説明

画像形成装置

【課題】初期から経時にわたって定着装置の異常発生を早期のうちに適切に判断することを課題とする。
【解決手段】定着ベルトの温度を検知する非接触温度センサ75と、ハロゲンヒータ72による定着ベルトの加熱開始時から所定の異常判断時間Tが経過するまでに非接触温度センサの検知温度sが所定の設定温度Sに到達しないとき、ハロゲンヒータによる定着ベルトの加熱を停止させる。このとき、異常判断時間Tの長さを走行距離カウンタ103が取得した定着ベルトの走行距離に応じて変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源により加熱された無端状の定着ベルトを用いて記録材上に担持された未定着画像を加熱定着させる定着装置を備えた、複写機、プリンタ、ファクスミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置においては、近年、不使用時には定着ヒータ(熱源)への通電を遮断し、必要時にのみ通電して消費電力を低減した省エネルギー型の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、画像形成命令を受けてから定着ヒータへの通電を開始して定着部材の温度を目標定着温度まで昇温させることになる。そのため、定着ヒータへの通電を開始してから定着部材の温度が目標定着温度に達するまでの立ち上がり時間が長い場合、定着処理を行うことができない時間が長くなる。この場合、画像形成命令を受けてから最初の画像が出力されるまでのファーストプリント時間が長期化してしまう。そのため、省エネルギー型の画像形成装置では、定着装置の立ち上がり時間を短くすることが重要である。
【0003】
従来、定着ローラよりも熱容量の小さい定着ベルトを定着部材として用いることで、立ち上がり時間の短縮化を実現した定着ベルト方式の定着装置が知られている(特許文献1等)。特に、特許文献1に開示された画像形成装置の定着装置は、内面を黒色処理した可撓性を有する略円筒状の定着ベルトを輻射熱源(ハロゲンヒータ)によって直接加熱するように構成されている。この定着装置では、輻射熱を利用して定着ベルトを加熱することで昇温速度が高まり、定着ベルトの内面を黒色処理することで輻射熱の発熱効率が高まる。その結果、上記特許文献1によれば、例えば10秒以下の高速立ち上げを実現できるとしている。
【0004】
また、上記特許文献1に開示の画像形成装置には、定着ベルトの温度を検知する温度検知手段が設けられている。この画像形成装置では、温度検知手段の検知温度が規定温度以上の過昇温となったとき、異常が発生したと判断して、ハロゲンヒータをオフにすると同時に、記録媒体の搬送を停止し、プリント動作を停止する。また、操作パネルにサービスマンコールを表示するなどの警告表示も同時に行う。
【0005】
また、特許文献2には、定着ローラの温度を検知する温度検知手段を備えた定着装置が開示されている。この定着装置では、定着ローラを加熱するヒータへの通電を開始してから所定時間(所定の異常判断時間)が経過しても温度検知手段の検知温度が設定温度以上にならない場合に、温度検知手段や熱源に異常が発生したと判断する異常判断処理を行う。この異常判断処理により異常であると判断された場合には、ヒータへの通電停止、エラーメッセージの表示が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
定着ベルト方式を採用する定着装置においても、温度検知手段や熱源等に異常が発生している場合には、制御部が熱源への通電を指示しても、温度検知手段の検知温度がいつまでも設定温度以上にならないことがあり得る。したがって、定着ベルト方式を採用する定着装置でも、上記特許文献2に記載の異常判断処理と同様、熱源による定着ベルトの加熱開始時から所定の異常判断時間が経過するまでに温度検知手段の検知温度が設定温度以上にならない場合には異常が発生したと判断するという異常判断処理を行うことは有益である。
【0007】
ところが、定着ベルト方式を採用する定着装置は、種々の原因によって、定着ベルトの昇温速度が定着装置の使用履歴の長さに応じて変化する。例えば、定着装置の経時的な使用によって熱源に異物が付着すると、熱源による定着ベルトの加熱能力が低下し、定着ベルトの昇温速度が遅くなる。また、例えば、加熱効率を高めるために熱源から放射される電磁波を定着ベルトへ向かわせる反射部材が設けられている定着装置においては、定着装置の経時的な使用によって反射部材に異物が付着し、反射部材の反射効率が低下することがある。この場合、定着ベルトの加熱効率が低下するので、定着ベルトの昇温速度は遅くなる。また、例えば、上記特許文献1に開示の定着装置のように、輻射熱による加熱効率を高めるために黒色処理が施された定着ベルトを用いる場合、定着装置の経時的な使用によって黒色処理部分が摩耗する。この場合、その黒色処理部分の厚みが薄くなったり、その黒色処理部分の表面状態が平滑になったりする結果、定着ベルトの加熱効率が低下し、定着ベルトの昇温速度が遅くなる。
【0008】
