説明

画像形成装置

【課題】装置が備えている機能を知らないユーザに対しても、その機能に関するガイダンスを表示できるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、ジョブの実行に際して最適な操作手順をガイダンスするためのガイダンス情報を予め記憶し、画像形成ジョブを実行するために入力部102aに入力された操作入力に基づいて、ガイダンス情報を表示部102bに表示させる。例えば機器制御部104は、画像形成ジョブを実行するために入力部102aに入力された操作入力と、その操作入力により実行されるジョブに対応したガイダンス情報とを比較し、実際の操作入力の回数が、ガイダンス情報の操作手順に規定される操作入力の数より多い場合、表示部102bにガイダンス情報を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、より詳細には、操作ガイダンスを表示可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ、プリンタ、コピー機などの画像形成装置、あるいはこれらの機能を複数有する複合機などが普及している。これら画像形成装置においては、複雑化する機能やその設定方法に対応して、ユーザ操作を助けるために、ガイダンス情報を表示できるものがある。ガイダンス情報を確認しながら、ユーザは所望の機能設定等を行うことができる。
【0003】
画像形成装置におけるユーザ操作を助けるための技術として、例えば、特許文献1には、各ユーザの使用履歴を記憶領域に保存しておき、ユーザ情報読み取り手段によって取得した情報によりユーザを特定し、使用履歴情報と照らし合わせることによって、現在のユーザが初心者であると判断した場合には初心者用の操作画面を表示する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−67066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の画像形成装置は、ユーザの使用履歴に基づいてそのユーザが初心者か否かを判断するため、使用頻度の高いユーザであっても、画像形成装置が備えている機能を知らなければ、最適な操作を行うことができず、また画像形成装置は、その機能を設定するための操作画面を表示することができない。
画像形成装置が備えている機能については、取り扱い説明書等に記載されていることが多いが、最近の画像形成装置は多機能化により、ユーザが全ての機能を容易に認識することは難しい。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、ユーザが実際に使用する機能に関する最適な操作方法を示すガイダンスを表示することにより、装置が備えている機能を知らないユーザに対しても、その機能に関するガイダンスを表示できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の技術手段は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力部と、該入力部に対する操作入力に従って画像データを記録媒体に画像形成させるジョブを実行する画像形成部と、ジョブの実行に際して最適な操作手順をガイダンスするためのガイダンス情報を予め記憶する記憶部と、該記憶部に記憶したガイダンス情報を表示する表示部と、該表示部の表示を制御する制御部とを備えた画像形成装置であって、前記制御部は、前記画像形成ジョブを実行するために前記入力部に入力された操作入力に基づいて、前記ガイダンス情報を前記表示部に表示させることを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記制御部が、前記画像形成ジョブを実行するために前記入力部に入力された操作入力と、該操作入力により実行されるジョブに対応したガイダンス情報とを比較し、前記操作入力の実際の回数が、前記ガイダンス情報の操作手順に規定される操作入力の数より多い場合、前記ガイダンス情報を表示させることを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記入力部が、複数の操作キーに対する入力操作が可能であり、前記制御部は、前記ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力の回数と、前記ガイダンス情報の操作手順に規定される各操作キーに対する操作入力の回数とを操作キーごとに比較し、前記操作キーに対する操作入力の回数のいずれかが、前記ガイダンス情報の操作手順に規定される各操作キーに対する操作入力の回数より多い場合、もしくは前記画像形成ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力が全く行われていない場合、前記ガイダンス情報を表示させることを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、第1の技術手段において、前記入力部は、複数の操作キーに対する入力操作が可能であり、前記制御部は、前記操作キーに対する操作入力に基づいて、前記画像形成部に実行させるジョブを特定し、該特定したジョブを実行するための前記ガイダンス情報を表示することを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示部は、特定のジョブについて、該ジョブを設定するための専用画面を表示可能であり、前記制御部は、前記操作キーに対する操作入力に基づいて、前記画像形成部に実行させるジョブを特定し、該特定したジョブの設定時に前記専用画面が使用されたか否かを判別し、前記専用画面が使用されていなければ、前記設定画面を用いた前記ガイダンス情報を前記表示部に表示させることを特徴としたものである。
