる間隔で、残留トナーの強制消費を行うよう指示し、一方、同図のステップSa8において、設定値SV4により定められる間隔で、残留トナーの強制消費を行うよう指示する。ここで、設定値SV3及びSV4とは、それぞれ記憶部5に記憶される値であって、残留トナー強制消費時のトナー消費間隔を規定する値である。本変形例では、設定値SV4により規定される間隔の方が、設定値SV3により規定される間隔よりも短くなるように設定される。その結果、本変形例によれば、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3以上である場合の方が、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3未満である場合よりも、早く残留トナーが消費される。
【0048】
なお、上記の実施形態において、残留トナー強制消費時のトナー消費量に代えてトナーの消費間隔を決定するのではなく、両方を決定するようにしてもよい。より具体的には、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3より小さい場合には、設定値SV1により定められる量を、設定値SV3により定められる間隔で強制消費させ、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3以上の場合には、設定値SV2により定められる量を、設定値SV4により定められる間隔で強制消費させるようにしてもよい。
【0049】
また、本変形例においてトナー実質消費量を示す値と閾値Th3との比較結果に基づいて決定されるトナーの消費間隔は、上記のように二者択一的に決定される必要はなく、トナーの実質消費量に応じて決定されてもよい。例えば、記憶部5は、トナー実質消費量の値と、トナーの消費間隔を規定する値とを対応づけて記憶するルックアップテーブルLUT2を記憶し、制御部1は、図4のステップSa6〜Sa8の処理に代えて、ステップSa4で求めたトナー実質消費量に対応するトナーの消費間隔を示す値を当該ルックアップテーブルLUT2から読み出し、この値に示される消費間隔で、現像装置24に強制消費を行わせるようにしてもよい。
【0050】
なお、このルックアップテーブルLUT2に記憶されるトナー実質消費量の値と、トナーの消費間隔を規定する値とは、負の相関関係を有するように設定される。すなわち、トナー実質消費量が増加するにつれて、トナーの消費間隔が短くなるように設定される。
【0051】
(3−4)変形例4
上記の実施形態では、画像形成部2により画像形成された記録媒体の枚数が閾値Th1に到達するごとにトナー実質消費量を求め、このトナー実質消費量を閾値Th3と比較することにより、残留トナー強制消費時のトナー消費量を決定している。しかし、このトナー実質消費量を求めるタイミングを、記録媒体の枚数が閾値Th1に到達した時だけではなく、閾値Th1に到達する以前のタイミングも含めた複数回とし、その複数回求められたトナー実質消費量をそれぞれ閾値Th3と比較し、その比較結果に基づいて、残留トナー強制消費時のトナー消費量を決定してもよい。以下、この場合の処理について図5及び6を参照して説明する。なお、同図において、図4の処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0052】
まず、ステップSa1において、制御部1は、画像形成部2により画像形成された記録媒体の枚数が閾値Th1以上であるか否かを判定する(ステップSa1)。この判定結果が否定的であった場合(ステップSa1;NO)、制御部1は、画像形成部2により画像形成された記録媒体の枚数が閾値Th5以上であるか否かを判定する(ステップSb1)。具体的には、制御部1は、自己のRAMに記憶されたカウンタCT3の値が閾値Th5以上であるか否かを判定する。ここで自己のRAMに記憶されたカウンタCT3とは、カウンタCT2と同じように、画像形成部2により画像が形成される記録媒体の枚数をカウントするためのカウンタである。また、閾値Th5とは、例えば記憶部5に記憶される値であって、閾値Th1よりも小さい値(例えば、「1」)が設定される。
【0053】
ステップSb1の判定の結果が否定的であった場合は(ステップSb1;NO)、制御部1は、再度ステップSa1の判定を実行する。一方、ステップSb1の判定の結果が肯定的であった場合は(ステップSb1;YES)、制御部1は、現像装置24におけるトナー消費量を求める(ステップSb2)。具体的には、制御部1は、まず自己のRAMに記憶されているカウンタCT4から、出力画像を構成する画素の積算値を読み出す。そして、制御部1は、読み出した積算値に、予め定められた係数C2を乗算して、現像装置24におけるトナー消費量を求める。ここで、自己のRAMに記憶されているカウンタCT4とは、カウンタCT1と同じように、露光装置23に出力する画像データの有効画素数をカウントするためのカウンタである。
また、制御部1は、カウンタCT3をリセットする。
【0054】
次に、制御部1は、現像装置24に対するトナーカートリッジ25からのトナーの供給量を求める(ステップSb3)。具体的には、制御部1は、まず自己のRAMに記憶されているタイマTM3から、ディスペンスモータの駆動時間の積算値を読み出す。ここで自己のRAMに記憶されているタイマTM3とは、タイマTM1と同じように、ディスペンスモータの駆動時間を計時するためのタイマである。そして、制御部1は、読み出した積算値に、予め定められた係数C3を乗算して、現像装置24に対するトナーカートリッジ25からのトナーの供給量を求める。
【0055】
