説明

画像形成装置

【課題】装置の設置面の状態やオプション装置の有無などによる装置の重心の位置の変化に拘わらず、装置本体のフレームの撓みや捩れを抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、第1の側面側のフレーム100の下部の第1の稜線101に沿って少なくとも2箇所に設けられた第1の支持脚111、112と、第1の側面と対向する第2の側面側のフレーム100の下部の第2の稜線102に沿って設けられた第2の支持脚120と、第2の稜線102に沿って設けられた第3の支持脚131と、を有する。第3の支持脚131は、第2の稜線102に沿って第2の支持脚120よりも画像形成装置の使用状態によってその重心の位置が変化する側の位置に配置され、設置面Lに接触しないように収納された第1の位置から設置面Lに接触する第2の位置まで略鉛直方向に沿って移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する画像形成装置などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置などの画像形成装置では、画像形成装置の本体(以下「装置本体」という。)のフレームに画像形成部が支持されている。良好な画像を形成し、又装置の構成部品の損傷を抑制するためには、フレームの撓みや捩れを抑制することが望まれる。特に、電子写真方式を採用するフルカラープリンタなどのカラー画像形成装置においては、フレームの撓みや捩れが装置の品質を左右する要素として重要である。そのため、フレームの撓みや捩れを簡易に、低コストで抑制する手段が求められている。
【0003】
ここで、フレームの撓みや捩れを抑制する従来技術としては、第1に、凹凸のある面に装置本体が置かれた際にも、フレームが捩れないようフレームの剛性を十分に上げる方法が挙げられる。そして、第2に、設置点を3点に限定する方法が挙げられる。
【0004】
特許文献1には、上記第2の方法の例が開示されている。この第2の方法によれば、設置点を3点に限定することで、凹凸のある面に装置本体が置かれた際でも、その3点で平面が決定するため、原理的にはフレームが捩れることがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−330351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の第1の方法では、フレームの構成部品や底板の捩れ剛性を上げるため、底板の板厚を厚くしたり、絞りなどの形状で断面積を増したりしている。その結果、装置本体の重量は重くなり、部品コストの上昇に繋がってしまうという課題がある。又、絞り形状により剛性を上げることは、平面度や寸法精度の低下に繋がり、結果としてフレームに取り付けられる各種ユニットの取付位置精度の低下を招く可能性があるという課題もある。
【0007】
尚、この第1の方法を採用する場合の設置点は、一般に4点とされることが多い。そのため、設置点が4点のフレームは、ほぼこの第1の方法による捩れ抑制思想を採用しているとみなせる。画像形成装置としては、この第1の方法を採用するものが主流である。
【0008】
次に、上述の第2の方法では、次のような課題がある。ここで、説明のために画像形成装置を正面(操作者が通常その前から装置の操作を行う側)から見たときの右側の側面、左側の側面を、それぞれ第1の側面、第2の側面とする。
【0009】
上述の第2の方法では、例えば装置本体の第1の側面側のフレームの下部の第1の稜線に沿って十分に間隔をおいた2点の設置点を配置し、この第1の側面と対向する第2の側面側のフレームの下部の第2の稜線に沿って1点の設置点を配置する。
【0010】
この際、第2の側面側の1点の設置点は、装置本体の重心を上記第2の稜線に垂直に投影した位置の近傍に配置することが望ましい。この配置によれば、装置の重量がフレームに与える荷重の影響をより効果的に抑制できるためである。
【0011】
従って、例えば装置本体の重心が装置の後方(上記正面と対向する背面側)に寄っている場合などには、第2の側面側の1点の設置点は、第2の稜線の中央から後方の重心側へとずらした配置とすることが望ましい。
【0012】
その結果、この1点の設置点から遠い側の第2の稜線の端部、即ち、装置の正面側の端部には、撓みを生じさせる大きな力がかかることが考えられる。例えば、装置の正面側の上部には、操作者がアクセスする操作盤やトナーボトルなどが配置されることがある。そのため、操作者が手をつくなどの動作により、第2の稜線における装置の正面側の端部に対する荷重は、装置の自重以上に大きくなる。
【0013】
この課題に対する対策としては、第2の稜線を含む底板やフレームの構成部品の剛性を上げることが考えられる。しかし、それでは結果的に上述の第1の方法と同じく、部品コストの上昇に繋がるという課題がある。
【0014】
又、装置本体にオプション装置を連結する場合などには、装置本体の重心の位置がオプション装置の有無で変わることになる。この重心の変化は、オプションの装着の位置が装置の側面の場合などに特に顕著となる。又、このオプション装置が記録画像(装置本体から出力された記録材)の後排紙処理装置などである場合には、記録画像がオプション装置に載置されるに従い、記録画像の重みで重心は更に変動することになる。このように、装置の重心の位置が変化する場合、第2の側面側の1点の設置点の配置が難しいという課題もある。
【0015】