【0012】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記制御部は、前記ガイダンス情報の表示中に現在のジョブの進行状況を表示することを特徴としたものである。
【0013】
第7の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、音声出力部を有し、前記制御部は、前記ガイダンス情報を前記表示部に表示する際に、前記音声出力部によりガイダンス情報を表示する旨を音声出力させることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザが実際に使用する機能に関する最適な操作方法を示すガイダンスを表示することにより、装置が備えている機能を知らないユーザに対しても、その機能に関するガイダンスを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明による画像形成装置の一実施形態の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の画像形成装置おける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の画像形成装置おける処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の画像形成装置おける処理の更に他の例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の画像形成装置おける処理の更に他の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明に係る画像形成装置の構成例を示す図である。画像形成装置100は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファイリング機能などを備えた複合機として構成されている。画像形成装置100のファクシミリ機能を実現する構成は、本発明に係るファクシミリ装置の一実施形態に相当する。ファクシミリ機能の操作は、図示しない操作部と表示部とによるパネル制御部により実行され、ユーザは、操作部のテンキー等から相手先の電話番号を設定して発呼することで、ファクシミリデータの送信が可能となっている。また、ファクシミリ機能により受信したファクシミリデータは、適宜記録用紙に画像形成される。
【0017】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等の記録媒体に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体200と、自動原稿処理装置300とにより構成されている。装置本体200は、光走査装置1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0018】
装置本体200の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置300が取り付けられている。自動原稿処理装置300は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。自動原稿処理装置300は、装置本体200とヒンジにて連結され、自動原稿処理装置300はヒンジの回動によって装置本体200に対して開閉可能となっている。
【0019】
装置本体200は、筐体内に収容される画像読取手段90を有している。画像読取手段90は、光源及び第1ミラーを保持する光源ユニット93と、第2及び第3ミラーを保持するミラーユニット94と、レンズ及びCCD95とから構成された縮小光学系の画像読取手段である。
【0020】
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0021】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0022】
光走査装置1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。光走査装置1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。光走査装置1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0023】
光走査装置1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0024】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0025】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0026】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0027】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0028】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0029】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体200の光走査装置1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体200の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0030】