定着ベルトの昇温速度が遅くなると、温度検知手段や熱源等に異常がない場合でも、検知温度が設定温度以上になるまでの時間が長くなる。そのため、初期時において温度検知手段や熱源等に異常がない場合に検知温度が設定温度以上になる適切な時間に異常判断時間を設定したとしても、定着装置が経時的に使用された後の経時においては、異常がない場合でもその異常判断時間内に検知温度が設定温度以上にならないおそれがある。この場合、経時において、異常がないにも拘わらず異常があると誤判断してしまうおそれがあるという問題が生じる。
【0009】
この問題を解決する方法としては、経時においても異常がない場合に検知温度が設定温度以上になるような十分に長い時間に、異常判断時間を予め設定しておくという方法が考えられる。
しかしながら、異常判断時間を長く設定すると、実際に異常が発生しているときに、異常が発生していると認識する時期が遅れ、異常の発生を早期に認識することができなくなる。異常の発生を早期に認識できないと、例えば、当該異常が発生した画像形成装置で画像を出力しようとしていたユーザーに対し、画像出力ができないことを知らせる時期が遅れる。その結果、その画像を別の画像形成装置で出力するといった作業の着手に遅れ、ユーザーが出力画像を得る時期が遅くなってしまい、ユーザーの利便性を損なう結果を招く。
【0010】
また、異常の発生を早期に認識できないと、例えば、異常を取り除くためのメンテナンス作業を早期に開始できず、当該異常が発生した画像形成装置のダウンタイムが長くなるといった不利益ももたらす。
また、例えば、温度検知手段の異常が原因で検知温度が設定温度以上にならない場合、異常判断時間が経過するまでは異常と判断されずに熱源への通電が継続される。この場合、異常判断時間が長く設定されていると、定着ベルトが過剰に昇温して、定着ベルトの損傷などの故障を引き起こす場合がある。
【0011】
よって、異常判断時間は、異常か否かを適切に判断するのに必要な時間を確保しつつも、できるだけ短い時間に設定することが望まれる。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、初期から経時にわたって異常の発生を早期のうちに適切に判断できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、熱源により加熱された無端状の定着ベルトを用いて記録材上に担持された未定着画像を加熱定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、上記定着ベルトの温度を検知する温度検知手段と、熱源による定着ベルトの加熱開始時から所定の異常判断時間が経過するまでに上記温度検知手段の検知温度が所定の設定温度に到達しないとき、該熱源による定着ベルトの加熱を停止させる制御を実行する加熱停止制御手段と、上記定着装置の使用履歴を取得する使用履歴取得手段と、所定の変更タイミングで、上記所定の異常判断時間の長さを上記使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて変更する異常判断時間変更手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記使用履歴取得手段は、上記定着ベルトの走行距離を、上記定着装置の使用履歴として取得することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、未定着画像を担持した記録材を上記定着ベルトの外周面に当接させるために該定着ベルトの外周面との間で定着ニップを形成し、該定着ニップを記録材が通過するときの記録材搬送方向に対して連れ回り方向に回転する加圧回転体を備えており、上記使用履歴取得手段は、上記加圧回転体の回転回数を、上記定着装置の使用履歴として取得することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記使用履歴取得手段は、画像形成した記録材の数又は画像形成動作時間を、上記定着装置の使用履歴として取得することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記異常判断時間変更手段は、上記使用履歴取得手段が取得した使用履歴が長いほど、上記所定の異常判断時間が長くなるように変更することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記熱源は、電磁波を放射して上記定着ベルトに輻射熱を発生させる輻射熱源であり、上記定着ベルトは、上記熱源と対向するベルト面に、該熱源が放射する電磁波の吸収率を高める吸収率向上処理が施されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記輻射熱源はハロゲンヒータであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記温度検知手段は、上記定着ベルトに対して非接触の状態で該定着ベルトの温度を検知する非接触温度センサであることを特徴とするものである。
【0014】