従って、本発明の目的は、装置の設置面の状態やオプション装置の有無などによる装置の重心の位置の変化に拘わらず、装置本体のフレームの撓みや捩れを抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部を支持するフレームと、を有する画像形成装置において、前記画像形成装置の第1の側面側の前記フレームの下部の第1の稜線に沿って少なくとも2箇所に設けられた第1の支持脚と、前記画像形成装置の前記第1の側面と対向する第2の側面側の前記フレームの下部の第2の稜線に沿って設けられた第2の支持脚と、前記第2の稜線に沿って設けられた第3の支持脚であって、前記第2の稜線に沿って前記第2の支持脚よりも前記画像形成装置の使用状態によってその重心の位置が変化する側の位置に配置され、前記画像形成装置の設置面に接触しないように収納された第1の位置から前記画像形成装置の設置面に接触する第2の位置まで略鉛直方向に沿って移動可能である第3の支持脚と、前記第3の支持脚を前記画像形成装置の設置面の高さに応じた前記第2の位置で固定可能な位置固定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置の設置面の状態やオプション装置の有無などによる装置の重心の位置の変化に拘わらず、装置本体のフレームの撓みや捩れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例に係る画像形成装置の模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る画像形成装置のフレームの正面、右側面及び底面側が現れた斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る画像形成装置のフレームの背面、左側面及び底面側が現れた斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る画像形成装置の重心位置を説明するための画像形成の外観図である。
【図5】本発明の一実施例に係る画像形成装置のオプション装置の装着状態を説明するための画像形成装置の外観図である。
【図6】本発明の一実施例に係る画像形成装置のフレームに設けられた可動支持脚ユニットを拡大して示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施例に係る画像形成装置のフレームに設けられた可動支持脚ユニットの動作過程を説明するための部分断面側面図である。
【図8】本発明の他の実施例に係る画像形成装置のフレームに設けられた可動支持脚ユニットを拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0020】
実施例1
1.画像形成装置の全体的構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置1の断面を模式的に示す。尚、以下の説明において、図1の紙面手前側を画像形成装置1の「正面(前)」、紙面奥側を「背面(後)」とし、画像形成装置1の正面側の側面を単に「正面」、背面側の側面を単に「背面」ともいう。又、画像形成装置1について左右は、画像形成装置1を正面から見た場合の左右であり、画像形成装置1の左右方向における左側の側面を「左側面」、右側の側面を「右側面」ともいう。又、画像形成装置1の上下は、画像形成装置1の通常の使用状態における鉛直方向の上下であり、画像形成装置1の上下方向における上側の側面を「上面」、下側の側面を「底面」ともいう。本実施例では、画像形成装置1の正面と背面とは略平行であり、右側面と左側面は平行であり、正面及び背面に略直交する直線と、右側面及び左側面に略直交する直線とは互いに略直交する。ここで、画像形成装置1の正面側は、通常、操作者が画像形成装置1を操作する側である。
【0021】
図1に示すように、本実施例の画像形成装置1は、中間転写体としての中間転写ベルト12の画像担持面の移動方向に沿って、第1、第2、第3、第4の画像形成部PY、PM、PC、PKを配置した、タンデム型のフルカラー複合機である。第1、第2、第3、第4の画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれ電子写真方式によりトナー像を形成する。
【0022】
第1、第2、第3、第4の画像形成部PY、PM、PC、PKの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同一である。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを表すための符号の添え字は省略して総括的に説明する。
【0023】
画像形成部Pは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム21を有する。感光ドラム21は、図示矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って順に、次の各手段が設けられている。先ず、帯電手段としての帯電ローラ22である。次に、現像手段としての現像装置24である。次に、一次転写手段としての一次転写ローラ25である。次に、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーナ26である。又、各画像形成部Pの感光ドラム21の表面を、感光ドラム21の回転方向において帯電ローラ22と現像装置24との間の位置で画像情報に応じて露光するように、露光手段としての露光装置(レーザスキャナ)13が配置されている。各一次転写ローラ25は、中間転写ベルト12の内周面側において、各感光ドラム21に対向する位置に配置されている。そして、中間転写ベルト12を感光ドラム21に向けて押圧して、中間転写ベルト21と各感光ドラム21とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)T1を形成する。又、中間転写ベルト21の外周面側には、中間転写ベルト12が張架された複数のローラのうちの一つである二次転写対向ローラに対向する位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ16が配置されている。二次転写ローラ16は、中間転写ベルト12を介して二次転写対向ローラに押圧され、中間転写ベルト12と二次転写ローラ16とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)T2を形成する。