また装置本体200には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0031】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0032】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0033】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0034】
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0035】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0036】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0037】
図2は、本発明による画像形成装置の一実施形態の構成例を説明するためのブロック図である。画像形成装置100は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる機器制御部104を備えている。機器制御部104は、本発明の制御部に相当する。この機器制御部104には、画像形成装置100を制御するための制御プログラムを記憶するROM、ワークエリアとしてのRAM等が含まれている。機器制御部104では、画像形成装置100の最適な操作手順をガイダンスするためのガイダンス情報が記憶されるともに、入力部102aに対するユーザ操作の内容を一時的に記憶し、このユーザ操作の内容に基づいてガイダンス情報を表示部102bに表示させることができる。ガイダンス情報を記憶する本発明の記憶部は、上記機器制御部104が該当するが、ガイダンス情報は管理部107等の他の記憶手段に記憶させるものであってもよい。
【0038】
また、機器制御部104には、画像形成装置100が行う処理を管理するための管理情報(各種の制御情報)を記憶するメモリ(記憶部)である管理部107、音声出力部108が接続される。音声出力部108は、機器制御部104が表示部102bにガイダンス表示を行う際に、音声出力によりその旨を知らせるものである。
【0039】
さらに機器制御部104には、記録紙に記録された画像を読み取って画像データを生成する画像読取部101が接続される。画像読取部101には、原稿画像を画像データとして取り込むためのCCD101aが備えられる。
また、機器制御部104には、利用者からの命令などの情報が入力されるタッチパネル等による入力部(操作入力部)102aと、操作のために必要な情報や設定の変更内容などを表示する表示パネル等の表示部102bとからなる操作部102が接続される。表示部102bには、複数の操作キーが表示され、その操作キーに対してユーザは任意に操作入力を行うことができる。
【0040】
また、機器制御部104には、記録用紙等の記録媒体上に画像データの画像を形成する画像形成部103が接続される。画像形成部103には、画像データを一時的に記憶するメモリ103aと、メモリ103aが記憶した画像データから画像を形成して記録紙に記録する印字部(LSU)103bと、印字部103bで画像形成するための記録紙を収容する給紙用トレイ103cとが設けられている。
そして、画像形成装置100は、画像読取部101が生成した画像データをメモリ103aに一旦記憶させた後、印字部103bで画像を形成することができる。メモリ103aに一旦記憶させた画像データは、ハードディスク(HDD)106に記憶させるようにしてもよい。
【0041】
通信部105は、電話回線による公衆回線網やLANのようなネットワークに接続し、ネットワークとの間で情報を送受信する送信部および受信部として機能する。画像形成装置100は、図示しない外部のPC(パソコン)等の情報処理装置から送信された画像データを通信部105で受信し、受信した画像データから画像形成部103で画像を形成することができる。このように画像形成装置100は、ネットワークプリンタとして機能させることができる。
【0042】
本発明に係る画像形成装置の実施形態によれば、画像形成装置でジョブ(印刷ジョブ)を実行する前に、ジョブを実行するためにユーザが行った操作内容を記憶しておき、実際にジョブが実行された時点で、簡単な操作手順で同様のジョブ設定が可能な場合は、設定されたジョブを実行中にその最適手順を操作部にガイダンス表示させることができる。
これにより、画像形成装置が備えている機能を知らないユーザに対しても、その機能に関するガイダンスを表示することができる。
【0043】
例えば、印刷ジョブを実行するときの倍率設定および用紙設定のときのユーザの操作例を説明する。
例えば、ユーザが原稿サイズとは異なる記録紙に原稿画像をコピー(画像形成)する印刷ジョブを実行するものとする。ユーザ操作の一例は以下のようになる。
1.初期画面に表示されている“倍率キー”を操作して倍率設定用画面に移行させる。
2.倍率設定用画面に表示された“ズームキー”により任意の所望の倍率に設定するか、もしくは“固定倍率キー”により予め用意されている固定倍率に設定を行う。固定倍率設定を行う場合、例えば、原稿がB5であって、その読み取り画像をA4の記録紙に拡大して画像形成したい場合には、表示されている“115%”の固定倍率を選択する。