本発明においては、加熱停止制御手段が熱源による定着ベルトの加熱を停止させるべき異常が発生したか否かを判断する異常判断時間の長さが、定着装置の使用履歴に応じて変更する。これにより、初期から経時にわたって、定着装置の経時使用によって変化する定着ベルトの昇温速度の変化に合わせた適切な異常判断時間(異常か否かを適切に判断するのに必要な時間を確保しつつもできるだけ短い時間)を用いて、異常判断処理を実行することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上より、本発明によれば、初期から経時にわたって異常の発生を早期のうちに適切に判断できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。
【図2】同複写機の定着装置を示す概略構成図である。
【図3】同定着装置に設けられる定着ベルトの層構成を示す断面図である。
【図4】実施形態における定着温度制御を行う制御系の概要を示すブロック図である。
【図5】同定着温度制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】定着ベルトの走行距離と定着ベルトに輻射熱を発生させる電磁波の吸収率との関係を示すグラフである。
【図7】図6中符号Pで示す時点の立ち上げヒータ通電時間と定着ベルトの検知温度との関係を示すグラフである。
【図8】図6中符号Qで示す時点の立ち上げヒータ通電時間と定着ベルトの検知温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式によって画像を形成する複写機の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。
この複写機1は、スキャナ2、光書込装置3、作像ユニット4、転写装置5、原稿自動搬送装置6、定着装置7、給紙装置8、手差しトレイ9などを備えている。
【0018】
スキャナ2は、周知の技術により、原稿シートDの画像を光学的に読み取ってデジタル画像情報を構築するものである。また、原稿自動搬送装置6は、周知の技術により、原稿シートDをスキャナ2の画像読取部に自動搬送するものである。また、光書込装置3は、外部のパーソナルコンピュータや、スキャナ2などから送られてくるデジタル画像情報に基づいて生成した書込光Lによって感光体4aを光走査して、感光体4aに静電潜像を形成するものである。また、作像ユニット4は、周知の電子写真プロセスにより、感光体4aの静電潜像を現像してトナー像を得るものである。また、転写装置5は、感光体4aの表面に形成されたトナー像を記録材としての記録シートPの表面に転写するものである。また、定着装置7は、記録シートPの表面にトナー像を定着せしめるものである。また、給紙装置8は、内部の給紙カセット内に収容している記録シートPを転写装置5に向けて給紙するものである。また、手差しトレイ9は、トレイ上に手差しされた記録シートPを転写装置5に向けて給紙するものである。
【0019】
原稿自動搬送装置6の原稿台に載置された原稿シートDは、原稿台から図中の矢印方向に搬送される。そして、原稿面を下に向けてスキャナ2の画像読取部の真上を通過する。このとき、スキャナ2は、画像読取部の真上を通過する原稿シートDの画像を光学的に読み取って、デジタル画像情報を構築して、後述する制御部や、光書込装置3に送る。光書込装置3は、送られてきたデジタル画像情報に基づいてレーザーダイオードなどの光源を駆動して書込光Lを生成し、この書込光Lによって作像ユニット4の感光体4aを光走査する。
【0020】
作像ユニット4は、潜像担持体としてのドラム状の感光体4aを図中時計回り方向に回転駆動しながら、帯電装置によってその表面を一様に帯電せしめる。一様帯電後の感光体4aの表面は、上述した光走査によって静電潜像を担持する。作像ユニット4は、現像装置によってその静電潜像を現像してトナー像にする。このトナー像は、転写装置5のベルト部材と、感光体4aとの当接による転写ニップを通過する際に、自らと同期するように転写ニップ内に送り込まれてきた記録シートPの表面に転写される。
【0021】
給紙装置8、あるいは手差しトレイ9は、感光体4aに対する光走査が開始されると、記録シートPを転写装置5に向けて給紙する。給紙された記録シートPは、転写ニップの直前に設けられたレジストローラ対のローラ間に挟み込まれて一旦停止する。そして、レジストローラ対により、感光体4a上のトナー像に同期するタイミングで転写ニップに向けて送り出される。
【0022】
転写ニップから排出された記録シートPは、定着装置7に送り込まれる。そして、定着装置7によって加圧及び加熱されることで、その表面にトナー像が定着せしめられる。その後、定着装置7から排出された記録シートPは、排紙ローラ対を経て機外に排出される。このようにして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る複写機の定着装置を示す概略構成図である。