【0024】
画像形成部Pでは、回転する感光ドラム21の表面が、帯電ローラ22によって一様に帯電させられる。帯電した感光ドラム21の表面は、各画像形成部Pに対応する画像情報に従って、露光装置13によって走査露光される。これにより、感光ドラム21上に画像情報に従った静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム21上に形成された静電潜像は、現像装置24によって現像剤としてのトナーが供給されることによって、トナー像として現像される。感光ドラム21上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ25の作用によって、図示矢印R2方向に回転する中間転写ベルト12上に一次転写される。
【0025】
第1の画像形成部PYでは、イエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト12に一次転写される。第2の画像形成部PMでは、マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト12上のイエロートナー像に重ねて一次転写される。第3、第4の画像形成部PC、PKでは、それぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト12上のトナー像に位置を重ねて順次一次転写される。
【0026】
中間転写ベルト12に担持された4色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送され、別途二次転写部T2に搬送される記録材Sへ一括して二次転写される。
【0027】
二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Sは、縦パス部4に収納された定着装置14で加熱及び加圧を受けて、表面にトナー像が定着された後に、排出ローラ15によって排紙トレイ5へ排出される。
【0028】
装置本体3の下側に、給紙カセット2が、正面側へ引き出し可能に配置される。給紙カセット2から1枚ずつ引き出された記録用紙などの記録材Sは、二次転写部T2の手前で待機し、中間転写ベルト12上のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。
【0029】
装置本体3の上側には、縦パス部4を介して画像読取部(本実施例ではフラットベッドスキャナ)6が配置される。画像読取部6は、読取面(本実施例ではガラス板)に載置された原稿の下面の画像を光学的に読み取って、画像データに変換するものである。自動原稿給送装置(ADF)7を持ち上げた状態で、読取面6aに原稿を載置することができる。自動原稿給送装置7は、原稿トレイ8に積載した束原稿から、原稿を1枚ずつ分離して読取面6aを通過させて、画像読取部6に原稿を流し読みさせる。
【0030】
操作盤11は、装置本体3の正面に配置されている。操作盤11の直下の縦パス部4には、排紙ローラ15を含む記録材Sの搬送機構、各種センサ、送風ファンなどが収納されている。
【0031】
自動読取モードにおいては、自動原稿給送装置7の原稿トレイ8上に原稿をセットする。手動読取モードにおいては、自動原稿給送装置7を後側へ回動させて上方へ開放することで、画像読取部6の読取面6aにアクスセス可能となる。そして、自動原稿給送装置7の原稿トレイ8(又は画像読取部6の読取面6a)に原稿をセットした後、操作盤11を通じて、白黒又はカラーの読取モードや、コピー出力サイズ、記録材Sの種類、コピー枚数などの情報を入力する。
【0032】
操作盤11に入力された情報に基づいて、画像読取部6において原稿の画像情報が読み取られる。そして、給紙カセット2内又は開放した手差しトレイ9上に積載された記録材Sが給紙され、装置本体3で画像形成がされ、縦パス部4を経由して排紙トレイ5に排出されて積載される。
【0033】
尚、本実施例の画像形成装置1は、パーソナルコンピュータなどの外部装置から送られてきた画像情報に応じて記録材Sに画像を形成して出力することもできる。
【0034】
2.フレームの撓み・捩れ
カラー画像の形成においては、各色間の画像位置合わせ(以下「色ずれ補正」という。)が画像品質における重要な要素となる。特に、回転軸が平行な複数の像担持体上に形成されるトナー像が、転写材上に重ねて転写されるタンデム型の画像形成装置では、色ずれ補正の誤差が即ち記録画像における色ずれ量としてそのまま現れてしまう。像担持体からトナー像が転写される転写材としては、中間転写ベルト又はシート搬送ベルトにより搬送される記録材などがあるが、本実施例では中間転写ベルトである。
【0035】
色ずれ補正の誤差の原因としては、特に画像形成装置の設置環境(画像形成装置が設置される面の水平度、凹凸、剛性など)による装置本体のフレームの撓みや捩じれなどの変形が挙げられる。例えば、凹凸がある設置面に画像形成装置を設置する場合、画像形成装置の支持の仕方によってはフレームに撓みや捩じれなどの変形が発生することになる。フレームに変形が生じた場合、複数の像担持体の回転軸が捻じれ、その結果、各色の位置が相対的に変化し、その変化が記録画像の色ずれに繋がることになる。
【0036】
又、エンドレスベルト(中間転写ベルトや搬送ベルトなど)を装置本体のフレームに支持されたローラによって張架・搬送する場合においても、フレームの撓みや捩じれは重要な要素となる。なぜならばフレームが捩じれることは、即ちエンドレスベルトを張架するローラのアライメントが崩れるということであり、ひいてはローラの軸線方向に対するエンドレスベルトの寄り力の増大に繋がる。エンドレスベルトの寄り力の増大は、ベルトの端部の劣化や破損に至る要因であり、エンドレスベルトの寿命を左右する。
【0037】
以上のように、装置本体のフレームの撓みや捩じれは、画像形成装置にとって、製品としての品質を左右する重要な要素である。
【0038】
3.フレームの支持構成