3.倍率設定用画面に表示されている“OK”ボタンを押下する。
【0044】
4.“用紙カセット選択キー“により、用紙カセットを選択する。
5.“スタートキー“を押下して印刷を開始させる。スタートキー“は印刷を実行させる印刷実行キーとして機能する。
従って、上記の操作において、印刷実行キーであるスタートキーを押すまでのユーザの操作回数は4回となる。
【0045】
一方、同じ操作を最適手順で実行する場合の操作例は以下のようになる。この手順はガイダンス情報に規定される手順である。
1.初期画面に表示された“用紙カセット選択キー”を操作する。
2.“倍率自動設定キー”を押下する。“倍率設定キー”は、選択された用紙カセットの用紙サイズと原稿サイズを自動的に判定して倍率を自動設定する機能を実行させるものである。
3.“スタートキー“を押下して印刷を開始させる。
この場合、この倍率自動設定機能を使用すれば、スタートキーの操作までに4回のキー操作を行うことなく2回の操作で印刷を実行させることができる。
【0046】
このように、ユーザによるキー操作の回数(n)が、同じ機能を実行するために必要なキー操作の回数(m)より多い場合には、画像形成装置は、機能設定のための最適なキー操作の手順を示すガイダンスを表示部に表示させる。表示したガイダンスによって、ユーザは、より少ないキー操作によって同様の機能設定を行うことができることを知ることができる。
【0047】
図3は、本発明の画像形成装置おける処理の一例を説明するためのフローチャートで、上記操作回数の比較によりガインダンス表示を行うときの処理例を示すものである。
機器制御部104は、入力部102aに対して操作キー入力が行われると(ステップS1)、その操作キー入力が印刷実行キーの操作によるものであるか否かを判別する(ステップS2)。印刷実行キーとは、特定の画像データを記録媒体に印刷させる処理を指示するキーで、上記のスタートキーが相当する。
【0048】
操作キー入力が印刷実行キーの操作によるものではなかった場合(ステップS2−No)、機器制御部104は、キー操作カウンタを1インクリメントする(ステップS8)。キー操作カウンタは、キー操作が印刷実行キーではない場合のキー操作数(n)をカウントするためのものである。キー操作カウンタをインクリメントした後、ステップS2に戻って次のキー操作の内容を判断する。
ステップS2で、印刷実行キーが操作された場合には、機器制御部104は、実行ジョブの内容を特定する。ここでは機器制御部104は、ユーザによって行われたキー操作の内容に応じて、実行すべきジョブ(例えば印刷ジョブ)を特定する。
【0049】
そして機器制御部104は、特定したジョブの内容に応じて、そのジョブを設定するために必要なキー操作回数(m)を抽出する(ステップS4)。ジョブに応じた必要なキー操作回数の情報は、予め機器制御部104のメモリ等に記録保持されている。
機器制御部104は、抽出したキー操作回数mと、キー操作カウンタでカウントされているキー操作数nとを比較し、n>mであるかを判別する(ステップS5)。ここでn>mでなければ、そのままジョブを実行して(ステップS7)、処理を終了する。一方、ステップS5でn>mであれば、最適なキー操作の手順を示すガイダンスを表示し(ステップS6)、その後、ジョブを実行する(ステップS7)。最適な手順のガイダンスとは、m回の操作で機能設定するためのキー操作をユーザに説明するためのガイダンスである。
【0050】
このように機器制御部104は、画像形成のジョブを実行するために入力部102aに入力された操作入力と、その操作入力により実行されるジョブに対応したガイダンス情報とを比較し、実際の操作入力の回数が、ガイダンス情報の操作手順に規定される操作入力の数より多い場合、ガイダンス情報を表示部102bに表示させる。これにより、ユーザによる操作キーの操作回数が多い場合は、操作方法の認識不足や、操作に迷っている可能性が高いと判断することができ、最適手順のガイダンスを表示することにより次回に同じ設定のジョブを行う場合の操作効率を上げることができる。
【0051】
次に、印刷ジョブの設定を行う際のキー操作の他の例として、ズーム変倍キーにて固定変倍相当の倍率を設定するときのユーザの操作例を説明する。
例えば印刷倍率の“141%”は、B5原稿をB4の記録紙に拡大印刷する場合や、A4原稿をA3の記録紙に拡大印刷する場合の固定倍率として画像形成装置に予め設定されている。この固定倍率に相当する倍率を“ズームキー”を用いることによっても設定することができる。
【0052】
この場合、ユーザ操作の一例は以下のようになる。
1.ユーザは、“141%”を設定するために、倍率を増大させる“ズームキー”を41回押下するか、もしくは押し続ける。41回押下する理由は、初期設定が“100%”であり、“ズームキー”の1回の押下で倍率が1%増大するためである。この場合、固定変倍キーは操作しないため、その操作数は0回である。
2.“スタートキー“を押下して印刷を開始させる。
この場合、ユーザがキーを操作する回数は、ズームキーの41回、もしくは1回であるが、1回の場合にはある程度長い時間ズームキーを押し続ける必要がある。
【0053】
上記のように画像形成装装置は、固定倍率を設定するための“固定倍率キー”が備えられているため、ズームキーを41回、もしくは長時間操作するまでもなく、141%の固定倍率キーを操作することでユーザが所望の倍率設定を行うことができる。