次に、制御部1は、ステップSb2で求めたトナー消費量と、ステップSb3で求めたトナー供給量との差(トナー実質消費量)を求める(ステップSb4)。トナー実質消費量を求めると、制御部1は、当該消費量を示す値と閾値Th2とを比較する(ステップSb5)。この比較の結果、トナー残量率を示す値の方が閾値Th2よりも小さい場合には(ステップSb5;NO)、制御部1は、自己のRAMに記憶されるカウンタCT5をカウントアップする(ステップSb6)。一方、トナー残量率を示す値が閾値Th2以上である場合には(ステップSb5;YES)、制御部1は、自己のRAMに記憶されるカウンタCT6をカウントアップする(ステップSb7)。ここで、カウンタCT5とは、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2よりも小さかった場合の回数をカウントするためのカウンタであり、カウンタCT6とは、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2以上であった場合の回数をカウントするためのカウンタである。
その後、制御部1は、カウンタCT4とタイマTM3とをリセットして、再度ステップSa1の判定を行う。
【0056】
ステップSa1の判定の結果が肯定的であった場合には(ステップSa1;YES)、制御部1は、上述のように、トナー消費量及びトナー供給量を求め(ステップSa2及びSa3)、これらの量の差と閾値Th2とを比較する(ステップSa4及びSa5)。そして、その比較の結果、トナー実質消費量を示す値の方が閾値Th2よりも小さい場合には(ステップSa5;NO)、制御部1は、再度ステップSa1を実行する。この際、カウンタCT5及びCT6をリセットする。
【0057】
一方、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2以上である場合には(ステップSa5;YES)、制御部1は、自己のRAMに記憶されるカウンタCT6をカウントアップする(ステップSb8)。そして、制御部1は、現像装置24に対して、残留トナーの強制消費動作を指示する(ステップSa6)。制御部1は、当該指示後、カウンタCT1とタイマTM1とをリセットする。
【0058】
次に、制御部1は、自己のRAMに記憶されているカウンタCT5とカウンタCT6のそれぞれから値を読み出し、これらの値を比較する(ステップSb9)。すなわち、制御部1は、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2よりも小さかった場合の回数と、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2以上であった場合の回数とを比較する。この比較の結果、カウンタCT5の値の方がカウンタCT6の値よりも大きかった場合には(すなわち、トナー実質消費量を示す値が閾値Th2よりも小さかった場合の回数の方が多かった場合には)(ステップSb9;NO)、制御部1は、制御部1は、現像装置24に対し、設定値SV1により定められる量だけ、残留トナーの強制消費を行うよう指示する(ステップSa7)。一方、トナー実質消費量を示す値が閾値Th3以上である場合には(ステップSb9;YES)、制御部1は、現像装置24に対し、設定値SV2により定められる量だけ、残留トナーの強制消費を行うよう指示する(ステップSa8)。
以上が本変形例に係る残留トナー強制消費処理の内容である。
【0059】
以上説明した本変形例に係る残留トナー強制消費処理によれば、出力枚数が閾値Th1に到達した時だけでなく、出力枚数が閾値Th1に到達する以前の、閾値Th5に到達した時点でもトナー実質消費量が求められ、これと閾値Th2との比較結果が記録される。そして、その比較結果と、出力枚数が閾値Th1に到達した時点の比較結果とが参照されて残留トナー強制消費時のトナー消費量が決定される。すなわち、上記の処理によれば、出力枚数が閾値Th1に到達するまでの間の、さらに細分化された期間ごとのトナー実質消費量が求められ、これらの値の分布の仕方に基づいて、残留トナー強制消費時のトナー消費量が決定される。よって、当該処理によれば、このような処理を行わない場合と比べて、よりトナーに加えられるストレスの度合いに応じた、残留トナーの強制消費動作を実行することが可能になる。
【0060】
例えば、図7に示される2つの例の場合、いずれも出力枚数が10枚に到達した時点では、トナー実質消費量は等しくなっているが、出力枚数が10枚に到達するまでの過程においては、トナー実質消費量の推移の仕方が異なっている。図7(a)の例の場合は、出力枚数が10枚に到達した時点以外は、トナー実質消費量が示す値が閾値Th2よりも小さくなっているのに対し、図7(b)の例の場合は、出力枚数が10枚に到達する時点以前においても、トナー実質消費量が示す値が閾値Th2よりも大きくなっている。このような例の場合、トナー実質消費量が示す値が閾値Th2以上となる期間が長い図7(b)の例の方が、図7(a)の例よりも、トナーに加えられるストレスが大きくなる。
【0061】
本変形例に係る残留トナー強制消費処理によれば、このような例において、仮に閾値Th1の値を「10」に設定したとしても、閾値Th5の値を例えば「1」に設定すれば、出力枚数が1枚に到達するごとにトナー実質消費量を求め、閾値Th2と比較し、その比較結果に基づいて残留トナー強制消費時のトナー消費量を決定することになるため、よりトナーに加えられるストレスの度合いに応じた、残留トナーの強制消費動作を実行することが可能になる。
【0062】
なお、本変形例に係る残留トナー強制消費処理では、カウンタCT5の値とカウンタCT6の値とを比較して、この比較結果に応じて残留トナー強制消費時のトナー消費量を決定しているが、これらの値の比率(カウンタCT5の値/カウンタCT6の値)を算出し、閾値Th6と比較して、その比較結果に基づいて、トナー消費量を決定してもよい。具体的には、カウンタCT5の値とカウンタCT6の値との比率が、閾値Th6よりも小さい場合に設定値2により定められる量分、強制消費させ、その比率が閾値Th6以上の場合に、設定値SV1により定められる量分、強制消費させるようにしてもよい。
【0063】
(3−5)変形例5
上記の実施形態では、現像装置24におけるトナー消費量が求められ、かつ、現像装置24に供給されるトナー供給量が求められ、これらの差と閾値Th2とを比較することによって、残留トナーの強制消費動作の要否が決定されている。しかし、このトナー消費量とトナー供給量の差(トナー実質消費量)に代えて、トナー消費量とトナー供給量の比率(トナー消費量/トナー供給量)と閾値Th2とを比較して、残留トナーの強制消費動作の要否が決定してもよい。