次に、装置本体のフレームの撓みや捩れに影響を与える画像形成装置の重心の位置について説明する。
【0039】
図2は、本実施例の画像形成装置1における装置本体3のフレーム100の正面、右側面及び底面側が現れた斜視図である。図3は、フレーム100の背面、左側面及び底面側が現れた斜視図である。図4は、本実施例の画像形成装置1の外観図であり、図4(a)は上面側から見た外観、図4(b)は左側面側から見た外観を示す。又、図5は、装置本体3にオプション装置(オプションユニット)を装着する前と装着した後における画像形成装置1の外観図であり、図5(a)は装着する前、図5(b)は装着した後における画像形成装置1の外観を示す。
【0040】
フレーム100の形成部品のひとつである後側板140(図3)には、画像形成装置1の駆動源が納められた駆動ユニット205、電装類が納められたコントローラユニット201、202、及び電源203などが装着されている。駆動ユニット205や電装ユニット類は、板金などを多用して構成されているため、フレーム100の内部に装着されるユニットよりも重量が重い。従って、画像形成装置1の重心Gの位置は、背面側へと偏ることになる(図4(a)、(b))。図4(a)、(b)は、重心Gの位置を画像形成装置1の外観に明示したものである。図4(a)、(b)から分かるように、画像形成装置1の重心Gの位置は、画像形成装置1の正面と背面とを結ぶ直線上の中央よりも背面側(後方寄り)に位置している。
【0041】
しかし、画像形成装置1にオプション装置を装着すると、画像形成装置1の重心Gの位置は変化する。例えば、図5(a)に示すオプション装置を装着しないプレーンなモデルに対し、図5(b)に示すように装置本体3の左側面側にオプション装置として記録画像(装置本体から出力された記録材)の後排紙処理装置300が装着された場合を考える。ここで、後排紙処理装置300は、例えば記録画像にパンチ穴をあけたり、複数の記録画像をステープルでとめたり、記録材画像をシフトさせて積載していくことで指定部数毎或いはグループ毎にソートしたりする後処理装置(フィニッシャー)である。このとき、装置本体3の重心の位置と、後排紙処理装置300の重心の位置は一致していない。従って、このように装置本体3にオプション装置を装着することにより、画像形成装置1の重心Gの位置は変化することになる。
【0042】
又、記録画像が後排紙処理装置300が備える載置トレイ301上に積載されていく場合、記録画像の重心位置は、図4(b)に示す領域Hのほぼ中心線上(記録材Sの搬送方向と略直交する方向における排紙トレイ5及び載置トレイ301の中央)である。そのため、後排紙処理装置300の載置トレイ301への記録画像の積載枚数に応じて画像形成装置1の重心Gの位置が画像形成装置1の正面側へと変化していくことになる。
【0043】
以上のように、画像形成装置1の重心Gの位置は画像形成装置1の背面側(後方寄り)に位置することが多い。又、画像形成装置1の重心Gの位置は必ずしも不変のものではなく、オプション装置の装着状態などにより変化するものである。又、画像形成装置1の正面側の上部への各種交換部品へのアクセスや、操作者が手をつくなどの操作を考慮すると、想定以上の荷重がフレーム100にかかることも十分に考えられる。従って、例えば装置本体3の右側面の下部の稜線に沿って十分に間隔をおいた2点の設置点を配置し、左側面の下部の稜線に沿って1点の設置点を配置した場合、この1点の設置点にかかる撓み荷重は無視し得ないものになることがある。
【0044】
そこで、本実施例では、概略、次のようなフレーム100の支持構成とする。即ち、3点の固定支持脚と、この3点の固定支持脚とは別に1点の可動支持脚とを設ける。この1点の可動支持脚は、フレーム100の内部に収納された第1の位置から、画像形成装置1の設置面に接触する第2の位置まで、略鉛直方向に沿って移動可能である。そして、この1点の可動支持脚を、設置面の高さに応じた任意の上記第2の位置で固定可能な位置固定手段を設ける。
【0045】
以下、本実施例におけるフレーム100の支持構成について更に詳しく説明する。
【0046】
先ず、画像形成装置1は、フレーム100を支持する支持脚として、画像形成装置1の第1の側面1Aとしての右側面側のフレーム100の下部の稜線(以下「右側下部稜線」という。)101に沿って少なくとも2箇所に設けられた第1の支持脚110を有する。本実施例では、第1の支持脚110は、画像形成装置1の背面側と正面側に1個ずつ(合計2個)設けられている。以下、これらをそれぞれ第1固定支持脚(背面側)111、第2固定支持脚(正面側)112という。
【0047】
又、画像形成装置1は、画像形成装置1の第1の側面と対向する第2の側面1Bとしての左側面側のフレーム100の下部の稜線(以下「左側下部稜線」という。)102に沿って少なくとも1箇所に設けられた第2の支持脚120を有する。以下、これを第3固定支持脚120という。
【0048】
第1固定支持脚111、第2固定支持脚112及び第3固定支持脚120は、フレーム100に固定されるか又は一体的に形成されており、その高さが実質的に不変な固定支持脚である。第1固定支持脚111と第2固定支持脚112とは、右側下部稜線101に沿って十分に間隔をあけて配置されている。そして、画像形成装置1を上面側から見たときに、第1固定支持脚111、第2固定支持脚112及び第3固定支持脚120を結ぶ線が画像形成装置1の重心Gを内包する略三角形となるように、これらの支持脚111、112及び120は配置されている。
【0049】
更に、画像形成装置1は、オプション装置を装着しない状態(プレーン状態)においては画像形成装置1の設置面に接地していなくてよい、左側下部稜線102に沿って少なくとも1箇所に設けられた第3の支持脚として、1個の可動支持脚131を有する。可動支持脚131は、左側下部稜線102に沿って、第3固定支持脚120に対し所定の間隔をあけて設けられている。
【0050】