この場合、この“固定倍率キー”を使用すれば、上記のように印刷実行までに41回のキー操作を行うことなくスタートキーまでのキー操作の回数(m)は、“固定倍率キー”の1回となる。
【0054】
このように、ユーザによるキー操作の回数(n)が、同じ機能を実行するために必要なキー操作の回数(m)より多い場合には、画像形成装置100は、機能設定のための最適なキー操作の手順を示すガイダンスを表示部102bに表示させる。表示したガイダンスによって、ユーザは、より少ないキー操作によって同様の機能設定を行うことができることを知ることができる。
【0055】
図4は、本発明の画像形成装置おける処理の他の例を説明するためのフローチャートで、上記キー操作の回数を比較してガイダンス表示を行う他の例を示すものである。
機器制御部104は、入力部102aに対して操作キー入力が行われると(ステップS11)、その操作キー入力が印刷実行キー(前述のスタートキーに相当)の操作によるものであるか否かを判別する(ステップS12)。操作キー入力が印刷実行キーの操作によるものではなかった場合(ステップS12−No)、機器制御部104は、操作が行われたキーを判定する(ステップS18)。ここでは、例えばk1〜knの操作キーのいずれかのキーが操作されたかを判定するものとする。
そして、機器制御部104は、キー別操作カウンタの該当カウンタをインクリメントする(ステップS19)。キー別操作カウンタは、判別したキー毎にその操作回数(n)をカウントできるようになっている。キー別操作カウンタをインクリメントした後、ステップS12に戻って次のキー操作の内容を判断する。
【0056】
ステップS12で、印刷実行キーが操作された場合には、機器制御部104は、実行ジョブの内容を特定する(ステップS13)。ここでは機器制御部104は、ユーザによって行われたキー操作の内容に応じて、実行すべきジョブ(例えば印刷ジョブ)を特定する。
【0057】
そして機器制御部104は、特定したジョブの内容に応じて、そのジョブを設定するために必要なキー(km)を特定し、そのキーの必要操作回数(m)を抽出する(ステップS14)。ジョブに応じた必要なキーおよびその操作回数の情報は、予め管理部107等に記録保持されている。
機器制御部104は、特定したキー(km)について、抽出したキー操作回数mと、キー別カウンタでカウントされているキー(km)に関する操作カウント数nとを比較し、n>m、またはm=0であるかを判別する(ステップS15)。つまり、操作キー(km)の実際の操作回数(n)が必要操作回数(m)より大きいか、もしくは操作キー(km)が全く操作されていないかを判別する。
【0058】
ここでn>m、またはm=0でなければ、そのままジョブを実行して(ステップS17)、処理を終了する。一方、ステップS15でn>m、またはm=0であれば、最適なキー操作の手順を示すガイダンスを表示し(ステップS16)、その後、ジョブを実行する(ステップS17)。
【0059】
このように機器制御部104は、ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力の回数と、ガイダンス情報の操作手順に規定される各操作キーに対する操作入力の回数とを操作キーごとに比較し、操作キーに対する操作入力の回数のいずれかが、ガイダンス情報の操作手順に規定される各操作キーに対する操作入力の回数より多い場合、もしくは画像形成ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力が全く行われていない場合に、ガイダンス情報を表示させるようにする。
ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力の回数がガイダンスに規定される操作回数より多いか、全く操作されない場合には、ユーザが特定の機能に関する最適な操作方法を知らない可能性が高いと判断できるため、最適な手順をガイダンスにより表示することにより、次回に同じ設定のジョブを実行する場合の操作効率を上げることができる。
【0060】
次に、印刷ジョブの設定を行う際にキー操作の更に他の例として、ブック原稿をコピーするときのユーザの操作例を説明する。画像形成装置100でブック原稿(ブック状に製本されている原稿)を読み取って、片側のページごとに同サイズの記録紙に画像形成(印刷)しようとした場合、ユーザは、開いたブック原稿の片方のページを読み込んだ後に、ブック原稿の位置をずらしてもう片方のページを読み込むような作業が必要となる。
【0061】
例えばブック原稿のページサイズがA4、原稿画像の読み取りサイズをA4としたときのユーザの作業手順は以下のようになる。ここで、画像形成装置100では、ソートモード機能(メモリコピーによる電子ソート)がデフォルトになっているものとする。
1.ユーザは、ブック原稿を原稿台のガラス面にセットし、“部数設定キー”により印刷部数を設定する。
2.そして、“読み込み開始キー”を操作して片ページの原稿を読み取る。この場合、原稿台のガラス面に載っているブック原稿は、片ページ分のA4サイズであり、画像形成装置100は、原稿検知サイズとしてA4を検知する。そして、印刷サイズは、デフォルトでは等倍設定になっているため、原稿検知サイズと同じA4となる。
【0062】
3.次いで、ユーザは、ブック原稿の位置をずらし、再度“読み込み開始キー”を操作してもう一方のページの原稿を読み取る。このとき、もう一方のページの原稿を読み込むために、原稿台のガラス面には、A4×2=A3分の大きさの原稿が載っているため、原稿検知サイズはA3となるが、印刷サイズは最初の印刷サイズと同じA4となる。