定着装置7は、ベルトユニット70、加圧回転体としての加圧ローラ79、温度検知手段としてのサーミスタ等からなる非接触温度センサ75、図示しないシート検知センサなどを有している。また、ベルトユニット70は、無端状の定着ベルト71、熱源であるハロゲンヒータ72、押圧部材としての押圧パッド73、押圧パッド73を保持する保持部材74等を具備している。
【0024】
定着装置7は、図示のように、ベルトユニット70の定着ベルト71の外周面と、加圧ローラ79とを当接させて定着ニップを形成している。そして、上述した転写装置から送られてくる記録シートPをこの定着ニップに挟み込んで加熱及び加圧することで、記録シートPに対してトナー像Tの定着処理を施す。ベルトユニット70は、定着ベルト71の内周面側に配設されたハロゲンヒータ72により、定着ベルト71を内側から加熱する。加熱された定着ベルト71が定着ニップで記録シートPに密着することで、記録シートPを加熱してトナー像Tのトナーの軟化を促す。記録シートPに熱を与えながらトナー像を定着せしめる定着部材として、熱容量が小さい定着ベルト71を用いることで、定着部材を加熱し初めてから目標定着温度まで昇温させるのに必要な立ち上がり時間を非常に短くすることができる。ハロゲンヒータ72に対する電源のオン/オフ制御は、定着ベルト71の外周面側でベルト表面に非接触で近接配置された温度センサ75の検知温度が所定の目標定着温度範囲内になるように行われる。
【0025】
定着ベルト71は、直径が30mmとなるように円筒状(無端状)に形成され、かつ、可撓性を発揮するものであり、後述する加圧ローラ79の図中反時計回り方向の回転駆動に追従して、図中時計回り方向に無端移動する。
【0026】
図3は、本実施形態の定着ベルト71の層構成を示す断面図である。
本実施形態の定着ベルト71は、図3に示すように、無端状のベルト基体71aの外周面側に中間弾性層71b及び表面離型層71cが順次積層された層構成となっており、全体の厚さが1mm以下に設定されている。
【0027】
定着ベルト71のベルト基体71aは、層厚が30μm以上50μm以下であって、ニッケル、ステンレス等の金属材料で形成されている。
定着ベルト71の中間弾性層71bは、層厚が100μm以上300μm以下であって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料で形成されている。中間弾性層71bを設けることで、定着ニップにおける定着ベルト71の外周面の微小な凹凸が改善され、記録シートP上のトナー像Tに均一に熱が伝わって、いわゆるユズ肌画像の発生が抑止される。
【0028】
定着ベルト71の表面離型層71cは、層厚が10μm以上50μm以下であって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等の材料で形成されている。表面離型層71cを設けることで、定着ベルト71のトナー像Tに対する離型性(剥離性)が担保される。
【0029】
また、本実施形態においては、定着ベルト71の内周面すなわちベルト基体71aの内周面上に、吸収率向上処理としての黒色処理が施された黒色処理層71dが形成されている。この黒色処理層71dは、黒色ニッケルや黒色クロムをめっき処理したり酸化物を付着させたり、あるいは、ベルト基体71aを酸化させたりすることで形成される。黒色処理層71dを設けることで、ハロゲンヒータ72が放射する赤外線等の電磁波の吸収率が高まり、ハロゲンヒータ72の輻射熱による加熱効率が向上する。その結果、定着ベルト71の昇温速度を高めることができる。
【0030】
定着ベルト71の内周面側に配設された押圧パッド73は、定着ベルト71の内周面側に固設されていて、定着ベルト71を介して加圧ローラ79に当接して定着ニップを形成する。押圧パッド73と定着ベルト71とが摺接しても定着ベルト71の磨耗が軽減されるように、押圧パッド73の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成することが好ましい。
【0031】
定着ニップにおける押圧パッド73を保持する保持部材74は、定着ベルト71の内周面側に固設されている。保持部材74が押圧パッド73及び定着ベルト71を介して加圧ローラ79に当接することで、定着ニップにおいて押圧パッド73が加圧ローラ79の加圧力を受けて必要以上に変形する(撓む)ことが抑止されている。保持部材74は、この機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。更には、加圧ローラ79による加圧方向に沿って横長の断面を有するように保持部材74を形成することで、断面係数が大きくなって保持部材74の機械的強度を高めることができる。また、保持部材74の表面に、例えば、ハロゲンヒータ72から放射される電磁波に対して反射率が高い材料(例えばアルミニウム)を貼り付けることで、ハロゲンヒータ72による定着ベルト71の輻射熱による加熱効率を更に高めることができる。
【0032】