本実施例では、画像形成装置1は、オプション装置を装着しない状態では、第1固定支持脚111、第2固定支持脚112及び第3固定支持脚120の合計3点の固定支持脚によって3点支持にて設置面に設置されるものとする。しかし、詳しくは後述するように、オプション装置を装着しない状態においても、所望に応じて、可動支持脚131を用いることは可能である。
【0051】
更に説明すると、本実施例では、第1固定支持脚111及び第2固定支持脚112は、記録画像の給紙・搬送が主として行われる画像形成装置1の右側面側のフレーム100に設けられている。これは、このように記録画像の給紙・搬送が行われる側のフレーム100を2点で確実に支持することで、記録画像の搬送を行うローラ類のアライメントに与えるフレーム100の撓みや捩れの影響をより効果的に抑制できるためである。第1固定支持脚111は、オプション装置を装着しない状態における画像形成装置1の重心Gを、右側下部稜線101に垂直に投影した位置よりも、右側下部稜線101に沿って背面側に配置されている。第2固定支持脚112は、オプション装置を装着しない状態における画像形成装置1の重心Gを、右側下部稜線101に垂直に投影した位置よりも、右側下部稜線101に沿って正面側に配置されている。特に、本実施例では、第2固定支持脚112は、右側下部稜線101の正面側端部の近傍に配置される。これにより、操作者により加えられる荷重などによってフレーム100の撓みや捩れが生じることをより効果的に抑制することができる。
【0052】
一方、本実施例では、第3固定支持脚120は、第1固定支持脚111及び第2固定支持脚112が設けられている側である右側面と対向する左側面側のフレーム100に設けられている。特に、本実施例では、第3固定支持脚120は、図5(a)に示すようにオプション装置を装着しない状態における画像形成装置1の重心Gを、左側下部稜線102に垂直に投影した位置の近傍に配置されている。これにより、オプション装置を装着していない状態で、画像形成装置1の重量がフレーム100に与える荷重の影響をより効果的に抑制することができる。
【0053】
そして、可動支持脚131は、左側下部稜線102に沿って、第3固定支持脚120よりも、画像形成装置1の使用状態によって画像形成装置1の重心Gの位置が変化する側の位置に配置される。画像形成装置1の重心Gの位置が変化する方向は、オプション装置の装着や操作者により加えられる荷重などによって、それが無い場合の位置から画像形成装置1の重心Gの位置が移動する方向を、左側下部稜線102に垂直に投影した方向である。本実施例では、左側下部稜線102に沿って第3固定支持脚120の近傍から画像形成装置1の正面側に向かう方向である。特に、本実施例では、可動支持脚131は、左側下部稜線102の正面側端部の近傍に配置される。これにより、オプション装置の装着や操作者により加えられる荷重などにより画像形成装置1の重心Gの位置の変化が生じた場合に、フレーム100の撓みや捩れが生じることをより効果的に抑制することができる。
【0054】
この可動支持脚131は、これをフレーム100の内部に収納された第1の位置から、画像形成装置1の設置面に接触する第2の位置まで、略鉛直方向に沿って移動可能とする可動支持脚ユニット130に設けられている。可動支持脚ユニット130は、可動支持脚131を、上記第1の位置に対する設置面の高さに応じた任意の上記第2の位置で固定可能な位置固定手段を有する。以下、可動支持脚ユニット130について更に詳しく説明する。
【0055】
図6は、可動支持脚ユニット130を拡大して示す、図2と同様の方向から見た斜視図である。図7(a)、(b)、(c)は、可動支持脚ユニット130を右側面側から見た部分断面側面図であり、可動支持脚ユニット130の動作過程を示している。
【0056】
可動支持脚ユニット130において、可動支持脚131は、フレーム100に固定されるか又は一体に形成された第1の収納部側板135と第2の収納部側板136との間に形成された収納部138内に、移動可能に収納されている。本実施例では、収納部138の底面側には底板137が設けられている。可動支持脚131は、その下側の所定範囲の部分を、底板137に設けられた開口部137aから下方に露出させるように移動して、画像形成装置1の設置面に接触できるようになっている。
【0057】
可動支持脚131は、略細長四角柱形状を有しており、その長手方向が略鉛直方向に沿うようにして上下に移動可能とされている。可動支持脚131は、その移動量を規制する作用を受ける規制受け部として、その長手方向における上側端部と下側端部の近傍に、それぞれ第1、第2の長丸穴131a、131bを有する。第1、第2の長丸穴131a、131bは、可動支持脚131を一方向に貫通する。又、可動支持脚131は、その長手方向において第1、第2の長丸穴131a、131bの間に、後述するストッパ支軸133を逃がすための逃がし穴131cを有する。逃がし穴131cは、可動支持脚131を長丸穴131a、131bと同方向に貫通する。
【0058】
可動支持脚131の長丸穴131a、131bには、可動支持脚131の移動量を規制する規制部材として、第1、第2の収納部側板135、136間に架け渡されるようにしてフレーム100に固定された2本の規制軸139a、139bがそれぞれ貫通される。そして、この規制軸139a、139bが、それぞれ長丸穴131a、131bと係合することで、可動支持脚131は略鉛直方向に沿って上下に移動自在とされている。可動支持脚131の略鉛直方向に沿う移動量は、長丸穴131a、131bの長手方向の長さによって規定される。上方へ可動支持脚131を退避させた場合、可動支持脚131はフレーム100の内部、より詳細には、第1、第2の収納部側板135、136及び底板137で囲まれた収納部138の内部に収納される。この位置が、可動支持脚131の第1の位置である。
【0059】