4.最後に“スタートキー”を操作すると、片ページずつ読み込んだ2枚のA4サイズの画像を印刷することができる。
【0063】
この場合、印刷実行キーを操作するまでにユーザが操作する回数は、“部数設定キー”、“読み込み開始キー”、原稿入れ替え後の“読み取り開始キー”、の3回である。この場合、ユーザは片ページ毎の印刷ごとに原稿ブックの位置をずらす煩雑な作業が必要となる。
【0064】
画像形成装置100は、印刷ジョブが実行された時点で、そのジョブの設定時の原稿検知サイズが2種類あり、その一方のサイズが他方のサイズの2倍であって、これらの原稿画像を同一サイズの記録紙に画像形成(印刷)した場合、ブック原稿を読み込んだと予想することができる。
ここで、画像形成装置が、原稿台に載置したブック原稿をそのままで2ページ分の原稿画像として読み込むような機能(特別機能)を有する場合、その機能設定のガイダンスを表示させることができる。また、原稿画像の読み込み動作において、原稿検知サイズが1種類の場合は、自動原稿送り装置を使っていないと判断できるため、原稿送り装置を使用するガイダンスを表示させる。
【0065】
ガイダンスにて表示する最適手順は、例えば、以下のようになる。
1.ブック原稿を原稿台にセットする。
2.“部数設定キー”により、印刷部数を設定する。
3.特別機能を設定するための“特別機能キー”を押下する。“特別機能キー”を押下することにより、以下の“1セット2コピー”を設定することができるようになる。
4.“1セット2コピーキー”を押下する。“1セット2コピーキー”は、ブック原稿を原稿台に置いたままで原稿左右半分を順番にコピーするためのキーである。
5.最後にスタートキーを操作して印刷を実行させる。
印刷実行キーであるスタートキーを操作するまでのキーの操作回数は、“部数設定キー”、
“特別機能キー”、“1セット2コピーキー”の3回である。
【0066】
このように、特別機能キーを使用しない操作では、印刷実行キーを押下するまでにユーザがキーを操作する回数は3回であるが、原稿位置を入れ替えるという煩雑な動作が必要となる。これに対して、特別機能キーを使用した操作では、キー操作の回数は同じ3回であるが、原稿位置を入れ替えるという動作が不必要となる。この特別機能キーを使用した手順をガイダンスによって表示させる。
【0067】
図5は、本発明の画像形成装置おける処理の更に他の例を説明するためのフローチャートである。機器制御部104は、入力部102aに対して操作キー入力が行われると(ステップS21)、その操作キー入力が印刷実行キー(前述のスタートキーに相当)の操作によるものであるか否かを判別する(ステップS22)。操作キー入力が印刷実行キーの操作によるものではなかった場合(ステップS22−No)、機器制御部104は、操作が行われたキーを判定する(ステップS28)。ここでは、例えばk1〜knの操作キーのいずれのキーが操作されたかを判定するものとする。
【0068】
そして、機器制御部104は、キー別操作カウンタの該当カウンタをインクリメントする(ステップS29)。キー別操作カウンタは、判別したキー毎にその操作回数(n)をカウントできるようになっている。
次に読み込み設定内容を記憶する(ステップS30)。読み込み設定内容とは、原稿の読み込みに必要な各種の設定を指すものであり、例えば、画像濃度、両面印刷の有無、仕上げの状態、原稿サイズ、変倍等の設定内容を指す。設定内容を変更するキーが押された場合には、その設定内容をワークメモリ等に記憶する必要がある。
その後はステップS22に戻って次のキー操作の内容を判断する。
【0069】
ステップS22で、印刷実行キーが操作された場合には、機器制御部104は、ジョブの内容に応じて、そのジョブを設定するために必要なキー(km)を特定し、そのキーの必要操作回数(m)を抽出する(ステップS24)。ジョブに応じた必要なキーおよびその操作回数の情報は、予め管理部107等に記録保持されている。
【0070】
次に機器制御部104は、読み込み開始キーの操作回数mが、m>1か否かを判断する(ステップS25)。つまりここでは、読み込み開始キーが複数回押されることにより、複数の原稿の読み込み動作を行っているか否かを判定している。m>1であれば、複数の原稿の読み込み動作が行われている。
【0071】
ステップS24でm>1でなければ、そのままジョブを実行し(ステップS27)、処理を終了する。
一方、m>1であれば、さらに同一の原稿サイズを繰り返し読み込んでいるか否かを判断する(ステップS25)。ここで同一の原稿サイズを繰り返し読み込んでいれば、原稿送り装置を使用するガイダンスを表示する(ステップS26)。つまり、同一の原稿サイズを繰り返し読み込んでいる場合には、原稿送り装置を使用することなく、原稿台に1枚ずつ原稿を載せて原稿画像の読み込みを行っていると考えられるため、原稿送り装置のガイダンスを表示させて、より簡便な原稿送り装置の使用をユーザに促す。
【0072】
ステップS25で同一原稿サイズを繰り返し読み込んでいない場合、機器制御部104は、複数のサイズの原稿を同一の用紙サイズに印刷するジョブであるか否かを判断する(ステップS31)。つまり、ブック原稿を片ページずつ同じサイズの記録紙に印刷するジョブであるかを判断している。この場合、ユーザは、ブック原稿の位置をずらしながら片ページずつ画像読み取りを行わせているため、自動検知される原稿サイズは片ページ印刷するごとに変化し、記録紙のサイズは一定となっている。
【0073】