加圧ローラ79は、直径が30mmであって、中空構造の芯金79a上に弾性層79bを形成したものである。加圧ローラ79の弾性層79bは、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。弾性層79bの表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層79cを設けることもできる。加圧ローラ79は、定着ベルト71に圧接して、双方の部材間に所望の定着ニップを形成する。
【0033】
本実施形態の熱源は、電磁波を放射して定着ベルト71に輻射熱を発生させる輻射熱源としてのハロゲンヒータ72であり、定着ベルト71の内周面側に固設されている。本実施形態の熱源は、1本のハロゲンヒータ72で構成されているが、長手方向(定着ベルト71の回転軸方向)に並べた複数本のハロゲンヒータで構成してもよい。この場合、様々な用紙幅の連続通紙に対応することができる。
【0034】
非接触温度センサ75は、定着ベルト71の外周面側から、定着ベルト71を挟んでハロゲンヒータ72の対向位置(ハロゲンヒータ72に最も近接する位置)に配置されている。温度検知手段としては接触式の温度センサを用いてもよいが、その場合、温度センサ上にオフセットトナー等の異物が堆積し、それが後の記録シートP上に付着して画像汚れを発生させることがある。本実施形態のように非接触温度センサ75を採用することで、このような画像汚れが発生しない。
【0035】
図4は、本実施形態における定着温度制御を行う制御系の概要を示すブロック図である。
複写機本体のユーザーパネルや複写機にネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ等の操作部200をユーザーが印刷操作を行うと、複写機本体の制御部100に印刷要求が入力される。制御部は、制御装置101、タイマー102、走行距離カウンタ103、枚数カウンタ104などから構成されている。
【0036】
制御装置101は、ハロゲンヒータ72の通電制御(温度制御)、加圧ローラ79の駆動制御などを実行する。
タイマー102は、ハロゲンヒータ72の点灯時間(ヒータ通電時間)をカウントするものであり、通電開始と同時にカウントが開始され、ハロゲンヒータ72への通電がオフになったらカウント値がリセットされる。
走行距離カウンタ103は、加圧ローラ79の回転速度と加圧ローラ79の駆動時間との積を、定着装置の使用履歴を示す定着ベルト71の走行距離として、走行距離カウンタに積算していく。
枚数カウンタ104は、画像形成を行った記録シートPの枚数を積算していく。
【0037】
図5は、本実施形態における定着温度制御の流れを示すフローチャートである。
操作部200から制御部100に印刷要求が入力されると(S1)、まず、この印刷要求が入力された時点の走行距離カウンタ103のカウント値から、異常判断に用いる異常判断時間Tを決定する(S2)。本実施形態では、下記の表1に示すようなデータテーブルを制御装置101内の記憶部に記憶しており、このデータテーブルを参照して、走行距離カウンタ103のカウント値から異常判断時間Tを決定する。
【表1】

【0038】
このようにして異常判断時間Tを決定したら、つづいて、モータ77の駆動を開始し、加圧ローラ79を回転駆動させるとともに(S3)、電源76によりハロゲンヒータ72への通電を開始する(S4)。また、ハロゲンヒータ72への通電を開始したことで、制御部100のタイマー102はヒータ通電時間(加熱開始からの経過時間)tのカウントを開始する(S5)。以下、このヒータ通電時間tを「立ち上げヒータ通電時間」とする。
【0039】
本実施形態では、立ち上げヒータ通電時間tが異常判断時間T以上になるまでの間(S6)、非接触温度センサ75により定着ベルト71の温度を検知し(S7)、その検知温度sが予め決められた設定温度S以上になったか否かを判断する(S8)。この判断の周期は、適宜設定されるが、本実施形態では500msecに設定してある。すなわち、500msecごとに、定着ベルト71の検知温度sを取得して、その検知温度sが設定温度S以上か否かを判断する。そして、立ち上げヒータ通電時間tが異常判断時間T以上になる前に検知温度sが設定温度S以上になったら(S8のYes)、上記S1で入力された印刷要求に従った印刷処理(画像形成処理)を開始する(S9)。
【0040】
印刷処理の実行中は定着ベルト71の温度が目標温度範囲に維持されるように温度維持制御が実行される(S10)。この温度維持制御は、例えば、非接触温度センサ75の検知温度が目標温度範囲内で設定された所定の閾値温度を超えたら電源76によるハロゲンヒータ72への通電をオフにし、検知温度が閾値温度以下になったら通電をオンにするといった制御を採用できるが、他の制御内容であってもかまわない。そして、印刷要求に係る印刷処理が終了したら(S11)、ハロゲンヒータ72への通電を停止するとともに(S12)、加圧ローラ79の回転駆動を停止させる(S13)。
【0041】
一方、検知温度sが設定温度S以上になる前に(S8)、立ち上げヒータ通電時間tが異常判断時間T以上になった場合には(S6のYes)、非接触温度センサ75又は熱源(ハロゲンヒータ72及び電源76)に異常があったと判断し、異常対応処理を実行する。本実施形態では、異常対応処理として、ハロゲンヒータ72への通電を停止する処理(S14)、加圧ローラ79の回転駆動を停止する処理(S15)、ユーザー等に対するエラーメッセージの表示処理(S16)を行うが、他の異常対応処理を行ってもよい。