又、可動支持脚ユニット130は、可動支持脚131の位置を固定するためのストッパ132を有する。ストッパ132は、軸部132cと、軸部132cの一方の端部に一体的に形成された持ち手132aと、軸部132cの他方の端部に一体的に形成されたストッパ部132bとを有する。又、ストッパ132の軸部132cの中央部を通る軸線方向に沿って、持ち手132aからストッパ部132bまで貫通する支軸挿入穴132eが形成されている。持ち手132aは、画像形成装置1の正面側から操作者が操作できるように、画像形成装置1の正面側に突出している。尚、持ち手132aは、画像形成装置1のフレーム100を外側から覆う外装カバーの内側に配置され、所望により操作者がアクセスできるようになっていてもよい。
【0060】
ストッパ132は、第1の収納部側板135を貫通するストッパガイド穴135aの縁を形成するストッパガイド135bに軸部132cが案内されて、この軸部132cの軸線方向に沿って、可動支持脚131に近づく方向及び離れる方向に移動可能とされている。本実施例では、ストッパ132は、画像形成装置1の正面及び背面と略直交する方向(前後方向)に沿って移動可能とされている。ストッパ132の支軸挿入穴132e内には、ストッパ132の持ち手132aの外部から、可動支持脚131の逃がし穴131c、第2の収納部側板136の貫通穴136aを通して、収納部138の外部まで一直線に連続するストッパ支軸133が挿入される。第2の収納部側板136側のストッパ支軸133の端部に形成されたフランジ部133aと第2の収納部側板136との間には、付勢部材としての圧縮バネ134が配置される。一方、ストッパ132の持ち手132a側のストッパ支軸133の端部は、固定部材135によってストッパ132に対して移動不可能に固定される。このように、ストッパ132は、ストッパ支軸133と一体的に固定されており、ストッパ支軸133の軸線に沿って移動可能となっている。従って、ストッパ132は、ストッパ支軸133が圧縮バネ134によって付勢されると、可動支持脚131に近づく方向に付勢される。これにより、可動支持脚131は、ストッパ132によって、フレーム100の第2の収納部側板136に押圧される。
【0061】
更に説明すると、ストッパ支軸132の端部のフランジ部133aと第2の収納部側板136との間に係止された圧縮バネ134の付勢力によって、図7(a)に示す矢印y方向へとストッパ支軸133が加圧される。そして、ストッパ支軸133とストッパ132は一体的に固定されているため、この圧縮バネ134により、可動支持脚131をフレーム100の第2の収納部側板136に押圧する押圧力が生じることになる。
【0062】
又、可動支持脚131のストッパ132に押圧される面には、鋸歯状の係止爪131dが形成されている。又、ストッパ132の可動支持脚131に押圧される面にも、同様の形状の鋸歯状の係止爪132dが形成されている。可動支持脚131とストッパ132にそれぞれ設けられる係止爪131d、132dの爪形状(爪角度)は、次のように設定されている。即ち、可動支持脚131が上方に付勢される場合(可動支持脚131から見るとフレーム100が下方に付勢される場合)に、係止爪131d、132dのそれぞれの爪形状が係合し、可動支持脚131が移動不可能に固定されるように設定されている。
【0063】
本実施例では、上述のストッパ132、ストッパ支軸133、圧縮バネ134、固定部材135、可動支持脚131に形成された係止爪131dなどによって、フレーム100に対する可動支持脚131の位置を固定する固定手段が構成される。
【0064】
次に、画像形成装置1を設置面に設置する際の手順、及びフレーム100の支持構成の変更について説明する。
【0065】
先ず、オプション装置が画像形成装置1に装着されていない場合、図7(a)に示すように、可動支持脚131はフレーム100の収納部138の内部に収納されている(第1の位置)。そのため、画像形成装置1は、第1固定支持脚111、第2固定支持脚112及び第3固定支持脚120の3点で設置面に支持される。この際、画像形成装置1のフレーム100は3点の支持脚で形成される平面にならい、画像形成装置1の静的状態における重心Gの位置の変動はほぼないとみなせる。そのため、フレーム100の撓みや捩れは原理的には発生しない。
【0066】
次に、可動支持脚ユニット130を動作させる。図7(a)に示すように、第1固定支持脚111、第2固定支持脚112及び第3固定支持脚120による画像形成装置1の設置直後の状態では、可動支持脚131は設置面Lに当接していない。この状態で、図7(b)に示すように、ストッパ132を矢印x方向へと引っ張ると、可動支持脚131とストッパ132の係止爪131d、132dの係合が解除される。そして、可動支持脚131が、それ自体の自重により下方(矢印z方向)へと落ちて、設置面Lに当接する(第2の位置)。ここで操作者がストッパ132を離すと、図7(c)に示すように、可動支持脚131とストッパ132の係止爪131d、132dが噛み合い、可動支持脚131はそれ以上移動できないように固定される。
【0067】
この状態において、画像形成装置1は、フレーム100に撓みや捩れを生じさせることなく、第1固定支持脚111、第2固定支持脚112、第3固定支持脚120及び可動支持脚131の4点で支持される。従って、可動支持脚131の直上から下方へと荷重をかけたとしても、可動支持脚131を経由して設置面Lで荷重を受けることとなり、フレーム100への負荷は最小となる。又、オプション装置を装着する場合でも、上述の通りフレーム100が撓みや捩れの無い状態で4点支持されているため、画像形成装置1の重心Gの位置が変化してもフレーム100の撓みや捩れを抑制することができる。
【0068】
尚、可動支持脚131を、設置面に接触した状態からフレーム100の収納部138の内部に収納した状態に移動させるためには、概略、上述の手順の逆の手順によればよい。即ち、図7(c)に示す状態から、操作者がストッパ132を図7(b)に示す矢印xの方向に引っ張り、可動支持脚131とストッパ132の係止爪131d、132dの係合を解除する。その状態で、図7(b)に示すように、可動支持脚131を、操作者が手などでフレーム100の収納部138の内部まで移動させる。次いで、図7(a)に示すように、操作者がストッパ132を離すと、可動支持脚131とストッパ132の係止爪131d、132dが噛み合い、可動支持脚131はフレーム100の収納部138の内部に収納された状態で移動できないように固定される。