複数のサイズの原稿を同一の用紙サイズに印刷するジョブであれば、特別機能による“1セット2コピー”の機能によって、ユーザが所望する印刷が実行できるものと判断されるため、“1セット2コピー”を使用する手順を示すガイダンスを表示させる(ステップS32)。また、複数のサイズの原稿を同一の用紙サイズに印刷するジョブでなければ、そのままジョブを実行して(ステップS27)、処理を終了する。
【0074】
このように機器制御部104は、入力部102aの操作キーに対する操作入力に基づいて、実行させるジョブを特定し、特定したジョブを実行するためのガイダンス情報を表示する。これにより、ガイダンス表示を適確に実行することができ、ユーザの操作効率を向上させることができる。
【0075】
次に、印刷ジョブの設定を行う際にキー操作の更に他の例として、サイズが異なる原稿を連続してコピーするときのユーザの操作の例を説明する。
例えばA4の原稿と、A3の原稿とが混載された原稿を読み取って印刷させるときのユーザの作業手順は以下のようになる。
【0076】
1.ユーザは、まずA3の原稿を原稿台のガラス面にセットし、“用紙カセット選択キー”により記録紙のサイズをA3に設定する。
2.“読み込み開始キー”を押下して原稿を読み取る。
3.次いでユーザは、A4の原稿を原稿台のガラス面にセットし、“用紙カセット選択キー”により記録紙のサイズをA4に設定する。
4.そして“読み込み開始キー”を操作して原稿を読み取る。
5.混載原稿の数に応じて上記3,4を繰り返すがここでは簡単のため、読み取り原稿はA4,A3の2枚とする。そして最後に“スタートキー”を操作すると、A4、A3サイズの画像を印刷することができる。
【0077】
この場合、印刷実行キーを操作するまでにユーザが操作する回数は、“用紙カセット選択キー”、“読み込み開始キー”、原稿入れ替え後の“用紙カセット選択キー”、“読み取り開始キー”、の4回である。このようにユーザは、原稿サイズが変わるごとに、用紙カセットを選択する操作が必要となる。
【0078】
画像形成装置が、サイズの異なる原稿であってもその原稿サイズを検知して原稿サイズにあった記録紙を選択して印刷する機能(特別機能)を有する場合、その機能設定のガイダンスを表示させることができる。
ガイダンスにて表示する最適手順は、例えば、以下のようになる。
1.特別機能を設定するための“特別機能キー”を押下する。“特別機能キー”を押下することにより、特別機能の専用画面が表示され、以下の混載印刷を設定することができるようになる。
2.専用画面において“混載設定キー”を押下する。“混載設定キー”は、サイズの異なる原稿が混載された原稿群を原稿送り装置で連続的に送りながら、原稿サイズを検知して原稿にあった記録紙に印刷を行うためのキーである。
3.原稿送り装置に混載原稿をセットし、印刷実行キーを操作して印刷を実行させる。
印刷実行キーを操作するまでのキーの操作回数は、“特別機能キー”、“混載設定キー”の2回であり、原稿サイズが変わるごとに“用紙カセット選択キー“を操作する必要はない。この特別機能キーを使用した手順をガイダンスによって表示させる。
【0079】
図6は、本発明の画像形成装置おける処理の更に他の例を説明するためのフローチャートで、上記特別機能の専用画面の使用の有無によりガイダンスを表示させる例を示すものである。
機器制御部104は、入力部102aに対して操作キー入力が行われると(ステップS41)、その操作キー入力が印刷実行キーの操作によるものであるか否かを判別する(ステップS42)。操作キー入力が印刷実行キーの操作によるものではなかった場合(ステップS42−No)、機器制御部104は、操作が行われたキーを判定する(ステップS48)。ここでは、例えばk1〜knの操作キーのいずれのキーが操作されたかを判定するものとする。
【0080】
そして、機器制御部104は、キー別操作カウンタの該当カウンタをインクリメントする(ステップS49)。キー別操作カウンタは、判別したキー毎にその操作回数(n)をカウントできるようになっている。その後はステップS42に戻って次のキー操作の内容を判断する。
【0081】
ステップS42で、印刷実行キーが操作された場合には、機器制御部104は、実行ジョブの内容を特定する(ステップS43)。ここでは機器制御部104は、ユーザによって行われたキー操作の内容に応じて、実行すべきジョブを特定する。
そして機器制御部104は、画像形成装置で用意されている特別機能の中に特定したジョブを実行する機能があるか否かを判定する(ステップS44)。そしてジョブを実行する特別機能があれば、キー別操作カウンタを参照して、その特別機能を設定するキーが押下されているか否かを判別する(ステップS45)。特別機能は、専用画面にて設定することができる。特別機能キーが押下されていれば、そのままジョブを実行し(ステップS47)、処理を終了する。
一方、特別機能キーが押下されていなければ、最適な手順を示すガイダンスを表示する(ステップS46)。ガイダンスでは、特別機能を用いて混載設定を行うことをガイドする。
【0082】
このように機器制御部104は、操作キーに対する操作入力に基づいて、ジョブを特定し、特定したジョブの設定時に特別機能として用意された特定の機能の専用画面が使用されたか否かを判別し、専用画面が使用されていなければ、設定画面を用いたガイダンス情報を表示部102bに表示させる。これにより、ユーザ操作を効率良く実行できるようになる。
【0083】