【0042】
ここで、定着ベルト71の走行距離(定着装置の使用履歴)と定着ベルト71に輻射熱を発生させる電磁波の吸収率との関係について説明する。
図6は、定着ベルト71の走行距離と定着ベルト71に輻射熱を発生させる電磁波の吸収率との関係を示すグラフである。
本実施形態における定着ベルト71は、上述したように、その内周面側に黒色処理層71dが設けられており、ベルト内周面がベルト基体71aのままの場合と比較して、ハロゲンヒータ72が放射する赤外線等の電磁波の吸収率が高い。具体的には、黒体の吸収率を1とすると、本実施形態における定着ベルト71の初期時の吸収率は約0.9である。
【0043】
ところが、定着ベルト71の内周面は、定着ベルト71の走行中に押圧パッド73に対して摺動するので、定着ベルト71の走行により徐々に磨耗していく。これにより、定着ベルト71の内周面に設けられた黒色処理層71dの厚みが徐々に薄くなっていき、電磁波の吸収率が下がっていく。また、定着ベルト71の走行中における押圧パッド73との摺動によって、定着ベルト71の内周面は徐々に平滑になっていく。一般に、平滑な面よりも粗い面の方が電磁波の吸収率が高い。これらの理由から、定着ベルト71における電磁波の吸収率は、図6に示すように、定着ベルトの走行距離が増加するにしたがって徐々に下がっていく。本実施形態の定着ベルト71の場合、初期時には約0.9であった電磁波の吸収率が、走行距離が増加することで、0.8程度まで低下する。
【0044】
次に、定着ベルト71の加熱を開始してからの経過時間(立ち上げヒータ通電時間t)と定着ベルト71の検知温度sとの関係について説明する。
図7は、図6中符号Pで示す時点の立ち上げヒータ通電時間tと定着ベルト71の検知温度sとの関係を示すグラフである。
図8は、図6中符号Qで示す時点の立ち上げヒータ通電時間tと定着ベルト71の検知温度sとの関係を示すグラフである。
【0045】
図7に示すグラフより、初期時に近い時点Pにおいては、電磁波の吸収率が比較的高いため、ハロゲンヒータ72による定着ベルト71の加熱効率が高く、定着ベルト71の昇温速度が早い。一方、図8に示すグラフより、定着ベルト71の走行距離が長くなった経時の時点Qにおいては、電磁波の吸収率が時点Pのときよりも低くなっている。そのため、ハロゲンヒータ72による定着ベルト71の加熱効率は、時点Pのときよりも低くなっており、定着ベルト71の昇温速度が遅くなっている。
【0046】
本実施形態においては、初期時における異常判断時間Tを次のように設定している。定着ベルト71の検知温度sが基準温度(ここでは0℃とする。)である状態から動作下限電圧(本実施形態では90V)でハロゲンヒータ72への通電を行って定着ベルトを加熱したとき場合に(図7中符号Bで示すグラフ)、定着ベルト71の検知温度sが設定温度S(本実施形態では140℃とする。)まで上昇するのにかかった時間(図7中符号αで示す期間)を、初期時における異常判断時間Tとして用いる。本実施形態における初期時の異常判断時間Tは、上記表1に示したとおり、30秒である。
【0047】
異常のような設定により、初期の頃は、標準電圧でハロゲンヒータ72への通電を行って定着ベルトを加熱した場合はもとより(図7中符号Aで示すグラフ)、動作下限電圧付近で加熱された場合であっても(図7中符号Bで示すグラフ)、非接触温度センサ75や熱源(ハロゲンヒータ72及び電源76)に異常がなければ、立ち上げヒータ通電時間tが異常判断時間T(=α)を経過する前に、定着ベルト71の検知温度sが設定温度Sに達する。一方、非接触温度センサ75や熱源(ハロゲンヒータ72及び電源76)に異常が発生している場合、定着ベルト71の検知温度sが設定温度Sに達する前に、立ち上げヒータ通電時間tが異常判断時間T(=α)を経過する(図7中符号Cで示すグラフ)。これにより、初期時においては異常を適切に判断できる。
【0048】
しかしながら、異常判断時間Tが初期時のままα時間に固定されていると、図8に示すように、動作下限電圧付近で加熱された場合には(図8中符号Bで示すグラフ)、非接触温度センサ75や熱源(ハロゲンヒータ72及び電源76)に異常がなくても、定着ベルト71の検知温度sが設定温度Sに達する前に、立ち上げヒータ通電時間tが異常判断時間T(=α)を経過してしまう。この場合、異常がないにも拘わらず異常があると誤判断する結果を招く。
【0049】
本実施形態において、経時の時点Qにおける異常判断時間Tは、初期時の時点Pの時間αよりも長い時間βが用いられる。この時間βは、経時の時点Qにおいて、定着ベルト71の検知温度sが基準温度である状態から動作下限電圧でハロゲンヒータ72への通電を行って定着ベルトを加熱したとき場合に(図8中符号Bで示すグラフ)、定着ベルト71の検知温度sが設定温度Sまで上昇するのにかかる時間(図8中符号βで示す期間)に相当する。本実施形態における経時の異常判断時間Tは、上記表1に示したとおり、40秒である。
【0050】