【0069】
このように、本実施例の画像形成装置1は、記録材Sに画像を形成する画像形成部Pと、画像形成部Pを支持するフレーム100と、を有する。この画像形成装置1は、画像形成装置1の第1の側面側のフレーム100の下部の第1の稜線101に沿って少なくとも2箇所に設けられた第1の支持脚110(111、112)を有する。又、この画像形成装置1は、画像形成装置1の第1の側面と対向する第2の側面側のフレーム100の下部の第2の稜線102に沿って設けられた第2の支持脚120を有する。又、この画像形成装置1は、第2の稜線102に沿って設けられた第3の支持脚131を有する。この第3の支持脚131は、第2の稜線102に沿って第2の支持脚120よりも画像形成装置1の使用状態によってその重心Gの位置が変化する側の位置に配置される。又、この第3の支持脚131は、画像形成装置1の設置面Lに接触しないように収納された第1の位置から画像形成装置1の設置面Lに接触する第2の位置まで略鉛直方向に沿って移動可能である。そして、画像形成装置1は更に、第3の支持脚131を画像形成装置1の設置面Lの高さに応じた上記第2の位置で固定可能な位置固定手段を有する。本実施例では、位置固定手段は、ストッパ132、ストッパ支軸133、圧縮バネ134、固定部材135、可動支持脚131に形成された係止爪131dなどによって構成される。又、本実施例では、画像形成装置1の第2の側面側にオプション装置300を着脱自在であり、画像形成装置1の使用状態としてオプション装置300が装着されたことによって画像形成装置1の重心の位置が変化する。又、本実施例では、このオプション装置は、画像形成装置1からオプション装置300に供給された記録材Sが積載されるトレイ301を有する。この場合、画像形成装置1の使用状態として、トレイ301に積載される記録材Sの量によっても、画像形成装置1の重心Gの位置は変化する。尚、本実施例では、画像形成装置1の第1の側面に沿って、画像が形成された記録材Sを搬送する搬送経路を有しており、当該側面側は、少なくとも2箇所の第1の支持脚110(111、112)によって支持される。
【0070】
以上、本実施例によれば、簡易で、比較的低コストな構成により、装置の設置面の状態やオプション装置の有無などによる装置重心の変化・変動に拘わらず、装置本体のフレームの撓みや捩れを抑制することができる。
【0071】
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0072】
本実施例では、画像形成装置1は、図8に示すように、可動支持脚131の位置検知手段を備えている。
【0073】
即ち、本実施例では、画像形成装置1のフレーム100に、位置検知手段としての光検知手段であるフォトインタラプタ400が設けられている。又、可動支持脚131の長手方向における上側の端部には、フォトインタラプタ400における検知部を遮光する遮光フラグ131eが設けられている。フォトインタラプタ400は、可動支持脚131がフレーム100の収納部138の内部に収納された第1の位置にある時に、遮光フラグ131eによって遮光されるように配置されている(図8(a))。可動支持脚131が設置面に接触した第2の位置にある時には、遮光フラグ131eはフォトインタラプタ400を遮光する位置にはない(図8(b))。尚、位置検知手段としては、可動支持脚131が第1の位置にあるか第2の位置にあるかによる光学的、機械的或いは電気的な状態の変化を検出して可動支持脚131の位置を検知する任意の手段を用いることができる。例えば、上述のフォトインタラプタの他にマイクロスイッチなどを用いてもよい。
【0074】
従って、画像形成装置1が、オプション装置が装着されておらず、可動支持脚131を除く3点で支持されている場合は、フォトインタラプタ400が、可動支持脚101がフレーム100の収納部138の内部に収納されていることを検知している状態となる。この場合、画像形成装置1に、画像形成装置1の状態を表示可能な表示手段としての操作盤11などが設けられていれば、操作者は操作盤11から可動支持脚131の位置に係る情報を参照可能となる。具体的には、制御手段としての例えば画像形成装置1の動作を統括的に制御するコントローラ(図示せず)が、フォトインタラプタ400による検知信号から可動支持脚131の位置(第1の位置にあるか第2の位置にあるか)を判断する。そして、コントローラは、その判断結果に応じて、操作盤11からの指示により或いは常に、操作盤11に可動支持脚131の位置に係る情報を表示させる。
【0075】
又、画像形成装置1に、後排紙処理装置300などオプション装置が装置本体3に装着されたことを検知する装着検知手段を設けることができる。装着検知手段としては、上述の位置検知手段と同様に、オプション装置の有無による光学的、機械的或いは電気的な状態の変化を検出してオプション装置が装着されたか否かを検知する任意の手段を用いることができる。例えば、上述の位置検知手段と同様に、フォトインタラプタやマイクロスイッチなどを用いることができる。この場合、コントローラは、例えば後排紙処理装置300が装着されたことと、可動支持脚131が収納されていることの双方が検知された場合などに、次のようにして操作盤11に可動支持脚131の位置に係る情報を表示させることができる。即ち、例えば「後排紙処理装置を外し、ストッパを引いて下さい」などと、支持構成を変更する正しい手順を操作者に明示することができる。
【0076】