また、上記の実施形態において、機器制御部104は、表示部102bに対するガイダンス情報の表示中に、現在のジョブの進行状況を表示するようにしてもよい。上記のようにガイダンス情報は、印刷実行キーが押されてジョブの実行中に表示させることができる。このとき、ガイダンスの表示中にジョブの進行状況を表示する。これにより、例えばユーザが画像形成装置を1回限り使用するユーザであって、次回に同じユーザが同じジョブを実行させることが無い場合や、ガイダンス情報の表示が不要なユーザの場合に、現在のジョブの状況を表示部102bにて確認できるようになる。
【0084】
また、機器制御部104は、ガイダンス情報を表示部102bに表示する際に、音声出力部108によりガイダンス情報を表示する旨を音声出力させることができる。例えば、画像形成装置がガイダンス情報の表示機能を有することをユーザが知らない場合、大量に記録紙を排出するジョブ等では、ジョブの実行直後にユーザが画像形成装置から離れてしまう可能性があり、ガイダンス情報に気付かない可能性があるため、音声出力によりガイダンス情報の表示を知らせることで、確実にユーザにガイダンス情報を確認させることができる。
【符号の説明】
【0085】
1…光走査装置、2…現像器、3…感光体ドラム、4…クリーナユニット、5…帯電器、6…中間転写ベルトユニット、7…定着ユニット、10…転写ローラ、11a,11b…ピックアップローラ、12a〜12d…搬送ローラ、13…レジストローラ、61…中間転写ベルト、62…中間転写ベルト駆動ローラ、63…中間転写ベルト従動ローラ、64…中間転写ローラ、65…中間転写ベルトクリーニングユニット、71…ヒートローラ、72…加圧ローラ、73…外部加熱ベルト、81,82…給紙カセット、90…画像読取手段、91…排紙トレイ、92…原稿載置台、93…光源ユニット、94…ミラーユニット、95…CCD、100…画像形成装置、101…画像読取部、101a…CCD、102…操作部、102a…入力部、102b…表示部、103…画像形成部、103a…メモリ、103b…印字部、103c…給紙用トレイ、104…機器制御部、105…通信部、106…HDD、107…管理部、108…音声出力部、120…原稿処理装置、200…装置本体、300…自動原稿処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作入力を受け付ける入力部と、該入力部に対する操作入力に従って画像データを記録媒体に画像形成させるジョブを実行する画像形成部と、ジョブの実行に際して最適な操作手順をガイダンスするためのガイダンス情報を予め記憶する記憶部と、該記憶部に記憶したガイダンス情報を表示する表示部と、該表示部の表示を制御する制御部とを備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、前記画像形成ジョブを実行するために前記入力部に入力された操作入力に基づいて、前記ガイダンス情報を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成ジョブを実行するために前記入力部に入力された操作入力と、該操作入力により実行されるジョブに対応したガイダンス情報とを比較し、
前記操作入力の実際の回数が、前記ガイダンス情報の操作手順に規定される操作入力の数より多い場合、前記ガイダンス情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記入力部は、複数の操作キーに対する入力操作が可能であり、
前記制御部は、前記ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力の回数と、前記ガイダンス情報の操作手順に規定される各操作キーに対する操作入力の回数とを操作キーごとに比較し、
前記操作キーに対する操作入力の回数のいずれかが、前記ガイダンス情報の操作手順に規定される各操作キーに対する操作入力の回数より多い場合、もしくは前記画像形成ジョブを実行させるために操作する必要がある操作キーに対する操作入力が全く行われていない場合、前記ガイダンス情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力部は、複数の操作キーに対する入力操作が可能であり、
前記制御部は、前記操作キーに対する操作入力に基づいて、前記画像形成部に実行させるジョブを特定し、該特定したジョブを実行するための前記ガイダンス情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示部は、特定のジョブについて、該ジョブを設定するための専用画面を表示可能であり、
前記制御部は、前記操作キーに対する操作入力に基づいて、前記画像形成部に実行させるジョブを特定し、該特定したジョブの設定時に前記専用画面が使用されたか否かを判別し、前記専用画面が使用されていなければ、前記設定画面を用いた前記ガイダンス情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ガイダンス情報の表示中に現在のジョブの進行状況を表示することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
音声出力部を有し、
前記制御部は、前記ガイダンス情報を前記表示部に表示する際に、前記音声出力部によりガイダンス情報を表示する旨を音声出力させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−218292(P2012−218292A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86221(P2011−86221)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】