本実施形態によれば、加熱停止制御手段としての制御装置101がハロゲンヒータ72による定着ベルト71の加熱を停止させるべき異常が発生したか否かを判断する異常判断時間Tの長さを、定着ベルト71の走行距離(定着装置の使用履歴)に応じて変更する。これにより、初期から経時にわたって、定着装置7の経時使用によって変化する定着ベルトの昇温速度の変化に合わせた適切な異常判断時間(異常か否かを適切に判断するのに必要な時間を確保しつつもできるだけ短い時間)を用いて、異常判断処理を実行することができる。
【0051】
なお、上述した説明では、定着ベルト71の内面面に施された黒色処理層71dの劣化(層厚低下や平滑化)により定着ベルトの昇温速度が変化する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、他の原因によって定着ベルトの昇温速度が定着装置の使用履歴に応じて変化する場合にも同様に適用できる。例えば、押圧パッド73を保持する保持部材74の表面性状あるいは保持部材74の表面に貼り付けたアルミニウム等のリフレクタが劣化して又は異物が付着して、保持部材74で反射する電磁波の量が減ると、定着ベルトの輻射熱による昇温速度が落ち込むが、この場合にも本発明を適用できる。また、例えば、定着ベルト71の内周面にグリスを塗布してそのグリスがハロゲンヒータ72のガラス管に付着するなどしてハロゲンヒータ72に異物が付着したり、ハロゲンヒータ72自体が劣化したりする場合も、定着ベルトの昇温速度が落ち込むが、この場合にも本発明を適用できる。
【0052】
以上、本実施形態に係る複写機は、熱源としてのハロゲンヒータ72により加熱された無端状の定着ベルト71を用いて記録材としての記録シートP上に担持された未定着画像を加熱定着させる定着装置7を備えた画像形成装置である。本複写機には、定着ベルト71の温度を検知する温度検知手段としての非接触温度センサ75と、ハロゲンヒータ72による定着ベルト71の加熱開始時から所定の異常判断時間Tが経過するまでに非接触温度センサ75の検知温度sが所定の設定温度Sに到達しないとき、ハロゲンヒータ72による定着ベルト71の加熱を停止させる制御を実行する加熱停止制御手段としての制御装置101と、定着装置7の使用履歴を示す定着ベルト71の走行距離を取得する使用履歴取得手段としての走行距離カウンタ103と、所定の変更タイミングで、異常判断時間Tの長さを走行距離カウンタ103が取得した定着ベルト71の走行距離に応じて変更する異常判断時間変更手段としての制御装置101とが設けられている。これにより、初期から経時にわたって、定着装置7の経時使用によって変化する定着ベルトの昇温速度の変化に合わせた適切な異常判断時間(異常か否かを適切に判断するのに必要な時間を確保しつつもできるだけ短い時間)を用いて異常判断処理を実行することができる。
【0053】
また、本実施形態において、定着ベルト71の走行距離を、定着装置の使用履歴として用いれば、定着装置の使用履歴を高い精度で把握することができる。
ただし、本実施形態では、未定着画像を担持した記録シートPを定着ベルト71の外周面に当接させるために定着ベルト71の外周面との間で定着ニップを形成し、定着ニップを記録シートPが通過するときの記録材搬送方向に対して連れ回り方向に回転する加圧回転体としての加圧ローラを備えているので、この加圧ローラの回転回数を定着装置の使用履歴として取得してもよい。加圧ローラの回転回数は、定着ベルト71の走行距離と高い相関関係があるので、定着ベルト71の走行距離を直接的に検出する場合と同様に、定着装置の使用履歴を高い精度で把握することができる。
【0054】
また、本実施形態では、画像形成を行った記録シートPの枚数(すなわち累積画像形成枚数)を積算する枚数カウンタ103が設けられているので、その枚数カウンタ103のカウント値(累積画像形成枚数)を定着装置7の使用履歴として用いてもよい。累積画像形成枚数も、定着ベルト71の走行距離と高い相関関係があるので、定着ベルト71の走行距離を直接的に検出する場合と同様に、定着装置の使用履歴を高い精度で把握することができる。また、累積画像形成動作時間を定着装置7の使用履歴として用いても、同様の効果が得られる。
【0055】
また、本実施形態においては、定着装置7の使用履歴が長いほど異常判断時間Tが長くなるように異常判断時間Tを変更するので、定着装置7の経時使用によって定着ベルトの昇温速度が徐々に遅くなるような状況において、適切な異常判断時間を用いた異常判断処理を実現できる。
なお、本発明によれば、定着装置7の経時使用によって定着ベルトの昇温速度が徐々に早まるような状況においては、定着装置7の使用履歴が長いほど異常判断時間Tが短くなるように異常判断時間Tを変更するので、このような状況において適切な異常判断時間を用いた異常判断処理を実現できる。
【0056】