このように、本実施例では、画像形成装置1は、第3の支持脚131が第1の位置にあることを検知可能な位置検知手段400と、第3の支持脚131の位置に係る情報を表示する表示手段と、を有する。又、画像形成装置1は更に、オプション装置300が装着されたことを検知可能な装着検知手段を有していてもよい。この場合、表示手段は、装着検知手段がオプション装置300が装着されたことを検知した際に、位置検知手段による第3の支持脚131の位置に係る情報を表示するようにすることができる。
【0077】
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、操作者が可動支持脚の状態を確認したり、操作者に画像形成装置の支持構成の変更を促したりすることができる。
【0078】
その他
以上、本発明をいくつかの具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。例えば、可動支持脚をフレームに固定する手段としては、ビスなどを用いてフレームに締結する手段を用いてもよい。又、上述の実施例では、第1の支持脚は2個であるものとしたが、例えば上記本実施例における第1固定支持脚、第2固定支持脚のうちいずれか一方又は両方を複数に分割するようにして、更に多数の第1の支持脚を有していてもよい。この場合でも、分割された脚間のフレームの撓み量が許容できる程度に少なければ、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。又、上述の実施例では、第2の支持脚は1個であるものとしたが、例えば上記本実施例における第3固定支持脚を複数に分割するようにして、第2の支持脚を複数設けてもよい。この場合でも、分割された脚間のフレームの撓み量が許容できる程度に少なければ、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。更に、上述の実施例では、第3の支持脚は1個であるものとしたが、第3の支持脚を複数個設けてもよい。この場合も、複数設けた第3の支持脚間のフレームの撓み量が許容できる程度に少量であれば、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。又、第3の支持脚は、オプション装置を装着した場合にのみ使用することに限定されるものではない。例えば、画像形成装置の製造者は、一般的な使用のためには設置面の凹凸などによるフレームの撓みや捩れを抑制することを重視した3点支持を推奨しつつも、オプション装置を装着しなくても所望により第3の支持脚を用い得ることを指示することができる。
【0079】
又、本発明による効果は、装置の小型化・フレームの軽量化を推し進めるほど顕著となるものであり、近年の画像形成装置に対する市場の要求である小型化・低価格化に適したものである。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置
3 画像形成装置本体
100 フレーム
110 第1の支持脚
111 第1固定支持脚(第1の支持脚)
112 第2固定支持脚(第1の支持脚)
120 第3固定支持脚(第2の支持脚)
130 可動支持脚ユニット
131 可動支持脚(第3の支持脚)
132 ストッパ
133 支軸
134 圧縮バネ
300 オプション装置(後排紙処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部を支持するフレームと、を有する画像形成装置において、
前記画像形成装置の第1の側面側の前記フレームの下部の第1の稜線に沿って少なくとも2箇所に設けられた第1の支持脚と、
前記画像形成装置の前記第1の側面と対向する第2の側面側の前記フレームの下部の第2の稜線に沿って設けられた第2の支持脚と、
前記第2の稜線に沿って設けられた第3の支持脚であって、前記第2の稜線に沿って前記第2の支持脚よりも前記画像形成装置の使用状態によってその重心の位置が変化する側の位置に配置され、前記画像形成装置の設置面に接触しないように収納された第1の位置から前記画像形成装置の設置面に接触する第2の位置まで略鉛直方向に沿って移動可能である第3の支持脚と、
前記第3の支持脚を前記画像形成装置の設置面の高さに応じた前記第2の位置で固定可能な位置固定手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の側面側にオプション装置を着脱自在であり、前記画像形成装置の使用状態として前記オプション装置が装着されたことによって前記画像形成装置の重心の位置が変化することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記オプション装置は、前記画像形成装置から前記オプション装置に供給された記録材が積載されるトレイを有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第3の支持脚が前記第1の位置にあることを検知可能な位置検知手段と、前記第3の支持脚の位置に係る情報を表示する表示手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第3の支持脚が前記第1の位置にあることを検知可能な位置検知手段と、前記オプション装置が装着されたことを検知可能な装着検知手段と、前記第3の支持脚の位置に係る情報を表示可能な表示手段と、を有し、前記表示手段は、前記装着検知手段が前記オプション装置が装着されたことを検知した際に、前記位置検知手段による前記第3の支持脚の位置に係る情報を表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の側面に沿って、画像が形成された記録材を搬送する搬送経路を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−252277(P2012−252277A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126668(P2011−126668)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】