【0064】
(3−6)変形例6
上記の実施形態に係る残留トナー強制消費処理用のプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で配布され、画像形成装置100にインストールされてもよい。また、通信回線を介してダウンロードされて、画像形成装置100にインストールされてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…制御部、2…画像形成部、3…操作部、4…通信部、5…記憶部、21…感光体ドラム、22…帯電装置、23…露光装置、24…現像装置、25…トナーカートリッジ、26…中間転写ベルト、27…回転ロール、28…一次転写ロール、29…バックアップロール、30…二次転写ロール、31…搬送ロール、32…定着装置、100…画像形成装置、241…ケース、242…現像ロール、243…供給ロール、244…攪拌部材、245…濃度センサ、2411…層厚規制部材、2412…カバー部、2421…マグネットロール、2422…現像スリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
現像剤を収容、攪拌し、前記露光手段により形成された静電潜像に前記現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、
前記現像手段により形成された現像像を媒体に転写する第1の転写手段と、
前記現像手段により収容される現像剤の消費量を特定する第1の特定手段と、
前記現像手段に供給される現像剤の供給量を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段により特定された現像剤の消費量と、前記第2の特定手段により特定された現像剤の供給量との差が、第1の閾値以上である場合に、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して現像剤を供給するように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記差が第2の閾値よりも小さい場合には、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、第1の量だけ、現像剤を供給するように制御し、
前記差が第2の閾値以上である場合には、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、前記第1の量よりも多い量である第2の量だけ、現像剤を供給するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して複数の現像像を形成するように制御する制御手段であって、
前記差が第2の閾値よりも小さい場合には、前記現像手段が前記複数の現像像を構成する各現像像を、第1の時間間隔で形成するように制御し、
前記差が第2の閾値以上である場合には、前記現像手段が前記複数の現像像を構成する各現像像を、前記第1の時間間隔よりも短い時間間隔である第2の時間間隔で形成するように制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像手段により形成された現像像を記録媒体に転写する第2の転写手段と、
前記制御手段は、前記第2の転写手段により現像像が転写された記録媒体の枚数が、予め定められた枚数以上となった場合に、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して現像剤を供給するように制御し、
前記第1の特定手段は、それぞれ異なるタイミングで複数の現像剤消費量を特定し、
前記第2の特定手段は、それぞれ前記第1の特定手段によって特定された複数の現像剤消費量に対応する複数の現像剤供給量を特定し、
前記制御手段は、前記第1の特定手段により特定された複数の現像剤消費量と、前記第2の特定手段により特定された複数の現像剤供給量との差であって、互いに対応するもの同士の差のうち、前記第2の閾値以上である差の個数と、前記第2の閾値未満である差の個数の比率が、第3の閾値よりも小さい場合に、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、第1の量だけ、現像剤を供給するように制御する一方、前記比率が前記第3の閾値以上である場合には、前記現像手段が前記像保持体の非転写領域に対して、前記第1の量よりも多い量である第2の量だけ、現像剤を供給するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
現像剤を収容、攪拌し、前記露光手段により形成された静電潜像に前記現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、
前記現像手段により形成された現像像を媒体に転写する転写手段と、
前記現像手段により収容される現像剤の消費量を特定する第1の特定手段と、
前記現像手段に供給される現像剤の供給量を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段により特定された現像剤の消費量の、前記第2の特定手段により特定された現像剤の供給量に対する比率が、第1の閾値以上である場合に、前記現像手段が前記像保持体の表面の非転写領域に対して現像剤を供給するように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−203337(P2012−203337A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70256(P2011−70256)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】