また、本実施形態において、熱源であるハロゲンヒータ72は、電磁波を放射して定着ベルト71に輻射熱を発生させる輻射熱源であり、定着ベルト71は、ハロゲンヒータ72と対向するベルト面(内周面)に、ハロゲンヒータ72が放射する電磁波の吸収率を高める吸収率向上処理としての黒色処理が施されたものである。よって、定着ベルトの昇温速度が早く、定着装置の立ち上がり時間を高速化できる。しかも、この構成においては、定着装置の経時使用により、黒色処理が施されたベルト面が摩耗して電磁波の吸収率が落ち、定着ベルトの昇温速度が遅くなるが、本発明により適切な異常判断時間を用いた異常判断処理を実現できる。
【0057】
また、本実施形態においては、輻射熱源としてハロゲンヒータ72を用いているので、特殊な熱源を用いず、実施化が容易である。
また、本実施形態においては、定着ベルトの温度を検知する温度検知手段として、定着ベルト71に対して非接触の状態で定着ベルト71の温度を検知する非接触温度センサ75を用いている。温度検知手段として接触式の温度センサを用いてもよいが、その場合、温度センサ上にオフセットトナー等の異物が堆積し、それが後の記録シートP上に付着して画像汚れを発生させることがある。本実施形態のように非接触温度センサ75を採用することで、このような画像汚れが発生しない。
【符号の説明】
【0058】
1 複写機
2 スキャナ
3 光書込装置
4 作像ユニット
5 転写装置
7 定着装置
70 ベルトユニット
71 定着ベルト
71a ベルト基体
71b 中間弾性層
71c 表面離型層
71d 黒色処理層
72 ハロゲンヒータ
73 押圧パッド
74 保持部材
75 非接触温度センサ
76 電源
77 モータ
79 加圧ローラ
100 制御部
101 制御装置
102 タイマー
103 走行距離カウンタ
103 枚数カウンタ
104 枚数カウンタ
200 操作部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2005−092080号公報
【特許文献2】特開平6−131061号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源により加熱された無端状の定着ベルトを用いて記録材上に担持された未定着画像を加熱定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、
上記定着ベルトの温度を検知する温度検知手段と、
熱源による定着ベルトの加熱開始時から所定の異常判断時間が経過するまでに上記温度検知手段の検知温度が所定の設定温度に到達しないとき、該熱源による定着ベルトの加熱を停止させる制御を実行する加熱停止制御手段と、
上記定着装置の使用履歴を取得する使用履歴取得手段と、
所定の変更タイミングで、上記所定の異常判断時間の長さを上記使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて変更する異常判断時間変更手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記使用履歴取得手段は、上記定着ベルトの走行距離を、上記定着装置の使用履歴として取得することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
未定着画像を担持した記録材を上記定着ベルトの外周面に当接させるために該定着ベルトの外周面との間で定着ニップを形成し、該定着ニップを記録材が通過するときの記録材搬送方向に対して連れ回り方向に回転する加圧回転体を備えており、
上記使用履歴取得手段は、上記加圧回転体の回転回数を、上記定着装置の使用履歴として取得することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、
上記使用履歴取得手段は、画像形成した記録材の数又は画像形成動作時間を、上記定着装置の使用履歴として取得することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記異常判断時間変更手段は、上記使用履歴取得手段が取得した使用履歴が長いほど、上記所定の異常判断時間が長くなるように変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記熱源は、電磁波を放射して上記定着ベルトに輻射熱を発生させる輻射熱源であり、
上記定着ベルトは、上記熱源と対向するベルト面に、該熱源が放射する電磁波の吸収率を高める吸収率向上処理が施されたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
上記輻射熱源はハロゲンヒータであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記温度検知手段は、上記定着ベルトに対して非接触の状態で該定着ベルトの温度を検知する非接触温度センサであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−247504(P2012−247504A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117439(P2011−117439)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】